JP4614834B2 - Ptp払出システム - Google Patents
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Description
なお、本明細書で、「PTP包装した薬剤と等価な薬剤」とは、薄手の紙箱やプラスチックケース等に納められた薬剤であって、PTP包装剤のように立て掛けて整列収納しうるものをいう。また、「薬品類」には、上記薬剤に加えて、他の医薬品や、医療材料なども含まれる。
収納対象が薬品類の場合、アンプル剤等の薬品をカセットに整列収納しておきワンタッチで出し入れできるようになった薬品収納装置が知られている(例えば特許文献1参照)。これは、出し入れ対象のカセット位置をLED等で案内表示するようにもなっている。
さらに、そのような位置案内表示が要らないほど大きく扉や引出箱を開けるようになった薬品類収納装置も知られている(例えば特許文献3参照)。これは、分別保管中の薬品類の選択に加えて開動作まで自動で行うので、所望の薬品類の在処が一目瞭然になると同時にその薬品類を取り出せる状態になるため、好評を博している。
しかしながら、従来の薬品類収納装置では、引出箱を一目瞭然なほど大きく開けることができるよう開駆動機構に永久磁石と電磁コイルとの組み合わせからなる特別な機構を採用しているので、開駆動機構の単価低減が難しい。
そうすると、原価低減を図るには、開駆動機構の駆動距離を短縮するのが近道であり、そうすれば開駆動機構を例えば量産品で安価な電動モータやカム等で構成することができる。
取出対象位置の案内表示については、縦や横の並びで発光部材を共用することにより発光部材の必要個数を収納容器より少なくして原価低減を図るという手立てもあるが(例えば特許文献1図11参照)、その従来手法では、収納容器それぞれのところが光る訳でない。
そこで、薬品類収納装置の原価低減のため、開駆動機構の駆動距離の短縮を容認するとともに、発光部材の個数を収納容器より少なく抑えたうえで、駆動距離が短くなっても収納容器の自動前進は維持されていることを利用して発光部材が少数でも収納容器それぞれのところが光るように改造することが薬品類収納装置の技術課題となる。
しかしながら、薬剤の種類は膨大であり、錠剤はもとよりPTP包装剤に限っても数千を超えるので、全種類のPTP包装剤を自動のPTP払出装置に実装するのはコスト負担が過大となる。そのため、使用頻度の高いPTP包装剤は特許文献5記載のような自動装置に実装されるが、そのような自動装置に実装されない多くの非実装PTP包装剤は、手動の薬品棚等に収納されていた。この事情は、使用頻度の高いPTP包装剤を特許文献3記載のような半自動の薬品類収納装置に実装した場合も、同じである。
また、実装を分担し合う自動のPTP払出装置と半自動の薬品類収納装置とからPTP包装剤を払い出す作業や監査する作業が行い易いよう、両装置を連携させるとともに便利な作業場所を確保することがPTP払出システムの第2技術課題となる。
したがって、この発明によれば、上述した第1技術課題が解決される。
したがって、この発明によれば、実装を分担し合う自動のPTP払出装置と半自動の薬品類収納装置とを連携させたうえで、PTP包装剤を払い出したり監査するのに使える作業場所を確保するとともに、その作業の利便性を高める特定空間に秤量計を設置したことにより、上述した第2技術課題が解決される。
すなわち、PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットと、これらのカセットを並べて保持する支持手段と、各カセットから放出(最終排出)された薬剤を下方へ導く落下案内部材と、それらの薬剤を収集する収集機構とを備えたPTP払出装置であって、
前記カセットが、薬剤収納用の外板と、その解放前面の上部で収納薬剤の前倒を止める上枠と、前記収納薬剤を載せて振動時には前進させる内板と、この内板を振動させる振動部材と、前記解放前面の手前に設けられ前記収納薬剤のうち前記解放前面から排出(予備排出)されたものを留め置く留置部材とを具備したものであり、
前記留置部材に作用して留置薬剤を前記落下案内部材に向けて放出(最終排出)させる作動機構が、前記カセットそれぞれに対応して設けられており、
前記留置部材の留置有無を検出して留置無しのときには前記振動部材を作動させ留置有りのときには前記振動部材の作動を停止させるようになっていることを特徴とする。
前記上枠に、前記内板上の先頭薬剤の上端部と干渉する第1当接面と、その前方かつ下方に位置して前記留置部材上の留置薬剤の上端部と干渉する第2当接面とが、形成されており、
前記作動機構が前記留置部材を軸回転させることにより、前記留置部材が、前記収納薬剤のうち前記解放前面から排出(予備排出)されたものを留め置く留置状態か、その留置薬剤を前記落下案内部材に向けて放出(最終排出)させる放出状態かの何れかの状態を採るようになっている
ことを特徴とする。
すなわち、前記外板は薬剤収納空間の少なくとも側面を囲み、前記薬剤収納空間の上面が薬剤補充可能に解放され、前記薬剤収納空間の前面が薬剤排出のために解放されており、前記内板は、上面のうち前端部分が前上がり傾斜で残部が前下がり傾斜に形成され、前記薬剤収納空間の内底部分に遊挿されて振動可能に支持されている。
また、内板が収納薬剤を載せて振動しうるよう薬剤収納空間の内底部分に遊挿され、内板が振動時に収納薬剤を前進させるよう上面の大部分を前下がり傾斜に形成し、その前進が無用に加速するのを阻止して収納薬剤がほぼ一定速度で安定進行するよう内板の上面のうち前端部分は前上がり傾斜に形成したことにより、秤量部材や付勢部材が付加されていなくても、内板の振動にて確実にPTP包装剤の整列維持と整列前進と順次排出とが行われる。
すなわち、薬品類を収容する多数の収納容器と、それらを前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持する庫部と、前記収納容器それぞれの後方に配設され該当する収納容器を前進させる多数の開駆動機構とを備えた薬品類収納装置において、前記開駆動機構が駆動距離の短いものであり、後退状態の前記収納容器のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材(発光部材)が設けられ、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段が前記収納容器それぞれの前端部に形成され又は付設されていることを特徴とする。
ここで、「駆動距離の短い」とは、開駆動機構が該当収納容器を前進させた際、その前進距離が収納容器の奥行き即ち前後方向の長さよりも短いことを意味し、少なくとも半分未満であり、通常は収納容器のうち前端部と認識される部分に係る前後方向の長さ程度に短い。
したがって、この発明によれば、開駆動機構の駆動距離の短縮化に際して、収納容器より少ない送光部材にて収納容器それぞれのところを光らせるようにもしたことにより、利便性を維持しつつ薬品類収納装置を安価にすることができる。
この場合、駆動距離の短い開駆動機構であれば、市販の量産品を用いる等のことで、十分なコストダウンを達成することができる。
この場合、収納容器の内部の傾斜面に銘板を置くことで視覚化手段が実装され、その視覚化手段を兼ねる銘板には、表面で光を反射させ且つ散乱させる板状体が採用されるが、これは一般的な白っぽい紙などで良いので、簡便かつ安価に具現することができる。なお、光度の大きな発光素子が安価になれば、視覚化手段の反射率を下げて一部の光は透過して更に直進するよう改造することにより、上述した送光ライン共通の複数収納容器の同時発光も実用化することができる。
このような本発明の薬品類収納装置にあっては(実施形態8)、収納容器が庫部から突き出ていると送光が遮られる一方、収納容器が庫部内に後退していれば送光が遮られない。このように収納容器の突出の有無に応じて受光部材の受光状態が変化するので、受光部材の受光状態に基づいて収納容器の自動前進および手動での押し戻しが完遂されたか否かを自動判別することができる。しかも、送光部材と同じく受光部材も複数の収納容器で共用されるので、受光部材も収納容器より少なくて済む。
図1〜8に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜3)及び実施形態1〜6を具現化したものであり、図9に示した実施例2は、その変形例である。また、図10に示した実施例3は、上述した実施形態7を具現化したものであり、図11に示した実施例4は、上述した実施形態8を具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、フレーム等の支持部材や,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、PTP払出装置40の筐体内部の最下部に設けられた搬送機構45と、薬品類収納装置100の筐体内部の下半部に設けられた搬送機構160は、PTP払出装置40と薬品類収納装置100とを貫く一連の搬送路を構成している。
以下、順に、各部を説明する。すなわち、図1を引用して薬品類収納装置100の構成を説明し、図2を引用して薬品類収納装置200の構成を説明し、図3,図4を引用してPTP払出装置40の構成を説明し、図5を引用して制御装置の構成を説明する。
収集機構44は、上部が大きく開き下部が狭くなっている傾斜板やホッパー状部材からなり、搬送機構45は、ベルトコンベア等からなり、収集機構44の下方に横たわっている。この搬送機構45は、次の各カセット10もそうであるが、メインコントローラ300の自動制御に従って動作するようになっている。
カセット10は(図3(c)参照)、振動排出カセットであって、外板11と上枠12と内板13と弾性支持部材14と振動部材15と排出検出部材16と留置部材18とからなり、PTP包装された薬剤20を立てた状態で横一列に並べて整列収納し先頭から一つずつ排出するようになっている。
振動部材15には、例えば携帯電話に内蔵される量産品で安価な偏心回転式の振動モータが転用され、これは、内板13を振動させるために、弾性支持部材14の内板13寄りや内板13の裏面などに付設される。
振動制御回路52は、いわゆるワンチップマイコン及び/又は論理回路からなり、コネクタ部51を介して排出検出部材16の検出信号を入力して振動部材15の動作制御を行うものであり、排出検出部材16の検出結果が留置無しのときには振動部材15を作動させ、排出検出部材16の検出結果が留置有りのときには振動部材15の作動を停止させるようになっている。
図6〜図8は、PTP払出装置40の動作状態等を示し、図6(a)は、PTP包装剤(薬剤)20の外観斜視図であり、図6(b),(c),図7(a),(b),(c),図8(a),(b)は、何れも、カセット10を一個含んだ要部の縦断正面図(カセット単体では縦断左側面図)である。
典型的なPTP包装剤(薬剤20)は、片面が平坦で片面に薬剤収納用突部の列設された角板状であり(図6(a)参照)、そのサイズは幅が数十mmで長さが百数十mmで厚みが数mmであり、典型的な重量・質量は、数十mg〜百数十mgである。
その補充の際(図6(b)参照)、カセット10の薬剤収納空間内で薬剤20の表裏を同じ向きに揃えて薬剤20をカセット前後方向へ一列に並べる。
そして、そのカセット10が支持部材43に装着されると、カセット10がローカルで動作する。
留置部材18に留め置かれている留置部材18は、整列状態から分離されて単独で留置部材18上に一時保持されていて、内板13上に整列している薬剤20の圧力やそれに起因する摩擦力から解放されているので、一枚ずつ安定して速やかに放出することができる状態になっている。
PTP払出装置40から払出された薬剤20は、払出口46及び受入口118を通って薬品類収納装置100の搬送機構160上に移され、搬送機構160によって放出口117へ運ばれ更に落し込み空間116へ送り込まれる。そこで、秤量計170の秤量皿に載せられ秤量される。
こうして、このPTP払出システムにあっては、合理的な費用で、多くのPTP包装剤を能率良く調剤し更に監査することができる。
このPTP払出装置が上述した実施例1のものと相違するのは、カセット10における内板13と振動部材15の具体的な構成である。
すなわち、相違点は、カセット10において、振動部材15が増えて複数個(図では三個)になっている点と、内板13の前下がり傾斜部13aが振動部材15に対応して分割されている(図では三分割)点である。
この薬品類収納装置が上述した実施例1のものと相違するのは、透明プラスチックの一体成型にて収納容器220が作られている点と、それに付設される視覚化手段が傾斜面222に置かれた銘板225にて具現化されている点である。
銘板225は、不透明な紙やプラスチックシートで、傾斜面222とほぼ同サイズに形成され、少なくとも片面が照射光を散乱させながら反射する粗面になっており、そこには薬品名やコード等が書込や印刷にて記入されている。
この場合、薬品名の記入面を表にして銘板225を傾斜面222に乗せ置けば、簡便かつ安価に、視覚化手段が収納容器220に付設されることとなる。
また、薬品類250を取り出す際に、収納容器220を更に引き出したときも(図11(b)参照)、収納容器220が抜き取られない限り、送光部材213から受光部材260への送光が収納容器220の底板224で遮られるので、やはり受光部材260が受光できない。
そして、このような収納容器220の突出の有無に応じた受光部材260の受光状態の変化がメインコントローラ300に信号入力され、それらのタイムスタンプがログデータに録られる。
さらに、薬品類250の取出後に、受光部材260での受光再開が検出されないうちに払出作業完了の入力があると、メインコントローラ300によって払出作業が完了していないと判定され、作業者に収納容器220の閉塞を促す案内メッセージ等が出される。
なお、カセット10の配置は、上述したマトリクス状の直交配置に限られる訳でなく、例えば、特許文献5の収納庫のように円筒状配置であっても良い。
また、上記の実施例1,2では、振動制御回路52や,作動機構としてのソレノイド53及びフック54が支持部材43に装着されていたが、これらはカセット10に装着しても良い。例えば、外板11のうち底板に取り付けて、コネクタ部51を介して給電されるようにしても良い。
さらに、上記の実施例1,2では、カセットから薬剤を一つずつ取り出すようになっていたが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば二枚一組や三枚一組など複数の薬剤を纏めて取り出すようにしても良く、具体的には内板の前端と留置部材の対向面との距離を広げることで容易に実現される。
また、送光部材213の設置箇所は、上側に限らず、下側や左右であっても良い。送光部材213の送光方向も、鉛直下方に限らず、上向きや,横向き,さらには斜めであっても良い。
上記実施例では、搬送機構160としてエスカレータ様の斜めコンベアを図示したが、搬送機構160は、エレベータ様のものでも良く、複数タイプの組み合わせでも良い。
上記実施例で、作業台115は、放出口117の真上で切れていたが、落し込み空間116の上へ突き出ていても良い。
薬品類収納装置200は、薬品類収納装置100の庫部拡張用であり、薬品類の種類数に応じて適宜増減されるものである。
12…上枠、12a…第1当接面、12b…第2当接面、
13…内板、13a…前下がり傾斜部、13b…前上がり傾斜部、
14…弾性支持部材、15…振動部材、16…排出検出部材、
18…留置部材、20…薬剤(PTP包装剤または等価な薬剤)、
40…PTP払出装置、
41…引出棚、42…落下案内ダクト、43…支持部材、
44…収集機構、45…搬送機構、46…払出口、51…コネクタ部、
52…振動制御回路、53…ソレノイド、54…フック、
100…薬品類収納装置、
111…筐体、112…シャッター、114…庫部、
115…作業台、116…落し込み空間、117…放出口、
118…受入口、150…表示器、160…搬送機構、170…秤量計、
200…薬品類収納装置、
211…筐体、212…シャッター、213…送光部材、
214…庫部、215…引出、216…電装部、220…収納容器、
221…前板、222…傾斜面、223…側板、224…底板、
225…銘板、230…モータ、231…回転軸、232…偏心カム、
233…原点センサ、250…薬品類、260…受光部材、
300…メインコントローラ、310,311,312…サブコントローラ
Claims (2)
- PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットを並べて保持し各カセットから薬剤を自動放出させ下方へ導いて収集するPTP払出装置と、薬品類を収容する多数の収納容器を前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持し後方配設の開駆動機構にて前進させる薬品類収納装置とが並設されたPTP払出システムであって、前記薬品類収納装置に作業台が付設され、その作業台の一部を切欠いた形で落し込み空間が形成され、その落し込み空間に秤量計が設置され、前記PTP払出装置で払い出された薬剤を前記落し込み空間へ送り込む搬送機構が設けられ、前記PTP払出装置の前記カセットが前記薬剤の整列維持と整列前進と順次排出とを振動にて行うものであり、前記薬品類収納装置には後退状態の前記収納容器のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材が設けられ、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段が前記薬品類収納装置の前記収納容器それぞれの前端部に形成され又は付設されていることを特徴とするPTP払出システム。
- PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットを並べて保持し各カセットから薬剤を自動放出させ下方へ導いて収集するPTP払出装置と、薬品類を収容する多数の収納容器を前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持し後方配設の開駆動機構にて前進させる薬品類収納装置とが並設されたPTP払出システムであって、前記PTP払出装置は、前記カセットが前記薬剤の整列維持と整列前進と順次排出とを振動にて行うものであり、前記薬品類収納装置は、後退状態の前記収納容器のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材が設けられ、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段が前記収納容器それぞれの前端部に形成され又は付設されていることを特徴とするPTP払出システム。
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