JP4616678B2 - 包装容器およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料、食品用途に使用される包装容器およびその製造方法に関する。
従来、飲料、食品用途に使用される包装容器としては、図9に示すように、有底円筒状の缶胴部32と、缶胴部32に繋がり、この缶胴部32より小さい外径を有するネック部33と、このネック部33の端部に形成された開口部34を備えた包装容器31が知られている。
この包装容器31の製造方法としては、特許文献1において、(1)カッピング、(2)絞り加工やしごき加工(以下、DI(Drawing and Ironing)加工という)、(3)塗装印刷、(4)ネッキング、フランジングの4つの工程で成されることが提案され、使用の際には、この包装容器内に飲料を充填した後、開口部に缶蓋(図示せず)を巻き締めて飲料缶とすることが提案されている。
また、別の製造方法として、缶底部およびネック部のシワ、またフランジ割れの発生を防止するために、特許文献2において、前記(4)ネッキング、フランジングを電磁成形で行う製造方法が提案されている。すなわち、前記(2)DI加工で作製されたDI缶の内側に通電コイルを介挿すると共に、外側に所望の型面を有する外型を囲繞させ、通電によって発生する電磁力の拡張作用でDI缶を外型に押し付け、DI缶にネッキング、フランジングを行う。
また、包装容器としては、図示しないが、その外観デザインの差別化の要求から、特許文献3において、包装容器の缶胴部に、その側壁を径方向の外側に膨出した拡径部を備え、その拡径部に複数の凹条部が形成された樽型形状の異形缶(包装容器)が提案されている。また、特許文献3では、この樽型形状の異形缶の製造方法として、以下に示すような記載がある。すなわち、有底筒状の缶胴の内側に張り出し成形ゴム型を介挿すると共に、外側に所望の型面を有する外型を囲繞させる。張り出し成形ゴム型を流体によって加圧し、張り出し成形ゴム型を膨らませてDI缶に内圧をかけ、DI缶を外型に押し付けて、拡径部および凹条部を成形する。
特開平11−169979号公報(段落番号0002、図3、図4) 特開平09−29370号公報(請求項1、図1) 特開平11−91756号公報(請求項1、段落番号0018〜0023、図1〜図4)
しかしながら、図9(a)、(b)に示すように、包装容器31においては、その缶胴部32の側壁肉は均一ではなく、中央部P5(側壁肉t2)がネック部に近い上部P4(側壁肉t1)および缶底部に近い下部P6(側壁肉t3)より薄くなり、最薄肉部が缶胴部32の最大外径部に存在する。その結果、飲料充填後の包装容器31の流通段階において、缶同士の側壁接触または突起物等の側壁接触によって側壁が損傷し、図9(c)に示すように、飲料Wの漏れが発生する原因を生じさせる可能性があった。
また、拡径部を備えた異形缶においても、拡径部は径方向に張出変形した部分であるため、当然、拡径部の側壁厚は薄くなりやすく、その拡径部は缶胴部の最大外径部となる。その結果、包装容器31と同様に飲料漏れが発生する原因となる場合があり、その原因となる可能性は、異形缶においては缶同士または突起物が局所的に接触するため、包装容器31よりも漏れの危険性が高くなるという問題があった。
また、異形缶の製造においては、張り出し成形ゴム型等の弾性部材を膨らませることよって拡径部を形成するため、拡径部成形速度が遅く(一般的には、数秒〜数十秒)、側壁に局所変形が生じやすいため、破断限界が低くなり成形加工不良が発生するという問題があった。さらに、弾性部材であるゴムは磨耗劣化しやすく、製造される異形缶の内面に異物として付着、または、接触キズをつけるとういう危険性が払拭できない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、飲料漏れの危険性を回避できる包装容器、および、そのような包装容器を、成形加工不良を発生させることなく、また、容器内面への汚染やキズを発生させることなく製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、アルミニウム合金板からなり、有底筒状の缶胴部と、前記缶胴部に連続して当該缶胴部の最大外径より小さい外径を有するネック部と、このネック部の端部に形成された開口部とを備えた包装容器であって、前記缶胴部は、その側壁の肉厚が最も薄くなる位置に、当該側壁が径方向内側に湾曲する湾曲部を周方向にわたって備える包装容器として構成したものである。
このように構成すれば、缶胴部の側壁の肉厚が湾曲部で最も薄くなることによって、缶胴部の最大外径部に最薄肉部が存在することがないため、包装容器の流通段階で容器同士、または突起物等が接触しても、はじめに湾曲部以外の缶胴部が接触し、最薄肉部に他の容器または突起物等が接触することを極力防いでいる。
請求項2に記載の発明は、湾曲部は、軸方向に平行な断面において、軸方向に平行な直線を含む曲線で形成される湾曲形状を有する包装容器として構成したものである。このように構成すれば、包装容器の外観デザインが向上すると共に、持ち易さが向上する。
請求項3に記載の発明は、前記湾曲部は、その側壁に複数の凹条部が形成されている包装容器として構成したものである。このように構成すれば、包装容器の電磁成形または飲料充填の際に負荷される荷重に耐える側壁形状を得ることができる。また、縮径による電磁成形の際、シワの発生を防止できる。
請求項4に記載の発明は、前記アルミニウム合金板は、JIS規定の3000系アルミニウム合金からなる包装容器として構成したものである。このように構成すれば、包装容器の成形加工性、破断限界が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4に記載の包装容器の製造方法であって、アルミニウム合金板をしごき加工することによって、有底筒状のDI缶を作製する第1工程と、前記DI缶を電磁成形することによって、前記湾曲部を備えた前記缶胴部を成形し、包装容器を作製する第2工程とを含み、前記電磁成形は、前記DI缶の内側に通電コイルを同軸に介挿すると共に、前記DI缶の外側に、前記湾曲部に対応した膨出部が形成された型面を有する外型を同軸に囲繞させ、前記通電コイルへの通電によって生じる電磁力により、前記DI缶を拡径し、その側壁を前記外型に押し付けて、包装容器を作製する包装容器の製造方法として構成したものである。
このように構成すれば、電磁成形の際、DI缶が瞬時に拡径するため成形速度が速く、包装容器の側壁に局所変形が生じ難く、破断限界(側壁強度)が向上する。また、湾曲部の成形の際にはDI缶内面に接触する部材が存在しないため、成形される包装容器の内面に異物等が付着することがなく、または、接触キズが発生することがない。さらに、他の容器または突起物が接触する最大外径部が十分な肉厚に成形されるため、側壁が損傷する原因を回避できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項4に記載の包装容器の製造方法であって、アルミニウム合金板をしごき加工することによって、有底筒状のDI缶を作製する第1工程と、前記DI缶を電磁成形することによって、前記湾曲部を備えた前記缶胴部を成形し、包装容器を作製する第2工程とを含み、前記電磁成形は、前記DI缶の内側に、前記湾曲部と対応した凹部が形成された外周面を有する中子(例えば、収縮可能なもの)を同軸に介挿すると共に、前記DI缶の外側に通電コイルを同軸に囲繞させ、前記通電コイルへの通電によって生じる電磁力により、前記DI缶を縮径し、その側壁を前記中子に押し付けて、包装容器を作製する包装容器の製造方法として構成したものである。
このように構成すれば、電磁成形の際、DI缶が瞬時に縮径するため成形速度が速く、包装容器の側壁に局所変形が生じ難く、破断限界(側壁強度)が向上する。また、他の容器または突起物が接触する最大外径部が十分な肉厚に成形されるため、側壁が損傷する原因を回避できる。
請求項1ないし請求項4に記載の包装容器によれば、飲料漏れの危険性を回避できる。加えて、請求項2に記載の包装容器によれば、外観デザイン等に優れ、請求項3または請求項4に記載の包装容器によれば、成形加工性および破断限界に優れる。
また、請求項5または請求項6に記載の包装容器の製造方法によれば、飲料漏れの危険性を回避できる包装容器を、成形加工不良を発生させずに、また、容器内面への汚染やキズを発生させずに製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は包装容器の構成を示す斜視図、図2は、包装容器の別の形態の構成を示す斜視図、図3は図2の缶胴部のX−X線における断面図、図4は包装容器の製造方法の概略を模式的に示す説明図、図5は図4(e)の電磁成形を模式的に示す説明図、図6は電磁成形の別の形態を模式的に示す説明図、図7(a)は図5における缶側壁の肉厚の変化を示す説明図、(b)は図6における缶側壁の肉厚の変化を示す説明図、図8(a)は包装容器の構成を示す正面図、(b)、(c)は包装容器の別の形態の構成を示す正面図である。
<包装容器>
図1に示すように、アルミニウム合金板からなる包装容器1は、缶胴部2と、ネック部3と、開口部4とを備え、さらに、缶胴部2は湾曲部5を備える構成とした。まず、包装容器1について詳細に説明する。
(アルミニウム合金板)
アルミニウム合金板は、板厚0.25〜0.5mmのものを使用することが好ましい。板厚0.25mm未満では包装容器の側壁強度が不足し、成形加工不良、および、流通段階での破損、液漏れ等が発生しやすく、板厚0.5mmを超えると包装容器の側壁が過剰に厚くなり経済的でない。また、合金板を構成するアルミニウム合金は、JIS規定の3000系アルミニウム合金が好ましく、3004または3104合金がより好ましく、Cu:0.05〜0.25質量%、Mg:0.8〜1.3質量%、Mn:0.8〜1.5質量%、Fe:0.3〜0.7質量%、Si:0.15〜0.40質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金が最も好ましい。前記アルミニウム合金で構成されることによって、包装容器の成形加工性、および側壁強度が向上する。
(缶胴部)
缶胴部2は、有底筒状に構成され、好ましくは円筒状で、その外径(最大外径)D1は、飲料、食品用途に適した、例えば、51〜67mmである。そして、缶胴部2の側壁の一部に後記する湾曲部5を備える。また、缶胴部2は、その一端(下端)側に、缶底部8を一体に備えている。この缶底部8は、後記する製造方法において、DI缶作製の際に、側壁と連続して成形したものでもよい。
(ネック部)
ネック部3は、前記缶胴部2に連続して、缶胴部2の外径(最大外径)D1より小さい外径を有するように構成される。図1においては、缶胴部2の外径を多段階的に減少させているが、連続的に減少したテーパ状に構成してもよい。
(開口部)
開口部4は、前記ネック部3の端部に形成され、その外径D2は、前記缶胴部2の外径(最大外径)D1に対する絞り比R=((D1−D2)/D1)×100(%)によって設定される。そして、図1に示す包装容器1では、絞り比Rが一般的に9〜20%である。また、開口部4の端部にフランジ部7を備えてもよい。そして、包装容器1は、容器内に飲料が充填された後、缶蓋(図示せず)がフランジ部7に巻き締められる。
(湾曲部)
湾曲部5は、缶胴部2の所定範囲における側壁を径方向内側に湾曲させたもので、缶胴部2の周方向にわたって形成される。そして、缶胴部2の側壁の肉厚が最も薄くなる位置に、湾曲部5が形成されるように構成される。このように湾曲部5を形成することによって、側壁肉厚の最薄肉部が缶胴部2の最大外径部に存在しなくなる。その結果、包装容器の流通段階で容器同士、または突起物等が接触しても、最薄肉部に他の容器または突起物が接触することを極力防止でき、側壁が損傷する原因を回避できる。湾曲部5の径方向内側への深さhは、2〜10mmが好ましい。
深さhが2mm未満では、最薄肉部(湾曲部5)への他の容器または突起物等の接触を回避しにくい。深さhが10mmを超えると、後記するDI缶の電磁成形(図5、図6参照)において、DI缶の拡径時に破断限界に達し割れが生じたり、縮径時にしわが発生する等して、作製される包装容器が形状不良になりやすい。また、DI缶が拡径する電磁成形(図5、図7(a)参照)においては、缶胴部の最大外径部(上部P1および下部P3)の側壁肉厚(T4、T6)が薄くなりやすく、包装容器の流通段階で側壁が損傷しやすくなる。
図8(a)に示すように、湾曲部5は、軸方向に平行な断面において、曲線のみで形成される湾曲形状を有し、開口部4側から缶底部8側に向かって径方向に外径が縮小する縮径部5aと、径方向に外径が拡大する拡径部5bとが滑らかに連続して形成されたものである。しかしながら、湾曲部5は、缶胴部2の最大外径D1より小さい外径を有し、缶胴部2において最小となる外径D3を有するように径方向に湾曲したものであれば、図8(a)の形状に限定されない。例えば、図8(b)に示すように、湾曲部5は、軸方向に平行な断面において、軸方向に平行な直線を含む曲線で形成される湾曲形状を有してもよく、縮径部5aと拡径部5bとが、径方向に外径が変化せず、かつ湾曲部5の中で最小となる外径D3を有する同径部5cを介して滑らかに連続して形成されたものであってもよい。そして、図8(b)に示す湾曲部5では、同径部5cに側壁の肉厚が最も薄くなる最薄肉部が形成されることが好ましい。
図2に示すように、包装容器1aは、湾曲部5の側壁に複数の凹条部6が形成されていてもよい。図2において、前記包装容器1と同一構成については同一符号を付し、同一構成の説明を省略する。
(凹条部)
凹条部6は、湾曲部5の軸方向に向けて、湾曲部5の側壁に筋条に延在し、湾曲部5の径方向内側へ凹み(深さa)、湾曲部5の周方向に等間隔bに形成されている。図3に示すように、深さaは2〜8mm、間隔bは2〜35mmが好ましい。深さaが2mm未満または間隔bが2mm未満では、電磁成形の際、成形加工性が向上しにくく、かつ、飲料充填の際、軸荷重も向上しにくい。深さaが8mmを超える、または間隔bが35mmを超えると、凹条部6の形成が困難になりやすい。
凹条部6は、包装容器の破断限界が向上できれば、前記の形態に限定されない。例えば、凹条部6は、図示しないが、周方向に異なる間隔で複数形成、周方向の一部に形成、湾曲部5の軸に対して所定角度で傾斜して形成された形態でもよい。また、湾曲部5の軸に対して所定角度で傾斜した2種の凹条部を格子状に交差させた形態でもよい。
本発明に係る包装容器は、図8(c)に示すように、側壁を軸方向に凹ませた凹陥部9を備え、凹陥部9が缶胴部2の最薄肉部を除く部分に形成されている包装容器1bであってもよい。凹陥部9の形成により、包装容器1bの外観デザインの選択幅が拡がると共に、包装容器の持ち易さ等が向上する。そして、凹陥部9は周方向に連続して形成されたもの、または、周方向に所定間隔をおいて不連続に形成されたものが好ましいが、外観デザイン等が向上できれば前記に限定されない。
<包装容器の製造方法>
次に、包装容器の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、有底筒状のDI缶を作製する第1工程と、前記DI缶を電磁成形することによって、前記構成の包装容器を作製する第2工程とを含むものである。
(第1工程)
アルミニウム合金板を絞り加工やしごき加工することによって有底筒状のDI缶を作製する。例えば、以下の手順でDI缶が作製される。
(1)図4(a)に示すように、アルミニウム合金板をプレスにより打ち抜いて、円形のブランク材ALを作成する。
(2)図4(b)に示すように、ブランク材ALをドロー成形ないしリドロー成形を経て、カップ材を成形する(カッピング)。
(3)図4(c)に示すように、カップ材をDIプレスのタンデム式しごきダイに供給して、連続的に深絞り加工およびしごき加工を施して、DI缶2aを成形する(DI成形)。そして、図4(d1)に示すように、DI缶2a端部に形成された耳をトリミングにより除去する(トリミング)。
ここで、DI缶2aの外径は、後記する第2工程の電磁成形方法を考慮して所定径に設定される。また、通常缶底部8(図1参照)はDI成形と同時に成形される。
トリミング後、通例では洗浄・化成処理、外面印刷・焼付、内面塗装・焼付を行い、その後電磁成形を行う。ここで内面塗装・焼付は電磁成形後に行ってもよい。また、図4(d2)に示すように、内面塗装、焼付、ネッキング、フランジング加工をした後に電磁成形を行ってもよい。
(第2工程)
図4(e)、(f)に示すように、前記第1工程で作製されたDI缶2aを電磁成形することによって、湾曲部5を備えた缶胴部2を成形すると同時に、ネック部3および開口部4を成形し、包装容器1を作製する(図1参照)。また、ネック部3、開口部4およびフランジ部7の成形加工を第2工程(電磁成形)の前後で行ってもよい。
(電磁成形)
電磁成形手順について、図5を参照して説明する。
(1)DI缶2aの内側に、通電コイル21を同軸に介挿する。
(2)DI缶2aの外側に、湾曲部5に対応した膨出部22aとネック部3に対応した傾斜部22bが形成された型面を有する一対の外型22、22を同軸に囲繞させる。
(3)通電コイル21に通電すると、その周囲に磁界が発生する。このとき、通電コイル21の磁界の中に配置されたDI缶2aには、通電コイル21の磁界の変化を妨げる方向に誘導電流が流れ、この誘導電流はフレミングの左手の法則に従った電磁力を発生する。この電磁力は、図5の配置ではDI缶2aを拡径する方向に作用するため、DI缶2aの側壁が外型22、22に押し付けられて、湾曲部5、ネック部3および開口部4が瞬間的に成形され、包装容器1(図1参照)が作製される。
また、外型22の膨出部22a(型面)に、前記凹条部6(図2参照)に対応した凸条部(図示せず)を形成、さらに、外型22の型面に、フランジ部7に対応した傾斜部を形成し、ネック部3および開口部4と同時に、凹条部6、フランジ部7を成形してもよい。なお、前記したように、電磁成形の前後で、ネック部3、フランジ部7の成形加工を行った場合には、外型22の型面に、ネック部3、およびフランジ部7に対応した傾斜部を設ける必要はない。
ここで、図7(a)に示すように、電磁成形前のDI缶の側壁の肉厚は、前記したように中央部(肉厚T2)が上部および下部(肉厚T1および肉厚T3)に比べて薄い状態(T2<(T1、T3))にある。そして、電磁成形により、包装容器の側壁の肉厚は、中央部P2(肉厚T5)は変わらないが、上部P1および下部P3(肉厚T4および肉厚T6)が肉厚T1、T3に比べて薄くなる。しかしながら、肉厚T4、T6は、肉厚T5より厚く、また、側壁強度も十分有した肉厚である。その結果、流通段階等で最薄肉部(肉厚T5)が他の包装容器または突起物等と接触する可能性を低くすることができる。また、他の包装容器または突起物等が接触する最大外径部(P1、P3)も十分な肉厚に成形されるため、側壁が損傷する原因を回避できる。また、DI缶2aの拡径速度は数マイクロ秒と非常に速いため、包装容器1の側壁に局所変形が生じ難くなり、破断限界(側壁強度)も向上する。
また、電磁成形として、図6に示すような手順であってもよい。
(1)DI缶2aの内側に、湾曲部5と対応した凹部23aとネック部3に対応した傾斜部23bとが形成された外周面を有する中子23を同軸に介挿する。
(2)DI缶2aの外側に、通電コイル21を同軸に囲繞させる。
(3)通電コイル21に通電する。前記と同様に、DI缶2aに、通電コイル21の磁場の変化を妨げる方向に誘導電流が流れ、電磁力が発生する。この電磁力は、図6の配置ではDI缶2aを縮径する方向に作用し、DI缶2aの側壁が中子23に押し付けられて、湾曲部5、ネック部3および開口部4が瞬間的に成形され、包装容器1が作製される(図1参照)。
ここで、図7(b)に示すように、電磁成形後も、包装容器の側壁の肉厚は、上部P1および下部P3(肉厚T7および肉厚T9)において変化はなく、中央部P2(肉厚T8)も縮径成形によりT2以上の肉厚となる。その結果、流通段階等で最薄肉部(肉厚T8)が他の包装容器または突起物等と接触する可能性を低くすることができる。また、他の容器または突起物が接触する最大外径部(P1、P3)の肉厚T7、T9が十分な肉厚に維持されるため、側壁が損傷する原因を回避できる。また、DI缶2aの縮径速度は数マイクロ秒と非常に速いため、包装容器1の側壁に局所変形が生じ難くなり、破断限界(側壁強度)も向上する。
本発明に係る包装容器の構成を示す斜視図である。 本発明に係る包装容器の別の形態の構成を示す斜視図である。 図2の缶胴部のX−X線における断面図である。 (a)〜(f)は、本発明に係る包装容器の製造方法の概略を模式的に示す説明図である。 図4(e)の電磁成形を模式的に示す説明図である。 電磁成形の別の形態を模式的に示す説明図である。 (a)は図5における缶側壁の肉厚の変化を示す説明図、(b)は図6における缶側壁の肉厚の変化を示す説明図である。 (a)は本発明に係る包装容器の構成を示す正面図、(b)、(c)は包装容器の別の形態の構成を示す正面図である。 (a)は従来の包装容器の構成を示す斜視図、(b)は缶側壁の肉厚バラツキを示す一部断面図、(c)は包装容器の流通段階での飲料漏れを模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1、1a、1b 包装容器
2 缶胴部
2a DI缶
3 ネック部
4 開口部
5 湾曲部
6 凹条部
7 フランジ部
8 缶底部
1 外径(最大外径)
2、D3 外径
a、h 深さ
b 間隔

Claims (6)

  1. アルミニウム合金板からなり、有底筒状の缶胴部と、前記缶胴部に連続して当該缶胴部の最大外径より小さい外径を有するネック部と、このネック部の端部に形成された開口部とを備えた包装容器であって、
    前記缶胴部は、その側壁の肉厚が最も薄くなる位置に、当該側壁が径方向内側に湾曲する湾曲部を周方向にわたって備えることを特徴とする包装容器。
  2. 前記湾曲部は、軸方向に平行な断面において、軸方向に平行な直線を含む曲線で形成される湾曲形状を有することを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
  3. 前記湾曲部は、その側壁に複数の凹条部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装容器。
  4. 前記アルミニウム合金板は、JIS規定の3000系アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の包装容器。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載の包装容器の製造方法であって、
    アルミニウム合金板をしごき加工することによって、有底筒状のDI缶を作製する第1工程と、前記DI缶を電磁成形することによって、前記湾曲部を備えた前記缶胴部を成形し、包装容器を作製する第2工程とを含み、
    前記電磁成形は、前記DI缶の内側に通電コイルを同軸に介挿すると共に、前記DI缶の外側に、前記湾曲部に対応した膨出部が形成された型面を有する外型を同軸に囲繞させ、前記通電コイルへの通電によって生じる電磁力により、前記DI缶を拡径し、その側壁を前記外型に押し付けて、包装容器を作製することを特徴とする包装容器の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項4に記載の包装容器の製造方法であって、
    アルミニウム合金板をしごき加工することによって、有底筒状のDI缶を作製する第1工程と、前記DI缶を電磁成形することによって、前記湾曲部を備えた前記缶胴部を成形し、包装容器を作製する第2工程とを含み、
    前記電磁成形は、前記DI缶の内側に、前記湾曲部と対応した凹部が形成された外周面を有する中子を同軸に介挿すると共に、前記DI缶の外側に通電コイルを同軸に囲繞させ、前記通電コイルへの通電によって生じる電磁力により、前記DI缶を縮径し、その側壁を前記中子に押し付けて、包装容器を作製することを特徴とする包装容器の製造方法。
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