図1〜図6はこの発明の一実施例を示しており、図1及び図2はプロジェクタの不使用状態及び使用状態の外観斜視図、図3は前記プロジェクタの横断平面図、図4は図3のIV―IV線に沿う断面図である。
このプロジェクタは、平面形状が矩形状をなすプロジェクタケース1内に、光源装置17と、複数の画素が行方向及び列方向にマトリックス状に配列した表示エリアを有し、前記複数の画素に入射した光の出射を制御して画像を表示する表示素子28と、前記光源装置17からの出射光を前記表示素子28に入射させる光源側光学系29と、前記表示素子28からの出射光を図示しないスクリーン等の投影面に投影する投影レンズ45とを配置したものである。
前記プロジェクタケース1は、その両側面及び後面と底面とを構成するケース本体1aと、上面パネル1bと、前面パネル1cとからなっており、その後面に、パソコン用のUSB端子及びカラー画像信号と音声信号の入力端子と、ビデオ信号入力端子と、電源コネクタ(いずれも図示せず)が設けられ、上面に、電源キー2と、前記光源装置17の点灯を表示するランプインジケータ3及び前記光源装置17の過熱を表示する過熱インジケータ4と、自動画質調整キー5及び手動画質調整キー6と、前記電源コネクタを商用電源に接続したスタンバイ状態と前記電源キー2をオンさせたときとで表示色が変化するパワー/スタンバイインジケータ7と、開閉蓋8を開いて操作される各種調整キー(図示せず)と、スピーカ用放音部9が設けられ、前面に、図示しないリモコン器からの赤外線信号を受けるリモコン受信部10が設けられている。
また、前記プロジェクタケース1の前面の一側部には、開閉可能な投影レンズカバー12を備えた投影口11が設けられている。なお、前記投影レンズカバー12の中央部には開口が形成されており、その開口に例えば赤色の半透明板13が設けられている。
さらに、前記プロジェクタケース1の底面には、その後側領域の両側部に配置された左右一対の後足部材14aと、前側領域の中央部付近にケース前縁部よりもある程度後方にずらして配置された1つの前足部材14bが設けられている。
この後足部材14a及び前足部材14bは、プロジェクタの使用時(投影時)に、前記プロジェクタケース1を、その前側を高くした斜め上向き状態に支持するものであり、一対の後足部材14aは、プロジェクタケース1の底部に螺合された図示しないねじ脚の下端に固定されており、前足部材14bは、前記プロジェクタケース1内に設けられた図示しない脚ロック機構に上下方向にスライド可能に保持されたロッド脚15の下端に固定され、ケース底面からの突出高さを調整可能に設けられている。
なお、前記脚ロック機構は、前記前面パネル1cに設けられたロック解除つまみ16の押し下げにより前記ロッド脚15のロックを解除し、ロック解除つまみ16の押し下げが解除されたときにばね力により自動的に前記ロッド脚15をロックする構成となっており、プロジェクタケース1は、プロジェクタの使用時に、前記ロック解除つまみ16を押し下げて前記ロッド脚15を前足部材14とともに自重により自由に下降できるようにし、その状態でプロジェクタケース1の前側を持ち上げて前記投影レンズ45による投影方向を投影面に合わせた後に、前記ロック解除つまみ16の押し下げを解除して前記ロッド脚15をロックすることにより、前記斜め上向き状態に支持される。
次に、光源装置17について説明すると、この光源装置17は、図3及び図4に示したように、光源ランプ18と、光を出射させる開放面を有し、内部に配置された前記光源ランプ18からの放射光を反射して前記開放面から出射するリフレクタ21と、前記リフレクタ21の開放面の前側に配置された透明板22とを備えている。
前記光源ランプ18は、中間部に球状の膨らみ部を有するガラスバルブ19内に、モリブデン等からなる一対の棒状電極20a,20bが、それぞれの先端を前記膨らみ部内において近接対向させ、それぞれの後端部を前記ガラスバルブ19の両端からガラスバルブ19外に露出させて設けられ、前記ガラスバルブ19内に前記電極20a,20bの先端間に発生するアークにより発光する物質が封入された高圧水銀ランプ等のショートアークランプである。
また、前記リフレクタ21は、その軸線上のリフレクタ内の点と前記開放面の前方の点とにそれぞれ焦点を有する楕円面リフレクタであり、中空の楕円球体をその長軸に対して垂直に切断した形状を有する耐熱ガラス製リフレクタ本体の内面全体に紫外線透過性反射膜21aを設けた構成となっている。
そして、前記光源ランプ18は、その一端側を前記リフレクタ21内に位置させ、他端側を前記リフレクタ21の内奥面の中心に設けられた開口部からリフレクタ21の後側に突出させるとともに、前記ガラスバルブ19の軸線をリフレクタ21の軸線に一致させ、且つ前記一対の電極20a,20bの先端間の発光点を前記リフレクタ21のリフレクタ内側の焦点に一致させて設けられている。
また、前記透明板22は、紫外線フィルタ機能を有するものであり、この実施例では、一方の面に紫外線反射膜23が設けられ、他方の面に低反射膜24が設けられた防爆ガラスを用いている。以下、この透明板22を防爆ガラスという。
さらに、この光源装置17は、前記リフレクタ21の開放面の前側に配置された金属筒または耐熱性樹脂筒からなる筒状の防爆カバー25を備えている。
この防爆カバー25は、両端が開放し、且つ一端側から他端側に向かって大径となるテーパー付き円筒体の内周面全体に非反射処理を施したものであり、その一端、つまり大径側端の開放縁は防爆カバー25の軸線に対して垂直に形成され、他端、つまり小径側端の開放縁は前記軸線に垂直な面に対して一方向に所定角度傾いた傾斜面に形成されている。
そして、この防爆カバー25は、その一端(大径側端)の周縁部を前記リフレクタ21の開放面の周縁部にビス止め等の手段により接続して設けられており、この防爆カバー25の他端部(小径側端部)の内周に、前記防爆ガラス22が、前記リフレクタ21からの出射光の光軸、つまりリフレクタ21の軸線に垂直な面に対して一方向に所定角度斜めに傾けて嵌合されている。
この実施例では、前記防爆ガラス22を、前記リフレクタ21からの出射光の光軸(リフレクタ21の軸線)O1に垂直な面に対して、前記リフレクタ21の開放面から出射し、前記防爆ガラス22により反射されて前記リフレクタ21内に戻った光が前記光源ランプ18上に集光しない傾斜角で配置している。
また、前記防爆カバー25には、前記リフレクタ21への接続端側の周面の一側部と他側部とに、前記リフレクタ21の内部空間及び光源ランプ18を空冷するための通風孔26,27が設けられている。
一方、前記表示素子28(図3参照)は、カラーフィルタのような入射光を着色する手段を備えない表示素子であり、この実施例では、一般にDMDと略称されるマイクロミラー表示素子(Digital Micromirror Device)を用いている。以下、この表示素子28をマイクロミラー表示素子と言う。
前記マイクロミラー表示素子28は、その構成は図示しないが、1つ1つの画素をそれぞれ、CMOSをベースとするミラー駆動素子によって一方の傾き方向と他方の傾き方向とに傾動されるマイクロミラーにより形成したものであり、これらのマイクロミラーは、縦横の幅が10μm〜20μmの極薄金属片(例えばアルミニウム片)からなっている。
このマイクロミラー表示素子28は、その正面方向に対して一方向に傾いた入射方向から所定の角度範囲の入射角で入射した光を、前記複数のマイクロミラーの傾き方向の切換えにより前記正面方向と斜め方向とに反射して画像を表示するものであり、一方の傾き方向に傾動されたマイクロミラーに入射した光をこのマイクロミラーにより正面方向に反射し、他方の傾き方向に傾動されたマイクロミラーに入射した光をこのマイクロミラーにより斜め方向に反射し、正面方向への反射による明表示と、斜め方向への反射による暗表示とにより画像を表示する。
なお、前記明表示の明るさは、前記マイクロミラーを前記一方の傾き方向(入射光を正面方向に反射させる傾き方向)に傾けておく時間を制御することによって任意に変化させることができ、したがって、前記マイクロミラー表示素子28に、明るさに階調をもたせた画像を表示させることができる。
前記マイクロミラー表示素子28は、前記プロジェクタケース1内の後部領域の一側部に、その正面方向を前記プロジェクタケース1の前面の一側部に設けられた投影口11に対向させて配置されている。
また、前記光源装置17からの出射光を前記マイクロミラー表示素子28に入射させる光源側光学系29は、図3及び図4に示したように、前記光源装置17からの出射光を赤、緑、青の3色に順次着色するためのカラーホイール30と、前記光源装置17からの出射光の強度分布を均一にするための導光ロッド33と、前記カラーホイール30により着色され、前記導光ロッド33により強度分布を均一にされた光を前記マイクロミラー表示素子28の前面に向けて投射する前後2つの光源側レンズ34,35及びミラー37とからなっている。
前記カラーホイール30は、扇状の赤、緑、青の3色のカラーフィルタ31R,31G,31Bが周方向に並べて設けられた回転板からなっており、その中心を前記光源装置17からの出射光の光路の側方に配置されたカラーホイール回転モータ32の回転軸に固定され、ホィール周方向の一部を前記光源装置17からの出射光の光路に介在させて配置されている。
このカラーホイール30は、前記モータ32により、前記3色のカラーフィルタ31R,31G,31Bが前記光源装置17からの出射光の光路を順次横切るように高速で回転駆動される。
また、前記導光ロッド33は、前記マイクロミラー表示素子28の複数の画素がマトリックス状に配列している表示エリアの外形と相似な断面形状を有し、内周面全体に反射膜(図示せず)が設けられた角筒状体からなっており、その一端に光を入射させる入射面が形成され、他端に前記入射面から入射した光の出射面が形成されている。
この導光ロッド33は、前記入射面から入射した光をロッド内周面の反射膜により反射しながら導いて前記出射面から均一な強度分布の光を出射するものであり、この導光ロッド33は、前記カラーホイール30の出射側に、前記入射面を前記カラーホイール30を介して前記光源装置17に対向させるとともに、前記光源装置17のリフレクタ21の開放面から出射し、前記リフレクタの前側に斜めに傾けて配置された前記防爆ガラス22を屈折して透過した光を前記入射面から入射させるために、前記防爆ガラス22を透過した光の光軸、つまり前記リフレクタ21の開放面からの出射光の光軸(リフレクタ21の軸線)O1に対して一方向(防爆ガラス22での屈折方向)に平行にシフトした光軸O2にロッド中心軸を一致させて配置されている。
また、前記光源側レンズ34,35は、前記導光ロッド33の出射側に配置されたレンズ支持筒36内に、レンズ中心を前記導光ロッド33の中心軸の延長線、つまり前記光源装置17からの出射光(防爆ガラス22を透過して出射した光)の光軸O2に一致させて配置されている。
そして、この実施例では、前記レンズ支持筒36の入射側に、前記カラーホイール回転モータ32の配置部に対応する側部が切欠された筒状の導光ロッド支持部を形成し、この導光ロッド支持部内に前記導光ロッド33を嵌装している。
なお、前記導光ロッド33は、前記マイクロミラー表示素子28の表示エリアと相似な断面形状を有する透明な角棒状体からなり、一端の入射面から入射した光を、ロッド外周面と外気である空気層との界面で全反射しながら導いて他端の出射面から均一な強度分布の光を出射するものでもよく、その場合は、前記レンズ支持筒36の導光ロッド支持部の内径を大きくし、前記角棒状体からなる導光ロッドを、前記導光ロッド支持部内に、その内周面との間に空間を介在させて配置すればよい。
前記光源装置17のリフレクタ21と、前記光源側光学系29のカラーホイール回転モータ32と、前記導光ロッド33と光源側レンズ34,35を支持したレンズ支持筒36は、両端が開放する光源側ハウジング38内に所定の位置関係で固定されている。
そして、光源側ハウジング38は、図3及び図4に示したように、前記プロジェクタケース1内の前後方向における中央部から後側の領域に、前記プロジェクタケース1の両側面のうち、前記マイクロミラー表示素子28の配置側とは反対側の側面に前記光源装置17の配置側を向け、前記レンズ支持筒36の出射端を前記マイクロミラー表示素子28の正面方向の領域に対向させるとともに、前記光源装置17からの出射光の光軸O2を、前記マイクロミラー表示素子28の正面方向に対して略直交させて設置されている。
また、前記光源側光学系29のミラー37は、平面鏡からなっており、このミラー37は、一側面と後面及び前面に開口40,41,42を有し、前記一側面の開口40内に前記レンズ支持筒36の出射端を挿入するとともに後面の開口41を前記マイクロミラー表示素子28に対向させて前記プロジェクタケース1内に設置されたミラーハウジング39内に、前記マイクロミラー表示素子28の正面方向領域を挟んで前記レンズ支持筒36の出射端と対向させるとともに、前記光源装置17からの出射光の光軸O2に対して所定角度斜めに傾けて、前記光源装置17から出射し、前記カラーホイール30と導光ロッド33と光源側レンズ34,35とを透過した光を前記マイクロミラー表示素子28に向けて反射し、その反射光を前記マイクロミラー表示素子28にその正面方向に対して一方の方向に傾いた方向から投射するように配置されている。
一方、前記マイクロミラー表示素子28の前面には、このマイクロミラー表示素子28を保護するカバーガラス43が配置されており、その前面側に、前記ミラーハウジング39の後面の開口に設けられ、前記光源装置17から出射し、前記光源側光学系29によりマイクロミラー表示素子28にその正面方向に対して一方の方向に傾いた方向から投射された光を前記マイクロミラー表示素子28の正面方向に対して所定角度傾いた方向に沿う平行光に補正して前記マイクロミラー表示素子28に入射させ、前記マイクロミラー表示素子28から出射した画像光を集光させて投影レンズ45に入射させる中継レンズ44が配置されている。
この中継レンズ44は、前記光源側光学系29からの投射光のうち、中継レンズ面で表面反射した光を、前記投影レンズ45による投影方向以外の方向に出射する特性を有している。
前記中継レンズ44は、一方の面が凸面に形成され、他方の面が凹面に形成されたメニスカスレンズからなっており、その凸面を前記マイクロミラー表示素子28に対向させ、凹面を前記光源側光学系29及び投影レンズ45に対向させるとともに、レンズ中心を、前記マイクロミラー表示素子28の表示エリアの周縁のうち、前記光源側光学系29からの投射光が入射する方向とは反対側の縁部の中心付近に対向させて配置されている。
そして、この中継レンズ44の光源側光学系29及び投影レンズ45に対向する凹面は、前記光源側光学系29からの投射光のうち、前記凹面で表面反射した光を、投影レンズ45による投影方向以外の方向に出射する曲率をもった面に形成され、マイクロミラー表示素子28に対向する凸面は、前記凹面の曲率に基いて、前記光源側光学系29からの投射光を前記凹面と凸面とによりマイクロミラー表示素子28の正面方向に対して所定角度傾いた方向に屈折させて前記マイクロミラー表示素子28に入射させ、前記マイクロミラー表示素子28からその正面方向に出射した光を前記凸面と凹面とにより集光方向に屈折させて前記投影レンズ45に入射させる曲率をもった面に形成されている。
なお、この中継レンズ44の有効領域は、円形レンズのうちの前記マイクロミラー表示素子28の表示エリアに対応する部分であり、他の部分は非有効領域であるため、この実施例では、円形レンズから前記非有効領域を切り落とした形状の中継レンズ44を用いている。
また、前記投影レンズ45は、入射側固定鏡筒46と、この固定鏡筒46に係合され、回転操作により軸方向に進退移動される出射側可動鏡筒47とを備え、これらの鏡筒46,47内にそれぞれ複数枚のレンズ素子を組合わせて構成されたレンズ群48,49を設けた可変焦点レンズであり、この投影レンズ45は、その固定鏡筒46の基端を前記ミラーハウジング39の前面の開口42内に挿入し、この固定鏡筒46の入射端を前記中継レンズ44を介して前記マイクロミラー表示素子28に対向させ、前記可動鏡筒47の出射端をプロジェクタケース1の前面の一側部に設けられた投影口11に移動可能に嵌装して前記プロジェクタケース1内に配置されている。
なお、前記プロジェクタケース1の投影レンズ配置側の側面には、前記投影レンズ45の可動鏡筒47を手動により回転させて軸方向に移動させ、前記投影レンズ45の焦点調整を行なうための開口50が設けられている。
また、前記プロジェクタケース1内には、プロジェクタケース1の後面に設けられた図示しないUSB端子、カラー画像信号及び音声信号の入力端子、ビデオ信号入力端子に接続された表示/音声系回路基板51が、プロジェクタケース1の後面部と前記光源側ハウジング38との間に立設状態で配置されており、この回路基板51に、前記マイクロミラー表示素子28と、前記プロジェクタケース1内の上面部にスピーカ用放音部9に対向させて配置されたスピーカ(図示せず)が接続されている。
さらに、前記プロジェクタケース1内の前記光源側ハウジング38の前側のスペースには、プロジェクタケース1の後面に設けられた図示しない電源コネクタに接続された電源系回路基板52が水平に配置されており、この回路基板52に、前記光源装置17の光源ランプ18が、その一対の電極20a,20bの露出部にそれぞれ接続されたリード線53a,53bを介して接続されるとともに、前記カラーホイール回転モータ32が図示しないリード線を介して接続されている。
なお、前記光源ランプ18の一対の電極20a,20bのうち、リフレクタ21内側の電極20aの露出部に接続されたリード線53aは、前記リフレクタ21に設けられたリード挿通孔を通してリフレクタ21外に引き出され、さらに光源側ハウジング38の端部から引き出されて前記電源系回路基板52に接続されている。
また、前記プロジェクタケース1内には、その上面部と光源側ハウジング38及びミラーハウジング39との間に、プロジェクタ制御回路基板54が水平に配置されており、この制御回路基板54に、前記表示/音声系回路基板51及び電源系回路基板52と、プロジェクタケース1の上面に設けられたランプインジケータ3及び過熱インジケータ4と、自動画質調整キー5及び手動画質調整キー6と、パワー/スタンバイインジケータ7と、開閉蓋8を開いて操作される各種調整キーと、プロジェクタケース1内にその前面のリモコン受信部10に対向させて設けられた図示しない受信素子と、前記光源側ハウジング38内にリフレクタ21の近傍に位置させて配置された図示しない光源温度測定センサが接続されている。
さらに、前記プロジェクタケース1の底面と、前記投影レンズ45が配置された側の側面と、後面には、それぞれ、プロジェクタケース1内を空冷するための複数の長孔状吸気孔55,56,57が設けられている。
なお、前記光源側ハウジング38と電源系回路基板52は、プロジェクタケース1の底面部との間に通風空間を確保して配置されており、ケース底面の複数の吸気孔55は、前記光源側ハウジング38及び電源系回路基板52の下側に設けられている。
また、前記投影レンズ45は、プロジェクタケース1の側面部との間に通風空間を確保して配置されており、ケース側面の複数の吸気孔56は、前記ケース側面の投影レンズ焦点調整用開口50よりも後側の部分の略全域にわたって設けられている。
さらに、前記表示/音声系回路基板51は、プロジェクタケース1の上面部との間に通風空間を確保して配置されており、ケース後面の複数の吸気孔57は、前記マイクロミラー表示素子28の配置部に対応する部分に設けられている。
前記ケース底面の複数の吸気孔55のうち、前記電源系回路基板52の下側に設けられた吸気孔(図示せず)と、ケース側面の吸気孔56は自然吸気孔、前記ケース底面の光源側ハウジング38の下側の部分に設けられた吸気孔55と、ケース後面のマイクロミラー表示素子28の配置部に対応する部分に設けられた吸気孔57は強制吸気孔であり、前記プロジェクタケース1内には、前記強制吸気孔55,57にそれぞれ対向させて吸気ファン58,59が配置されている。
また、前記プロジェクタケース1の光源装置17が配置された側の側面には、その略全体にわたって複数の長孔状排気孔61が設けられている。
なお、前記プロジェクタケース1の光源装置17が配置された側の側面は、嵌め込みパネル60により構成されており、この嵌め込みパネル60の略全域に前記複数の排気孔61が設けられている。
これらの排気孔61はいずれも強制排気孔であり、前記プロジェクタケース1内には、前記排気孔59の形成領域、つまり前記嵌め込みパネル60の略全域に対応させて、複数台、例えば3台の大風力排気ファン61,62,63が配置されている。
そして、前記吸気ファン59,60及び排気ファン61,62,63は、前記電源系回路基板52に接続されている。
また、前記複数の排気孔61の孔縁はそれぞれ、排気効率を向上させるとともに、前記大風力排気ファン61,62,63による強制排気流の風切り音を低減するために、排気流方向に対して垂直またはそれに近い角度の面の無い形状、つまり排気流に渦を生じさせにくい形状に形成されている。
この実施例では、隣り合う排気孔間の部分の断面形状を略菱形形状にすることにより、複数の排気孔61の孔縁をそれぞれ、その縁幅(嵌め込みパネル60の板厚)の中央部からケース内面及び外面に向かって孔幅が大きくなる方向に傾斜させた形状にしている。
このプロジェクタは、光源装置17から光を出射させ、光源側光学系29のカラーホイール30を高速で回転駆動させることにより、前記光源装置17から出射して前記光源側光学系29に入射した光を、前記カラーホイール30により赤、緑、青の3色に順次着色し、さらに前記導光ロッド33により強度分布を均一にして、前記光源側レンズ34,35及びミラー37によりマイクロミラー表示素子28に向けて投射するとともに、前記赤、緑、青の光の投射周期に同期させて前記マイクロミラー表示素子28に赤、緑、青の単色画像データを順次書込むことにより、前記マイクロミラー表示素子28に赤、緑、青の単色画像を順次表示させ、前記マイクロミラー表示素子28から順次出射する赤、緑、青の単色画像光を、投影レンズ45により拡大して投影面に投影するものであり、前記投影面に、赤、緑、青の3色の単色画像が重なって見えるフルカラー画像を表示する。
なお、このプロジェクタは、投影レンズカバー12を図2のように開いて投影レンズ45の出射端を露出させ、電源キー2をオンさせて使用されるものであり、前記電源キー2をオンさせると、前記光源装置17の光源ランプ18が点灯し、前記カラーホイール30が回転駆動されてマイクロミラー表示素子28に赤、緑、青の光が順次投射され、前記マイクロミラー表示素子28から順次出射する赤、緑、青の光が投影レンズ45により投影されるとともに、前記吸気ファン59,60及び排気ファン61,62,63が駆動され、プロジェクタケース1内の空冷が開始される。
また、前記投影レンズ45による投影方向を投影面に合わせるプロジェクタケース1の姿勢調整は、前記赤、緑、青の光を投影レンズ45により投影させた状態で前足部材14の突出高さを調整することにより行なわれる。
なお、パソコンからの画像信号またはビデオ信号が入力されないときは、前記マイクロミラー表示素子28の表示エリア全体から赤、緑、青の光が順次出射し、その光が投影レンズ45により投影される。そのため、このときの投影面の投影領域はその全体にわたって白である。
そして、前記画像信号またはビデオ信号が入力されると、前記マイクロミラー表示素子28に赤、緑、青の単色画像データが順次書込まれ、前記投影面に赤、緑、青の3色の単色画像が順次投影されてフルカラー画像が表示される。
また、画像投影の終了後は、前記画像信号またはビデオ信号の入力を停止し、電源キー2をオフさせて、前記投影レンズカバー12を図1のように閉じればよく、電源キー2をオフさせると、光源装置17の光源ランプ18が消灯し、前記カラーホイール30の回転駆動が停止されるとともに、それから一定時間後、または光源温度が一定温度以下になったときに吸気ファン59,60及び排気ファン61,62,63の駆動が停止される。
なお、前記画像信号またはビデオ信号の入力を停止して画像投影を終了すると、投影面の投影領域全体が上述したように白になるため、前記電源キー2をオフさせずに投影レンズカバー12を閉じてしまうことがあり、その場合は、光源ランプ18の点灯と、カラーホイール30と吸気ファン59,60及び排気ファン61,62,63の駆動が継続されて無駄に電力を消費してしまう。
しかし、このプロジェクタでは、前記投影レンズカバー12の中央部に開口を形成し、その開口に半透明板13を設けているため、電源キー2をオフさせずに投影レンズカバー12を閉じてしまったときは、前記半透明板13が投影レンズ45からの出射光を受けて光って見える。そのため、使用者に電源の切り忘れを気付かせることができる。
このプロジェクタにおいて、前記光源装置17は、光源ランプ18の発光点からの放射光を、リフレクタ21により集光方向に反射してその開放面から出射し、その光を前記リフレクタ21の開放面の前側に配置された防爆ガラス22を透過させて出射する。
前記光源装置17は、リフレクタ21の開放面の前側に防爆ガラス22を配置したものであるが、前記防爆ガラス22を、前記リフレクタ21からの出射光の光軸O1に垂直な面に対して所定角度斜めに傾けて設けているため、光源ランプ18から放射され、前記リフレクタ21により反射されてその開放面から出射した光のうち、前記防爆ガラス22により反射された光を前記光源ランプ18に集光しないようにし、前記防爆ガラス22により反射されて前記リフレクタ21内に戻った光による光源ランプ18の昇温を防ぎ、前記光源ランプ18の過熱を抑制することができる。
すなわち、図5及び図6は、前記光源装置17におけるリフレクタ21から出射して防爆ガラス22で反射された光の方向を示し、図7及び図8は、防爆ガラス22をリフレクタ21からの出射光の光軸O1に対して垂直に配置した光源装置における前記リフレクタ21から出射して防爆ガラス22で反射された光の方向を示しており、図5と図7は前記防爆ガラス22の入射面で反射された光の方向、図6と図8は前記防爆ガラス22の出射面で反射された光の方向を示している。
なお、防爆ガラス22をリフレクタ21からの出射光の光軸O1に垂直な面に対して傾けて配置した前記光源装置17では、図5及び図6のように、前記防爆ガラス22を透過した出射光の光軸O2が前記リフレクタ21の開放面からの出射光の光軸(リフレクタ21の軸線)O1に対して一方向(防爆ガラス22での屈折方向)に平行にシフトするが、防爆ガラス22をリフレクタ21からの出射光の光軸O1に対して垂直に配置した光源装置では、図7及び図8のように、前記防爆ガラス22を透過した出射光の光軸は前記リフレクタ21の開放面からの出射光の光軸O1と同じである。
前記光源装置17は、前記光源ランプ18の発光点からの放射光を図5及び図6に実線で示したように前記リフレクタ21により反射し、その光を前記リフレクタ21の開放面の前側に配置された防爆ガラス22を透過させて出射するが、その光のうちの一部の光が、前記防爆ガラス22の入射面(防爆ガラス22のリフレクタ21側の面に設けられた紫外線反射膜23の外面または前記紫外線反射膜23と防爆ガラス22との界面)で反射されて図5に破線で示したように前記リフレクタ21内に戻り、また前記防爆ガラス22を透過した光のうちの一部の光が、前記防爆ガラス22の出射面(防爆ガラス22の出射側の面に設けられた低反射膜24の外面または前記低反射膜24と防爆ガラス22との界面)で反射されて図6に破線で示したように前記リフレクタ21内に戻る。
また、前記光源装置17は、光源ランプ18を、ガラスバルブ19内に一対の棒状電極20a,20bが、それぞれの先端を近接対向させ、それぞれの後端部を前記ガラスバルブ19外に露出させて設けられ、前記ガラスバルブ19内に前記電極20a,20bの先端間に発生するアークにより発光する物質が封入された高圧水銀ランプ等のアークランプとし、前記リフレクタ21を、その軸線上のリフレクタ内の点と開放面の前方の点とにそれぞれ焦点を有する楕円面リフレクタとし、前記光源ランプ18を、その一端側を前記リフレクタ21内に位置させ、他端側を前記リフレクタ21の後側に突出させるとともに、前記一対の電極20a,20bの先端間の発光点を前記リフレクタ21のリフレクタ内側の焦点に一致させて設けているため、前記防爆ガラス22の入射面で反射された光は前記リフレクタ21内の一点に集光し、前記防爆ガラス22の出射面で反射された光は前記リフレクタ21内の他の一点に集光する。
これは、防爆ガラス22をリフレクタ21からの出射光の光軸O1に対して垂直に配置した光源装置でも同じである。
しかし、防爆ガラス22をリフレクタ21からの出射光の光軸O1に対して垂直に配置した光源装置は、前記防爆ガラス22により反射されてリフレクタ21内に戻った光が図7及び図8に破線で示したように光源ランプ18に集光するため、前記光源ランプ18が、その発光による発熱以外に、前記防爆ガラス22により反射された戻り光の集光によっても昇温し、前記光源ランプが過熱状態になる。
なお、前記光源ランプ18は、ガラスバルブ19内に一対の棒状電極20a,20bが、それぞれの先端を近接対向させ、それぞれの後端部を前記ガラスバルブ19外に露出させて設けられた高圧水銀ランプ等のアークランプであり、前記戻り光は、前記光源ランプ18のリフレクタ内側の電極20a上に集光するため、前記戻り光の集光による光源ランプ18の昇温はかなり大きく、また、図8のように前記戻り光が前記光源ランプ18のリフレクタ内側の電極20aの露出部に集光した場合は、この電極20aの露出部が溶解したり、リフレクタ21内の空気との反応による熱酸化してしまう。
それに対して、前記実施例の光源装置17は、防爆ガラス22を、リフレクタ21からの出射光の光軸O1に垂直な面に対して、前記防爆ガラス22により反射されてリフレクタ21内に戻った光が光源ランプ18に集光しない傾斜角で配置しているため、前記防爆ガラス22により反射されてリフレクタ21内に戻った光が光源ランプ18に集光することはない。
しかも、この光源装置17は、前記リフレクタ21を楕円面リフレクタとし、前記光源ランプ18を、その一対の電極20a,20bの先端間の発光点を前記リフレクタ21のリフレクタ内側の焦点に一致させて設けているため、前記防爆ガラス22の入射面で反射された戻り光と、前記防爆ガラス22の出射面で反射された戻り光がそれぞれ、前記リフレクタ21内の光源ランプ18が存在しない部分に集光する。そのため、前記防爆ガラス22により反射された光をより確実に光源ランプ18に集光しないようにすることができる。
なお、前記防爆ガラス22の出射面で反射された戻り光は、その集光点を通って前記リフレクタ21により再び反射されるが、その反射光は図5及び図6に示すように分散するため、この再反射が光源ランプ18に集光して前記光源ランプ18を昇温させることはない。
したがって、この光源装置17によれば、前記防爆ガラス22により反射された戻り光による光源ランプ18の過熱を、光源ランプ全体にわたって抑制し、前記光源ランプ18のリフレクタ内側の電極20aの露出部の露出部の溶解や熱酸化を無くことはもちろん、光源ランプ18全体の昇温を低くすることができる。
なお、前記防爆ガラス22は、この防爆ガラス22により反射されてリフレクタ21内に戻った光が前記光源ランプ18の少なくともリフレクタ内側の電極20aの露出部に集光しない傾斜角で配置すればよく、このようにすることにより、前記リフレクタ21内に戻った光による前記光源ランプ18のリフレクタ内側の電極20aの露出部の過熱を防ぎ、この電極20aの露出部の溶解や熱酸化を無くすことができる。
また、前記光源装置17は、前記リフレクタ21の開放面の前側に前記防爆ガラス22を配置しているため、前記光源ランプ18が万一破裂したときの光源装置17の出射側に配置されたカラーホイール30等の部品の損傷を防ぐことができる。
しかも、この光源装置17は、前記リフレクタ21の開放面の前側に、両端が開放する筒状の防爆カバー25を、その一端の周縁部を前記リフレクタ21の開放面の周縁部に接続して設け、この防爆カバー25の他端部の内周に前記防爆ガラス22を嵌合した構成としているため、前記光源ランプ18が万一破裂したときの光源装置17の出射側の周囲に位置する光源側ハウジング38等の部品の損傷を防ぐことができる。
また、前記光源装置17は、前記リフレクタ21を、リフレクタ本体の内面全体に紫外線透過性反射膜21aを設けた構成としているため、前記光源ランプ18からの光のうちの紫外線成分を前記リフレクタ21を透過させてその外周に出射させ、前記光源ランプ18からの光に対して紫外線量の少ない光を前記リフレクタ21の開放面から出射させることができる。
さらに、この光源装置17は、前記防爆ガラス22の一方の面に紫外線反射膜23を設けることにより、この防爆ガラス22に紫外線フィルタ機能をもたせているため、前記リフレクタ21の開放面から出射した光のうちの紫外線成分を前記防爆ガラス22の紫外線反射膜23により反射してさらに紫外線量の少ない光を出射することができ、したがって、光源側光学系29のカラーホイール30のカラーフィルタ31R,31G,31Bの紫外線による劣化や、マイクロミラー表示素子28のマイクロミラーの光による発熱の度合を低くし、前記光源装置17からの出射光を入射させる前記カラーホイール30やマイクロミラー表示素子28等の部品への紫外線の影響を無くすことができる。
また、前記光源装置17は、前記防爆ガラス22の他方の面に低反射膜24を設けているため、前記リフレクタ21の開放面から出射した光の前記防爆ガラス22による反射を少なくし、前記リフレクタ21からの出射光を、紫外線成分を除いて、効率良く前記防爆ガラス22を透過させて出射することができる。
なお、図3及び図4では、前記防爆ガラス22を、紫外線反射膜23の形成面をリフレクタ21側に向け、低反射膜24の形成面を出射側に向けて設けているが、この防爆ガラス22は、図と反対に、低反射膜24の形成面をリフレクタ21側に向け、紫外線反射膜23の形成面を出射側に向けて設けてもよい。
前記光源装置17からの出射光は、光源側光学系29のカラーホイール30により赤、緑、青の3色に順次着色されて導光ロッド33に入射する。
なお、前記光源装置17からの出射光、つまり前記リフレクタ21の開放面から出射し、斜めに傾けて配置された防爆ガラス22を屈折して透過した光は、上述したように、その光軸O2が前記リフレクタ21の開放面からの出射光の光軸O1に対して一方向に平行にシフトした光であるが、このプロジェクタでは、前記導光ロッド33を、そのロッド中心軸を前記光源装置17から前記防爆ガラス22を透過して出射した光〜殻ののリフレクタの開放面から出射し、前記リフレクタの前側に配置された透明板を透過した光の光軸O2に一致させて配置しているため、前記光源装置17からの出射光を前記導光ロッド33にその入射面から入射させることができる。
前記導光ロッド33にその入射面から入射した光は、この導光ロッド33により強度分布を均一されてその出射面から出射し、前記光源側レンズ34,35及びミラー37により、マイクロミラー表示素子28に、その正面方向に対して一方の方向に傾いた方向から向けて投射され、中継レンズ44により前記マイクロミラー表示素子28の正面方向に対して所定角度傾いた方向に沿う平行光に補正されて前記マイクロミラー表示素子28に入射する。
前記マイクロミラー表示素子28は、前記赤、緑、青の光の投射周期に同期させて赤、緑、青の単色画像データを順次書込まれ、赤、緑、青の単色画像を順次表示する。
そして、前記マイクロミラー表示素子28から順次出射した赤、緑、青の単色画像光は、前記中継レンズ44により集光されて投影レンズ45に入射し、この投影レンズ45により拡大されて投影面に投影される。
なお、このプロジェクタでは、前記中継レンズ44に、マイクロミラー表示素子28に対向する面が凸面に形成され、前記光源側光学系29及び投影レンズ45に対向する面が凹面に形成されたメニスカスレンズを用いているため、前記光源側光学系29からの投射光を前記マイクロミラー表示素子28の正面方向に対して所定角度傾いた方向に沿う平行光に補正して前記マイクロミラー表示素子28に入射させ、このマイクロミラー表示素子28から出射した画像光を前記投影レンズ45に入射させるとともに、前記光源側光学系29からの投射光のうち、前記中継レンズ44の光源側光学系29及び投影レンズ45に対向する凹面で表面反射した光を、前記投影レンズ45による画像光の投影方向以外の方向に出射することができ、したがって、前記中継レンズ44の光源側光学系29及び投影レンズ45に対向する凹面で表面反射した光が前記投影レンズ45により投影面に投影されることは無く、したがって、前記投影面に、輝度むらやコントラスト低下の無い高品質の投影画像を表示することができる。
また、プロジェクタケース1内の空冷は、ケース内空気を、前記プロジェクタケース1の光源装置17が配置された側の側面にその略全体にわたって設けられた複数の排気孔61から前記大風力排気ファン61,62,63により強制排気し、ケース底面の光源側ハウジング38の下側の部分に設けられた複数の吸気孔55と、ケース後面にマイクロミラー表示素子28の配置部に対応させて設けられた吸気孔57とから外気を前記吸気ファン58,59によりケース1内に強制吸気し、さらにケース底面の電源系回路基板52の下側の部分に設けられた図示しない吸気孔及び前記プロジェクタケース1の投影レンズ45が配置された側の側面に設けられた複数の吸気孔56から、前記排気孔61からのケース内空気の排気にともなう自然吸気によって外気をケース内に吸気して、前記各部の吸気孔55,56,57から吸気した冷却空気を図3に破線矢印で示したようにプロジェクタケース1に通風させてケース内の全域を空冷するとともに、その冷却空気の一部を光源装置17の防爆カバー25の一側部に設けられた通風孔26からリフレクタ21内に流入させ、前記リフレクタ21内の空気を前記防爆カバー25の他側部に設けられた通風孔27からケース内に流出させて前記リフレクタ21の内部空間及び光源ランプ18を空冷することにより行なわれる。
このプロジェクタは、上述した光源装置17と、マイクロミラー表示素子28と、前記光源装置17からの出射光を前記マイクロミラー表示素子28に入射させる光源側光学系29と、前記マイクロミラー表示素子28からの出射光を投影面に投影する投影レンズ45とを備えたものであり、このプロジェクタによれば、前記光源装置17が上述したように光源ランプ18の過熱を抑制する効果をもっているため、前記光源ランプ18の寿命を長くし、ランプ交換の頻度を少なくすることができる。
また、このプロジェクタは、前記光源装置17からの出射光を前記マイクロミラー表示素子28に入射させる光源側光学系29を、一端に光を入射させる入射面が形成され、他端に前記入射面から入射した光の出射面が形成された筒状体または棒状体からなり、前記入射面から入射した光を導いて前記出射面から均一な強度分布の光を出射する導光ロッド33を備え、この導光ロッド33を、前記入射面を前記光源装置17に対向させるとともに、前記光源装置17のリフレクタ21の開放面から出射し、前記リフレクタ21の前側に配置された防爆ガラス22を透過した光の光軸(リフレクタ21の開放面からの出射光の光軸O1に対して一方向に平行にシフトした光軸)O2にロッド中心軸を一致させて配置しているため、前記光源装置17からの出射光を前記導光ロッド33にその入射面から入射させ、この導光ロッド33の出射面から充分な強度で且つ均一な強度分布の光を出射させてその光を前記マイクロミラー表示素子28に入射させることができ、したがって、前記マイクロミラー表示素子28に充分な明るさで且つ輝度むらの無い良好な画像を表示させ、高品質の画像を投影面に投影することができる。
また、このプロジェクタは、前記光源側光学系29に、赤、緑、青の3色のカラーフィルタ31R,31G,31Bが周方向に並べて設けられた回転板からなり、前記3色のカラーフィルタ31R,31G,31Bが前記光源装置17からの出射光の光路を順次横切るように回転駆動されるカラーホイール30を備えさせ、表示素子として、入射光を着色する手段を備えず、その複数の画素に、前記カラーホイール30の回転に同調させて赤、緑、青の3色の単位色の画像データを順次書込まれるマイクロミラー表示素子28を用いているため、前記マイクロミラー表示素子28に解像度の高い赤、緑、青の3色の単位色画像を順次表示させ、これらの単位色画像を順次投影面に投影して、高精細なカラー画像を観察させることができる。
なお、上記実施例の光源装置17は、リフレクタ21の開放面の前側に、一方の面に紫外線反射膜23が設けられ、他方の面に低反射膜24が設けられた防爆ガラス22を配置しているが、前記防爆ガラス22は、前記紫外線反射膜23と低反射膜24の一方だけを設けたものでも、前記紫外線反射膜23と低反射膜24の両方を省略した単体の防爆ガラスでもよい。
さらに、リフレクタ21の開放面の前側に配置する透明板は、防爆ガラスに限らず、紫外線フィルタでもよく、前記透明板に紫外線フィルタ機能をもたせることにより、前記光源装置17からの出射光を入射させる部品への紫外線の影響を無くすことができる。
また、上記実施例のプロジェクタでは、カラーホイール30を、光源側光学系29の導光ロッド33の入射側に配置しているが、前記カラーホイール30は、光源装置17から前記投影レンズ45の入射端までの光路内であれば、他の位置に配置してもよい。
さらに、上記実施例のプロジェクタは、入射光の出射を制御して画像を表示するものであれば、例えば後面側に反射膜を備えた反射型液晶表示素子でも、また後面側から入射した光の前面側への出射を制御して表示する透過型液晶表示素子でもよく、反射型液晶表示素子を用いる場合は、その正面方向に対して一方の方向に傾いた入射方向から入射し、液晶層を透過して前記反射膜により反射された光を、プリズムシート等により屈折させて正面方向に出射する構成とし、透過型液晶表示素子を用いる場合は、光源装置17の配置位置と光源側光学系29の構成を、前記透過型液晶表示素子にその後面から光を投射するように変更すればよい。
また、表示素子に液晶表示素子を用いる場合、その液晶表示素子は、複数の画素にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタを備えたカラー表示素子でもよく、このカラー表示素子を用いる場合は、光源側光学系29からカラーホイール30を省略し、白色光を前記カラー表示素子に投射するようにすればよい。
17…光源装置、18…光源ランプ、19…ガラスバルブ、20a,20b…棒状電極、21…リフレクタ、22…防爆ガラス、23…紫外線反射膜、24…低反射膜、25…防爆カバー、28…マイクロミラー表示素子、29…光源側光学系、30…カラーホイール、31R,31G,31B…カラーフィルタ、33…導光ロッド、34,35…光源側レンズ、37…ミラー、43…カバーガラス、44…中継レンズ、45…投影レンズ。