JPH09103832A - 空缶を用いた2重壁カップ及びその製造方法及びその製造 装置 - Google Patents

空缶を用いた2重壁カップ及びその製造方法及びその製造 装置

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JPH09103832A
JPH09103832A JP7259934A JP25993495A JPH09103832A JP H09103832 A JPH09103832 A JP H09103832A JP 7259934 A JP7259934 A JP 7259934A JP 25993495 A JP25993495 A JP 25993495A JP H09103832 A JPH09103832 A JP H09103832A
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JP
Japan
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empty
cup
double
molding
liquid
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JP7259934A
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English (en)
Inventor
Yoji Monno
洋二 門野
Takumi Takashima
巧 高島
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Central Motor Wheel Co Ltd
Chuo Seiki KK
Original Assignee
Central Motor Wheel Co Ltd
Chuo Seiki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料のロスを全く生ずることなく、空缶から
極めて簡単な方法で2重壁カップを製造し、廃却空缶の
有効利用を図る。 【解決手段】 金属製空缶を原材料とし、該空缶3内に
非圧縮性の液体9を充てんして金型ダイス1内に挿入す
る。次で開口穴3fからの液体の排出量を抑制して空缶
3の底面側から成形ポンチ8を空缶3内に押し込み、空
缶3の底側略下半分を開口穴側略上半分の内側へ折曲さ
せて2重壁カップを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空缶を用いた2重
壁カップ及びその製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、2重カップ(容器)はその断熱
性、軽量性を特徴に、ステンレス、銅、アルミニウムな
どの金属製や合成樹脂製のものが広く実用化、市販され
ている。
【0003】従来のこのような2重カップは、いずれも
その原料として新しい板材やペレット材を使用して、プ
レス成形、ロール成形、射出成形などで、内壁カップと
外壁カップを夫々別々に成形した後、これらを重ね合せ
て溶接またはかしめ等により一体化する方法で形成して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の2重カップ
の製造においては、内壁と外壁を板材等から別々に成形
する工程と、これらを相互に組付ける工程と、更には組
付け後の相互の溶接又はかしめ工程等、複雑かつ多数の
工程を要することから、材料の歩留りも悪く、かつ成形
装置も高価となる。
【0005】そこで本発明は、空缶の有効活用と、溶
接、組付け工程を用いない単純な工程による歩留りの向
上と、製造装置の簡易化を図り、上記従来の課題を解決
する2重カップ及びその製造方法及びその製造装置を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、第1の発明は、金属製空缶の底側略下半分が開口
穴側略上半分の内側へ折曲されていることを特徴とする
空缶を用いた2重壁カップである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の2
重壁カップにおいて、その開口穴側端面に、開口穴(3
f)を密閉する密閉板(12)を具備したことを特徴と
する空缶を用いた2重カップである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の2
重壁カップにおいて、その開口穴側端面に、開口穴(3
f)を密閉する密閉板(12)と、該密閉板(12)の
外周部にそのカップの胴部外周を覆う把持部(14)を
一体に形成したカバー(15)を具備したことを特徴と
する空缶を用いた2重壁カップである。
【0009】請求項4記載の発明は、金属製空缶を原材
料とし、該空缶(3)内に非圧縮性の液体(9)を充て
んして該空缶(3)を金型ダイス(1)内に挿入し、次
で該空缶(3)の底面側から成形ポンチ(8)を空缶内
に押し込むとともに空缶内に充てんされた液体(9)の
空缶開口穴(3f)からの流出量を抑制してその液体を
調圧し、空缶(3)の底側略下半分を成形ポンチ(8)
で、開口穴側略上半分の内側へ押し込み折曲することを
特徴とする請求項1記載の空缶を用いた2重壁カップの
製造方法である。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の製
造方法において、原材料の空缶の外表面を成形前または
成形後に、機械的にまたは化学的にあるいは電気化学的
に表面処理を施すことを特徴とする空缶を用いた2重壁
カップの製造方法である。
【0011】請求項6記載の発明は、下方から空缶を挿
入する成形穴(2)を有する金型ダイス(1)と、上記
成形穴(2)の上部に形成した液体排出穴(5a)と、
該液体排出穴(5a)の周囲において挿入された空缶
(3)との間を密閉する密閉手段(4)と、上記液体排
出穴(5a)から調圧弁(6)を介して液体を排出する
液体排出路(5)と、空缶(3)の胴部外面の直径より
空缶胴部肉厚の4倍以上小さい直径を有して上記成形穴
(2)内に下方より出入する成形ポンチ(8)とからな
ることを特徴とする空缶を用いた2重壁カップの製造装
置である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に図に示す本発明の実施例につ
いて説明する。図1は本発明による2重カップの成形状
態を示しており、カップ中心線より左側半分は成形加工
直前の状態を示し、右側半分は成形完了状態を示す側断
面図である。
【0013】図1において、1は成形ダイスで、下端が
開口する成形穴2が形成されている。該成形穴2は、成
形すべき空缶3の胴部3aがほぼ一ぱいに嵌る内径でか
つ深さを有する胴部2aと、空缶3の肩部3bの形状に
ほぼ沿った肩部2bと、該肩部2bの上方において水平
に形成した頭部2cとからなる。更に、頭部2cの内面
外周には、空缶3の天板(蓋)3cの外周に形成された
突条3dが当接する密閉手段であるシール用パッキン4
が固設されている。
【0014】上記成形穴2の頭部2cには、液体排出路
5の排出口5aが開口されている。該液体排出路5は、
調圧リリーフ弁6を介して型外へ液体を排出するように
なっている。図中、7は液体排出路5に設けた圧力計で
ある。
【0015】8は成形ポンチで、上記成形穴2に対し
て、その下端開口部から挿入したり、離脱するように昇
降可能に備えられており、油圧シリンダ等の適宜昇降駆
動手段(図示せず)により昇降する。該成形ポンチ8の
外径は、空缶3の胴部外面の直径より空缶胴部肉厚の4
倍以上小さい直径で、後述するような2重管を成形する
のに最適な径に設定され、またその先端面8aは、成形
する空缶3の底面3eの凹面形状に沿った凸面形状に形
成されている。
【0016】9は空缶3内に充てんされる加圧用の液体
で、水または油等の非圧縮性液体が好ましく、特に水を
使用すると後処理が不要になる。次に、上記の成形装置
を使用して2重カップを製造する方法について説明す
る。
【0017】図1において、先ず原料である空缶3内
に、その切り開かれた開口穴3fから液体9を充てん
し、この空缶3の底面3eを成形ポンチ8の先端面8a
に載せる。
【0018】次で、成形ポンチ8を昇降駆動手段で矢印
A方向に上動して空缶3を成形穴2に図1の左半部のよ
うに挿入し、更に成形ポンチ8を押し上げる。すると、
空缶3の底面3eは成形ポンチ8の先端面8aに合致
し、この底面3eは変形することはないが、その底面3
eの側部、すなわち胴部3aの下端壁から順次上部壁が
空缶3の内側に折り曲げられ、その折り曲げられた壁は
成形ポンチ8の外周に沿って図1の右半部に示すように
内壁3gを構成する。
【0019】このとき、空缶3の突条3dが成形ポンチ
8の押し上げ力によってシール用パッキン4に圧接され
て該突条3d部がシールされるため、空缶3内の液体9
は排出口5aから液体排出路5へ排出される。したがっ
て、調圧リリーフ弁6を所定に設定することにより、空
缶3内に充てんされた液体が所定の高圧になるととも
に、液体9が調圧リリーフ弁6を通じて排出されるた
め、空缶3内の液圧を、成形ポンチ8による成形初期か
ら成形完了時までほぼ一定圧に保持して成形することが
できる。
【0020】そのため、胴部の外壁3hと内壁3gとの
隙間d内に充てんされた液体圧が、成形初期から成形完
了時まで、ほぼ一定圧に保持されるので、所定の隙間の
2重カップを成形できる。
【0021】図1の右半分に示すように成形が完了する
と、空缶の底側略下半分が開口穴側略上半分の内側に折
曲した2重壁カップが形成される。そして成形ポンチ8
を下動して金型ダイス1の成形穴2内から引き出し、そ
の成形体を取出し、2重壁カップ内の液体9を開口穴3
fから抜く。そして、その2重壁カップを上下逆にすれ
ば図2に示すような収容部10aを有し、かつその収納
部10aの頂部周縁10bに継目のない2重カップ10
が形成される。
【0022】尚、原料である元の空缶3の外表面には、
内容物種類、メーカー名、商標等が印刷されているの
で、これを除く処理をする。この除去処理方法として
は、成形前または成形後において、バフ研磨、ショット
ブラスト、ワイヤブラシ等の機械的研磨処理方法また
は、科学的研磨処理方法を用いる。また、除去した面は
必要に応じて新たな表面処理を施すもので、この表面処
理としては、陽極酸化、メッキ、塗装等の処理方法を用
いる。
【0023】次に実際に空缶から2重カップを成形した
実験結果を表1に示す。尚、製造装置及び製造方法は上
記のものとし、使用空缶及び使用液体は次のものを使用
した。
【0024】 空缶の構造 容量350mリットル 2ピース構造 胴部外径66mm 胴部肉厚0.1mm 空缶の材質 アルミニウム合金 液圧用液体 プレス作動油 表面処理 成型前にショットブラストにより印刷除去
【0025】
【表1】 以上の表から、2重壁カップの成形のための加工条件と
して次の2つの要素が重要であることが分かる。
【0026】その第1は、液圧の設定圧力である。これ
が小さい場合は空缶3の外壁の座屈が発生し、逆に過大
になると外壁が異常変形または破断を起こす。また、第
2は、内外壁の隙間dの寸法である。これが小さいと空
缶3の外壁の座屈が発生し、逆に大きいと内壁にしわが
発生する。
【0027】その結果、例えば上記の構造の空缶を使用
した場合には、表1から、成形ポンチ8の外径Dが62
<D<65mmで、隙間dが0.3<d<1.8mm程度
で、かつ、液圧が30〜80kg/cm2 の範囲で成形初期
から成形完了まで維持されていることが好ましく、この
条件のもとで座屈等のない良好な2重カップが得られ
た。
【0028】次に、上記のように成形された2重カップ
10の使用形態は図2に示すように、その口部3f側を
底部として使用する。この成形状態のままでは、開口穴
3fが露出した状態で存在するため、内外壁間の中空部
(隙間d)11内に空気が自由に出入りし断熱効果を低
下させるとともに、カップ洗浄時に水や洗剤が入り、そ
の除去が困難である。
【0029】そのため、図3に示すように、上記2重カ
ップ10の底部に樹脂製等の底板12を取付けて底部を
被覆するとともに中空部を密封する。この底板12は、
上記突条3dに挟着的に嵌合する凹部12aを形成し、
該凹部12aに突条3dを圧入嵌合して具備する。
【0030】図4は上記底板12の外周部に、2重カッ
プ10の外壁3hの胴部外周を被覆するように延在させ
た把持部14を一体に有するカバー15を備えたもの
で、その取付けは上記と同様の凹部12aと突条3dの
嵌合で行っている。
【0031】通常、2重カップの外壁3hは極薄肉で形
成されており、該外壁3hを手で把持した場合に外壁3
hがベコベコした感じが生じ、把持性が悪い。そのた
め、上記のように把持部14を形成したカバー15を付
設することにより、2重カップの保持性が向上し、か
つ、断熱保温性が一層向上する。
【0032】
【発明の効果】以上のようであるから、請求項1記載の
発明によれば、空缶を2重カップにリサイクルできると
ともに、2重壁カップの外壁と内壁が一連の材料で形成
され、収納部の頂部周縁における外壁と内壁の連結継目
がなく、外観が良い。しかも、底側略下半分を折曲する
のみであるからその製造も容易になる。
【0033】請求項2記載の発明によれば、更に、元の
空缶の開口穴が密閉板で密閉されているので、その2重
壁カップの洗浄時に、洗浄水や洗剤が開口穴から2重壁
間に侵入することを防止でき、かつ、開口穴の外視を防
止できる。
【0034】請求項3記載の発明によれば、更に、カバ
ーの把持部が2重壁カップの胴部外周を覆うため、2重
壁カップを使用する場合には2重壁カップの外周面を直
接把持することなく把持部を持って使用することができ
る。したがって、空缶が極薄肉であっても把持時にベコ
ベコ感を生じることがなく、かつ把持部が、一層の断熱
保温性の向上に寄与する。
【0035】請求項4記載の発明によれば、空缶の形状
をそのまま有効利用し、かつ、材料のロスを全く生じる
ことなく空缶から直接2重壁カップを製造できる。更
に、従来のように空缶を原料化し、再成形するものに比
べて、極めて単純でかつ少ない工程で製造できるので、
作業能率の向上、歩留りの向上を図ることができ、2重
カップを安価に成形できる。
【0036】請求項5記載の発明においては、更に、原
材料である空缶の外表面に印刷されていた不要な文字等
が除去されるので、その2重壁カップを外観上新規なも
のに見せることができる上に、新たな印刷をすることも
できる。
【0037】請求項6記載の発明は、上記の製造方法を
簡易に達成できる製造装置を提供できる。以上のことか
ら、上記各発明は、廃却空缶の有効利用が図れるという
産業上極めて有効な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法及び製造装置を示す模式的
断面説明図。
【図2】 成形された2重壁カップの側断面図。
【図3】 成形された2重壁カップに密閉板を具備した
側断面図。
【図4】 成形された2重壁カップに把持部付カバーを
具備した側断面図。
【符号の説明】
1…金型ダイス 2…成形穴 3…空缶 3f…開口穴 4…密閉手段 5…液体排出路 5a…液体排出穴 6…調圧弁 8…成形ポンチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製空缶の底側略下半分が開口穴側略
    上半分の内側へ折曲されていることを特徴とする空缶を
    用いた2重壁カップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の2重壁カップにおいて、
    その開口穴側端面に、開口穴を密閉する密閉板を具備し
    たことを特徴とする空缶を用いた2重カップ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の2重壁カップにおいて、
    その開口側端面に、開口穴を密閉する密閉板と、該密閉
    板の外周部にそのカップの胴部外周を覆う把持部を一体
    に形成したカバーを具備したことを特徴とする空缶を用
    いた2重壁カップ。
  4. 【請求項4】 金属製空缶を原材料とし、該空缶内に非
    圧縮性の液体を充てんして該空缶を金型ダイス内に挿入
    し、次で該空缶の底面側から成形ポンチを空缶内に押し
    込むとともに空缶内に充てんされた液体の空缶開口穴か
    らの流出量を抑制してその液体を調圧し、空缶の底側略
    下半分を成形ポンチで、開口穴側略上半分の内側へ押し
    込み折曲することを特徴とする請求項1記載の空缶を用
    いた2重壁カップの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の製造方法において、原材
    料の空缶の外表面を成形前または成形後に、機械的にま
    たは化学的にあるいは電気化学的に表面処理を施すこと
    を特徴とする空缶を用いた2重壁カップの製造方法。
  6. 【請求項6】 下方から空缶を挿入する成形穴を有する
    金型ダイスと、上記成形穴の上部に形成した液体排出穴
    と、該液体排出穴の周囲において挿入された空缶との間
    を密閉する密閉手段と、上記液体排出穴から調圧弁を介
    して液体を排出する液体排出路と、空缶の胴部外面の直
    径より空缶胴部肉厚の4倍以上小さい直径を有して上記
    成形穴内に下方より出入する成形ポンチとからなること
    を特徴とする空缶を用いた2重壁カップの製造装置。
JP7259934A 1995-10-06 1995-10-06 空缶を用いた2重壁カップ及びその製造方法及びその製造 装置 Pending JPH09103832A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1044792A2 (de) * 1999-03-31 2000-10-18 Georg Emil Scheller Verfahren und Vorrichtung zum Komprimieren gebrauchter Einwegdosen
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