JP4622741B2 - ワイヤソー加工装置及びワイヤソーによる加工方法 - Google Patents

ワイヤソー加工装置及びワイヤソーによる加工方法 Download PDF

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本発明は、シリコン、水晶、炭化珪素といった、高額な材料、脆性材料、半導体材料、高硬度な材料の加工(切断若しくは溝入れ)に適用されるワイヤソー加工装置及びワイヤソーによる加工方法に関するものである。
従来、ワイヤ及び加工液(所謂スラリー)を用いて、シリコン、水晶、炭化珪素といった、高額な材料、脆性材料、半導体材料、高硬度な材料を加工(切断若しくは溝入れ)するワイヤソー加工装置が知られている。このワイヤソー加工装置によれば、ブレードを用いて被加工部材を加工する装置と比べて、小さな切り代で加工ができるという特徴がある。しかしながら、加工原理がラップ加工の原理に近いので、加工時間が長いという問題がある。加工時間を短縮すべくワイヤの切り込み速度を速くすれば、加工面のうねりが大きくなる。この原因の1つとして、加工部位に加工液が十分に行き渡っていないことが考えられる。
それに対し、例えば特許文献1には、加工槽(加工液溜り槽)中に、被加工部材の加工部位(切断部)を浸漬させた状態で、ワイヤを走行させて加工部位を加工(切断)する構成が開示されている。この構成によると、加工部位に加工液が確実に行き渡った状態でワイヤにて加工することができる。
特開2002−52455号公報
しかしながら、上記構成の場合、加工部位に加工液を良好に供給するために、多数列に配置されたワイヤによるワークの各切断位置に臨んで、加工液を供給するノズルの噴孔を設けている(例えば加工槽の上方に配置)。すなわち、ノズルの噴孔から噴出された加工液が、ワイヤや被加工部材に勢い良く供給される構成となっている。
このような構成の場合、本発明者が確認したところ、ワイヤが細いため、加工液の流れがワイヤに当たるとワイヤに振れが生じ、加工精度が低下する(加工面のうねりが大きくなる)ことが明らかとなった。また、切り込みが進行した被加工部材に加工液の流れが当たった場合にも被加工部材に振れが生じ、加工精度が低下することが明らかとなった。
本発明は上記問題点に鑑み、加工精度を向上することができるワイヤソー加工装置及びワイヤソーによる加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1〜10に記載の発明は、加工槽内に被加工部材を収容し、加工液を充填した状態で、加工液を供給しつつワイヤを走行させて被加工部材を切断若しくは溝入れするワイヤソー加工装置に関するものである。先ず請求項1に記載の発明は、被加工部材及び加工槽内において被加工部材加工時にとりうるワイヤの配置位置の少なくとも一方と加工槽内に加工液を供給する加工液供給口との間に、下端及び両側端が加工槽の底面及び側面にそれぞれ接触し、上端が被加工部材の上端位置より高く加工槽の側面の上端位置より低くなるように、仕切り板を設けたことを特徴とする。
このように本発明によると、仕切り板の存在により、加工液供給口を介して加工槽内に供給される加工液の流れ方向が変えられて、被加工部材及びワイヤの少なくとも一方に直接当たることが無い。従って、加工液による被加工部材及び/又はワイヤの振れを低減することができる。すなわち、加工部位に加工液を供給しつつ、従来よりも加工精度を向上することができる。また、仕切り板によって、加工液供給口を介して加工槽内に供給される加工液の流速を多少なりとも低減することができるので、加工精度をより向上することができる。
また、加工液供給口を介して加工槽内に供給された加工液が、仕切り板の上端を乗り越えて被加工部材の配置される加工槽内のエリアに供給されることとなる。従って、仕切り板によって加工液の流れ方向が被加工部材及び/又はワイヤに直接当たらない向きとなる。また、加工液の通路である仕切り板の上端の方が供給部位よりも広いので、加工液の流速が低下する。従って、加工精度をより向上することができる。
請求項2に記載のように、仕切り板の長手方向において、仕切り板の上端が加工槽内に充填された加工液の液面に対して略平行となるようすると良い。斜めの場合、仕切り板の上端の一部(低い方)を介して加工液が被加工部材の配置側へ供給されるが、上記構成の場合、仕切り板の上端全域を介して加工液が被加工部材の配置側へ供給されるので、流速をより低くすることができる。
次に、請求項3に記載の発明は、被加工部材及び加工槽内において被加工部材加工時にとりうるワイヤの配置位置の少なくとも一方と加工槽内に加工液を供給する加工液供給口との間に、仕切り板を設け、仕切り板は、加工槽内を、被加工部材を含む領域と加工液供給口を含む領域の、少なくとも2つの領域に区分することを特徴とする。供給部位が複数ある場合には、それぞれの供給部位を独立して含む領域を複数有するように仕切り板を設けても良いし、全ての供給部位を1つの領域内に含むように仕切り板を設けても良い。
次に、請求項4に記載の発明は、被加工部材及び加工槽内において被加工部材加工時にとりうるワイヤの配置位置の少なくとも一方と加工槽内に加工液を供給する加工液供給口との間に仕切り板を設け、加工液供給口は加工槽の側面に開口することを特徴とする。加工液は砥粒を含んでおり、加工槽の底面にこの砥粒が沈降する。したがって、請求項5に記載のように、加工液供給口の開口下端を加工槽の底面と略等しくすると、加工液供給口を介して加工槽内に供給された加工液の流れにより上記沈降物を拡散し、加工液の濃度を加工槽内においてほぼ均一に保つことができる。請求項6に記載のように、加工液供給口を介して加工槽内に供給される加工液の流れ方向が、底面側に傾いた構成としても上記と同様の効果を得ることができる。
次に、請求項7に記載の発明は、被加工部材及び加工槽内において被加工部材加工時にとりうるワイヤの配置位置の少なくとも一方と加工槽内に加工液を供給する加工液供給口との間に、仕切り板を設け、加工液供給口は、加工槽の底面に開口することを特徴とする。この場合も、加工液供給口を介して加工槽内に供給された加工液の流れによって、上記沈降物を拡散し、加工液の濃度を加工槽内においてほぼ均一に保つことができる。
仕切り板をワイヤの走行領域に設けると、仕切り板がワイヤによって切り込まれてしまい、加工液供給口の位置によっては、切り込まれた部位を通して被加工部材及び/又はワイヤに、加工液の流れが直接当たることも考えられる。また、被加工部材以外に仕切り板を切り込むので、ワイヤに振れが生じることも考えられる。すなわち、加工精度が低下する恐れがある。従って、請求項8に記載のように、仕切り板を、ワイヤの走行領域とは異なる領域に設けた構成とすることが好ましい。しかしながら、切り込まれた部位を通して被加工部材及び/又はワイヤに、加工液の流れが直接当たらなければ、仕切り板をワイヤの走行領域に設けた構成としても良い。
請求項9に記載のように、加工槽のワイヤの走行方向と対向する両側部を、ワイヤによって被加工部材とともに切り込む構成とすることが好ましい。このように構成すると、被加工部材の加工に際し、加工槽を構成する両側部を併せて切り込むことで両側部に形成される切り込み部を通して、加工液が加工槽から漏出することとなる。従って、加工中における加工液の加工槽からの漏出を最小限にとどめることができる。また漏出量が少ないので、加工液の供給量を低減することができる。従って、加工精度をより向上することができる。尚、請求項10に記載のように、両側部を交換可能とすることで、コスト低減を図ることができる。
次に、請求項11〜17に記載の発明は、加工槽内に被加工部材を位置決め配置する配置ステップと、被加工部材の少なくとも加工部位が浸漬されるように加工槽内に加工液を充填する充填ステップと、配置ステップ及び充填ステップ完了後、加工液を加工槽内に供給しつつワイヤを走行させて被加工部材を切断若しくは溝入れする加工ステップとを備えるワイヤソーによる加工方法に関するものである。先ず請求項11に記載の発明は、加工ステップにおいて、被加工部材及び加工槽内において被加工部材加工時にとりうるワイヤの配置位置の少なくとも一方と加工槽内に加工液を供給する加工液供給口との間に、下端及び両側端を加工槽の底面及び側面にそれぞれ接触固定し、この固定状態で上端が被加工部材の上端位置より高く加工槽の側面の上端位置より低い仕切り板を配置することで、加工液供給口を介して加工槽内に供給する加工液が、そのままの流れ方向で被加工部材及びワイヤの少なくとも一方に当たらないようにして、被加工部材を加工することを特徴とする。
本発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同様であるのでその記載を省略する。
請求項12,13に記載の発明の作用効果は、請求項2,3に記載の発明の作用効果と同様であるのでその記載を省略する。
請求項14,15に記載の発明の作用効果は、請求項5,6に記載の発明の作用効果と同様であるのでその記載を省略する。
請求項16,17に記載の発明の作用効果は、請求項7,8に記載の発明の作用効果と同様であるのでその記載を省略する。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。以下の実施形態に係るワイヤソー加工装置は、加工槽内に被加工部材を収容し、加工液を充填した状態で、加工液を供給しつつワイヤを走行させて被加工部材を切断若しくは溝入れする構成のものである。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るワイヤソー加工装置のワイヤソー側の基本構成を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係るワイヤソー加工装置の加工槽側の基本構成を示す概略構成図であり、(a)は上面視平面図、(b)は(a)のA−A断面における断面図である。尚、図2においては、被加工部材の加工段階を図示している。
図1及び図2(a),(b)に示すように、本実施形態に係るワイヤソー加工装置100は、大きく分けて、ワイヤ110及びワイヤ駆動機構、被加工部材120を支持する支持部、及び加工槽130とにより構成される。このうち、加工槽130の構成及び加工方法に特徴がある。
図1に示すように、ワイヤ110は、ワイヤ駆動機構を構成する3本のワイヤ用ローラ111a〜111cに所定の間隔で巻き掛けられており、このうちのワイヤ用ローラ111aがモータ等のアクチュエータ112により回転駆動されることによって、ワイヤ110が図中の矢印方向に所定の速度で走行(移動)する。また、ワイヤ用ローラ111bとワイヤ用ローラ111cとの間で複数列に巻き掛けられたワイヤ110の下方には、被加工部材120が台座121に固定(例えば接着)された状態で固定台122によって昇降可能に支持されている。
被加工部材120としては、シリコン、水晶、炭化珪素といった、高額な材料、脆性材料、半導体材料、高硬度な材料を適用することができる。本実施形態においては、炭化珪素(SiC)からなる円柱形状のインゴットを適用し、被加工部材120から所定厚さを有する複数枚のウエハを切り出すべく、所望の間隔をもってワイヤ110が複数列に巻き掛けられている。
加工槽130は、図2(a),(b)に示すように、上部が開口した箱状に形成されており、被加工部材120を載置するテーブル(図示略)に装着されている。そして、この箱状の加工槽130内に、円柱形状の被加工部材120が横転された状態で台座121及び固定台122とともに加工槽130の底板に接着剤等によって固定され、少なくとも加工部位が浸漬するように加工液140が充填された状態で、ワイヤ110によって加工される。
本実施形態に係るワイヤソー加工装置100においては、加工槽130のうち、ワイヤ用ローラ111b,111c間を走行するワイヤ110の走行方向と対向する1対の第1の側壁板131を、ワイヤ110によって加工可能な材料から構成し、それ以外の第2の側壁板132及び底板133を、例えば金属材料(本実施形態においてはSUS)から構成している。すなわち、加工槽130のワイヤ110の走行方向と対向する第1の側壁板131を、ワイヤ110によって被加工部材120とともに切り込む構成としている。尚、この第1の側壁板131の詳細については、例えば特開2002−52455号公報に開示されている。
第1の側壁板131の構成材料としては、加工条件に応じて適宜選択して適用することができる。例えばガラス、セラミックス、樹脂、金属等を適用することができる。本実施形態においては、加工液140としてダイヤモンド砥粒を含むスラリーを使用するため、被加工部材120の加工に影響の少ないガラス製の第1の側壁板131を適用している。尚、図2(a)中に示す符号134は、ワイヤ110によって加工されない位置において、加工槽130を構成する第2の側壁板132及び/又は底板133に第1の側壁板131を固定支持するための支持板であり、例えばボルトによって第2の側壁板132及び/又は底板133に締結固定されている。従って、第1の側壁板131が交換可能である。
ワイヤ110によって切り込まれない第2の側壁板132には、加工槽130内に加工液140を供給するための加工液供給口135が設けられている。また、本実施形態においては、図2(b)に示すように、加工液供給口135の開口下端を加工槽130の底板133の表面と略等しくしている。従って、加工槽130の底面に沈降した加工液140中の砥粒を、加工液140の流れによって拡散することができる。すなわち、加工槽130内における加工液140の濃度をほぼ均一に保つことができる。
また、加工液供給口135と、加工槽130内に配置された被加工部材120及び/又は加工状態における加工槽130のワイヤ110の配置位置との間に、仕切り板136が設けられている。仕切り板136は、加工液供給口135を介して加工槽130内に供給された加工液140の流れ(少なくとも流れ方向)を変えるためのものである。言い換えれば、直接加工液供給口135から噴出された流れのまま、ワイヤ110及び/又は被加工部材120に加工液140が当たらないように遮るための邪魔板である。また、仕切り板136によって、加工液140の流速を多少なりとも低減することができる。
加工液140の流れを変えることができれば、その構成材料及び配置は特に限定されるものではない。例えばワイヤ110の走行領域に設けても良い。しかしながら、このような構成とすると、仕切り板136も切り込まれるため、加工液供給口135の位置によっては、切り込まれた部位を通して被加工部材120及び/又はワイヤ110に、加工液140が直接当たることも考えられる。また、ワイヤ110が被加工部材120以外に仕切り板136も切り込むこととなるので、特に硬い材料から構成されるとワイヤ110に振れが生じることも考えられる。すなわち、加工精度が低下する恐れがある。従って、仕切り板136を、ワイヤ110の走行領域とは異なる領域に設けた構成とすることが好ましい。
本実施形態においては、図2(a),(b)に示すように、ワイヤ110の走行領域とは異なる領域において、仕切り板136の下端及び両側端が加工槽130の底板133及び側面(本例においては後述するガイド部)にそれぞれ接触し、仕切り板136によって、加工槽130内を、被加工部材120及びワイヤ110が配置された加工エリア137aと加工液供給口135を含む貯留エリア137bとに区分するよう構成されている。具体的には、金属材料(本実施形態においてはSUS)から構成され、加工液供給口135が2箇所ずつ設けられた第2の側壁板132のそれぞれに対して、所定距離離間して仕切り板136が配置されている。また、仕切り板136の長手方向において、仕切り板136の上端が加工槽130内に充填された加工液140(加工槽130の底板133)に対して略平行となり、仕切り板136の上端が被加工部材120の上端位置より高く加工槽130の側面の上端位置より低くなるように設定されている。尚、図2(a)における符号138は、仕切り板136を固定支持するガイド部であり、ガイド部138及び底板133に設けられた溝に仕切り板136が嵌め込まれている。尚、図示されないが溝は複数設けられており、加工条件に応じて、貯留エリア137bに貯留される加工液140の容積(仕切り板136を介して加工エリア137aに導入される加工液140の速度)を切り替えることが可能である。
このように構成されるワイヤソー加工装置100を用いたワイヤソーによる被加工部材120の加工方法について説明する。先ず、被加工部材120を加工槽130の底部に備えられた台座121及び固定台122に、接着剤(図示略)等で順次固定する。これが配置ステップである。配置ステップ完了後、加工液供給口135を介して、加工液140を加工槽130内に供給し、少なくとも被加工部材120の加工部位が浸漬されるように加工槽130内を加工液140で充填する。これが充填ステップである。このとき、加工液140は先ず貯留エリア137bの供給され、仕切り板136を介して加工エリア137aに移動される。
被加工部材120が加工液140にて浸漬され、加工エリア137aの液位(レベル)が仕切り板136の上端よりも低い状態(充填ステップ完了)で、ワイヤ110を走行させながら例えばテーブル(図示略)を徐々に上昇させてワイヤ110に加工槽130の第1の側壁板131の上端を圧接させ、第1の側壁板131とともに被加工部材120を切り込む。これが加工ステップである。ワイヤ110は、非常に線径が細く(0.08〜0.2mm)、第1の側壁板131に形成される櫛歯状の切り込み部(間隙)も狭い。従って、切り込み部を介して漏出する加工液140も僅かであり、加工槽130からの漏出を最小限にとどめることができる。また漏出量が少ないので、加工液140の供給量を低減することができる。すなわち、加工液供給口135から噴出される加工液140の流速を低く抑えることができるので、加工液140による被加工部材120及び/又はワイヤ110の振れを低減することができる。
また、少なくとも切断部位の浸漬状態を確保すべく、加工時に随時供給される加工液140は、図2(b)の実線矢印にて示すように、仕切り板136によって区分された貯留エリア137bに先ず貯留され、仕切り板136の上端を乗り越えて加工エリア137aに供給されることとなる。すなわち、仕切り板136を介すことで、加工液140の流れ方向が被加工部材120及び/又はワイヤ110に直接当たらない向きとなる。また、加工液140の通路である仕切り板136の上端の方が加工液供給口135よりも広く、加工液の流れも、貯留エリア137b上昇時と加工エリア137a下降時とで逆となるため、加工液140の流速をより効率よく低減することができる。
本発明者が確認したところ、従来構成においては、加工液供給口135にワイヤ110が近い場合にワイヤ110の振れによる加工精度の低下が確認され、被加工部材120の加工が進行した状態においては、被加工部材120の振れによる加工精度の低下が確認された。これに対し、本実施形態に係るワイヤソー加工装置100及びワイヤソーによる加工方法によれば、加工液140による被加工部材120及び/又はワイヤ110の振れを低減することができる。すなわち、加工部位に加工液140を供給しつつ、従来よりも加工精度を向上することができる。本発明者が確認したところ、仕切り板136無しで形成されたウエハのうねりが50〜60μmであったのに対し、仕切り板有りで30μm程度であった。
尚、本実施形態においては、被加工部材120とともに加工槽130を構成する第1の側壁板131も切り込む構成例を示した。しかしながら、排出口を設けることで少量排出とし、第1の側壁板131を切り込まない構成としても良い。
また、本実施形態においては、加工液供給口135を、開口下端が底板133と略等しくなるように加工槽130の第2の側壁板132に設ける例を示した。しかしながら、加工液供給口135の配置は上記例に限定されるものではない。例えば、図3に示すように、加工槽130の底板133に開口するように設けても良い。図3は、本実施形態の係るワイヤソー加工装置100の変形例を示す図であり、図2(b)に対応している。この場合も、加工液供給口135を介して加工槽130内に供給された加工液140の流れによって沈降物を拡散し、加工液140の濃度を加工槽130内においてほぼ均一に保つことができる。尚、第2の側壁板132と底板133に加工液供給口135を設けても良い。また、第2の側壁板132に設ける構成において、加工液供給口135を介して貯留エリア137bに供給される加工液140の流れ方向が、加工槽130の底板133に傾いた構成(加工液供給口135から底板133に向かって加工液140が噴出される構成)としても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、仕切り板136を、下端及び両側端が加工槽130の底板133及び側面にそれぞれ接触させて配置し、加工液140が仕切り板136の上端を介して、貯留エリア137bから加工エリア137aに導入される構成例を示した。しかしながら、仕切り板136の構成は上記例に限定されるものではない。例えば、図5、図6に示すように、加工液140が加工液供給口135から噴出された流れのまま、ワイヤ110及び/又は被加工部材120に直接当たらないようにすることができるものであれば良い。図5,6は、本実施形態の係るワイヤソー加工装置100の変形例を示す図であり、図2(b)に対応している。この場合、加工液供給口135から噴出された加工液140が仕切り板136によって遮られるので、多少なりとも流速を低減することができる。しかしながら、本実施形態に係る構成においては、加工液140の流れが貯留エリア137b上昇時と加工エリア137a下降時とで逆となり、加工液140の流速をより効率よく低減することができるので好ましい。
また、本実施形態においては、仕切り板136を、仕切り板136の長手方向において、仕切り板136の上端が加工槽130内に充填された加工液140の液面(加工槽130の底板133)に対して略平行となるよう構成する例を示した。しかしながら、斜めとしても良い。しかしながら、斜めの場合、仕切り板136の上端の一部(低い方)を介して加工液140が貯留エリア137bから加工エリア137aに導入されるが、略平行の場合、仕切り板136の上端全域を介して加工エリア137aに導入することができるので、加工エリア137aに導入される加工液140の流速をより低くすることができる。
参考実施形態
次に、参考実施形態を図7〜10に基づいて説明する。図7は、加工液140の供給量と加工精度との関係を示す図である。図8は、図7において適用したワイヤソー加工装置100の概略構成を示す図であり、(a)は上面視平面図、(b)は(a)のB−B断面における断面図である。図9は、本実施形態に係るワイヤソーによる加工方法を説明するための図であり、(a)は加工ステップの初期状態、(b)は加工ステップの供給量調整後を示す図である。図10は、図9に示す加工方法を実現するための装置構成の一例を示すブロック図である。
参考実施形態に係るワイヤソー加工装置100及びワイヤソーによる加工方法は、第1の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
本発明者は、加工液供給口135から噴出された加工液140をワイヤ110及び/又は被加工部材120に直接当てる構成において、加工液140の供給状態を異なる条件とし、それ以外はほぼ同一の条件として、加工精度への影響を確認した。具体的には、図8(a),(b)に示すように、ワイヤ110の走行領域であって加工槽130の底板133に加工液供給口135を設け、加工液供給口135から噴出された加工液140をワイヤ110に直接当てる構成において、供給状態として供給量を変化させて、加工精度を確認した。尚、全てのワイヤ110に加工液供給口135から噴出された加工液140を供給するために、加工液供給口135の長手方向をワイヤ110の走行領域と略同等以上とした。このように構成すると、加工性が向上する。
図7(a),(b)において、縦軸はうねり量(μm)であり、図7(a)は供給量を117cc/sec、図7(b)は供給量を74cc/secとしている。図7(a),(b)に示すように、加工液140の供給状態が変化すると、加工精度に大きな影響を与えることが明らかとなった。具体的には、供給量が大きいほど、加工精度が悪化している。この原因としては、加工液140によるワイヤ110及び/又は被加工部材120の振れが考えられる。図8(a),(b)に示す構成においては、加工液供給口135から噴出された加工液140をワイヤ110に直接当てるので、加工液140によって生じるワイヤ110の振れの影響が大きいと考えられる。
そこで、本実施形態に係る加工方法として、ワイヤ110による被加工部材120の加工進行度に応じて、加工槽130内に供給する加工液140の供給状態を変化させることとした。このように、被加工部材120の加工進行度に応じて、すなわち、ワイヤ110及び又は被加工部材120の振れの生じやすさ(ワイヤ110と加工液供給口135との距離、被加工部材120の切り込み量)に応じて、振れを低減するように加工液140の供給状態を変化させることとした。従って、加工部位に加工液140を供給しつつ、従来よりも加工精度を向上することができる。特に、加工液供給口135から噴出された加工液140をワイヤ110及び又は被加工部材120に直接当てる構成の場合、加工が進行し、ワイヤ110と加工液供給口135との距離が近くなると、加工液140によって生じるワイヤ110の振れが大きくなり、被加工部材120の切り込み量も大きくなるため、加工液140によって生じる被加工部材120の振れが大きくなる。しかしながら、本実施形態に係る加工方法によれば、このような構成であっても加工精度を向上することができる。
その一例としては、加工ステップの初期段階において、図9(a)に示すように供給量M1(cc/sec)で加工液供給口135から加工液140を加工槽130内に噴出させ、加工(切り込み)が所定量進行した時点(すなわちワイヤ110と加工液供給口135との距離が所定距離となった時点)で、図9(b)に示すように、供給量をM1(cc/sec)よりも小さいM2(cc/sec)に切り替える例をあげることができる。尚、図9(a),(b)においては、供給状態としての単位時間当たりの供給量を2段階で変化させる例を示したが、2段階に限定されるものではない。3段階以上としても良い。
次に、上記加工方法を実現するためのワイヤソー加工装置100の装置構成例を図10を用いて説明する。図10に示すように、ワイヤソー加工装置100に、ワイヤ110による被加工部材120の加工進行度に応じて、加工槽130内に供給する加工液140の供給状態を制御する制御手段としてのコントローラ150を設ければ良い。これにより、加工進行度に応じて、加工液140の供給状態を制御することができる。言い換えると、加工進行度に応じて、加工液140によりワイヤ110及び/又は被加工部材120に振れが生じやすい場合には、その振れを低減するように加工液140の供給状態を制御することができる。従って、加工部位に加工液140を供給しつつ、従来よりも加工精度を向上することができる。
具体的には、図10に示すように、加工進行度を検出する検出手段として、所定位置まで加工が進行した状態(位置)のワイヤ110を検出するように位置センサ160を配置(加工槽130側に固定)し、位置センサ160からのワイヤ検出信号に基づいて、コントローラ150が加工液供給装置170を制御する構成としても良い。また、ワイヤ110の撓み量を検出し、ワイヤ110の駆動軸の位置と組み合わせて信号を得ても良い。ワイヤ駆動機構及び加工槽130の構成は、図1及び図8(a),(b)と同様である。加工液供給装置170は、加工液供給手段171(例えばポンプ及びタンク)、加工液供給手段171と加工液供給部135とを繋ぐ接続配管172、及び接続配管172に設けられた開閉弁173から構成されており、コントローラ150は、加工液供給手段171の駆動状態又は開閉弁173の開度を制御することで、加工液供給口135から噴出される加工液140の供給状態(供給量)を制御することができる。尚、図10においては、開閉弁173の開度を制御する構成を示している。また、図10に示すように、コントローラ150が、上記制御と併せて、ワイヤ駆動機構の駆動状態を制御する構成としても良い。
尚、本実施形態においては、加工液140の供給状態として、単位時間当たりの供給量を変化させる(制御する)例を示した。しかしながら、供給状態としては、単位時間当たりの供給量に限定されるものではない。それ以外にも、例えば加工進行度に応じて、供給供給量は同じままインターバル(供給待機間隔)を変化させることで、一定時間内における供給量の総量を減少させることができる。この場合も、振れを低減することができる。
また、本実施形態においては、所定位置のワイヤ110を検出する位置センサ160を有し、制御手段としてのコントローラ150が、位置センサ160からの信号に基づいて、加工液140の供給量を制御する構成例を示した。しかしながら、加工進行度を検出する検出手段は上記位置センサ160に限定されるものではない。それ以外にも、例えば被加工部材120の切り込み代、加工進行度に応じて加工槽130内の液面が低下する構成において液面高さ又は加工槽130から排出される加工液量、加工槽130内への加工液供給量、第1の側壁板131の切り込み代等から、加工進行度を検出ことができる。
また、加工開始信号からの経過時間に基づいて、コントローラ150が加工液140の供給量を制御する構成としても良い。加工開始信号は、例えばワイヤ110を駆動させるワイヤ駆動機構(図1参照)、加工液供給装置170、或いはこれらの駆動状態を制御する制御手段(図10においてはコントローラ150)から得ることができる。
また、本実施形態においては、加工液供給口135が加工槽130の底板133に設けられる例を示した。しかしながら、加工液供給口135の配置は特に限定されるものではない。加工槽の側面(側壁板131,132)に設けても良い。また、加工槽130の上方に設けても良い。特に、本実施形態に示したように加工槽130の底板133、及び/又は、加工槽130の側面の被加工部材120の下端よりも下方に、加工液供給口135を設けた場合、加工の進行にともなって、ワイヤ110と加工液供給口135との距離が近くなり、被加工部材120の切り込みが深くなるので、ワイヤ110及び被加工部材120に生じる振れがともに大きくなる。従って、加工液140の供給状態を変化させることで、ワイヤ110及び被加工部材120の振れがともに低減され、加工精度をより向上することができる。
また、加工液供給口135を加工槽130の底板133に設けると、加工液供給口135から噴出される加工液140によって沈降物を拡散し、加工槽130内の加工液140の濃度をほぼ均一に保つことができる。尚、開口下端が底板133と略等しくなるように加工槽130の側面(例えば第2の側壁板132)に加工液供給口135を設けた構成や、側面に設けられた構成において、加工液供給口135を介して加工槽130内に供給される加工液140の流れ方向が、加工槽130の底板133に傾いた構成(加工液供給口135から底板133に向かって加工液140が噴出される構成)としても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、加工槽130の底板133に沿う方向において、加工槽130内に加工液140を供給する加工液供給口135の少なくとも一部を、ワイヤ110の走行領域と重なる領域に設けた構成例を示した。しかしながら、加工液供給口135を、ワイヤ110の走行領域及び被加工部材120の配置領域とは異なる領域に設けた構成としても良い。前者の場合、加工液140が直接ワイヤ110に供給されるので、加工部位に砥粒を含む加工液140を確実に供給することができる。これにより、加工時間を多少なりとも短縮することも可能である。後者の場合、ワイヤ110に直接加工液140が当たらないので、加工液140によるワイヤ110の振れをより低減することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施することができる。
本実施形態においては、加工槽130側を昇降させて、ワイヤ110に被加工部材120を圧接させて切り込む例を示した。しかしながら、ワイヤ駆動機構を昇降させて、ワイヤ110に被加工部材120を圧接させて切り込む構成としても良い。
また、本実施形態において、仕切り板136を配置することで、加工槽130内に供給される加工液140が、供給された流れのまま(すなわち直接的に)被加工部材120及び/又はワイヤ110に当たらないようにする例を示した。しかしながら、加工ステップにおいて、加工槽130内に供給される加工液140が、そのままの流れ方向で被加工部材120及び/又はワイヤ110に当たらないようにして、被加工部材120を加工する点を特徴とする。従って、仕切り板136に限定されるものではない。仕切り板136は一例である。仕切り板136以外にも加工液140の流れを変えることができるものであれば適用が可能である。
第1の実施形態に係るワイヤソー加工装置のワイヤソー側の基本構成を示す概略構成図である。 ワイヤソー加工装置の加工槽側の基本構成を示す概略構成図であり、(a)は上面視平面図、(b)は(a)のA−A断面における断面図である。 ワイヤソー加工装置の変形例を示す断面図である。 ワイヤソー加工装置の変形例を示す断面図である。 ワイヤソー加工装置の変形例を示す断面図である。 加工液の供給量と加工精度との関係を示す図である。 図6において適用したワイヤソー加工装置の概略構成を示す図であり、(a) は上面視平面図、(b)は(a)のB−B断面における断面図である。 参考実施形態に係るワイヤソーによる加工方法を説明するための図であり、( a)は加工ステップの初期状態、(b)は加工ステップの供給量調整後を示す図である。 図8に示す加工方法を実現するための装置構成の一例を示すブロック図である
符号の説明
100・・・ワイヤソー加工装置
110・・・ワイヤ
120・・・被加工部材
130・・・加工槽
131・・・第1の側壁板
132・・・第2の側壁板
133・・・底板
135・・・加工液供給口
136・・・仕切り板
137a・・・加工エリア
137b・・・貯留エリア
140・・・加工液
150・・・コントローラ

Claims (17)

  1. 加工槽内に被加工部材を収容し、加工液を充填した状態で、前記加工液を供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れするワイヤソー加工装置であって、
    前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に、下端及び両側端が前記加工槽の底面及び側面にそれぞれ接触し、上端が前記被加工部材の上端位置より高く前記加工槽の側面の上端位置より低くなるように、仕切り板を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー加工装置。
  2. 前記仕切り板の長手方向において、前記仕切り板の上端が前記加工槽内に充填された前記加工液の液面に対して略平行となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー加工装置。
  3. 加工槽内に被加工部材を収容し、加工液を充填した状態で、前記加工液を供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れするワイヤソー加工装置であって、
    前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に、仕切り板を設け、
    前記仕切り板は、前記加工槽内を、前記被加工部材を含む領域と前記加工液供給口を含む領域の、少なくとも2つの領域に区分することを特徴とするワイヤソー加工装置。
  4. 加工槽内に被加工部材を収容し、加工液を充填した状態で、前記加工液を供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れするワイヤソー加工装置であって、
    前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に、仕切り板を設け、
    前記加工液供給口は、前記加工槽の側面に開口することを特徴とするワイヤソー加工装置。
  5. 前記加工液供給口は、その開口下端が前記加工槽の底面と略等しいことを特徴とする請求項4に記載のワイヤソー加工装置。
  6. 前記加工液供給口を介して前記加工槽内に供給される前記加工液の流れ方向が、前記底面側に傾いていることを特徴とする請求項4に記載のワイヤソー加工装置。
  7. 加工槽内に被加工部材を収容し、加工液を充填した状態で、前記加工液を供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れするワイヤソー加工装置であって、
    前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に、仕切り板を設け、
    前記加工液供給口は、前記加工槽の底面に開口することを特徴とするワイヤソー加工装置。
  8. 前記仕切り板を、前記ワイヤの走行領域とは異なる領域に設けたことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のワイヤソー加工装置。
  9. 前記加工槽の前記ワイヤの走行方向と対向する両側部を、前記ワイヤによって前記被加工部材とともに切り込むようにしたことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載のワイヤソー加工装置。
  10. 前記両側部を交換可能としたことを特徴とする請求項9に記載のワイヤソー加工装置。
  11. 加工槽内に被加工部材を位置決め配置する配置ステップと、
    前記被加工部材の少なくとも加工部位が浸漬されるように前記加工槽内に加工液を充填する充填ステップと、
    前記配置ステップ及び前記充填ステップ完了後、前記加工液を前記加工槽内に供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れする加工ステップとを備えるワイヤソーによる加工方法であって、
    前記加工ステップにおいて、前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に、下端及び両側端を前記加工槽の底面及び側面にそれぞれ接触固定し、この固定状態で上端が前記被加工部材の上端位置より高く前記加工槽の側面の上端位置より低い仕切り板を配置することで、前記加工液供給口を介して前記加工槽内に供給する加工液が、そのままの流れ方向で前記被加工部材及び前記ワイヤの少なくとも一方に当たらないようにして、前記被加工部材を加工することを特徴とするワイヤソーによる加工方法。
  12. 前記仕切り板の長手方向において、上端が前記加工槽内に充填された前記加工液に対して略平行となるように、前記仕切り板を配置することを特徴とする請求項11に記載のワイヤソーによる加工方法。
  13. 加工槽内に被加工部材を位置決め配置する配置ステップと、
    前記被加工部材の少なくとも加工部位が浸漬されるように前記加工槽内に加工液を充填する充填ステップと、
    前記配置ステップ及び前記充填ステップ完了後、前記加工液を前記加工槽内に供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れする加工ステップとを備えるワイヤソーによる加工方法であって、
    前記加工ステップにおいて、前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に、前記加工槽内を、前記被加工部材を含む領域と前記加工液供給口を含む領域の少なくとも2つの領域に区分するように仕切り板を配置し、前記加工液供給口を介して前記加工槽内に供給する加工液が、そのままの流れ方向で前記被加工部材及び前記ワイヤの少なくとも一方に当たらないようにして、前記被加工部材を加工することを特徴とするワイヤソーによる加工方法。
  14. 加工槽内に被加工部材を位置決め配置する配置ステップと、
    前記被加工部材の少なくとも加工部位が浸漬されるように前記加工槽内に加工液を充填する充填ステップと、
    前記配置ステップ及び前記充填ステップ完了後、前記加工液を前記加工槽内に供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れする加工ステップとを備えるワイヤソーによる加工方法であって、
    前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口を、前記加工槽の側面に、開口下端が前記加工槽の底面と略等しくなるように設け、
    前記加工ステップにおいて、前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に仕切り板を配置し、前記加工液供給口を介して前記加工槽内に供給する加工液が、そのままの流れ方向で前記被加工部材及び前記ワイヤの少なくとも一方に当たらないようにして、前記被加工部材を加工することを特徴とするワイヤソーによる加工方法。
  15. 加工槽内に被加工部材を位置決め配置する配置ステップと、
    前記被加工部材の少なくとも加工部位が浸漬されるように前記加工槽内に加工液を充填する充填ステップと、
    前記配置ステップ及び前記充填ステップ完了後、前記加工液を前記加工槽内に供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れする加工ステップとを備えるワイヤソーによる加工方法であって、
    前記加工液供給口を、前記加工槽の側面に開口しつつ前記加工槽の底面方向に前記加工液を供給するように設け、
    前記加工ステップにおいて、前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に仕切り板を配置し、前記加工液供給口を介して前記加工槽内に供給する加工液が、そのままの流れ方向で前記被加工部材及び前記ワイヤの少なくとも一方に当たらないようにして、前記被加工部材を加工することを特徴とするワイヤソーによる加工方法。
  16. 加工槽内に被加工部材を位置決め配置する配置ステップと、
    前記被加工部材の少なくとも加工部位が浸漬されるように前記加工槽内に加工液を充填する充填ステップと、
    前記配置ステップ及び前記充填ステップ完了後、前記加工液を前記加工槽内に供給しつつワイヤを走行させて前記被加工部材を切断若しくは溝入れする加工ステップとを備えるワイヤソーによる加工方法であって、
    前記加工液供給口を、前記加工槽の底面に設け、
    前記加工ステップにおいて、前記被加工部材及び前記加工槽内において被加工部材加工時にとりうる前記ワイヤの配置位置の少なくとも一方と前記加工槽内に前記加工液を供給する加工液供給口との間に仕切り板を配置し、前記加工液供給口を介して前記加工槽内に供給する加工液が、そのままの流れ方向で前記被加工部材及び前記ワイヤの少なくとも一方に当たらないようにして、前記被加工部材を加工することを特徴とするワイヤソーによる加工方法。
  17. 前記仕切り板を、前記ワイヤの走行領域とは異なる領域に配置することを特徴とする請求項11〜16いずれか1項に記載のワイヤソーによる加工方法。
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