JP6106497B2 - 缶胴の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、缶胴の開口端部に絞り加工を行ってネックイン部を形成する缶胴の加工方法に関する。
飲料等を内容物とする缶体として、スリーピース缶とツーピース缶とを挙げることができる。スリーピース缶は、円筒状の缶胴と、この缶胴の両端の開口を閉塞する2枚の缶蓋との3部材で構成され、ツーピース缶は、上端が開口し底部が閉塞された有底円筒状の缶胴と、上端の開口を閉塞する1枚の缶蓋との2部材で構成される。
また、この種の缶体においては、缶胴の開口端部にその開口径を小さくするためのネックイン部を設け、缶胴の開口を閉塞する缶蓋を小径とすることにより缶蓋の材料費を削減することが行われている。
ネックイン部は、缶胴の開口端部の高さ方向に沿った所定範囲に全周にわたり設けられるが、その形状としては、缶胴の軸線に向かって段階的に縮径した階段状ネックイン部と、缶胴の軸線に向かう滑らかな傾斜を形成することにより縮径したテーパ状ネックイン部とが知られている。
階段状ネックイン部では、縮径量の大きいものでは段差の数も多く、大きく目立つため、缶体としての外観が低下する不都合がある。
これに対し、テーパ状ネックイン部は段差のない平滑な傾斜であるため、比較的狭い範囲に設けて目立たなくすることが可能であり、良好な外観を得ることができる。よって、この種の缶体においては、テーパ状ネックイン部を設ける方が好ましい。
ところで、ツーピース缶は、肉厚のカップ状素材に絞りしごき加工を施すことにより薄肉の有底円筒状の缶胴が成形される。このため、ツーピース缶の缶胴は、加工性の良いアルミニウム材料が採用されることが多く、アルミニウム材料以外の材料が用られる場合であっても、その材料は硬度が比較的低く加工性の良いものが選択される。
そして、硬度が比較的低く加工性の良い材料で形成されているツーピース缶の缶胴に、テーパ状ネックイン部を設けることは比較的容易である。
一方、スリーピース缶は、矩形状のスチール製板材を筒状に丸め、更に端縁同士を溶接等により接合することにより円筒状の缶胴が形成される。スリーピース缶の缶胴は、缶蓋が巻締められていない状態では、その径方向に潰れるような変形に対抗する構造を有しない。このため、スリーピース缶においては、缶胴の材料として、肉厚の薄い材料にあっては板材の硬度の比較的高いスチール材料が採用され、これにより、缶蓋が巻締められていない状態であっても缶胴の円筒形状が維持される。
しかし、このように肉厚が薄くしかも硬度の比較的高いスチール材料が採用されているスリーピース缶の缶胴は、加工性が比較的悪く、縮径量の大きなテーパ状ネックイン部を一度に形成することが難しい。具体的には、スリーピース缶用の缶胴に縮径率の大きなテーパ状ネックイン部を絞り加工により成形すると、加工時の余肉が吸収できず、特に、溶接接合部の近傍に皺が発生して外観低下を招く不都合がある。
そこで、従来、缶胴の開口端部にテーパ状ネックイン部を成形するとき、1回の絞り加工による縮径量を小さくし、均等に多数回(10〜14回)の絞り加工を行う方法が提案されている(下記特許文献1参照)。
しかし、この方法によると、ネックイン部を成形する際の絞り加工の工程数が多いために、缶胴の製造効率が低くなるだけでなく、加工設備も複雑で大きなものとなるため製造コストが増加する不都合がある。
また、前述したように肉厚が薄くしかも硬度の比較的高いスチール材料が採用されているスリーピース缶の缶胴に、比較的大きな縮径量で傾斜角度の大きいテーパ状ネックイン部を設けた場合には、コラム強度(缶胴の軸線方向の強度)が低下して、缶蓋を巻締める際に缶胴に付与される荷重によりネックイン部が変形する不都合がある。
特許第3834065号公報
上記の点に鑑み、本発明は、比較的大きな縮径量のテーパ状ネックイン部を比較的少ない工程数で皺を発生させることなく形成し、コラム強度を低下させることなく外観良好な缶胴を低コストで製造することができる缶胴の加工方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、両端が開口する円筒状のスチール製缶胴の開口端部に接して縮径変形させる縮径案内面を備える外型と、該開口端部の内周面に接する内型とを用い、前記缶胴の軸線に沿って同一径で延びるストレート部に対して開口径を縮径させるべく缶胴の軸線に向かって傾斜するテーパ状のネックイン部を絞り成形する缶胴の加工方法において、前記ストレート部と前記ネックイン部との境界の変曲部の位置を変えずに前記開口端部に複数の絞り加工工程を順次行うことにより予め定めた目標開口径となるように前記ネックイン部を形成し、絞り加工前の開口径から目標開口径を得るまでの全絞り量に対する各絞り加工工程の絞り量の比率を工程絞り率としたとき、前記各絞り加工工程の工程絞り率を、後工程になるほど小さくしたことを特徴とする。
従来、工程絞り率が同じ絞り加工工程を複数回行うものでは、その工程数を減少させた場合に、各絞り加工工程の工程絞り率を均等に増加させることになる。そして、本発明者は、かかる従来の方法では最後の絞り加工工程における工程絞り率が大きくなり、皺や亀裂が発生しやすくなることを知見した。
このことから、本発明者は、絞り加工の工程数と、各絞り加工工程における工程絞り率との関係を検討した。その結果、缶胴の材料への加工回数が少ないうちに大きな工程絞り率で絞り込み、缶胴の材料の加工硬化や肉厚変化が大きくなる後工程になるほど、工程絞り率の小さい絞り加工を行うようにすることで、缶胴に皺や亀裂を発生させることなく工程数を減少させることができることを知見した。
本発明は、本発明者による上記の知見に基づくものである。よって、本発明は、各絞り加工工程の工程絞り率を、後工程になるほど小さくすることにより、皺を発生させることなく少ない工程数で目標開口径に縮径するネックイン部を形成することができる。
更に、具体的には、前記缶胴が、板厚0.12mm〜0.20mmで、調質度(テンパーグレード)T−6以下の矩形状のスチール製板材を円筒状に形成した後にその両端を溶接接合して形成されたものであるとき、前記各絞り加工工程のうち、最初に行われる第1絞り加工工程の工程絞り率を40〜55%とし、該第1絞り加工工程の次に行われる第2絞り加工工程の工程絞り率を30%以下とし、該第2絞り加工工程の次に行われる第3絞り加工工程の工程絞り率を20%以下とし、該第3絞り加工工程の次に行われる第4絞り加工工程の工程絞り率を15%以下とすることが好ましい。その後、例えば、第4絞り加工工程より小さな工程絞り率による絞り加工を更に行ってもよい。
上記の各工程絞り率により各絞り加工工程を行うことにより、缶胴が、板厚0.12mm〜0.20mmで、調質度T−6以下の矩形状のスチール製板材を円筒状に形成した後にその両端を溶接接合して形成されたものであっても、皺等の発生がなく外観上も良好なネックイン部を形成することができる。
即ち、板厚0.12mm〜0.20mmのスチール製板材は、例えばスリーピース缶の缶胴の材料として好適に用いることができるものである。そして、缶胴の材料は、板厚が薄くなるほど強度を確保するための硬さ(調質度)が大きく設定される。そして、板厚0.12mmを最小として、調質度が最大T−6までであれば、上記の各工程絞り率により各絞り加工工程を行うことにより、皺等の発生がなく外観上も良好なネックイン部を形成することができる。
一方、板厚が比較的厚い場合には、その厚みによって十分な強度が確保できるが、板厚が最大で0.20mmまでであれば、上記の各工程絞り率により各絞り加工工程を行うことにより、皺等の発生がなく外観上も良好なネックイン部を形成することができる。
このように、本発明の方法を採用することにより、缶胴の材料の板厚の範囲や硬さによる絞り加工の制約が緩和され、缶胴を形成する材料の選択幅を広げることができる。
また、上記の各工程絞り率により各絞り加工工程を行う場合には、外型の縮径案内面の傾斜角度を25〜40度の範囲に設定されたテーパ面とすることで、円滑な絞り成形を行うことができる。なお、外型の縮径案内面の傾斜角度は、その外型により形成されたネックイン部の傾斜角度に必ずしも一致するものではない。
また、本発明においては、前記缶胴は、その内面と外面とにポリエステルフィルムからなる保護被覆層が設けられていることが好ましい。外型や内型との接触による缶胴の損傷を防止することができる。
また、本発明においては、前記ストレート部の外径が50〜75mmであるとき、前記開口径の縮径量、前記ストレート部の外径に対して8〜15%とし、前記ネックイン部の傾斜の軸線方向の長さ4〜8mmとすると共にその傾斜角度缶胴の軸線に対して35±5度とし、前記ストレート部と前記ネックイン部との境界部分の変曲部の曲率半径3mm以上とすることを特徴とする。
前記ストレート部の外径が50〜75mmの缶胴は、一般に飲料を内容物とするスリーピース缶に用いられる缶胴である。このような缶胴において、開口径がストレート部の外径に対して8〜15%という比較的大きく縮径された開口形成ることにより、この開口を閉塞する缶蓋を小径とすることができ、缶蓋の材料コストを削減できる。
そして、上記の外径によるストレート部を有する缶胴に対し、傾斜の長さが4〜8mmであって、その傾斜角度が缶胴の軸線に対して35±5度とされたネックイン部を設け、ストレート部とネックイン部との境界部分の変曲部の曲率半径を3mm以上とすることにより、外観が良好なテーパ状のネックイン部を設けてしかも高いコラム強度を得ることができる。
即ち、上記の外径によるストレート部を有する缶胴においては、ネックイン部をテーパ状としただけでなく、ネックイン部の傾斜の長さを4〜8mmとすることでネックイン部が目立たなくなり、外観上好ましい。また、ネックイン部の傾斜の長さが4〜8mmであれば、ネックイン部の傾斜角度を缶胴の軸線に対して35±5度とし、更にストレート部とネックイン部との境界部分の変曲部の曲率半径を3mm以上とすることにより、ネックイン部のコラム強度が向上する。そして、ネックイン部のコラム強度が高いことにより、缶蓋を巻締める際の荷重が缶胴に付与されても、ネックイン部が変形することなく缶蓋を確実に巻締めることができる。
なお、ストレート部の外径が50〜75mmとされた缶胴において、開口径がストレート部の外径に対して8〜15%という比較的大きく縮径された開口を形成するテーパ状のネックイン部を設けることは、従来においては、溶接接合部やその近傍に皺等が発生して製造困難であったが、上述した本発明の缶胴の成形方法を採用することにより、このような形状の缶胴を容易に製造することができる。
に、前記開口端部に、前記ネックイン部から連続して缶胴の軸線に沿って延びて缶蓋巻締め用のフレンジを形成するためのフレンジ形成用円筒部を設けたとき、前記フレンジ形成用円筒部の軸線方向長さ5〜8mmとすることが好ましい。
前記フレンジ形成用円筒部にはフレンジが形成されるが、このフレンジは後に缶蓋を巻締めた際にボディフックとなって巻締め部を形成するものである。そして、フレンジ形成用円筒部の軸線方向長さを5〜8mmとすることで、開口径の縮径量がストレート部の外径に対して8〜15%という寸法(この寸法により開口径は比較的小さくなる)であっても、比較的強固な缶蓋の巻締め状態を得ることができる。
なお、フレンジ形成用円筒部の軸線方向長さが5mmより小さい場合には、十分な大きさのフレンジ(ボディフック)が形成できないために巻締め不良となるおそれがある。また、フレンジ形成用円筒部の軸線方向長さが8mmを超えると、缶蓋を巻締めたのちの巻締め部からネックイン部が離間して缶体としての外観が低下する。よって、フレンジ形成用円筒部の軸線方向長さが5〜8mmであることで、缶蓋の巻締め強度が十分に得られると共に缶体の外観を良好とすることができる。
(a)ネックイン部が設けられる前の缶胴を示す側面図、(b)はネックイン部が設けられた缶胴を示す側面図。 絞り加工装置の要部と作動を示す説明的断面図。 各工程で用いる金型を示す断面図。 各工程におけるネックイン部の形状を模式的に示す説明図。 異なる縮径条件により形成したうちの一部のネックイン部の外観判定結果を示す図。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a)に示すように、缶胴1は、両面にポリエステルフィルムからなる保護被覆層(図示せず)が設けられたスチール製の矩形状の板材を丸めた後、互いに当接させた端縁同士を溶接により接合して上下両端が開口する円筒状に形成されている。上記の溶接により、缶胴1は、軸線方向に延びる溶接接合部2が形成されている。そして、この缶胴1は、上下端部に図示しないフレンジが形成され、缶蓋が巻締められてスリーピース缶となる。
缶胴1の材料となるスチール製の板材は、その板厚が0.12mm〜0.20mmのうちの何れかで、調質度がT−6以下のものが採用されている。なお、近年では、材料費の削減により、板厚が極めて薄い0.15mm又は0.17mmの板材が用いられる。そして、このように薄手の板材の場合には、缶胴1の径方向の撓み変形を抑えるために調質度がT−5のものが用いられる。
図1(a)に示す缶胴1は、後述の絞り加工が施されることにより、図1(b)に示す形状となる。図1(b)に示すように、缶胴1は、その軸線方向に沿って同一外径で延びるストレート部3を備えている。ストレート部3の上部の開口端部4には、ストレート部3から変曲部5を介して連なるネックイン部6と、ネックイン部6の上縁に連なるフレンジ形成用円筒部7とが形成されている。
この缶胴1は、ストレート部3の外径が50〜75mmのうちの何れかとされている。ストレート部3の外径として具体的には、呼び径200D(50.8mm)、呼び径202D(52.4mm)、呼び径206D(60.3mm)、呼び径211D(68.3mm)などが用いられる。
ネックイン部6は、フレンジ形成用円筒部7に向かって傾斜する傾斜部8を有して次第に滑らかに縮径するテーパ状に形成されている。ネックイン部6の傾斜部8の軸線方向の長さは、4〜8mmの範囲内とされている。また、この傾斜部8の傾斜角度は缶胴の軸線に対して35±5度とされている。ストレート部3とネックイン部6との境界に位置する変曲部5は、曲率半径が3mm以上となるようにスムーズに形成されている。フレンジ形成用円筒部7の軸線方向長さは5〜8mmの範囲内とされている。フレンジ形成用円筒部7の上縁は開口とされ、この開口径はストレート部3の外径に対して8〜15%の範囲内で縮径されている。なお、開口径はネックイン部6を形成することにより縮径される。
フレンジ形成用円筒部7には、後工程において、図示しないが、缶蓋を巻締めるとボディフックとして巻締め部を形成するフレンジが形成される。
更に、図1(b)に示す缶胴1は、ストレート部3の下部の開口端部10に、ストレート部3の下縁に連なる他のネックイン部11と、他のネックイン部11の下縁に連なる他のフレンジ形成用円筒部12とが形成されている。
次に、図1(a)に示す缶胴1に絞り加工を施して、図1(b)に示す缶胴1を形成する絞り加工装置13について、図2及び図3を参照して説明する。
絞り加工装置13は、図1(b)に示す缶胴1のネックイン部6と他のネックイン部11とを成形するためのものであり、図2(a)に示すように、上部金型14と、下部金型15とを備えている。上部金型14は上支持部材16の下端に支持され、上支持部材16を介して図示しない上部リフタにより昇降される。下部金型15は、上部金型14の下方に位置して上部金型14に対向し、下支持部材17の上端に支持されている。下部金型15は、下支持部材17を介して図示しない下部リフタにより昇降される。
上部金型14は、上支持部材16の下端に連結された円筒状の外型18と、外型18の内部に設けられた内型19とで構成されている。内型19は、外型18に挿着されたアダプタ20と、アダプタ20の下端に連結されたリング21とで構成されている。
下部金型15も、上部金型14と同様の構成であり、下支持部材17の上端に連結された円筒状の外型22と、外型22の内部に設けられた内型23とで構成されている。また、下部金型15の内型23も上部金型14の内型19と同様に、外型22に挿着されたアダプタ24と、アダプタ24の上端に連結されたリング25とで構成されている。
図2(b)に示すように、図1(a)に示す缶胴1が保持部材26に保持された状態で上部金型14と下部金型15との間に投入されると、図2(c)に示すように、上部リフタの作動により上部金型14が下降し、これに同期して下部リフタの作動により下部金型15が上昇する。これにより、缶胴1の上下の開口端部4,10に絞り加工が施される。
なお、本実施形態においては、後述するように、4つの絞り加工工程(第1絞り加工工程、第2絞り加工工程、第3絞り加工工程、及び第4絞り加工工程)を行うため、夫々の加工工程を行う各加工ステーション毎に、異なる上部金型14を備える絞り加工装置が設けられている。図2に示す絞り加工装置13はこのうち最初の絞り加工を施す第1絞り加工工程を行うためのものであるが、上部金型14以外の構成は同様であるため、第2〜第4絞り加工工程を行う装置については図示を省略した。
4つの絞り加工工程において使用される上部金型14については、図3を参照して説明する。図3に示すように、上部金型14の外型18は、その内面に、缶胴挿入案内面27と、缶胴挿入案内面27に連続する縮径案内面28と、縮径案内面28に連続する外型絞り加工面29とを備えている。
上部金型14の内型19は、アダプタ20の下端にリング21が連結保持されることにより構成されている。アダプタ20の外周面は外型絞り加工面29と同径の外型18の内周面に密着している。
リング21は、その外周面に、外型絞り加工面29に対向する内型絞り加工面30を備えている。リング21の内型絞り加工面30の外径は、アダプタ20よりも缶胴1の肉厚に相当する寸法だけ小さく形成されている。これにより、内型絞り加工面30と外型絞り加工面29との間には絞り加工空間が形成され、この絞り加工空間に缶胴1の開口端部4が侵入して絞り加工が施される。また、絞り加工空間の上端にはアダプタ20の下端面が張り出しており、この張出面31に缶胴1の上端縁が当接すると同時に上部金型14の加工が停止する。
本実施形態においては、第1絞り加工工程、第2絞り加工工程、第3絞り加工工程、及び第4絞り加工工程を行うことにより、図1(b)に示すテーパ状のネックイン部6を備える缶胴1を形成する。
各加工工程は、図2に示した構成の4つの絞り加工装置13を用いるが、4つの絞り加工装置13は、各加工工程毎に上部金型14の各部の寸法が異なっている。図3は第1絞り加工工程において使用する上部金型14を示している。第2絞り加工工程〜第4絞り加工工程の各加工工程において使用する上部金型については図示しないが、第1絞り加工工程において使用する上部金型14と構成が同一であり、各部の寸法のみが異なるものであるため、図3及び図5を用いて、要部の寸法、工程絞り率、縮径案内面28の傾斜角度、外観評価結果を説明する。
例では、202D(52.4mm)の缶胴1に対して開口径(正確にはフレンジ形成用円筒部7の先端外径)を113D(46.8mm)に縮径するものとする。
実施例1について説明すると、図3に示す第1絞り加工工程用の上部金型14では、外型18は、缶胴挿入案内面27の内径が52.85mm、縮径案内面28の角度θが27.5度、外型絞り加工面29の内径が50.32mmとされている。第1絞り加工工程用の内型19は、その工程絞り率が45.1%となるよう、内型絞り加工面30の外径を設定した。
第2絞り加工工程用の上部金型14では、外型18は、缶胴挿入案内面27の内径が52.85mm、縮径案内面28の角度θが35度、外型絞り加工面29の内径は第1絞り加工工程用のものより小径とした。第2加工工程用の内型19は、その工程絞り率が24.8%となるよう内型絞り加工面30の外径を設定した。
同様にして、第3絞り加工工程用の上部金型14では、外型18は、缶胴挿入案内面27の内径が52.85mm、縮径案内面28の角度θが35度、外型絞り加工面29の内径は第2絞り加工工程用のものより小径とした。第3絞り加工工程用の内型19は、その工程絞り率が17.7%となるよう内型絞り加工面30の外径を設定した。
同様にして、第4絞り加工工程用の上部金型14では、外型18は、缶胴挿入案内面27の内径が52.85mm、縮径案内面28の角度θが35度、外型絞り加工面29の内径は第3絞り加工工程用のものより小径とした。第4絞り加工工程用の内型19は、その工程絞り率が12.4%となるよう内型絞り加工面30の外径を設定した。
なお、各加工工程に用いられる上部金型14の縮径案内面28は、缶胴1の開口端部4に当接して絞り縮径方向に案内するために傾斜面とされている。このため、縮径案内面28の角度θが40度より大きいと、開口端部4の上縁が突き当たって円滑に案内できない。また、25度よりも小さいと、ネックイン部6の軸線方向の長さ(高さ方向の寸法)が大きくなって、ネックイン部6の傾斜部8の軸線方向の長さを4〜8mmの範囲内に収めることが困難となり、外観が低下するので好ましくない。
以上の通り、本実施形態においては、工程絞り率は、第1絞り加工工程が45.1%、第2絞り加工工程が24.8%、第3絞り加工工程が17.7%、第4絞り加工工程が12.4%と、後工程になるほど小さくなるようにしている。この場合の各加工工程毎の縮径状態を図4に示す。
こうすることにより、図1(b)に示す缶胴1を形成した場合に、ネックイン部6を、少ない工程数でありながら皺の発生を抑えて外観良好且つスムーズなテーパ状に形成することができる。
本発明者は、上述した上部金型14によるもの以外に、絞り加工における縮径条件(ネックイン部6の成形寸法等)を変えて多数の缶胴1を形成し、ネックイン部6における皺の発生と外観との良否判定を行った。そのうちの一部として、缶胴1の材料板厚が0.15mmである場合と0.17mmである場合(何れも調質度T−5)とで、3つの実施例と2つの比較例についての各工程絞り率の実測値を挙げれば、図5に示す通りである。図5における外観評価は、○:外観良好、△:微小な皺が発生するも外観概ね良好、×:皺が目立ち外観不良とした。
図5に示すように、実施例1(上述したものと同等の場合)は、缶胴1の材料板厚が0.15mmである場合と0.17mmである場合との両方で皺の発生が殆どなく外観良好であった。
実施例2,3は、図5に示した各工程絞り率で行ったが、実施例2,3では何れも、缶胴1の材料板厚が0.15mmである場合に小さな皺が発生したが外観に問題はなく、板厚が0.17mmである場合に外観良好であった。
一方、比較例1では、第2絞り加工工程〜第4絞り加工工程にかけての各工程絞り率が同じ値であるため、何れの板厚においても、大きな皺が発生して、外観不良となった。
また、比較例2では、工程数を3つとしたが、この場合には、缶胴1の材料板厚が板厚が0.17mmと0.15mmとの何れであっても大きな皺が発生して外観不良となった。
以上は、202D(52.4mm)の缶胴1に対して開口径(正確にはフレンジ形成用円筒部7の先端外径)を113D(46.8mm)に縮径した例であるが、このように、溶接接合部2を有するスリーピース缶用の缶胴1に対して、縮径量の極めて大きな絞り加工を施してテーパ状のネックイン部6を形成しても、少ない工程数でありながら外観の良好な缶胴1を得ることができる。
そして、202D(52.4mm)の缶胴1に対して開口径を113D(46.8mm)に縮径する場合以外であっても、その缶胴に応じた寸法の上部金型14を用いて、上述したように、各加工工程毎の工程絞り率を後工程になるほど小さく設定することで、少ない工程数で、皺の発生を抑えて外観の良好な缶胴を得ることができる。
なお、本実施形態においては、4つの絞り加工工程(第1絞り加工工程、第2絞り加工工程、第3絞り加工工程、及び第4絞り加工工程)を行う例を挙げているが、更に第4絞り加工工程よりも工程絞り率の小さな第5絞り加工工程を追加してもよい。
1…缶胴、2…溶接接合部、3…ストレート部、4…開口端部、5…変曲部、6…ネックイン部、7…フレンジ形成用円筒部、18…外型、19…内型、28…縮径案内面。

Claims (6)

  1. 両端が開口する円筒状のスチール製缶胴の開口端部に接して縮径変形させる縮径案内面を備える外型と、該開口端部の内周面に接する内型とを用い、前記缶胴の軸線に沿って同一径で延びるストレート部に対して開口径を縮径させるべく缶胴の軸線に向かって傾斜するテーパ状のネックイン部を絞り成形する缶胴の加工方法において、
    前記ストレート部と前記ネックイン部との境界の変曲部の位置を変えずに前記開口端部に複数の絞り加工工程を順次行うことにより予め定めた目標開口径となるように前記ネックイン部を形成し、
    絞り加工前の開口径から目標開口径を得るまでの全絞り量に対する各絞り加工工程の絞り量の比率を工程絞り率としたとき、
    前記各絞り加工工程の工程絞り率を、後工程になるほど小さくしたことを特徴とする缶胴の加工方法。
  2. 請求項1記載の缶胴の加工方法において、
    前記缶胴が、板厚0.12mm〜0.20mmで、調質度T−6以下の矩形状のスチール製板材を円筒状に形成した後にその両端を溶接接合して形成されたものであるとき、
    前記各絞り加工工程のうち、最初に行われる第1絞り加工工程の工程絞り率を40〜55%とし、
    該第1絞り加工工程の次に行われる第2絞り加工工程の工程絞り率を30%以下とし、
    該第2絞り加工工程の次に行われる第3絞り加工工程の工程絞り率を20%以下とし、
    該第3絞り加工工程の次に行われる第4絞り加工工程の工程絞り率を15%以下とすることを特徴とする缶胴の加工方法。
  3. 請求項2記載の缶胴の加工方法において、
    前記外型の縮径案内面は、傾斜角度が25〜40度の範囲に設定されたテーパ面であることを特徴とする缶胴の加工方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載の缶胴の加工方法において、
    前記缶胴は、その内面と外面とにポリエステルフィルムからなる保護被覆層が設けられていることを特徴とする缶胴の加工方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の缶胴の加工方法において、
    記ストレート部の外径が50〜75mmであるとき、
    前記開口径の縮径量、前記ストレート部の外径に対して8〜15%とし、
    前記ネックイン部の傾斜の軸線方向の長さ4〜8mmとすると共にその傾斜角度缶胴の軸線に対して35±5度とし、
    前記ストレート部と前記ネックイン部との境界部分の変曲部の曲率半径3mm以上とすることを特徴とする缶胴の加工方法。
  6. 請求項5記載の缶胴の加工方法であって、
    前記開口端部に、前記ネックイン部から連続して缶胴の軸線に沿って延びて缶蓋巻締め用のフレンジを形成するためのフレンジ形成用円筒部を設けたとき、
    前記フレンジ形成用円筒部の軸線方向長さ5〜8mmとしたことを特徴とする缶胴の加工方法
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