WO2023162180A1 - 工作機械 - Google Patents

Abstract

工作機械（１）は、支持本体部（２）と、前記支持本体部（２）に支持され、工作物（Ｗａ，Ｗｂ）を支持するテーブル（６）と、前記支持本体部（２）に支持され、前記テーブル（６）に対して相対移動可能に構成され、前記工作物（Ｗａ，Ｗｂ）を加工する工具（Ｔ）と、を備え、前記支持本体部（２）は、前記テーブル（６）と前記工具（Ｔ）とを包囲する加工室（ＭＡ）内に、前記工具（Ｔ）の下方に設けられた直近オイルパン開口部（８１）および離隔オイルパン開口部（８２）と、前記直近オイルパン開口部（８１）および前記離隔オイルパン開口部（８２）の間に設けられ、前記直近オイルパン開口部（８１）および前記離隔オイルパン開口部（８２）の間を仕切る少なくとも一つのオイルパンピラー（８４）と、を備える。

Description

工作機械

　本発明は、工作機械に関する。

　工作機械は、ベッドと、ベッドに支持されて工作物を支持するテーブルと、ベッドに支持されてベッドに対して相対移動可能に構成されるとともに工作物を加工する工具と、を備える。工作機械においては、工作物の加工に伴って、加工室内に切削屑が飛散する。特許文献１には、切削屑が、ベッドに設けられた一つの開口部から工作機械の外部へと搬出される技術が開示されている。

特開２０２１－１８６９００号公報

　上記の技術において、例えば、切削屑が大量に発生した場合には、切削屑が開口部の周囲に滞留してしまうことが懸念される。このような場合、多くの切削屑を開口部から排出させるためには、開口部を大きくすることが考えられる。しかし、過度に開口部を大きくすると、工作機械全体の剛性が低下するおそれがある。工作機械の剛性の低下は、工作物の加工精度に影響を及ぼす。

　本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、多くの切削屑を開口部から排出させるとともに、剛性の低下が抑制された工作機械を提供しようとするものである。

　本発明の一態様は、
　支持本体部と、
　前記支持本体部に支持され、工作物を支持する工作物支持部と、
　前記支持本体部に支持され、前記工作物支持部に対して相対移動可能に構成され、前記工作物を加工する工具と、
　を備え、
　前記支持本体部は、前記工作物支持部と前記工具とを包囲する加工室内に、
　　前記工具の下方に設けられた複数の開口部と、
　　前記複数の開口部の間に設けられ、前記複数の開口部の間を仕切る少なくとも一つのピラーと、
　を備えた工作機械にある。

　工具の下方に複数の開口部を設けることにより、開口部が一つである場合に比べて、多くの切削屑を開口部から排出することができる。

　また、複数の開口部の間にはピラーが設けられているので、開口部の開口面積を大きくした場合でも、支持本体部の剛性が低下することを抑制することができる。その結果、複数の開口部を設けたとしても、工作物の加工精度を確保することができる。

実施形態１の工作機械の側方（Ｘ軸方向）から見た一部切欠側面図である。 図１における工作機械の紙面上方（Ｙ軸方向）から見た断面図であって、パレット、テーブルおよびレールが省略された図である。 図１における工作機械の一部拡大断面図である。 図２のＩＶ－ＩＶ線断面図である。

　（実施形態１）
　１．工作機械１の構成
　工作機械１の構成について図１～図４を参照して説明する。図１に示すように、工作機械１は、少なくとも工具Ｔの中心軸が水平方向となる位置に位置決め可能なマシニングセンタを例にあげる。

　従って、本形態においては、工作機械１は、工具Ｔの中心軸が水平方向に一致するように構成される場合を例にあげる。つまり、本形態における工作機械１は、水平方向の直交する２軸のうち工具Ｔの中心軸に一致する方向をＺ軸方向とし、水平方向の直交する２軸の他方であってＺ軸方向に直交する方向をＸ軸方向とし、鉛直方向をＹ軸方向とする。

　なお、工作機械１は、以下に説明する構成の他に、工具Ｔの中心軸が水平方向に一致する姿勢に加えて、工具Ｔの中心軸が水平方向とは異なる方向となるように、工具Ｔの姿勢を変更可能な構成とすることも可能である。この場合、工作機械１は、例えば、工具Ｔを保持する主軸頭５（後述する）の姿勢を変更するための旋回機構を備え、工具Ｔの中心軸が、水平方向と垂直方向との間で変化するようにされる。

　本形態における工作機械１は、支持本体部２、コラム３、サドル４、主軸頭５、テーブル６（工作物支持部）、一対のパレット７ａ，７ｂ、パレット交換装置８、全体カバー９を備える。支持本体部２は、ベッド２ａと、オイルパン２ｂ（板材）と、を備える。さらに工作機械１は、チップコンベア１００を備える。ここで、本形態における工作機械１においては、工具Ｔを保持する主軸頭５が、ベッド２ａに対してＸ軸方向およびＹ軸方向に移動し、工作物Ｗａ，Ｗｂを保持するテーブル６がベッド２ａに対してＺ軸方向に移動する構成を例にあげる。ただし、工作機械１は、少なくとも主軸頭５がＹ軸方向に移動する構成とし、主軸頭５およびテーブル６のいずれがＸ軸方向およびＺ軸方向に移動する構成としても良い。

　ベッド２ａは、工作機械１の設置面上に設置される。本形態においては、ベッド２ａは、例えば、長方形状の上面を有する。ただし、ベッド２ａの形状は、任意に決定される。ベッド２ａの上面には、Ｘ軸方向に延在するレール２１、および、Ｚ軸方向に延在するレール２２が設けられている。詳細には、レール２１は、Ｔ字状の上辺部を構成し、レール２２は、Ｔ字状の縦線部を構成するように配置されている。

　コラム３は、ベッド２ａにおけるＸ軸方向に延在するレール２１に支持され、ベッド２ａに対してＸ軸方向に移動可能に設けられている。コラム３は、ボールねじ装置やリニアモータなどのＸ軸駆動装置（図示せず）により直動駆動される。コラム３は、図１に示すように、Ｚ軸方向を法線とする面に、Ｙ軸方向に延在するレール３１を備える。

　サドル４は、コラム３におけるＹ軸方向に延在するレール３１に支持され、コラム３に対してＹ軸方向に移動可能に設けられている。サドル４は、ボールねじ装置やリニアモータなどのＹ軸駆動装置（図示せず）により直動駆動される。主軸頭５は、工具Ｔを着脱可能である。従って、主軸頭５に装着される工具Ｔは、交換可能となる。主軸頭５は、主軸ハウジングと、主軸ハウジングに回転可能に支持された主軸とを備えており、主軸の先端に工具Ｔが回転可能に保持される。工具Ｔはベッド２ａの上方に配置されている。

　テーブル６は、ベッド２ａの上方に配置されており、工作物Ｗａ，Ｗｂの一方を支持する。ただし、本形態においては、テーブル６は、後述するパレット７ａ，７ｂの一方を介して、工作物Ｗａ，Ｗｂの一方を支持する。

　テーブル６は、図１に示すように、ベッド２ａにおけるＺ軸方向に延在するレール２２に支持され、ベッド２ａに対してＺ軸方向に移動可能に設けられている。従って、テーブル６は、コラム３、サドル４および主軸頭５に対して、水平方向において相対的に接近したり離間したりする。換言すると、テーブル６は、主軸頭５に装着された工具Ｔに対して相対移動可能に構成されている。テーブル６は、テーブル本体４１と、回転テーブル４２とを備える。テーブル本体４１は、レール２２に支持され、ベッド２ａに対してＺ軸方向に移動する。回転テーブル４２は、テーブル本体４１の上面に、鉛直軸線回り（Ｂ軸）に回転可能に支持されている。

　テーブル本体４１は、ボールねじ装置やリニアモータなどのＺ軸駆動装置（図示せず）により直動駆動される。回転テーブル４２は、モータなどの旋回駆動装置（図示せず）により回転駆動される。

　テーブル本体４１がＺ軸方向に移動することにより、テーブル６は、図１において実線で示される加工位置ＭＰと、二点鎖線で示される退避位置ＥＰとの間を相対移動可能になっている。テーブル６が加工位置ＭＰに移動された状態では、テーブル６によって支持された工作物Ｗａが工具Ｔによって加工されるようになっている。テーブル６が退避位置ＥＰに移動された状態では、テーブル６によって支持された工作物Ｗａは、工具Ｔから離れた状態になっている。

　パレット７ａ，７ｂは、図１に示すように、工作物Ｗａ，Ｗｂを支持する。パレット７ａ，７ｂは、工作物取付用治具（図示せず）を介して、工作物Ｗａ，Ｗｂを支持するようにしても良い。さらに、パレット７ａ，７ｂは、テーブル６の上面に対して着脱可能に設けられている。本形態においては、パレット７ａ，７ｂは、回転テーブル４２の上面に対して着脱可能である。

　パレット交換装置８は、鉛直軸線回りに旋回可能であり、一対のパレット７ａ，７ｂを保持可能である。パレット交換装置８は、鉛直軸線回りの１８０度の旋回動作によって、テーブル６への設置位置と段取位置の載置台７８との間で、一対のパレット７ａ，７ｂを交換する。テーブル６への設置位置と段取位置とは、パレット交換装置８の旋回軸線を中心として１８０度ずれた位置に位置する。さらに、テーブル６への設置位置、段取位置、パレット交換装置８の旋回軸線は、Ｚ軸方向に一直線上に位置する。そして、Ｚ軸方向において、テーブル６への設置位置が、コラム３およびサドル４寄りに位置し、段取位置が、コラム３およびサドル４から遠い側に位置する。

　パレット交換装置８は、旋回軸部材５１、第一パレット保持部材５２、第一区画カバー５３、第二パレット保持部材５４、第二区画カバー５５を備える。旋回軸部材５１は、ベッド２ａの上面から鉛直方向に延在し、ベッド２ａに対して鉛直軸線回りに旋回可能に設けられている。旋回軸部材５１は、モータなどの旋回駆動装置（図示せず）により回転駆動される。

　第一パレット保持部材５２および第二パレット保持部材５４は、パレット７ａ，７ｂを支持可能であって、テーブル６との間でパレット７ａ，７ｂの受け渡しを行う。第一パレット保持部材５２および第二パレット保持部材５４は、例えば、旋回軸部材５１から、旋回軸線の径方向外側に延在するフォーク形状に形成されている。なお、第一パレット保持部材５２および第二パレット保持部材５４の形状は、種々の形状を採用できる。

　図２に示すように、第一区画カバー５３および第二区画カバー５５は、平面的に見てＵ字状に形成されている。ここで、Ｕ字状とは、図２に示すような角を有するＵ字状としても良いし、角を有さない湾曲したＵ字状としても良い。なお、図２においては、パレット７a，７ｂ、テーブル６およびレール２２は省略されている。第一区画カバー５３および第二区画カバー５５は、一対の平行な側壁５６と、側壁５６に一方の端部を連結する連結壁５７とを有する。第一区画カバー５３は、第一パレット保持部材５２により保持されるパレット７ａの領域を区画する。具体的には、第一区画カバー５３は、パレット７ａの水平方向の一部を囲み、かつ、パレット交換装置８の旋回軸線を中心に径方向外側に開口する。図２においては、第一区画カバー５３は、パレット７ａの水平方向の周囲のうち、コラム３およびサドル４の側（図２の右側）に開口し、残りの部分を区画する。

　第二区画カバー５５は、第二パレット保持部材５４により保持されるパレット７ｂの領域を区画する。具体的には、第二区画カバー５５は、パレット７ｂの水平方向の一部を囲み、かつ、パレット交換装置８の旋回軸線を中心に径方向外側に開口する。図２においては、第二区画カバー５５は、パレット７ｂの水平方向の周囲のうち、コラム３およびサドル４とは反対側(図２の左側)に開口し、残りの部分を区画する。

　全体カバー９は、ベッド２ａに取り付けられており、工作機械１のベッド２ａ上の要素を囲むカバーである。特に、全体カバー９は、加工室ＭＡを囲む。加工室ＭＡは、テーブル６と工具Ｔとを包囲している。本形態においては、全体カバー９は、左前面カバー６１、右前面カバー６２、第一左側面カバー６３、第二左側面カバー６４、第一右側面カバー６５、第二右側面カバー６６、背面カバー６７、天井カバー６８を備える。

　左前面カバー６１および右前面カバー６２は、工作機械１の前面（図２の左側）の一部に設けられている。左前面カバー６１と右前面カバー６２との間は、段取位置に位置するパレット７ｂを交換する作業場所となる。なお、左前面カバー６１と右前面カバー６２とが、工作機械１の前面全体を覆い、例えば、前面扉を設けても良い。

　第一左側面カバー６３および第一右側面カバー６５は、加工室ＭＡおよびパレット７ａ，７ｂの段取領域の側方を覆う。ここで、加工室ＭＡは、第一左側面カバー６３および第一右側面カバー６５に加えて、パレット交換装置８を構成する第一区画カバー５３または第二区画カバー５５により区画されている。

　図２に示すように、第一左側面カバー６３および第一右側面カバー６５は、第一区画カバー５３または第二区画カバー５５におけるＵ字状の両端との隙間を小さくするように形成されている。詳細には、第一左側面カバー６３および第一右側面カバー６５は、それぞれ、第一区画カバー５３および第二区画カバー５５における一対の側壁５６に沿って連なるようにのびるとともに、第一左側面カバー６３および第一右側面カバー６５の他の部分よりもＸ軸方向について幅狭な第一幅狭部６３ａおよび第二幅狭部６４ａを有する。

　第一右側面カバー６５は、加工室ＭＡの側方箇所に作業用開口６５ａを有する。つまり、作業用開口６５ａは、主軸頭５をサドル４から離脱させる方向（Ｚ軸方向）に対して側方に開口する。作業用開口６５ａは、主軸頭５を工作機械１の機内と外部との間で搬入出する場所である。

　加工室ＭＡは、第一区画カバー５３または第二区画カバー５５と、第一幅狭部６３ａ、第二幅狭部６４ａおよび後述する加工室区画カバー１１，１２とによって区画されており、平面的に見てＺ軸方向（長手方向）に長尺な長方形状に形成されている。第一区画カバー５３または第二区画カバー５５の一対の側壁５６は、加工室ＭＡを構成する長方形の長辺の一部を構成しており、第一区画カバー５３または第二区画カバー５５の連結壁５７は、加工室ＭＡを構成する長方形の短辺を構成するようになっている。

　第二左側面カバー６４および第二右側面カバー６６は、コラム３およびサドル４が配置されている非加工領域の側方を覆う。背面カバー６７は、コラム３が配置されている非加工領域の背面を覆う。天井カバー６８は、ベッド２ａの上方を全面に亘って覆う。

　作業用扉１０は、全体カバー９の第一右側面カバー６５に設けられており、第一右側面カバー６５の作業用開口６５ａを開閉可能とする扉である。作業用扉１０は、作業者が加工室ＭＡ内の作業を行う場合に開口させる。さらに、作業用扉１０は、主軸頭５の着脱に際して作業者が作業する場合にも開口させる。

　加工室区画カバー１１，１２は、例えば、テレスコ（登録商標）カバーなどにより構成されている。加工室区画カバー１１，１２は、加工室ＭＡと、コラム３およびサドル４が配置されている非加工領域とを区画する。さらに、加工室区画カバー１１，１２は、主軸頭５のＸ軸方向およびＹ軸方向の移動に追従する。

　なお、例えば、第一左側面カバー６３の外部には、工具マガジンなどを設置することもできる。この場合、第一左側面カバー６３には、工具交換装置の動作を行うための開口が形成される。

２．切削屑排出機構の構成
　切削屑排出機構の構成について図２～図４を参照して説明する。切削屑排出機構は、加工室ＭＡに発生した切削屑を外部に排出するための機構である。切削屑排出機構は、支持本体部２、チップコンベア１００、ノズル８９を含む。

　図２に示すように、ベッド２ａの上面のうち加工室ＭＡに囲まれた領域には、平面的に見てＺ軸方向に長尺な長方形状をなすオイルパン２ｂが、ベッド２ａの上面との間に上下方向に隙間を有して配されている。オイルパン２ｂの外形状は、加工室ＭＡの内形状と同じか、またはやや小さく形成されている。ただし、オイルパン２ｂはベッド２ａの上面と接触した状態で配されていてもよい。

　オイルパン２ｂは扁平な板材により構成される。オイルパン２ｂを構成する材料は、ベッド２ａを構成する材料と異なっている。オイルパン２ｂを構成する材料は特に限定されず、金属、セラミック等、公知の材料を適宜に選択できる。工作物が加工される際に発生する切削屑の滑りやすさを維持するため、オイルパン２ｂを構成する材料はベッド２ａを構成する材料よりも硬質な材料であることが好ましい。本形態にかかるオイルパン２ｂは金属製であり、例えば、ステンレス鋼により形成されていることが好ましい。

　加工室ＭＡ内において、オイルパン２ｂの上方には、主軸頭５と反対側の領域に、洗浄用流体を吐出するノズル８９が設けられている。ノズル８９は、オイルパン２ｂの上面又は側面に取り付けられていてもよく、また、オイルパン２ｂから上方に離れた位置に、公知の保持構造によって取り付けられていてもよい。ノズル８９は、加工室ＭＡのうちＸ軸方向の両端部寄りの位置に一対設けられている。ノズル８９の個数は限定されず、１つでもよく、また、３つ以上でもよい。なお、ノズル８９の形態は特に限定されず、加工室ＭＡの天井部に取り付けられている形態、加工室ＭＡのうち主軸頭５の近傍に設けられている形態等、任意の位置に配置することができる。

　オイルパン２ｂは、Ｚ軸方向（配列方向）に並ぶ複数（本形態では２つ）の開口部８１，８２を有する。２つの開口部８１，８２はそれぞれ、直近オイルパン開口部８１（直近開口部、板材開口部）および離隔オイルパン開口部８２（離隔開口部、板材開口部）とされる。ただし、開口部の個数は３つ以上であってもよい。直近オイルパン開口部８１および離隔オイルパン開口部８２は、平面的に見てＺ軸方向（長手方向）に長尺な長方形状をなしている。直近オイルパン開口部８１および離隔オイルパン開口部８２は、工具Ｔの下方の位置に設けられており、直近オイルパン開口部８１は、工具Ｔ及び主軸頭５の直下の位置に設けられている。なお、下方とは、鉛直方向について工具Ｔよりも下方を意味し、例えば、鉛直方向について工具Ｔの直下を含むとともに、延直方向に対して斜めに傾いた方向も含む。離隔オイルパン開口部８２は、テーブル６が加工位置ＭＰに移動した状態で、直近オイルパン開口部８１よりもテーブル６から、Ｚ軸方向についてやや離れた位置に設けられている。上記したノズル８９は、離隔オイルパン開口部８２の近傍に設けられている。直近オイルパン開口部８１と、離隔オイルパン開口部８２とは、テーブル６が加工位置ＭＰと退避位置ＥＰとの間を移動する際の、テーブル６の移動経路に沿って並んでいる。ただし、直近オイルパン開口部８１および離隔オイルパン開口部８２の形状は特に限定されず、円形状、長円形状、多角形状等、任意の形状を選択できる。

　本形態にかかる直近オイルパン開口部８１と離隔オイルパン開口部８２とは、同形同大に形成されている。ただし、直近オイルパン開口部８１と離隔オイルパン開口部８２は、互いに異なる形状または大きさであってもよい。

　図２および図３に示すように、オイルパン２ｂは、直近オイルパン開口部８１と離隔オイルパン開口部８２との間にオイルパンピラー８４（板材ピラー）を有する。オイルパンピラー８４により、直近オイルパン開口部８１と離隔オイルパン開口部８２との間が仕切られている。ただし、オイルパンピラー８４の個数は２つ以上であってもよい。

　オイルパンピラー８４は、Ｘ軸方向に沿って長尺な形状をなしている。オイルパンピラー８４の上面には、直近オイルパン開口部８１および離隔オイルパン開口部８２のそれぞれの孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜する一対のオイルパンピラー傾斜面８５（板材ピラー傾斜面）が形成されている。図３に示すように、Ｘ軸方向からみて、一対のオイルパンピラー傾斜面８５は上方に鋭角的に突出する山形状をなしている。一対のオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度は同一に形成されている。ただし、同一とは、同一である場合を含むとともに、同一でなくとも、実質的に同一であると認定しうる場合も含む。以下同様である。ただし、一対のオイルパンピラー傾斜面８５の角度は互いに異なっていてもよい。

　図２に示すように、オイルパン２ｂは、直近オイルパン開口部８１と離隔オイルパン開口部８２の孔縁部のうち、オイルパンピラー８４以外のオイルパン外枠部８６を備える。オイルパン外枠部８６の上面には、直近オイルパン開口部８１の孔縁部および離隔オイルパン開口部８２の孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜するオイルパン外枠部傾斜面８７が形成されている。

　図３に示すように、一対のオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度は、オイルパン外枠部傾斜面８７の傾斜角度よりも大きく設定されている。換言すると、一対のオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度は、オイルパン外枠部傾斜面８７の傾斜角度よりも急峻に形成されている。

　直近オイルパン開口部８１において、オイルパン外枠部傾斜面８７のうち、Ｚ軸方向について主軸頭５に近い側の孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ａの傾斜角度は、Ｘ軸方向と交差する孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｂの傾斜角度よりも急峻に形成されている。

　離隔オイルパン開口部８２において、オイルパン外枠部傾斜面８７のうち、Ｚ軸方向について主軸頭５と反対側の孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｃの傾斜角度は、Ｘ軸方向と交差する孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｄの傾斜角度よりも緩やかに形成されている。

　本形態では、直近オイルパン開口部８１においてＸ軸方向と直交する孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｂの傾斜角度と、離隔オイルパン開口部８２においてＸ軸方向と直交する孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｄの傾斜角度は、同一に形成されている。ただし、直近オイルパン開口部８１においてＸ軸方向と交差する孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｃの傾斜角度と、離隔オイルパン開口部８２においてＸ軸方向と交差する孔縁部に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７ｄの傾斜角度は、同一でなくてもよい。

　図３に示すように、ベッド２ａには、Ｙ軸方向から見て直近オイルパン開口部８１と重なる位置に、ベッド２ａを上下方向に貫通する直近ベッド開口部７１（直近開口部、ベッド開口部）が形成されている。直近ベッド開口部７１の孔縁部の形状は、直近オイルパン開口部８１の孔縁部の形状よりもやや大きく形成されている。ただし、直近ベッド開口部７１の孔縁部の形状は、直近オイルパン開口部８１の孔縁部の形状と同一であってもよい。

　また、ベッド２ａには、Ｙ軸方向から見て離隔オイルパン開口部８２と重なる位置に、ベッド２ａを上下方向に貫通する離隔ベッド開口部７２（離隔開口部、ベッド開口部）が形成されている。離隔ベッド開口部７２の孔縁部の形状は、離隔オイルパン開口部８２の孔縁部の形状よりもやや大きく形成されている。ただし、離隔ベッド開口部７２の孔縁部の形状は、離隔オイルパン開口部８２の孔縁部の形状と同一であってもよい。

　直近ベッド開口部７１および離隔ベッド開口部７２は、平面的に見てＺ軸方向について長尺な長方形状をなしている。直近ベッド開口部７１と離隔ベッド開口部７２の形状は同形同大であってもよく、また、互いに異なっていてもよい。直近ベッド開口部７１および離隔ベッド開口部７２の形状は特に限定されず、円形状、長円形状、多角形状等、任意の形状を選択できる。

　ベッド２ａは、直近ベッド開口部７１と離隔ベッド開口部７２との間にベッドピラー７３を有する。ベッドピラー７３により、直近ベッド開口部７１と離隔ベッド開口部７２との間が仕切られている。ただし、ベッドピラー７３の個数は２つ以上であってもよい。ベッドピラー７３は、Ｙ軸方向から見て、オイルパンピラー８４と重なる位置に形成されている。

　ベッドピラー７３はＸ軸方向に長尺な形状をなしている。ベッドピラー７３の上面には、直近ベッド開口部７１の孔縁部および離隔ベッド開口部７２の孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜する一対のベッドピラー傾斜面７４が形成されている。これにより、ベッドピラー７３の上面と側面との境界部分が面取りされた状態になっている。ベッドピラー傾斜面７４と、オイルパンピラー傾斜面８５の下面とは、Ｙ軸方向に間隔を空けた状態で対向している。

　ベッド２ａの上面には、直近ベッド開口部７１の孔縁部および離隔ベッド開口部７２の孔縁部の近傍の領域が、上方に開口するとともに拡径している座繰り部７５が形成されている。これにより、ベッド２ａの上面において、直近ベッド開口部７１の孔縁部および離隔ベッド開口部７２の孔縁部は上方に拡径している。座繰り部７５の上面と、オイルパン外枠部傾斜面８７の下面とは、Ｙ軸方向に間隔を空けた状態で対向している。

　図３および図４に示すように、オイルパン外枠部傾斜面８７の下面には、下方に突出する複数の支持リブ８８が形成されている。支持リブ８８の下面は水平面とされている。ベッド２ａの座繰り部７５の上面には、上方に突出する複数の支持台部７６が形成されている。支持台部７６の上面は水平面とされる。支持台部７６の上面に支持リブ８８の下面が載置されることにより、オイルパン外枠部８６が、支持リブ８８および支持台部７６を介して、座繰り部７５によって支持されるようになっている。

　図１に示すように、チップコンベア１００は、Ｚ軸方向に長尺なコンベア１０１と、コンベア１０１を覆うカバー１０２と、を備える。コンベア１０１は、ベッド２ａの離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１の下方に配されてＺ軸方向に長尺であって、切削屑を水平方向に搬送する横行部１０１ａと、横行部１０１ａの一方の端部から斜め上方にのびるとともに切削屑を上方に搬送する上行部１０１ｂと、を備える。

　コンベア１０１の横行部１０１ａは、ベッド２ａの離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１の下方に配されている。上記したように、離隔ベッド開口部７２は離隔オイルパン開口部８２の下方に配されており、また、直近ベッド開口部７１は直近オイルパン開口部８１の下方に配されている。これにより、加工室ＭＡ内で工作物Ｗａが工具Ｔにより加工される際に発生した切削屑は、加工室ＭＡから、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１、並びに、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１を通って横行部１０１ａの上に落下するようになっている。

　図３および図４に示すように、ベッド２ａの下面には、チップコンベア１００を収容する収容凹部７７が下方に開口して形成されている。収容凹部７７は、直近ベッド開口部７１および離隔ベッド開口部７２の下方に設けられている。

　切削屑はコンベア１０１の横行部１０１ａによってＺ軸方向に搬送された後、上行部１０１ｂによって上方に搬送されて、上行部１０１ｂの端部から外部に放出される。切削屑は、上行部１０１ｂの端部の下方に配されたチップバケット（図示せず）に回収される。

　３．効果
　本形態の工作機械１によれば、加工室ＭＡ内に配された工具Ｔの下方には、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１が設けられている。離隔オイルパン開口部８２と直近オイルパン開口部８１との間にはオイルパンピラー８４が設けられている。オイルパンピラー８４によって、離隔オイルパン開口部８２と、直近オイルパン開口部８１との間が仕切られている。

　工具Ｔの下方に離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１を設けることにより、開口部が一つである場合に比べて、多くの切削屑を離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から排出することができる。

　支持本体部２を構成するオイルパン２ｂにはオイルパンピラー８４が設けられているので、複数の開口部を設けて開口部の開口面積を大きくした場合でも、支持本体部２の剛性が低下することを抑制することができる。この結果、工作物Ｗａの加工精度を確保することができる。

　テーブル６は、テーブル６によって支持された工作物Ｗａが工具Ｔによって加工される加工位置ＭＰと、加工位置ＭＰから離れた退避位置ＥＰと、の間で移動可能になっている。加工位置ＭＰにおいて工作物が工具によって加工されると切削屑が発生する。また、テーブル６が退避位置ＥＰに移動すると、テーブル６、工作物Ｗａ、又は工具Ｔに付着した切削屑が、テーブル６の移動に伴って移動する。このため、切削屑が、加工位置ＭＰと退避位置ＥＰとの間における、テーブル６の移動経路に沿って拡散することが懸念される。本形態では、離隔オイルパン開口部８２と、直近オイルパン開口部８１とは、テーブル６が加工位置ＭＰと退避位置ＥＰとの間を移動する際の移動経路に沿って並んでいる。離隔オイルパン開口部８２と、直近オイルパン開口部８１が、テーブル６の移動経路に沿って並んで形成されているので、テーブル６、工作物Ｗａ、又は工具Ｔに付着した切削屑を、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から排出することができる。これにより、切削屑が加工室ＭＡ内に拡散することが抑制される。

　加工位置ＭＰに最も近い位置には直近オイルパン開口部８１が設けられており、直近オイルパン開口部８１と離れた位置には離隔オイルパン開口部８２が設けられている。離隔オイルパン開口部８２の近傍には、洗浄用流体を吐出するノズル８９が設けられている。ノズル８９から吐出される洗浄用流体により、工具Ｔから離れた位置にある離隔オイルパン開口部８２に、切削屑を押し流すことができる。これにより、工作物Ｗａの加工時に工具から離れた位置に飛散した切削屑や、テーブル６に伴って移動した切削屑を、離隔オイルパン開口部８２から効率的に排出することができる。本形態においては、ノズル８９から吐出される洗浄用流体は離隔オイルパン開口部８２にのみ流れるようになっており、直近オイルパン開口部８１には流れていかないようになっている。ただし、ノズル８９から吐出される洗浄用流体が、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１の双方に流れていく構成となっていてもよい。

　オイルパンピラー８４の上面には、一対のオイルパンピラー傾斜面８５が形成されている。オイルパンピラー傾斜面８５の上に落下した切削は、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１の孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜するオイルパンピラー傾斜面８５に沿って落下し、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から外部に排出される。これにより、切削屑を速やかに工作機械１の外部に排出することができる。

　一対のオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度は、同一に設定されている。一対のオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度が同一であることにより、上方からオイルパンピラー８４に落下した切削屑は、オイルパンピラー８４に引っ掛かることなく、スムーズに離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１内に移動するようになっている。これにより、切削屑を離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から速やかに排出することができる。

　また、一対のオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度は、オイルパン外枠部傾斜面８７の傾斜角度より大きく設定されている。オイルパン外枠部傾斜面８７の上に落下した切削は、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１開の孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜するオイルパン外枠部傾斜面８７に沿って落下し、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から外部に排出される。これにより、切削屑を速やかに外部に排出することができる。

　また、切削屑は、工作物Ｗａが工具Ｔに加工される際に形成されるので、不規則な形状をなしている。このため、オイルパンピラー８４に落下した切削屑が、オイルパンピラー８４に引っ掛かってしまうことが懸念される。本形態によれば、オイルパンピラー８４に形成されたオイルパンピラー傾斜面８５の傾斜角度は、オイルパン外枠部８６に形成されたオイルパン外枠部傾斜面８７の傾斜角度より大きく設定されているので、オイルパンピラー傾斜面８５に落下した切削屑は、オイルパンピラー傾斜面８５を速やかに滑り落ちて、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１内に落下するようになっている。これにより、切削屑がオイルパンピラー８４に引っ掛かることが抑制されるので、切削屑を離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から速やかに排出することができる。

　また、ベッド２ａの上面にはオイルパン２ｂが配置されている。ベッド２ａは、ベッド２ａを上下方向に貫通する離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１を有する。離隔ベッド開口部７２と離隔オイルパン開口部８２とは上下方向に重なる配置となっており、直近ベッド開口部７１と直近オイルパン開口部８１とは上下方向に重なる配置となっている。離隔ベッド開口部７２と直近ベッド開口部７１との間にはベッドピラー７３が形成されている。ベッドピラー７３とオイルパンピラー８４とは上下方向に重なって配されている。ベッドピラー７３の上面には、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１の孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜するベッドピラー傾斜面７４が形成されている。

　ベッドピラー傾斜面７４が形成されたことによりベッドピラー７３の剛性が向上する。これにより、ベッド２ａに離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１が形成された場合でも、ベッド２ａの剛性が低下することを抑制することができる。この結果、工作物Ｗａの加工精度を確保することができる。

　ベッド２ａは鋳造により製造される場合がある。このような場合、ベッド２ａの表面は比較的に粗く形成されている。すると、切削屑がベッド２ａの上面に落下した場合、切削屑がベッド２ａの上面を移動しにくくなるため、切削屑が離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１から排出されにくくなることが懸念される。そこで、ベッド２ａの上面に、ベッド２ａを構成する材質と異なる材質からなるオイルパン２ｂを取り付けることにより、オイルパン２ｂの上面に落下した切削屑はオイルパン２ｂの上面を滑らかに移動することができる。これにより、切削屑は速やかに離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１に移動し、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１のそれぞれと、下方向に重なる位置に配された、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１から排出されるようになる。

　さらに、オイルパンピラー８４にオイルパンピラー傾斜面８５が形成されていることにより、切削屑をオイルパンピラー傾斜面８５で受けることができる。オイルパンピラー傾斜面８５で受けられた切削屑は、オイルパンピラー傾斜面８５に沿って落下し、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１を通って外部に排出される。この結果、切削屑を速やかに工作機械１の外部に排出することができる。

　また、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１、並びに、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１の下方には、チップコンベア１００が配されている。離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１はＺ軸方向に沿って並んでおり、また、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１もＺ軸方向に沿って並んでいる。チップコンベア１００は、切削屑をＺ軸方向に搬送するコンベア１０１を有する。離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１、並びに、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１内に落下した切削屑は、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１、並びに、離隔ベッド開口部７２および直近ベッド開口部７１の下方に配されたコンベア１０１の横行部１０１ａの上に落下する。この横行部１０１ａと、横行部１０１ａに連なる上行部１０１ｂにより切削屑はＺ軸方向に搬送されて、外部に排出される。これにより、切削屑を効率よく外部に排出することができる。

　また、加工室ＭＡはＺ軸方向に長尺な長方形状をなしており、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１はＺ軸方向に長尺な長方形状をなすとともに、加工室ＭＡ内でＺ軸方向に並んでいる。加工室ＭＡがＺ軸方向に長尺な長方形状をなしていることにより、Ｘ軸方向について、加工室ＭＡを小型化することができる。これにより、加工室ＭＡ内において、切削屑が散乱する範囲をＸ軸方向について狭くすることができるので、広範囲に切削屑が散乱した場合に比べて、効率よく切削屑を離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から外部に排出させることができる。

　また、離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１はＺ軸方向に並んでいるので、工作物Ｗａが工具Ｔによって加工された際にＺ軸方向に散乱した切削屑を、効率よく離隔オイルパン開口部８２および直近オイルパン開口部８１から加工室ＭＡの外部に排出させることができる。

　ベッド２ａは、ベッド２ａの上面に対して着脱可能であって工作物Ｗａ，Ｗｂを支持する２つのパレット７ａ，７ｂと、２つのパレット７ａ，７ｂの領域をそれぞれ区画する第一区画カバー５３および第二区画カバー５５と、を備える。第一区画カバー５３および第二区画カバー５５は、それぞれ、板状をなして互いに平行に配された一対の側壁５６と、一対の側壁５６の一方の端部同士を連結する連結壁５７と、を有する。一対の側壁５６は、加工室ＭＡを構成する長方形の長辺の一部を構成し、連結壁５７は、加工室ＭＡを構成する長方形の短辺を構成するようになっている。

　平面的に見て第一区画カバー５３および第二区画カバー５５が平板状をなす場合に比べて、Ｘ軸方向について第一区画カバー５３および第二区画カバー５５を小型化することができる。この第一区画カバー５３および第二区画カバー５５は加工室ＭＡの一部を構成しているので、加工室ＭＡの形状を、全体としてＸ軸方向について幅狭にすることができる。これにより、加工室ＭＡ内において、切削屑が散乱する範囲をＸ軸方向について狭くすることができる。この結果、広範囲に切削屑が散乱した場合に比べて、効率よく切削屑を工作機械１の外部に排出させることができる。

　なお、コラム３の移動方向およびテーブル６の移動方向、並びに複数の開口部８１，８２の並ぶ方向について特に制限はなく、以下のような形態であってもよい。例えば、コラム３がＺ軸方向に移動し、テーブル６がＸ軸方向に移動する場合には、コラム３に伴って移動する工具Ｔの移動経路に沿って、直近オイルパン開口部８１と、離隔オイルパン開口部８２とが、Ｚ軸方向に並んで形成されてもよい。また、コラム３がＸ軸方向に移動し、テーブル６がＺ軸方向に移動する場合には、直近オイルパン開口部８１と、離隔オイルパン開口部８２は、コラム３の移動経路に沿ってＸ軸方向に並んで形成されてもよい。また、コラム３がＺ軸方向に移動し、テーブル６がＸ軸方向に移動する場合には、直近オイルパン開口部８１と、離隔オイルパン開口部８２は、テーブル６の移動経路に沿ってＸ軸方向に並んで形成されてもよい。

Claims (10)

1. 　支持本体部（２）と、
   　前記支持本体部に支持され、工作物（Ｗａ，Ｗｂ）を支持する工作物支持部（６）と、
   　前記支持本体部に支持され、前記工作物支持部に対して相対移動可能に構成され、前記工作物を加工する工具（Ｔ）と、
   　を備え、
   　前記支持本体部は、前記工作物支持部と前記工具とを包囲する加工室（ＭＡ）内に、
   　　前記工具の下方に設けられた複数の開口部（７１，７２，８１，８２）と、
   　　前記複数の開口部の間に設けられ、前記複数の開口部の間を仕切る少なくとも一つのピラー（７３，８４）と、
   　を備えた工作機械（１）。
2. 　前記工作物支持部又は前記工具は、
   　　前記工作物支持部によって支持された前記工作物が前記工具によって加工される加工位置（ＭＰ）と、
   　　前記加工位置から離れた位置に設定された退避位置（ＥＰ）と、の間で相対移動可能になっており、
   　前記複数の開口部は、前記工作物支持部又は前記工具が、前記加工位置と前記退避位置との間を移動する際の、前記工作物支持部の移動経路又は前記工具の移動経路に沿って並んでいる、請求項１に記載の工作機械。
3. 　前記複数の開口部は、
   　　前記加工位置の最も近くに設けられた直近開口部（７１，８１）と、
   　　前記直近開口部と離れた位置に設けられた離隔開口部（７２，８２）と、を含み、
   　前記離隔開口部の近傍には、洗浄用流体を吐出するノズル（８９）が設けられている、請求項２に記載の工作機械。
4. 　前記ピラーの上面には、前記複数の開口部のそれぞれの孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜する一対のピラー傾斜面（７４，８５）が形成されている、請求項１～３のいずれか１項に記載の工作機械。
5. 　前記一対のピラー傾斜面の傾斜角度は、同一である、請求項４に記載の工作機械。
6. 　前記支持本体部は、前記複数の開口部の孔縁部のうち前記ピラー以外の外枠部（８６）を備え、
   　前記外枠部の上面には、前記複数の開口部の孔縁部に接近するにしたがって下降傾斜する外枠部傾斜面（８７）が形成されており、
   　前記一対のピラー傾斜面の傾斜角度は、前記外枠部傾斜面の傾斜角度より大きく設定されている、請求項４又は５に記載の工作機械。
7. 　前記支持本体部は、
   　　ベッド（２ａ）と、
   　　前記ベッドの上面に配置され、前記ベッドを構成する材質と異なる材質からなる板材（２ｂ）と、
   　を備え、
   　前記工作物支持部及び前記工具は、前記ベッドの上方に配置されており、
   　前記複数の開口部は、
   　　前記ベッドを上下方向に貫通するベッド開口部（７１，７２）と、
   　　前記板材を上下方向に貫通するとともに、前記ベッド開口部と上下方向に重なって配された板材開口部（８１，８２）と、
   　を含み、
   　前記ピラーは、
   　　前記ベッドに形成されたベッドピラー（７３）と、
   　　前記板材に形成され、前記ベッドピラーと上下方向に重なって配された板材ピラー（８４）と、
   　を含み、
   　前記板材ピラーの上面には、前記ピラー傾斜面としての板材ピラー傾斜面（８５）が形成され、
   　前記ベッドピラーの上面には、前記板材ピラー傾斜面の下面に対向するベッドピラー傾斜面（７４）が形成される、請求項４～６のいずれか１項に記載の工作機械。
8. 　前記複数の開口部の下方に配されたチップコンベア（１００）をさらに備え、
   　前記複数の開口部は、配列方向に沿って並んでおり、
   　前記チップコンベアは、前記複数の開口部から落下した切削屑を前記配列方向に搬送するコンベア（１０１）を有する、請求項１～７のいずれか１項に記載の工作機械。
9. 　前記加工室は、長手方向に長尺な長方形状をなしており、
   　前記複数の開口部は、前記長手方向に長尺な長方形状をなすとともに、前記加工室内で前記長手方向に並んでいる、請求項１～８のいずれか１項に記載の工作機械。
10. 　前記支持本体部は、さらに、
    　　前記工作物支持部の上面に対して着脱可能であって前記工作物を支持するパレット（７ａ，７ｂ）と、
    　　前記パレットの領域を区画する区画カバー（５３，５５）と、を備え、
    　前記区画カバーは、
    　　　板状をなして互いに平行に配された一対の側壁（５６）と、
    　　　前記一対の側壁の一方の端部同士を連結する連結壁（５７）と、を有し、
    　前記区画カバーの前記一対の側壁は、前記加工室を構成する長方形の長辺の一部を構成し、
    　前記区画カバーの前記連結壁は、前記加工室を構成する長方形の短辺を構成するようになっている、請求項９に記載の工作機械。

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