JPH1094848A - シームレス缶側壁部への凹凸模様成形方法 - Google Patents
シームレス缶側壁部への凹凸模様成形方法Info
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- JPH1094848A JPH1094848A JP26912996A JP26912996A JPH1094848A JP H1094848 A JPH1094848 A JP H1094848A JP 26912996 A JP26912996 A JP 26912996A JP 26912996 A JP26912996 A JP 26912996A JP H1094848 A JPH1094848 A JP H1094848A
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Abstract
に高低差の大きい凹凸模様を形成する。 【解決手段】 胴部内面に、膨出加工前のシームレス缶
の缶胴外径より小径の凸部を含む凹凸を有する割金型を
用い、その金型内面の凸部をシームレス缶の胴部に押圧
して、該缶胴部の一部を凹まし、ついで、該缶内部に流
体及び/又は弾性体部材を入れ、該部材を加圧して、該
缶側壁部を該金型内面側に膨出させ、該缶側壁部に、張
出し形状の凸部と引込形状の凹部とを形成する。
Description
壁部への凹凸模様の成形方法に関する。なお、シームレ
ス缶とは、底部と胴部とが一体となっている継ぎ目無し
缶である。
やアルミニウム板を有底円筒状に深絞り加工し、更に、
しごき加工して、シームレス缶が一般に製造されてい
る。しかし、これらの飲料缶は、ほぼ同一の形状である
ため、大量に、かつ、安価に生産されるが、反面、これ
らのシームレス缶の形状は個性がない。そこで、飲料缶
に飲料を充填して販売する飲料メーカーは、商品の個別
化や差別化を目的として、個性的な形状で、しかも、安
価な缶を要望している。
の1つとして、エキスパンド金型を使った膨出加工ある
いは加圧により大きく変形する液体や気体またはゴム等
の弾性体を使った膨出加工(バルジ加工)が知られてい
る。
は、しごき限界までしごき加工され伸ばされて、壁厚を
薄くされ、材料を節約されるとともに、加工硬化により
強度が増されている。
な残留応力が残っているので、そのまま従来の飲料缶に
膨出加工を行うと、所望の凹凸模様を得る前に、缶胴部
に破断が生じることがある。
膨出加工量を減らした成形を行うか、あるいは、膨出加
工前に焼鈍処理を行い、残留応力を取り除くとともに材
料の伸びを増大させる必要がある。しかしながら、前者
のように膨出加工量を減らし膨出加工をすれば、凹凸の
高低差が小さく、個性的なデザイン面が得られないとい
う欠点がある。一方、後者のようにシームレス缶を焼鈍
すると、缶強度や耐圧力が減少し、缶のネックイン加工
時のネックイン加工力や缶蓋巻締め時のリフター圧力に
より、缶胴部が座屈したり、あるいは、缶に飲料を充填
し密封した後に、缶内圧により、缶底がバックリングす
るという欠点がある。これらの欠点を解消するために、
缶胴部の壁厚を厚くして強度不足を補おうとすると、材
料が余分に必要となるため、材料コストが高くなり、不
経済となる。
き加工缶についての膨出加工は、ほとんど実施されてい
なかった。しかし、絞り加工及びしごき加工缶について
の膨出加工の提案が、特公昭59ー18261号公報及
び特開昭61ー27124号公報に開示されている。前
者は、絞り加工及びしごき加工により成形した缶の内外
面へ印刷、塗装し、その後に、これを乾燥する乾燥炉を
使って、絞り加工及びしごき加工時に生じた残留応力を
減少させてから、缶を割金型に入れ、続いて、缶内に弾
性体を挿入し、この弾性体を上方からの圧力により缶軸
に直交する方向に膨出変形させ、この弾性体の押圧力に
より、缶胴部に缶軸に直交する方向の押圧力を加えて金
型の内面形状に対応した膨出加工を行うものである。後
者は、缶胴部の膨出加工をしようとする部分にのみ単時
間の高周波誘導加熱することにより不完全焼鈍処理を行
なった後に、缶を割金型に入れ、続いて、缶内に弾性体
を挿入し、この弾性体を上方からの圧力により缶軸に直
交する方向に膨出変形させ、この弾性体の押圧力によ
り、缶胴部に缶軸に直交する方向の押圧力を加えて金型
の内面形状に対応した膨出加工を行うものである。
成形方法は、十分な膨出量の加工ができないという問題
がある。もし膨出量を増すために加熱温度を上げると、
缶底部の耐圧強度が低下するという問題がある。
き缶の加工工程に、膨出加工工程だけでなく、特別の熱
処理工程も追加する必要があり加工コストが増加すると
いう問題がある。しかも、高額の高周波誘導加熱装置が
必要であり、前者に比べ製造コストが高くなり、実用的
でないという問題がある。
対し焼鈍処理を行なわずに、膨出量が大きく、凹凸の高
低差を大にする膨出加工方法を提供するにある。
缶の側壁部への凹凸模様成形方法のうち請求項1に係る
ものは、焼鈍処理を経ていない有底略円筒状のシームレ
ス缶を割金型内に配置し、次に当該シームレス缶内に流
体及び弾性体の中から選ばれる少なくとも1以上の部材
を導入して当該部材を加圧することにより、当該部材の
圧力で当該シームレス缶の側壁部を割金型内面側に膨出
させて当該シームレス缶の側壁部を割金型内面に押圧し
密着させ、当該シームレス缶側壁部を割金型内面形状に
膨出加工する方法において、当該割金型として、底部内
面には、配置するシームレス缶の缶底形状に対応した形
状を備え、胴部内面には、膨出加工前のシームレス缶の
缶胴外径よりも小さい径の凸部を含む凹凸を有するもの
を用い、当該割金型を開き、次に、当該割金型の間に当
該シームレス缶を配置し、続いて、当該割金型を閉じ
て、当該割金型内面の凸部を当該シームレス缶の胴部に
接触させて押圧し、当該シームレス缶の胴部の一部を凹
まし、その後に、当該シームレス缶の内部に当該部材を
導入すると同時又は導入した後に当該部材を加圧して、
当該シームレス缶の側壁部を割金型内面側へ膨出させ、
当該シームレス缶の側壁部を割金型内面に押圧し密着さ
せて、張り出し形状の凸部と引っ込み形状の凹部とを有
する凹凸模様を当該シームレス缶の側壁部に形成するこ
とを特徴とする。
模様成形方法のうち請求項2に係るものは、割金型の間
に配置されている当該シームレス缶が、絞り加工としご
き加工とにより成形された缶であることを特徴とする。
ームレス缶の側壁部への凹凸模様の成形方法について図
面を参照して説明する。
る。シームレス缶1は缶底部101と缶胴部102を備
えた有底円筒形状である。このシームレス缶として、ア
ルミニウム合金3004−H191の板厚0.3mm材
を用いて、缶高134mm、胴部厚0.155mm、ネ
ック部(図2の開口部103とその下方の傾斜している
部分)厚0.165mmで、缶胴外径が60mmの絞り
しごき缶(比較例)と、缶胴外径が62mmであること
以外は比較例と同じである絞りしごき缶(実施例)とを
準備した。なお、シームレス缶としては、2回以上の絞
り加工(ストレッチ加工を行う場合を含む)を施した深
絞り缶でも良く、また、缶材料としては、錫メッキ鋼板
や電解クロム酸処理鋼板等の表面処理鋼板も使用でき
る。
るから、膨出加工する前に、図1に示すシームレス缶の
状態で、缶胴部外面に予め印刷しておくのが望ましい。
また、印刷済みの熱可塑性の合成樹脂フィルムを缶胴部
外面に貼着する場合には、膨出加工後の凹凸のある缶胴
部に合成樹脂フィルムを貼着しにくいので、膨出加工す
る前に、図1に示すシームレス缶の状態で、缶胴部外面
に予め合成樹脂フィルムを貼着しておくのが望ましい。
いずれにしても、膨出加工のために割金型を使用するの
で、缶胴部外面及び金型内面の傷発生防止の観点から、
缶の外面が金型の内面と直接に接触するのは好ましくな
い。この観点からも、膨出加工前のシームレス缶の缶胴
部には、塗料を塗布し、または合成樹脂フィルムを貼着
するのが好ましい。
る時に、缶の開口部103の材料が引き込まれるが、そ
の引き込まれ量が缶の円周方向で不均一である(金属板
の圧延方向の伸び率と圧延方向に対し45°の方向の伸
び率が不均一である)ことに起因する缶の高さのバラツ
キが生ずるのを防ぐために、膨出加工前に開口部103
を加工硬化させるべく、開口部をネックイン加工するの
が好ましい。図2は、ネックイン加工された缶の軸を通
る断面図である。シームレス缶1の開口部103は、口
絞りされ、開口部103の外径は缶胴部の外径より小さ
くされている。
トパンチが缶内に挿入されるが、ノックアウトパンチと
缶の金属素地とが直接に接触しないように、缶内面に予
め塗料を塗布しておくか、あるいは、シームレス缶成形
用原材料の板材に予め熱可塑性の合成樹脂フィルムを貼
着しておき、合成樹脂フィルム貼着面が缶内面側になる
ように絞り加工してシームレス缶を製造して、缶内面に
合成樹脂フィルムを形成しておくのが望ましい。
装を施した後に、250℃で6秒間乾燥し、缶内面にエ
ポキシ−フェノール系塗料をスプレー塗装した後に、2
30℃で60秒間乾燥させ、その後にネックイン加工し
た。
缶の側壁部への凹凸模様成形方法において用いた割金型
の正面断面図である。割金型2は2分割型であり、その
片方を図3に示している。割金型2は胴部201と底部
202と組立部203とからなる。割金型2の底部20
2の形状は、缶底部の形状に対応した雌型となってい
る。割金型2の胴部201の形状は、缶胴部の形状にほ
ぼ一致した2分割の円柱状の雌型となっており、概ねそ
の中心軸に平行方向に伸びる凸部210と凹部211が
交互に繰り返す凹凸模様が雌型に形成されている(凸部
210と凹部211は共に胴部201の中央部分がくび
れた形状となっている。)。凹凸模様の凸部210の先
端直径(各凸部210の先端を結ぶ仮想円の直径)は6
0.7mmであり、凹凸模様の凹部211の底直径(各
凹部211の底を結ぶ仮想円の直径)は64.6mmで
ある。即ち、割金型2の胴部201の最小径は、凹凸模
様の凸部210の先端において、60.7mmであり、
割金型2の胴部の最大径は、凹凸模様の凹部211の底
において、64.6mmである。従って、実施例のシー
ムレス缶の缶胴部の直径(62mm)は、割金型2の胴
部201の最小径よりも大きいが、割金型2の胴部20
1の最大径よりも小さい。一方、比較例のシームレス缶
の缶胴部の直径(60mm)は、割金型2の胴部201
最大径よりも小さいだけでなく、割金型2の胴部201
の最小径よりも小さい。
実施例のシームレス缶1を挿入する。その際、シームレ
ス缶を挿入した割金型2に面している側のシームレス缶
1の缶胴部102の一部は、その割金型2の胴部201
の凸部210と接触しているが、シームレス缶1の缶胴
部102の大部分は、割金型2の胴部201の凹部21
1とは接触せず、隙間がある。また、シームレス缶1の
缶底部101の半分は、挿入した割金型2の底部202
に接触しているし、シームレス缶1のネックイン加工さ
れた傾斜部分とその上方の開口部103の半分は、挿入
された割金型2の内面と接触している。次に、割金型2
を閉じると、割金型2の胴部201の凹凸模様の凸部2
10が実施例のシームレス缶1の缶胴部102の一部を
内方へ押圧するので、シームレス缶1の缶胴部102の
一部にくぼみ110が形成される。図5(a)は、本発
明の実施形態に係るシームレス缶の側壁部への凹凸模様
成形方法において、割金型を開き、割金型の間に実施例
のシームレス缶を配置した後に、割金型を閉じ押圧した
状態を示す正面断面図であって、図5(b)はその部分
断面図である。各くぼみ110は、缶軸に平行方向に伸
びた形状となっている。しかし、これらのくぼみ110
は、明確な輪郭をもった形状ではない。
形成されたり、あるいは、後の膨出加工によってこれら
のくぼみの痕が消えないような寸法及びデザインである
場合には、本発明の目的とする凹凸模様の形成は不可能
である。即ち、本工程で形成されるくぼみは、缶胴部の
外周長を変化させない程度でなければならず、膨出加工
後にくぼみの痕跡が残らない程度でなければならない。
較例のシームレス缶を配置した後に、割金型を閉じ押圧
した状態を示す正面断面図である。比較例のシームレス
缶3の缶胴部302は割金型2の胴部201の凹凸模様
の凸部210に接触せず押圧されないので、比較例のシ
ームレス缶3の缶胴部302には、くぼみはまったく生
じない。
ス缶の側壁部への凹凸模様成形方法において、膨出加工
工程で用いるバルジ成形装置の正面断面図であって、シ
ームレス缶に膨出加工を施す前の状態を示す図である。
閉じられた割金型2の凸部210によって、くぼみ11
0を形成されたシームレス缶1の内部に弾性体製の袋4
を配置する。この袋4はネオプレンゴム製の有底円筒状
であり、その上端の縁401は取付具5に取り付けられ
ている。取付具5は割金型2の胴部201の底部202
取付端と対向する他端204に密着取り付けられてい
る。取付具5の中央には配管7が接続されており、不図
示の圧縮機によって加圧された水が袋4の中に供給さ
れ、袋4の中には水6が充填される。水圧を40kg/
cm2 にし、弾性体袋4を膨張させ、膨張した袋4でシ
ームレス缶1の缶胴部102の内壁に外方への押圧力を
作用させることにより、缶胴部102を膨出させ、割金
型2の胴部201の内面に密着させて、缶胴部102に
割金型2の胴部201の内面形状に一致した凹凸模様を
形成させる。
る流体及び弾性体の中から選ばれる部材について説明す
る。膨出加工に用いる流体及び弾性体の中から選ばれる
部材としては、水、油等の液体や空気等の気体やゴム等
の弾性体を持つ固体を挙げることが出来る。液体や気体
は、加圧状態で直接に、割金型内に挿入したシームレス
缶の中に導入することが出来る。また、液体や気体を弾
性体製の袋と共に用いることが出来、その場合には、先
ず、割金型内にシームレス缶を挿入し、次に、割金型内
のシームレス缶の中に弾性体製の袋を挿入し、その後、
この袋の中に液体や気体を加圧しながら供給して袋を膨
らませるか、或いは、特公昭51−41147号公報に
記載の如く、弾性体の袋内に予め液体を封入すると共
に、その袋内の液体中に、上下動可能な作動桿の下部を
挿入し、しかも袋の上部外面には押圧板を取り付けたも
のを準備しておき、先ず、シームレス缶を割金型内に挿
入し、次に、弾性体の袋の大部分を、割金型内のシーム
レス缶内に挿入し、その後、作動桿を押し下げることに
より押圧板によって袋を上方から押圧して袋全部をシー
ムレス缶内に押し込んで袋を軸線方向に圧縮させ袋を拡
径させると共に作動缶桿を更に袋内に押し込むことによ
り、袋内の液を圧迫して袋を横方向(缶軸に直交する方
向)へ膨出させても良い。また、ゴム等の弾性体を用い
る場合には、特公昭59−53129号公報、特開昭5
7−28739号公報、特開昭61−27124号公報
等に記載されている如く、先ず、割金型内にシームレス
缶を挿入し、次に、シームレス缶の中に弾性体を挿入
し、その後、その弾性体を上方から棒やシリンダー等に
よって加圧して弾性体を横方向へ変形させる。空気を直
接シームレス缶の中に導入する場合は全く問題がない
が、水を直接にシームレス缶の中に導入する場合には、
後でシームレス缶の内面を乾燥させる必要があり、ま
た、油を直接にシームレス缶の中に導入する場合は、後
でシームレス缶の内面を洗浄し、更に、乾燥させる必要
がある。
ス缶の側壁部への凹凸模様成形方法において、膨出加工
後のシームレス缶の正面断面図である。シームレス缶1
の缶胴部102には、前工程で形成されたくぼみの上に
凹部105が形成されて、くぼみの痕は完全に消えてい
る。また、シームレス缶1の缶胴部102には、凹部1
05に隣接して凸部106が形成されている。図8は、
図7のシームレス缶のA−A断面図である。各凹部10
5及び各凸部106の壁厚は、どの位置でもほぼ一定で
あり、また各凹部105の底部分を結ぶ仮想円の直径は
60.7mm、各凸部106の先端部分を結ぶ仮想円の
直径は64.6mmであって、凸部106と凹部105
との高低差は1.95mmとなる。硬質のアルミニウム
合金板から形成され、しごき率48.3%のしごき加工
を受けてかなり加工硬化しており、しかも焼鈍処理を経
ていない絞りしごき缶に対して、この膨出加工を施して
も、缶胴部102に破断は生ぜず、しかも高低差が大き
く外観が良好な凹凸模様缶が得られた。
がどれだけ伸びたかを測定することが多いが、胴部と底
部が一体成形されたシームレス缶であることや模様によ
って材料の伸びが一様にならないことから、変形前後の
缶外径の比率を測定したほうがより実際的に対応でき、
破断にも対応できる。膨出比Rを膨出加工後の外径(r
1 )と元の外径(r2 )の比、即ち、R=r1 /r2 で
表すと、板厚0.3mmのアルミニウム材合金3004
H191材を用いた、缶胴部壁厚が0.15mmの絞り
加工しごき加工缶の場合、焼鈍処理をしないときは、R
=1.06以上になると破断が発生するが、焼鈍処理を
行うと、R=1.11以上になると破断が発生すること
がわかった。
場合は、缶の破断を防止するため、膨出加工量が比較的
小さく、限定される。したがって、未焼鈍缶について
は、従来、凹凸模様の高低差がとれず、その結果、凹凸
模様を強調したデザインが表現できなかった。
ていないシームレス缶の側壁部へ凹凸模様を成形するの
で、突出量は限定される。しかしながら、本発明の凹凸
模様成形方法においては、従来の方法のような、高膨出
加工部と低膨出加工部との高低差によって、或いは、膨
出加工部と未膨出加工部との高低差によって、凹凸の高
低差を形成するのではなく、押し込み加工とその後の膨
出加工によって凹凸の高低差を形成している。従って、
本発明の凹凸模様成形方法においては、破断を生ずるこ
となしに、高低差の大きな凹凸模様が得られ、凹凸模様
を強調したデザインの表現が可能となっている。
ては、缶を開いた割金型の中に配置した後に、割金型を
閉じて押し込み加工をし、缶胴部に部分的に凹み(又は
くぼみ)を形成し、続いて、缶内に挿入した流体及び弾
性体の中から選ばれる少なくとも1以上の部材を加圧又
は加圧変形させ、加圧又は変形した部材によって、缶胴
部壁に外方への押圧力を加えて缶胴部壁を割金型の内面
に密着させ、割金型の内面形状に対応した形状に膨出加
工するので、凹部及び凸部がきれいに、しかも明瞭に形
成される。即ち、所望のシャープな凹凸模様や目立つ模
様が得られる。
の最小径は、割金型を閉じ押圧したときに、缶胴部にく
ぼみが生じ、そのくぼみが後の膨出加工によって完全に
消え痕が残らないような値でなければならない。この割
金型の胴部の最小径の値は、凹凸模様を形成しようとす
るシームレス缶の素材や絞り加工度やしごき加工度やス
トレッチ加工度によって異なる。
缶製造工程に凹凸模様を形成する工程(押し込み加工工
程及び膨出加工工程)を追加するだけで良く、製造装置
としても、凹凸模様成形装置を組み込むだけでよいか
ら、製造コストが安価であり、しかも、本発明の方法で
製造された缶は、焼鈍処理を受けていないので、缶強度
及び缶底耐圧力の低下がなく、逆に加工硬化によって缶
胴部の硬度が更に増加するので、焼鈍処理を受けたもの
と比べると缶の耐圧力が高い(成形する凹凸模様の形状
によっては、凹凸模様を成形する前よりも缶の垂直荷重
に対する抵抗力が低下することがあるが、その場合で
も、本発明で成形した缶は、焼鈍処理してから凹凸模様
を成形したものよりも缶の垂直強度が高い。)。
の凹凸模様成形方法によれば、缶を割金型の中に配置し
た後に、割金型を閉じて押し込み加工して缶胴部に部分
的にへこみを形成し、続いて、缶内に挿入した流体又は
弾性体の中から選ばれる少なくとも1以上の部材を加圧
又は加圧変形して、缶胴部壁に外方への押圧力を加えて
缶胴部壁を割金型の内面に密着させ、割金型の内面形状
に対応した形状に膨出加工するので、第1に、焼鈍処理
を経ていないのに、破断を生じることなしに、高低差の
大きな凹凸模様が得られ、凹凸模様を強調したデザイン
の表現が可能となるという効果があり、第2に、凹部及
び凸部がきれいに、しかも、明瞭に形成され、所望のシ
ャープな凹凸模様や目立つ模様が得られるという効果が
あり、第3に、従来のシームレス缶製造工程に凹凸模様
を形成する工程(押し込み加工工程及び膨出加工工程)
を追加するだけで良く、製造装置としても、凹凸模様成
形装置を組み込むだけでよいから、製造コストが安価で
あるという効果がある。
凹凸模様成形方法によれば、割金型の間に配置されてい
るシームレス缶が、絞り加工及びしごき加工という過酷
な加工を受けて成形されたものであっても高低差の大き
な凹凸模様を持つ缶が得られ、また、膨出加工前のシー
ムレス缶が焼鈍処理を受けていないので、缶強度及び缶
底耐圧力の低下がなく、逆に加工硬化によって缶胴部壁
の硬度が増加するので、焼鈍処理を受けたものに比べる
と缶の耐圧力が高いという効果がある。
への凹凸模様成形方法において用いた割金型の正面断面
図。
を配置した後に、割金型を閉じた状態を示す正面断面
図。
の凹凸模様成形方法において、割金型を開き、その間に
実施例のシームレス缶を配置した後に、割金型を閉じ押
圧した状態を示し、(a)はその正面断面図、(b)は
その部分拡大図。
への凹凸模様成形方法において、膨出加工工程で用いる
バルジ成形装置の正面断面図。
への凹凸模様成形方法において、膨出加工後のシームレ
ス缶の正面断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 焼鈍処理を経ていない有底略円筒状のシ
ームレス缶を割金型内に配置し、次に当該シームレス缶
内に流体及び弾性体の中から選ばれる少なくとも1以上
の部材を導入して当該部材を加圧することにより、当該
部材の圧力で当該シームレス缶の側壁部を割金型内面側
に膨出させて当該シームレス缶の側壁部を割金型内面に
押圧し密着させ、当該シームレス缶側壁部を割金型内面
形状に膨出加工する方法において、 当該割金型として、底部内面には、配置するシームレス
缶の缶底形状に対応した形状を備え、胴部内面には、膨
出加工前のシームレス缶の缶胴外径よりも小さい径の凸
部を含む凹凸を有するものを用い、 当該割金型を開き、 次に、当該割金型の間に当該シームレス缶を配置し、 続いて、当該割金型を閉じて、当該割金型内面の凸部を
当該シームレス缶の胴部に接触させて押圧し、当該シー
ムレス缶の胴部の一部を凹まし、 その後に、当該シームレス缶の内部に当該部材を導入す
ると同時又は導入した後に当該部材を加圧して、当該シ
ームレス缶の側壁部を割金型内面側へ膨出させ、当該シ
ームレス缶の側壁部を割金型内面に押圧し密着させて、
張り出し形状の凸部と引っ込み形状の凹部とを有する凹
凸模様を当該シームレス缶の側壁部に形成することを特
徴とするシームレス缶側壁部への凹凸模様成形方法。 - 【請求項2】 上記割金型の間に配置されている当該シ
ームレス缶が、絞り加工としごき加工とにより成形され
た缶であることを特徴とする請求項1記載のシームレス
缶側壁部への凹凸模様成形方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26912996A JP3517532B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | シームレス缶側壁部への凹凸模様成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP26912996A JP3517532B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | シームレス缶側壁部への凹凸模様成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1094848A true JPH1094848A (ja) | 1998-04-14 |
JP3517532B2 JP3517532B2 (ja) | 2004-04-12 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP3517532B2 (ja) |
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