図1〜図10はこの発明の一実施例を示しており、図1及び図2はプロジェクタの使用状態及び不使用状態の外観斜視図、図3は前記プロジェクタの横断平面図、図4は図3のIV―IV線に沿う断面図、図5は前記プロジェクタに用いた光源装置の断面図である。
この実施例のプロジェクタは、図1〜図4に示したように、平面形状が矩形状をなすプロジェクタケース10内に、図5に示した光源装置と、複数の画素が行方向及び列方向にマトリックス状に配列した表示エリアを有し、前記複数の画素に入射した光の出射を制御して画像を表示する表示素子50と、前記光源装置からの出射光を前記表示素子50に入射させる光源側光学系54と、前記表示素子50からの出射光をプロジェクタケース10外の図示しない外部スクリーン等の投影面に投影する投影レンズ66とを配置したものである。
前記プロジェクタケース10は、その両側面及び後面と底面とを構成するケース本体10aと、上面パネル10bと、前面パネル10cとからなっており、その後面に、パソコン用のUSB端子及びカラー画像信号と音声信号の入力端子と、ビデオ信号入力端子と、電源コネクタ(いずれも図示せず)が設けられている。
また、前記プロジェクタケース10の上面には、電源キー11と、光源点灯インジケータ12及び光源過熱インジケータ13と、自動画質調整キー14及び手動画質調整キー15と、前記電源コネクタを商用電源に接続したスタンバイ状態と前記電源キー11をオンさせたときとで点灯色が変化するパワー/スタンバイインジケータ16と、開閉蓋17を開いて操作される各種調整キー(図示せず)と、スピーカ用放音部18が設けられ、前面に、図示しないリモコン器からの赤外線信号を受けるリモコン受信部19が設けられている。
また、前記プロジェクタケース10の前面の一側部には、開閉可能な投影レンズカバー21を備えた投影口20が設けられている。なお、前記投影レンズカバー21の中央部には開口が形成されており、その開口に例えば赤色の半透明板22が設けられている。
さらに、前記プロジェクタケース10の底面には、その後側領域の両側部に配置された左右一対の後足部材23aと、前側領域の中央部付近にケース前縁部よりもある程度後方にずらして配置された1つの前足部材23bが設けられている。
この後足部材23a及び前足部材23bは、プロジェクタの使用時(投影時)に、前記プロジェクタケース10を、その前面側を高くした斜め上向き状態に支持するものであり、一対の後足部材23aは、プロジェクタケース10の底部に螺合された図示しないねじ脚の下端に固定されており、前足部材23bは、前記プロジェクタケース10内に設けられた図示しない脚ロック機構に上下方向にスライド可能に保持されたロッド脚24の下端に固定され、ケース底面からの突出高さを調整可能に設けられている。
なお、前記脚ロック機構は、プロジェクタケース10の前面に設けられたロック解除つまみ25の押し下げにより前記ロッド脚24のロックを解除し、前記ロック解除つまみ25の押し下げが解除されたときにばね力により自動的に前記ロッド脚24をロックする構成となっており、プロジェクタケース10は、プロジェクタの使用時に、前記ロック解除つまみ25を押し下げて前記ロッド脚24を前足部材23bとともに自重により自由に下降できるようにし、その状態でプロジェクタケース10の前側を持ち上げて投影レンズ66による投影方向を投影面に合わせた後に、前記ロック解除つまみ25の押し下げを解除して前記ロッド脚24をロックすることにより、前記斜め上向き状態に支持される。
次に、前記プロジェクタケース10内に配置された光源装置について説明すると、この光源装置は、図5に示したように、リフレクタ27内に光源ランプ31を配置した光源部26を備え、前記リフレクタ27の開放面28に対向させて出射方向補正手段38を配置するとともに、この出射方向補正手段38の出射側に、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光の強度分布を均一にするための導光ロッド49を配置したものである。
前記光源部26は、一端に光を出射させる開放面28を有し、内面に前記開放面28に対して他端側に凹入する反射面29が形成されるとともに、他端の中心部にランプアクセス孔30が設けられたリフレクタ27内に、光源ランプ31をその発光部31aを前記リフレクタ27の中心線O上に位置させて配置したものであり、前記光源ランプ31の発光部31aからの光を前記リフレクタ27の反射面29により反射して前記リフレクタ27の開放面28から出射する。
なお、前記光源ランプ31は、内部に一対の棒状電極33a,33bがそれぞれの先端を近接対向させて設けられたガラスバルブ32内に、前記一対の棒状電極33a,33bの先端間に発生するアークにより発光する物質が封入された高圧水銀ランプ等のショートアークランプであり、その発光部31aは前記一対の棒状電極33a,33bの先端間の間隔に対応した長さをもっている。
この光源ランプ31は、そのガラスバルブ32の一端側をリフレクタ27のランプアクセス孔30に挿通して前記リフレクタ27内に配置され、その発光部31aの中心Paをリフレクタ中心線O上の所定位置に合わせた状態で、前記ランプアクセス孔30の外端に装着されたキャップ34にランプ固定樹脂35を介して支持されている。
なお、この光源ランプ31の一対の棒状電極33a,33bの基端は前記ガラスバルブ32の両端から突出しており、その基端にそれぞれリード線36a,36bが接続されるとともに、これらの棒状電極33a,33bのうち、リフレクタ27内に基端が位置する棒状電極33bに接続されたリード線36bは、前記リフレクタ27に設けられたリード挿通孔37を通してリフレクタ27外に引き出されている。
そして、前記リフレクタ27の反射面29は、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paからリフレクタ中心線Oを含む面(リフレクタ中心線Oに沿う断面)に沿って前記中心線Oよりも一方の側に出射した光を、前記中心線Oに対して前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもった曲線の前記中心線回りの回転面に形成されている。
また、前記リフレクタ27の開放面に対向させて配置された出射方向補正手段38は、前記光源ランプ31の発光部31aから出射し、前記リフレクタ27の反射面29により反射されてこのリフレクタ27の開放面28から出射した光を、リフレクタ中心線O上に集光する方向に屈折させて出射する特性を有している。
さらに、前記出射方向補正手段38の出射側に配置された導光ロッド49は、透明な棒状部材または内周面に反射膜を形成した筒状部材からなっており、その一端の入射端面49aから入射した光を、前記棒状部材の外周面または前記筒状部材の内周面で反射して屈折させながら導いてその光の輝度分布を均一にし、その光を他端の出射端面49bから出射する。
この導光ロッド49は、前記リフレクタ27の開放面28の前方に、ロッド中心軸を前記リフレクタ中心線Oに一致させるとともに、前記入射端面49aを前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置されている。
そして、前記リフレクタ27の反射面29は、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paから前記リフレクタ中心線Oを含む面に沿って前記中心線Oよりも一方の側に出射した光を前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもった曲線の前記中心線回りの回転面に形成されており、前記出射方向補正手段38は、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paから出射し、前記リフレクタ27の反射面29により反射されて前記リフレクタ27の開放面から出射した光を、前記導光ロッド49の入射端面49aの中心付近に集光する方向に屈折させて出射する特性を有している。
この実施例では、前記リフレクタ27の反射面29を、前記リフレクタ27の開放面28よりも前方に中心をもち、前記リフレクタ中心線Oを含む面上に光源ランプ31の発光部31aの中心Paを通り且つ前記リフレクタ27の開放面28に向かってリフレクタ中心線Oに対し一方の方向に所定角度斜めにずれた方向に長軸を有する楕円のうち、前記リフレクタ中心線Oに対する前記長軸Oaのずれ方向(光源ランプ31の発光部31aよりもリフレクタ27の開放面28側におけるずれ方向)とは反対側の部分の曲線の回転面に形成している。
図6は前記リフレクタ27の反射面29の模式図であり、リフレクタ中心線Oを含む面(図の紙面)上におけるリフレクタ中心線Oに対して一方の側、例えば図において上側の反射面29aは、前記リフレクタ中心線Oを含む面上に光源ランプ31の発光部31aの中心Paを通り且つ前記リフレクタ27の開放面28に向かってリフレクタ中心線Oに対し図において下方向に所定角度θ斜めにずれた方向に長軸Oaを有する楕円Aのうち、前記リフレクタ中心線Oに対する前記長軸Oaのずれ方向とは反対側、つまり図において上側の部分からなっており、リフレクタ中心線Oに対して他方の側、つまり図において下側の反射面29bは、前記リフレクタ中心線Oを含む面上に光源ランプ31の発光部31aの中心Paを通り且つ前記リフレクタ中心線Oに対し図において上方向に前記所定角度θ斜めにずれた方向に長軸Obを有する楕円Bのうち、前記リフレクタ中心線Oに対する前記長軸Obのずれ方向とは反対側、つまり図において上側の部分からなっている。
すなわち、前記リフレクタ27のリフレクタ中心線Oを含む面上における前記中心線Oに対して一方の側の反射面29aは、光源ランプ31の発光部31aの中心Paからこの反射面29aに向かって出射した光を図6に矢線で示したように前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもっており、前記中心線Oに対して他方の側の反射面29bは、光源ランプ31の発光部31aの中心Paからこの反射面29bに向かって出射した光を図6に矢線で示したように前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記他方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもっている。
なお、図6において、Faは前記リフレクタ27の一方の側の反射面29aの焦点、Fbは前記リフレクタ27の他方の側の反射面29bの焦点を示しており、この実施例では、前記反射面29a,13bを、前記導光ロッド49の入射端面49aの延長面付近で且つ前記入射端面49aの外側に僅かにずれた位置に焦点Fa,Fbを有する曲率をもった楕円面としている。
また、前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置された出射方向補正手段38は、一方の面に円錐面からなる円錐状凹レンズ面40が形成され、他方の面は平坦面に形成された片円錐面レンズ39からなっている。
そして、この実施例では、前記リフレクタ27に、その開放面28の前方の領域を囲む筒状カバー47を設け、この筒状カバー47内に、前記片円錐面レンズ39からなる出射方向補正手段38を、前記片円錐面レンズ39の平坦面を前記リフレクタ27の開放面28に対向させるとともにその周縁を前記筒状カバー47に支持させて配置している。
また、この実施例では、前記筒状カバー47の出射方向補正手段38よりもリフレクタ27側の部分に、リフレクタ27外の空気を前記リフレクタ27内に流すための一対の通風孔48a,48bを設けている。
この光源装置は、一端に光を出射させる開放面28を有し、内面に前記開放面28に対して他端側に凹入する反射面29が形成されるとともに、他端の中心部にランプアクセス孔30が設けられたリフレクタ27内に、光源ランプ31をその発光部31aを前記リフレクタ27の中心線O上に位置させて配置した光源部26を備えたものであるが、前記リフレクタ27の反射面29を、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paからリフレクタ中心線Oを含む面に沿って前記中心線Oよりも一方の側に出射した光を、前記中心線Oに対して前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもった曲線の前記中心線回りの回転面に形成するとともに、前記リフレクタ27の開放面28に対向させて、前記光源ランプ31の発光部31aから出射し、前記リフレクタ27の反射面29により反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射した光を、前記リフレクタ中心線O上に集光する方向に屈折させて出射する出射方向補正手段を配置しているため、前記光源ランプ31の発光部31aからの光のうち前記リフレクタ27の開放面28とは反対側の中心部に設けられたランプアクセス孔30に向かう光が反射されなくても、充分な正面輝度の光を出射することができる。
しかも、この実施例では、前記出射方向補正手段38の出射側に、棒状または筒状部材からなり、一端の入射端面49aから入射した光を導いて他端の出射端面49bから出射する導光ロッド49を、その中心軸をリフレクタ中心線Oに一致させるとともに前記入射端面49aを前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置し、前記リフレクタ27の反射面29を、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paから前記リフレクタ中心線Oを含む面に沿って前記中心線Oよりも一方の側に出射した光を、前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもった曲線の前記中心線回りの回転面に形成し、前記出射方向補正手段38に、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paから出射し、前記リフレクタ27の反射面29により反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射した光を、前記導光ロッド49の入射端面49aの中心付近に集光する方向に屈折させて出射する特性をもたせているため、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光の輝度を前記導光ロッド49により均一にし、正面輝度が充分で且つ輝度分布の均一な光を出射することができる。
さらに、上記実施例では、前記リフレクタ27の反射面29を、前記リフレクタ27の開放面28よりも前方に中心をもち、前記リフレクタ中心線Oを含む面上に前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paを通り且つ前記リフレクタ27の開放面28に向かって前記リフレクタ中心線Oに対し一方の方向に所定角度斜めにずれた方向に長軸を有する楕円のうち、前記リフレクタ中心線Oに対する前記長軸のずれ方向とは反対側の部分の曲線の回転面に形成しているため、より充分な正面輝度の光を出射することができる。
すなわち、図7は前記光源装置の出射経路図であり、この光源装置では、前記光源ランプ31の発光部31aの中心Paから前記リフレクタ27の反射面29に向かって出射した光のうち、リフレクタ中心線Oを含む面に沿って前記中心線Oよりも一方の側、例えば図において上側に向かう光が、その側の反射面29により、図に鎖線aで示した方向、つまり前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記一方の側とは反対側(図において下側)にずれた位置に集光する方向に反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射し、その光が前記出射方向補正手段38により屈折されて前記導光ロッド49の入射端面49aの中心付近に入射し、前記リフレクタ中心線Oよりも他方の側、つまり図において下側に向かう光が、その側の反射面29により、図に鎖線bで示した方向、つまり前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記他方の側とは反対側(図において上側)にずれた位置に集光する方向に反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射し、その光が前記出射方向補正手段38により屈折されて前記導光ロッド49の入射端面49aの中心付近に入射する。
そして、前記導光ロッド49にその入射端面49aから入射した光は、この導光ロッド49内を屈折しながら導かれ、輝度分布が均一な光となって前記導光ロッド49の出射端面49bから出射する。
なお、前記光源ランプ31の発光部31aは一対の棒状電極33a,33bの先端間の間隔に対応した長さをもっているため、この光源ランプ31の発光部31aから出射し、前記リフレクタ27の反射面29で反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射する光は図3のようにある程度の広がり角をもった光であり、その光が前記導光ロッド49にその入射端面49aの全域から入射し、この導光ロッド49の出射端面49bの全域から出射する。
そのため、前記光源装置からの出射光は、前記リフレクタ中心線Oに沿う光成分を充分に含み、さらに前記導光ロッド49により輝度分布を均一にされた光であり、したがって、この光源装置によれば、正面輝度が充分で且つ輝度分布の均一な光を出射することができる。
図8は上記実施例の光源装置と図14に示した従来の光源装置の導光ロッドの出射端面の中心から出射した光の光軸方向に沿った断面上の輝度分布を示しており、従来の光源装置からの出射光は、図8(b)のようにリフレクタ中心線に沿う光成分をほとんど含まない正面輝度が著しく低い光であるが、上記実施例の光源装置からの出射光は、図8(a)のように、リフレクタ中心線Oに沿う光成分を充分に含む、充分な正面輝度の光である。
しかも、上記実施例の光源装置は、前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置する出射方向補正手段38として、一方の面に円錐状凹レンズ面40が形成された片円錐面レンズ39を用いているため、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光をリフレクタ中心線O上に集光する方向に屈折させて、充分な正面輝度の光を出射するとともに、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光のうち、前記出射方向補正手段38により反射されて前記リフレクタ27内に戻った光による光源ランプ31の昇温を低くし、前記光源ランプ31の過熱を抑制することができる。
すなわち、図9及び図10は前記リフレクタ27の開放面28から出射した光のうちの前記出射方向補正手段38により反射された戻り光の経路図であり、図9は前記出射方向補正手段38の入射面で反射された戻り光の経路を示し、図10は前記出射方向補正手段38の出射面で反射された戻り光の経路を示している。
上記実施例の光源装置は、前記出射方向補正手段38として、一方の面に円錐状凹レンズ面40が形成され、他方の面は平坦面に形成された片円錐面レンズ39を用いているため、前記リフレクタ27の開放面28から出射して前記片円錐面レンズ39に入射した光のうち、一部の光が図9及び図10に破矢線で示したように前記片円錐面レンズ39のリフレクタ27の開放面28に対向する入射面及びその反対側の出射面で反射されて前記リフレクタ27内に戻る。
そして、上記実施例では、前記片円錐面レンズ39を、その平坦面を前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置しているため、前記リフレクタ27の開放面28から出射して前記片円錐面レンズ39の入射面及び出射面で反射された戻り光のうち、前記片円錐面レンズ39の平坦面からなる入射面で反射された戻り光は図9のように光源ランプ31に集光するが、前記片円錐面レンズ39の円錐状凹レンズ面40からなる出射面で反射された戻り光は、図10のように前記リフレクタ27の反射面29で反射されて光源ランプ31からずれた位置に集光する。
そのため、前記リフレクタ27の開放面28から出射して前記片円錐面レンズ39により反射された戻り光による光源ランプ31の昇温は、前記片円錐面レンズ39の入射面(平坦面)で反射されて光源ランプ31に集光した戻り光による昇温だけであり、したがって、前記戻り光による光源ランプ31の昇温を低くし、前記光源ランプ31の過熱を抑制することができる。
さらに、上記実施例の光源装置は、前記リフレクタ27に、その開放面の前方の領域を囲む筒状カバー47を設け、この筒状カバー47内に、前記出射方向補正手段38をその周縁を前記筒状カバー47に支持させて配置しているため、光源ランプ31が万一爆発したときのリフレクタ27外へのランプ破片の飛散を前記筒状カバー47及び出射方向補正手段38により防止することができる。
また、この実施例では、前記筒状カバー47の出射方向補正手段38よりもリフレクタ27側の部分に、リフレクタ27外の空気を前記リフレクタ27内に流すための一対の通風孔48a,48bを設けているため、リフレクタ27内を空冷し、光源ランプ31の昇温を低く抑えることができる。
次に、前記プロジェクタケース10内に配置された表示素子50について説明すると、この表示素子50は、カラーフィルタのような入射光を着色する手段を備えない表示素子であり、この実施例では、一般にDMDと略称されるマイクロミラー表示素子(Digital Micromirror Device)を用いている。以下、この表示素子50をマイクロミラー表示素子と言う。
前記マイクロミラー表示素子50は、その構成は図示しないが、1つ1つの画素をそれぞれ、CMOSをベースとするミラー駆動素子によって一方の傾き方向と他方の傾き方向とに傾動されるマイクロミラーにより形成したものであり、これらのマイクロミラーは、縦横の幅が10μm〜20μmの極薄金属片(例えばアルミニウム片)からなっている。
このマイクロミラー表示素子50は、その正面方向に対して一方向に傾いた入射方向から所定の角度範囲の入射角で入射した光を、前記複数のマイクロミラーの傾き方向の切換えにより前記正面方向と斜め方向とに反射して画像を表示するものであり、一方の傾き方向に傾動されたマイクロミラーに入射した光をこのマイクロミラーにより正面方向に反射し、他方の傾き方向に傾動されたマイクロミラーに入射した光をこのマイクロミラーにより斜め方向に反射し、正面方向への反射による明表示と、斜め方向への反射による暗表示とにより画像を表示する。
なお、前記明表示の明るさは、前記マイクロミラーを前記一方の傾き方向(入射光を正面方向に反射させる傾き方向)に傾けておく時間を制御することによって任意に変化させることができ、したがって、前記マイクロミラー表示素子50に、明るさに階調をもたせた画像を表示させることができる。
前記マイクロミラー表示素子50は、図3に示したように、前記プロジェクタケース10内の後部領域の一側部に、その正面方向を前記プロジェクタケース10の前面の一側部に設けられた投影口20に対向させて配置されている。
そして、この実施例では、前記マイクロミラー表示素子50にカラー画像を表示させるために、前記プロジェクタケース10内に前記光源装置からの出射光を赤、緑、青の3色に順次着色するためのカラーホイール51を配置している。
前記カラーホイール51は、扇状の赤、緑、青の3色のカラーフィルタ52R,52G,52Bが周方向に並べて設けられた回転板からなっており、例えば前記光源装置の導光ロッド49の入射側に、カラーホイール51の一側部が前記導光ロッド49への入射光の光路を横切るように配置され、その中心を前記導光ロッド49の側方に配置されたカラーホイール回転モータ53の回転軸に固定されている。
このカラーホイール51は、前記モータ53により、前記3色のカラーフィルタ52R,52G,52Bが前記導光ロッド49への入射光の光路を順次横切るように高速で回転駆動される。
また、前記光源装置からの出射光を前記マイクロミラー表示素子50に入射させる光源側光学系54は、図3及び図4に示したように、前記導光ロッド49からの出射光を前記マイクロミラー表示素子50の前面に向けて投射する前後2つの光源側レンズ55,56及びミラー57とからなっている。
前記光源側レンズ55,56は、前記導光ロッド49の出射側に配置されたレンズ支持筒58内に、レンズ中心を前記光源装置のリフレクタ中心線Oの延長線、つまり前記光源装置からの出射光の光軸に一致させて配置されている。
そして、この実施例では、前記レンズ支持筒58の入射側に、前記カラーホイール回転モータ53の配置部に対応する側部が切欠された筒状の導光ロッド支持部を形成し、この導光ロッド支持部に前記光源装置の導光ロッド49を支持させている。
前記光源装置の光源部26のリフレクタ27と、前記カラーホイール回転モータ53と、前記光源側レンズ55,56及び光源装置の導光ロッド49を支持したレンズ支持筒58は、両端が開放する光源側ハウジング59内に所定の位置関係で固定されている。
そして、前記光源側ハウジング59は、図3及び図4に示したように、前記プロジェクタケース10内の前後方向における中央部から後側の領域に、前記プロジェクタケース10の両側面のうち、前記マイクロミラー表示素子50の配置側とは反対側の側面に前記光源装置の配置側を向け、前記レンズ支持筒58の出射端を前記マイクロミラー表示素子50の正面方向の領域に対向させるとともに、前記光源装置からの出射光の光軸を、前記マイクロミラー表示素子50の正面方向に対して略直交させて設置されている。
また、前記光源側光学系54のミラー57は、平面鏡からなっており、このミラー57は、一側面と後面及び前面に開口61,62,63を有し、前記一側面の開口61内に前記レンズ支持筒58の出射端を挿入するとともに後面の開口62を前記マイクロミラー表示素子50に対向させて前記プロジェクタケース10内に設置されたミラーハウジング60内に、ミラー面を前記マイクロミラー表示素子50の正面方向領域を挟んで前記レンズ支持筒58の出射端と対向させるとともに、前記光源装置からの出射光の光軸に対して所定角度斜めに傾けて配置され、前記光源装置から前記カラーホイール51により着色された出射し、前記光源側レンズ55,56とを透過した光を前記マイクロミラー表示素子50に向けて反射し、その反射光を前記マイクロミラー表示素子50にその正面方向に対して一方の方向に傾いた方向から投射するように設けられている。
一方、前記マイクロミラー表示素子50の前面には、このマイクロミラー表示素子50を保護するカバーガラス64が配置されており、その前面側に、前記ミラーハウジング60の後面の開口に設けられ、前記光源装置から出射し、前記光源側光学系54によりマイクロミラー表示素子50にその正面方向に対して一方の方向に傾いた方向から投射された光を前記マイクロミラー表示素子50の正面方向に対して所定角度傾いた方向に沿う平行光に補正して前記マイクロミラー表示素子50に入射させ、前記マイクロミラー表示素子50から出射した画像光を投影レンズ66に入射させる中継レンズ65が配置されている。
この中継レンズ65は、前記光源側光学系54からの投射光のうち、中継レンズ面で表面反射した光を、前記投影レンズ66による投影方向以外の方向に出射する特性を有している。
前記中継レンズ65は、一方の面が凸レンズ面に形成され、他方の面が凹レンズ面に形成されたメニスカスレンズからなっており、その凸レンズ面を前記マイクロミラー表示素子50に対向させ、凹レンズ面を前記光源側光学系54のミラー57と投影レンズ66とに対向させるとともに、レンズ中心を、前記マイクロミラー表示素子50の表示エリアの周縁のうち、前記光源側光学系54からの投射光(ミラー57による反射光)が入射する方向とは反対側の縁部の中心付近に対向させて配置されている。
そして、この中継レンズ65の光源側光学系54及び投影レンズ66に対向する凹レンズ面は、前記光源側光学系54からの投射光のうち、前記凹レンズ面で表面反射した光を、投影レンズ66による投影方向以外の方向に出射する曲率をもった面に形成され、マイクロミラー表示素子50に対向する凸レンズ面は、前記凹レンズ面の曲率に基いて、前記光源側光学系54からの投射光を前記凹レンズ面と凸レンズ面とによりマイクロミラー表示素子50の正面方向に対して所定角度傾いた方向に屈折させて前記マイクロミラー表示素子50に入射させ、前記マイクロミラー表示素子50からその正面方向に出射した光を前記凸レンズ面と凹レンズ面とにより屈折させて前記投影レンズ66に入射させる曲率をもった面に形成されている。
なお、この中継レンズ65の有効領域は、円形レンズのうちの前記マイクロミラー表示素子50の表示エリアに対応する部分であり、他の部分は非有効領域であるため、この実施例では、円形レンズから前記非有効領域を切り落とした形状の中継レンズ65を用いている。
また、前記投影レンズ66は、入射側固定鏡胴67と、この固定鏡胴67に係合され、回転操作により軸方向に進退移動される出射側可動鏡胴68とを備え、これらの鏡胴67,68内にそれぞれ複数枚のレンズ素子を組合わせて構成されたレンズ群69,70を設けた可変焦点レンズであり、この投影レンズ66は、その固定鏡胴67の基端を前記ミラーハウジング60の前面の開口63内に挿入し、この固定鏡胴67の入射端を前記中継レンズ65を介して前記マイクロミラー表示素子50に対向させ、前記可動鏡胴68の出射端をプロジェクタケース10の前面の一側部に設けられた投影口20に移動可能に嵌装して前記プロジェクタケース10内に配置されている。
なお、前記プロジェクタケース10の投影レンズ配置側の側面には、前記投影レンズ66の可動鏡胴68を手動により回転させて軸方向に移動させ、前記投影レンズ66の焦点調整を行なうための開口71が設けられている。
また、前記プロジェクタケース10内には、その後面部と前記光源側ハウジング59との間に、表示/音声系回路基板72が立設状態で配置されており、この表示/音声系回路基板72に、プロジェクタケース10の後面に設けられた図示しないUSB端子、カラー画像信号と音声信号の入力端子及びビデオ信号入力端子と、前記マイクロミラー表示素子50と、前記スピーカ用放音部18に対向させてプロジェクタケース10内に配置された図示しないスピーカが接続されている。
さらに、前記プロジェクタケース10内の前記光源側ハウジング59の前側のスペースには、プロジェクタケース10の後面に設けられた図示しない電源コネクタに接続された電源系回路基板73が水平に配置されており、この電源系回路基板73に、前記光源装置の光源ランプ31の一対の棒状電極33a,33bがリード線36a,36bを介して接続されるとともに、前記カラーホイール回転モータ53が図示しないリード線を介して接続されている。
また、前記プロジェクタケース10内には、その上面部と光源側ハウジング59及びミラーハウジング60との間に、プロジェクタ制御回路基板74が水平に配置されており、この制御回路基板74に、前記表示/音声系回路基板72及び電源系回路基板73と、プロジェクタケース10の上面に設けられた電源キー11、光源点灯インジケータ12、光源過熱インジケータ13、自動画質調整キー14、手動画質調整キー15及びパワー/スタンバイインジケータ16と、開閉蓋17を開いて操作される各種調整キーと、プロジェクタケース10内にその前面のリモコン受信部19に対向させて設けられた図示しないリモコン信号受信素子が接続されている。
さらに、前記プロジェクタケース10は、その内部を空冷するための吸気部75,76,77及び排気部80を有している。
前記吸気部75,76,77は、プロジェクタケース10の底面と、前記プロジェクタケース10の投影レンズ66が配置された側の側面と、前記プロジェクタケース10の後面とに設けられており、これらの吸気部75,76,77はそれぞれ、前記プロジェクタケース10に長孔からなる複数の吸気孔75a,76a,77aを密な間隔で設けて形成されている。
なお、前記光源側ハウジング59と電源系回路基板73は、プロジェクタケース10の底面部との間に通風空間を確保して配置されており、ケース底面の吸気部75を形成する複数の吸気孔75aは、前記光源側ハウジング59及び電源系回路基板73の下側の領域にそれぞれ密な間隔で設けられている。なお、前記電源系回路基板73の下側の吸気部は図示していない。
また、前記投影レンズ66は、プロジェクタケース10の側面部との間に通風空間を確保して配置されており、ケース側面の吸気部76を形成する複数の吸気孔76aは、前記ケース側面の投影レンズ焦点調整用開口71よりも後側の部分の領域にその略全域にわたって密な間隔で設けられている。
さらに、前記表示/音声系回路基板72は、プロジェクタケース10の上面部との間に通風空間を確保して配置されており、ケース後面の吸気部77を形成する複数の吸気孔77aは、前記マイクロミラー表示素子50の配置部に対応する領域に密な間隔で設けられている。
前記電源系回路基板73の下側の領域に設けられた図示しないケース底面の吸気部と、ケース側面の吸気部76はそれぞれ自然吸気部、前記光源側ハウジング59の下側の領域に設けられたケース底面の吸気部75と、ケース後面のマイクロミラー表示素子50の配置部に対応する領域に設けられた吸気部77は強制吸気部であり、前記プロジェクタケース10内には、これらの強制吸気部75,77にそれぞれ対向させて吸気ファン78,79が配置されている。
一方、前記排気部80は、密な間隔で設けられた複数の排気孔80aからなっており、この排気部80は、前記プロジェクタケース10の光源装置が配置された側の側面にその略全体にわたって設けられている。
なお、この実施例では、複数の排気孔80aをプロジェクタケース10とは別体の排気パネル81に設け、この排気パネル81を前記プロジェクタケース10の側面に設けた開口に嵌込んでいる。
前記複数の排気孔80aは長孔からなっており、これらの排気孔80aの周面及びその両側縁と排気パネル81の内面及び外面との境界部は、排気流方向に対して垂直またはそれに近い角度の面の無い形状に形成されている。
この実施例では、前記排気部80を形成する複数の排気孔80aの孔間部分の断面形状を、排気流方向に沿った流線形形状、例えば排気パネル81の厚さ方向の対角線長が前記排気パネル81の板面と平行な方向の対角線長よりも大きい横長の菱形形状にすることにより、複数の排気孔80aの周面を、その奥行き方向(排気パネル81の厚さ方向)の中央部から前記排気パネル81の内面及び外面に向かって孔幅が大きくなる方向に傾斜する流線面状に形成し、前記排気孔80aの周面及びその両側縁と前記孔間部分の内外面(排気パネル81の内外面)との境界部を、排気流方向に対して垂直またはそれに近い角度の面の無い形状にしている。
前記排気部80は強制排気部であり、前記プロジェクタケース10内には、前記排気部80の略全域、つまりプロジェクタケース10の光源装置が配置された側の側面の略全域に対応させて、複数台、例えば3台の大風力排気ファン82,83,84が配置されている。
そして、前記プロジェクタケース10内に前記強制吸気部75,77にそれぞれ対向させて配置された吸気ファン78,79と、前記排気部80に対応させて配置された排気ファン82,83,84は、前記電源系回路基板52に接続されている。
このプロジェクタは、投影レンズカバー21を開いて投影レンズ66の出射端を露出させた状態で使用されるものであり、その状態で電源キー11をオンさせると、前記吸気ファン78,79及び排気ファン82,83,84が駆動され、プロジェクタケース10内の空冷が開始され、その後に、光源装置の光源ランプ31が点灯され、カラーホイール51が高速で回転駆動されて、マイクロミラー表示素子50に赤、緑、青の光が順次投射され、前記マイクロミラー表示素子50から順次出射する赤、緑、青の光が投影レンズ66により外部スクリーン等の投影面に投影される。
なお、前記投影レンズ66による投影方向を投影面に合わせるプロジェクタケース10の姿勢調整は、前記赤、緑、青の光を投影レンズ66により投影させた状態で前足部材23bの突出高さを調整することにより行なわれる。
このプロジェクタは、前記光源装置からカラーホイール51により赤、緑、青の3色に順次着色され、導光ロッド49により強度分布を均一にされて出射した光を、前記光源側光学系54によりマイクロミラー表示素子50に向けて投射するとともに、前記赤、緑、青の光の投射周期に同期させて前記マイクロミラー表示素子50に赤、緑、青の単色画像データを順次書込むことにより、前記マイクロミラー表示素子50に赤、緑、青の単色画像を順次表示させ、前記マイクロミラー表示素子50から順次出射する赤、緑、青の単色画像光を、投影レンズ66により拡大して投影面に投影するものであり、前記投影面に、赤、緑、青の3色の単色画像が重なって見えるフルカラー画像を表示する。
なお、パソコンからの画像信号またはビデオ信号が入力されないときは、前記マイクロミラー表示素子50の表示エリア全体から赤、緑、青の光が順次出射し、その光が投影レンズ66により投影される。そのため、このときの投影面の投影領域はその全体にわたって白である。
そして、前記画像信号またはビデオ信号が入力されると、前記マイクロミラー表示素子50に赤、緑、青の単色画像データが順次書込まれ、前記投影面に赤、緑、青の3色の単色画像が順次投影されてフルカラー画像が表示される。
このプロジェクタにおいて、前記光源装置からカラーホイール51により赤、緑、青の3色に順次着色出射されて出射した光は、前記光源側光学系54の光源側レンズ55,56及びミラー57により、マイクロミラー表示素子50に、その正面方向に対して一方の方向に傾いた方向から向けて投射され、中継レンズ65により前記マイクロミラー表示素子50の正面方向に対して所定角度傾いた方向に沿う平行光に補正されて前記マイクロミラー表示素子50に入射する。
なお、前記光源装置の導光ロッド49は、前記マイクロミラー表示素子50の表示エリアと相似な断面形状を有しており、したがって、前記光源装置から出射し、前記光源側光学系54によりマイクロミラー表示素子50に向けて投射された赤、緑、青の着色光は、前記マイクロミラー表示素子50の表示エリアの全域に均一な強度で入射する。
一方、前記マイクロミラー表示素子50は、前記赤、緑、青の着色光の投射周期に同期させて赤、緑、青の単色画像データを順次書込まれ、赤、緑、青の単色画像を順次表示する。
そして、前記マイクロミラー表示素子50から順次出射した赤、緑、青の単色画像光は、前記中継レンズ65により集光されて投影レンズ66に入射し、この投影レンズ66により拡大されて投影面に投影される。
なお、このプロジェクタでは、前記中継レンズ65に、マイクロミラー表示素子50に対向する面が凸レンズ面に形成され、前記光源側光学系54及び投影レンズ66に対向する面が凹レンズ面に形成されたメニスカスレンズを用いているため、前記光源側光学系54からの投射光を前記マイクロミラー表示素子50の正面方向に対して所定角度傾いた方向に沿う平行光に補正して前記マイクロミラー表示素子50に入射させ、このマイクロミラー表示素子50から出射した画像光を前記投影レンズ66に入射させるとともに、前記光源側光学系54からの投射光のうち、前記中継レンズ65の光源側光学系54及び投影レンズ66に対向する凹面で表面反射した光を、前記投影レンズ66による画像光の投影方向以外の方向に出射することができ、したがって、前記中継レンズ65の光源側光学系54及び投影レンズ66に対向する凹レンズ面で表面反射した光が前記投影レンズ66により投影面に投影されることは無く、したがって、前記投影面に、輝度むらやコントラスト低下の無い高品質の投影画像を表示することができる。
また、プロジェクタケース10内の空冷は、ケース内空気を、前記プロジェクタケース10の光源装置が配置された側の側面にその略全体にわたって設けられた排気部80から前記大風力排気ファン82,83,84により強制排気し、光源側ハウジング59の下側の領域に設けられたケース底面の吸気部75とケース後面のマイクロミラー表示素子50の配置部に対応する領域に設けられた吸気部77から外気を吸気ファン78,79によりケース10内に強制吸気し、さらに電源系回路基板73の下側の領域に設けられた図示しないケース底面の吸気部とケース側面の吸気部76から、前記排気部80からのケース内空気の排気にともなう自然吸気によって外気をケース内に吸気して、前記各吸気部75,76,77から吸気した冷却空気を図3及び図4に破線矢印で示したようにプロジェクタケース10に通風させることにより行なわれる。
また、プロジェクタケース10内を流れる冷却空気は、前記光源装置のリフレクタ27にその開放面の前方の領域を囲んで設けられた筒状カバー47の出射方向補正手段38よりもリフレクタ27側の部分に設けられた一対の通風孔48a,48bの一方48aからリフレクタ27内に流入して他方の通風孔48bからプロジェクタケース10内に流出し、その空気により前記リフレクタ27内が空冷される。
また、画像投影の終了後は、前記画像信号またはビデオ信号の入力を停止し、次いで電源キー11をオフさせればよく、前記電源キー11をオフさせると、光源装置の光源ランプ31が消灯し、カラーホイール51の回転駆動が停止されるとともに、それから一定時間後、例えば光源装置の光源部26の温度が一定温度以下になったときに、吸気ファン78,79及び排気ファン82,83,84が停止される。
そして、前記投影レンズカバー21は、前記吸気ファン78,79及び排気ファン82,83,84の駆動が停止された後に図2のように閉じられる。
なお、前記画像信号またはビデオ信号の入力を停止して画像投影を終了すると、投影面の投影領域全体が上述したように白になるため、前記電源キー11をオフさせずに投影レンズカバー21を閉じてしまうことがあり、その場合は、光源ランプ31の点灯と、カラーホイール51と吸気ファン78,79及び排気ファン82,83,84の駆動が継続されて無駄に電力を消費してしまう。
しかし、このプロジェクタでは、前記投影レンズカバー21の中央部に開口を形成し、その開口に半透明板22を設けているため、電源キー11をオフさせずに投影レンズカバー21を閉じてしまったときは、前記半透明板22が投影レンズ66からの出射光を受けて光って見える。そのため、使用者に電源の切り忘れを気付かせることができる。
また、このプロジェクタは、上述したように、前記排気部80を形成する複数の排気孔80aの周面を流線面状に形成し、前記排気孔80aの周面及びその両側縁と前記孔間部分の内外面との境界部を、排気流方向に対して垂直またはそれに近い角度の面の無い形状にしているため、前記排気孔80aからの排気流に渦が生じるのを防ぎ、プロジェクタケース10内を効果的に空冷するとともに、前記排気部80での風切り音の発生を低減することができる。
上記プロジェクタは、プロジェクタケース10内に、一端に光を出射させる開放面28を有し、内面に前記開放面28に対して他端側に凹入する反射面29が形成されるとともに、他端の中心部にランプアクセス孔30が設けられたリフレクタ27内に、光源ランプ31をその発光部31aを前記リフレクタ27の中心線O上に位置させて配置した光源部26を備え、前記リフレクタ27の反射面29を、前記光源ランプ31の発光部31aの中心からリフレクタ中心線Oを含む面に沿って前記中心線Oよりも一方の側に出射した光を、前記中心線Oに対して前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもった曲線の前記中心線回りの回転面に形成するとともに、前記リフレクタ27の開放面28に対向させて、前記光源ランプ31の発光部31aから出射し、前記リフレクタ27の反射面29により反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射した光を、前記リフレクタ中心線O上に集光する方向に屈折させて出射する出射方向補正手段38を配置した光源装置と、入射光の出射を制御して画像を表示するマイクロミラー表示素子50と、前記光源装置からの出射光を前記マイクロミラー表示素子50に入射させる光源側光学系54と、前記マイクロミラー表示素子50からの出射光を前記プロジェクタケース10外に投影する投影レンズ66とを配置したものであるため、前記光源装置から充分な正面輝度の光を出射させてその光を前記マイクロミラー表示素子50に入射させることができ、したがって、前記マイクロミラー表示素子50に高輝度の画像を表示させ、充分な明るさの画像を投影することができる。
しかも、このプロジェクタは、前記光源装置を、前記出射方向補正手段38の出射側に、棒状または筒状部材からなり、一端の入射端面49aから入射した光を導いて他端の出射端面49bから出射する導光ロッド49を、その中心軸をリフレクタ中心線に一致させるとともに前記入射端面49aを前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置し、前記リフレクタ27の反射面29を、前記光源ランプ31の発光部31aの中心から前記リフレクタ中心線Oを含む面に沿って前記中心線Oよりも一方の側に出射した光を、前記導光ロッド49の入射端面49aの中心よりも前記一方の側とは反対側にずれた位置に集光する方向に反射する曲率をもった曲線の前記中心線回りの回転面に形成し、前記出射方向補正手段38に、前記光源ランプ31の発光部31aの中心から出射し、前記リフレクタ27の反射面29により反射されて前記リフレクタ27の開放面28から出射した光を、前記導光ロッド49の入射端面49aの中心付近に集光する方向に屈折させて出射する特性をもたせた構成としているため、前記光源装置から正面輝度が充分で且つ輝度分布の均一な光を出射させてその光を前記マイクロミラー表示素子50に入射させ、前記マイクロミラー表示素子50に高輝度でしかも輝度ムラの無い画像を表示させてその画像を投影することができる。
また、上記実施例のプロジェクタは、前記光源装置のリフレクタ27に、その開放面28の前方の領域を囲む筒状カバー47を設け、この筒状カバー47内に、前記出射方向補正手段38をその周縁を前記筒状カバー47に支持させて配置しているため、前記光源装置の光源ランプ31が万一爆発したときのプロジェクタケース10内へのランプ破片の飛散を前記筒状カバー47及び出射方向補正手段38により防止し、プロジェクタケース10内に配置された他の機器類を保護することができる。
さらに、上記実施例のプロジェクタにおいては、プロジェクタケース10にその内部を空冷するための吸気部75,76,77及び排気部80を設け、前記プロジェクタケース10内に給排気用のファン78,79,82,83,84を配置するとともに、前記光源装置の筒状カバー47の出射方向補正手段38よりもリフレクタ27側の部分に、リフレクタ27外の空気を前記リフレクタ27内に流すための通風孔48a,48bを設けているため、前記リフレクタ27内の空間及び光源ランプ31を、前記プロジェクタケース10内の空冷用空気を利用して空冷することができる。
そして、上記実施例では、前記光源装置の出射方向補正手段38を、一方の面に円錐状凹レンズ面40が形成された片円錐面レンズ39としているため、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光をリフレクタ中心線O上に集光する方向に屈折させて、充分な正面輝度の光を出射するとともに、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光のうち、前記出射方向補正手段38により反射されてリフレクタ27内に戻った光による光源ランプ31の昇温を低くし、前記光源ランプ31の過熱を抑制することができ、したがって、前記プロジェクタケース10内の空冷用空気を利用する前記リフレクタ27内の空間及び光源ランプ31の空冷との相乗効果により、前記光源装置の光源部26の昇温をより効果的に抑制することができる。
なお、上記実施例では、光源装置に出射方向補正手段38として設けた片円錐面レンズ39を、その平坦面をリフレクタ27の開放面28に対向させて配置しているが、前記片円錐面レンズ39は、上記実施例とは逆に、円錐状凹レンズ面40を前記リフレクタ27の開放面28に対向させて配置してもよく、その場合でも、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光をリフレクタ中心線O上に集光する方向に屈折させて、充分な正面輝度の光を出射するとともに、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光のうち、前記片円錐面レンズ39により反射されて前記リフレクタ27内に戻った光による光源ランプ31の昇温を低くし、前記光源ランプ31の過熱を抑制することができる。
また、上記実施例では、光源装置の出射方向補正手段38として、入出射面のいずれか一方の面に円錐面からなる円錐状凹レンズ面40が形成された片円錐面レンズ39を用いているが、出射方向補正手段38は、図11に示したような、入出射面のいずれか一方の面にサーキュラフレネルレンズからなる円錐状凹レンズ面40aが形成された片円錐面レンズ39aとしてもよい。
さらに、出射方向補正手段38は、図12(a)に示したような、入出射面のいずれか一方の面に円錐面からなる円錐状凹レンズ面42が形成され、他方の面に前記一方の面の円錐状凹レンズ面42とは頂角が異なる円錐面からなる円錐状凹レンズ面43が形成された両円錐面レンズ41か、あるいは、図12(b)に示したような、入出射面のいずれか一方の面にサーキュラフレネルレンズからなる円錐状凹レンズ面42aが形成され、他方の面に前記一方の面の円錐状凹レンズ面42aとは頂角が異なるサーキュラフレネルレンズからなる円錐状凹レンズ面43aが形成された両円錐面レンズ41aとしてもよい。
この両円錐面レンズ41,41aは、一方の面の円錐状凹レンズ面42,42aの頂角と他方の面の円錐状凹レンズ面43,43aの頂角が異なるため、前記リフレクタ27の開放面から出射した光をリフレクタ中心線上に集光する方向に屈折させて、充分な正面輝度の光を出射することができる。
そして、この両円錐面レンズ41,41aは、一方の面と他方の面がそれぞれ円錐状凹レンズ面42,43または42a,43aであるため、前記リフレクタ27の開放面28から出射して前記両円錐面レンズ41または41aの入射面及び出射面で反射された戻り光の両方が光源ランプ31からずれた位置に集光する。
したがって、出射方向補正手段38に前記両円錐面レンズ41または41aを用いることにより、出射方向補正手段38により反射されてリフレクタ27内に戻った光による光源ランプ31の昇温をほとんど無くし、前記光源ランプ31の過熱をより効果的に抑制することができる。
また、出射方向補正手段38は、図13(a)に示したような、入出射面のいずれか一方の面に円錐面からなる円錐状凹レンズ面45が形成され、他方の面に前記一方の面の円錐状凹レンズ面45よりも頂角が大きい円錐面からなる円錐状凸レンズ面46が形成された円錐面メニスカスレンズ44か、あるいは、図13(b)に示したような、入出射面のいずれか一方の面にサーキュラフレネルレンズからなる円錐状凹レンズ面45aが形成され、他方の面に前記一方の面の円錐状凹レンズ面45aよりも頂角が大きいサーキュラフレネルレンズからなる円錐状凸レンズ面46aが形成された円錐面メニスカスレンズ44aとしてもよい。
この円錐面メニスカスレンズ44,44aは、一方の面を円錐状凹レンズ面45,45aに形成し、他方の面を前記一方の面の円錐状凹レンズ面45,45aよりも頂角が大きい円錐状凸レンズ面46,46aに形成したものであるため、その両面の偏角差が小さく、したがって、前記リフレクタ27の開放面28から出射した光を小さい偏角差でリフレクタ中心線上に集光する方向に屈折させて、正面輝度が充分で且つ収差の小さい光を出射することができる。
そして、円錐面メニスカスレンズ44,44aは、一方の面が円錐状凹レンズ面45,45aで他方の面が円錐状凸レンズ面46,46aであるため、前記リフレクタ27の開放面28から出射して前記円錐面メニスカスレンズ44または44aの入射面及び出射面で反射された戻り光の両方が光源ランプ31からずれた位置に集光する。
したがって、出射方向補正手段38に前記円錐面メニスカスレンズ44または44aを用いることにより、出射方向補正手段38により反射されてリフレクタ27内に戻った光による光源ランプ31の昇温をほとんど無くし、前記光源ランプ31の過熱をより効果的に抑制することができる。
また、上記実施例のプロジェクタでは、カラーホイール51を、光源装置の導光ロッド49の入射側に配置しているが、前記カラーホイール51は、光源装置の光源部26から前記投影レンズ66の入射端までの光路内であれば、他の位置に配置してもよい。
さらに、上記実施例のプロジェクタは、表示素子にマイクロミラー表示素子50を用いたものであるが、表示素子は、入射光の出射を制御して画像を表示するものであれば、例えば後面側に反射膜を備えた反射型液晶表示素子でも、また後面側から入射した光の前面側への出射を制御して表示する透過型液晶表示素子でもよく、反射型液晶表示素子を用いる場合は、その正面方向に対して一方の方向に傾いた入射方向から入射し、液晶層を透過して前記反射膜により反射された光を、プリズムシート等により屈折させて正面方向に出射する構成とし、透過型液晶表示素子を用いる場合は、光源装置の配置位置と光源側光学系54の構成を、前記透過型液晶表示素子にその後面から光を投射するように変更すればよい。
また、表示素子に液晶表示素子を用いる場合、その液晶表示素子は、複数の画素にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタを備えたカラー表示素子でもよく、このカラー表示素子を用いる場合は、前記カラーホイール51を省略し、非着色光を前記カラー表示素子に投射すればよい。
1…プロジェクタケース、26…光源部、27…リフレクタ、28…開放面、29…反射面、30…ランプアクセス孔、31…光源ランプ、31a…発光部、Pa…発光部の中心、O…リフレクタ中心線、38…出射方向補正手段、39,39a…片円錐面レンズ、40,40a…円錐状凹レンズ面、41,41a…両円錐面レンズ、42,42a,43,43a…円錐状凹レンズ面、44,44a…円錐面メニスカスレンズ、45,45a…円錐状凹レンズ面、46,46a…円錐状凸レンズ面、47…筒状カバー、48a,48b…通風孔、49…導光ロッド、49a…入射端面、49b…出射端面、50…マイクロミラー表示素子、51…カラーホイール、54…光源側光学系、55,56…光源側レンズ、57…ミラー、64…カバーガラス、65…中継レンズ、66…投影レンズ、75,76,77…吸気部、78,79…吸気ファン、80…排気部、82,83,84…排気ファン。