JP4615667B2 - 洗濯機の運転制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機の運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
全自動洗濯機は周知のごとく、例えば図3に示すように外箱1内に水槽2を防振装置を介して搖動自在に吊支し、該水槽2内に、底部に回転翼3を設けた洗濯兼脱水槽4を回転自在に配設し、洗濯兼脱水槽4の上部の開口を蓋5で開閉自在に覆ったものであり、外箱1の上部に取り付けたトップカバー16の前面側には、電源スイッチ、スタートスイッチ、各種の洗濯内容設定のためのスイッチ等を設けた操作パネル6が取り付けてある。
【0003】
そして、洗濯を行うには、洗濯兼脱水槽4内に洗濯物と洗剤を投入し、まず、電源スイッチをオンし、この状態でさらにスタートスイッチをオンすれば、自動的に給水が開始して、洗濯兼脱水槽内に設定水位まで給水されたならば、自動的に洗い運転が開始し、これに続いて、排水、給水、濯ぎ、脱水の各行程が全自動的に進行して洗濯運転が終了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように電源スイッチがオン状態のときは、スタートスイッチをオンすると直ちに給水が開始して洗濯運転が進行を開始する。しかも、スイッチ類は操作性をよくするために、短時間僅か押すだけでオンするように設定されているから、電源スイッチがオン状態で、例えば、子供が誤ってスタートスイッチに触れてしまうと、給水が開始して洗濯運転が始まってしまう。
【0005】
さらに、このような状態で子供が誤って洗濯兼脱水槽内に転落すると、事故につながるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、電源スイッチがオン状態のときに、子供が誤ってスタートスイッチに触れても、僅かに触れただけでは洗濯運転が開始せず、さらに子供が誤って洗濯兼脱水槽内に転落しても事故発生を防止できる洗濯機の運転制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、電源スイッチをオンし、洗濯運転内容を設定した後、スタートスイッチをオンすると給水が開始して設定内容にしたがって洗濯運転が自動的に進行する洗濯機の運転制御方法において、チャイルドロック設定手段を設け、チャイルドロックが設定されている場合は、スタートスイッチを通常にオンしても洗濯運転が開始しないように設定したことにより、電源スイッチがオン状態のときに、子供が誤ってスタートスイッチに触れても洗濯運転は開始しないから、子供が誤って洗濯兼脱水槽内にさらに転落するなどしても事故発生を防げる。
【0008】
第2に、電源スイッチをオンし、洗濯運転内容を設定した後、スタートスイッチをオンすると給水が開始して設定内容にしたがって洗濯運転が自動的に進行する洗濯機の運転制御方法において、チャイルドロック設定手段を設け、チャイルドロックが設定されている場合は、スタートスイッチを通常にオンしても洗濯運転が開始しないようにするとともに、報知手段が作動するようにしたから、電源スイッチがオン状態のときに、子供が誤ってスタートスイッチに触れても洗濯運転は開始しないから、子供が誤って洗濯兼脱水槽内にさらに転落するなどしても事故発生を防げる。また、同時に、子供が誤ってスタートスイッチに触れたことや洗濯兼脱水槽内に転落したことなどの事態を音や光などで報知するから、かかる事態に迅速に対処でき、これに続く大きな事故を防げる。
【0009】
第3に、チャイルドロックが設定されている場合は、設定されていない場合に比較してスタートスイッチを長い時間押し続けることで運転が開始するようにしたから、チャイルドロックが設定されていても、子供以外の使用者が通常に洗濯を行うにはその都度チャイルドロックを解除する必要もなく、使い勝手が悪くなることはない。
【0010】
第4に、チャイルドロックは操作パネルに設けられている洗濯内容設定のためのスイッチの特定のものを、通常の使用時には使用しない特別の組合せでオンすることで、設定または解除できるから、設定や解除のために別途格別の部材を設ける必要がなく、構造が複雑になることがない。また、チャイルドロックは簡単には解除できないから、例えば子供が誤って操作パネルに触れることで解除されてしまうこともなく、実効性を確保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の洗濯機の運転制御方法の実施の形態を示す運転開始の動作のフローチャートで、本発明方法が実施される洗濯機については図3について既に説明した通りであるから、ここでの詳細な説明は省略する。
【0012】
図2は本発明方法が実施される洗濯機の操作パネル6を示し、電源スイッチ7、スタートスイッチ8、洗濯のコースを設定するためのコーススイッチ9、洗濯の終了時刻を予約する予約スイッチ10、水位を設定する水位スイッチ11、洗い時間を設定する洗いスイッチ12、すすぎ回数を設定するすすぎスイッチ13、脱水時間を設定する脱水スイッチ14などの各種の設定スイッチに加えて、洗濯を開始する意図がないにもかかわらずスタートスイッチ8が押された場合には、洗濯を開始しないように設定されていることを表示するいわゆるチャイルドロックの表示15のランプを設ける。
【0013】
このチャイルドロックの表示15は、例えばキーの形をデザイン化した表示とし、予約時間などの表示部の近傍に設けた。
【0014】
次にチャイルドロックの設定方法について説明すると、前記操作パネル6に設けられている洗濯内容設定のための前記各種の設定スイッチの特定のものを、通常の使用時には使用しない特別の組合せでオンするものであり、例えば、電源スイッチ7をオンにした状態で、水位スイッチ11を押しながら、同時にコーススイッチ9のうちの標準コースの設定スイッチ9aを押し、これを3秒間押し続ける。
【0015】
そして、3秒経過後に、ブザーが例えば「ピッピッ」と鳴り、チャイルドロックの表示15のランプが点灯すれば、チャイルドロック設定が完了したことの表示となり、よって、電源スイッチ7をオフにする。
【0016】
チャイルドロック設定は、電源スイッチ7をオフしても、洗濯運転の制御を行うマイクロコンピュータによる制御装置に設定記憶されているから、設定が解除されることはない。
【0017】
次にこのようにチャイルドロック設定がなされた洗濯機での洗濯開始の動作を、図1のフローチャートについて説明すると、洗濯を開始するためにまず電源スイッチ7を使用者がオンする〔ステップ(イ)〕。この状態で、チャイルドロック設定がなされている場合は〔ステップ(ロ)〕、操作パネル6のチャイルドロックの表示15のランプが点灯する〔ステップ(ハ)〕。
【0018】
よって、使用者はこのチャイルドロックの表示15を見てチャイルドロック設定がなされていることを知り、次にスタートスイッチ8を5秒間以上の時間押し続ける〔ステップ(ニ)〕。この5秒間の設定は、チャイルドロック設定がされていない場合に通常に洗濯を開始するためにスタートスイッチ8を押す時間よりも長く設定したものであり、使用者に対して意図的にスタートスイッチ8を押させるようにしたものである。
【0019】
こうしてスタートスイッチ8が5秒間以上の時間押し続けられたときに、洗濯開始の意図ありと判断して給水が開始して一連の洗濯行程が始まる〔ステップ(ヘ)〕。
【0020】
一方、チャイルドロック設定がなされている場合に、前記のようにスタートスイッチ8が5秒間以上の時間押し続けられなかった場合は〔ステップ(ニ)〕、洗濯は開始しない〔ステップ(ホ)〕。よって、給水が開始しないから、例えば、子供が誤って洗濯兼脱水槽4内に転落した状態で子供がスタートスイッチ8に触れても、スタートスイッチ8を意図的に5秒間以上押し続けることは通常は考えられないから、水による事故や、回転翼3の回転による事故を防止できる。
【0021】
なお、チャイルドロックの設定がなされていない洗濯機については〔ステップ(ロ)〕、スタートスイッチ8を5秒間押し続けなくても、通常どおり5秒間よりも短い時間押せば洗濯が開始する〔ステップ(ヘ)〕。
【0022】
チャイルドロック設定は、使用者が任意に解除することができ、解除方法は、設定方法と同様であり、例えば、電源スイッチ7をオンにした状態で、水位11を押しながら、同時にコーススイッチ9のうちの標準コースの設定スイッチ9aを押し、これを3秒間押し続ける。
【0023】
そして、3秒経過後に、ブザーが例えば「ピー」と鳴り、チャイルドロックの表示15のランプが消灯すれば、チャイルドロック解除が完了したことの表示となり、電源スイッチ7をオフにする。よって、子供などが誤って操作パネル6に触れても容易に解除されることはなく、チャイルドロック設定を実効性のあるものにできる。
【0024】
前記実施形態ではチャイルドロックが設定されている場合に、スタートスイッチ8が5秒間以上の時間押し続けられなかったとき、例えば、通常どおり5秒間よりも短い時間押した場合は、洗濯が開始しないようにするだけであるが、これに加えて、使用者にチャイルドロック設定がされていることを報知する手段として、ブサーを鳴らすと同時にチャイルドロックの表示15のランプを点滅させるようにすることもできる。これにより、使用者にチャイルドロック設定がされていることを報知でき、洗濯が開始しない原因を知らせることができる。なお、前記ブザーは、例えば洗濯終了を報知するブザーを共用すればよい。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の洗濯機の運転制御方法は、第1に、電源スイッチをオンし、洗濯運転内容を設定した後、スタートスイッチをオンすると給水が開始して設定内容にしたがって洗濯運転が自動的に進行する洗濯機の運転制御方法において、チャイルドロック設定手段を設け、チャイルドロックが設定されている場合は、スタートスイッチを通常にオンしても洗濯運転が開始しないように設定したことにより、電源スイッチがオン状態のときに、子供が誤ってスタートスイッチに触れても洗濯運転は開始しないから、子供が誤って洗濯兼脱水槽内にさらに転落するなどしても事故発生を防げる。
【0026】
第2に、電源スイッチをオンし、洗濯運転内容を設定した後、スタートスイッチをオンすると給水が開始して設定内容にしたがって洗濯運転が自動的に進行する洗濯機の運転制御方法において、チャイルドロック設定手段を設け、チャイルドロックが設定されている場合は、スタートスイッチを通常にオンしても洗濯運転が開始しないようにするとともに、報知手段が作動するようにしたから、電源スイッチがオン状態のときに、子供が誤ってスタートスイッチに触れても洗濯運転は開始しないから、子供が誤って洗濯兼脱水槽内にさらに転落するなどしても事故発生を防げる。また、同時に、子供が誤ってスタートスイッチに触れたことや洗濯兼脱水槽内に転落したことなどの事態を音や光などで報知するから、かかる事態に迅速に対処でき、これに続く大きな事故を防げる。
【0027】
第3に、チャイルドロックが設定されている場合は、設定されていない場合に比較してスタートスイッチを長い時間押し続けることで運転が開始するようにしたから、チャイルドロックが設定されていても、子供以外の使用者が通常に洗濯を行うにはその都度チャイルドロックを解除する必要もなく、使い勝手が悪くなることはない。
【0028】
第4に、チャイルドロックは操作パネルに設けられている洗濯内容設定のためのスイッチの特定のものを、通常の使用時には使用しない特別の組合せでオンすることで、設定または解除できるから、設定や解除のために別途格別の部材を設ける必要がなく、構造が複雑になることがない。また、チャイルドロックは簡単には解除できないから、例えば子供が誤って操作パネルに触れることで解除されてしまうこともなく、実効性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗濯機の運転制御方法の実施の形態を示す運転開始の動作のフローチャートである。
【図2】本発明の洗濯機の運転制御方法が実施される洗濯機の操作パネルの平面図である。
【図3】本発明の洗濯機の運転制御方法が実施される洗濯機の斜視図である。
【符号の説明】
1…外箱, 2…水槽, 3…回転翼,
4…洗濯兼脱水槽, 5…蓋, 6…操作パネル,
7…電源スイッチ, 8…スタートスイッチ,9…コーススイッチ,
9a…設定スイッチ, 10…予約スイッチ, 11…水位スイッチ,
12…洗いスイッチ, 13…すすぎスイッチ,14…脱水スイッチ,
15…チャイルドロックの表示,16…トップカバー
Claims (1)
- 電源スイッチをオンし、洗濯運転内容を設定した後、スタートスイッチをオンすると給水が開始して設定内容にしたがって洗濯運転が自動的に進行する洗濯機の運転制御方法において、チャイルドロック設定手段を設け、チャイルドロックが設定されている場合は、スタートスイッチを通常にオンしても洗濯運転が開始しないように設定するとともに、チャイルドロックが設定されている場合は、設定されていない場合に比較してスタートスイッチを長い時間押し続けることで、チャイルドロックを解除させることなく運転が開始することを特徴とする洗濯機の運転制御方法。
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