JPH1149683A - 3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤 - Google Patents
3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤Info
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- JPH1149683A JPH1149683A JP21518497A JP21518497A JPH1149683A JP H1149683 A JPH1149683 A JP H1149683A JP 21518497 A JP21518497 A JP 21518497A JP 21518497 A JP21518497 A JP 21518497A JP H1149683 A JPH1149683 A JP H1149683A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】
【化1】
(式中Rは−CH2CH2COOH、mはプロパゲルマニ
ウムプロピルエステルの重量平均分子量から換算した重
量平均重合度であり,137±84[平均値±標準誤差
(3σ)]を示す。) 最小構成単位 (O1/2)3GeCH2CH2COOH 実験式 C6H10Ge2O7 にて示される3ーオキシゲルミルプロピオン酸8員性構
造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤を
提供する。 【効果】有機ゲルマニウム化合物3−オキシゲルミルプ
ロピオン酸8員性構造体は、量依存的にインターロイキ
ン10産生を著しく増強する。従って、過剰な炎症反
応、インターロイキン10産生低下に起因するサイトカ
イン或いはケモカイン産生異常が引き起こす炎症性疾患
又は臓器障害に対して効果を有する。
ウムプロピルエステルの重量平均分子量から換算した重
量平均重合度であり,137±84[平均値±標準誤差
(3σ)]を示す。) 最小構成単位 (O1/2)3GeCH2CH2COOH 実験式 C6H10Ge2O7 にて示される3ーオキシゲルミルプロピオン酸8員性構
造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤を
提供する。 【効果】有機ゲルマニウム化合物3−オキシゲルミルプ
ロピオン酸8員性構造体は、量依存的にインターロイキ
ン10産生を著しく増強する。従って、過剰な炎症反
応、インターロイキン10産生低下に起因するサイトカ
イン或いはケモカイン産生異常が引き起こす炎症性疾患
又は臓器障害に対して効果を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、以下の立体構造式
にて示される3ーオキシゲルミルプロピオン酸8員性構
造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤等
に関するものである。
にて示される3ーオキシゲルミルプロピオン酸8員性構
造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤等
に関するものである。
【0002】
【化2】 (式中、Rは−CH2CH2COOH、mはプロパゲルマ
ニウムプロピルエステルの重量平均分子量から換算した
重量平均重合度であり、137±84[平均値±標準誤
差(3σ)]を示す。) 最小構成単位 (O1/2)3GeCH2CH2COOH 実験式 C6H10Ge2O7
ニウムプロピルエステルの重量平均分子量から換算した
重量平均重合度であり、137±84[平均値±標準誤
差(3σ)]を示す。) 最小構成単位 (O1/2)3GeCH2CH2COOH 実験式 C6H10Ge2O7
【0003】
【従来の技術】3-オキシゲルミルプロピオン酸は、複
雑な重合性を有する化合物として知られており、特公昭
57−53800号には各種構造体の存在の可能性が記
載されている。本発明者らは、さらに複数の構造体の存
在を発見し、高活性構造体を特定するに至った(特開平
7−238022号)。
雑な重合性を有する化合物として知られており、特公昭
57−53800号には各種構造体の存在の可能性が記
載されている。本発明者らは、さらに複数の構造体の存
在を発見し、高活性構造体を特定するに至った(特開平
7−238022号)。
【0004】また、この物質は抗ウイルス作用(特公昭
57−53800号)を初めとして、多様な薬理活性を
有することから、多くの用途に関する研究がなされてい
る。本発明者らは、インターフェロン産生増強作用(特
開平2−134818号)及びインターフェロン効果増
強作用(特開平7−238022号)を発見し、これを
開示してきた。しかし、その他のサイトカイン産生増強
作用については明らかにされていなかった。
57−53800号)を初めとして、多様な薬理活性を
有することから、多くの用途に関する研究がなされてい
る。本発明者らは、インターフェロン産生増強作用(特
開平2−134818号)及びインターフェロン効果増
強作用(特開平7−238022号)を発見し、これを
開示してきた。しかし、その他のサイトカイン産生増強
作用については明らかにされていなかった。
【0005】ところで、インターロイキン10(以下に
おいて、「IL−10」と略記する場合がある。)は、
生体の各組織・臓器等に炎症反応が起こったときに、動
物細胞が産生する抗炎症性作用を有する生理活性タンパ
ク質(サイトカイン)の一つとして知られており、炎症
反応を終結させる作用を有している。炎症反応は生体の
防御反応の一つであるので、その大きさが適度でありか
つ一時的であれば問題はない。ところが、起炎物質によ
っては生体が過剰な炎症反応を引き起こすことがあり、
このような場合には、通常のIL−10の産生量では炎
症反応を終結できなくなる。また、何らかの原因により
IL−10が生体から産生されなくなったり、産生され
ても通常の炎症反応における産生量より低下する場合も
あり、このような場合に生体は、炎症性疾患、臓器障害
等の疾患を引き起こすことになる。
おいて、「IL−10」と略記する場合がある。)は、
生体の各組織・臓器等に炎症反応が起こったときに、動
物細胞が産生する抗炎症性作用を有する生理活性タンパ
ク質(サイトカイン)の一つとして知られており、炎症
反応を終結させる作用を有している。炎症反応は生体の
防御反応の一つであるので、その大きさが適度でありか
つ一時的であれば問題はない。ところが、起炎物質によ
っては生体が過剰な炎症反応を引き起こすことがあり、
このような場合には、通常のIL−10の産生量では炎
症反応を終結できなくなる。また、何らかの原因により
IL−10が生体から産生されなくなったり、産生され
ても通常の炎症反応における産生量より低下する場合も
あり、このような場合に生体は、炎症性疾患、臓器障害
等の疾患を引き起こすことになる。
【0006】このような作用を持つIL−10は、過剰
な炎症反応、IL−10産生低下に起因するサイトカイ
ン或いはケモカイン産生異常が引き起こす炎症性疾患又
は臓器障害において、予防及び治療剤として有望視され
ており、その基礎研究が進められている。
な炎症反応、IL−10産生低下に起因するサイトカイ
ン或いはケモカイン産生異常が引き起こす炎症性疾患又
は臓器障害において、予防及び治療剤として有望視され
ており、その基礎研究が進められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IL−
10の生産や単離・精製工程において、純度や収率、経
済性等に問題が多く残されており、加えてIL−10を
直接投与した場合の安全性については確立されていな
い。本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであ
り、その目的は、過剰な炎症反応、IL−10産生低下
に起因するサイトカイン或いはケモカイン産生異常が引
き起こす炎症性疾患又は臓器障害の予防及び治療のため
の薬剤を提供することであり、IL−10の直接投与に
代わるIL−10産生増強剤を提供することにある。
10の生産や単離・精製工程において、純度や収率、経
済性等に問題が多く残されており、加えてIL−10を
直接投与した場合の安全性については確立されていな
い。本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであ
り、その目的は、過剰な炎症反応、IL−10産生低下
に起因するサイトカイン或いはケモカイン産生異常が引
き起こす炎症性疾患又は臓器障害の予防及び治療のため
の薬剤を提供することであり、IL−10の直接投与に
代わるIL−10産生増強剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、I
L−10の炎症性疾患及び臓器障害の発症における予防
及び治療剤としての可能性と共に、IL−10を直接投
与する際における種々の問題点を考慮し、3−オキシゲ
ルミルプロピオン酸のIL−10産生増強作用について
検討した。その結果、この物質は、IL−10投与が治
癒効果を有することが明らかにされている急性炎症動物
モデルを用いて、著しいIL−10産生増強作用を有す
ると共に、正常動物のIL−10産生には全く作用しな
いという現象を見いだし、本発明を完成するに至った。
L−10の炎症性疾患及び臓器障害の発症における予防
及び治療剤としての可能性と共に、IL−10を直接投
与する際における種々の問題点を考慮し、3−オキシゲ
ルミルプロピオン酸のIL−10産生増強作用について
検討した。その結果、この物質は、IL−10投与が治
癒効果を有することが明らかにされている急性炎症動物
モデルを用いて、著しいIL−10産生増強作用を有す
ると共に、正常動物のIL−10産生には全く作用しな
いという現象を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明に使用される3−オキシゲルミルプ
ロピオン酸化合物は、表1及び表2に記載された物理化
学的性質を有する。(表中、本物質はSK−818とし
て記載した。また、表1は光散乱法による分子量測定結
果を、表2は粉末X線解析により求めた格子定数を示
す。)
ロピオン酸化合物は、表1及び表2に記載された物理化
学的性質を有する。(表中、本物質はSK−818とし
て記載した。また、表1は光散乱法による分子量測定結
果を、表2は粉末X線解析により求めた格子定数を示
す。)
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】本発明による3−オキシゲルミルプロピオ
ン酸を実際にヒトに投与する場合は、この物質を0.005
〜5重量%に対して、作用活性化安定化担体を0.005〜50
重量%含む様に調製された作用活性組成物として使用さ
れることが好ましく、IL−10産生増強剤として提供
される。
ン酸を実際にヒトに投与する場合は、この物質を0.005
〜5重量%に対して、作用活性化安定化担体を0.005〜50
重量%含む様に調製された作用活性組成物として使用さ
れることが好ましく、IL−10産生増強剤として提供
される。
【0013】作用活性化安定化担体としては、乳糖・シ
ョ糖・デキストラン類等の糖類、ヒドロキシプロピルセ
ルロース等のセルロース系高分子性物質、アルブミン等
の天然性高分子物質が使用される。さらには、この作用
活性組成物に、一般に使用されている直接的治療効果の
高い薬剤類(たとえばアレルギー疾患であれば抗アレル
ギー剤、炎症疾患であれば抗炎症剤等)を混合製剤化す
る事もできる。この場合には、3−オキシゲルミルプロ
ピオン酸のIL−10産生増強活性により、前記薬剤類
の投与量を減少させることが可能となる。このため、従
来と同様の薬理効果を得ようとする場合には、前記薬剤
類の毒性が軽減される。つまり、3−オキシゲルミルプ
ロピオン酸の混合投与により、有効な治療効果と共に、
前記薬剤類の副作用の軽減を期待できる。
ョ糖・デキストラン類等の糖類、ヒドロキシプロピルセ
ルロース等のセルロース系高分子性物質、アルブミン等
の天然性高分子物質が使用される。さらには、この作用
活性組成物に、一般に使用されている直接的治療効果の
高い薬剤類(たとえばアレルギー疾患であれば抗アレル
ギー剤、炎症疾患であれば抗炎症剤等)を混合製剤化す
る事もできる。この場合には、3−オキシゲルミルプロ
ピオン酸のIL−10産生増強活性により、前記薬剤類
の投与量を減少させることが可能となる。このため、従
来と同様の薬理効果を得ようとする場合には、前記薬剤
類の毒性が軽減される。つまり、3−オキシゲルミルプ
ロピオン酸の混合投与により、有効な治療効果と共に、
前記薬剤類の副作用の軽減を期待できる。
【0014】本発明によるIL−10産生増強剤は、通
常は経口製剤として用いられるが、その他にも座剤、鼻
腔製剤、注射製剤等としても利用することができる。
常は経口製剤として用いられるが、その他にも座剤、鼻
腔製剤、注射製剤等としても利用することができる。
【0015】剤型及び投与量に関しては、本発明による
3−オキシゲルミルプロピオン酸は通常の剤型形態でも
使用できうるものであるが、配合する薬剤との特性に合
わせて腸溶性とすることもできる。なお、本発明薬剤を
ヒトに投与する場合の投与量としては、剤型・患者の年
齢等にも依存するが、1〜1500mgの範囲内にあ
り、成人(体重50kg)に対する経口投与では60〜
120mg/日が好ましい。
3−オキシゲルミルプロピオン酸は通常の剤型形態でも
使用できうるものであるが、配合する薬剤との特性に合
わせて腸溶性とすることもできる。なお、本発明薬剤を
ヒトに投与する場合の投与量としては、剤型・患者の年
齢等にも依存するが、1〜1500mgの範囲内にあ
り、成人(体重50kg)に対する経口投与では60〜
120mg/日が好ましい。
【0016】
【実施例】以下には、本発明に係る物質について、その
製造方法、薬効薬理試験及び製剤に関する例を挙げて、
本発明を更に詳細に説明する。
製造方法、薬効薬理試験及び製剤に関する例を挙げて、
本発明を更に詳細に説明する。
【0017】製造方法例 252g(1モル)の3−トリクロロゲルミルプロピオ
ン酸をエチルアルコール2リットル中に溶解させ、この
溶液温度を20℃に保ちつつ、水1.5リットルを数時
間をかけて添加する。一昼夜放置した後、吸引濾過器に
より結晶を濾取し、アセトンにて洗浄し減圧乾燥する事
により、収率90%で3-オキシゲルミルプロピオン酸
重合体を得た。得られた化合物について、光散乱法によ
り分子量を測定し、粉末X線解析により格子定数を求め
た。結果については、既に表1及び表2に示すとおりで
あった。
ン酸をエチルアルコール2リットル中に溶解させ、この
溶液温度を20℃に保ちつつ、水1.5リットルを数時
間をかけて添加する。一昼夜放置した後、吸引濾過器に
より結晶を濾取し、アセトンにて洗浄し減圧乾燥する事
により、収率90%で3-オキシゲルミルプロピオン酸
重合体を得た。得られた化合物について、光散乱法によ
り分子量を測定し、粉末X線解析により格子定数を求め
た。結果については、既に表1及び表2に示すとおりで
あった。
【0018】組成物製造例 ヒドロキシプロピルセルロース1重量に対して、本発明
に係る物質2重量をエタノールを湿潤剤として練合し、
50℃以下の温度で乾燥後、粉末または粒状の組成物を
得た。
に係る物質2重量をエタノールを湿潤剤として練合し、
50℃以下の温度で乾燥後、粉末または粒状の組成物を
得た。
【0019】 カプセル例 以下の処方で常法によりカプセル剤を調製した。 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体 10.0 乳糖 165.5 ヒドロキシプロピルセルロース 2.7 ステアリン酸マグネシウム 1.8 合計重量 180.0mg
【0020】 錠剤例 以下の処方により圧縮錠剤を調製した。 3−オキシゲルミルプロピオン酸重合体 10.0 乳糖 159.2 CMC−Na 8.0 軽質無水ケイ酸 2.0 ステアリン酸マグネシウム 1.8 合計重量 180.0mg
【0021】薬理試験例 試験例1 コンカナバリンA(以後ConAと略記する。)誘発急
性肝障害に対するSK−818の効果 (1)実験方法 BALB/cマウスを一群4匹とし、SK−818を単回経口
投与した。その3時間後にConA 0.4mgを静脈内投
与し、ConA投与後12時間目の血中IL−10及び腫
瘍壊死因子α(以後TNF−αと略記する。)及びグル
タミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(以後GPTと
略記する。)の濃度を市販のエンザイムイムノアッセイ
キット及びオートアナライザーで測定した。 (2)結果及び考察 下記の表3に結果を示した。ConA投与により、炎症
性サイトカインである血中TNF−α及び肝細胞障害の
指標となるGPTは著しく増加し急性肝炎が惹起され
た。SK−818によりIL−10産生は有意に増強さ
れ、一方、血中TNF−α濃度は有意に抑制された。そ
れに従い、血中GPT濃度は有意に低下し、急性肝炎の
進展が抑制された。
性肝障害に対するSK−818の効果 (1)実験方法 BALB/cマウスを一群4匹とし、SK−818を単回経口
投与した。その3時間後にConA 0.4mgを静脈内投
与し、ConA投与後12時間目の血中IL−10及び腫
瘍壊死因子α(以後TNF−αと略記する。)及びグル
タミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(以後GPTと
略記する。)の濃度を市販のエンザイムイムノアッセイ
キット及びオートアナライザーで測定した。 (2)結果及び考察 下記の表3に結果を示した。ConA投与により、炎症
性サイトカインである血中TNF−α及び肝細胞障害の
指標となるGPTは著しく増加し急性肝炎が惹起され
た。SK−818によりIL−10産生は有意に増強さ
れ、一方、血中TNF−α濃度は有意に抑制された。そ
れに従い、血中GPT濃度は有意に低下し、急性肝炎の
進展が抑制された。
【0022】
【表3】
【0023】試験例2 正常マウスに対するSK−818の効果 (1)実験方法 BALB/cマウスを一群10匹とし、SK−818を単回経口
投与した。その2時間及び12時間後の血中IL−10及
びTNF−α及びGPTの濃度を市販のエンザイムイム
ノアッセイキット及びオートアナライザーで測定した。 (2)結果及び考察 下記の表4に結果を示した。SK−818は正常マウス
に対して何ら作用しなかった。
投与した。その2時間及び12時間後の血中IL−10及
びTNF−α及びGPTの濃度を市販のエンザイムイム
ノアッセイキット及びオートアナライザーで測定した。 (2)結果及び考察 下記の表4に結果を示した。SK−818は正常マウス
に対して何ら作用しなかった。
【0024】
【表4】
【0025】試験例3 無処理及びリポポリサッカライド(以後において、「L
PS」と略記する。)刺激マウス腹腔マクロファージに
対するSK−818の効果 (1)実験方法 BALB/cマウスの腹腔にチオグリコレート培地を注射し4
日後の腹腔マクロファージを採取した。これを1×106細
胞/ウェルで24ウェル培養プレートに一群4ウェルでま
き、SK−818を添加した。SK−818添加と同時
にLPSを1μg/mlで添加し、培養24時間目の培養上清
中のTNF−α及びIL−10濃度を市販のエンザイム
イムノアッセイキットで測定した。 (2)結果及び考察 下記の表5に結果を示した。LPS添加により、マクロ
ファージはTNF−αを大量に産生した。SK−818
を添加するとIL−10産生が有意に増強され、TNF
−αは有意に低下し、炎症性サイトカインの産生を阻害
した。SK−818は無処理細胞に対して何ら作用しな
かった。
PS」と略記する。)刺激マウス腹腔マクロファージに
対するSK−818の効果 (1)実験方法 BALB/cマウスの腹腔にチオグリコレート培地を注射し4
日後の腹腔マクロファージを採取した。これを1×106細
胞/ウェルで24ウェル培養プレートに一群4ウェルでま
き、SK−818を添加した。SK−818添加と同時
にLPSを1μg/mlで添加し、培養24時間目の培養上清
中のTNF−α及びIL−10濃度を市販のエンザイム
イムノアッセイキットで測定した。 (2)結果及び考察 下記の表5に結果を示した。LPS添加により、マクロ
ファージはTNF−αを大量に産生した。SK−818
を添加するとIL−10産生が有意に増強され、TNF
−αは有意に低下し、炎症性サイトカインの産生を阻害
した。SK−818は無処理細胞に対して何ら作用しな
かった。
【0026】
【表5】
【0027】上記の試験例1〜3に示された結果は、生
体内実験及び試験管内実験において、本発明物質がIL
−10産生を著しく増加させる結果、マクロファージ等
の炎症性細胞が産生するTNF−α等のすべての炎症物
質の産生を抑制し、炎症及び臓器障害を抑制することを
示している。さらに、この作用は正常動物及び無刺激の
培養細胞には働かず、炎症性疾患に罹患していないヒト
に投与しても何ら毒性がないことを示している。
体内実験及び試験管内実験において、本発明物質がIL
−10産生を著しく増加させる結果、マクロファージ等
の炎症性細胞が産生するTNF−α等のすべての炎症物
質の産生を抑制し、炎症及び臓器障害を抑制することを
示している。さらに、この作用は正常動物及び無刺激の
培養細胞には働かず、炎症性疾患に罹患していないヒト
に投与しても何ら毒性がないことを示している。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、有機ゲルマニウム化合
物、3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体は、
生体内及び試験管内において、量依存的にIL−10産
生を著しく増強する。従来には、過剰な炎症反応、IL
−10産生低下に起因するサイトカイン或いはケモカイ
ン産生異常が引き起こす炎症性疾患又は臓器障害に対し
て、有効な治療薬及び予防薬がなかったが、本発明に係
る物質により、上記疾患に対する予防薬又は治療薬を提
供することができる。
物、3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体は、
生体内及び試験管内において、量依存的にIL−10産
生を著しく増強する。従来には、過剰な炎症反応、IL
−10産生低下に起因するサイトカイン或いはケモカイ
ン産生異常が引き起こす炎症性疾患又は臓器障害に対し
て、有効な治療薬及び予防薬がなかったが、本発明に係
る物質により、上記疾患に対する予防薬又は治療薬を提
供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 横地 祥司 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内 (72)発明者 橋本 洋幸 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】以下の立体構造式 【化1】 (式中、Rは−CH2CH2COOH、mはプロパゲルマ
ニウムプロピルエステルの重量平均分子量から換算した
重量平均重合度であり、137±84[平均値±標準誤
差(3σ)]を示す。) 最小構成単位 (O1/2)3GeCH2CH2COOH 実験式 C6H10Ge2O7 にて示される3ーオキシゲルミルプロピオン酸8員性構
造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の3ーオキシゲルミルプロ
ピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン
10産生増強作用による臓器障害の発症予防及び治療
剤。 - 【請求項3】 請求項1記載の3ーオキシゲルミルプロ
ピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン
10産生増強作用による炎症性疾患の発症予防及び治療
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21518497A JPH1149683A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | 3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21518497A JPH1149683A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | 3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1149683A true JPH1149683A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16668071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21518497A Pending JPH1149683A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | 3−オキシゲルミルプロピオン酸8員性構造体を主成分とするインターロイキン10産生増強剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1149683A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002193814A (ja) * | 2000-12-25 | 2002-07-10 | Asai Germanium Research Inst | 胆汁或いは胆汁色素の分泌促進剤 |
WO2011093308A1 (ja) | 2010-01-28 | 2011-08-04 | 株式会社 三和化学研究所 | 有機酸重合体を有効成分とするクローン病の予防又は治療剤 |
WO2015020040A1 (ja) | 2013-08-06 | 2015-02-12 | 国立大学法人九州大学 | 有機酸重合体を有効成分とする癌細胞の生着予防又は生着抑制のための医薬 |
JP2019189558A (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 株式会社浅井ゲルマニウム研究所 | 局所的炎症の抑制剤 |
-
1997
- 1997-08-08 JP JP21518497A patent/JPH1149683A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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