JP4630866B2 - 外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法 - Google Patents

外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4630866B2
JP4630866B2 JP2006513729A JP2006513729A JP4630866B2 JP 4630866 B2 JP4630866 B2 JP 4630866B2 JP 2006513729 A JP2006513729 A JP 2006513729A JP 2006513729 A JP2006513729 A JP 2006513729A JP 4630866 B2 JP4630866 B2 JP 4630866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat insulating
net
plate member
layer
insulating plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006513729A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005113909A1 (ja
Inventor
正樹 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Industrial Co Ltd
Original Assignee
Fuji Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Industrial Co Ltd filed Critical Fuji Industrial Co Ltd
Publication of JPWO2005113909A1 publication Critical patent/JPWO2005113909A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4630866B2 publication Critical patent/JP4630866B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/62Insulation or other protection; Elements or use of specified material therefor
    • E04B1/74Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls
    • E04B1/76Heat, sound or noise insulation, absorption, or reflection; Other building methods affording favourable thermal or acoustical conditions, e.g. accumulating of heat within walls specifically with respect to heat only
    • E04B1/762Exterior insulation of exterior walls

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Building Environments (AREA)

Description

この発明は、特に、外断熱工法に適合するものであって、高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる所定サイズの断熱プレート部材に耐熱性のネット部材を樹脂系エマルジョンを介して積層状に一体化した外断熱壁構築用構造体に関するものであり、さらにまた、この外断熱壁構築用構造体を、予め工場サイドにおいて生産しておき、工場サイドにおいて漆喰あるいはモルタルなどの無機質素材によりトップコート処理するか、あるいは、施工現場サイドにおいてマトリックス状に配列した後に、トップコート処理することにより外断熱壁を施工するように構成した外断熱壁施工方法に関するものである。
周知のように、建造物、建築物を施工するにあたって、従来、主とする内断熱工法に対抗するものとしての外断熱工法の構想が大きな話題になっている。この外断熱工法とは、建造物躯体あるいは建築物躯体の外側に断熱構造部を設ける工法である。これに対して、内断熱工法とは、構造躯体の内側に断熱構造部を設ける工法をいう。この外断熱という用語の定義は、躯体がコンクリートという蓄熱部位がある場合に用いられるものであって、躯体が木である場合には、木が蓄熱体にならないので、正確には外張断熱として区別している。この区別は、当業界において専門的な区別であるが、この発明になる断熱壁構築用構造体によれば、RC(鉄筋コンクリート)施工躯体に対する外断熱並びに木造躯体に対する外張断熱のいずれに対しても変更なく適用が可能なものである。
上記する内断熱工法は、従来最も一般的な断熱方法であり、外断熱に比べて断熱工法のバリエーションが豊富で、安価であることが特徴である反面、構造熱橋が生じやすいこと、断熱材の外側に湿気の通しにくいRC(鉄筋コンクリート)躯体があり、戸建住宅の断熱の基本的な考え方(内側から外側になるほど湿気を通しやすい構造であること)が踏襲できないため、断熱・結露防止など施工上の要件が多いという問題点がある。
これに対して、外断熱工法は、構造熱橋を減じることが可能であり、高断熱化する際にも居住面積を圧迫しないほか、内断熱と比べて、熱・湿気的にも多くの利点を有している。しかし、この外断熱を法的耐火建築に適用する場合には、これまでは、工法的制約が多く、さらに、外装デザイン上の制約があり、高価であり、外装劣化などの問題点があった。しかしながら近年において、不燃断熱材と不燃外装材との組み合わせによる構築工法が可能になったことにより、外断熱工法にみられた既存の問題点が一挙に解消され、外断熱工法が魅力ある技術として開発されている。
以下、外断熱工法によるものと、内断熱工法によるものとを比較する。
(1) 耐久性に関して:内断熱ではコンクリートが外気に晒されているので、雨、風あるいは紫外線、激しい温度差の影響を受けるのに対し、外断熱では外気の影響を直接受けないので、耐久性が向上する。
(2) 結露防止に関して:内断熱ではコンクリートは外気に応じて直接的に温度変化してしまい、室内の水蒸気が断熱材を透過ないしは侵入して結露が生じる。これに対して外断熱では、コンクリートの温度は室温に近く維持されるので結露の発生を抑制できる。
(3) 室温安定性に関して:外断熱ではコンクリートの蓄熱性が得られるので、冷暖房の運転を止めても急激な室温変化がない。
(4) 断熱効果について:外断熱は、内断熱に比べてヒートブリッジ(冷橋)を少なくできるので、同じ断熱厚みでも全体の断熱性能が向上する。
(5) 内装の自由度について:外断熱は、躯体の外側に形成されるので、室内内装を自由にデザインすることができる。
(6) 長寿命性について:外断熱は、建物の外側から外装材をメンテナンスし、あるいは取り替えることにより、コンクリートの劣化を防ぎ、長寿命である。
従来の外断熱工法としては、例えば、特開2000−204688号公報(以下、特許文献1という)、特開2002−38616号公報(以下、特許文献2という)、特開2003−138665号公報(以下、特許文献3という)および特開2003−293470号公報(以下、特許文献4という)に記載のような技術内容のものが開発さて、提供されてきている。まず、特許文献1に記載のものは、建築物の外断熱構造および外断熱工法にかかるものであって、その特徴とする内容は、「壁外装材14が貼設される通気胴縁13は、ブロック状の断熱スペーサ20を介して構造用面材12に固定されている。この構造用面材12には、断熱スペーサ20を埋設させ、且つ、壁外装材14との間に通気層21を形成する状態で硬質発泡樹脂断熱層15が現場発泡により付設せれている。」というものである。この特許文献1に記載の構成のものは、施工現場において断熱層15を発泡形成するものであり、工場での生産ラインには全く適合しない。
次に、特許文献2に記載のものは、外断熱建築構造体に関するものであって、その特徴とする点は、「柱(間柱を含む)3、5の屋外側に、無機系の外断熱材層9を介して、合成樹脂製サイディング材2が、釘50などを用いて柱3、5に対して固定してある。」というものである。この特許文献2に記載のものは、外断熱構造において、躯体の外側に形成する外断熱材層9と、その外表面を外装するサイディング材2とが別の構成部材であり、これらを釘50などで固定するものであって、外断熱壁を構成するにあたり手間のかかるものである。
さらに、特許文献3に記載のものは、建築物の外断熱工法に関するものであり、その特徴とする点は、「コンクリート躯体壁の外面に断熱壁を迅速に正確に配列組み立てるピン掛け合い金具を特徴とし、外断熱壁と内壁間に構成される空隙に滞留する水蒸気を強制除去する機能を備えたことを特徴とする」というものである。この特許文献3に記載のものは、外断熱壁部材を建築物躯体に取付ける手段としてピン掛け合い金具を用いたものであり、外断熱壁部材自体の具体的な構造については何ら開示されていない。
さらに、特許文献4に記載のものは、RC造建造物にかかるものであり、その特徴とする点は、「鉄筋コンクリートからなるスラブと、同じく鉄筋コンクリートからなり前記スラブの両端部にそれぞれ設けられた側壁とによってラーメン構造が構成された構造躯体と、該構造躯体の前記各側壁と最上の前記スラブの外表面上に設けられた断熱層部材と、を有するRC造建造物」というものである。この特許文献4に記載のものは、外断熱パネル10が、断熱材11とパネル13とによって構成されており、これらをアンカーボルト12で躯体側壁3に固定するというものである。
そこで、この発明では、上記する従来技術の問題点を解消すべくなしたものであって、特に重要な要素は、部品点数が少なく、極めて簡単な構造でなり、極めて省力的な施工に適合し、特に、外断熱工法に適合するものであって、高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる所定サイズの断熱プレート部材に耐熱性のネット部材を樹脂系エマルジョンを介して積層状に一体化した断熱壁構築用構造体を提供するものであり、さらには、この断熱壁構築用構造体を予め工場サイドにおいて生産しておき、工場サイドにおいて漆喰あるいはモルタルなどの無機質素材によりトップコート処理するか、あるいは、施工現場サイドにおいてマトリックス状に配列した後に、トップコート処理することにより外断熱壁を施工するように構成した外断熱壁施工方法を提供しようとするものである。
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、請求項1に記載の発明は、フェノールフォーム製であり、長さ寸法L、幅寸法Wに形成した断熱性プレート部材に対し、その少なくとも一方の広域平面上に、脂肪酸エステル結合を含む樹脂系エマルジョンによるベースコート処理層を介してネット部材を積層一体化し、その上に、アルカリ性の無機質素材でなるトップコート層を設け、前記トップコート層のアルカリ土類によって、前記ベースコート処理層の脂肪酸エステルを分解し、反応の核を形成し、前記断熱性プレート部材中の残存モノマーに作用して前記断熱性プレート部材と前記トップコート層との結合を強化してなることを特徴とする外断熱壁構築用構造体を構成するものである。
さらに、この発明において請求項に記載の発明は、請求項1に記載の外断熱壁構築用構造体であって、ネット部材が、グラスファイバーメッシュ、耐アルカリ性ガラス繊維メッシュ、アラミド繊維メッシュ、炭素繊維メッシュ、ナイロンメッシュ、ビニロンメッシュあるいはポリプロピレンメッシュなどからなることを特徴とするものである。
さらに、この発明において請求項に記載の発明は、請求項1に記載の外断熱壁構築用構造体であって、トップコート層が、アルカリ性の無機質素材でなる漆喰、骨材入り漆喰あるいはセメントモルタルなどでなることを特徴とするものである。
この発明になる外断熱壁構築用構造体の基本的な構成を示すものであって、図1Aは、この発明の第1の構成例を示すもので、図1A1は、断熱性プレート部材上にベースコート処理によってネット部材を含むネット層を設けた状態を示す概略的な側断面図、図1A2は、その上にトップコート層を塗工形成した状態を示す概略的な側断面図である。一方、図1Bは、この発明の第2の構成例を示すもので、図1B1は、断熱性プレート部材およびネット部材を個別に準備する状態を示す概略的な側断面図、図1B2は、断熱性プレート部材上に、直接的にネット部材を配し、その上にトップコート層を形成してなる第2の構成例を示す概略的な側断面図である。 図1Aに示す第1の構成例になる外断熱壁構築用構造体の経時的変化を説明する図であって、図2Aは、断熱性プレート部材上にベースコート処理によってネット部材を含むネット層を設け、その上にトップコート層を設けた当初の状態を示す概略的な側断面図であり、図2Bは、経時的変化の中間段階の状態を示す概略的な側断面図であり、図2Cは、経時的変化の終局段階の状態を示す概略的な側断面図である。 この発明になる外断熱壁構築用構造体の異なる形態を示すものであって、図3Aは、断熱性プレート部材の一方の面に、ベースコート処理によってネット部材を含むネット層を設け、その上にトップコート層を設けた例を示す概略的な側断面図であり、図3Bは、断熱性プレート部材の両面に、ベースコート処理によってネット部材を含むネット層を設け、その上にトップコート層を設けた例を示す概略的な側断面図である。 この発明になる断熱壁構築用構造体の基本構成を説明するための説明図であって、図4Aは、この断熱壁構築用構造体における断熱プレート部材としてのプレート製品の異なる例を示すものであり、図4A1は、フェノールフォーム製のプレート基板の表裏両面に当紙を貼り合わせた第1の例を示す概略的な断面図、図4A2は、さらにその表裏両面にアルミ面材を貼り合わせた第2の例を示す概略的な断面図である。図4Bは、図4A1に示す第1の例になる断熱プレート部材に対して、ネット部材を貼り合わせる異なる例を示すものであり、図4B1は、断熱プレート部材の片方の面にネット部材を貼り合わせる第1の例を示す概略的な断面図、図4B2は、断熱プレート部材の両方の面にネット部材を貼り合わせる第2の例を示す概略的な断面図である。図4Cは、トップコート処理の異なる例を示すものであり、図4C1は、図4B1に示すものにトップコート処理をなした第1の例を示す概略的な断面図、図4C2は、図4B2に示すものにトップコート処理をなした第1の例を示す概略的な断面図である。 この発明の一実施例において、断熱プレート部材上にベースコート層を介してネット部材を積層一体化する詳細を示すものであって、図5Aは、フェノールフォーム製のプレート基板の表裏両面に当紙を貼り合わせたものを示す概略的な断面図、図5Bは、一方の当紙を剥がし、断熱プレート部材上にベースコート層を設けた状態を示す概略的な断面図、図5Cは、当該ベースコート層にネット部材を押し当てて積層一体化した状態を示す概略的な断面図、図5Dは、積層一体化したネット部材の詳細を拡大して示す概略的な断面図である。 この発明になる断熱壁構築用構造体において、断熱プレート部材の一方の面にベースコート処理によってネット層を設けた実施例を示すものであり、図6Aおよび図6Bは、それぞれネット層継ぎ合わせ手段の異なる例を示す斜視図である。 図6に示す断熱壁構築用構造体の実施例に対応するものであって、図7Aおよび図7Bは、それぞれ図6Aおよび図6Bに対応する概略的な平面図である。 図6および図7に示す実施例に対し、さらに、ネット層継ぎ合わせ手段の異なる例を示す概略的な平面図である。 この発明になる断熱壁構築用構造体の施工態様の異なる例を示すものであり、図9A1および図9A2は、建造物の出隅用コーナー部に適用される出隅用コーナー断熱部材の二つの異なる例を示す概略的な断面図、図9B1および図9B2は、建造物の湾曲部に適用される湾曲断熱部材の二つの異なる例を示す概略的な断面図である。 この発明になる外断熱壁構築用構造体の具体的な施工例を示すもので、図10Aは、基礎の上に施工した状態を示す概略的な側面視断面図であり、図10Bは、同様の概略的な平面視断面図である。 この発明になる構造体をマトリックス状に配列施工して壁面を形成し、その外表面にタイルなどによる壁表面仕上を施した一施工例を示す概略的な斜視図である。 この発明になる外断熱壁構築用構造体についての曲げ試験を示すものであり、図12Aは、曲げ試験情況を示す概略的な側面図、図12Bは、試験片A、試験片Bおよび試験片Cの荷重−たわみ曲線を示すグラフである。
以下、上記する各図面に基づいて、この発明になる外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法について、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
この発明になる外断熱壁構築用構造体Uは、基本的には、図1Aに示す第1の構成例と、図1Bに示す第2の構成例とを含むものからなっている。第1の構成例になる外断熱壁構築用構造体UAは、高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる断熱性プレート部材1と、その少なくとも一方の広域平面1a上に、樹脂系エマルジョンによるベースコート処理層4を介してネット部材2を積層一体化してなるネット層3と、その上に設けたアルカリ性の無機質素材でなるトップコート層5とを含むものからなっている。この第1の構成例になる外断熱壁構築用構造体UAは、図1A1に示すように、断熱性プレート部材1の一方の面1aに、樹脂系エマルジョンによるベースコート処理層4を介してネット部材2を積層一体化してなるネット層3を設けたものとして工場サイドにおいて準備され、例えば、施工現場などにおいて、図1A2に示すように、その上面にトップコート層5が塗工されるようになっている。このトップコート層5の塗工は、工場サイドにおいて行なわれるものであってもよい。
これに対して、第2の構成例になる外断熱壁構築用構造体UBは、高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる断熱性プレート部材1と、その少なくとも一方の広域平面1a上に配されるネット部材2と、その上に設けたアルカリ性の無機質素材に樹脂系エマルジョンを加えてなるトップコート層5とからなるものである。この第2の構成例になる外断熱壁構築用構造体UBは、図1B1に示すように、断熱性プレート部材1とネット部材2とが個別に準備され、例えば、施工現場において、図1B2に示すように、断熱性プレート部材1の上面1aに、ネット部材2を配し、その上からアルカリ性の無機質素材に樹脂系エマルジョンを加えてなるトップコート層5が塗工されるようになっている。
この発明では、前記断熱性プレート部材1と、前記トップコート層5とが、前記樹脂系エマルジョンを介して経時的変化により融合する素材からなり、前記断熱性プレート部材1と前記トップコート層5との結合を強化する。この点について、図2各図に基づいて説明する。この発明において、前記断熱性プレート部材1は、フェノールフォーム、押出発泡ポリスチレン、ビーズ系ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム、塩化ビニルフォーム、炭酸マグネシウムフォームあるいは炭酸カルシウムフォームなどをプレート状に成形したものであって、より好ましくは、高性能フェノールフォーム製の断熱プレート部材が適用される。
上記断熱プレート部材1としての高性能フェノールフォームは、例えば、旭化成建材株式会社製のネオマ(登録商標)フォーム(図4A1参照)、ネオマ(登録商標)フォームF(図4A2参照)によるものであり、前者のものは、図4A1に示すように、フェノールフォーム製のプレート基板1の表裏両面1a、1bに当紙p、pを貼り合わせたものであり、後者のものは、図4A2に示すように、フェノールフォーム製のプレート基板1の表裏両面1a、1bに当紙p、pを貼り合わせ、その上にアルミ面材a、aを貼り合わせたものである。
参考までに、前記ネオマ(登録商標)フォームの基本物性値は、
密度:27kg/m
熱伝導率(20℃):0.020 W/m・K(0.017 kcal/m・h・℃)
圧縮強さ:15±3N/cm(1.5 ± 0.3 kgf/cm
吸水量:1.7g/100cm 以下
透湿係数:42ng/m・s・Pa(0.02g/m・h・mmHg)以下
熱変形温度:200℃ (寸法変化2%以下)
線膨脹率: 3×10−5(cm/cm・℃)
一方、前記ネット層3を形成するネット部材2は、例えば、グラスファイバーメッシュ、耐アルカリ性ガラス繊維メッシュ、アラミド繊維メッシュ、炭素繊維メッシュ、ナイロンメッシュ、ビニロンメッシュあるいはポリプロピレンメッシュなどによるものである。これらのネット部材2において、不燃性または自己消火性のない素材については、不燃性または自己消火性の樹脂で被覆される。このネット部材2における経方向並びに緯方向のネットピッチは、3mm〜10mm程度のものであり、好ましくは約5mm程度のものである。
前記ベースコート処理層4は、分子内に脂肪酸エステル結合を含む樹脂系エマルジョンによるもので、例えば、樹脂あるいはモルタル樹脂などを含むものであり、具体的には、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどであり、前記ネット部材2を前記断熱プレート部材1の面1aに接着するに適した接着剤として機能し、接着後、一体となってネット層3を形成するものである。
この発明の好ましい実施例において、前記断熱性プレート部材1として高性能フェノールフォームを用い、前記ベースコート処理層4として分子内に脂肪酸エステル結合−COO−を含む樹脂系エマルジョンを用い、トップコート層5として漆喰、骨材入り漆喰あるいはセメントモルタルを用いてなる外断熱壁構築用構造体によれば、トップコート層5のアルカリ土類によって、ベースコート処理層4の脂肪酸エステルを分解し、反応の核を形成し、経時的変化により断熱性プレート部材1中の残存モノマーに作用して断熱性プレート部材1とトップコート層5との結合を強化する。その情況は、図2各図に示すように、まず、断熱性プレート部材1上にベースコート処理4によってネット部材2を含むネット層3を設けたものに対し、その上にトップコート層5を設けた当初の状態(図2A参照)から、経時的変化の中間段階(図2B参照)を経て、図2Cに示すように、トップコート層5のアルカリ土類が、ベースコート処理層4の脂肪酸エステルを分解し、反応の核を形成するべくベースコート処理層4に作用し、断熱性プレート部材1がベースコート処理層4に作用し、前記ベースコート処理層が、断熱性プレート部材1の成分とトップコート層5の成分が共存するような形態に変位し、その結果、断熱性プレート部材1とトップコート層5との結合が強化される。このことは、各種材料試験の結果、実証済みである。
一例において、図12Aに示す曲げ試験を行なった結果を図12Bにグラフで示す。
試験条件 JIS K7221-1 硬質発泡プラスチック曲げ試験準拠
試験片のサイズ:幅寸法 50mm、厚さ寸法 25mm、長さ寸法 250mm
スパン:100mm
クロスヘッド速度:10mm/min
加圧方向:トップコート層を下向きにして、図12Aに示す通り。
試験片Aの構造 断熱性プレート部材:フェノールフォーム(厚さ20mm)
ベースコート処理層:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系接 着剤
ネット部材:ジルコニア含有耐アルカリガラスネット
トップコート層:セメントモルタル(厚さ3mm)
試験片Bの構造 断熱性プレート部材:発泡スチロール(厚さ20mm)
ベースコート処理層:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系接 着剤
ネット部材:ジルコニア含有耐アルカリガラスネット
トップコート層:セメントモルタル(厚さ3mm)
試験片Cの構造 断熱性プレート部材:発泡スチロール(厚さ20mm)
ベースコート処理層:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系接 着剤
ネット部材:ジルコニア含有耐アルカリガラスネット
トップコート層:中性の骨材混入レジン(厚さ3mm)
試験片Dの構造 断熱性プレート部材:フェノールフォーム(厚さ20mm)
ベースコート処理層:ポリビニルアルコール系接着剤
ネット部材:ジルコニア含有耐アルカリガラスネット
トップコート層:セメントモルタル(厚さ3mm)
この試験を行なった結果、図12Bのグラフに示す通り、試験片Dについては、
最高荷重d点でトップコート層が剥離して破断した。試験片Cについては、試験片Dよりも大きな荷重に耐えるものの最高荷重c点でトップコート層が剥離して破断した。これに対して、試験片Aについては、試験片Dの約25倍のたわみ量に至るa点まで剥離することがなかった。試験片Bについては、試験片Aほどではないが、試験片Dの約15倍のたわみ量に至るb点まで剥離することがなかった。以上の試験結果に基づき、この発明の範疇にある外断熱壁構築用構造体の評価を表にして示すと、以下の通りである。
Figure 0004630866
この発明になる外断熱壁構築用構造体Uは、上記するように、断熱プレート部材1の片方の面1a若しくは両方の面1aおよび1b上にベースコート処理層4により積層一体化してなるネット部材2によるネット層3を設けたものを工場サイドで製造し、これを施工現場に持ち込み、この発明になる施工方法に従って施工するものであってもよいし(図4B1および図4B2参照)、あるいは、前記ネット層3の上にトップコート層5を工場サイドにおいて予め設けた構成のものであってもよい(図4C1および図4C2参照)。
この発明においては、上記する前者の場合、図6各図、図7各図並びに図8各図に示すような工夫が凝らされている。即ち、この発明になる外断熱壁構築用構造体Uにおいて、前記ネット部材2によるネット層3は、前記断熱プレート部材1を、その端縁面1c、1c間で突き合わせ状に当接させた際、前記断熱プレート部材1の突き合わせラインに沿った部分を覆って、前記ネット部材1を継ぎ合わすに適したネット層継ぎ合わせ手段6を備えている。
図6Aおよび図7Aに示す実施例によれば、前記ネット部材2が、長さ寸法L−α、幅寸法W−βであって、前記断熱プレート部材1の四縁辺部分に、長さ寸法方向にα/2、幅寸法方向にβ/2のネット層継ぎ合わせのための無ネット部分7を残して貼り合わせたものからなり、前記ネット層継ぎ合わせ手段6が、幅寸法αまたはβの帯状ネット部材8によって構成され、各断熱プレート部材1の施工後、前記無ネット部分7に前記帯状ネット部材8が配置され、しかる後、漆喰、骨材入り漆喰あるいはモルタルによりトップコート仕上げが現場サイドで行われる。
これに対して、図6Bおよび図7Bに示す実施例によれば、前記ネット部材2が、長さ寸法L、幅寸法Wであって、前記断熱プレート部材1の一方の直交する二縁辺部分に、長さ寸法方向にα、幅寸法方向にβのネット層継ぎ合わせのための無ネット部分9を残し、他方の直交する二縁辺部分に、長さ寸法方向にα、幅寸法方向にβの突出部分10をもって貼り合わせたものによって構成され、各断熱プレート部材1をマトリックス状に配列施工することにより、断熱プレート部材1におけるネット突出部分10が隣接する断熱プレート部材1の無ネット部分9を覆い、無ネット部分が無くなる。しかる後、漆喰、骨材入り漆喰あるいはモルタルによりトップコート仕上げが現場サイドで行われる。
さらに異なる実施例にあって、図8Aに示す実施例によれば、前記ネット部材2が、長さ寸法L、幅寸法Wであって、前記断熱プレート部材1の全面に貼り合わせたものからなり、前記ネット層継ぎ合わせ手段6が、適宜幅寸法の帯状ネット部材8によって構成され、各断熱プレート部材1の突き合わせ施工後、該突き合わせ部分に沿って、この帯状ネット部材8がネット部材2の上に二重に貼り合わされ、しかる後、漆喰あるいはモルタルによりトップコート仕上げが現場サイドで行われる。
さらにまた、図8Bに示す他の実施例によれば、前記ネット部材2が、長さ寸法L+α、幅寸法W+βであって、前記断熱プレート部材1の一方の直交する二縁辺部分に整合させ、他方の直交する二縁辺部分に、長さ方向にα、幅方向にβの突出部分をもって貼り合わせたものによって構成され、各断熱プレート部材1をマトリックス状に配列施工することにより、断熱プレート部材1におけるネット突出部分が隣接する断熱プレート部材1のネット部材2の上に二重に貼り合わされ、しかる後、漆喰あるいはモルタルによりトップコート仕上げが現場サイドで行われる。
一方、この発明になる外断熱壁構築用構造体Uは、図9各図に示すような構造体を含むものからなっている。すなわち、図9Aに示すものは、建築物における躯体の出隅用コーナー部に適合するように、その形態に合わせて組み立てて形成した出隅用コーナー断熱部材11である。図9A1に示すものは、外側に凸の出隅用コーナー部に適合するように形成した外側に凸の出隅用コーナー断熱部材11Aであり、図9A2に示すものは、内側に凸の出隅用コーナー部に適合するように形成した内側に凸の出隅用コーナー断熱部材11Bである。さらに、図9Bに示すものは、建築物における躯体の湾曲部に適合するように、その形態に合わせて形成した湾曲断熱部材12である。図9A1に示すものは、外側に凸の湾曲部に適合するように形成した外側に凸の湾曲断熱部材12Aであり、図9A2に示すものは、内側に凸の湾曲部に適合するように形成した内側に凸の湾曲断熱部材12Bである。
次いで、この発明になる外断熱壁構築用構造体Uによる施工方法について、説明する。この発明では、まず、図6、図7および図8に示すような外断熱壁構築用構造体Uが工場サイドにおいて準備される。即ち、図6Aおよび図7Aに示す第1の実施例になる第1の外断熱壁構築用構造体U1は、長さ寸法L、幅寸法W、厚さ寸法tの高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる断熱プレート部材1に対し、この断熱プレート部材1の少なくとも一方の広域平面1a上にベースコート処理4によりネット部材2によるネット層3を積層一体化する。このネット部材2によるネット層3は、断熱プレート部材1を、その端縁面1c、1c間で突き合わせ状に当接させた際、該断熱プレート部材1の突き合わせラインに沿った部分を覆って、ネット部材2を継ぎ合わすに適したネット層継ぎ合わせ手段6を備えている。前記ネット部材2は、長さ寸法L−α、幅寸法W−βであって、前記断熱プレート部材1の四縁辺部分に、長さ寸法方向にα/2、幅寸法方向にβ/2のネット層継ぎ合わせのための無ネット部分7を残して断熱プレート部材1に貼り合わせてある。
この第1の実施例によるものでは、工場サイドにおいて準備された第1の外断熱壁構築用構造体U1を施工現場サイドに持ち込み、建造物の躯体に対してマトリックス状に配列した後、前記無ネット部分7に幅寸法αまたはβの帯状ネット部材8を補填し、しかる後、その上から漆喰あるいはモルタルなどによりトップコート処理層5を塗工形成して仕上げる。
一方、図6Bおよび図7Bに示す第2の実施例になる第2の外断熱壁構築用構造体U2は、長さ寸法L、幅寸法W、厚さ寸法tの高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる断熱プレート部材1に対し、この断熱プレート部材1の少なくとも一方の広域平面1a上にベースコート処理4によりネット部材2によるネット層3を積層一体化する。このネット部材2によるネット層3は、断熱プレート部材1を、その端縁面1c、1c間で突き合わせ状に当接させた際、該断熱プレート部材1の突き合わせラインに沿った部分を覆って、ネット部材2を継ぎ合わすに適したネット層継ぎ合わせ手段6を備えている。このネット部材2は、長さ寸法L、幅寸法Wであり、断熱プレート部材の一方の直交する二縁辺部分に、長さ寸法方向にα、幅寸法方向にβのネット層継ぎ合わせのための無ネット部分9を残し、他方の直交する二縁辺部分に、長さ寸法方向にα、幅寸法方向にβのネット突出部分10を有するように断熱プレート部材1に貼り合わせてある。
この第2の実施例によるものでは、工場サイドにおいて準備された第2の外断熱壁構築用構造体U2を施工現場サイドに持ち込み、建造物の躯体に対してマトリックス状に配列することによって、外断熱壁構築用構造体U2におけるネット突出部分10が隣接する外断熱壁構築用構造体における無ネット部分9にあてがわれ、しかる後、その上から漆喰あるいはモルタルなどによりトップコート処理層5を塗工形成して仕上げる。
この発明において、前記断熱プレート部材1上にベースコート処理層4を介してネット部材2を積層一体化する詳細を図5に基づいて説明する。図5A〜図5Cに示すように、例えば、表裏両面に当紙p、pが貼り合わされているフェノールフォーム製のプレート部材1が準備される(図5A参照)。プレート部材1における少なくとも一方の当紙pが剥がし取られ、このプレート部材1の面1aにベースコート層4が塗布形成される(図5B参照)。しかる後、ベースコート層4の上からネット部材2が押し当てられ、当該プレート部材1上にネット部材2が積層一体的に固着される(図5C参照)。図5Cに示す状態の詳細を図5Dに示す。前記プレート部材1上におけるネット部材2は、緯糸2aおよび経糸2bによって構成されていて、この緯糸2aおよび経糸2bによって図5Dに示すような矩形状のディンプルDが規則的に形成される。その後、この上にトップコート層5を設ける場合、トップコート層5の一部が、前記矩形状のディンプルD内に入り込み、トップコート層5の塗工を容易ならしめ、且つ、その安定化を図ることができるようになっている。
この発明になる外断熱壁構築用構造体Uの具体的な施工例を図10各図に示す。図10Aは、基礎の上に外断熱壁構築用構造体Uを施工した状態を概略的な側面視断面図で示すものであり、図10Bは、その平面視断面図である。この例によれば、工場サイドにおいて準備された外断熱壁構築用構造体Uが、基礎21、土台パッキング22、土台23、柱24、25などからなる建築物躯体Bに対して、マトリックス状に各端縁1c、1cを突き合わせて配列し、それぞれ、釘26により柱25に固定する。好ましい実施例によれば、前記外断熱壁構築用構造体Uの裏側には、透湿防水シート27、耐水用合板28が介在され、他方では、前記外断熱壁構築用構造体Uの面側に漆喰あるいはモルタルでなるトップコート層5が設けられ、外断熱の外側壁面を形成する。図中、参照符号29は水切りであり、参照符号30はシーリングであり、参照符号31は基礎21に対する化粧モルタルである。
さらに、この発明になる外断熱壁構築用構造体Uの別の施工例を図11に示す実施例に基づいて説明する。図11は、この発明になる構造体をマトリックス状に配列施工して壁面を形成し、その外表面にタイルTiなどによる壁表面仕上を施した一施工例を示すものである。この例によれば、前記外断熱壁構築用構造体Uは、例えば、躯体コンクリート41に対して、調湿シート42を介在した状態で、コンクリート用アンカーボルト43並びに留め付け用ビス44などによって固定される。この場合、主たる固定手段であるコンクリート用アンカーボルト43に対しては、適宜、埋没防止用のワッシャー45が介在され、留め付け用ビス44に対しては、トップコート層5に対する引っ掛かり用の金属線46などが介在される。さらに、この図に示す実施例では、前記各外断熱壁構築用構造体Uをその下縁側で支えるL型金具47が用いられていて、タイルTiに仕上施工により重量化する外断熱壁構築用構造体Uを個々に支えるようになっている。このように施工した後、その上にモルタルによりトップコート層5が塗工形成され、しかる後、タイルTiがタイル目地48をおいて貼り合わされるものである。
産業上の利用の可能性
この発明になる外断熱壁構築用構造体によれば、まず第1に、当該外断熱壁構築用構造体は、高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる断熱プレート部材と、この断熱プレート部材の少なくとも一方の広域平面上に、脂肪酸エステル結合を含む樹脂系エマルジョンによるベースコート処理層により積層一体化してなるネット部材によるネット層とからなるものであって、これに、アルカリ性の無機質素材でなるトップコート層を設けることにより、トップコート層のアルカリ土類によって、前記ベースコート処理層の脂肪酸エステルを分解し、反応の核を形成し、前記断熱性プレート部材中の残存モノマーに作用して前記断熱性プレート部材と前記トップコート層との結合を強化してなる外断熱壁構築用構造体を構成する点において極めて有効に作用するものといえる。
さらに、この発明になる外断熱壁構築用構造体は、極めて取り扱い難いネット部材を断熱プレート部材の少なくとも一方の面に、ネット目を乱すことなく正確に積層一体化する工程を工場生産によって準備することができ、従来、施工現場において極めて煩雑であったネット施工作業を回避し得る点において極めて有効に作用するものである。
さらに、この発明になる外断熱壁構築用構造体は、断熱プレート部材並びにネット部材が不燃性ないしは難燃性の素材によって構成されているので、外断熱層自体耐火性に富んでおり、且つ、断熱プレート部材上にネット部材をベースコート処理層により積層一体化してあるので、強靱であり、施工現場において直ちに施工できる点においても極めて有効に作用するものといえる。
さらにまた、この発明になる外断熱壁構築用構造体は、ネット部材によるネット層が、断熱プレート部材を、その端縁面間で突き合わせ状に当接させた際、断熱プレート部材の突き合わせラインに沿った部分を覆って、前記ネット部材を継ぎ合わすに適したネット層継ぎ合わせ手段を備えたものからなっている点において、各ユニット間の突き合わせ目地ラインに沿って目地割れすることがない点においても極めて有効に作用するものといえる。
さらにまた、この発明になる外断熱壁構築用構造体は、建築物における出隅用コーナー断熱部材を含み、さらには、建築物における湾曲した壁面に沿うように湾曲した湾曲断熱部材を含むものからなる点において、建造物の外側からの外断熱工法に関して、建造物のあらゆる部位に対しての適合するという点に関して、極めて有効に作用するものといえる。
一方また、この発明になる外断熱壁構築用構造体を用いた断熱壁施工方法によれば、当該外断熱壁構築用構造体を工場サイドにおいて多量生産ラインにより準備しておき、これを施工現場に持ち込み、施工現場サイドでマトリックス状に配列してトップコート処理することによって断熱壁を施工することができる点において、施工のための工期を短縮化でき、施工作業が省力化される点と併せて極めて有効に作用するものといえる。

Claims (3)

  1. フェノールフォーム製であり、長さ寸法L、幅寸法Wに形成した断熱性プレート部材に対し、その少なくとも一方の広域平面上に、脂肪酸エステル結合を含む樹脂系エマルジョンによるベースコート処理層を介してネット部材を積層一体化し、その上に、アルカリ性の無機質素材でなるトップコート層を設け、前記トップコート層のアルカリ土類によって、前記ベースコート処理層の脂肪酸エステルを分解し、反応の核を形成し、前記断熱性プレート部材中の残存モノマーに作用して前記断熱性プレート部材と前記トップコート層との結合を強化してなることを特徴とする外断熱壁構築用構造体。
  2. ネット部材が、グラスファイバーメッシュ、耐アルカリ性ガラス繊維メッシュ、アラミド繊維メッシュ、炭素繊維メッシュ、ナイロンメッシュ、ビニロンメッシュあるいはポリプロピレンメッシュなどからなることを特徴とする請求項1に記載の外断熱壁構築用構造体。
  3. トップコート層が、アルカリ性の無機質素材でなる漆喰、骨材入り漆喰あるいはセメントモルタルなどでなることを特徴とする請求項1に記載の外断熱壁構築用構造体。
JP2006513729A 2004-05-21 2005-05-19 外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法 Expired - Fee Related JP4630866B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004151872 2004-05-21
JP2004151872 2004-05-21
PCT/JP2005/009186 WO2005113909A1 (ja) 2004-05-21 2005-05-19 外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005113909A1 JPWO2005113909A1 (ja) 2008-03-27
JP4630866B2 true JP4630866B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=35428438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006513729A Expired - Fee Related JP4630866B2 (ja) 2004-05-21 2005-05-19 外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4630866B2 (ja)
WO (1) WO2005113909A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007146400A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 建築物の外断熱壁構造
JP7075878B2 (ja) * 2018-12-27 2022-05-26 旭化成建材株式会社 耐火システム用フェノール樹脂発泡体

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS598854A (ja) * 1982-07-07 1984-01-18 井上セロテツクス株式会社 建物等の外断熱構造
JPS63304869A (ja) * 1987-05-31 1988-12-13 三菱化学ビーエーエスエフ株式会社 構築物の外断熱壁の構築法
JP2003328371A (ja) * 2002-03-05 2003-11-19 Asahi Kasei Corp 基 礎

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5621961Y2 (ja) * 1976-01-30 1981-05-23
JPS5527324U (ja) * 1978-08-08 1980-02-22
JPS5835801Y2 (ja) * 1978-11-10 1983-08-12 アキレス株式会社 建築用断熱下地材
JPH07331761A (ja) * 1994-06-02 1995-12-19 Aica Kogyo Co Ltd 断熱成形板及びその施工法
JP3721444B2 (ja) * 1998-09-28 2005-11-30 株式会社カネカ 防蟻用断熱板
JP3447001B2 (ja) * 1999-11-25 2003-09-16 鐘淵化学工業株式会社 建物の防蟻構造及び防蟻工法
JP2003253782A (ja) * 2002-03-01 2003-09-10 Kato Tosoten:Kk 断熱工法およびその断熱構造体ならびに樹脂モルタル

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS598854A (ja) * 1982-07-07 1984-01-18 井上セロテツクス株式会社 建物等の外断熱構造
JPS63304869A (ja) * 1987-05-31 1988-12-13 三菱化学ビーエーエスエフ株式会社 構築物の外断熱壁の構築法
JP2003328371A (ja) * 2002-03-05 2003-11-19 Asahi Kasei Corp 基 礎

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2005113909A1 (ja) 2008-03-27
WO2005113909A1 (ja) 2005-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20150052838A1 (en) Laminate building materials and methods of making and installing the same
US20080245007A1 (en) Gypsum wood fiber structural insulated panel arrangement
US20060070321A1 (en) Fire-resistant panel and method of manufacture
CA2897558C (en) Composite building panel
GB2447562A (en) Racking panel
KR200432912Y1 (ko) 발코니 시스템
LV13963B (lv) Fasāžu siltināšanas panelis, tā izgatavošanas paņēmiens un sienu siltināšanas process
JP3166115U (ja) 木造建物の外張り断熱透湿外壁構造
EP2256265B1 (en) Insulated multilayer sandwich panel
JP6497922B2 (ja) 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP4630866B2 (ja) 外断熱壁構築用構造体およびこれを用いた外断熱壁施工方法
RU80870U1 (ru) Строительная панель
CN205637316U (zh) 混凝土保温复合构件板及其构成的外墙围护结构
WO2010063243A1 (en) Peripheral load-bearing wall for low-energy buildings
AU2010100010A4 (en) Wall lining
JP2006104702A (ja) 高断熱性−耐燃焼性基礎建材
Straube et al. High Performing Precast Concrete Building Enclosures: Rain Control
Astudillo et al. New biocomposites for innovative construction façades and interior partitions
KR101219873B1 (ko) 구조체의 발포폼 충진을 특징으로 하는 건축공법
JP6497923B2 (ja) 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP6499435B2 (ja) 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
Tabor et al. Building and Construction Textiles
JP3627927B2 (ja) 鉄筋コンクリート造の外断熱建築物
AU2010100181A4 (en) Wall lining panel
JP6497854B2 (ja) 木造建築物の耐火外壁構造

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101027

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4630866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees