JP4620169B1 - 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤 - Google Patents

有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4620169B1
JP4620169B1 JP2010016166A JP2010016166A JP4620169B1 JP 4620169 B1 JP4620169 B1 JP 4620169B1 JP 2010016166 A JP2010016166 A JP 2010016166A JP 2010016166 A JP2010016166 A JP 2010016166A JP 4620169 B1 JP4620169 B1 JP 4620169B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid polymer
therapeutic agent
disease
crohn
prophylactic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010016166A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011153102A (ja
Inventor
洋幸 橋本
俊彦 熊澤
基宏 武田
孝仁 城森
千尋 日比
邦治 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2010016166A priority Critical patent/JP4620169B1/ja
Application filed by Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd filed Critical Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Priority to AU2011211090A priority patent/AU2011211090B2/en
Priority to CA2783420A priority patent/CA2783420A1/en
Priority to US13/514,083 priority patent/US20120244102A1/en
Priority to EP11737021.3A priority patent/EP2529743B1/en
Priority to PCT/JP2011/051425 priority patent/WO2011093308A1/ja
Priority to CN201180005529.7A priority patent/CN102695515B/zh
Application granted granted Critical
Priority to KR1020127019936A priority patent/KR20120127430A/ko
Publication of JP4620169B1 publication Critical patent/JP4620169B1/ja
Publication of JP2011153102A publication Critical patent/JP2011153102A/ja
Priority to ZA2012/04070A priority patent/ZA201204070B/en
Priority to HK13100894.2A priority patent/HK1173670A1/xx
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/74Synthetic polymeric materials
    • A61K31/80Polymers containing hetero atoms not provided for in groups A61K31/755 - A61K31/795
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/04Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
原因不明で根治的治療薬のないクローン病の治療薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
以下の式
[(O1/23Ge-A-CO2H]n
(式中、nは100〜1000、Aは低級アルキル基)
で表される有機酸重合体を有効成分とする、クローン病の予防又は治療剤を提供する。有機酸重合体としては、Aが炭素数1から3の低級アルキル基であり、重合度nが200〜900であるのが好ましい。本発明の有機酸重合体は、クローン病の治療剤として有効である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機酸重合体、特に3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体の新たな医薬用途に係る。
クローン病(Crohn’s disease,CD)は、主として口腔から肛門までの消化管全域に、狭窄又は瘻孔等の病変が非連続的に現れる、原因不明の難治性疾患である。他に関節炎、虹彩炎、壊疽性膿皮症や結節性紅斑などの腸管外合併症を伴うことがある。日本では難治性疾患克服研究事業の対象疾患(特定疾患)の一つに指定されており、胃潰瘍や十二指腸潰瘍とは異なる難治性疾患である。根治的治療法が無く、薬物療法等により、活動期症状を抑え、寛解に導入すること及び寛解状態を維持することが治療目標となっている。経口薬物療法の基本は、日本では5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤のメサラジンやサラゾスルファピリジン、及び副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)であり、その他抗菌剤(メトロニダゾール)、免疫抑制剤(アザチオプリン)などが投与されることもある。一方米国では、副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤が基本である。
しかし、特に副腎皮質ステロイドは、寛解維持を目的とした長期投与における有効性は示されておらず、その副作用やステロイド依存性、抵抗性などの問題点も多い。また5-ASA製剤のメサラジンやサラゾスルファピリジンについては、クローン病への適応が許可されているのは日本のみであり、米国では許可されていない。実際に5-ASA製剤のメサラジンは、クローン病には無効であると報告されている。にもかかわらず米国でクローン病に適応外使用で多く使われているのは、安全な経口剤が無いから仕方なく使用されているのが実情である。一方日本や米国で許可されて使われているアザチオプリンなどの免疫抑制剤においては、一定の効果を示すが、白血球減少やリンパ腫の発生などの副作用が報告されており、安全な薬剤とは言えない。このように、有効性及び安全性の点から未だ十分なクローン病に対する経口治療薬がないのが現状である。
ところで、有機酸重合体、特に3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体は、多くの医薬用途に関する研究がなされている。例えば、高血圧心臓血管疾患に対する用途(特開昭55−167222号)、インターフェロン産生増強作用(特開平2−134818号)、メイラード反応阻害作用(特開平8−059485号)、IL-10産生増強作用(特開平11−049683号)、動脈硬化性疾患に対する用途(特開2000−229856号)、MCP-1拮抗作用(特開2000−136139号)、II型糖尿病性腎症に対する用途(特開2003−81843号)等が報告されている。
なお、有機酸重合体の推測される医薬用途が先行文献に多数列挙されているが、その1つとして、消化管系潰瘍の恢復修繕作用、大腸機能の制御作用等(特開昭54−115324号、特開昭54−116100号)、胃、十二指腸及び大腸の潰瘍に対する用途等(特開昭52−51327号)が記載されている。このように、有機酸重合体については、多くの医薬用途が報告されているがクローン病に対する用途についての報告はされていない。
特開昭55−167222号公報 特開平2−134818号公報 特開平8−059485号公報 特開平11−049683号公報 特開2000−229856号公報 特開2003−81843号公報 特開2000−136139号公報 特開昭54−115324号公報 特開昭54−116100号公報 特開昭52−51327号公報
本発明は、クローン病の治療薬剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、有機酸重合体、中でも、3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体について、マウス・2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)誘発クローン病モデルで、薬効薬理評価を行った。マウスTNBS誘発クローン病モデルは、ヒト・クローン病に類似していると言われている一般的な実験的動物モデルである。その結果、当該化合物が、顕著な薬効薬理効果を有することを見い出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本願発明は、以下の式
[(O1/23Ge-A-CO2H]
(式中、nは100〜1000、Aは低級アルキル基)
で表される有機酸重合体を有効成分とする、クローン病の予防又は治療剤である。
ここで、Aは炭素数1から3の低級アルキル基が好ましい。このような有機酸重合体としては、Aがエチレン基である3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体が好ましい。
前記3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体においては、重合度nは200〜900が好ましい。そのような3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体は、次のような物性にて、特定することができる。すなわち、大きい回折ピークが6.5°付近、比較的大きい回折ピークが、11.6°、13.8°、18.4°、21.2°、及び22.4°の各付近という特徴的な粉末X線回折スペクトルを示す、前記3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体。IRスペクトルで、大きい吸収バンドが、800cm-1、900cm-1、および1700cm-1の各付近、比較的大きい吸収バンドが、560cm-1、705cm-1、760cm-1、780cm-1、1250cm-1、1350cm-1、および1400cm-1の各付近(但し、1400cm-1付近の吸収バンドはダブレットである)という特徴的な吸収を示す前記3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体。DSCで、ピーク開始点が237℃付近、ピーク頂点が256℃付近、ピーク終了点が276℃付近、及び、熱量ΔHがほぼ59mcal/mgという特徴的なチャートを示す前記3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体。また、分子式が(C35GeO3.5)、重量平均重合度がn=548±337、及び、重量平均分子量の平均値±標準誤差が9.29×104±5.72×104を示す前記3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体。
本発明の有機酸重合体は、クローン病の治療剤として有効である。
プロパゲルマニウムの粉末X線回折スペクトルを示す。 プロパゲルマニウムのIRスペクトルを示す。 プロパゲルマニウムのDSCを示す。 マウスTNBS誘発クローン病モデルでのプロパゲルマニウム、サラゾスルファピリジン、プレドニゾロン投与による病態スコアを示す(TNBS惹起1日目の効果)。 マウスTNBS誘発クローン病モデルでのプロパゲルマニウム、サラゾスルファピリジン、プレドニゾロン投与による病態スコアを示す(TNBS惹起2日目の効果)。 マウスTNBS誘発クローン病モデルでのプロパゲルマニウム、サラゾスルファピリジン、プレドニゾロン投与による病態スコアを示す(TNBS惹起3日目の効果)。 マウスTNBS誘発クローン病モデルでのプロパゲルマニウム、サラゾスルファピリジン、プレドニゾロン投与による腸管病変スコアを示す。
本発明で使用される有機酸重合体は公知の化合物であり、以下の化学式で示される。
[(O1/23Ge-A-CO2H]
(式中、nは100〜1000、Aは低級アルキル基)
ここで、Aの低級アルキル基としては、炭素数1から3の低級アルキル基が好ましい。特に、Aがエチレン基である3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体が好ましい。前記3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体においては、重合度nが200〜900のプロパゲルマニウムがよく知られている。その立体構造は、以下式
[式中、Rは−CH2CH2COOH、mはプロパゲルマニウムプロピルエステルの重量平均分子量から換算した重量平均重合度で、137±84(平均値±標準誤差3σ)を示す。最小構成単位:(O1/23GeCH2CH2COOH 実験式:C610Ge27]にて示される8員環構造体であろうと推測されている。
プロパゲルマニウムについては、特開2003−81843号等に記載されている方法により、製造することができる。また、当該文献等に、プロパゲルマニウムは、下記表1、2の物性値を示すものとして記載されている。表1は光散乱法による分子量測定結果を、表2は粉末X線解析により求めた格子定数を示す。
プロパゲルマニウムは、図1〜3(特開昭54−115324から引用)から、次のような物性値を示す化合物として特定することができる。大きい回折ピークが6.5°付近、比較的大きい回折ピークが、11.6°、13.8°、18.4°、21.2°、及び22.4°の各付近という特徴的な粉末X線回折スペクトルを示す。IRスペクトルで、大きい吸収バンドが800cm-1、900cm-1、および1700cm-1の各付近、比較的大きい吸収バンドが、560cm-1、705cm-1、760cm-1、780cm-1、1250cm-1、1350cm-1、及び1400cm-1の各付近(但し、1400cm-1付近の吸収バンドはダブレットである)という特徴的な吸収を示す。DSCで、ピーク開始点が237℃付近、ピーク頂点が256℃付近、ピーク終了点が276℃付近、及び、熱量ΔHがほぼ59mcal/mgという特徴的なチャートを示す。
本発明で使用される3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体、更にはプロパゲルマニウムを実際にヒトに投与する場合は、当該化合物0.005質量部〜5質量部に対して賦形剤を0.005質量部〜50質量部を含有するように調製された組成物として使用されることが好ましい。賦形剤としては、乳糖、ショ糖、デキストラン類等の糖類、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子性物質、アルブミン等の天然性高分子物質が使用される。また、当該化合物は、通常は経口製剤として用いられるが、座剤、鼻腔製剤、注射製剤等としても利用することができる。当該化合物をヒトに投与する場合の投与量は、剤型や患者の年齢等に依存するが、一日あたり1mg〜1500mgの範囲内であり、体重50kgの成人に対する経口投与では、一日あたり10mg〜120mgが好ましい。また、当該化合物の製剤化は、特開2003−81843号等の製剤例の記載に従って、実施することができる。
クローン病は、主として口腔から肛門までの消化管全域に、非特異的な病変が非連続的に現れる、原因不明の特発性の慢性疾患である。
臨床症状は、腹痛、全身倦怠、下痢、下血、発熱、体重減少、貧血、イレウス症状、腹部腫瘤、悪心、嘔吐、腹膜炎症状などである。クローン病は、栄養障害の他、種々の消化器および腸管外症状、例えば、腸管狭窄、腸閉塞、内瘻、外瘻、腸穿孔、腹部腫瘤、大出血などの重篤な症状を同時に引き起こす。また他に、関節炎、虹彩炎、壊疽性膿皮症や結節性紅斑などの腸管外合併症を伴うことがある。
治療方法は、主に栄養療法又は薬物療法が採られているが、根治的手術療法が望めない。
以下に、本発明物質の製造例を示す。
製造例1
二酸化ゲルマニウムと50%次亜リン酸(1.1倍モル)とを濃塩酸(5.0倍モル)の存在下、60〜80℃で4時間反応させ、濃塩酸(5.0倍モル)を追加後、アクリル酸(1.1倍モル)を40℃以下で滴下する。析出結晶をろ取し、濃塩酸で洗浄して、3-トリクロロゲルミルプロピオン酸を得た(収率98%)。次に、得られた3-トリクロロゲルミルプロピオン酸をアセトン(17倍モル)に溶解させ、ろ過した後、撹拌下、0℃で水(70倍モル)を滴下し、更に6時間撹拌、16時間静置する。析出結晶をろ取し、アセトンで洗浄して3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体を得た(収率92%)。
得られた3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体、すなわちプロパゲルマニウムは、更にプロピルエステル体に誘導した後、光散乱法により分子量を測定、また、粉末X線回折法により格子定数を測定した。結果は、それぞれ、表1及び表2に示す通りであった。
次に、プロパゲルマニウムの薬効薬理試験例を示す。当該薬効薬理試験においては、プロパゲルマニウムをマウスTNBS誘発クローン病モデルで評価した。
当該モデルは、体重減少、下痢性血便、腸管病変が生じるため、ヒト・クローン病に類似していると言われている一般的な病態動物モデルである。
陽性対照薬として、プレドニゾロン、サラゾスルファピリジンの2種類を用いた。プレドニゾロンは、副腎皮質ステロイド薬としてクローン病治療の中心的薬剤の一つである。サラゾスルファピリジンは5-ASA製剤のプロドラッグ体であり大腸内で5-ASAに変換されるため、動物試験では作用部位である腸管内薬物濃度の点から5-ASA製剤より好ましい陽性対照薬である。
尚、本薬効薬理試験においては、前記製造例1で製造されたプロパゲルマニウムを使用した。
薬効薬理試験例1
1.実験方法
雄性BALB/c Cr Slcマウスを7週齢で日本エスエルシーより購入した。5日間の馴化飼育の後、各マウスを体重に差のないよう5群に群分けし、実験に供した。
マウスの腹部を2cm四方剃毛し、皮膚に1%TNBSを塗布した。TNBS塗布7日後に、マウスをハロセン吸入麻酔下で固定し、2.0%TNBS 100μLを直腸より注入しクローン病腸管病変を惹起した。
プロパゲルマニウム投与群において、マウス標準飼料CRF-1(オリエンタル酵母工業)にプロパゲルマニウム0.015%を混合して、TNBS注入直後から惹起3日後まで自由摂餌により投与した。プロパゲルマニウム投与期間中の平均投与量は、体重と摂餌量から1日あたりのプロパゲルマニウム投与量として約7.5mg/kg/日と算出された。
陽性対照のプレドニゾロン投与群において、プレドニゾロンを0.5% CMC懸濁液として10mL/kgをマウス用経口ゾンデにより、TNBS注入直後から惹起3日後まで1日1回投与した。用量は、臨床通常用量(30〜40mg/日/人)の最大量1mg/kg/日となるよう設定した。
陽性対照のサラゾスルファピリジン投与群において、サラゾスルファピリジンは0.5%CMC懸濁液として10mL/kgをマウス用経口ゾンデにより、TNBS注入直後から惹起3日後まで1日2回、3日間投与した。臨床通常用量から考えて最大量である低用量群(133mg/kg/日)と、ラットTNBSモデルで有効な高用量群(400mg/kg/日)との2つの用量群を設定した。
2.評価項目
(1)病態スコア
TNBS惹起1、2及び3日後に、病態スコア(体重減少、下痢・軟便及び潜血・出血スコアの合計)を以下の基準により評価した。
(ア)体重減少(TNBS惹起前を100%とした)スコア
0:減少ない
1:5%以内の減少
2:5-10%の減少
3:10-20%の減少
4:20%を超える減少
(イ)下痢・軟便スコア
0:正常。固形を保つ。
2:軟便半固形。湿っていて触ると容易に崩れる。
4:下痢、流動性がある。
(ウ)潜血・出血スコア
0:正常。便中に血液が混入していない。
2:潜血。便中に血液が混入。肛門周囲は汚れ少。
4:下血。便中に血液が混入。肛門周囲が血液で汚れている。
(2)腸管病変スコア
TNBS惹起3日後にEvans Blueを静脈内投与した。投与30分後、頸椎脱臼し結腸から肛門まで摘出し内腔を生理食塩水で洗浄し、管を開き病変の程度をスコア化した。腸管病変スコアは実体顕微鏡を用いて結腸を観察し以下の基準に従い評価した。
0:傷害なし。
1:充血
2:充血と壁の肥厚。潰瘍なし。
3:潰瘍はあるが肥厚はしていない。
4:複数の病変部位がある。
5:広範な病変部位(合計1cm以上)
6:広範な病変部位(合計1.5cm以上)
7:広範な病変部位(合計2cm以上)
8:広範な病変部位(合計2.5cm以上)
9:広範な病変部位(合計3cm以上)
10:広範な病変部位(合計3.5cm以上)
3.結果及び考察
(1)病態スコアに対する効果
プロパゲルマニウム7.5mg/kg投与群では、有意な病態スコア改善作用が惹起2日後、3日後に確認された。一方、サラゾスルファピリジン133mg/kg投与群では有意な改善効果は認められなかった。サラゾスルファピリジン400mg/kg投与群では、惹起2日、3日後に改善効果が求められたが、プロパゲルマニウム群よりも効果は弱かった。
一方、クローン病に対する寛解導入効果の点でもっとも信頼度が高いプレドニゾロン1mg/kg投与群では惹起2日後に効果はみられず、惹起3日後にのみ効果が認められたものの、プロパゲルマニウム7.5mg/kg投与群より改善効果は弱かった。
(2)腸管病変スコア
プロパゲルマニウム7.5mg/kg投与群は、サラゾスルファピリジン133mg/kg投与群、サラゾスルファピリジン400mg/kg投与群、及びプレドニゾロン1mg/kg投与群と比べ、腸管病変スコアの改善効果がもっとも優れていた。
即ち、病変コントロール群(スコア8.1)に比べ、プロパゲルマニウム群ではスコアが4.9に減少し、サラゾスルファピリジン133mg/kg群では6.1、サラゾスルファピリジン400mg/kg群では6.8と減少効果は弱く、プレドニゾロン1mg/kg群では5.2の減少効果であり、プロパゲルマニウム群がもっとも優れていた。
これらの結果より、プロパゲルマニウムは、プレドニゾロンとサラゾスルファピリジンより優れた効果を示したことから、クローン病の寛解導入および寛解維持の両方への効果が期待できる。

Claims (8)

  1. 以下の式
    [(O1/23Ge-A-CO2H]
    (式中、nは100〜1000、Aは低級アルキル基)
    で表される有機酸重合体を有効成分とする、クローン病の予防又は治療剤。
  2. Aが炭素数1から3の低級アルキル基である、請求項1に記載の予防又は治療剤。
  3. 有機酸重合体が、Aがエチレン基である3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体である、請求項1に記載の予防又は治療剤。
  4. 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体の重合度nが200〜900である、請求項3に記載の予防又は治療剤。
  5. 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体が、以下の特徴的な粉末X線回折スペクトルを示す化合物である、請求項3に記載の予防又は治療剤。
    大きい回折ピーク:6.5°付近
    比較的大きい回折ピーク:11.6°、13.8°、18.4°、21.2°、および22.4°の各付近
  6. 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体が、IRスペクトルで以下の特徴的な吸収を示す化合物である、請求項3に記載の予防又は治療剤。
    大きい吸収バンド:800cm-1、900cm-1、および1700cm-1の各付近
    比較的大きい吸収バンド:560cm-1、705cm-1、760cm-1、780cm-1、1250cm-1、1350cm-1、および1400cm-1の各付近(但し、1400cm-1付近の吸収バンドはダブレットである)
  7. 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体が、DSCで以下の特徴的なチャートを示す化合物である、請求項3に記載の予防又は治療剤。
    ピーク開始点:237℃付近
    ピーク頂点 :256℃付近
    ピーク終了点:276℃付近
    熱量ΔH=ほぼ59mcal/mg
  8. 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体が、分子式:(C35GeO3.5)、重量平均重合度:n=548±337、及び、重量平均分子量:平均値±標準誤差=9.29×104±5.72×104を示す化合物である、請求項3に記載の予防又は治療剤。
JP2010016166A 2010-01-28 2010-01-28 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤 Expired - Fee Related JP4620169B1 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010016166A JP4620169B1 (ja) 2010-01-28 2010-01-28 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤
KR1020127019936A KR20120127430A (ko) 2010-01-28 2011-01-26 유기산 중합체를 유효 성분으로 하는 크론병의 예방 또는 치료제
US13/514,083 US20120244102A1 (en) 2010-01-28 2011-01-26 Agent for preventing or treating crohn's disease, comprising organic acid polymer
EP11737021.3A EP2529743B1 (en) 2010-01-28 2011-01-26 Prophylactic or therapeutic agent for crohn's disease comprising organic acid polymer as active ingredient
PCT/JP2011/051425 WO2011093308A1 (ja) 2010-01-28 2011-01-26 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤
CN201180005529.7A CN102695515B (zh) 2010-01-28 2011-01-26 以有机酸聚合物作为有效成分的克罗恩病的预防或治疗剂
AU2011211090A AU2011211090B2 (en) 2010-01-28 2011-01-26 Prophylactic or therapeutic agent for Crohn's disease comprising organic acid polymer as active ingredient
CA2783420A CA2783420A1 (en) 2010-01-28 2011-01-26 Prophylactic or therapeutic agent for crohn's disease comprising organic acid polymer as active ingredient
ZA2012/04070A ZA201204070B (en) 2010-01-28 2012-06-04 Prophylactic or therapeutic agent for crohn's disease comprising organic acid polymer as active ingredient
HK13100894.2A HK1173670A1 (en) 2010-01-28 2013-01-21 Prophylactic or therapeutic agent for crohns disease comprising organic acid polymer as active ingredient

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010016166A JP4620169B1 (ja) 2010-01-28 2010-01-28 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4620169B1 true JP4620169B1 (ja) 2011-01-26
JP2011153102A JP2011153102A (ja) 2011-08-11

Family

ID=43596797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010016166A Expired - Fee Related JP4620169B1 (ja) 2010-01-28 2010-01-28 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20120244102A1 (ja)
EP (1) EP2529743B1 (ja)
JP (1) JP4620169B1 (ja)
KR (1) KR20120127430A (ja)
CN (1) CN102695515B (ja)
AU (1) AU2011211090B2 (ja)
CA (1) CA2783420A1 (ja)
HK (1) HK1173670A1 (ja)
WO (1) WO2011093308A1 (ja)
ZA (1) ZA201204070B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014523906A (ja) * 2011-07-08 2014-09-18 ディフェンシン セラピューティクス アンパルトセルスカブ 炎症性腸疾患の経口治療

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015020040A1 (ja) 2013-08-06 2017-03-02 国立大学法人九州大学 有機酸重合体を有効成分とする癌細胞の生着予防又は生着抑制のための医薬

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54115324A (en) * 1978-03-01 1979-09-07 Sato Ryuichi Organic germanium polymer
JPH0840916A (ja) * 1994-08-02 1996-02-13 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 3ーオキシゲルミルプロピオン酸化合物を主成分とする疣贅の発症予防及び治療剤
JPH0853352A (ja) * 1994-08-10 1996-02-27 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 3ーオキシゲルミルプロピオン酸化合物を主成分とする動物用薬剤

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE834794A (fr) 1975-10-23 1976-02-16 Acide 3-trihydroxygermano-propionique
JPS5918399B2 (ja) 1978-03-01 1984-04-26 隆一 佐藤 有機ゲルマニウム重合体の製造方法
JPS55167222A (en) 1979-06-16 1980-12-26 Ryuichi Sato Drug for warm-blooded animal comprising organogermanium polymer as main constituent
JPH02134818A (ja) 1988-11-16 1990-05-23 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 配線構造体の形成法
US5039703A (en) * 1989-11-16 1991-08-13 Breuer Richard I Method for treating inflammatory bowel disorders
US5560925A (en) * 1993-11-09 1996-10-01 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co., Ltd. Method of treating wart
CN1109895A (zh) * 1993-11-09 1995-10-11 株式会社三和化学研究所 3-氧锗丙酸聚合物
US5532272A (en) * 1994-05-20 1996-07-02 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co., Ltd. 3-oxygermylpropionic acid polymer, pharmaceutical composition containing same and method of preventing and/or curing symptoms of immune diseases using same
JPH0859485A (ja) 1994-08-26 1996-03-05 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 3ーオキシゲルミルプロピオン酸化合物を主成分とするメイラード反応阻害剤
JPH1149683A (ja) 1997-08-08 1999-02-23 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤
JP4381495B2 (ja) 1998-10-30 2009-12-09 株式会社三和化学研究所 有機ゲルマニウム化合物を有効成分とするmcp−1受容体拮抗剤、及びmcp−1が関与する炎症性疾患及び臓器障害の発症予防または治療剤
JP2000229856A (ja) * 1999-02-08 2000-08-22 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 有機ゲルマニウム化合物を有効成分とする動脈硬化性疾患の発症予防又は治療剤
JP2003081843A (ja) 2001-09-10 2003-03-19 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 有機ゲルマニウム化合物を有効成分とするii型糖尿病性腎症の発症予防又は治療剤。

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54115324A (en) * 1978-03-01 1979-09-07 Sato Ryuichi Organic germanium polymer
JPH0840916A (ja) * 1994-08-02 1996-02-13 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 3ーオキシゲルミルプロピオン酸化合物を主成分とする疣贅の発症予防及び治療剤
JPH0853352A (ja) * 1994-08-10 1996-02-27 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 3ーオキシゲルミルプロピオン酸化合物を主成分とする動物用薬剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014523906A (ja) * 2011-07-08 2014-09-18 ディフェンシン セラピューティクス アンパルトセルスカブ 炎症性腸疾患の経口治療

Also Published As

Publication number Publication date
EP2529743B1 (en) 2015-08-12
WO2011093308A1 (ja) 2011-08-04
US20120244102A1 (en) 2012-09-27
KR20120127430A (ko) 2012-11-21
EP2529743A1 (en) 2012-12-05
CA2783420A1 (en) 2011-08-04
CN102695515B (zh) 2015-03-25
AU2011211090A1 (en) 2012-07-12
ZA201204070B (en) 2013-03-27
EP2529743A4 (en) 2013-09-18
CN102695515A (zh) 2012-09-26
HK1173670A1 (en) 2013-05-24
AU2011211090B2 (en) 2014-04-24
JP2011153102A (ja) 2011-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101868991B1 (ko) 피라졸 유도체 및 그 의약용도
TW570794B (en) Pharmaceutical composition for preventing and treating gastrointestinal damage and disorders, ethanol withdrawal syndrome, or pain
US11033532B2 (en) Uses of benzimidazole derivative for nocturnal acid breakthrough
JP2014521658A5 (ja)
TW201636024A (zh) 阿吡莫德組成物及其使用方法
KR20170031786A (ko) 다발성 골수종을 치료하기 위한 약물 병용물
JP2013543849A (ja) 葉酸−抗体コンジュゲートおよびその使用
CN110325182A (zh) 使用多能抗炎和代谢调节剂治疗炎症相关病症的方法
JPH09227388A (ja) 大腸癌、食道癌及び乳癌より選ばれた癌に用いる抗悪性腫瘍剤
JP4620169B1 (ja) 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤
KR20150126595A (ko) 간 질환 또는 증상의 치료를 위한 용도 및 방법
CN102821761A (zh) 用于治疗疼痛和炎症的n-取代的苯丙酰胺或苯丙烯酰胺
JP7504077B2 (ja) 置換ベンズアミドおよび治療法におけるその使用
CA2576926A1 (en) Use of midostaurin for treating gastrointestinal stromal tumors
CN110958998B (zh) 毛兰素衍生物和使用毛兰素衍生物的方法
Fava et al. Single Nightly Administration of Ketoprofen (Orudis®) and Indomethacin Suppositories in the Management of Osteoarthritis: A Double-Blind Trial
JP2008247789A (ja) クローン病に伴う腸管狭窄の進展抑制用医薬組成物
JP2010536827A (ja) ある種の炎症性障害の治療に有用なカルボニルアミノ誘導体
Bates et al. Fluoroquinolone induced movement disorders: case report and literature review
TW201934123A (zh) 預防或治療癌症之包含pi3激酶抑制劑與細胞毒性抗癌物的醫藥組成物
JP2014530249A5 (ja)
CN109464441B (zh) 3-乙酰氨基香豆素在制备治疗或预防高尿酸血症及肾损伤的药物中的应用
Capulong Linsao Sigmoid Volvulus in Parkinson Disease, with Severe Hypokalemia and Hypomagnesemia Causing Cardiac Arrhythmia: A Case Report.
JPH0769895A (ja) 炎症性腸疾患治療剤
Lee et al. The Effects of Calcium Channel Blockers in Type II Achalasia.

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101027

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110217

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees