JP4615214B2 - 有機/無機ナノ複合体用の十分に規定されたナノサイズの構築ブロック - Google Patents

有機/無機ナノ複合体用の十分に規定されたナノサイズの構築ブロック Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FAA契約No.95−G−026及び合衆国空軍、フィリップス研究所(Philips Laboratories)の政府の支持によってなされた。
本発明は、特に有機及び無機ナノ複合体を製造するのに有用な官能化した、個別のシルセスキオキサン、その製造方法及びその使用に関する。官能化したシルセスキオキサンは通常でない物理化学的性質を有する。
【0002】
【従来の技術】
巨視的な複合体は多くのものが公知である。よく知られている例は、炭素繊維及びガラス繊維強化熱可塑性及び熱硬化性複合体を含む。複合体の性質は一般に、個々の成分の性質に基づく“混合物の規則”の適用から予測されるものを越える。物理化学的性質におけるこの増加は、分散相と連続相の間の界面相互作用によると考えられている。種々の相の大きさが減少すると、表面積が増加し、その結果界面相互作用が増加する。発散性の材料の界面では、分離相、“中間相”を仮定することができる。
ナノ複合体は、複合体を製造するのに使用する材料の大きさが非常に小さいために中間相の性質が複合体の性質を支配する複合体である。ナノ複合体の粒子は、約100nm又はそれより小さい最大寸法を有するものとして見ることができる。コロイダルシリカのような物質をナノメートルの大きさで供給できるが、これらのシリカの官能性は制限され、個々の粒子の大きさ及び外形は不規則である。従って、これらの生成物から充分に規定されたナノ構造のユニットを有するナノ複合体を製造することはできない。
カゴ様のシリカ化合物が存在することが知られている。しかしながら、これらの構造の官能基は一般にヒドロキシル(シラノール)に限られ、官能基が全くなければ、その有用性はナノ複合体の構築ブロックまで低下する。
【0003】
−OSi(CH3)2H基で官能化されたシルセスキオキサンが、前記のSi−H感応基を有するシルセスキオキサンでアリルグリシジルエーテルのような化合物をヒドロシリル化して製造したポリ(グリシジル)及び類似の誘導体が知られている。しかしながら、さらに反応性のシルセスキオキサン、特に高い熱安定性と広い官能化性を示すシルセスキオキサンを提供する要望が存在する。
オクタフェニルシルセスキオキサン(“OPS”)はかなり以前から知られており、J. F. Brown, Jr.他, J. Am. Chem. Soc. 86 1120-1125 (1964)、市場から入手可能である。OPSを例えばフェニルシラン、例えばフェニルトリクロロシラン及びフェニルトリメトキシシランの加水分解によって製造することができる。しかしながら、フェニル基自体は非−感応性であると考えられており、それを官能化しようとする試みは成功しなかったことが分かっている。例えば以下を参照:Voronkov, M. G., 他, "Polyhedral Oligosilsesquioxanes and Their Homo Derivatives," Top. Curr. Chem., 102, 199 (1982); 及びK. Olsson, 他, Arkiv. Kemi. 17 529-40 (1961).オルソン(Olsson)他が、オクタフェニルシルセスキオキサンをオクタナイトレート化してオクタキス(p−ニトロフェニル)シルセスキオキサンを定量的に製造することに成功しているのは明らかである。しかしながら、ニトロ基は結合基として使用することに関して本質的に不活性な基であり、オクタニトロ化合物を還元して有用で活性なオクタアミノ化合物にしようとする試みは成功せず、著者らはニトロフェニルが置換した化合物は“不活性”であると述べている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
制御した化学結合で使用することができる反応性の基で官能化された、充分に規定されたオリゴマーシルセスキオキサンを提供することが望ましい。このような官能化したシルセスキオキサンが利用可能であれば、充分に規定された構造を有する種々のナノ複合体を製造することができる。得られた製品は多くの分野で広範囲に多数の用途を有し、ほんのいくつかを挙げれば、強度が改良された構築材料及び光子結晶又は量子ドット(quantum dots)のトラップ、触媒粒子等である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、最小で平均6個のケイ素原子を含みかつ≦100nmの最大寸法を有する官能化したフェニルシルセスキオキサンに関し、好ましくは約24個までのケイ素原子を含み、これらのシルセスキオキサンは好ましくはカゴ様構造を有し、又はこれらのシルセスキオキサンをSi−O−Si結合で結合することによって誘導したオリゴマー又はポリマーである。フェニルシルセスキオキサンを、シルセスキオキサンを物質又は他の有機若しくは無機化合物又は構造物に結合して巨大なナノ複合体材料を提供するのに使用することができる官能基で官能化した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の官能化したシルセスキオキサンは、全ての寸法が100nmより小さく、好ましくは24又はそれより少ないケイ素原子を有する(“マクロモノマー”)シルセスキオキサン構造物、及びこれらのシルセスキオキサンを一緒に結合することによって製造したオリゴマー又はポリマー構造物に限られる。“シルセスキオキサン”という用語は、その骨格が実質的にRSiO3/2(“T”)部分から成る構造物を意味する。本発明のシルセスキオキサンは33モルパーセントより少ないR'2SiO2/2(“D”)部分を含むことができ、式中R'はRに等しいか又は実質的に非反応性の基、例えばアルキル基又はアリール基であることができる。D部分の量は好ましくは10モルパーセント、より好ましくは5モルパーセントより少ない。もっとも好ましくは、D部分は偶発的に存在するのみであり、存在するときは一般に多面体構造物の不完全に圧縮した角を規定する。いくつかのケイ素原子は他のケイ素原子と結合することができ、又は架橋基、例えば−CH2−、−CH2CH2−又はアリール基によって他のケイ素原子と結合することができる。しかしながら一般的には、これらの結合の存在も偶発的である。大部分のケイ素原子は他のケイ素原子とSi−O−Si結合によって結合している。
【0007】
最も好ましくは、シルセスキオキサンは、図1に示すもののように、カゴ様又ははしご構造をとる。8〜16のケイ素原子を有するカゴ様構造体が好ましい。最も好ましいのは、8、10、12又は16個のケイ素原子を有する完全に圧縮したカゴ又は7又は8個のケイ素原子を有する不完全に圧縮したカゴである。しかしながら、シート様構造体も可能である。さらに、100nmより薄い厚さを有しかつSi−結合した官能化したフェニル基を有するより大きな構造物も本発明の範囲内である。
【0008】
反応性の官能化した有機基は、反応性の官能基を有するアリール基を有する。“反応性”官能基は、“強制力”を使用せずに常用の化学反応条件下で反応して他の分子との化学結合を形成することができる官能基であると考えられる。一般的な反応条件はヒドロシリル化、縮合、付加、エステル化、エーテル化、マイケル反応、イミド化、アミノ化、スルホン化等で使用される条件を含む。これらの反応は広範囲な種々の有機誘導体、オリゴマー、及びポリマーを提供するために一般に使用されるものである。反応性官能基の例は以下を含む:エポキシ、アミノ、ヒドロキシ、(メタ)アクリレート、アルキル、マレイミド、イソシアナート、シアナート、カーボネート、カルボニルクロリド、スルホニルクロリド、ケイ素−結合水素(“Si−H”)等。所与の官能基を有する本発明のシルセスキオキサンを使用し、適切な反応によって異なる官能基を有するシルセスキオキサンを製造することができる。例えば、フェニル基がアミノ基で置換されているシルセスキオキサンを無水マレイン酸と反応させてN−マレイミドアミノフェニル(“マレイミド(maleimido)”又は“マレイミド(maleimide)”)官能基を生成することができる。
【0009】
先に述べたように、−OSi(Me)2H基を有するシルセスキオキサンは公知である。これらの化合物を使用して、官能基、例えばアリルグリシジルエーテル、アリルアミン、イソシアナートエチルメタクリレート等を有する多数の不飽和化合物をヒドロシリル化することができる。本発明の官能化したフェニルシルセスキオキサンと共に多層又はコア/シェル配列のナノ複合体の製造において、これらのシルセスキオキサンはスペーサー分子として非常に有用である。
好ましくは、フェニル基の官能基は反応性官能基、例えばアミノ、マレイミド、イソシアナート、又はシアナート基を含む。本発明の目的にために、フェニル置換基、例えばアルコキシ、ニトロ、アルキル、アリール等は非反応性であると考えられる。
【0010】
官能化したシルセスキオキサンを種々の出発物質から製造することができる。置換したフェニル−官能化シルセスキオキサンを考慮する場合、例えばフェニルシルセスキオキサン、例えばフェニルトリクロロシランを出発物質とする加水分解による、市場から入手可能なオクタフェニルシルセスキオキサンを使用することが望ましく、又はさらに約50モル%より少ないアルキル基も含むフェニル−置換シルセスキオキサン、例えばフェニルトリクロロシラン及びメチルトリクロロシラン又は(フェニルジクロロ)(メチルジクロロ)ジシロキサンの混合物を加水分解して得られるものを使用することが望ましい。これらの化合物において、アルキル置換基は実質的に官能化できないものであり、官能化したシルセスキオキサンの全体としての官能性を制限する。好ましくは、シルセスキオキサンはペルフェニルシルセスキオキサンであり、このフェニル基が求電子的置換反応によって官能化する場合に優れたベヒクルとして作用する。
【0011】
多数のシルセスキオキサンを先行技術においてO−Si(Me)2H官能化シルセスキオキサンへの前駆体として使用することができるが、通常使用する前駆体の価格がかなり高い。本発明の研究途上で、驚くべきことに、高いシリカ(“Q”)含量を有する安価な物質がシルセスキオキサンを官能化する原料物質を提供することを見出した。シルセスキオキサン“骨格”物質の適切な原料は、例えばケイ素を含む原料から製造する灰、例えばフライアッシュ、稲の籾殻灰等である。稲の籾殻灰が特に好ましい原料物質であり、それはシリカの含量が高くかつ非常に低価格で利用可能だからである。このような天然原料からのO−Si(R')2H官能化シルセスキオキサンの製造も本発明の一部であり、式中R'は炭化水素又はヒドロカルボノキシ基である。生成物又は誘導体を本発明の官能化したフェニルシルセスキオキサンと組み合わせて使用して有用な製品を提供することができる。
【0012】
シリカ含量が高い稲の籾殻灰を、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドとの反応により、オクタアニオンに転換することができる。次いでオクタアニオンをクロロジメチルシランと反応させて、対応するオクタキス[ヒドリドメチルシロキシ]化合物に転換する。この反応により、多数の反応性誘導体を形成するヒドロシリル化反応に関与することができるSi−H結合水素を含むオクタ官能性化合物が生じる。官能化したシルセスキオキサンのこのような合成経路は以前知られていなかった。最も好ましくは、本合成は60〜90℃で約1〜4日にわたって起こる。80℃の反応温度を選択し、反応条件として1.4モルの稲籾殻灰(シリカ)、150mlの水、110mlのメタノール、及び300mlのメタノール中の20%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを選択した場合、妥当な収率で反応時間を1日に短縮することができる。4級アンモニウムヒドロキシドを好ましくは少なくとも化学量論的な量で使用し、化学量論量の2倍又はそれより多く使用することもできる。
【0013】
フェニルシルセスキオキサンを官能化するためにフェニル基をニトロ化することができ、得られたニトロフェニル基をアミノフェニル基に還元することができる。ニトロフェニル部分の簡便な還元は、文献中でONPSに割り振られた不活性な性質に直接反する。これらのアミノフェニル基を、反応性の官能基で置換した多数のフェニルシルセスキオキサンを製造する第一歩として使用することができ、又はそれ自体を反応性官能基−置換シルセスキオキサンとして使用することができる。例えば、アミノフェニルシルセスキオキサンを無水マレイン酸と反応させてN−マレイミドフェニル−官能性シルセスキオキサンを製造し、又はホスゲンと反応させて以下のクロロカルボニルアミノ基を製造することができる:
Figure 0004615214
【0014】
ニトロ化方法の成功に基づいて、他の物質を製造するために関連する手法が使用された。こうして成功裏に、非常に緩和な条件を使用してオクタブロモ類似体を製造し、ポリスルホニルクロリド及びポリアセチル誘導体も製造した。オルソン(Olsson)他がポリアリールシルセスキオキサンが硫酸中では安定でないと指摘していることに留意すべきである。
使用した合成法において、いくつかのフェニル基が失われ、1個、2個又はまれには3個のSi−OH結合を有することができる物質が残ることがある。さらに、角の1個のSiが失われることがある。これにより新規な不完全に圧縮された物質が生じ、これらはフェニル基、特に官能化した芳香族T−樹脂ではなくアルキル置換したシルセスキオキサンとして文献で公知である。
これらの例は代表的なものであり、ケイ素−アリール炭素結合において反応する、例えばプロト脱シリル化(protodesilylation)が起こるというよく知られた性質がアリールシラン化合物にあるとしても、ギルチ(Gilch)反応、フリーデルクラフトアルキル化、スルホン化反応及び多数の他の芳香族官能化方法のような関連する反応が使用可能であることを当業者は認識するであろう。さらに、S及びN複素芳香族を含む他の芳香族化合物及び多環芳香族シルセスキオキサンが同様の反応に従うであろう。
【0015】
これらの官能化した物質が、ナノ複合体だけでなく広い適用への多様で新規なマクロモノマーの使用へ接近することを提供する。例えば、OAPS及びポリAPSを以下のものに使用することができる:(1)ペプチド合成用の基質、(2)イオン交換樹脂用のポリマー、(3)メソ構造の物質の製造を鋳型合成するための界面活性剤、(4)3−Dポリアニリン及びポリピロール導電性オリゴマー及びポリマーの前駆体、(5)有機発光ダイオード(OLEDS)用のホール輸送及び放出化合物の前駆体、(6)薄層有機トランジスター(TFOTs)及びセンサー、(7)耐火物質、(8)高温構造材料、(9)ジアゾ染料等。これらの官能基の全て又は一部を、本特許出願で明らかにした方法及び物質によって構成することができるナノ構造の物質に取り込むことができる。上記のように製造した他の官能化した芳香族シルセスキオキサンによって同様の広い適用が可能である。
【0016】
例えば、オクタブロモ物質をヘック(Heck)又はスズキ(Suzuki)反応で使用して、OAPS及びポリASPと同様多くの分野、例えばOLEDS、TFOTs、センサー、及び他の分野で使用する多数の物質を製造することができる。双方の化合物を結合して製造した物質は、光結晶又は量子ドットのトラップとして、触媒粒子等のための多孔性を制御した物質として使用できる。当業者はこれらの物質の一般的な用途を認識するであろう。
同様に、ポリスルホニル化合物をアミドにすることができ、フリーデルクラフツスルホン化反応で使用したスルホン酸誘導体は、単位容積当たりの酸基の密度が非常に高いので、これらをキラル合成を含む多数の処理における酸触媒として、他の芳香族物質と結合している場合にはプロトン伝導性膜等におけるプロトン輸送剤として使用することができる。このように、多官能性ナノ複合体の製造にこれらを使用する理由が存在する。
図9は、OLEDsのホールキャリアを製造し又はアミドを製造することができるモデルとして又は新規な前駆体又はアリール/アルキルアンモニウム塩等として、アミンの水素のフェニル基による置換を示すモデル反応を示している。
【0017】
驚くべきことに、フェニルシルセスキオキサンのフェニル基が求電子的置換に従うことが見出された。この反応を使用して、広範囲な種々の官能基をフェニル基に置換することが可能である。これらの基を順次、求電子的置換において有用でない可能性のある他の官能基への接近を提供するために使用することができる。フェニル基の官能基の数はフェニル環当たり1〜3個であることができるが、官能基の最も有用な数はフェニル環当たり1個である。さらに、官能化されるフェニル基の数はシルセスキオキサン分子当たり1個から完全に官能化される数、すなわち各フェニル基当たり1個の反応性官能基である。一般に、シルセスキオキサンが8個のケイ素原子を有する“立体”である場合、好ましくは2〜8個のフェニル基を官能化し、より好ましくは4〜8個の官能基である。官能基の総数を適用に応じて決定することができる。“前駆体”という用語は実質的に反応し又は誘導されて所望の官能基を形成する官能基を意味することに留意すべきである。例えば、ニトロ基はアミノ基の前駆体であり、アミノ基はイソシアナート基又はマレイミド基の前駆体である。
【0018】
高純度のアセチルオクタフェニルシルセスキオキサン(“AcOPS”)を、フリーデル−クラフツアシル化化学によって適度の収率で製造することができる。純粋CS2中の初期反応により高転換が得られるが、溶解性の問題に起因する不整合と共に実質的なSi−C開裂の問題があった。ニトロベンゼン又はニトロベンゼン/CS2混合系における反応により整合性が改良され開裂がほとんど又は全く生じないが、転換率が制限され(<70%)かつ反応時間が長い。混合したCS2/CH2Cl2における反応により、反応が早く効率的になり、Si−Cの開裂が少ない。TGAトレースにおけるわずかに高いセラミックの収率は、Si−C開裂を示し、引き続くSi−OH又は架橋したSi−O−Siダイマーの形成を示す。繰り返し単位HOSiO1.5に対するセラミックの収率は87.0%であり、CH3COC64SiO1.5に対するそれは35.1%である。これらの値から、開裂した基の画分は2.4%と計算される。この値は1.7%のダイマーを示すGCPのデータ及び1.6ppmにおけるトレースSi−OHピークを含む1H−NMRのスペクトルと一致する。反応温度が低いと収率及びメタ/パラ比が改良されることが見出された。
【0019】
ポリフェニルシルセスキオキサンを、OPS用に最適化した条件下で適度な収率でアシル化することができる。フェニルのアセチルフェニルへの転換は90%(1H−NMRで)である。PPSの多分散度及び分子量がアシル化に従って増加することは興味深い。この現象はPPSのニトロ化に従っても見出され、Si−O−Si結合の開裂及びそれに続く酸性合成及び仕上げにおける再配置によると説明することができる。
ナノ複合体は多くの用途を有する。例えば、多くのナノ複合体物質は高い熱偏光温度、すなわち剥離したクレー粒子を含むナイロン;高い気体障壁性;高い熱安定性;低い地球軌道用物体が必要とする強化した耐酸素性;制御した多孔性;低いk−誘電材料;及び低価格レーザー及び他の光電装置の組み立てにおける使用を示す。これらの多くの適用において困難であるのは、正確に規定されたナノ構造成分から製造した制御された構造物を確立することである。ナノサイズのフィラー、例えば微粒子状シリカ、剥離クレー等は設計したナノ複合体が必要とする正確に制御された大きさを有していないし、一般に有用な官能基も有していない。
【0020】
特定の構造及び官能基をナノ成分に提供する能力がないと、ナノ成分が分離して連続マトリックス中に不規則に分散するかどうか、又は隣接する層で有機樹脂又は他のナノ成分の粒子と反応するかどうかが予測可能かどうかに依存している材料又は装置を構成することができない。ナノ成分のレベルにおける立体構造が予測可能でないと、非線形的な現象を予測する能力、それゆえこのような非線形的な行動に依存する装置における使用が妨害される。
多種類のナノ複合体物質を本発明の官能化したシルセスキオキサンによって製造することができる。例えば、本発明の官能化したフェニルシルセスキオキサン(“FPSSO”)を使用して連続した熱可塑性又は熱硬化性マトリックスに分散させた簡単な充填したポリマーを製造することができる。大きさがきわめて小さくかつ反応性官能基が存在することによって、FPSSOはマトリックスに化学的に結合し、中間相の大きな割合を生成することができる。FPSSOは予測可能な繰り返しの大きさを有しているので、複合体の性質は完全に均一であり、この性質は大きさが不規則で限られかつ場合により変化する官能基を有するフィラーでは得ることができない。
【0021】
FPSSOを層状構造物の製造にも使用することができる。これらの層状構造物を、第1のFPSSO、例えばオクタキス(アミノフェニル)シルセスキオキサン(“OAPS”)の層を二官能性スペーサー分子、例えばジイソシアナート又はジペルオキシドと反応させ、次いで必要な数の層の構造が生成されるまで、OAPS等の第2の層を添加することによって製造することができる。所望により、溶媒洗浄によって、次の層を製造する前に未反応のスペーサー分子及びOAPSを除去することもできる。OAPSを最初に(又は後で)部分的に他の成分、例えば染料、液晶反応性物質、キラル分子等と反応させて、これらの成分を含む層を製造する。さらなる官能基、例えば三官能性基、四官能性基等を導入する有機スペーサー、官能基が同一又は異なるスペーサー、新規な物理化学的性質、例えばエレクトロルミネッセンス性、吸光性等を提供する有機スペーサーも使用することができる。各層の成分は同一又は異なってもよい。
【0022】
相補的な反応性を有するFSSOを使用し、スペーサー分子が存在しない状態でナノ成分の連続する層を有することによって、又は本発明のFPSSOと先行技術のグリシジル官能性シルセスキオキサン、例えば第1のFPSSOと相補的な反応性ナノ構造物としてのオクタキス(グリシジル)シルセスキオキサン(“OG”)を有することによって層状ナノ複合体を製造することができる。本発明におけるようにナノ成分が小さい場合、例えば全体としての大きさが5nmより小さい場合、得られる物質はバルク物質よりは純粋な中間相物質に類似しており、微視的な性質の顕著な変化が得られる。これらの生成物は新規である。
【0023】
本発明のFPSSOの可能性を示すために、エポキシ樹脂で硬化したアミンを使用して一連のナノ複合体を製造した。アミンの硬化剤は標準的な4,4'−ジアミノジフェニルメタン(“DDM”)であった。分子量約340の標準的なビスフェノールAエポキシ樹脂(DGEBA)をエポキシ成分として、かつOG及びオクタキス(エチルシクロヘキシルエポキシ)シルセスキオキサン(“OC”)をFSSOとして使用した。試験試料の引っ張り強さ及び破壊強さを測定した。NH2:エポキシの種々の“N”比における試験試料を製造し、次いで窒素雰囲気下で150℃、10時間硬化した。OC/DDMとOG/DDMポリマー両者の熱安定性がDGEBA/DDMの熱安定性より顕著に高いことが見出された。例えば340℃でDGEBA/DDMポリマーについてTGAによって5%の質量損失が記録されたが、OC/DDMナノ複合体ポリマーが同じ損失を示すのは410℃であり、安定性は70℃高かった。OC/DDMとDGEBA/DDM材料の両者の貯蔵弾性率曲線は、全てのNH2:エポキシ基比率において類似の形態であった。しかしながら驚くべきことに、0.5のNH2:エポキシ比率において、OG/DDMナノ複合材料は、温度の増加に対して貯蔵弾性率の緩やかな低下を示したが、Tgの目立った変化はなかった。1.25のNH2/エポキシ比率において、OC/OG/DDMナノ複合材料(OC/OG=20/80(モルで))は最良のDGEBA/DDMの弾性率に匹敵する弾性率を有し、かつエポキシ樹脂に対しては例外的に高い破壊強度を有していた。
【0024】
先に述べたFPSSOの利用可能な物理化学的性質に加えて、本発明のナノ複合体は他の利点も有しており、これらは精製が容易である;これらはTgが高く結晶化する傾向が小さいが液晶を形成する;これらをスプレー、スピン及びディップコーティングで、又はキャスチングにより適用することができ、双方とも溶液及び溶融物から適用でき;これらは熱、酸化又は加水分解に対してきわめて耐性であり;かつこれらは小さい容積で官能性が変化し又はそのままで非常に高い密度を提供する。
【0025】
【実施例】
構築ブロック材料
実施例1
オクタ(ニトロフェニル)シルセスキオキサン(ONPS)の合成
撹拌しかつ氷水中で冷却しながら30mlの発煙硝酸に5.0g(4.8mmol)のOPSを少しずつ添加した。全てを添加した後、溶液を0℃で30分撹拌し、さらに室温で20時間撹拌した。次いで溶液を250gの氷に空けた。氷が溶けたとき、ごくわずかに黄色の沈殿物を集め、水で洗浄し、次いでアセトニトリルで洗浄した。得られた粉末を真空下にオーブンで乾燥して残渣の溶媒を除去した(70℃で4時間)。質量は3.0g(2.2mmol、収率46%)であった。化学分析、熱及びスペクトルデータは以下のとおりである。
Figure 0004615214
【0026】
実施例2
オクタ(アセチルフェニル)シルセスキオキサン(OAcPS)の合成
50mlのシュレンクフラスコに0.522g(3.92mmol)の塩化アルミニウムを5mlのCS2と共に入れた。混合物を窒素下に0℃で15分間撹拌した。次いでOPS(0.5g、0.484mmol、−Ph3.87mmol)を撹拌しながら混合物に加え、懸濁物を0℃で30分、及び室温で20時間撹拌した。反応を抑制するために5gの氷を加え、10mlの塩化メチレンで有機層を抽出した。有機層を水性層がpH=〜7になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過によって不溶性の粉末を塩化メチレン溶液から除去し、得られた透明な溶液を50mlのヘキサンへ滴々と加え、白色粉末を得た。粉末をろ過で集め、ヘキサンで洗浄した。収量は0.319g(60.1%)(フェニル基のアセチルフェニル基への転換は66.9%であると推定して)であった。分析データは表1にある。
Figure 0004615214
【0027】
実施例3
オクタ(アセチルフェニル)シルセスキオキサン(OAcPS)の合成
反応温度を除いて実施例2と同じ反応条件を使用した。全ての試薬を混合した後、窒素下に1時間還流し、塩化メチレンの代わりに酢酸エチルを使用して抽出した。収量は0.44g(76%)であった。分析データは表1にある。
Figure 0004615214
【0028】
実施例4a
オクタ(ブロモフェニル)シルセスキオキサン(OBrPS)の合成
冷却器を付けた20mlのシュレンクフラスコにOPS(0.5g、0.484mmol、−Ph、3.87mmol)を入れ、次いで5mlの四塩化炭素とFe(0.0324g、0.580mmol)を加えた。窒素下に混合物を還流している間に、臭素(0.106ml、2.06mmol)をゆっくり添加し、混合物を1時間還流した。次いでFe(0.0324g、0.580mmol)と臭素(0.106ml、2.06mmol)を加え、還流した。1時間後、Fe(0.0324g、0.580mmol)と臭素(0.106ml、2.06mmol)を再度加え、さらに1時間還流した。Fe(0.0108g、0.144mmol)を加え、混合物をさらに1時間加熱した。30mlの酢酸エチルを添加した後、1.0mlの飽和NaHSO3を有する10mlの水で2回混合物を洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、次いで減圧下に5mlまで濃縮した。100mlの冷メタノールへ入れ、再沈殿及びろ過により白色粉末を得た。収量は0.54g(0.324mmol、66.9%)であった。分析データは表1にある。
Figure 0004615214
【0029】
実施例4b
オクタ(ブロモフェニル)シルセスキオキサン(OBrPS)の合成
冷却器を付けた25mlのシュレンクフラスコにOPS(0.5g、0.484mmol、−Ph3.87mmol)を入れ、次いで5mlの四塩化炭素を加えた。窒素下に混合物を還流している間、臭素(0.106ml、2.06mmol)をガラスピペットを使用してゆっくりと加え、混合物を1時間還流した。この手順を3回繰り返した。30mlの酢酸エチルを添加した後、1.0mlの飽和NaHSO3を有する10mlの水で2回混合物を洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、次いで減圧下に5mlまで濃縮した。100mlの冷メタノールへ入れ、再沈殿及びろ過により白色粉末を得た。収量は0.418g(0.404mmol、83.5%)であった。分析データは表1にある。
Figure 0004615214
【0030】
実施例5
オクタ(アミノフェニル)シルセスキオキサン(OAPS)の合成
冷却器を付けた100mlのシュレンクフラスコにONPHS(2.0g、1.435mmol、−NO211.48mmol)と5wt%のPd/C(224mg、0.115mmol)を入れた。蒸留したTHF(20ml)とトリエチルアミン(16.0ml、114.8mmol)を窒素下に混合物に加えた。混合物を60℃まで加熱し、85%の蟻酸(2.09ml、46.0mmol)を60℃で窒素下に磁気撹拌機で激しく撹拌しながらゆっくり加えた。蟻酸の添加により二酸化炭素が発生し溶液は二層に分かれた。撹拌5時間後に、傾斜によりTHF層を分離した。黒色スラリーに40mlのTHFを加え、前もって分離した溶液を混合し、ガラスフィルターとセライトフィルター試薬を有するロートを通してろ過して触媒を除去した。減圧下に溶液の容量を20mlに減少させ、30mlの水と30mlの酢酸エチルを有する分液ロートに入れた。溶液を水の150mlのアリコットで5回洗浄してトリエチルアンモニウムホルメートを除去し、次いで飽和の水性NaCl(30ml)で洗浄した。次いで有機層を1gのNa2SO4上で乾燥し、300mlのヘキサンへ滴々と加えた。わずかに褐色の粉末が沈殿し、これをろ過で集めた。次いで粉末を20mlのTHFに溶解させ、200mlのヘキサンへ入れ、再沈殿させて残りのトリエチルアミンを除去した。得られた粉末を真空下に乾燥した。収量は1.36g(1.18mmol、収率82.1%)であった。化学分析、熱及びスペクトルデータは表1に示してある。
Figure 0004615214
【0031】
実施例6
オクタ(プロピルグリシジルエーテルジメチルシロキシ)シルセスキオキサン(OG)の合成
0.01モルのオクタヒドリドスペーサー立体を撹拌機及び冷却器を付けた1Lの丸底3口フラスコに入れる。フラスコを排気し窒素で3回再充填し、90℃に加熱する。蒸留したトルエンを全ての粉末が溶解して溶液が透明となるまで加える。次いで過剰量のアリルグリシジルエーテルをフラスコに入れ、次いでジシクロペンタジエニル白金[Pt(dcp)]の触媒量の2.0mM溶液を加える。初期反応が起こっている間注意してフラスコから圧力を逃がし、反応から生じた熱が局所温度を上昇させ、圧力があがって溶媒が蒸発する。
【0032】
オクタ(スルホニルクロロフェニル)シルセスキオキサン(OSCIPS)の合成
25mlのシュレンクフラスコにクロロスルホン酸(5.0ml)を加えた。次いでフラスコを0℃に冷却し、OPS(0.5g、0.484mmol、Ph3.87mmol)を窒素気流下にゆっくりと加えた。窒素下に混合物を0℃で2時間撹拌し、氷水(10ml)に加えた。生成物を10mlの酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。加圧下に容量を5mlに濃縮し、溶液をヘキサン(50ml)へ入れ、ろ過で集め、真空下に一夜乾燥した。収量は0.147gであった(スルホニルクロロフェニル基の転換は空気中でのTGA測定に基づいて62%であると計算された。この転換率から収率は45%であると計算された。)
Figure 0004615214
【0033】
実施例8
ポリニトロフェニルシルセスキオキサン(PHPhS)の合成
250mlのフラスコに33mlの発煙硝酸(90wt%)を加えた。次いでポリフェニルシルセスキオキサン(Gelest, Inc., 製品番号 SST-3p01)(PPhS、5.5g、42.6mmol)を空気下に0℃でゆっくりと加え、混合物を室温で4時間撹拌した。溶液をガラスフィルターを通してろ過し、氷中に滴々と加えた。得られたわずかに褐色の粉末をろ過物が中性になるまで水で洗浄し、空気乾燥した。粉末をさらにエタノールで洗浄し、真空下で乾燥した。収量は5.85gであった。
【0034】
ナノ複合体物質の合成
実施例9
N−フェニルOAPSの合成
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(95.2mg、0.104mmol)と2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(84.6mg、0.153mmol)を、冷却器を付けた100mlのフラスコに入れ、40mlの乾燥トルエンに溶解させた。混合物を窒素下に室温で15分間撹拌した。ブロモベンゼン(0.730mo、6.93mmol)を混合物に加え、窒素下に室温でさらに15分間撹拌した。混合物にOAPhS(0.50g、0.434mmol、N:3.47mmol)とNaOtBu(0.666g、6.94mmol)を加えた。混合物を80℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物をろ過して溶解しなかった塩を除去し、80mlの緩衝溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、2gの活性炭と混合した。活性炭の除去後、トルエン溶液を200mlのヘキサンに加えた。ろ過によって褐色の粉末を集め、真空下で乾燥した。収量は0.371g、38.1%であった。(収率を完全置換を想定して計算した)。
Figure 0004615214
【0035】
実施例10
オクタ(フタルイミドフェニル)シルセスキオキサン(OPIPS)の合成
冷却器を取り付けた25mlのシュレンクフラスコにOAPS(0.5g、0.433mmol)と無水フタル酸(1.642g、11.1mmol)を入れた。混合物を窒素下に180℃で2時間加熱した。この温度で、無水物は溶融し、混合物は均一な褐色の溶液を形成した。室温まで冷却した後、混合物を20mlのジクロロメタンに溶解しろ過した。減圧下に溶媒を除去した後、残った無水フタル酸を昇華により除去した(80Pa(0.6mmHg)、130℃)。収量は0.702g(0.320mmol、収率73.9%)であった。
Figure 0004615214
【0036】
実施例11
オクタ(マレイミドフェニル)シルセスキオキサン(OMPIS)の合成
冷却器を付けた25mlのシュレンクフラスコに2.5mlのDMF中の無水マレイン酸(0.340g、3.46mmol)を入れ、5.0mlのDMF中のOAPS(0.5g、0.433mmol)を室温で窒素下に加えた。混合物を室温で窒素下に1時間撹拌した。混合物に無水酢酸(0.820ml、8.68mmol)とトリエチルアミン(0.071ml、0.868mmol)を加えた。次いで混合物を窒素下に60℃で3時間加熱した。室温まで冷却後、混合物を酢酸エチル(10ml)と混合し、水性層が中性になるまで水で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウム(〜1g)上で乾燥し、ヘキサン(100ml)へ入れ、再沈殿させた。粉末をろ過で集め、真空下でろ過した。収量は0.616g(0.343mmol、79.1%)であった。
Figure 0004615214
【0037】
実施例12
OASPとOGからのエポキシドナノ複合体の合成
OAPS/OG複合体を製造する場合、NH2(OAPS中の)のエポキシ基(OG中の)に対するモル比(“N”)が種々である、すなわちN=0.3、0.5、0.75及び1であるものを用いた。使用した手順は以下のとおりである。
OAPS粉末を秤量して磁気撹拌機を含む20mlのガラスビンに入れた。THF(2ml)をガラスビンに加え、撹拌してOAPSを完全に溶解させた。次いでOGを溶液に加え、混合物を激しく撹拌して均一な溶液を得た。次いで濃黄色の溶液をアルミニウムの鋳型(30mm×13mm×30mm)に移し、室温で真空下にTHFをゆっくり蒸発させた。混合物をN2下に室温で24時間、次いで80℃で6時間、次いで150℃で6時間硬化した。最終の試料は30mm×13mm×3mmの大きさであった。DMA試験の前に、粗い試料の角をSiC紙で磨いて除去した。
【0038】
実施例13
ポリAPSとOGからのエポキシドナノ複合体の合成
ポリAPS/OGナノ複合体を製造する場合、変数Phrをエポキシ樹脂100質量部当たりのアミンの質量部として定義した(可変性Nを使用なかったのは、ポリAPSの正確な構造が知られていないためNH2:エポキシ環の正確な比率が計算できなかったからである)。Phrは一般的なエポキシ樹脂とアミンを製造する工業において常用の変数である。Phr値が20、35、50及び65である組成物を製造した。ポリAPS/OG複合体を実施例11と同じ方法に従って製造した。THF中のポリAPS/OG混合物は黄色のOAPS/OG溶液と比べて褐色をしていた。ポリAPS/OGの硬化工程は実施例11と同じであった。最終試料は30mm×13mm×3mmの大きさであった。粗い試料の角を、DMA試験の前にSiC紙で磨いて除去した。
【0039】
実施例14
OAPSとDGEBAからのエポキシドナノ複合体の合成
実施例11の場合と同様に、N=0.3、0.5、0.75及び1において変数NをOAPS/DGEBA複合体の配合に対して使用した。OAPS粉末を秤量して磁気撹拌機を含む20mlのガラスビンに入れた。THF(2ml)をビンに加え、撹拌してOAPSを完全に溶解させた。次いでDGEBAを溶液に加え、混合物を激しく撹拌して均一な溶液を得た。次いで濃黄色の、透明な溶液を50℃に余熱したアルミニウムの鋳型(30mm×13mm×30mm)に移した。この温度で真空下にTHFがゆっくりと除去された。混合物を50℃で12時間、次いで100℃で6時間、最後に150℃で6時間窒素下で硬化させた。最終試料は30mm×13mm×3mmの大きさであった。粗い試料の角を、DMA試験の前にSiC紙で磨いて除去した。
【0040】
実施例15
ポリAPSとDGEBAからのエポキシドナノ複合体の合成
実施例12の場合と同様に、Phr=20、35、50及び65である変数PhrをポリAPS/DGEBAの製造に対して使用した。ポリAPS/DGEBA複合体を実施例12における場合と同様な方法に従って製造した。THF中のポリAPS/DGEBAの混合物は黄色のOAPS/OG溶液に比べて褐色であった。ポリAPS/DGEBAの硬化工程は実施例12における場合と同様であった。最終試料は30mm×13mm×3mmの大きさであった。粗い試料の角を、DMA試験の前にSiC紙で磨いて除去した。
【0041】
実施例16
OAPSと無水ピロメリット酸(PMDA)からのポリイミドナノ複合体の合成
OAPhS(0.1g)の1−メチル−2−ピロリドン(NMP 1.9ml)溶液にPMDAのNMP(1.4ml)溶液を窒素下に0℃で加えた。同じ温度で混合物を3分間撹拌し、アルミニウムの容器に加えた。混合物は直ちにゲル化した。ゲル(アミド酸ゲル)を次いで水晶管中で窒素下に130℃で2時間、350℃で4時間硬化させた。上昇率は5℃/分であった。得られた固形物をさらに真空下に150℃で2時間乾燥させ、さらなる分析を行った。
分光計のデータ
Figure 0004615214
OAPS/PMDAナノ複合体の熱的性質:
Figure 0004615214
aTd(5) 5%質量損失温度(℃)
bC.Y. 1000℃におけるセラミック収量(%)
【0042】
実施例17
OAPSと3,3 ' ,4,4 ' −ベンゾフェノンテトラ−カルボン酸二無水物(BTDA)からのポリイミド樹脂の合成
実験:BTDA(0.224g、0.695mmol)のDMF(2.4ml)溶液をOAPhS(0.2g、0.173mmol、N:1.39mmol)のDMF(0.8ml)溶液へ室温で加えた。混合物をアルミニウム容器に加え、130℃で2時間、350℃で4時間窒素下に加熱した。上昇率は5℃/分であった。
Figure 0004615214
【0043】
実施例18
コア−シェル構造を有するナノ複合体の合成(段階1)
冷却器を付けた25mlのシュレンクフラスコへ、OBrPS(0.5g、0.3mmol、Br:1.40mmol)、オクタ(ビニルジメチルシロキシ)シルセスキオキサン(8.84g、7.21mmol)、テトラエチルアンモニウムクロリド(0.398g、2.40mmol)、ジシクロヘキシルメチルアミン(0.772ml、3.60mmol)及び酢酸白金(0.0108g、0.0480mmol)を乾燥N,N−ジメチルアセタミド(10ml)と共に窒素下に加えた。混合物を窒素下に100℃で54時間加熱した。室温に冷却した後、ジエチルエーテル(10ml)と水(10ml)を加え、分液ロートで有機層を分離し、硫酸ナトリウム(〜1g)上で乾燥した。回転蒸発器を使用して減圧下に溶媒を除去した。シリカカラムクロマトグラフィーで生成物を精製した。流出物はヘキサンと酢酸エチルの混合物であった(容量で5:1から始まり5:4であった)。収量は0.3g(14.6%、1H−NMRに基づきFW=6589、反応したブロモフェニル基の数は8のうちの4.3であった)。セラミック収量を1H−NMRで得られた転換に基づいて計算した。
Figure 0004615214
【0044】
実施例19
コア−シェル構造を有するナノ複合体の合成(段階2)
冷却器を付けた25mlのシュレンクフラスコに段階1からの生成物(0.181g、0.0264mmol、0.793ビニル基)、オクタ(ヒドロジメチルシロキシ)シルセスキオキサン(2.4g、2.38mmol)及びPt(dcp)(4.0mMトルエン溶液、40μm、1.6×10-7mol)を10mlの蒸留したトルエンと共に窒素下に加えた。混合物を窒素下に100℃で41時間加熱した。トルエン中の再結晶により、過剰量のオクタ(ヒドロジメチルシロキシ)シルセスキオキサンを分離した。シェルに導入されたオクタ(ヒドロジメチルシロキシ)シルセスキオキサンの数はGPC(Mn)の結果から推計され、シェル中のオクタ(ビニルジメチルシロキシ)シルセスキオキサン当たり3.5であった。
分光計のデータ:
FT−IR(cm-1): −
TGA(空気/wt%/1000℃): −
TGA(N2/wt%/1000℃): −
GPC: Mn=24265, Mw=37966, Mw/Mn=1.565

【0045】
実施例20
シルセスキオキサンの単一単分子層の層ごとの沈着
層沈着の前に、ケイ素ウェハー及びガラス基体をピラニア溶液(3:1 H2SO4:H22)中で清浄にし、アセトン、脱イオン水及びメタノールで何回か洗浄し、窒素気流下で乾燥した。トルエン中の5容量%アミノプロピルトリエトキシシラン(APTEOS)に窒素下でこれらを24時間浸漬し、次いでトルエンとアセトンで何回か洗浄して、残渣のAPTEOSとAPTEOSによって形成された浮遊しているゲルを除去する。
APTMOSで処理した基体をトルエン中の10質量%OG溶液に浸漬し、空気中で乾燥した。次いでこれらを窒素下に150℃で24時間硬化させた。硬化後、基体を沸騰トルエン及びアセトンで何回か洗浄して残渣のOGを除去した。
OGの沈着後、基体を10質量%OAPSに浸漬し気流中で乾燥した。次いでこれらを窒素下に150℃で24時間硬化した。硬化後、基体を沸騰トルエン及びアセトンで何回か洗浄して残渣のOAPSを除去した。
測定の前にアセトンとアルコールで基体を十分清浄にした。約50μmの脱イオン水を表面に落下させ、基体と水の垂直映像をビデオカメラで記録した。落下直後の映像をとり、画像編集ソフトウェアを使用してスチル−モードで印刷した。接触角は以下のとおりであった:
Figure 0004615214
熱重力分析(TGA):窒素下の物質の熱安定性を2960同時DTA−TGA装置(TA Instruments, Inc., New Castle, DE)を使用して試験した。小さい試料(15〜25mg)を白金皿に置き、N2下に5℃/分の率で1000℃まで上昇させた。N2の流速は60ml/分であった。
動的な機械的分析(DMA):硬化した試料の動的な機械的動きを、TA Instruments 2980 動的機械的分析機(New Castle, DE)を使用して研究した。硬化した試料を研磨して3.0mm×12.0mm×3.0mmとし、単一のカンチレバークランプ上にのせた。−50℃〜200℃の温度において10℃ごとに段階的に窒素下で機械的性質を測定した。それぞれの測定の前に、炉を窒素下に室温に保持した。
【0046】
実施例21
溶媒を使用するイミドフィルムの製造
オクタアミノフェニルシルセスキオキサン(OAPS)と無水ピロメリット酸(PDA)(OAPSのNH2:PDAの無水物のモル比=1:1、全1g)を10mlのNMPに溶解させ、溶液をガラススライドにキャストする。溶媒を緩和な条件下(〜40℃)で1日蒸発させる。フィルムが安定したときに、それをビーカー中の水300mlに入れて超音波処理する。フィルムを注意深く剥がし室温で乾燥する。次いでゆっくり加熱し、150℃で4時間、300℃で2時間保持する。黄色ないし褐色のフィルム(時間と厚さに依存する)が得られる。
【0047】
実施例22
コポリイミドフィルム
実施例21で得られたフィルムは典型的にはもろいが、これをOAPSと柔軟な直鎖アミンの共イミド化によって還元することができる。例えば、オクタアミノフェニルシルセスキオキサン(OAPS)、オキシジアニリン(ODA)と無水ピロメリット酸(PDA)(OAPS+ODAのNH2:PDAの無水物のモル比=1:1、ODAの量が変化する、全1g)を10mlのNMPに溶解し、溶液をガラススライドにキャストする。上記と同じ硬化方法に従い、柔軟な濃い黄色いフィルムが得られる。
【0048】
実施例23
溶融法によるイミドの合成及び処理
オクタアミノフェニルシルセスキオキサン(OAPS)とテトラエステルポリメリテート(TEP)(OAPSのNH2:TEPのエステルのモル比=1:2、全1g)を秤量して20mlのバイアルに入れ、TEPが溶融するまで160℃に加熱する。混合物が均一になるまで撹拌する。次いでそれを表面にキャストし、窒素下に同じ温度で12時間保持する。さらに300℃で4時間後硬化させる。より厚いフィルムとキャスト形態にはより長い時間とより緩やかな加熱速度が必要である。繊維を溶融防止することができ、引くときに加熱するか又は後紡糸過程において完全に硬化することもできる。
【0049】
実施例24
コポリイミド
オクタアミノフェニルシルセスキオキサン(OAPS)と直鎖のジアミン、例えばオキシジアニリン(ODA)及びテトラエステルピロメリテート(TEP)(OAPSのNH2:TEPのエステルのモル比=1:2、全1g)を秤量して20mlのバイアルに入れ、TEPが溶融するまで160℃に加熱する。混合物をそれが均一になるまで撹拌する。次いで、それを表面にキャストし、窒素下に同じ温度で12時間保持する。さらに300℃で4時間後硬化させる。より厚いフィルムとキャスト形態にはより長い時間とより緩やかな加熱速度が必要である。繊維を溶融防止することができ、引くときに加熱するか又は後紡糸過程において完全に硬化することもできる。
【0050】
実施例25
オクタ(アセチルフェニル)シルセスキオキサン(AcOPS)の合成
500mlのシュレンクフラスコに窒素下で、塩化アルミニウム(16.80g、126mmol)を100mlのCH2Cl2及び100mlのCS2と共に入れ、次いで塩化アセチル(8.26ml、116mmol)を注射器で加えた。混合物を窒素下に0℃で15分間撹拌した。次いでOPS(10g、9.76mmol、−Ph78.1mmol)を撹拌しながら混合物に加え、溶液を0℃で5時間撹拌した。反応を抑えるために、50gの氷を加え、有機層を200mlの酢酸エチルで抽出した。水性層がpH=〜7になるまで水で有機層を洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。回転蒸発により溶媒を除去し、フラスコに100mlの酢酸エチルを加えた。得られた懸濁物を1cmのセライトカラムを通してろ過した。次いで黄色のろ過物が得られ、溶解しなかった粉末を100mlのCH2Cl2に溶解させ、カラムを通した。CH2Cl2層を回転蒸発器で20mlに減少させ、750mlのヘキサンに滴下し、これによって白色粉末が得られた。ろ過によって粉末を集め、ヘキサンで洗浄し、真空下に乾燥した。収量6.25g(47.2%)、100%アシル化(1H−NMRによる)、メタ/パラ=86/14(1H−NMRによる)。酢酸エチルろ過物を〜20mlに減少させ、750mlのヘキサンに入れて沈殿させることができる。ろ過及び乾燥後に、得られたのは5.54g(42.7%)の黄色がかった白色粉末であり、92%(1H−NMRによる)アシル化されたものであった。
【0051】
実施例26
オクタ(a,a−ジブロモアセチルフェニル)シルセスキオキサン(Br 2 AcOPS)の合成
25mlのシュレンクフラスコに窒素下に、AcOPS(0.150g、0.876mmolCOCH3)と3mlのCH2Cl2を入れた。臭素(0.462g、2.89mmol)を溶液に滴々と加えた。通常激しい発熱反応が起こる。反応が独立して始まらない場合、反応を開始させるために緩和な加熱が必要になる可能性があり、加熱により独立して反応が進行する。30分後、溶液を分液ロート中の10mlのCH2Cl2に加え、10%NaHSO3で2回洗浄し(過剰のBr2を除去するため)、水で3回洗浄した。CH2Cl2層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで、回転蒸発器により乾燥させた。物質を3mlのCH2Cl2に溶解させ、750mlのヘキサンへ入れて沈殿させた。ろ過により生成物を集め、真空下で乾燥した。収量0.237g(82.2%)。特徴:IR 1704(νC=O);1H−NMR(CDCl3)d 6.55(s, 1H, CBr2H);TGA 19.3%(計算値 18.3%)。
【0052】
実施例27
ポリ(アセチルフェニル)シルセスキオキサン(AcPPS)の合成
50mlのシュレンクフラスコに窒素下に塩化アルミニウム(0.838g、6.3mmol)を5mlのCH2Cl2と5mlのCS2と共に入れた。次いで塩化アセチル(0.413ml、5.8mmol)を注射器で加えた。混合物を窒素下に0℃で15分撹拌した。次いでPPS(0.5g、0.484mmol、−Ph3.87mmol)を混合物に撹拌しながら加え、溶液を0℃で5時間撹拌した。反応を抑えるために20gの氷を加え、有機層を50mlの酢酸エチルで抽出した。有機層を、水で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、1cmのセライトカラムを通過させた。回転蒸発器により5mlまで減少させた後、黄色の溶液を75mlのヘキサンへ入れて沈殿させた。収量0.338g(52.3%)。
OPSの収量を適度にするための最適化した条件下でポリフェニルシルセスキオキサンをアシル化することができる。フェニルのアシルフェニルへの転換は90%(1H−NMRによる)である。PPSの多分散性及び分子量がアシル化に従って顕著に減少することは興味深い。この減少はPPSのニトロ化についても見られ、Si−O−Si結合の開裂及びその後の酸性合成及び仕上げ中に生じる再配置によると説明することができる。
【0053】
実施例28
オクタ(i−ブチリル−フェニル)シルセスキオキサン(iButOPS)の合成:
50mlのシュレンクフラスコに窒素下で、塩化アルミニウム(0.838g、6.3mmol)を5mlのCH2Cl2と5mlのCS2と共に入れた。イソ−ブチリルクロリド(0.630ml、5.8mmol)を次いで注射器で加えた。OPS(0.5g、0.488mmol、−Ph3.9mmol)を次いで撹拌しながら混合物に加え、溶液を還流下で10時間撹拌した。反応を抑えるために5gの氷を加え、有機層を50mlのCH2Cl2で抽出した。有機層を水性層がpH=〜7になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。回転蒸発器で溶媒を除去し、50mlのCH2Cl2をフラスコに加えた。得られた液体を1cmのセライトカラムを通してろ過した。溶液を〜10mlに減少し、100mlのヘキサンに滴下して沈殿させ、白色粉末を得た。ろ過して粉末を集め、ヘキサンで洗浄し、真空下に乾燥した。収量は0.477g(収率68%)、75%がPh−COC(CH3)2Hに転換した(1H−NMRによる)。
【0054】
実施例29
オクタ(エチルフェニル)シルセスキオキサン(iButOPS)の合成:
50mlのシュレンクフラスコに窒素下で、塩化アルミニウム(0.838g、6.3mmol)を5mlのCH2Cl2と5mlのCS2と共に入れた。エチルクロロホルメート(0.555ml、5.8mmol)を次いで注射器で加えた。OPS(0.5g、0.488mmol、−Ph3.9mmol)を次いで撹拌しながら混合物に加え、溶液を還流下で1時間撹拌した。反応を抑えるために、5gの氷を加え、有機層を50mlのCH2Cl2で抽出した。有機層を水性層がpH=〜7になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。回転蒸留機で溶媒を除去し、50mlのCH2Cl2をフラスコに加えた。得られた液体を1cmのセライトカラムを通してろ過した。溶液を〜10mlまで減少させ、100mlのヘキサンへ滴下して沈殿させ、白色粉末を得た。ろ過して粉末を集め、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥した。収量0.397g(収率69%)、70%がPh−CH2CH3へ転換した(1H−NMRによる)。
本発明の態様を説明し記載してきたが、これらの態様が本発明の全ての可能な形態を説明し、記載することを意図するものではない。むしろ、本明細書で使用した用語は、制限するのではなく説明するものであり、本発明の趣旨及び範囲を離れることなく種々の変化が可能であることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の官能化したナノ粒子において有用なシルセスキオキサン構造及び官能化したシルセスキオキサン構造の概要の形態を示す。
【図2】 図2は、ケイ素原子がフェニル又は置換フェニルで置換されている、“立方体”及びオリゴマー“開放立方体”シルセスキオキサンのカゴ様構造物の製造を示す。
【図3】 図3は、ニトロフェニル−置換シルセスキオキサンからのアミノ官能基−置換シルセスキオキサンの合成を示す。
【図4】 図4は、オクタキス(ブロモフェニル)シルセスキオキサンの合成を示す。
【図5】 図5は、オクタキス(アセチルフェニル)シルセスキオキサンの合成を示す。
【図6】 図6は、オクタキス(クロロスルホニルフェニル)シルセスキオキサンの合成を示す。
【図7】 図7は、オクタキス(フタルイミドフェニル)シルセスキオキサンの合成を示す。
【図8】 図8は、オクタキス(マレイミドフェニル)シルセスキオキサンの合成を示す。
【図9】 図9は、有機発光ダイオードのホールキャリヤーとして有用なフェニル基又は置換フェニル基によるアミノ水素の置換を示す。
【図10】 図10は、アミノフェニル−置換シルセスキオキサンのグリシジルプロピルジメチルシロキシ−置換シルセスキオキサンとの反応によって製造したナノ複合体の概要を示す。
【図11】 図11は、アミノフェニル−置換シルセスキオキサンオリゴマーのグリシジルプロピルジメチルシロキシ−置換シルセスキオキサンとの反応によって製造したナノ複合体の概要を示す。
【図12】 図12は、アミノフェニル−置換シルセスキオキサンを2官能性ビスフェノールAジグリシジルエーテル結合剤で結合することによって製造したナノ複合体の概要を示す。
【図13】 図13は、アミノフェニル−置換シルセスキオキサンオリゴマーを2官能性ビスフェノールAジグリシジルエーテル結合剤で結合することによって製造したナノ複合体の概要を示す。
【図14】 図14は、アミノフェニル−置換シルセスキオキサンを無水ピロメリット酸と反応させて製造したシルセスキオキサン“立方体”の間にイミド結合基を有するナノ複合体の概要を示す。
【図15】 図15は、官能化したフェニルシルセスキオキサンの第1の部分と相補的な反応性の第2の官能化したシルセスキオキサンとの反応によるコア/シェル又は層状化した多ブロックナノ複合体の製造の概要を示す。
【図16】 図16は、エポキシ官能性シルセスキオキサンと相補的な反応性層成分として本発明のアミノフェニル−置換シルセスキオキサンを使用する、基体上の多層ナノ複合体材料の製造を示す。

Claims (14)

  1. 最大寸法が100nmより小さい官能化したシルセスキオキサンナノ粒子であって、最小で6個のケイ素原子を含み、67モルパーセントを越えるRSiO3/2部分を含み、式中Rはフェニル基又は一若しくは複数の反応性官能基を有するフェニル基であるシルセスキオキサンマクロモノマー、又はSi−O−Si結合で結合した該マクロモノマーのオリゴマー又はポリマーであって、少なくとも一つの該フェニル基が一つの反応性官能基を有しているもの、ここで、該反応性官能基がハロ、アミノ、イミノ、エポキシ、カルボン酸、カルボニルクロリド、カーボネート、イソシアナート、シアナート、マレイミド、エチレン系不飽和、エチリン系不飽和、ヒドロキシル、アシル、ヒドロキシアルキル、及びスルホニルから成る群から選択される、を含む、ナノ粒子。
  2. フェニル−置換したシルセスキオキサンを提供すること及び該フェニル−置換したシルセスキオキサンのフェニル基を反応性基又はその前駆体で置換することを含む、請求項1に記載の官能化したシルセスキオキサンマクロモノマーの製造方法。
  3. フェニル−置換したシルセスキオキサンのフェニル基をニトロ化してニトロフェニル−置換したシルセスキオキサンを製造し、次いで該ニトロフェニル基をアミノフェニル基に還元してアミノフェニル−置換したシルセスキオキサンを製造することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. フェニル置換体の環水素原子に対する官能基又はその前駆体の求電子的置換によりフェニル−置換したシルセスキオキサンが官能化される、請求項2に記載の方法。
  5. シルセスキオキサンナノ粒子がカゴ構造を有しかつ6〜24個の反応性官能基を含む、請求項1に記載の官能化したシルセスキオキサンナノ粒子。
  6. 請求項1の官能化したシルセスキオキサンマクロモノマー又は請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法によって製造した官能化したシルセスキオキサンマクロモノマー、又はこれらのSi−O−Si結合したオリゴマー若しくはポリマーを含むナノ複合体物質。
  7. 多層構造体を含む請求項6のナノ複合体物質であって、該多層構造体が請求項1の官能化したシルセスキオキサン又は請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法によって製造した官能化したシルセスキオキサン、又はこれらのSi−O−Si結合したオリゴマー若しくはポリマーの層を含む、物質。
  8. 官能化したシルセスキオキサンの交互の層がジ−又は多官能性スペーサー分子によって化学的に結合している、請求項6又は7に記載のナノ複合体物質。
  9. スペーサー分子が非−フェニル置換した、官能化したシルセスキオキサンマクロモノマー、好ましくはオクタキス(エポキシアルキル)シルセスキオキサンを含む、請求項8に記載のナノ複合体物質。
  10. コア/シェル構造を有する、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のナノ複合体物質。
  11. 請求項1の官能化したシルセスキオキサン又は請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法によって製造した官能化したシルセスキオキサン又はこれらのSi−O−Si結合したオリゴマー若しくはポリマーが分散相として、連続した熱可塑性又は熱硬化性ポリマーマトリックスに化学的に結合したものを含む、請求項6に記載のナノ複合体物質。
  12. シルセスキオキサンマクロモノマーを、オクタキス(アミノフェニル)シルセスキオキサン、オクタキス(N−マレイミドアミノフェニル)シルセスキオキサン、オクタキス(アセチルフェニル)シルセスキオキサン、及びオクタキス(ブロモフェニル)シルセスキオキサンから成る群から選択する、請求項1に記載の官能化したシルセスキオキサンナノ粒子。
  13. 請求項1に記載のナノ粒子又は請求項2ないし4のいずれか1項の方法によって製造した官能化したフェニルシルセスキオキサンのナノ粒子の、表示使用用のルミネッセンスナノ複合体としての使用、物質をろ過、ふるい分け、捕捉又は濃縮するナノ複合体多孔媒体としての使用、電子伝導性のナノ複合体としての使用、高い強度及び熱安定性を示すナノ複合体としての使用及び耐炎性のナノ複合体としての使用。
  14. 請求項1の官能化したシルセスキオキサン又は請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法によって製造した官能化したシルセスキオキサン又はこれらのSi−O−Si結合したオリゴマー若しくはポリマーが分散相として、連続した熱可塑性又は熱硬化性ポリマーマトリックスに化学的に結合したものを含む、請求項7に記載のナノ複合体物質。
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