JP4612314B2 - 帯電制御方法、電気泳動粒子、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents

帯電制御方法、電気泳動粒子、電気泳動表示装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、帯電制御方法、電気泳動粒子、電気泳動表示装置および電子機器に関するものである。
一般に、液体中に微粒子を分散させた分散系に電界を作用させると、微粒子は、クーロン力により液体中で移動(泳動)することが知られている。この現象を電気泳動といい、近年、この電気泳動を利用して、所望の情報(画像)を表示させるようにした電気泳動表示装置が新たな表示装置として注目を集めている(例えば、特許文献1参照。)。
この電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態での表示メモリー性や広視野角性を有することや、低消費電力で高コントラストの表示が可能であること等の特徴を備えている。
また、電気泳動表示装置は、非発光型表示デバイスであることから、ブラウン管のような発光型の表示デバイスに比べて、目に優しいという特徴も有している。
特許文献1には、絶縁性を有する着色液体と帯電粒子とが充填されたマイクロカプセルが、一対の透明電極に挟持された構成の電気泳動表示装置が開示されている。
この電気泳動表示装置では、一対の透明電極間に、電圧を印加すると、帯電粒子が電極間に生じた電界の方向にしたがって、一方の電極に向かって着色液体中を移動する。これにより、観測者には、帯電粒子の色および/または着色液体の色が見えることとなる。
したがって、一方または双方の電極をパターニングし、それらに印加する電圧をコントロールすることにより、所望の情報を表示することができる。
ところで、従来の電気泳動表示装置では、一般に、所望の荷電状態の帯電粒子を選択して用いることが行われている。このため、帯電粒子の種類に応じて、着色液体の種類を選択せざるを得ず、その選択の幅が狭くなっていたのが現状である。
これは、粒子の帯電状態を制御することが困難であるためであり、現在、粒子の帯電状態を、所望のものに容易に制御する方法の開発が要望されている。
特開2002−202534号公報
本発明の目的は、粒子の帯電状態を容易に制御し得る帯電制御方法、この帯電制御方法により帯電状態が制御された信頼性の高い(表面電位の安定化が図られた)電気泳動粒子、信頼性の高い電気泳動表示装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の帯電制御方法は、粒子の表面に、主骨格と該主骨格に結合した置換基とを有する有機基を導入することにより、前記粒子の帯電状態を制御する帯電制御方法であって、
前記主骨格は、その前記粒子と反対側の端部に、環状構造としてベンゼン環を有し、該ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置に、それぞれ、前記置換基として電子供与性基が結合しており、
これにより、前記主骨格において電子を前記粒子側に偏在させることにより、前記粒子を正に帯電させることを特徴とする。
これにより、粒子をより確実に正に帯電させることができる。
本発明の帯電制御方法では、前記電子供与性基は、アミノ基、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
これらのものは、特に、電子を押しやる能力(電子供与力)が高いものである。
本発明の帯電制御方法では、前記アルキル基は、炭素数1〜30であるのが好ましい。
これにより、より確実に電子を主骨格に供与することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記アルコキシ基は、炭素数1〜30であるのが好ましい。
これにより、より確実に電子を主骨格に供与することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記主骨格の総炭素数は、6〜40であるのが好ましい。
これにより、より確実に電子密度の偏りを生じさせることができる。
本発明の帯電制御方法では、前記主骨格は、前記粒子側に、スペーサとして機能する部分を有するのが好ましい。
各有機基は、その特性(性質)を示す部分(帯電状態の制御に関与する部分)が粒子から適度に離れて位置するようになるので、各有機基の特性がより顕著に発揮されるようになる。
本発明の帯電制御方法では、前記スペーサとして機能する部分は、下記化1で表されるものであるのが好ましい。
Figure 0004612314
[ただし、式中R、Rは、それぞれ独立して、アミド結合、ウレタン結合、エステル結合、尿素結合または酸素原子を示し、aは0〜20の整数を示し、bは0または1を示し、cは0〜20の整数を示し、dは0または1を示す。]
これにより、各有機基をより容易かつ確実に、粒子の表面に導入することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記有機基は、前記粒子の表面に共有結合により導入されるのが好ましい。
これにより、有機基が粒子の表面から離脱するのをより確実に防止することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記有機基は、カップリング剤を用いて前記粒子の表面に導入されるのが好ましい。
かかる方法によれば、容易かつ確実に粒子の表面に有機基を共有結合により導入することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記カップリング剤は、シラン系カップリング剤であるのが好ましい。
シラン系カップリング剤を用いることにより、粒子の表面には、シロキサン結合(シロキサンネットワーク)が形成されるので、有機基を粒子の表面により強固に結合させることができる。
本発明の帯電制御方法では、前記有機基の前記粒子の表面への導入量は、0.1〜20wt%であるのが好ましい。
有機基の導入量をこのような範囲とすることにより、粒子の帯電状態をより確実に所望のものに制御(調整)することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記粒子は、主として、顔料、樹脂、セラミックス、金属、金属酸化物またはこれらを含む混合物のうちの少なくとも1種で構成されるものであるのが好ましい。
これらの材料を主材料とする粒子は、製造が容易であるとともに、帯電状態の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
本発明の帯電制御方法では、前記粒子の平均粒径は、0.1〜10μmであるのが好ましい。
これにより、粒子同士の間で凝集が生じるのを防止しつつ、粒子の帯電状態をより確実に制御することができる。
本発明の電気泳動粒子は、電界が作用することにより、液相分散媒中で電気泳動する電気泳動粒子であって、
本発明の帯電制御方法により、帯電状態が制御されたことを特徴とする。
これにより、容易に目的とする帯電状態の電気泳動粒子が得られる。また、有機基の導入により、不本意な物質が付着(吸着等)することを防止して、表面電位の安定化が図られた(信頼性の高い)ものとすることもできる。
本発明の電気泳動表示装置は、第1の基板と、
該第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、本発明の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液と、
前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電気泳動表示装置が得られる。
本発明の電気泳動表示装置は、第1の基板と、
該第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、本発明の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液を封入したマイクロカプセルと、
前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電気泳動表示装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の帯電制御方法、電気泳動粒子、電気泳動表示装置および電子機器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<帯電制御方法>
まず、本発明の帯電制御方法について説明する。
本発明の帯電制御方法は、粒子の表面に、主骨格とこの主骨格に結合した置換基とを有する有機基を導入することにより、粒子の帯電状態を制御するものである。
そして、本発明では、置換基の種類(電子吸引性基および/または電子供与性基)、前記主骨格に対する結合数および結合位置のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより、主骨格において電子を偏在(分極)させ、これにより、粒子の帯電状態を制御することに特徴を有する。
すなわち、例えば、主骨格の粒子と反対側の端部(以下、「主骨格の末端」と言う。)側に、置換基として電子吸引性基(電子吸引基)が結合した有機基では、電子が主骨格の粒子側より末端側に偏在するようになる。このような有機基が導入されると、粒子は負に帯電する。
一方、主骨格の粒子側に、置換基として電子吸引基が結合した有機基では、電子が主骨格の末端側より粒子側に偏在するようになる。このような有機基が導入されると、粒子は正に帯電する。
また、置換基として電子供与性基(電子供与基)が結合した有機基では、前述したのと反対の電子密度の偏りが生じるため、主骨格の末端側に電子供与性基が結合した有機基を導入が導入されると、粒子は正に帯電し、主骨格の粒子側に電子供与性基が結合した有機基が導入されると、粒子は負に帯電する。
そして、主骨格に結合する置換基の結合数が増えるにつれて、この電子密度の偏りは、増大する傾向を示す。
本発明では、このような電子密度の偏りが生じた有機基を、適宜選択して粒子の表面に導入することにより、粒子を所望の帯電状態に制御(調整)することができる。
ここで、粒子の帯電状態としては、例えば、荷電の正負、荷電量、荷電の分布等が挙げられるが、本発明によれば、特に、荷電の正負および荷電量の少なくとも一方の制御を容易に行うことができる。
主骨格においては、電子密度の偏りが生じ易い状態であるのが好ましい。したがって、主骨格は、π電子が非局在化した部分(構造)を有するものであるのが好ましい。これにより、主骨格において電子の移動が容易に生じるようになり、前述したような効果がより顕著に発揮される。
π電子が非局在化した部分は、その全てが共役二重結合が直線状に連続した構造であってもよいが、その少なくとも一部に環状をなす環状構造を有するものが好ましい。これにより、主骨格において、電子の移動がより容易かつ円滑に生じるようになる。
このような環状構造には、各種のものが存在するが、芳香族環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、アントラセン環、ピレン環、ペリレン環、ペンタセン環、テトラセン環、クリセン環、アズレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、フェナントレン環、キノリン環、インドール環、ピラジン環、アクリジン環、カルバゾール環、フラン環、ピラン環、ピリミジン環またはピリダジン環であるのが特に好ましい。これにより、環状構造における電子密度の偏り(分極)が生じ易くなり、その結果、主骨格における電子密度の偏りをより顕著なものとすることができる。
さらに、主骨格は、その末端に環状構造を有し、環状構造に置換基が結合しているものが好ましい。これにより、環状構造における電子密度の偏り(分極)が生じ易くなり、その結果、主骨格における電子密度の偏りをより顕著なものとすることができる。
ここで、主骨格がその末端にベンゼン環を有する場合を一例に説明する。
この場合、I:ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置(図1(a)では、2位〜6位の全ての位置)に、それぞれ、置換基として電子吸引性基Tが結合していると、図1(a)に示すように、電子吸引性基Tの存在により、主骨格において電子が末端側に引き寄せられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは負に帯電する。
II:ベンゼン環の3位、4位および5位のうちの少なくとも1つの位置(図1(b)では、3位および4位の位置)に、置換基として電子吸引性基Tが結合していると、図1(b)に示すように、電子吸引性基Tの存在により、主骨格(特に、ベンゼン環上)において電子が末端側に引き寄せられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは負に帯電する。
III:ベンゼン環の2位および6位のうちの少なくとも1つの位置(図1(c)では、2位および6位の位置)に、置換基として電子吸引性基Tが結合していると、図1(c)に示すように、電子吸引性基Tの存在により、主骨格(特に、ベンゼン環上)において電子が粒子P側に引き寄せられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは正に帯電する。
IV:ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置(図1(d)では、2位〜5位の4つの位置)に、それぞれ、置換基として電子供与性基Gが結合していると、図1(d)に示すように、電子供与性基Gの存在により、主骨格において電子が粒子P側に引き寄せられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは正に帯電する。
V:ベンゼン環の3位、4位および5位のうちの少なくとも1つの位置(図1(e)では、4位)に、置換基として電子供与性基Gが結合していると、図1(e)に示すように、電子供与性基Gの存在により、主骨格(特に、ベンゼン環上)において電子が粒子P側に押しやられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは正に帯電する。
VI:ベンゼン環の2位および6位のうちの少なくとも1つの位置(図1(f)では。2位)に、置換基として電子供与性基Gが結合していると、図1(f)に示すように、電子供与性基Gの存在により、主骨格(特に、ベンゼン環上)において電子が末端側に押しやられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは負に帯電する。
なお、前記、前記IIの構成と前記VIの構成と、前記IIIの構成と前記Vの構成とは、それぞれ、組み合わせるようにしてもよい。これにより、主骨格(特に、ベンゼン環上)における電子密度の偏りを更に顕著なものとすることができる。
また、主骨格は、前述した環状構造1つのみで構成されていてもよく、複数の環状構造が直鎖状に結合した構造であってもよい。後者の主骨格の具体例としては、例えば、下記化2〜化4等が挙げられる。
Figure 0004612314
Figure 0004612314
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ただし、前記化2〜化4において、式中nは、1以上の整数を示す。
なお、前記化2〜化4で表される主骨格において、置換基は、末端の環状構造に結合しているのが好ましいが、末端以外の他の環状構造に結合していてもよい。
電子吸引性基は、水素原子に比べて電子を強く引き寄せる(吸引する)傾向を示す置換基であればよく、特に限定されないが、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、ホルミル基、スルホ基等が挙げられる。これらの中でも、電子吸引性基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基およびトリフルオロメチル基からなる群より選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これらのものは、特に、電子を引き寄せる能力が高いものである。
一方、電子供与性基は、水素原子に比べて電子を強く押しやる(供与する)傾向を示す置換基であればよく、特に限定されないが、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、水酸基等が挙げられる。これらの中でも、電子供与性基としては、アミノ基、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種である。これらのものは、特に、電子を押しやる能力が高いものである。
アルキル基としては、炭素数1〜30であるのが好ましく、1〜18であるのがより好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1〜30であるのが好ましく、1〜18であるのがより好ましい。アルキル基およびアルコキシ基において、炭素数が多すぎると、いずれも、アルキル基自体およびアルコキシ基自体が凝集し易くなる傾向を示し、その結果、粒子の帯電状態を所望のものに調整するのが困難となるおそれがある。
また、主骨格の総炭素数は、6〜40であるのが好ましく、6〜35であるのがより好ましい。総炭素数が少なすぎると、電子が非局在化し難くなり、このため、電子の偏りを効率的に生じさせることができないおそれがあり、一方、総炭素数が多すぎると、有機基を粒子の表面に導入するのが困難となるおそれがある。
さらに、主骨格は、その粒子側に、スペーサとして機能する部分(構造)を有するものが好ましい。これにより、各有機基は、その特性(性質)を示す部分(帯電状態の制御に関与する部分)が粒子から適度に離れて位置するようになり、その結果、各有機基の特性がより顕著に発揮されるようになる。
このスペーサとして機能する部分には、種々の構造が考え得るが、例えば、飽和の炭素鎖、その一部に他の結合や炭素以外の原子を有するもの等が挙げられる。
ここで、他の結合としては、例えば、下記化5〜化27で表される結合、二重結合または三重結合のような不飽和結合等が挙げられるが、下記化5〜化27で表される結合が好ましい。
Figure 0004612314
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化5〜化27で表される結合を介することにより、粒子の表面に各有機基をより容易かつ確実に導入することができる。
また、化5〜化27で表される結合部分では、電子密度の偏りが生じるため、有機基がこれらの結合を有することにより、隣接する有機基同士の間では、電子密度の偏りによる引力および斥力が作用する。これにより、各有機基は、粒子の表面においてより安定な位置に配列するようになる。具体的には、各有機基は、粒子の表面の法線方向に沿って正確に配列するようになる。その結果、各有機基の特性を示す部分がより確実に粒子から離れて位置するようになり、各有機基の特性がより顕著に発揮されるようになる。
これらの中でも、特に、アミド結合(化5)、ウレタン結合(化6)、エステル結合(化7)または尿素結合(化8)が好適である。これらの結合を選択することにより、前記効果がより顕著に発揮される。
一方、炭素以外の原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。酸素原子や硫黄原子を介することにより、粒子の表面に各有機基をより容易かつ確実に導入することができる。
これらの中でも、特に、酸素原子が好適である。酸素原子を選択することにより、前記効果がより顕著に発揮される。
なお、前述したように、主骨格の総炭素数にも、好適な範囲が存在するため、これらを考慮した場合、スペーサとして機能する部分は、特に、下記化28で表されるものが好ましい。
Figure 0004612314
[ただし、式中R、Rは、それぞれ独立して、アミド結合、ウレタン結合、エステル結合、尿素結合または酸素原子を示し、aは0〜20の整数を示し、bは0または1を示し、cは0〜20の整数を示し、dは0または1を示す。]
なお、aの値が大きくなり過ぎると、粒子から離れた位置でアミド結合、ウレタン結合、エステル結合、尿素結合が偏った集合を形成し易くなり、各有機基の特性が十分に発揮されなくなるおそれがある。このため、前記化28において、aは、2〜4(特に、3または4)であるのが好ましい。
また、cが大き過ぎると、有機基の粒子表面での分布が不均一となるおそれがあり、一方、cが小さ過ぎると、例えば、ベンゼン環の2位または6位に置換基が導入されている場合等には、有機基の粒子への導入効率が極端に低下するおそれがある。したがって、cの値は、主骨格に導入する置換基の種類や位置等に応じて、0〜20の範囲で調整するのが好ましい。
以上のような有機基は、粒子の表面に、共有結合により導入されているのが好ましい。これにより、有機基が粒子の表面から離脱するのをより確実に防止することができる。このため、粒子の帯電状態を、長期に亘って維持することができる。
有機基を粒子の表面へ共有結合により導入する方法(導入方法)としては、カップリング剤を用いる方法が好適である。カップリング剤を用いる方法としては、例えば、粒子の表面に存在する水酸基と、目的とする有機基を有するカップリング剤とを反応させる方法、粒子の表面に存在する水酸基と、目的とする有機基の一部を有するカップリング剤とを反応させた後、導入された有機基の一部と有機基の残部とを反応させて、目的とする有機基を完成する方法等が挙げられる。このようなカップリング剤を用いる方法によれば、容易かつ確実に粒子の表面に有機基を共有結合により導入することができる。
なお、粒子の表面に存在する水酸基は、粒子が本来有するものであってもよく、親水化処理等により導入されたものであってもよい。この親水化処理の方法としては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、溶媒による表面処理、界面活性剤による表面処理等が挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、カルボン酸末端を有する化合物、リン酸末端を有する化合物等のいずれもが使用可能であるが、特に、シラン系カップリング剤が好適である。
シラン系カップリング剤を用いることにより、粒子の表面には、シロキサン結合(シロキサンネットワーク)が形成されるので、有機基を粒子の表面により強固に結合させることができる。また、シラン系カップリング剤は、入手や合成が容易であり、取り扱いやすいという利点も有する。
なお、粒子の表面に有機基を導入する方法は、これに限定されるものではなく、例えば、粒子の表面に、水酸基に代わり、他の反応性官能基が存在すれば、この反応性官能基と、前述したような有機基を有する化合物とを反応させることにより、粒子の表面に有機基を導入することもできる。
また、有機基の粒子の表面への導入量は、粒子の重量と有機基の重量との合計重量に対する比率(wt%)で表すと、0.1〜20wt%程度であるのが好ましく、0.1〜10wt%程度であるのがより好ましく、0.1〜5wt%程度であるのがさらに好ましい。有機基の導入量を前記範囲とすることにより、粒子の帯電状態をより確実に所望のものに制御(調整)することができる。
さて、粒子の構成材料としては、種々のものを用いることができ、特に限定はされないが、顔料、樹脂、セラミックス、金属、金属酸化物またはこれらを含む混合物のうちの少なくとも1種を主とするものが好適に使用される。これらの材料を主材料とする粒子は、製造が容易であるとともに、帯電状態の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。また、粒子には、前記材料のうちの任意の2種以上を用いて構成した複合粒子を用いることもできる。
顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、亜鉛華、二酸化珪素等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記材料の複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの等が挙げられる。
粒子の平均粒径は、0.1〜10μm程度であるのが好ましく、0.1〜7.5μm程度であるのがより好ましい。粒子の平均粒径が小さ過ぎると、粒子同士の間で凝集が生じやすくなり、有機基の導入が困難となるおそれがあり、一方、粒子の平均粒径が大き過ぎると、その種類等によっては、帯電状態を制御するのが困難となるおそれがある。
換言すれば、前記範囲の平均粒径の粒子に対して、本発明は、好適に適用され、前述したような効果が顕著に発揮される。
以上のようにして、目的とする有機基が導入され、帯電状態が制御された粒子(表面修飾粒子)が得られる。すなわち、表面修飾粒子が製造される。
また、有機基は、異なる任意の2種類以上を組み合わせて、粒子の表面に導入するようにしてもよい。例えば、異なる極性を示す有機基を導入してもよいし、同じ極性を示す有機基を挿入するようにしてもよい。これにより、粒子の帯電状態の制御をより精度よく行うことができる。
<電気泳動表示装置>
次に、本発明の電気泳動表示装置について説明する。
本発明の電気泳動表示装置は、本発明の帯電制御方法により、帯電状態が制御された電気泳動粒子(表面修飾粒子)を用いて構成される。
<<第1実施形態>>
まず、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態について説明する。
図2は、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態を示す縦断面図、図3は、図2に示す電気泳動表示装置の作動原理を示す模式図である。
なお、以下では、説明の都合上、図2および図3(以下の各図においても同様である。)中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」として説明する。
図2に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3を備える第1の基板1と、第1の電極3に対向する第2の電極4を備える第2の基板2と、これらの第1の基板1と第2の基板2との間に設けられた電気泳動分散液10とを有している。以下、各部の構成について順次説明する。
第1の基板1および第2の基板2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配される各部材を支持および保護する機能を有する。
各基板1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基板1、2を用いることにより、可撓性を有する電気泳動表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な電気泳動表示装置20を得ることができる。
また、各基板1、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
このような基板1、2の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20〜500μm程度であるのが好ましく、25〜250μm程度であるのがより好ましい。これにより、電気泳動表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、電気泳動表示装置20の小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
これらの基板1、2の後述する電気泳動分散液10側の面、すなわち、第1の基板1の下面および第2の基板2の上面には、それぞれ、層状(膜状)をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。
第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が電気泳動粒子5に作用する。
本実施形態では、第1の電極3が共通電極とされ、第2の電極4がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(画素電極)とされており、第1の電極3と1つの第2の電極4とが重なる部分が1画素を構成する。なお、第1の電極3も、第2の電極4と同様に複数に分割するようにしてもよい。
各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、金、銀、モリブデン、タンタルまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、酢酸ビニル等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、HO、LiCl、LiBr、LiI、LiNO、LiSCN、LiCFSO、NaBr、NaI、NaSCN、NaClO、NaCFSO、KI、KSCN、KClO、KCFSO、NHI、NHSCN、NHClO、NHCFSO、MgCl、MgBr、MgI、Mg(NO、MgSCN、Mg(CFSO、CaBr、CaI、CaSCN、Ca(ClO、Ca(CFSO、ZnCl、ZnI、ZnSCN、Zn(ClO、Zn(CFSO、CuCl、CuI、CuSCN、Cu(ClO、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SnO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他、各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス材料、ゴム材料、高分子材料等の導電性を有さない材料中に、金、銀、ニッケル、カーボン等の導電性材料(導電性粒子)を混合して、導電性を付加したような各種複合材料も使用することができる。
このような複合材料の具体例としては、例えば、ゴム材料中に導電性材料を混合した導電性ゴム、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等の接着剤組成物中に導電性材料を混合した導電性接着剤または導電性ペースト、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等のマトリックス樹脂中に導電性材料を混合した導電性樹脂等が挙げられる。
このような電極3、4の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.05〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
なお、各基板1、2および各電極3、4のうち、表示面側に配置される基板および電極(本実施形態では、第1の基板1および第1の電極3)は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、好ましくは実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、後述する電気泳動分散液10中における電気泳動粒子5の状態、すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報(画像)を目視により容易に認識することができる。
なお、各電極3、4は、前述したような材料の単体からなる単層構造のものの他、例えば、複数の材料を順次積層したような多層積層構造のものであってもよい。すなわち、各電極3、4は、それぞれ、例えば、ITOで構成される単層構造であってもよく、ITO層とポリアニリン層との2層積層構造とすることもできる。
また、電気泳動表示装置20の側部近傍であって、第1の基板1と第2の基板2との間には、第1の電極3と第2の電極4との間隔を規定する機能を有するスペーサ7が設けられている。
本実施形態では、このスペーサ7は、電気泳動表示装置20の外周を囲むようにして設けられており、第1の基板1と第2の基板2との間に密閉空間71を画成するシール部材としての機能も有している。
スペーサ7の構成材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなスペーサ7の厚さ(平均)、すなわち、基板1、2間の距離(基板間距離)は、特に限定されないが、10〜500μm程度であるのが好ましく、20〜100μm程度であるのがより好ましい。
なお、スペーサ7は、電気泳動表示装置20の外周を囲むようにして設けられる構成に限定されず、例えば、複数のスペーサ7を所定間隔おいて、電気泳動表示装置20の側部近傍に配設するようにしてもよい。この場合、スペーサ7同士の間隙は、他の封止材(シール材)により封止するようにすればよい。
密閉空間71(セルの内部空間)内には、電気泳動分散液10が収納(充填)されている。これにより、電気泳動分散液10は、第1の電極3および第2の電極4に直接接触している。
この電気泳動分散液10は、少なくとも1種の電気泳動粒子5を液相分散媒6に分散(懸濁)させてなるものである。
電気泳動粒子5の液相分散媒6への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、攪拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
液相分散媒6としては、比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる液相分散媒6としては、例えば、各種水(蒸留水、純水、イオン交換水、RO水等)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
なお、本発明によれば、電気泳動粒子5の帯電状態を所望のものに制御(調整)することができるため、用いる液相分散媒6の選択の幅が広がる。
また、液相分散媒6(電気泳動分散液10)中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
さらに、液相分散媒6には、必要に応じて、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料、トリフェニルメタン系染料、ピラゾロン系染料、スチルベン系染料、ジフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アリザリン系染料、アクリジン系染料、キノンイミン系染料、チアゾール系染料、メチン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
このような電気泳動表示装置20では、第1の電極3および第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に生じる電界にしたがって、電気泳動粒子5は、いずれかの電極に向かって電気泳動する。
例えば、電気泳動粒子5として正に帯電したものを用いた場合、第2の電極4を正電位とすると、図3(A)に示すように、電気泳動粒子5は、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、電気泳動粒子5の色が見えることになる。
これとは逆に、第2の電極4を負電位とすると、図3(B)に示すように、電気泳動粒子5は、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、液相分散媒6の色が見えることになる。
したがって、電気泳動粒子5の物性(例えば色、正負、帯電量(電荷量)等)や、電極3または4の極性、電極3、4間の電位差等を適宜設定することにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、電気泳動粒子5の色および液相分散媒6の色の組み合わせにより、所望の情報(画像)が表示される。
特に、本発明では、有機基の導入により、電気泳動粒子5の表面に、不必要な(不本意な)物質が非特異的に付着(吸着)するのが好適に防止される。このため、電気泳動粒子5の表面電位は安定化したものとなる。これにより、電気泳動粒子5の液相分散媒6中での電気泳動の特性を安定化することができる。その結果、電気泳動表示装置20の特性(表示特性)をより向上させることができる。
また、電気泳動粒子5の比重は、液相分散媒6の比重とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子5は、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散液6中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報が長時間保持されることとなる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の電気泳動表示装置20では、第1の電極3(第1の基板1)と第2の電極4(第2の基板2)との間に、電気泳動分散液10を封入したマイクロカプセル40が複数配設されていること以外は、前記第1実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
このマイクロカプセル40の構成材料としては、特に限定はされないが、例えば、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、マイクロカプセル40の作製手法(マイクロカプセル40への電気泳動分散液10の封入方法)としては、特に限定されないが、例えば、界面重合法、in−situ重合法、相分離法(または、コアセルベーション法)、界面沈殿法、スプレードライング法等の各種マイクロカプセル化手法を用いることができる。なお、前記のマイクロカプセル化手法は、マイクロカプセル40の構成材料等に応じて、適宜選択するようにすればよい。
このようなマイクロカプセル40は、その大きさがほぼ均一であることが好ましい。これにより、電気泳動表示装置20は、より優れた表示性能を発揮することができる。なお、均一な大きさのマイクロカプセル40は、例えば、濾過法、比重差分級法等を用いることにより得ることができる。
マイクロカプセル40の大きさ(平均粒径)は、特に限定されないが、通常、10〜150μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。
このような第2実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<<第3実施形態>>
次に、本発明の電気泳動表示装置の第3実施形態について説明する。
図5は、本発明の電気泳動表示装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、第3実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1および第2実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の電気泳動表示装置20では、第1の電極3と第2の電極4との間隙であって、マイクロカプセル40の外周部にバインダ材41が供給されていること以外は、前記第2実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
このバインダ材41は、例えば、マイクロカプセル40を固定する目的や、電極3、4間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、電気泳動表示装置20の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
このバインダ材41には、各電極3、4およびマイクロカプセル40との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
このような樹脂材料としては、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、ABS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリレート、グラフト化ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の高分子、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロピレン、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等の珪素樹脂、その他として、メタクリル酸−スチレン共重合体、ポリブチレン、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、バインダ材41は、その誘電率が前記液相分散媒6の誘電率とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。このため、バインダ材41中には、例えば、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールのようなアルコール類、ケトン類、カルボン酸塩等の誘電率調節剤を添加するのが好ましい。
このような第3実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1および第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<<第4実施形態>>
次に、本発明の電気泳動表示装置の第4実施形態について説明する。
図6は、本発明の電気泳動表示装置の第4実施形態を示す縦断面図(作動状態を示す)である。
以下、第4実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1〜第3実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の電気泳動表示装置20では、液相分散媒6に特性の異なる複数種の電気泳動粒子、具体的には、色(色相)および電荷の異なる2種の電気泳動粒子5a、5bが分散されていること以外は、前記第2実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
なお、本実施形態では、電気泳動粒子5aとして、正に帯電しかつ白色のものを用い、電気泳動粒子5bとして、負に帯電しかつ黒色(有色)のものを用いる場合を一例として説明する。
このような電気泳動表示装置20では、第2の電極4を正電位とすると、電気泳動粒子5aは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まり、一方、電気泳動粒子5bは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まる。
これとは逆に、第2の電極4を負電位とすると、電気泳動粒子5aは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まり、一方、電気泳動粒子5bは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。
したがって、図6に示すように、第2の電極4の極性の組み合わせにより、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、左側のマイクロカプセル40では、電気泳動粒子5aの色(白色)が、中央のマイクロカプセル40では、電気泳動粒子5aの色と電気泳動粒子5bの色とが混ざった色(灰色)が、右側のマイクロカプセル40では、電気泳動粒子5bの色(黒色)が、それぞれ見えることになる。
このような構成により、電気泳動表示装置20では、より多階調の画像を表示することができるようになる。
なお、図示の構成では、電気泳動粒子5aと電気泳動粒子5bとがほぼ同数で、液相分散媒6に分散されているが、これらの数は、目的に応じて設定するようにすればよい。
また、電気泳動粒子5aの平均粒径と電気泳動粒子5bの平均粒径とは、同一であっても、異なっていてもよい。
また、1つのマイクロカプセル40に、同一種類の電気泳動粒子を用い、マイクロカプセル40毎に、電気泳動粒子の種類を異ならせる構成とすることもできる。
このような第4実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1〜第3実施形態と同様の効果が得られる。
<電子機器>
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図7は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図7に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図8は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図8中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図8に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図7に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図8中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図8(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図8中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、本発明の電気泳動表示装置20を適用することが可能である。
以上、本発明の帯電制御方法、電気泳動粒子、電気泳動表示装置および電子機器を、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものでない。
また、本発明の電気泳動表示装置は、各前記実施形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、各前記実施形態では、一対の電極が対向して設けられた構成のものについて示したが、本発明の電気泳動表示装置は、一対の電極を同一基板上に設ける構成のものに適用することもできる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
以下において、有機基の導入量(%)と記載する場合は、酸化チタン粒子の重量と有機基の重量との合計重量に対する比率(百分率:wt%)を示す。
なお、この有機基の導入量は、熱重量測定法(Thermogravimetry法:TG法)により測定した。
また、ゼータ電位の測定は、電気泳動法を用いて、ドデシルベンゼン中で行った。
(実施例1)
<1> まず、平均粒径250nmの酸化チタン粒子(石原産業製、「CR−97」):2.0gと、下記化29で表されるカルボン酸:2.8mmolとを、トルエン:50mLに混合し、5分間攪拌した後、超音波を30分間照射した。
Figure 0004612314
次に、前記混合液を、90℃に維持した状態で2時間攪拌した。これにより、酸化チタン粒子の表面に、前記カルボン酸を吸着させ、トルエンに分散させた。
<2> 次に、この分散液に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(シラン系カップリング剤):0.5gを混合し、110℃で3時間加熱還流した。その後、トルエンを留去して粉末を得た。
<3> 次に、得られた粉末に、アミド結合を形成させるための縮合剤として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC):0.53gと、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP):0.068gと、無水塩化メチレン30mLとを混合して、室温で2日間放置した。これにより、アミノ基とカルボン酸とを縮合させた。
<4> 次に、濾別により粉末を回収し、クロロホルムおよび水で洗浄し、150℃×30分加熱して、シロキサンネットワークを完成させた。これにより、目的とする有機基が導入された酸化チタン粒子(以下、「表面修飾粒子」と言う。)を得た。
なお、IR測定により1643cm−1付近に、アミド結合のC=O伸縮振動のピークを確認することにより、アミド結合の生成を確認した。
また、有機基の導入量は、0.8%であり、表面修飾粒子のゼータ電位は、+50.7mVであった。
(実施例2〜実施例7)
前記工程<1>において、前記化29で表されるカルボン酸に代わり、下記化30〜化35で表されるカルボン酸を用いた以外は、それぞれ、前記実施例1と同様にして表面修飾粒子を得た。
Figure 0004612314
Figure 0004612314
Figure 0004612314
Figure 0004612314
Figure 0004612314
Figure 0004612314
各実施例で得られた表面修飾粒子について、それぞれ、有機基の導入量およびゼータ電位を、以下の表1に示す。
Figure 0004612314
各実施例で得られた表面修飾粒子のゼータ電位は、いずれも、酸化チタン粉末のゼータ電位と明らかに異なっていた。この結果は、所望の有機基を酸化チタン粒子の表面に導入することにより、帯電状態の制御を行い得ることを示唆するものである。
なお、各実施例で得られた表面修飾粒子のゼータ電位は、いずれも、複数回の測定において、ドデシルベンゼン中でほぼ一定(安定)していたのに対し、酸化チタン粉末のゼータ電位は、不安定であった。これは、ドデシルベンゼン中の不純物が、表面修飾粒子の表面には付着し難いのに対し、酸化チタン粉末の表面には非特異的に付着することが大きな要因であると推察される。
また、置換基の種類、結合数、結合位置を適宜設定することにより、異なる帯電状態の表面修飾粒子を得られることも明らかとなった。
例えば、前記化29で表されるカルボン酸に代わり、下記化36〜化38で表されるカルボン酸を用いて、それぞれ、前記実施例1と同様にして表面修飾粒子を製造したところ、これらのものは、いずれも、電気泳動の挙動から正に帯電していることが判った。
Figure 0004612314
Figure 0004612314
Figure 0004612314
また、前記化29で表されるカルボン酸に代わり、下記化39〜化41で表されるカルボン酸を用いて、それぞれ、前記実施例1と同様にして表面修飾粒子を製造したところ、これらのものは、いずれも、電気泳動の挙動から負に帯電していることが判った。
Figure 0004612314
Figure 0004612314
Figure 0004612314
なお、ベンゼン環に代わり、ナフタレン環、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、アントラセン環、ピレン環、ペリレン環、ペンタセン環、テトラセン環、クリセン環、アズレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、フェナントレン環、キノリン環、インドール環、ピラジン環、アクリジン環、カルバゾール環、フラン環、ピラン環、ピリミジン環、ピリダジン環に、各種の電子吸引性基や各種の電子供与性基が置換した有機基を、前記実施例と同様にして、酸化チタン粒子の表面に導入した結果、前記実施例と同様に、置換基の種類、結合数、結合位置を適宜設定することにより、異なる帯電状態の表面修飾粒子が得られた。
次に、各実施例で得られた表面修飾粒子を電気泳動粒子として、アントラキノンブルーを溶解したドデシルベンゼンに、10wt%となるように分散させ、電気泳動分散液を調製した。
この電気泳動分散液を用いて、図2に示すような電気泳動表示装置を製造した。なお、各部の仕様は、以下の通りである。
・第1の基板、第2の基板
サイズ :縦50mm×横50mm×厚さ100μm
構成材料:ポリエチレン
・第1の電極、第2の電極(なお、第2の電極の分割は行わず)
サイズ :縦40mm×横40mm×厚さ4μm
構成材料:ITO
・スペーサ
サイズ :幅5mm×高さ50μm
構成材料:エポキシ樹脂
そして、得られた各電気泳動表示装置に、それぞれ、第1の電極側に電気泳動粒子を集めるように、所定の電圧を印加した結果、電気泳動表示装置を上方から見ると、全体がムラなく白色(表面修飾粒子の色)となった。
すなわち、各実施例の表面修飾粒子は、電気泳動粒子として使用可能であることが確認された。
粒子の帯電状態を説明するための模式図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態を示す縦断面図である。 図2に示す電気泳動表示装置の作動原理を示す模式図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。 本発明の電気泳動表示装置の第3実施形態を示す縦断面図である。 本発明の電気泳動表示装置の第4実施形態を示す縦断面図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
符号の説明
1‥‥第1の基板 2‥‥第2の基板 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 5、5a、5b‥‥電気泳動粒子 6‥‥液相分散媒 7‥‥スペーサ 71‥‥密閉空間 10‥‥電気泳動分散液 20‥‥電気泳動表示装置 40‥‥マイクロカプセル 41‥‥バインダ材 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部 T‥‥電子吸引性基 G‥‥電子供与性基 P‥‥粒子

Claims (17)

  1. 粒子の表面に、主骨格と該主骨格に結合した置換基とを有する有機基を導入することにより、前記粒子の帯電状態を制御する帯電制御方法であって、
    前記主骨格は、その前記粒子と反対側の端部に、環状構造としてベンゼン環を有し、該ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置に、それぞれ、前記置換基として電子供与性基が結合しており、
    これにより、前記主骨格において電子を前記粒子側に偏在させることにより、前記粒子を正に帯電させることを特徴とする帯電制御方法。
  2. 前記電子供与性基は、アミノ基、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項に記載の帯電制御方法。
  3. 前記アルキル基は、炭素数1〜30である請求項に記載の帯電制御方法。
  4. 前記アルコキシ基は、炭素数1〜30である請求項に記載の帯電制御方法。
  5. 前記主骨格の総炭素数は、6〜40である請求項1ないしのいずれかに記載の帯電制御方法。
  6. 前記主骨格は、前記粒子側に、スペーサとして機能する部分を有する請求項1ないしのいずれかに記載の帯電制御方法。
  7. 前記スペーサとして機能する部分は、下記化1で表されるものである請求項に記載の帯電制御方法。
    Figure 0004612314
    [ただし、式中R、Rは、それぞれ独立して、アミド結合、ウレタン結合、エステル結合、尿素結合または酸素原子を示し、aは0〜20の整数を示し、bは0または1を示し、cは0〜20の整数を示し、dは0または1を示す。]
  8. 前記有機基は、前記粒子の表面に共有結合により導入される請求項1ないしのいずれかに記載の帯電制御方法。
  9. 前記有機基は、カップリング剤を用いて前記粒子の表面に導入される請求項1ないしのいずれかに記載の帯電制御方法。
  10. 前記カップリング剤は、シラン系カップリング剤である請求項に記載の帯電制御方法。
  11. 前記有機基の前記粒子の表面への導入量は、0.1〜20wt%である請求項1ないし10のいずれかに記載の帯電制御方法。
  12. 前記粒子は、主として、顔料、樹脂、セラミックス、金属、金属酸化物またはこれらを含む混合物のうちの少なくとも1種で構成されるものである請求項1ないし11のいずれかに記載の帯電制御方法。
  13. 前記粒子の平均粒径は、0.1〜10μmである請求項1ないし12のいずれかに記載の帯電制御方法。
  14. 電界が作用することにより、液相分散媒中で電気泳動する電気泳動粒子であって、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の帯電制御方法により、帯電状態が制御されたことを特徴とする電気泳動粒子。
  15. 第1の基板と、
    該第1の基板に対向する第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、請求項14に記載の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液と、
    前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする電気泳動表示装置。
  16. 第1の基板と、
    該第1の基板に対向する第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、請求項14に記載の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液を封入したマイクロカプセルと、
    前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする電気泳動表示装置。
  17. 請求項15または16に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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