JP4631499B2 - ダイヤモンド基板及びその製造方法 - Google Patents
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(1)凹部となる第1の領域と、該第1の領域を取り囲む第2の領域とを含む主面を有する導電性基板と、前記主面の前記第1の領域上に設けられた板状の導電性単結晶ダイヤモンド部と、前記主面の前記第2の領域上に設けられた層状の導電性多結晶ダイヤモンド部と、を備え、前記導電性単結晶ダイヤモンド部が、前記導電性多結晶ダイヤモンド部と接続して、前記導電性基板に固定されている、ダイヤモンド基板。
(2)前記導電性単結晶ダイヤモンド部は、エピタキシャル成長された導電性単結晶ダイヤモンド層を含む、前記(1)に記載のダイヤモンド基板。
(3)前記導電性単結晶ダイヤモンド部、導電性多結晶ダイヤモンド部、及び導電性基板の抵抗率は1×10−1Ωcm以下である、前記(1)または(2)に記載のダイヤモンド基板。
(4)前記導電性単結晶ダイヤモンド部、及び導電性多結晶ダイヤモンド部には、不純物として水素、リチウム、ホウ素、窒素、アルミニウム、珪素、リン、及び硫黄のうち少なくとも1つの元素を含有する、前記(1)から(3)いずれかに記載のダイヤモンド基板。
(5)前記導電性基板は、珪素、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素のうち少なくとも1つの材料を含有する、前記(1)から(4)いずれかに記載のダイヤモンド基板。
(7)前記第1の領域の凹部に載置する導電性単結晶ダイヤモンド基板の板厚は、前記第1の領域の凹部深さよりも大きい、前記(6)に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
(8)前記導電性単結晶ダイヤモンド基板上に気相合成法で形成した導電性ダイヤモンドは、エピタキシャル成長された導電性単結晶ダイヤモンド層を含む、前記(6)または(7)に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
(10)前記導電性単結晶ダイヤモンド基板、及び導電性多結晶ダイヤモンド部には、不純物として水素、リチウム、ホウ素、窒素、アルミニウム、珪素、リン、及び硫黄のうち少なくとも1つの元素を含有する、前記(6)から(9)いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
(11)前記導電性基板は、珪素、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素のうち少なくとも1つの材料を含有する、前記(6)から(10)いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
(12)前記ダイヤモンド部形成工程の後、エッチング又は研磨により前記導電性単結晶ダイヤモンド部及び導電性多結晶ダイヤモンド部を加工することによって、前記ダイヤモンド基板の表面を平坦化する平坦化工程を更に含む、前記(6)から(11)いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
(13)前記ダイヤモンド部形成工程または平坦化工程の後、前記ダイヤモンド基板を放電加工により切断する工程を更に含む、前記(6)から(12)いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
本発明は、半導体として利用できる導電性単結晶ダイヤモンドを導電性基板上に配置し、導電性多結晶ダイヤモンドを介して導電性基板に固定することにより、大型の導電性ダイヤモンド基板として利用するものである。基板が全て導電性材料からなることにより、このまま半導体基板として利用でき、放電加工等によるデバイス成形・切り出しも容易である。また、大型の導電性基板を利用することで導電性単結晶ダイヤモンド、すなわち半導体ダイヤモンドを半導体ウェハプロセスに投入することができる。さらに、ダイヤモンドを載置した反対側の基板面側から給電することができるので、ダイヤモンド側の電極構造を簡略化でき、デバイスの自由度が広がる利点がある。
実施例1
本実施例では、導電性基板1としてホウ素ドープ単結晶珪素基板を用意し、この上に導電性ダイヤモンドを形成した例を述べる。この導電性基板1の主面の面方位は{100}でサイズは直径2インチ、厚さ1mmであった。抵抗率は9.0×10−2Ωcmであった。この導電性基板1に対し、上面から見た時に円形状となる凹部2(第1の領域)を4ヶ所加工形成した(図1)。凹部2の直径は2mm、深さは0.2mmであった。
この凹部2に、天然産IIb型の導電性単結晶ダイヤモンド基板4を載置した(図2)。基板4のサイズは直径1.95mm、厚さは0.25mmの円板状で、抵抗率は1.0×10−2Ωcm、主面の面方位は{100}であった。
ここで比較例1として、絶縁性基板を利用した例を述べる。ダイヤモンドを載置する基板には、不純物をドープしない珪素基板を用意した。不純物をドープしない珪素は真性半導体であり、常温での抵抗率は1.0×105Ωcm以上となり絶縁性であった。この基板に対し、図1と同様の凹部2を形成した。単結晶ダイヤモンド基板には高温高圧合成法で得られたIIa型の単結晶ダイヤモンド基板4を用意した。サイズ、面方位等は先の実施例1と同様とした。この単結晶ダイヤモンド基板4の常温での抵抗率は1.0×105Ωcm以上で絶縁性であった。
さらに比較例2として、導電性基板1表面に凹部を形成せずに、導電性単結晶ダイヤモンド基板4を載置した例について述べる。ここでは、導電性基板1の凹部を除き、導電性基板1と導電性単結晶ダイヤモンド基板4の種類、サイズ、面方位、抵抗率等は先の実施例1と同様である。これらの基板を図6のように配置し、先の実施例1と同様の条件でダイヤモンドを成膜した。この結果、導電性基板1及び導電性単結晶ダイヤモンド基板4上に厚さ60μm導電性多結晶ダイヤモンド5が形成された(図7)。この時点で、第2の領域上に形成された導電性多結晶ダイヤモンド5と、導電性単結晶ダイヤモンド基板4は接続していたが、その後、機械的な研磨を実施した際に導電性単結晶ダイヤモンド4が外れ、両者の機械的な接続強度が十分でないことがわかった。
本実施例では、導電性基板1として導電性炭化珪素焼結体基板を用意し、この上に導電性ダイヤモンドを形成した例を述べる。この導電性基板1のサイズは直径2インチ、厚さ1mmであった。抵抗率は8.0×10−3Ωcmであった。この導電性基板1に対し、上面から見た時に円形状となる凹部2(第1の領域)を4ヶ所加工形成した(図1)。凹部2の直径は2mm、深さは0.2mmであった。
この凹部2に、高温高圧合成法で得られた、不純物としてホウ素を含むIIb型の導電性単結晶ダイヤモンド基板4を載置した(図2)。基板のサイズは直径1.95mm、厚さは0.25mmの円板状で、抵抗率は8.5×10−2Ωcm、主面の面方位は{111}から2°傾いた状態であった。
以上のように、実施例に代表されるような方法で製造したダイヤモンド基板は、半導体ウェハプロセスに利用できる大面積な導電性ダイヤモンド基板であることが示された。
2 凹部を有する第1の領域
3 第2の領域
4 導電性単結晶ダイヤモンド基板
5 導電性多結晶ダイヤモンド層
6 気相合成導電性単結晶ダイヤモンド層
Claims (13)
- 凹部となる第1の領域と、該第1の領域を取り囲む第2の領域とを含む主面を有する導電性基板と、前記主面の前記第1の領域上に設けられた板状の導電性単結晶ダイヤモンド部と、前記主面の前記第2の領域上に設けられた層状の導電性多結晶ダイヤモンド部と、を備え、前記導電性単結晶ダイヤモンド部が、前記導電性多結晶ダイヤモンド部と接続して、前記導電性基板に固定されている、ことを特徴とするダイヤモンド基板。
- 前記導電性単結晶ダイヤモンド部は、エピタキシャル成長された導電性単結晶ダイヤモンド層を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド基板。
- 前記導電性単結晶ダイヤモンド部、導電性多結晶ダイヤモンド部、及び導電性基板の抵抗率は1×10−1Ωcm以下である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンド基板。
- 前記導電性単結晶ダイヤモンド部、及び導電性多結晶ダイヤモンド部には、不純物として水素、リチウム、ホウ素、窒素、アルミニウム、珪素、リン、及び硫黄のうち少なくとも1つの元素を含有する、ことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記導電性基板は、珪素、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素のうち少なくとも1つの材料を含有する、ことを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 凹部となる第1の領域と、該第1の領域を取り囲む第2の領域とを含む主面を有する導電性基板と、前記主面の前記第1の領域上に設けられた板状の導電性単結晶ダイヤモンド部と、前記主面の前記第2の領域上に設けられた層状の導電性多結晶ダイヤモンド部とを備えるダイヤモンド基板の製造方法であって、前記主面の前記第1の領域上に導電性単結晶ダイヤモンド基板を載置する載置工程と、前記載置工程の後、気相合成法を用いて前記導電性単結晶ダイヤモンド基板から導電性ダイヤモンドを形成すると共に、前記第2の領域上に前記導電性多結晶ダイヤモンド部を形成して、第1の領域上の導電性単結晶ダイヤモンド基板と、第2の領域上に形成した導電性多結晶ダイヤモンド部を接続させる、ダイヤモンド部形成工程とを含む、ことを特徴とするダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記第1の領域の凹部に載置する導電性単結晶ダイヤモンド基板の板厚は、前記第1の領域の凹部深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項6に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記導電性単結晶ダイヤモンド基板上に気相合成法で形成した導電性ダイヤモンドは、エピタキシャル成長された導電性単結晶ダイヤモンド層を含む、ことを特徴とする請求項6または7に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記第1の領域上及び第2の領域上の導電性ダイヤモンド、及び導電性基板の抵抗率は1×10−1Ωcm以下である、ことを特徴とする請求項6から8いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記導電性単結晶ダイヤモンド基板、及び導電性多結晶ダイヤモンド部には、不純物として水素、リチウム、ホウ素、窒素、アルミニウム、珪素、リン、及び硫黄のうち少なくとも1つの元素を含有する、ことを特徴とする請求項6から9いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記導電性基板は、珪素、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素のうち少なくとも1つの材料を含有する、ことを特徴とする請求項6から10いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記ダイヤモンド部形成工程の後、エッチング又は研磨により、前記導電性単結晶ダイヤモンド部及び導電性多結晶ダイヤモンド部を加工することによって、前記ダイヤモンド基板の表面を平坦化する平坦化工程を更に含む、ことを特徴とする請求項6から11いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記ダイヤモンド部形成工程または平坦化工程の後、前記ダイヤモンド基板を放電加工により切断する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項6から12いずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
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