JP5907716B2 - バイト切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工物を旋回切削するバイトホイールを有するバイト切削装置に関する。
半導体デバイスの軽薄短小化を実現するための技術には様々なものがある。一例として、半導体ウエーハに形成されたデバイス表面に10〜100μm程度の高さのバンプと呼ばれる金属突起物を複数形成し、これらのバンプを配線基板に形成された電極に相対させて直接接合するフリップチップボンディングと呼ばれる実装技術が実用化されている。
フリップチップボンディングでは、半導体ウエーハの表面に形成された複数のバンプを所望の高さへ揃える必要がある。バンプを所望の高さへ揃える方法として、特開2009−172723号公報に記載されたようなバイト切削装置を使用して、所定高さに位置付けられたバイト工具を回転させつつ被加工物とバイト工具とを水平方向に相対移動させて被加工物をバイト工具で旋回切削する方法が実施されている。
バイト切削装置では、加工品質を向上させるとともにバイト工具の切刃の消耗を抑えるために、切刃と被加工物が接触する加工点に純水等の流体を供給しつつ、切削を遂行している(特開2010−005721号公報参照)。
バイト工具の旋回切削で発生した切削屑は、バイトホイールの回転方向(切削が進行する方向)前方側に排出され、一部がチャックテーブルを囲繞するチャックテーブルカバーの上面に付着する。
特開2010−005721号公報に開示されたバイト切削装置では、バイトホイールの回転方向(切削が進行する方向)前方側から加工点に向かって流体を供給しながら切削を遂行している。
特開2009−172723号公報 特開2010−005721号公報
特許文献2に開示されたバイト切削装置のように、バイトホイールの回転方向前方側から加工点に向かって流体を供給すると、切削で発生した切削屑が流体によって被加工物上に散布される上、チャックテーブルカバーの上面に付着していた切削屑も被加工物上に飛散し、被加工物に切削屑を付着させてしまうという問題がある。
被加工物上に残存した切削屑が被加工物の搬出時にチャックテーブル上に落ちると、次の被加工物をチャックテーブルに載置した際、チャックテーブルと被加工物との間に切削屑を挟みこんでしまうため、被加工物の上面高さ位置が狂い、被加工物を所望の厚みに切削加工することができないという問題が発生する。
切削後、被加工物が乾燥すると付着した切削屑の除去が難しいため、切削加工中に被加工物上面から切削屑を除去することが要望されている。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、切削加工中に被加工物上から切削屑を効果的に除去しうるバイト切削装置を提供することである。
本発明によると、被加工物を旋回切削するバイトホイールを有したバイト切削装置であって、
被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、鉛直方向に伸長する回転軸回りに回転駆動されるスピンドルと、該スピンドルの先端に装着され該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切刃を有するバイトホイールと、を含むバイト切削手段と、該バイト切削手段の該切刃に切削液を供給する切削液供給手段と、該バイト切削手段を鉛直方向に移動させる鉛直移動手段と、該チャックテーブルを該バイト切削手段に対して接近及び離反するように水平方向で直線移動させる水平移動手段と、該水平移動手段の移動経路を覆う保護カバー機構と、を具備し、該保護カバー機構は、該チャックテーブルの該保持面を露出させて該チャックテーブルを囲繞する上面を有するチャックテーブルカバーと、該チャックテーブルカバーを挟んで該水平移動手段の該移動経路方向にそれぞれ伸長する一対の蛇腹とからなり、該切削液供給手段は、該チャックテーブルに保持された被加工物を該切削手段で旋回切削する際、該切刃での切削が進行する切削進行方向後方から前方の該切刃と被加工物が接触する加工点に向かって切削液を噴出する噴出口を有し、該チャックテーブルカバーの上面は、該切削進行方向後方側が該チャックテーブルの該保持面で保持された被加工物に該切削液供給手段からの切削液を導く第1の高さの平面に設定され、該切削進行方向前方側が該切削進行方向後方側に対して低い第2の高さの平面に設定されていることを特徴とするバイト切削装置が提供される。
好ましくは、切削進行方向後方側のチャックテーブルカバーの上面は、チャックテーブルの保持面より1〜1.5mm低く設定され、切削進行方向前方側のチャックテーブルカバーの上面は、チャックテーブルの保持面より2〜10mm低く設定されている。
本発明のバイト切削装置では、加工進行方向後方から前方に向かって切削液を供給しながら被加工物の旋回切削を遂行するため、バイトホイールの回転に伴って加工進行方向前方に除去された切削屑が被加工物上に飛散することがない。
加工進行方向後方のチャックテーブルカバーの上面を被加工物に切削液を導く高さに設定することで、チャックテーブルカバーの側面によって切削液が遮られることを低減し、より多くの切削液を被加工物上面に供給でき、切削屑を効果的に除去できる。
加工進行方向前方側のチャックテーブルカバーの上面を加工進行方向後方のチャックテーブルカバーの上面よりも低く形成することで、加工屑を加工進行方向前方のチャックテーブルカバーの上面に落とし込み、加工進行方向前方側のチャックテーブルカバー上に排出された切削屑が被加工物上に再付着する恐れを低減できる。
本発明実施形態に係るバイト切削装置の斜視図である。 旋回切削時の作用を説明する一部断面正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係るバイト切削装置2の斜視図が示されている。4はバイト切削装置2のハウジングであり、水平ハウジング6の後方にコラム8が立設されている。
コラム8には上下方向に伸びる一対のガイドレール12,14が固定されている。この一対のガイドレール12,14に沿ってバイト切削ユニット16が上下方向に移動可能に装着されている。バイト切削ユニット16は、支持部20を介して一対のガイドレール12,14に沿って上下方向に移動する移動基台18に取り付けられている。
バイト切削ユニット16は、支持部20に取り付けられたハウジング22と、ハウジング22中に回転可能に収容されたスピンドル24と、スピンドル24を回転駆動するサーボモータ26を含んでいる。
図2に最も良く示されるように、スピンドル24の先端部にはホイールマウント28が固定されており、このホイールマウント28にはバイトホイール30が複数のねじにより着脱可能に装着されている。バイトホイール30には先端に切刃32aを有するバイト工具32が着脱可能に取り付けられている。
バイト切削ユニット16は、バイト切削ユニット16を一対の案内レール12,14に沿って上下方向に移動するバイト切削ユニット送り機構(切り込み手段)34を備えている。
バイト切削ユニット送り機構34は、ボールねじ36と、ボールねじ36の一端部に固定されたパルスモータ38と、移動基台18に配設されたボールねじ36に螺合するナットとから構成される。パルスモータ38をパルス駆動すると、ボールねじ36が回転し、移動基台18が上下方向に移動される。
水平ハウジング部分6の凹部10には、チャックテーブルユニット40が配設されている。チャックテーブルユニット40はチャックテーブル42を含んでおり、チャックテーブル42は図示しない水平移動機構(チャックテーブル移動機構)により装置の前後方向、即ちY軸方向に移動される。
換言すると、チャックテーブル42はバイト切削ユニット16に対して接近及び離反する方向に水平移動機構により直線移動される。チャックテーブル42は、ポーラスセラミックス又はピンチャック等から形成された吸引保持面42aを有している。
チャックテーブル機構40は、水平移動機構の移動経路を覆う保護カバー機構45を備えている。保護カバー機構45は、チャックテーブル42の吸引保持面42aを露出させてチャックテーブル42を囲繞する上面を有するチャックテーブルカバー44と、チャックテーブルカバー44の両端に配設された蛇腹46,48とから構成される。
蛇腹46の前端は凹部10を画成する前壁に固定され、後端がチャックテーブルカバー44の前端面に固定されている。また、蛇腹48の後端はコラム8に固定され、その前端はチャックテーブルカバー44の後端面に固定されている。
ハウジング4の水平ハウジング部分6には、切削前のウエーハを収容するカセット52と、切削加工後のウエーハを収容するカセット54と、ウエーハ搬送ロボット56と、複数の位置決めピン58を有する位置決め機構60と、ウエーハ搬入機構(ローディングアーム)62と、ウエーハ搬出機構(アンローディングアーム)64と、スピンナ洗浄ユニット68と、オペレータが切削条件等を入力する操作パネル70が設けられている。また、ハウジング4の凹部10には、バイト切削ユニット16による被加工物の切削屑を含んだ切削水を排水する排水口72が設けられている。
図2に最も良く示されるように、チャックテーブルカバー44は、チャックテーブル42の保持面42aで保持された被加工物11に切削液供給ノズル50の噴出口50aから噴出された切削液を導く高さに設定された切削進行方向後方側の第1の上面44aと、第1の上面44aよりも低く設定された加工進行方向前方側の第2の上面44bとを有している。
図2で矢印Aは切削進行方向を示している。また、矢印aはバイトホイール30の回転方向を示している。第1の上面44aはチャックテーブル42の保持面42aより1〜1.5mm低く設定され、第2の上面44bはチャックテーブル42の保持面42aから2〜10mm低く設定されている。
チャックテーブル42に保持された半導体ウエーハ等の被加工物の切削加工では、バイトホイール30を矢印a方向に約2000rpmで回転させつつバイト切削ユニット送り機構(切り込み手段)34を駆動してバイト工具32の切刃32aを半導体ウエーハ等の被加工物の上面に所定深さ切り込ませる。
そして、チャックテーブル42をY軸方向に(図2で紙面に垂直方向)に例えば1mm/sの送り速度で移動させながら、被加工物を旋回切削する。この旋回切削時には、チャックテーブル42は回転させずにY軸方向に加工送りする。
被加工物の旋回切削時には、切削進行方向後方側に設けられた切削液供給ノズル50の噴出口50aから純水等の切削液を供給しながら切削加工を実施する。よって、バイトホイール30の回転に伴って切削進行方向前方に除去された切削屑が被加工物11上に飛散することがない。
切削進行方向後方のチャックテーブルカバー44の第1の上面44aが被加工物11に切削液を導く高さに設定されているので、チャックテーブルカバー44の側面によって切削液が遮られることが低減し、より多くの切削液を被加工物上面に供給でき、切削屑を効果的に除去できる。
更に、切削進行方向前方側のチャックテーブルカバー44の第2の上面44bを加工進行方向後方側の第1の上面44aよりも低く形成することで、切削屑を切削進行方向前方のチャックテーブルカバー44の第2の上面44b上に落としこみ、切削進行方向前方側のチャックテーブルカバー44上に排出された切削屑が被加工物上に再付着する恐れを低減できる。
2 バイト切削装置
10 バイト切削ユニット
11 被加工物
30 バイトホイール
32 バイト工具
32a 切刃
42 チャックテーブル
42a 保持面
44 チャックテーブルカバー
44a 第1の上面
44b 第2の上面
50 切削液供給ノズル

Claims (2)

  1. 被加工物を旋回切削するバイトホイールを有したバイト切削装置であって、
    被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、
    鉛直方向に伸長する回転軸回りに回転駆動されるスピンドルと、該スピンドルの先端に装着され該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切刃を有するバイトホイールと、を含むバイト切削手段と、
    該バイト切削手段の該切刃に切削液を供給する切削液供給手段と、
    該バイト切削手段を鉛直方向に移動させる鉛直移動手段と、
    該チャックテーブルを該バイト切削手段に対して接近及び離反するように水平方向で直線移動させる水平移動手段と、
    該水平移動手段の移動経路を覆う保護カバー機構と、を具備し、
    該保護カバー機構は、該チャックテーブルの該保持面を露出させて該チャックテーブルを囲繞する上面を有するチャックテーブルカバーと、
    該チャックテーブルカバーを挟んで該水平移動手段の該移動経路方向にそれぞれ伸長する一対の蛇腹とからなり、
    切削液供給手段は、該チャックテーブルに保持された被加工物を該切削手段で旋回切削する際、該切刃での切削が進行する切削進行方向後方から前方の該切刃と被加工物が接触する加工点に向かって切削液を噴出する噴出口を有し、
    該チャックテーブルカバーの上面は、該切削進行方向後方側が該チャックテーブルの該保持面で保持された被加工物に該切削液供給手段からの切削液を導く第1の高さの平面に設定され、該切削進行方向前方側が該切削進行方向後方側に対して低い第2の高さの平面に設定されていることを特徴とするバイト切削装置。
  2. 前記切削進行方向後方側の前記チャックテーブルカバーの上面は、前記チャックテーブルの保持面より1〜1.5mm低く設定され、前記切削進行方向前方側の前記チャックテーブルカバーの上面は、該チャックテーブルの保持面より2〜10mm低く設定されている請求項1記載のバイト切削装置。
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