JPH05345252A - マシニングセンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械ベッドの剛性を弱めることなく、構造簡
単で、容易に切粉の処理を行なうことができるマシニン
グセンタを提供する。 【構成】 主軸に取り付けられた工具の下方領域で切粉
の落下する範囲が傾斜してなるマシニングセンタ。特に
横型マシニングセンタにあっては、このような落下した
切粉を処理すべき個所に、サドルから下の部分に、機械
前部へ向かい低くなるように傾いた傾斜面を有する部材
を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工作物の取付け替えを
行なうことなしに２面以上について、フライス加工、穴
あけ、中ぐり、リーマ加工、ねじ切りなどの各種作業工
程に必要な工具の交換を自動的に行ないながら多種の加
工を施す数値制御工作機械たるマシニングセンタに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】ＦＭＳ(Flexible Manufacturing Syste
m)やＦＴＬ(Flexible Transfer Line)の構成要素として
重要な役割を演じ、長時間、無人で運転されるマシニン
グセンタは、運転中の性能が変化する事態は避けなけれ
ばならない。ベッドやコラムが高い剛性をもつととも
に、温度上昇を極力抑えるように主軸の剛性や冷却方法
などとともに、切粉の排除にも考慮が払われるべきもの
である。

【０００３】そして、ＮＣ旋盤と共にＮＣ工作機械の双
璧をなすこのようなマシニングセンタは、主軸の方向か
ら横型と縦型とに大別される。

【０００４】例えば、横型マシニングセンタは、ロータ
リーテーブルを内蔵し、工作物の加工面を割り出し、４
面の加工を行なうのが通常である。

【０００５】図１に示される横型マシニングセンタで
は、パレットテーブル左右（Ｘ軸）、主軸上下（Ｙ
軸）、コラム前後（Ｚ軸）の３軸を制御し、パレットテ
ーブルを例えば１度ごと３６０位置に割り出すようにな
っている。

【０００６】また横型マシニングセンタで工作物の上面
も加工するため、テーブルをＸ軸回りに回転する機構を
備えた５面加工機も存在する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このようなマシニング
センタを使用しての機械加工では、切削した切粉が機械
のテーブル上に残らないように、切粉が当該テーブルの
下方に、例えばチップ受けに落ちて、スパイラルチップ
コンベアによって切削油とともに機械本体から排出され
るように考慮されている。

【０００８】しかしながら、図２に示されるように、こ
ぼれた切粉の処理のために、機械ベッドを切り欠く必要
があった。

【０００９】そのために当該機械ベッドは残されたリブ
部によって荷重を支えることになり、その剛性が弱くな
らざるをえず、運転中の性能に微妙に悪影響を与えると
いう問題がある。また構造が複雑になるために、切粉が
機械にひっかかり、切粉が充分に機械の外に排出されな
いという問題もある。

【００１０】そこで本発明は、従来装置における上記の
問題点を解消して、機械ベッドの剛性を弱めることな
く、構造簡単で、容易に切粉の処理を行なうことができ
るマシニングセンタを提供することを課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、主軸に取り付
けられた工具の下方領域で切粉の落下する範囲が傾斜し
てなるマシニングセンタにより、上記の課題を解決し
た。即ち、該当個所がスラスト形状となっているのであ
る。

【００１２】このような落下した切粉を処理すべき個所
に、例えば横型マシニングの場合、サドルから下の部分
に、機械前部へ向かい低くなるように傾いた傾斜面を有
する部材が配置されていれば、好適である。当該部材と
しては、例えば、スライドカバーが該当し、このスライ
ドカバーに傾斜面を設ける。更に、このスライドカバー
の傾斜面上端位置に、チップフラッシュ用ノズル装置を
形成したり、またスライドカバーの傾斜面下端近傍に、
切粉を収容搬送するための溝部を有する補助ベッドを設
けるようにすれば、横型マシニングセンタについて、本
発明の課題を確実に解決する。切粉を処理すべき部分に
スラントを持たせることによって、機械ベッドの剛性を
弱めることなく切粉の処理を容易に行なうことができる
ようになるのは、横型マシニングセンタに限らず、立型
マシニングセンタについても該当する。

【００１３】スラント方向は、機械前部へ向かうＺ軸方
向ばかりでなく、主軸に取り付けられた工具の下方領域
でＸ軸方向の場合もある。Ｘ軸方向において工作物を加
工する範囲から離れるに従って低くなるように傾斜する
態様で、両方向に傾斜する場合には、滑落する切粉を更
に搬送排出するための手段を機械の両側に設けることが
要求されることになるが、片方向に傾斜する場合には、
当該手段を片側だけに設ければ足り、必要部材について
は、機械前部へ傾ける場合と同数ですむ。

【００１４】加工作業の結果発生する切粉は、傾斜した
左右スライドカバーに落ちる。その傾斜上端側には、チ
ップフラッシュ用の切削油のノズルが、好ましくはシン
メトリックに多数設けられており、当該ノズルから流出
する切削油によって流される切粉は、機械前部の補助ベ
ッドに洗い流される。補助ベッドは、左右方向に、即ち
Ｘ軸方向に傾斜が設けられていて、当該補助ベッドに流
された切粉は、切削油と共にその傾斜面を伝わって機械
の外に流れ出される。

【００１５】

【実施例】本発明の詳細を、図に示される横型マシニン
グセンタの実施例に基づいて、説明する。

【００１６】図３及び図４において、工作物を取り付け
たパレット１が所定位置に搬送されてくると、主軸に取
り付けられＺ軸に沿って前後する例えばカッタ２によっ
て、工作物は加工される。その移動の際、前後スライド
カバー４によってＺ軸方向のベッド摺動面が保護されて
いる。

【００１７】加工によって発生する切粉３は、機械前部
へ向い緩やかに傾斜したＸ軸を保護する左右スライドカ
バー５に落ちる。

【００１８】左右スライドカバー５の傾斜上端領域に
は、チップフラッシュ用のノズル装置６が、左右スライ
ドカバー５の幅方向にわたり間隔をおいて、好適にはシ
ンメトリックに複数配置されている。これらノズル装置
６には、油案内ダクト７を介して切削油源（図示せず）
から切削油が供給されるようになっている。ノズル装置
６及びこれらに切削油を供給する構造は、左右スライド
カバー５上の切粉を速やかに流すことができるものであ
れば、特に限定されるものでなく、例えば、切削油の流
れの中に圧縮空気を送りこむようにして、切削油のスラ
イドカバー上の流れを早くし、切粉の搬送をスムーズに
するようなものを挙げることができる。

【００１９】このようなノズル装置６から噴出される切
削油によって、傾斜面に沿って流れる切粉は、左右スラ
イドカバーの機械前方、パレットチェンジャー１０下方
領域に位置する補助ベッド８に移行する。当該補助ベッ
ド８には、Ｘ軸方向に傾斜を付けられ延在するＵ字状溝
部９が備えられていて、切削油とともに流れてくる切粉
を機械の外へ洗い流すようになっている。

【００２０】

【発明の効果】本発明のマシニングセンタにおいては、
主軸に取り付けられた工具の下方領域で切粉の落下する
範囲が傾斜してなっているので、当該傾斜部に落下した
切粉は、当該傾斜部を滑落して、機械の外に排出され
る。横型マシニングセンタにおいて、例えば、このよう
な落下した切粉を処理すべき個所に、機械前部へ向かい
低くなった傾斜面を有するスライドカバー等の部材が配
置され、更にその傾斜面上端位置にチップフラッシュ用
ノズル装置が形成され、また傾斜面下端近傍に切粉を収
容搬送するための溝部を有する補助ベッドが設けられて
いれば、極めてスムーズに切粉を機械の外に排出でき、
機械内部に切粉が残ることが無くなる。また、チップフ
ラッシュ用の切削油を用いて、機械前部に設けられた補
助ベッドを介して、切粉の処理を行なうことで、機械下
部に切粉が紛れ込まず、従って、ベッドを切り欠く必要
がないので、当該ベッドの剛性を弱めることを回避する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】４面加工用の従来公知の横型マシニングセンタ
の概略斜視図である。

【図２】従来公知の横型マシニングセンタに用いられる
一体構造型のベッドの斜視図である。

【図３】本発明に係るマシニングセンタの概略平面図で
ある。

【図４】本発明に係るマシニングセンタの切粉処理部分
の概略的な拡大端面図である。

【符号の説明】

１ パレット ２ カッタ ３ 切粉 ４ 前後スライドカバー ５ 左右スライドカバー ６ ノズル装置 ７ 油案内ダクト ８ 補助ベッド ９ 溝部 １０ パレットチェンジャー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主軸に取り付けられた工具の下方領域で
   切粉の落下する範囲が傾斜してなるマシニングセンタ。