JP2016147310A - 缶の製造方法及び缶 - Google Patents

缶の製造方法及び缶 Download PDF

Info

Publication number
JP2016147310A
JP2016147310A JP2015225164A JP2015225164A JP2016147310A JP 2016147310 A JP2016147310 A JP 2016147310A JP 2015225164 A JP2015225164 A JP 2015225164A JP 2015225164 A JP2015225164 A JP 2015225164A JP 2016147310 A JP2016147310 A JP 2016147310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
reduction
curved surface
reduced
diameter reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015225164A
Other languages
English (en)
Inventor
山下 淳
Atsushi Yamashita
淳 山下
政幸 武井
Masayuki Takei
政幸 武井
友明 飯村
Tomoaki Iimura
友明 飯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Altemira Can Co Ltd
Original Assignee
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Can Corp filed Critical Universal Can Corp
Publication of JP2016147310A publication Critical patent/JP2016147310A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】缶胴のくびれ部にしわが生じることを防止でき、成形加工時の座屈を防止できること。【解決手段】缶胴11の縮径予定部18に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い小径となる縮径加工を、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回施すことにより、縮径予定部18に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い漸次小径となる縮径テーパ部21を成形する縮径工程と、缶胴11の開口端部11aと縮径予定部18との間に位置する拡径予定部19に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施すことにより、拡径予定部19に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い漸次大径となる拡径テーパ部31を成形する拡径工程と、を備え、縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径予定部19に拡径加工を施す回数よりも多くする。【選択図】図2

Description

本発明は、飲料等の内容物が充填・密封される2ピース缶やボトル缶等の缶体に用いられる、有底筒状の缶の製造方法及び缶に関するものであり、具体的には、缶胴(ウォール)に、該缶胴における他の部位よりも小径とされたくびれ部を有する缶の製造方法及び缶に関する。
飲料等の内容物が充填、密封される缶体として、缶胴(ウォール)と缶底(ボトム)を有する有底筒状の缶と、該缶の開口端部に巻締められる円板状の缶蓋と、を備えた2ピース缶が知られている。上記缶は、具体的にはDI缶であり、「DI」とはDrawing&Ironingの略称である。また、缶の開口端部にキャップが螺着されたボトル缶も周知である。
このような缶体に用いられる缶は、アルミニウム合金材料の板材にカッピング工程(絞り工程)及びDI工程(絞りしごき工程)を施すことにより、有底筒状に形成される。
例えば下記特許文献1、2には、缶胴に、径方向外側へ膨出するとともに缶軸回りに沿って延びる環状の大径部が形成された異形缶が開示されている。
缶胴に大径部を形成することにより、缶胴に径の太い部分と細い部分が形成されるため、缶体のデザイン性を高めたり、持ちやすさ(グリップ性)を向上することができる。また、缶体に内容物を充填した後の加熱殺菌時や冷却時において、密集して配列する缶体同士の間に、缶胴の径の細い部分に対応して隙間が形成されるため、該隙間を通して加熱媒体及び冷却媒体から缶体の内容物へと熱が伝わりやすくなり、熱処理が迅速かつ安定して行える。
具体的に、特許文献1においては、成形装置の金型内に缶を配設し、その缶胴の内部に張り出し成形ゴム型を挿入して、張り出し成形ゴム型に液体の吸排を行うことにより該張り出し成形ゴム型とともに缶胴を変形させて、金型の凹部に対応する形状とされた大径部を形成している(バルジ方式)。
また、特許文献2では、缶軸回りに分割されたスティック状の雄型を缶胴の内部に挿入し、これら雄型を一斉に径方向外側へ押し広げることにより缶胴を変形させて、大径部を形成している(エキスパンド方式)。なお特許文献2には、エキスパンド方式以外のエンボス方式等についても記載されている。
しかしながら、缶胴に大径部を形成する場合、成形加工により、この大径部が他の部位よりも薄肉化されることになる。つまり、缶胴の肉厚を薄くするように成形加工するため、缶の強度を安定して高めることが難しい。また特許文献1、2では、缶の製造装置の設備が大掛かりなものとなりやすく、また生産速度を高めることが難しい。
そこで、例えば下記特許文献3には、缶胴における缶軸方向の中央部に、他の部位よりも小径とされたくびれ部(小径部)を形成した缶が開示されている。
特許文献3によれば、缶胴にくびれ部を形成することにより、くびれ部の肉厚が、他の部位の肉厚に比べて厚くなり、強度が高められる。これは、くびれ部を成形加工し径を小さくしていくと、くびれ部の肉は缶軸方向には移動しにくい(つまりくびれ部における横断面の面積が維持される)ので、径が縮小させられる割合に応じて肉厚が厚くなるためである。
つまり特許文献3では、缶胴の肉厚を厚くするように成形加工するため、缶の強度を安定して高めることができる。なお、缶胴におけるくびれ部以外の部位(他の部位)の肉厚については、DI工程により所定の数値範囲に予め収めることができ、該他の部位における強度も容易に高めることが可能である。
缶胴にくびれ部を形成する場合は、DI工程よりも後工程のくびれ部成形工程において、下記の成形加工が施される。
すなわち、図12(a)に示されるように、DI工程を経て成形されたDI缶(缶)10に対して、まず缶胴11の内部及び外部に縮径用金型(パンチ35及びダイス36)を嵌合し、該缶胴11の開口端部11aよりも缶底12側に位置する縮径予定部に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い小径となる縮径加工を施す(縮径工程)。なお、縮径予定部は、図2に符号18で示される缶胴11部分である。
次いで、図12(b)に示されるように、缶胴11の内部に拡径用金型(パンチ40)を嵌合し、該缶胴11の開口端部11aと縮径予定部との間に位置する拡径予定部に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施す(拡径工程)。なお、拡径予定部は、図2に符号19で示される缶胴11部分である。
ここで、例えば図2において、くびれ部17を深くくびれさせる場合には、上記縮径工程において縮径予定部18に、縮径用金型35、36の加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を施していく(図10に示される複数のダイス36を参照)。これにより、図2に示されるくびれ部17のうち、下方部分を成形する。
また、上記拡径工程では拡径予定部19に、拡径用金型40の加工径を段階的に大きくしながら複数回の拡径加工を施していく。これにより、図2に示されるくびれ部17のうち、上方部分を成形する。
また、くびれ部成形工程(縮径工程及び拡径工程)よりも後工程のネッキング工程においては、缶胴11の開口端部11aに、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い漸次小径となる縮径加工を施して、ネック部13が成形される。
具体的には、図12(c)に示されるように、缶胴11の内部及び外部にネッキング用金型(パンチ45及びダイス46)を嵌合し、図2に示されるように、該缶胴11における開口端部11aに、上方へ向かうに従い小径となるネック部13を成形する。
特許文献3によれば、缶胴の開口端部に施されるネッキング加工の技術を用いて、くびれ部を成形することができるので、設備費用が嵩むことを抑えられ、かつ生産速度を高めることが可能である。
特開平11−91756号公報 特開2004−83095号公報 特開2003−305523号公報
しかしながら、上記従来の缶の製造方法においては、下記の課題を有していた。
すなわち、引用文献3では、くびれ部の径方向の深さが浅いため成形時に問題が生じにくいが、くびれ部の深さを深く設定した場合に、くびれ部成形工程の縮径工程において、縮径予定部を縮径加工していくときに、缶胴にしわが生じることがあった。
また、くびれ部を深くくびれさせる場合には、くびれ部がくびれる深さ(径方向の深さ)が大きくなるほど、縮径加工及び拡径加工の回数も多くなる。この場合、成形加工時にくびれ部に負荷(特に拡径加工時の缶軸方向の荷重)が集中しやすくなって、缶胴がくびれ部において座屈するおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、缶胴にくびれ部を形成しつつ、くびれ部にしわが生じることを防止でき、かつ、成形加工時におけるくびれ部の座屈を防止できる缶の製造方法及び缶を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、缶胴と缶底を備える有底筒状の缶の製造方法であって、前記缶胴の内部及び外部に縮径用金型を嵌合し、該缶胴の縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底からこの缶胴の開口端部側へ向かうに従い小径となる縮径加工を、前記縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回施すことにより、前記縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い漸次小径となる縮径テーパ部を成形する縮径工程と、前記缶胴の内部に拡径用金型を嵌合し、該缶胴の前記開口端部と前記縮径予定部との間に位置する拡径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施すことにより、前記拡径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い漸次大径となる拡径テーパ部を成形する拡径工程と、を備え、前記縮径工程において前記縮径予定部に縮径加工を施す回数を、前記拡径工程において前記拡径予定部に拡径加工を施す回数よりも多くすることを特徴とする。
この缶の製造方法では、縮径工程において、缶胴の縮径予定部に複数回の縮径加工を施し、缶軸方向に沿って缶底から開口端部側へ向かうに従い漸次小径となる縮径テーパ部を成形する。また、拡径工程においては、縮径予定部(縮径テーパ部)よりも開口端部側に位置する拡径予定部に拡径加工を施すことにより、缶軸方向に沿って缶底から開口端部側へ向かうに従い漸次大径となる拡径テーパ部を成形する。
このように縮径テーパ部及び拡径テーパ部を成形することにより、缶胴にくびれ部が形成される。また、くびれ部の径方向の深さを深く形成することができる。
そして、本発明の缶の製造方法によれば、縮径工程において縮径予定部に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部に拡径加工を施す回数よりも多くしている。これにより、縮径加工の回数を増やすことができる。また、拡径加工の回数を減らすことができる。従って、くびれ部の径方向の深さが浅く設定された場合はもちろんのこと、深く設定された場合においても、下記の顕著な作用効果が得られる。
具体的に、縮径加工の回数を増やすことができると、縮径予定部に対して、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら縮径加工するときの、径を段階的に小さくしていく「ピッチ」(縮径用金型同士の加工径の差)を狭く設定することができる。
本発明の発明者は、缶の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、缶胴のくびれ部においてしわが生じるのは、くびれ部のうち縮径テーパ部であり、拡径テーパ部にはしわが生じないことを確認した。さらに、縮径テーパ部にしわが生じることを防止するには、該縮径テーパ部を成形する縮径加工の回数を増やすこと、つまり、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら縮径加工するときの上記ピッチを狭く設定することが有効である、という知見を得るに至った。
従って、本発明のように縮径工程において縮径加工の回数を増やすことができれば、くびれ部にしわが生じることを安定して防止できる。
また、拡径加工の回数を減らすことができると、たとえくびれ部がくびれる深さ(径方向の深さ)が大きく設定されていても、成形加工時におけるくびれ部への負荷(特に拡径加工時の缶軸方向の荷重)を加工全体として抑えることができる。具体的に、成形加工時において、くびれ部に対して負荷となるのは、くびれ部が形成された後に施される拡径加工であるから、該拡径加工の回数を減らすことにより、くびれ部への負荷を確実に低減できる。
従って、本発明のように拡径工程において拡径加工の回数を減らすことができれば、成形加工時におけるくびれ部の座屈を安定して防止することができる。
また本発明によれば、縮径加工の回数を増やしつつ、拡径加工の回数を減らすことにより、縮径加工の回数と拡径加工の回数の和を、従来に比べて同等又は同等以下に設定することが可能である。従って、上述した顕著な作用効果が得られつつ、生産性が低下するようなことを防止できる。
また、缶胴にくびれ部を形成することにより、くびれ部の肉厚が、缶胴におけるくびれ部以外の部位(以下、「他の部位」と省略)の肉厚に比べて厚くなり、くびれ部の強度が高められる。これは、くびれ部を成形加工し径を小さくしていくと、くびれ部の肉は缶軸方向には移動しにくい(つまりくびれ部における横断面の面積が維持される)ので、径が縮小させられる割合に応じて肉厚が厚くなるためである。
つまり本発明では、缶胴の肉厚を薄くするのではなく、厚くするようにくびれ部を成形加工するため、缶の強度を安定して高めることができる。なお、缶胴における他の部位の肉厚については、くびれ部を成形する前工程の例えばDI工程において、肉厚を所定の数値範囲に予め収めることができ、該他の部位における強度も安定的に確保することが可能である。
従って本発明によれば、缶のコラム強度等の各種強度を、安定して高めることができる。
また、本発明の缶の製造方法において、前記縮径工程において前記縮径予定部に縮径加工を施す回数を、前記拡径工程において前記拡径予定部に拡径加工を施す回数の1.8倍以上とすることとしてもよい。
この場合、くびれ部にしわが生じることを防止でき、成形加工時にくびれ部の座屈を防止できる、という本発明による上述した作用効果が、より確実に、かつ安定的に得られやすくなる。具体的には、例えば、縮径工程において縮径加工を施す回数を9回とし、拡径工程において拡径加工を施す回数を5回とすることにより、縮径加工を施す回数を、拡径加工を施す回数の1.8倍以上にすることができる。
また、本発明の缶の製造方法において、前記縮径工程と前記拡径工程との間に、リフォーム工程を備え、前記リフォーム工程では、前記缶胴の内部及び外部にリフォーム用金型を嵌合し、前記缶胴のうち、前記縮径テーパ部、前記縮径テーパ部の前記缶底側に隣接配置されて前記缶胴の外側へ向けて凸となる凸曲面部、及び、前記縮径テーパ部の前記缶底とは反対側に隣接配置されて前記缶胴の内側へ向けて凹となる凹曲面部、を再成形することとしてもよい。
この場合、縮径工程と拡径工程の間に、リフォーム工程を備えているので、縮径工程において、缶胴の縮径予定部に対して、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を施していくことで、縮径テーパ部に圧痕(図10に符号Iで示される、成形加工の痕)が形成されたり、該縮径テーパ部の缶底側に隣接配置される凸曲面部に尖った部分(図10に符号Sで示される、成形荷重により座屈し尖った部分)が形成されたりしても、その後のリフォーム工程において、縮径テーパ部、縮径テーパ部の缶底側に隣接配置される凸曲面部、及び、縮径テーパ部の缶底とは反対側に隣接配置される凹曲面部に対して、リフォーム用金型により再成形加工を施すため、下記の顕著な作用効果が得られる。
すなわち、リフォーム工程で缶胴を再成形することにより、縮径テーパ部の表面を平らにならすことができ、圧痕を消失させることができる。また凸曲面部については、尖った部分を丸めて、所期する曲率半径となるように形状(凸R形状)を整えることができる。
また、リフォーム工程で再成形するのは、縮径テーパ部及び凸曲面部のみならず、縮径テーパ部の缶底とは反対側に隣り合う凹曲面部をもであるから、この凹曲面部についても所期する曲率半径となるように形状(凹R形状)を整えることができ、かつ、肉厚を確保して強度を安定させることができる。
また、リフォーム加工前の縮径加工時において、たとえ軽微なしわが生じてしまった場合であっても、リフォーム加工によってしわを消失させることができる。
また、缶の縦断面視において、缶胴の縮径加工された縮径テーパ部と、缶軸との間に形成される傾斜角(縮径テーパ部と缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度)が、例えば20°以下に小さく設定されるような場合には、該縮径テーパ部が所謂「立った」状態となり、缶のコラム強度(缶軸方向の荷重に対する強度)を確保しやすくなる一方で、圧痕はより顕著に生じやすくなる。
このように縮径テーパ部が立った状態とされた場合であっても、本発明の上記構成によれば、簡単かつ確実に縮径テーパ部の圧痕を消失させることができるので、コラム強度を高めつつ、缶の外観を良好に維持することが可能である。
なお、本発明において上記傾斜角は、好ましくは8〜20°であり、望ましくは8〜10°である。
また、リフォーム工程においては、リフォーム用金型によって、縮径テーパ部、凸曲面部及び凹曲面部を再成形することにより、缶胴の真円度(円筒度)が向上する。
すなわち一般に、缶胴の径は、缶軸方向に沿う同一位置であっても、缶軸回りの周方向においてはばらつきが生じる(材料の異方性により径に差が生じる)ものであるが、リフォーム用金型によって、缶胴を周方向全体に同時に型押しすることにより、上述した缶胴の径のばらつきを小さくすることができる。これにより、缶胴のコラム強度を安定的に向上させることができる。
また、リフォーム工程によって、缶胴の真円度(円筒度)や直径が所期する値となるように形状を整えることができるので、リフォーム工程の後工程として行われる拡径工程において、加工時に基準となる缶胴の案内径部分(特に凹曲面部)を精度よく形成することができる。これにより、リフォーム工程よりも後工程で行われる缶胴への加工の精度が向上するため、製造される缶の形状の品位を安定して高めることができ、缶を美しい外観に形成することができる。
また、縮径工程及びリフォーム工程の後には、拡径工程が施される。拡径工程では、缶胴の内部に拡径用金型を嵌合し、縮径テーパ部よりも開口端部側に位置する拡径予定部に、缶軸方向に沿って缶底から開口端部側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施して、拡径テーパ部を成形する。
本発明の上記構成によれば、上述のように缶胴のコラム強度が高められているため、拡径加工時に缶胴が座屈するようなことが格別顕著に抑制されて、製造が安定する。
このように、缶胴の縮径予定部に、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を施しつつも、該缶胴に圧痕や尖った部分が残されることを防止して、缶に美麗な外観を付与することができ、かつ、コラム強度を高めることが可能である。
また、本発明の缶の製造方法において、前記リフォーム工程では、当該缶の縦断面視において、前記凸曲面部の曲率半径が、前記拡径工程後に前記凸曲面部に付与される予定の曲率半径よりも大きくなるように、前記凸曲面部を再成形することとしてもよい。
この場合、縮径工程により成形された、縮径テーパ部の缶底側に隣接配置される凸曲面部を、リフォーム工程において、缶の縦断面視で大きな曲率半径となるように成形加工する。具体的には、拡径工程後にこの凸曲面部に付与される予定の曲率半径(つまり製品である缶に最終形状として付与される、凸曲面部の所期する曲率半径)よりも、大きな曲率半径となるように、リフォーム工程において凸曲面部を再成形(リフォーム加工)する。
これにより、拡径工程において、拡径加工時の成形荷重によって凸曲面部が座屈(曲率半径が小さくなるように変形)しても、最終的に出来上がった缶の凸曲面部を、所期する凸R形状に近づけることができる。
また、本発明の缶の製造方法において、当該缶の縦断面視において、前記縮径テーパ部と前記缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を、前記拡径テーパ部と前記缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度よりも、小さく設定することとしてもよい。
この場合、缶の縦断面視において、缶胴の縮径加工された縮径テーパ部と、缶軸との間に形成される傾斜角(縮径テーパ部と缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度)が、缶胴の拡径加工された拡径テーパ部と、缶軸との間に形成される傾斜角(拡径テーパ部と缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度)よりも小さくされている。
このため、縮径テーパ部を所謂「立った」状態とすることが容易であり、缶のコラム強度を安定して高めることができる。具体的には、縮径テーパ部の缶底側に隣接配置される凸曲面部の座屈を、小さく抑えることが可能になる。
つまり、缶胴のくびれ部においては、拡径テーパ部よりも成形加工時に負荷が大きく作用する縮径テーパ部に対して、十分な強度を付与すべきであり、本発明の上記構成によれば、該縮径テーパ部に強度を確実に、かつ安定して付与することができる。
また、本発明の缶の製造方法では、前記縮径工程において、一回あたりの縮径加工により前記縮径予定部の直径を加工直前の直径に対して縮小させる大きさを、単位加工あたりの縮径量として、複数回の縮径加工のうち、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量に対して、2回目以降の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量を小さくすることとしてもよい。
この場合、縮径工程において缶胴に施される複数回の縮径加工のうち、2回目以降の縮径加工における単位加工あたりの縮径量を小さくできる。従って、特に成形加工の痕(しわや圧痕)が残りやすい成形後半の縮径加工において、縮径加工の「ピッチ」(縮径用金型同士の加工径の差)を狭く設定することができ、これにより、缶胴にしわや圧痕が残されることをより顕著に抑制できる。
また、縮径工程において缶胴に施される複数回の縮径加工のうち、1回目の縮径加工における単位加工あたりの縮径量を大きくできる。従って、前記縮径量を大きくした分に応じて、縮径テーパ部と、縮径テーパ部の缶底側に位置する缶胴部分との間に、凸R形状(凸曲面部)を形成するような加工が可能となる。この場合、縮径テーパ部と、縮径テーパ部の缶底側に位置する缶胴部分とを、滑らかに段差なく接続することができる。
また本発明は、前述した缶の製造方法により製造された缶であって、前記缶胴のうち、前記縮径テーパ部と前記拡径テーパ部の間に位置する部分の肉厚が、該缶胴において最も外径が大きくされた部位の肉厚の1.05倍以上であることを特徴とする。
本発明の缶の製造方法により製造された缶によれば、缶胴のうち、縮径テーパ部と拡径テーパ部の間に位置する部分、つまりくびれ部の最深部(径方向の内側へ向けて最もくびれた部分)の肉厚が、くびれ部以外の部位(上述した「他の部位」であり、具体的には、缶胴において最も外径が大きくされた部位)の肉厚に対して、1.05倍以上とされている。
従って、くびれ部におけるコラム強度が十分に確保される。
具体的に、缶胴において縮径テーパ部と拡径テーパ部の間に位置する部分は、これらの縮径テーパ部及び拡径テーパ部が互いに異なる向きに傾斜していることにより、縦断面が「く」字状に屈曲するように形成されている。このため、くびれ部は他の部位に比べて負荷が集中しやすく、座屈しやすい。
そこで、上記構成のように、缶胴のうち、くびれ部の最深部における肉厚を、他の部位の肉厚に比べて1.05倍以上に厚くすることにより、くびれ部の座屈を顕著に抑制することができる。
なお、本発明において上述したくびれ部の座屈を抑える効果は、成形加工時はもちろんのこと、製品(缶体)流通時においても得られるものである。
また本発明は、前述した缶の製造方法により製造された缶であって、前記缶胴のうち、前記縮径テーパ部よりも缶軸方向の前記缶底側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径と、前記缶胴のうち、前記拡径テーパ部よりも缶軸方向の前記開口端部側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径とが、互いに同一であることを特徴とする。
本発明の缶の製造方法により製造された缶によれば、缶胴のうち、くびれ部よりも缶底側に位置する部位の最大径と、くびれ部よりも開口端部側に位置する部位の最大径とが、互いに同一とされているので、この缶の製造時や流通時において、缶を取り扱いやすい。具体的には、例えば缶を搬送しやすく、また梱包しやすい。
本発明に係る缶の製造方法及びこれにより製造された缶によれば、缶胴にくびれ部を形成しつつ、くびれ部にしわが生じることを防止でき、かつ、成形加工時におけるくびれ部の座屈を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る缶を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る缶を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法(カッピング加工、DI加工及びトリミング加工)を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法において、くびれ部成形工程の縮径工程を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法において、くびれ部成形工程のリフォーム工程を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法において、くびれ部成形工程の拡径工程を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法において、ネッキング工程を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る缶の製造方法において、フランジング工程を説明する図である。 缶の製造方法における縮径工程及びリフォーム工程を説明する部分縦断面図である。 缶の製造方法における拡径工程を説明する部分縦断面図である。 缶の製造方法における(a)縮径加工、(b)拡径加工、(c)ネッキング加工、を説明する部分縦断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る缶10及びその製造方法について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の缶10は、飲料等の内容物が充填・密封される缶体(2ピース缶)に用いられるものである。缶体は、有底筒状の缶10と、該缶10の開口端部11aに巻締められる円板状の缶蓋(不図示)と、を備えている。この缶10は、具体的にはDI缶であり、「DI」とはDrawing&Ironingの略称である。なお、本実施形態の缶10は、缶胴外径/缶蓋外径を表す一般的な呼び名(当業者間における公称)でいうところの、211/204径缶に用いられるものであるが、これに限定されるものではなく、それ以外の例えば211/206径缶等に用いられてもよい。また、それよりも缶の外径が細い204/200径缶や、204/202径缶等に適用してもよい。
図1及び図2に示されるように、缶10は、円筒状をなす缶胴(ウォール)11と、概ね円板状をなす缶底(ボトム)12と、を備えている。なお、図1及び図2に示される缶10は、後述するネッキング工程を経たものであるとともに、フランジング工程前の状態を表している。
図2において、缶胴11の中心軸及び缶底12の中心軸は、互いに同軸に配置されており、本明細書では、これらの共通軸を缶軸Oという。
また、缶軸Oに沿う方向(缶軸O方向)のうち、缶胴11の開口端部11aから缶底12側へ向かう方向を下方、缶底12から開口端部11a側へ向かう方向を上方という。
また、缶軸Oに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、缶軸Oに接近する向きを径方向の内側といい、缶軸Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、缶軸O回りに周回する方向を周方向という。
缶胴11における上端部は、缶10の外部に開口する開口端部11aとなっている。内容物は、この開口端部11aを通して缶10内に充填される。また、缶胴11における下端部は、缶底12により閉じられている。缶胴11の外径は、例えば65〜67mmであり、本実施形態では66mmである。
缶胴11には、該缶胴11における他の部位よりも小径とされたくびれ部17が形成されている。くびれ部17は、缶胴11における開口端部11a以外の部位に配置されている。具体的に、本実施形態において、くびれ部17は、缶胴11における上端部(開口端部11a)と下端部との間の中間部に形成されている。
図1に示される缶10の外観視において、くびれ部17は、缶胴11に凹曲面状に形成されている。具体的に、この外観視においてくびれ部17は、缶胴11の前記中間部における他の部位よりも径方向の内側へ向けて窪んでいるとともに、周方向に沿って缶胴11の全周に延びる環状をなしている。
図2において、くびれ部17が、缶胴11の前記中間部におけるくびれ部17以外の部位に対して径方向の内側へ後退させられる(窪む)深さは、本実施形態では、2〜4mmである。つまり、缶胴11のうち、くびれ部17の最深部における外径をDiとし、前記中間部におけるくびれ部17以外の部位(具体的には、缶胴11のくびれ部17よりも下方に位置する部位のうち、最も大径とされた部分)の外径をDoとして、これら外径Do、Diの差である(Do−Di)が、4〜8mmとされている。
具体的に、図2に示される缶10の縦断面視において、くびれ部17は、缶胴11の内側(径方向の内側)へ向けて窪む凹曲線状をなしている。
くびれ部17は、缶胴11の縮径予定部18が縮径加工及びリフォーム加工(再成形加工)されて形成された、上方に向かうに従い縮径する(小径となる)縮径部と、該縮径部の上方に配置されるとともに、缶胴11の拡径予定部19が拡径加工されて形成された、上方に向かうに従い拡径する(大径となる)拡径部と、を有する。
缶胴11の縮径予定部18及び拡径予定部19については、後述する缶10の製造方法の説明において、別途述べる。
くびれ部17のうち、下方部分に配置される縮径部は、上方に向かうに従い漸次小径となる縮径テーパ部21と、縮径テーパ部21の下方(缶底12側)に隣接配置されて缶胴11の外側へ向けて凸となる凸曲面部22と、縮径テーパ部21の上方(缶底12とは反対側)に隣接配置されて缶胴11の内側へ向けて凹となる凹曲面部23と、を有する。また、縮径テーパ部21、凸曲面部22及び凹曲面部23は、それぞれ缶胴11の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
これらの凸曲面部22、縮径テーパ部21及び凹曲面部23は、互いに滑らかに連なっている(つまり、互いの間に段差を形成することなく滑らかに接続している。以下同様)。具体的に、図2に示される缶10の縦断面視において、縮径テーパ部21は、凸曲面部22及び凹曲面部23に接してこれらを繋ぐ接線となっている。
くびれ部17のうち、上方部分に配置される拡径部は、上方に向かうに従い漸次大径となる拡径テーパ部31と、拡径テーパ部31の上方に隣接配置されて缶胴11の外側へ向けて凸となる凸曲面部32と、拡径テーパ部31の下方に隣接配置されて缶胴11の内側へ向けて凹となる凹曲面部33と、を有する。また、拡径テーパ部31、凸曲面部32及び凹曲面部33は、それぞれ缶胴11の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
これらの凸曲面部32、拡径テーパ部31及び凹曲面部33は、互いに滑らかに連なっている。具体的に、図2に示される缶10の縦断面視において、拡径テーパ部31は、凸曲面部32及び凹曲面部33に接してこれらを繋ぐ接線となっている。
縮径部の凸曲面部22と、該凸曲面部22の下方に隣接配置される缶胴11部分とは、滑らかに連なっている。
拡径部の凸曲面部32と、該凸曲面部32の上方に隣接配置される缶胴11部分とは、滑らかに連なっている。
これらの缶胴11部分のうち、凸曲面部22の下方に隣接配置される缶胴11部分には、後述する縮径加工及び拡径加工は施されておらず、凸曲面部32の上方に隣接配置される缶胴11部分には、縮径加工及び拡径加工が施されている。そして成形加工後において、これらの缶胴11部分は、互いに外径が同一とされ、かつ、缶胴11のうち最も肉厚が薄い部分となっている。
具体的に本実施形態では、図2に示されるように、缶胴11のうち、くびれ部17の上下に位置する各部位の最大径が、互いに同一の値とされている。すなわち、缶胴11のうち、縮径テーパ部21(くびれ部17の縮径部)よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径Doと、缶胴11のうち、拡径テーパ部31(くびれ部17の拡径部)よりも缶軸O方向の開口端部11a側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径とが、互いに同一である。従って、缶胴11において最も外径が大きくされた部位が、くびれ部17の上下にそれぞれ配置されている。ただしこれに限定されるものではなく、缶胴11のうち、くびれ部17の上下に位置する各部位の最大径は、互いに異なっていてもよい。
また、縮径部の凹曲面部23と、拡径部の凹曲面部33とは、滑らかに連なっている。これらの凹曲面部23及び凹曲面部33は、くびれ部17における最深部(つまり径方向の深さが最も深い部分、径方向の内側に最もくびれた部分)を構成している。
そして、図11に示される缶10の縦断面視において、缶胴11のうち、縮径テーパ部21と拡径テーパ部31の間に位置する部分(上記くびれ部17の最深部)の肉厚Tiが、該缶胴11において最も外径が大きくされた部位(缶胴11の前記中間部のうちくびれ部17以外の部位)における肉厚Toの、1.05倍以上とされている。
また、くびれ部17は、くびれ部17における上下方向の両端部に位置する凸曲面部22、32から、上下方向の中央部に位置する凹曲面部23、33へ向かうに従い漸次肉厚が厚くなっている。
なお、本実施形態では、上述したように缶胴11のうち、くびれ部17の上下に位置する各部位の最大径が互いに同一の値とされており、これに応じて、くびれ部17の上下に位置する各部位の肉厚も、互いに同一の値とされている。従って、缶胴11のうち、くびれ部17の最深部の肉厚Tiは、くびれ部17よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分の肉厚Toに対して1.05倍以上であり、かつ、くびれ部17よりも缶軸O方向の開口端部11a側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分の肉厚に対しても1.05倍以上である。
ただしこれに限定されるものではなく、例えば本実施形態とは異なり、缶胴11のうち、くびれ部17の上下に位置する各部位の最大径が互いに異なって設定される場合には、くびれ部17の最深部の肉厚Tiは、缶胴11のうち、少なくともくびれ部17よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分の肉厚Toに対して、1.05倍以上とされる。
図2に示される缶10の縦断面視において、製品となる缶胴11の凸曲面部22、32及び凹曲面部23、33の各曲率半径(缶胴11外周面における曲率半径)は、例えば、R60mm〜R80mmの範囲とされている。ただし上記曲率半径は、上記数値範囲に限定されるものではない。
缶胴11の開口端部11aには、上方へ向かうに従い小径となるネック部13と、ネック部13の上方に配置される円筒状のフランジ予定部14と、が形成されている。
ネック部13は、上方に向かうに従い漸次小径となるネックテーパ部51と、ネックテーパ部51の下方に隣接配置されて缶胴11の外側へ向けて凸となる凸曲面部52と、ネックテーパ部51の上方に隣接配置されて缶胴11の内側へ向けて凹となる凹曲面部53と、を有する。また、ネックテーパ部51、凸曲面部52及び凹曲面部53は、それぞれ缶胴11の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
これらの凸曲面部52、ネックテーパ部51及び凹曲面部53は、互いに滑らかに連なっている。具体的に、図2に示される缶10の縦断面視において、ネックテーパ部51は、凸曲面部52及び凹曲面部53に接してこれらを繋ぐ接線となっている。
ネック部13の凸曲面部52と、該凸曲面部52の下方に隣接配置される缶胴11部分とは、滑らかに連なっている。ネック部13の凹曲面部53と、該凹曲面部53の上方に隣接配置されるフランジ予定部14とは、滑らかに連なっている。
また、缶胴11の下端部は、缶底12の後述するヒール部12cの上端部に対して、滑らかに連なっている。
缶底12は、缶軸O上に位置するとともに、上方(缶胴11の内部)に向けて膨出するように形成されたドーム部12aと、該ドーム部12aの外周縁部と缶胴11の下端部とを接続するヒール部12cと、を備えている。
図2に示される縦断面視で、ヒール部12cは、缶胴11の下端部から下方に向かうに従い漸次径方向の内側へ向けて傾斜している。またこの縦断面視で、ヒール部12cにおける缶胴11下端部との接続部分(つまりヒール部12cの上端部)は、缶胴11の外側へ向けて突出する凸曲線状をなしている。
また、缶底12におけるドーム部12aとヒール部12cとの接続部分は、この缶10が正立姿勢(図2に示される、缶胴11の開口端部11aが上方を向く姿勢)となるように接地面(載置面)上に載置されたときに、接地面に接する接地部12bとなっている。接地部12bは、缶底12において最も下方に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。
なお、図2において符号Hで示される直線(2点鎖線)は、ヒール部12cの上端部がなす凸曲線の曲率半径の中心を通り、缶軸Oに垂直な仮想の水平面を表している。
本明細書では、缶10の周壁(外周壁)のうち、仮想の水平面Hの上方に位置する部位が缶胴11とされ、仮想の水平面Hの下方に位置する部位が缶底12とされている。具体的には、缶10の周壁において、仮想の水平面Hの下方に位置する缶底12の部分が、ヒール部12cとなっている。
次に、図3〜図12を参照して、アルミニウム合金材料の板材(ブランク)Wから有底筒状の缶10を製造する方法の一例を説明する。
図3に示されるように、缶10は、板材打ち抜き工程、カッピング工程(絞り工程)、DI工程(絞りしごき工程)、トリミング工程、印刷工程、塗装工程、くびれ部成形工程(縮径工程、リフォーム工程及び拡径工程を含む)、ネッキング工程及びフランジング工程をこの順に経て、製缶される。
[板材打ち抜き工程]
Al合金材料からなる鋳塊に熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍を施して所定板厚の中間板材を形成した後に、該中間板材に冷間仕上げ圧延を施すことにより最終板厚とされた圧延材を用意し、この圧延材を打ち抜いて、図4(a)に示されるように、円板状の板材(ブランク)Wを成形する(打ち抜き加工する)。
[カッピング工程(絞り工程)]
次に、図4(b)に示されるように、板材Wをカッピングプレスによって絞り加工(カッピング加工)して、カップ状体W1に成形する。カップ状体W1は、板材Wから後述する缶W2(トリミング加工前の缶10)へ移行する成形中間体である。
[DI工程(絞りしごき工程)]
次に、DI加工装置によって、図4(c)に示されるように、カップ状体W1にDI加工(再絞りしごき加工)を施して、缶胴11と缶底12を備える有底筒状の缶W2に成形する。
DI加工装置は、再絞り加工するための円形の貫通孔を有する一枚の再絞りダイと、この再絞りダイと同軸に配列される円形の貫通孔を有する複数枚(例えば、3枚)のアイアニング・ダイ(しごきダイ)と、アイアニング・ダイと同軸とされ、上記それぞれのアイアニング・ダイの各貫通孔の内部に嵌合可能とされ、ダイの軸方向に移動自在とされる円筒状又は円柱状のパンチスリーブと、このパンチスリーブの外側に嵌合された円筒状のカップホルダースリーブと、を備えている。
DI加工装置による再絞り加工は、カップ状体W1をパンチスリーブと再絞りダイとの間に配置し、カップホルダースリーブ及びパンチスリーブを前進させて、カップホルダースリーブが、再絞りダイの端面にカップ状体W1の底面を押し付けてカップ押し付け動作を行いながら、パンチスリーブがカップ状体W1を再絞りダイの貫通孔内に押し込むことにより行われる。
その結果、所定の内径を有する再絞り加工されたカップ状体(不図示)が成形される。引き続き、再絞り加工されたカップ状体を複数のアイアニング・ダイを順次通過させて徐々にしごき加工をして、カップ状体の周壁をしごいて該周壁を延伸させ、周壁高さを高くするとともに壁厚を薄くして、有底筒状の缶W2を成形する。
しごき加工が終了した缶W2は、パンチスリーブがさらに前方に押し出して底部(缶底12となる部分)をボトム成形金型に押圧することにより、底部が、上述のドーム形状に形成される。
この缶W2は、上述のように周壁がしごかれることで冷間加工硬化され、強度が高められる。
図4(c)に示されるように、カッピング工程及びDI工程を経た缶W2の開口端部11aは、周方向に向かうに従い上下に波打つような凹凸形状(凹凸波形状)に形成されている。なお、この凹凸波形状は、板材Wをカップ状体W1に成形したときから付与されるものである。
開口端部11aの凹凸波形状をなす上端縁のうち、上方に突出する山となっている部分(凸部)は、耳20と呼ばれる。耳20は、開口端部11aにおいて周方向に沿って複数形成される。これらの耳20は、例えばアルミニウム合金の結晶学的異方性に起因して生じるものである。
[トリミング工程]
次に、缶W2の開口端部11aをトリミング加工する。
すなわち、上記DI加工装置によって形成された缶W2の開口端部11aは、耳20が形成されて高さが不均一であるため、この缶W2の開口端部11aを切断してトリミングすることにより、図4(d)に示されるように、缶胴11の開口端部11aにおける缶軸O方向に沿う周壁の高さを、全周にわたって均等に揃える。
これにより、缶胴11の開口端部11aに耳20を有さない(耳20が切除された)、トリミング加工後の缶10が得られる。なお、この缶10における缶軸O方向の高さ(缶底12の下端(接地部12b)から開口端部11aの上端までの高さ)は、例えば、350ml缶の場合には124mm程度であり、500ml缶の場合には168mm程度である。
[印刷工程、塗装工程]
この缶10を洗浄し、潤滑油等を除去した後に、表面処理を施して乾燥し、次いで外面印刷、外面塗装を施し、その後内面塗装を施す。
具体的に、印刷工程では、印刷用インクを使用して、缶10の缶胴11に外面印刷を施す。
次に、塗装工程では、外面塗装を施した後、内面塗装を施す。詳しくは、例えば、ポリエステル系塗料を使用して、缶10の缶胴11の外面に塗装をし、この外面塗装がされた缶10をオーブンで加熱乾燥する。なお、オーブンにより加熱乾燥する際は、缶胴11の開口端部11aから内部へ向けて、略水平方向に延在する搬送用ピンが挿入され、該搬送用ピンが缶10を支持しつつ、チェーンやモータ等を備えた駆動機構により、移動させられる。次いで、缶10の缶胴11及び缶底12の内面に、例えば、エポキシ系塗料を使用して塗装をし、この内面塗装がされた缶10をオーブンで加熱乾燥する。
[縮径工程(くびれ部成形工程)]
次に、図5(a)(b)及び図12(a)に示されるように、缶10の缶胴11の内部及び外部に縮径用金型35、36を嵌合し、図2に示されるように、該缶胴11のうち開口端部11aよりも缶底12側に位置する縮径予定部18に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い小径となる縮径加工を施す。
縮径予定部18は、缶胴11における開口端部11a以外の部位に位置しており、具体的には、開口端部11aから下方に離間して配置されている。
本実施形態の例では、図2において縮径予定部18は、缶胴11における上端部(開口端部11a)と下端部の間に配置されている。
具体的には、図5(a)(b)及び図12(a)において、縮径用金型として、缶胴11の内部に嵌合するパンチ35と、缶胴11の外部に嵌合するダイス36と、が用いられる。これら縮径用金型35、36の各中心軸は、缶軸Oと同軸に配置される。そして、これらパンチ35とダイス36との間で、缶胴11の開口端部11aから縮径予定部18までの領域全体を縮径加工する。
すなわち、縮径工程では、縮径用金型35、36を、缶10の上方に離間させて配置した状態から、これらの縮径用金型35、36と缶10とを缶軸O方向に相対的に接近移動させつつ、縮径用金型のパンチ35とダイス36の間に、缶10の缶胴11をその開口端部11aから進入させて、該缶胴11の開口端部11aから縮径予定部18までの領域の全体を、縮径加工していく。
詳しくは、パンチ35の外周面のうち、缶軸O方向(パンチ35の中心軸方向)に沿う缶胴11の開口端部11aから縮径予定部18までの領域に対応する部位は、一定の外径に形成されている。
また、ダイス36の内周面のうち、缶軸O方向(ダイス36の中心軸方向)に沿う缶胴11の開口端部11aから縮径予定部18の上方に隣り合う部分(拡径予定部19)までの領域に対応する部位は、一定の内径に形成されている。
また図12(a)において、ダイス36の内周面のうち、缶胴11の縮径予定部18に対応する先端部(内周先端部)には、上方に向かうに従い漸次縮径する金型テーパ部と、金型テーパ部の上方に隣接配置されて径方向内側かつ下方へ向けて突出するとともに、周方向全周にわたって延びる環状の金型凸部100と、金型テーパ部の下方に隣接配置されて径方向外側かつ上方に向けて窪むとともに、周方向全周にわたって延びる環状の金型凹部110と、が形成されている。
具体的に、金型凸部100は、凸曲面状に形成されており、金型凹部110は、凹曲面状に形成されている。例えば金型凸部100は、R4mm〜R12mm程度の小さな凸Rに設定され、金型凹部110は、R12mm程度の小さな凹Rに設定される。
図5(a)(b)において、縮径加工時には、縮径用金型35、36のうち、まずパンチ35が、缶10に対して缶軸O方向に接近(前進)移動しつつ缶胴11内部に嵌合させられ、次にダイス36が、缶10に対して缶軸O方向に接近(前進)移動しつつ缶胴11外部に嵌合させられて、缶胴11の開口端部11aから縮径予定部18までの領域に縮径加工が施される。
また縮径加工後は、縮径用金型35、36のうち、まずダイス36が、缶10に対して缶軸O方向に離間(後退)移動しつつ缶胴11外部から離脱させられ、次にパンチ35が、缶10に対して缶軸O方向に離間(後退)移動しつつ缶胴11内部から離脱させられて、縮径用金型35、36は元の位置(加工準備位置、待機位置)に戻る。
なお、パンチ35及びダイス36が、缶10の缶胴11に嵌合するタイミングは、本実施形態で説明したものに限られるわけではなく、例えばこれらパンチ35及びダイス36が、缶10に対して同時に接近移動又は/及び離間移動するようにしてもよい。
そして、縮径予定部18に、縮径用金型35、36の加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を施すことにより、図2に示される縦断面視で凹曲線状をなすくびれ部17のうち、下方部分に位置する縮径部(凸曲面部22、縮径テーパ部21及び凹曲面部23)を成形する。なお、複数回の縮径加工ではそれぞれ、缶胴11の開口端部11aから縮径予定部18までの領域全体に、上述同様の縮径加工が施される。
このように、複数回の縮径加工を施すことにより、缶胴11を損傷させることなく、縮径部を大きく傾斜させたり、広範囲に傾斜させることができ、くびれ部17を種々の形状にくびれさせることが可能になる。
そして本実施形態では、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数よりも、多くしている。縮径加工の回数と拡径加工の回数の関係については、後述する拡径工程の説明において、別途述べる。
縮径工程では、縮径予定部18に少なくとも縮径テーパ部21を成形する。本実施形態では図10に示されるように、縮径工程において、縮径テーパ部21を成形しつつ、縮径テーパ部21の下方に隣接配置される部分を成形して、缶胴11の外側へ向けて凸となる凸曲面部22とし、縮径テーパ部21の上方に隣接配置される部分を成形して、缶胴11の内側へ向けて凹となる凹曲面部23としている。
ただし、縮径工程において成形される凸曲面部22は、缶10の縦断面視における曲率半径が、製品となる缶10の凸曲面部22に付与される所期する曲率半径よりも小さい、例えばR10mm程度の小Rに成形される。
つまり、複数のダイス36の内周先端部において、上記金型テーパ部に対応する形状が、縮径予定部18に縮径テーパ部21として転写される。また、複数のダイス36の内周先端部において、金型凹部110に対応する形状が、縮径予定部18に凸曲面部22として転写される。また、複数のダイス36のうち、最後の縮径加工に用いられるダイス36の内周先端部において、金型凸部100に対応する形状が、縮径予定部18に凹曲面部23として転写される。
なお、縮径工程では、缶胴11に、上述のように凸曲面部22及び凹曲面部23を成形する代わりに、例えば角張った形状の凸部及び凹部を成形してもよい。このような凸部及び凹部を成形した場合でも、本実施形態では、後述するリフォーム工程において再成形することにより、所期する最終形状(製品に付与される形状)の凸曲面部22及び凹曲面部23とすることができる。
[リフォーム工程(くびれ部成形工程)]
次に、図6(a)(b)及び図10に示されるように、缶10の缶胴11の内部及び外部にリフォーム用金型55、56を嵌合し、缶胴11のうち、縮径テーパ部21、凸曲面部22及び凹曲面部23を再成形する。本実施形態の例では、リフォーム工程において、縮径テーパ部21、凸曲面部22、及び凹曲面部23を、同時に再成形する。
ただしこれに限定されるものではなく、例えばリフォーム工程において、縮径テーパ部21、凸曲面部22及び凹曲面部23を、複数回に分けて再成形することとしてもよい。例えば、2回に分けてリフォーム加工を行う場合、リフォーム工程が、凸曲面部22を再成形する第1のリフォーム工程と、凹曲面部23を再成形する第2のリフォーム工程と、を備え、第1のリフォーム工程及び第2のリフォーム工程の少なくともいずれかにおいて、縮径テーパ部21も再成形することとしてもよい。さらに、3回以上のリフォーム工程(リフォーム加工)を備えていてもよい。なお、リフォーム工程が複数回設けられる場合には、缶胴11の凸曲面部22、縮径テーパ部21及び凹曲面部23が、缶軸O方向の缶底12から開口端部11a側へ向けて、この順番で再成形されることが好ましい。
具体的に本実施形態の例では、リフォーム用金型として、缶胴11の内部に嵌合するパンチ55と、缶胴11の外部に嵌合するダイス56と、が用いられる。これらリフォーム用金型55、56の各中心軸は、缶軸Oと同軸に配置される。そして、これらパンチ55とダイス56との間で、缶胴11のうち少なくとも縮径テーパ部21、凸曲面部22及び凹曲面部23を一度に再成形して、リフォーム加工する。なお、このリフォーム加工時において、例えば、缶胴11の開口端部11aから凹曲面部23までの領域全体を縮径加工してもよい。
リフォーム工程では、リフォーム用金型55、56を、缶10の上方に離間させて配置した状態から、これらのリフォーム用金型55、56と缶10とを缶軸O方向に相対的に接近移動させつつ、リフォーム用金型のパンチ55とダイス56の間に、缶10の缶胴11をその開口端部11aから進入させていく。
詳しくは、パンチ55の外周面のうち、缶軸O方向(パンチ55の中心軸方向)に沿う缶胴11の開口端部11aから凸曲面部22までの領域に対応する部位は、一定の外径に形成されている。
また、ダイス56の内周面のうち、缶軸O方向(ダイス56の中心軸方向)に沿う缶胴11の開口端部11aから凹曲面部23の上方に隣り合う部分(拡径予定部19)までの領域に対応する部位は、一定の内径に形成されている。
また図10において、ダイス56の内周面のうち、缶胴11の縮径部(縮径テーパ部21、凸曲面部22及び凹曲面部23)に対応する先端部(内周先端部)には、上方に向かうに従い漸次縮径する金型テーパ部57と、金型テーパ部57の上方に隣接配置されて径方向内側かつ下方へ向けて突出するとともに、周方向全周にわたって延びる環状の金型凸部58と、金型テーパ部57の下方に隣接配置されて径方向外側かつ上方に向けて窪むとともに、周方向全周にわたって延びる環状の金型凹部59と、が形成されている。
具体的に、金型凸部58は、凸曲面状に形成されており、金型凹部59は、凹曲面状に形成されている。例えば金型凸部58は、R60mm程度の大きな凸Rに設定され、金型凹部59は、R80mm程度の大きな凹Rに設定される。
図6(a)(b)において、リフォーム加工時には、リフォーム用金型55、56のうち、まずパンチ55が、缶10に対して缶軸O方向に接近(前進)移動しつつ缶胴11内部に嵌合させられ、次にダイス56が、缶10に対して缶軸O方向に接近(前進)移動しつつ缶胴11外部に嵌合させられて、缶胴11の縮径部に再成形加工(リフォーム加工)が施される。
またリフォーム加工後は、リフォーム用金型55、56のうち、まずダイス56が、缶10に対して缶軸O方向に離間(後退)移動しつつ缶胴11外部から離脱させられ、次にパンチ55が、缶10に対して缶軸O方向に離間(後退)移動しつつ缶胴11内部から離脱させられて、リフォーム用金型55、56は元の位置(加工準備位置、待機位置)に戻る。
なお、パンチ55及びダイス56が、缶10の缶胴11に嵌合するタイミングは、本実施形態で説明したものに限られるわけではなく、例えばこれらパンチ55及びダイス56が、缶10に対して同時に接近移動又は/及び離間移動するようにしてもよい。
詳しくは、このリフォーム工程では、図10に示される缶10の縦断面視において、上述の縮径工程で成形した凸曲面部22の曲率半径よりも大きな曲率半径R1となるように、該凸曲面部22を再成形する。本実施形態では、曲率半径R1が、例えばR80mmに設定される。また、上述の縮径工程で成形した凹曲面部23の曲率半径よりも大きな曲率半径R2となるように、該凹曲面部23を再成形する。本実施形態では、曲率半径R2が、例えばR60mmに設定される。また、上述の縮径工程で成形した縮径テーパ部21の表面を平らにならすように、該縮径テーパ部21を再成形する。
つまり、ダイス56の内周先端部において、金型テーパ部57に対応する形状が、缶胴11の縮径テーパ部21に転写される。また、ダイス56の内周先端部において、金型凹部59に対応する形状が、缶胴11の凸曲面部22に転写される。また、ダイス56の内周先端部において、金型凸部58に対応する形状が、缶胴11の凹曲面部23に転写される。
また、リフォーム工程では、図10に示される缶10の縦断面視において、凸曲面部22の曲率半径R1が、後述する拡径工程後に凸曲面部22に付与される予定の曲率半径(つまり最終形状として付与される、所期する曲率半径)よりも大きくなるように、凸曲面部22を再成形する。
[拡径工程(くびれ部成形工程)]
次に、図7(a)(b)及び図12(b)に示されるように、缶10の缶胴11の内部に拡径用金型40を嵌合し、図2に示されるように、該缶胴11のうち開口端部11aと縮径予定部18との間に位置する拡径予定部19に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施す。
拡径予定部19は、缶胴11における開口端部11a及び縮径予定部18以外の部位に位置しており、具体的には、開口端部11aから下方に離間して配置されているとともに、縮径予定部18の上方に隣接配置される。
なお、拡径予定部19は、縮径予定部18の上方に離間して配置されていてもよい。この場合、拡径加工後において、これら拡径予定部19と縮径予定部18との間に、例えば缶軸O方向に沿って一定の直径とされる小径部が形成されてもよい。つまりこの場合、缶胴11には、缶軸O方向に長いくびれ部17が形成される。
本実施形態の例では、図2において拡径予定部19は、缶胴11における上端部(開口端部11a)と下端部の間に配置されている。
具体的には、図7(a)(b)及び図12(b)において、拡径用金型として、缶胴11の内部に嵌合するパンチ40が用いられる。拡径用金型40の中心軸は、缶軸Oと同軸に配置される。そして、パンチ40を缶胴11の内部に挿入することによって、該缶胴11の開口端部11aから拡径予定部19までの領域全体を拡径加工する。
すなわち、拡径工程では、拡径用金型40を、缶10の上方に離間させて配置した状態から、拡径用金型40と缶10とを缶軸O方向に相対的に接近移動させつつ、拡径用金型40を、缶10の缶胴11内にその開口端部11aから進入させて、該缶胴11の開口端部11aから拡径予定部19までの領域の全体を、拡径加工していく。
詳しくは、パンチ40の外周面のうち、缶軸O方向(パンチ40の中心軸方向)に沿う缶胴11の開口端部11aから拡径予定部19の上方に隣り合う部分までの領域に対応する部位は、一定の外径に形成されている。また、パンチ40の外周面のうち、缶胴11の拡径予定部19に対応する部位には、上方に向かうに従い漸次拡径する金型テーパ部が形成されている。
図7(a)(b)において、拡径加工時には、拡径用金型のパンチ40が、缶10に対して缶軸O方向に接近(前進)移動しつつ缶胴11内部に嵌合させられて、缶胴11の開口端部11aから拡径予定部19までの領域に拡径加工が施される。
また拡径加工後は、パンチ40が、缶10に対して缶軸O方向に離間(後退)移動しつつ缶胴11内部から離脱させられて、パンチ40は元の位置(加工準備位置、待機位置)に戻る。
なお、パンチ40が缶胴11を拡径加工する部位は、該缶胴11のうち上述の縮径工程において縮径加工された部分よりも上方であり、よって拡径加工後において、前記縮径加工された部分の形状は維持される。
本実施形態では、拡径予定部19に、拡径用金型40の加工径を段階的に大きくしながら複数回の拡径加工を施すことにより、図2に示される縦断面視で凹曲線状をなすくびれ部17のうち、上方部分に位置する拡径部(凸曲面部32、拡径テーパ部31及び凹曲面部33)を成形する。なお、複数回の拡径加工ではそれぞれ、缶胴11の開口端部11aから拡径予定部19までの領域全体に、上述同様の拡径加工が施される。
このように、複数回の拡径加工を施すことにより、缶胴11を損傷させることなく、拡径部を大きく傾斜させたり、広範囲に傾斜させることができ、くびれ部17を種々の形状にくびれさせることが可能になる。
ただし、拡径加工は複数回でなくてもよく、単一の拡径加工によって凸曲面部32、拡径テーパ部31及び凹曲面部33を形成してもよい。
このようにくびれ部成形工程(縮径工程、リフォーム工程及び拡径工程)が施されることにより、缶胴11に、くびれ部17が成形される。
具体的に本実施形態では、くびれ部成形工程において、缶胴11の縮径予定部18に複数回の縮径加工を施した後、該縮径予定部18に対応する縮径部にリフォーム加工を一回(又は複数回)施し、次いで拡径予定部19に複数回の拡径加工を施すことにより、図2に示される缶10の縦断面視で、缶胴11の内側へ向けて窪む滑らかな凹曲線状のくびれ部17を成形している。
そして本実施形態では、縮径工程において、縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において、拡径予定部19に拡径加工を施す回数よりも、多くしている。つまり、縮径工程にて縮径予定部18に、縮径用金型35、36の加工径を段階的に小さくしながら縮径加工を施す回数を、拡径工程にて拡径予定部19に、拡径用金型40の加工径を段階的に大きくしながら拡径加工を施す回数よりも、多くする。
具体的に本実施形態では、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数が、例えば9回であり、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数が、例えば5回である。つまり、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数の1.8倍以上としている。
また、縮径工程においては、一回あたりの縮径加工により缶胴11の縮径予定部18の直径(外径)を加工直前の直径に対して縮小させる大きさを、単位加工あたりの縮径量として、複数回の縮径加工のうち、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量に対して、2回目以降の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量を小さくしている。
具体的に本実施形態では、例えば、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量が直径2.0mmであり、2〜5回目における前記単位加工あたりの縮径量がそれぞれ直径1.0mmであり、6〜9回目における前記単位加工あたりの縮径量がそれぞれ直径0.5mmである。つまり、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量に対して、2回目以降における前記単位加工あたりの縮径量が1/2以下であり、さらに6回目以降における前記単位加工あたりの縮径量が1/4以下である。また、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量は、1.8〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。
また、図10及び図11に示される缶10の縦断面視において、縮径テーパ部21と缶軸Oとの間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度(傾斜角)αを、拡径テーパ部31と缶軸Oとの間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度(傾斜角)βよりも、小さく設定している。
本実施形態においては、傾斜角αが、好ましくは8〜20°であり、望ましくは8〜10°である。そして、傾斜角αが、傾斜角βよりも小さい。
[ネッキング工程]
次いで、缶10にネッキング加工を施す。
本実施形態では、ネッキング用金型(縮径用金型)を用いて、缶胴11の開口端部11aに、滑らかな傾斜形状を備えたネック部13と、フランジ予定部14と、をネッキング加工により成形する。
具体的には、図8(a)(b)及び図12(c)に示されるように、缶10の缶胴11の内部及び外部にネッキング用金型45、46を嵌合し、図2に示されるように、該缶胴11における開口端部11aに、上方へ向かうに従い小径となる縮径加工を施して、ネック部13を成形する。また、この縮径加工により、ネック部13の上方に位置して円筒状をなすフランジ予定部14を成形する。
図8(a)(b)及び図12(c)において、ネッキング用金型として、缶胴11の内部に嵌合するパンチ45と、缶胴11の外部に嵌合するダイス46と、が用いられる。これらネッキング用金型45、46の各中心軸は、缶軸Oと同軸に配置される。そして、これらパンチ45とダイス46との間で、缶胴11の開口端部11aをネッキング加工する。
すなわち、ネッキング工程では、ネッキング用金型45、46を、缶10の上方に離間させて配置した状態から、これらのネッキング用金型45、46と缶10とを缶軸O方向に相対的に接近移動させつつ、ネッキング用金型のパンチ45とダイス46の間に、缶10の缶胴11をその開口端部11aから進入させて、該缶胴11の開口端部11aを、縮径加工していく。
なお、ネッキング工程(縮径工程)では、缶胴11の内部及び外部にネッキング用金型45、46を嵌合し、該缶胴11の開口端部(縮径予定部)11aに、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側(つまり上方)へ向かうに従い小径となる縮径加工を、ネッキング用金型45、46の加工径を段階的に小さくしながら複数回施すことにより、開口端部11aに、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い漸次小径となるネックテーパ部51を成形してもよい。
本実施形態のネッキング工程では、開口端部11aに少なくともネックテーパ部51を成形する。図2に示されるように、ネッキング工程において、ネックテーパ部51を成形しつつ、ネックテーパ部51の下方に隣接配置される部分を成形して、缶胴11の外側へ向けて凸となる凸曲面部52とし、ネックテーパ部51の上方に隣接配置される部分を成形して、缶胴11の内側へ向けて凹となる凹曲面部53としてもよい。
なお、ネッキング用金型45、46により缶胴11の開口端部11aを縮径加工する具体的な工程については、上述のくびれ部成形工程における縮径工程と略同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
つまり、ネッキング工程は、上述したくびれ部成形工程の縮径工程と同様に、縮径工程であるので、このネッキング工程の後工程として、上述したリフォーム工程をネック部13(凸曲面部52、ネックテーパ部51及び凹曲面部53)に施すことにより、所期する形状のネック部13を形成してもよい。
なお、ネッキング工程では、上述のネッキング用金型45、46を用いたネッキング加工に代えて、缶胴11の開口端部11aをスピンフローネッキング加工により成形してもよい。
スピンフローネッキング装置は、予めダイネッキングにより缶胴11の開口端部11a周辺にプレネックが施された缶10の、缶底12を吸着支持するベースパッドと、該ベースパッドにより缶10を缶軸O回りに回転させながら缶10の開口端部11a周辺に嵌入されるスライドロールと、該スライドロールより小径で缶10の内部に挿入される内部ロールと、缶の外部に配置され缶10の径方向に往復移動可能に設けられる成形ロール(外部ロール)と、を備える。
このスピンフローネッキング装置により、缶10の缶胴11を内部ロールと成形ロールとの間に挟んで開口端部11aの上端に向けて縮径し、ネック部13及びフランジ予定部14を成形する。
[フランジング工程]
次いで、図9(a)(b)に示されるように、缶胴11の開口端部11aに位置するフランジ予定部14をフランジング加工して、ネック部13の上端から径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ部15を成形する。
本実施形態では、フランジ予定部14をスピンフロー成形によりフランジング加工して、フランジ部15を形成している。ただしこれに限定されるものではなく、スピンフロー成形に代えて、金型(パンチ)を用いてフランジ予定部14をフランジング加工して、フランジ部15を形成してもよい。
このようにして缶10が製造され、フランジング工程の後工程へと搬送される。この後工程では、缶10の内部に飲料等の内容物が充填され、フランジ部15に缶蓋が巻締められて、缶体が密封される。
以上説明した本実施形態に係る缶10の製造方法では、縮径工程において、缶胴11の縮径予定部18に複数回の縮径加工を施し、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い漸次小径となる縮径テーパ部21を成形する。また、拡径工程においては、縮径予定部18(縮径テーパ部21)よりも開口端部11a側に位置する拡径予定部19に拡径加工を施すことにより、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い漸次大径となる拡径テーパ部31を成形する。
このように縮径テーパ部21及び拡径テーパ部31を成形することにより、缶胴11にくびれ部17が形成される。また、くびれ部17の径方向の深さを深く形成することができる。
そして、本実施形態の缶10の製造方法によれば、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数よりも多くしている。これにより、縮径加工の回数を増やすことができる。また、拡径加工の回数を減らすことができる。従って、くびれ部17の径方向の深さが浅く設定された場合はもちろんのこと、深く設定された場合においても、下記の顕著な作用効果が得られる。
具体的に、縮径加工の回数を増やすことができると、縮径予定部18に対して、縮径用金型(パンチ35及びダイス36)の加工径を段階的に小さくしながら縮径加工するときの、径を段階的に小さくしていく「ピッチ」(縮径用金型同士の加工径の差)を狭く設定することができる。
本発明の発明者は、缶10の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、缶胴11のくびれ部17においてしわが生じるのは、くびれ部17のうち下方に位置する縮径部(縮径テーパ部21)であり、上方に位置する拡径部(拡径テーパ部31)にはしわが生じないことを確認した。さらに、縮径部にしわが生じることを防止するには、該縮径部を成形する縮径加工の回数を増やすこと、つまり、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら縮径加工するときの上記ピッチを狭く設定することが有効である、という知見を得るに至った。
従って、本実施形態のように縮径工程において縮径加工の回数を増やすことができれば、くびれ部17にしわが生じることを安定して防止できる。
また、拡径加工の回数を減らすことができると、たとえくびれ部17がくびれる深さ(径方向の深さ)が大きく設定されていても、成形加工時におけるくびれ部17への負荷(特に拡径加工時の缶軸O方向の荷重)を加工全体として抑えることができる。具体的に、成形加工時において、くびれ部17に対して負荷となるのは、くびれ部17が形成された後に施される拡径加工(及びネッキング加工)であるから、該拡径加工の回数を減らすことにより、くびれ部17への負荷を確実に低減できる。
従って、本実施形態のように拡径工程において拡径加工の回数を減らすことができれば、成形加工時におけるくびれ部17の座屈を安定して防止することができる。
また本実施形態によれば、縮径加工の回数を増やしつつ、拡径加工の回数を減らすことにより、縮径加工の回数と拡径加工の回数の和を、従来に比べて同等又は同等以下に設定することが可能である。従って、上述した顕著な作用効果が得られつつ、生産性が低下するようなことを防止できる。
また、缶胴11にくびれ部17を形成することにより、くびれ部17の肉厚が、缶胴11におけるくびれ部17以外の部位(以下、「他の部位」と省略)の肉厚に比べて厚くなり、くびれ部17の強度が高められる。これは、くびれ部17を成形加工し径を小さくしていくと、くびれ部17の肉は缶軸O方向には移動しにくい(つまりくびれ部17における横断面の面積が維持される)ので、径が縮小させられる割合に応じて肉厚が厚くなるためである。
つまり本実施形態では、缶胴11の肉厚を薄くするのではなく、厚くするようにくびれ部17を成形加工するため、缶10の強度を安定して高めることができる。なお、缶胴11における他の部位の肉厚については、くびれ部17を成形する前工程のDI工程において、肉厚を所定の数値範囲に予め収めることができ、該他の部位における強度も安定的に確保することが可能である。
従って本実施形態によれば、缶10のコラム強度等の各種強度を、安定して高めることができる。
また、本実施形態では、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数の1.8倍以上としているので、上述した作用効果、つまりくびれ部17にしわが生じることを防止でき、成形加工時にくびれ部17の座屈を防止できる、という作用効果が、より確実に、かつ安定的に得られやすくなる。
また、本実施形態では、縮径工程と拡径工程の間に、リフォーム工程を備えているので、縮径工程において、缶胴11の縮径予定部18に対して、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を施していくことで、縮径テーパ部21に圧痕(図10に符号Iで示される、成形加工の痕)が形成されたり、該縮径テーパ部21の缶底12側に隣接配置される凸曲面部22に尖った部分(図10に符号Sで示される、成形荷重により座屈し尖った部分)が形成されたりしても、その後のリフォーム工程において、縮径テーパ部21、縮径テーパ部21の缶底側に隣接配置される凸曲面部22、及び、縮径テーパ部21の缶底12とは反対側に隣接配置される凹曲面部23に対して、リフォーム用金型(パンチ55及びダイス56)により再成形加工を施すため、下記の顕著な作用効果が得られる。
すなわち、リフォーム工程で缶胴11を再成形することにより、縮径テーパ部21の表面を平らにならすことができ、圧痕Iを消失させることができる。また凸曲面部22については、尖った部分Sを丸めて、所期する曲率半径R1となるように形状(凸R形状)を整えることができる。
また、リフォーム工程で再成形するのは、縮径テーパ部21及び凸曲面部22のみならず、縮径テーパ部21の缶底12とは反対側に隣り合う凹曲面部23をもであるから、この凹曲面部23についても所期する曲率半径R2となるように形状(凹R形状)を整えることができ、かつ、肉厚を確保して強度を安定させることができる。
また、リフォーム加工前の縮径加工時において、たとえ軽微なしわが生じてしまった場合であっても、リフォーム加工によってしわを消失させることができる。
また、図10に示される缶10の縦断面視において、缶胴11の縮径加工された縮径テーパ部21と、缶軸Oとの間に形成される傾斜角αが、本実施形態で説明したように、20°以下に小さく設定されるような場合には、該縮径テーパ部21が所謂「立った」状態となり、缶10のコラム強度(缶軸O方向の荷重に対する強度)を確保しやすくなる一方で、圧痕Iはより顕著に生じやすくなる。
このように縮径テーパ部21が立った状態とされた場合であっても、本実施形態の上記構成によれば、簡単かつ確実に縮径テーパ部21の圧痕Iを消失させることができるので、コラム強度を高めつつ、缶10の外観を良好に維持することが可能である。
また、リフォーム工程においては、リフォーム用金型によって、縮径テーパ部21、凸曲面部22及び凹曲面部23を再成形することにより、缶胴11の真円度(円筒度)が向上する。
すなわち一般に、缶胴11の径は、缶軸O方向に沿う同一位置であっても、缶軸O回りの周方向においてはばらつきが生じる(材料の異方性により径に差が生じる)ものであるが、リフォーム用金型によって、缶胴11を周方向全体に同時に型押しすることにより、上述した缶胴11の径のばらつきを小さくすることができる。これにより、缶胴11のコラム強度を安定的に向上させることができる。
また、リフォーム工程によって、缶胴11の真円度(円筒度)や直径が所期する値となるように形状を整えることができるので、リフォーム工程の後工程として行われる拡径工程やフランジング工程において、加工時に基準となる缶胴11の案内径部分(特に凹曲面部23)を精度よく形成することができる。これにより、リフォーム工程よりも後工程で行われる缶胴11への加工の精度が向上するため、製造される缶10の形状の品位を安定して高めることができ、缶10を美しい外観に形成することができる。
また、縮径工程及びリフォーム工程の後には、拡径工程が施される。拡径工程では、缶胴11の内部に拡径用金型(パンチ40)を嵌合し、縮径テーパ部21よりも開口端部11a側に位置する拡径予定部19に、缶軸O方向に沿って缶底12から開口端部11a側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施して、拡径テーパ部31を成形する。
本実施形態の上記構成によれば、上述のように缶胴11のコラム強度が高められているため、拡径加工時に缶胴11が座屈するようなことが格別顕著に抑制されて、製造が安定する。
このように、缶胴11の縮径予定部18に、縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を施しつつも、該缶胴11に圧痕Iや尖った部分Sが残されることを防止して、缶10に美麗な外観を付与することができ、かつ、コラム強度を高めることが可能である。
また、本実施形態では、縮径工程により成形された、縮径テーパ部21の缶底12側に隣接配置される凸曲面部22を、リフォーム工程において、図10に示される缶10の縦断面視で大きな曲率半径R1となるように成形加工する。具体的には、拡径工程後にこの凸曲面部22に付与される予定の曲率半径(つまり製品である缶10に最終形状として付与される、凸曲面部22の所期する曲率半径)よりも、大きな曲率半径R1となるように、リフォーム工程において凸曲面部22を再成形(リフォーム加工)する。
これにより、拡径工程において、拡径加工時の成形荷重によって凸曲面部22が座屈(曲率半径R1が小さくなるように変形)しても、最終的に出来上がった缶10の凸曲面部22を、所期する凸R形状に近づけることができる。
また、本実施形態では、図11に示される缶10の縦断面視において、缶胴11の縮径加工された縮径テーパ部21と、缶軸Oとの間に形成される傾斜角αが、缶胴11の拡径加工された拡径テーパ部31と、缶軸Oとの間に形成される傾斜角βよりも小さくされている。
このため、縮径テーパ部21を所謂「立った」状態とすることが容易であり、缶10のコラム強度を安定して高めることができる。具体的には、縮径テーパ部21の缶底12側に隣接配置される凸曲面部22の座屈を、小さく抑えることが可能になる。
つまり、缶胴11のくびれ部17においては、拡径テーパ部31よりも成形加工時に負荷が大きく作用する縮径テーパ部21に対して、十分な強度を付与すべきであり、本実施形態の上記構成によれば、該縮径テーパ部21に強度を確実に、かつ安定して付与することができる。
また、本実施形態では、縮径工程において、一回あたりの縮径加工により縮径予定部18の直径を加工直前の直径に対して縮小させる大きさを「単位加工あたりの縮径量」として、複数回の縮径加工のうち、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量に対して、2回目以降の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量を小さくすることとしたので、下記の作用効果が得られる。
すなわちこの場合、縮径工程において缶胴11に施される複数回の縮径加工のうち、2回目以降の縮径加工における単位加工あたりの縮径量を小さくできる。従って、特に成形加工の痕(しわや圧痕I)が残りやすい成形後半の縮径加工において、縮径加工の「ピッチ」(縮径用金型同士の加工径の差)を狭く設定することができ、これにより、缶胴11にしわや圧痕Iが残されることをより顕著に抑制できる。
また、縮径工程において缶胴11に施される複数回の縮径加工のうち、1回目の縮径加工における単位加工あたりの縮径量を大きくできる。従って、前記縮径量を大きくした分に応じて、縮径テーパ部21と、縮径テーパ部21の缶底12側に位置する缶胴11部分との間に、凸R形状(凸曲面部22)を形成するような加工が可能となる。この場合、縮径テーパ部21と、縮径テーパ部21の缶底12側に位置する缶胴11部分とを、滑らかに段差なく接続することができる。
なお、本実施形態で説明したように、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量に対して、2回目以降における前記単位加工あたりの縮径量が1/2以下とされていたり、6回目以降における前記単位加工あたりの縮径量が1/4以下とされている場合や、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量が、1.8〜3.0mmである場合には、上述した作用効果がより格別顕著なものとなり、好ましい。
詳しくは、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量が、1.8mm以上であることにより、縮径テーパ部21と、縮径テーパ部21の缶底12側に位置する缶胴11部分との接続部分を、滑らかに段差なく形成しつつもその形状がダレてしまうことを抑えて、形状を固定することができ、所期する形状を安定的に付与することができる。
また、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量が、3.0mm以下であることにより、前記接続部分にしわが発生することを防止することができる。
また、本実施形態の缶10の製造方法により製造された缶10は、図11に示されるように、缶胴11のうち、縮径テーパ部21と拡径テーパ部31の間に位置する部分(凹曲面部23及び凹曲面部33)、つまりくびれ部17の最深部(径方向の内側へ向けて最もくびれた部分)の肉厚Tiが、くびれ部17以外の部位(上述した「他の部位」であり、具体的には、缶胴11において最も外径が大きくされた部位。具体的には、缶胴11のうち、くびれ部17よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分)の肉厚Toに対して、1.05倍以上とされている。
従って、くびれ部17におけるコラム強度が十分に確保される。
具体的に、缶胴11において縮径テーパ部21と拡径テーパ部31の間に位置する部分は、これらの縮径テーパ部21及び拡径テーパ部31が互いに異なる向きに傾斜していることにより、縦断面が「く」字状に屈曲するように形成されている。このため、くびれ部17は他の部位に比べて負荷が集中しやすく、座屈しやすい。
そこで、上記構成のように、缶胴11のうち、くびれ部17の最深部における肉厚Tiを、他の部位の肉厚Toに比べて1.05倍以上に厚くすることにより、くびれ部17の座屈を顕著に抑制することができる。
また、本実施形態において上述したくびれ部17の座屈を抑える効果は、成形加工時はもちろんのこと、製品(缶体)流通時においても得られるものである。
また、本実施形態では、缶胴11のうち、縮径テーパ部21よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径と、缶胴11のうち、拡径テーパ部31よりも缶軸O方向の開口端部11a側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径とが、互いに同一であることとしたので、下記の作用効果が得られる。
すなわち、缶胴11のうち、くびれ部17よりも缶底12側に位置する部位の最大径と、くびれ部17よりも開口端部11a側に位置する部位の最大径とが、互いに同一とされているので、この缶10の製造時や流通時において、缶10を取り扱いやすい。具体的には、例えば缶10を搬送しやすく、また梱包しやすい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数に対して1.8倍以上にするとしたが、これに限定されるものではない。具体的に、本発明による作用効果は、縮径工程において縮径予定部18に縮径加工を施す回数を、拡径工程において拡径予定部19に拡径加工を施す回数よりも多くすることにより得られる。
また、前述の実施形態では、縮径工程と拡径工程との間に、リフォーム工程を備えることとしたが、リフォーム工程を備えなくてもよい。
また、ネッキング工程において、缶胴11の開口端部11aにネックテーパ部51、凸曲面部52及び凹曲面部53を成形した後に、これらネックテーパ部51、凸曲面部52及び凹曲面部53を再成形するリフォーム工程を備えてもよい。
また、前述の実施形態では、図11に示される缶10の縦断面視において、缶胴11の縮径テーパ部21と缶軸Oとの間に形成される傾斜角αが、缶胴11の拡径テーパ部31と缶軸Oとの間に形成される傾斜角βよりも小さくされているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、傾斜角αと傾斜角βとが、互いに同等の値とされていてもよく、或いは、傾斜角αが、傾斜角βよりも大きくてもよい。
また、前述の実施形態では、缶胴11のうち、くびれ部17の最深部における外径をDiとし、くびれ部17以外の部位(缶胴11のうち最大径の部位であり、具体的には、缶胴11のうち、くびれ部17よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分)の外径をDoとして、これら外径Do、Diの差である(Do−Di)が、4〜8mmとされていることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、(Do−Di)は、4mm未満であってもよく、或いは8mmを超えてもよい。
ただし、(Do−Di)が4mm以上であることにより、くびれ部17を設けたことによるデザイン性(意匠性)が高められ、また(Do−Di)が8mm以下であることにより、くびれ部17におけるコラム強度を十分に確保でき、ハンドリングも良くなる。従って(Do−Di)は、4〜8mmであることが好ましい。
また、ネッキング工程とフランジング工程の間に、ボトムリフォーム工程を行うこととしてもよい。
この場合、ボトムリフォーム工程では、缶10の缶底12に、ボトムリフォーム機構を用いてボトムリフォーム加工を施す。
また、前述の実施形態では、缶10が、その開口端部11aに缶蓋が巻締められる2ピース缶(缶体)に用いられるとしたが、これに限定されるものではなく、缶10は、その開口端部11aにキャップが螺着されるボトル缶(缶体)に用いられてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[コラム強度確認試験]
前述の実施形態で説明した缶10の製造方法により、下記表1に示される各種の缶10を作製した。
Figure 2016147310
具体的に、表1においては、
・符号「Di」…缶10の缶胴11のうち、くびれ部17の最深部における外径Di。
・符号「Do」…缶10の缶胴11のうち、くびれ部17以外の部位(缶胴11のうち最も大径の部位であり、具体的には、缶胴11のうち、くびれ部17よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分)における外径Do。
・符号「Ti」…缶10の缶胴11のうち、くびれ部17の最深部における肉厚Ti。
・符号「To」…缶10の缶胴11のうち、くびれ部17以外の部位(缶胴11のうち最も大径の部位であり、具体的には、缶胴11のうち、くびれ部17よりも缶軸O方向の缶底12側に位置する部位において最も外径が大きくされた部分)における肉厚To。
を、表している(図2及び図11を参照)。なお、缶胴11の外面・内面に塗装される塗膜については、コラム強度の向上に殆ど寄与することはなく、よって本実施例において、上記肉厚Ti、Toには、缶胴11の外面・内面に塗装される塗膜の厚さは含めていない。
従って表1において、(Do−Di)mmは、外径Do、Di同士の差を表している。また、(Ti−To)mmは、肉厚Ti、To同士の差を表している。また、(Ti/To)は、缶胴11のうち、くびれ部17の最深部における肉厚Tiの、くびれ部17以外の部位(くびれ部17よりも缶底12側において最も大径とされた部分)の肉厚Toに対する比(厚肉率)を表している。
また、缶10における上記以外の諸元は、下記の通りである。
・元板厚(ブランクWの肉厚、缶底12の肉厚に略相当):0.475mm
・缶胴11の最大径の部位の肉厚(くびれ部17を成形する前の縮径予定部18及び拡径予定部19の肉厚に相当):0.20mm
・缶胴11の外径(くびれ部17を成形する前の縮径予定部18及び拡径予定部19の外径に相当):66mm
・フランジ部15の高さ(缶軸O方向に沿う接地部12bからフランジ部15上面までの距離):164mm
・くびれ部17の高さ(缶軸O方向に沿う接地部12bからくびれ部17の最深部までの距離):53mm
そして、表1の実施例1〜6に示される(Do−Di)、(Ti−To)、(Ti/To)に設定された各種の缶10を、24缶ずつ用意し、それぞれの缶についてコラム強度を測定した。コラム強度の平均値を、表1に示す。
[評価]
本発明の実施例1〜6のすべてにおいて、コラム強度が850N以上に確保された。また、これら実施例1〜6の中でも、(Ti/To)が1.05以上であり、かつ、(Do−Di)が4〜8mmである実施例1〜4においては、コラム強度が1100N以上に高められ、優れた結果となった。
10 缶
11 缶胴
11a 開口端部
12 缶底
18 縮径予定部
19 拡径予定部
21 縮径テーパ部
22 凸曲面部
23 凹曲面部
31 拡径テーパ部
35 パンチ(縮径用金型)
36 ダイス(縮径用金型)
40 パンチ(拡径用金型)
55 パンチ(リフォーム用金型)
56 ダイス(リフォーム用金型)
Do 外径
O 缶軸
R1 曲率半径
Ti、To 肉厚
α、β 傾斜角

Claims (8)

  1. 缶胴と缶底を備える有底筒状の缶の製造方法であって、
    前記缶胴の内部及び外部に縮径用金型を嵌合し、該缶胴の縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底からこの缶胴の開口端部側へ向かうに従い小径となる縮径加工を、前記縮径用金型の加工径を段階的に小さくしながら複数回施すことにより、前記縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い漸次小径となる縮径テーパ部を成形する縮径工程と、
    前記缶胴の内部に拡径用金型を嵌合し、該缶胴の前記開口端部と前記縮径予定部との間に位置する拡径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い大径となる拡径加工を施すことにより、前記拡径予定部に、缶軸方向に沿って前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い漸次大径となる拡径テーパ部を成形する拡径工程と、を備え、
    前記縮径工程において前記縮径予定部に縮径加工を施す回数を、前記拡径工程において前記拡径予定部に拡径加工を施す回数よりも多くすることを特徴とする缶の製造方法。
  2. 請求項1に記載の缶の製造方法であって、
    前記縮径工程において前記縮径予定部に縮径加工を施す回数を、前記拡径工程において前記拡径予定部に拡径加工を施す回数の1.8倍以上とすることを特徴とする缶の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の缶の製造方法であって、
    前記縮径工程と前記拡径工程との間に、リフォーム工程を備え、
    前記リフォーム工程では、前記缶胴の内部及び外部にリフォーム用金型を嵌合し、前記缶胴のうち、前記縮径テーパ部、前記縮径テーパ部の前記缶底側に隣接配置されて前記缶胴の外側へ向けて凸となる凸曲面部、及び、前記縮径テーパ部の前記缶底とは反対側に隣接配置されて前記缶胴の内側へ向けて凹となる凹曲面部、を再成形することを特徴とする缶の製造方法。
  4. 請求項3に記載の缶の製造方法であって、
    前記リフォーム工程では、当該缶の縦断面視において、前記凸曲面部の曲率半径が、前記拡径工程後に前記凸曲面部に付与される予定の曲率半径よりも大きくなるように、前記凸曲面部を再成形することを特徴とする缶の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の缶の製造方法であって、
    当該缶の縦断面視において、
    前記縮径テーパ部と前記缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を、
    前記拡径テーパ部と前記缶軸との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度よりも、小さく設定することを特徴とする缶の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の缶の製造方法であって、
    前記縮径工程において、一回あたりの縮径加工により前記縮径予定部の直径を加工直前の直径に対して縮小させる大きさを、単位加工あたりの縮径量として、
    複数回の縮径加工のうち、1回目の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量に対して、2回目以降の縮径加工における前記単位加工あたりの縮径量を小さくすることを特徴とする缶の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の缶の製造方法により製造された缶であって、
    前記缶胴のうち、前記縮径テーパ部と前記拡径テーパ部の間に位置する部分の肉厚が、該缶胴において最も外径が大きくされた部位の肉厚の1.05倍以上であることを特徴とする缶。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の缶の製造方法により製造された缶であって、
    前記缶胴のうち、前記縮径テーパ部よりも缶軸方向の前記缶底側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径と、
    前記缶胴のうち、前記拡径テーパ部よりも缶軸方向の前記開口端部側に位置する部位において最も大径とされた部分の外径とが、互いに同一であることを特徴とする缶。
JP2015225164A 2015-02-09 2015-11-17 缶の製造方法及び缶 Pending JP2016147310A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015023305 2015-02-09
JP2015023305 2015-02-09

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016147310A true JP2016147310A (ja) 2016-08-18

Family

ID=56690843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015225164A Pending JP2016147310A (ja) 2015-02-09 2015-11-17 缶の製造方法及び缶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016147310A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018065182A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
JP2018065183A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
PL426328A1 (pl) * 2018-03-20 2019-09-23 Can-Pack Spółka Akcyjna Puszka metalowa
JP2019181549A (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 ユニバーサル製缶株式会社 缶体の製造方法
JP2020001704A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶及びその製造方法
US10934104B2 (en) 2018-05-11 2021-03-02 Stolle Machinery Company, Llc Infeed assembly quick change features
JP2021037544A (ja) * 2020-11-04 2021-03-11 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
US11097333B2 (en) 2018-05-11 2021-08-24 Stolle Machinery Company, Llc Process shaft tooling assembly
US11117180B2 (en) 2018-05-11 2021-09-14 Stolle Machinery Company, Llc Quick change tooling assembly
US11208271B2 (en) 2018-05-11 2021-12-28 Stolle Machinery Company, Llc Quick change transfer assembly
CN114346073A (zh) * 2021-11-29 2022-04-15 东风商用车有限公司 控制发动机后处理gbd缩径圆柱度的多级校正机构及方法
US11370015B2 (en) 2018-05-11 2022-06-28 Stolle Machinery Company, Llc Drive assembly
US11420242B2 (en) 2019-08-16 2022-08-23 Stolle Machinery Company, Llc Reformer assembly
US11565303B2 (en) 2018-05-11 2023-01-31 Stolle Machinery Company, Llc Rotary manifold
JP7272481B1 (ja) 2022-03-03 2023-05-12 東洋製罐株式会社 金属容器の製造方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018065182A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
JP2018065183A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
PL426328A1 (pl) * 2018-03-20 2019-09-23 Can-Pack Spółka Akcyjna Puszka metalowa
JP2019181549A (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 ユニバーサル製缶株式会社 缶体の製造方法
JP7089398B2 (ja) 2018-04-17 2022-06-22 ユニバーサル製缶株式会社 缶体の製造方法
US11117180B2 (en) 2018-05-11 2021-09-14 Stolle Machinery Company, Llc Quick change tooling assembly
US11370015B2 (en) 2018-05-11 2022-06-28 Stolle Machinery Company, Llc Drive assembly
US11097333B2 (en) 2018-05-11 2021-08-24 Stolle Machinery Company, Llc Process shaft tooling assembly
US10934104B2 (en) 2018-05-11 2021-03-02 Stolle Machinery Company, Llc Infeed assembly quick change features
US11208271B2 (en) 2018-05-11 2021-12-28 Stolle Machinery Company, Llc Quick change transfer assembly
US11565303B2 (en) 2018-05-11 2023-01-31 Stolle Machinery Company, Llc Rotary manifold
JP2020001704A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶及びその製造方法
JP7207873B2 (ja) 2018-06-25 2023-01-18 アルテミラ製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
US11420242B2 (en) 2019-08-16 2022-08-23 Stolle Machinery Company, Llc Reformer assembly
JP2021037544A (ja) * 2020-11-04 2021-03-11 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
JP7069275B2 (ja) 2020-11-04 2022-05-17 ユニバーサル製缶株式会社 ボトル缶の製造方法
CN114346073A (zh) * 2021-11-29 2022-04-15 东风商用车有限公司 控制发动机后处理gbd缩径圆柱度的多级校正机构及方法
CN114346073B (zh) * 2021-11-29 2023-10-24 东风商用车有限公司 控制发动机后处理gbd缩径圆柱度的多级校正机构及方法
JP7272481B1 (ja) 2022-03-03 2023-05-12 東洋製罐株式会社 金属容器の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016147310A (ja) 缶の製造方法及び缶
US20210114077A1 (en) Shaped metal container, microstructure, a method for making a shaped metal container
AU2016203647B2 (en) Method for expanding the diameter of a metal container
AU681435B2 (en) Method of forming a metal container body
US9555459B2 (en) Can manufacture
JP6414957B2 (ja) 缶の製造方法、ボトムリフォーム機構及びこれに用いるトップ支持部材
JP2016107339A (ja) Di缶の製造方法
JP2005536411A (ja) アルミニウム製エアゾール缶及びアルミニウム製ボトル並びにこれらをコイル材から製造する方法
JPH07100201B2 (ja) 絞られた缶体方法、装置及び製品
AU2011212400B2 (en) Can manufacture
JP2016107341A (ja) 缶の製造方法
JP6414958B2 (ja) 缶の製造方法、ボトムリフォーム機構及びこれに用いるボトム支持部材
JP6948843B2 (ja) 缶の製造方法
JP6650283B2 (ja) 缶の製造方法及び缶
EP0512984B1 (en) Method and apparatus for processing containers
JP2017136605A (ja) 缶の製造方法
JP2022120828A (ja) 金属製カップの製造方法
JP2016107340A (ja) パンチスリーブ及びこれを用いたdi缶の製造方法
JP2019058915A (ja) ボトル缶の製造方法
US20130032602A1 (en) Can manufacture using an annealing step
JP2018001253A (ja) 缶の製造方法
WO2019130609A1 (ja) 胴部に凹凸加工部を有するエアゾール用缶体およびその製造方法
CN112605258A (zh) 一种气雾罐的加工模具及方法
JP2016030279A (ja) Di缶及びdi缶の製造方法
NZ625920B2 (en) Method for expanding the diameter of a metal container

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181026