JP4612314B2 - 帯電制御方法、電気泳動粒子、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents
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Description
この電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態での表示メモリー性や広視野角性を有することや、低消費電力で高コントラストの表示が可能であること等の特徴を備えている。
また、電気泳動表示装置は、非発光型表示デバイスであることから、ブラウン管のような発光型の表示デバイスに比べて、目に優しいという特徴も有している。
この電気泳動表示装置では、一対の透明電極間に、電圧を印加すると、帯電粒子が電極間に生じた電界の方向にしたがって、一方の電極に向かって着色液体中を移動する。これにより、観測者には、帯電粒子の色および/または着色液体の色が見えることとなる。
したがって、一方または双方の電極をパターニングし、それらに印加する電圧をコントロールすることにより、所望の情報を表示することができる。
これは、粒子の帯電状態を制御することが困難であるためであり、現在、粒子の帯電状態を、所望のものに容易に制御する方法の開発が要望されている。
本発明の帯電制御方法は、粒子の表面に、主骨格と該主骨格に結合した置換基とを有する有機基を導入することにより、前記粒子の帯電状態を制御する帯電制御方法であって、
前記主骨格は、その前記粒子と反対側の端部に、環状構造としてベンゼン環を有し、該ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置に、それぞれ、前記置換基として電子供与性基が結合しており、
これにより、前記主骨格において電子を前記粒子側に偏在させることにより、前記粒子を正に帯電させることを特徴とする。
これにより、粒子をより確実に正に帯電させることができる。
これらのものは、特に、電子を押しやる能力(電子供与力)が高いものである。
これにより、より確実に電子を主骨格に供与することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記アルコキシ基は、炭素数1〜30であるのが好ましい。
これにより、より確実に電子を主骨格に供与することができる。
これにより、より確実に電子密度の偏りを生じさせることができる。
本発明の帯電制御方法では、前記主骨格は、前記粒子側に、スペーサとして機能する部分を有するのが好ましい。
各有機基は、その特性(性質)を示す部分(帯電状態の制御に関与する部分)が粒子から適度に離れて位置するようになるので、各有機基の特性がより顕著に発揮されるようになる。
これにより、各有機基をより容易かつ確実に、粒子の表面に導入することができる。
これにより、有機基が粒子の表面から離脱するのをより確実に防止することができる。
本発明の帯電制御方法では、前記有機基は、カップリング剤を用いて前記粒子の表面に導入されるのが好ましい。
かかる方法によれば、容易かつ確実に粒子の表面に有機基を共有結合により導入することができる。
シラン系カップリング剤を用いることにより、粒子の表面には、シロキサン結合(シロキサンネットワーク)が形成されるので、有機基を粒子の表面により強固に結合させることができる。
本発明の帯電制御方法では、前記有機基の前記粒子の表面への導入量は、0.1〜20wt%であるのが好ましい。
有機基の導入量をこのような範囲とすることにより、粒子の帯電状態をより確実に所望のものに制御(調整)することができる。
これらの材料を主材料とする粒子は、製造が容易であるとともに、帯電状態の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
本発明の帯電制御方法では、前記粒子の平均粒径は、0.1〜10μmであるのが好ましい。
これにより、粒子同士の間で凝集が生じるのを防止しつつ、粒子の帯電状態をより確実に制御することができる。
本発明の帯電制御方法により、帯電状態が制御されたことを特徴とする。
これにより、容易に目的とする帯電状態の電気泳動粒子が得られる。また、有機基の導入により、不本意な物質が付着(吸着等)することを防止して、表面電位の安定化が図られた(信頼性の高い)ものとすることもできる。
該第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、本発明の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液と、
前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電気泳動表示装置が得られる。
該第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、本発明の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液を封入したマイクロカプセルと、
前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電気泳動表示装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
<帯電制御方法>
まず、本発明の帯電制御方法について説明する。
本発明の帯電制御方法は、粒子の表面に、主骨格とこの主骨格に結合した置換基とを有する有機基を導入することにより、粒子の帯電状態を制御するものである。
そして、本発明では、置換基の種類(電子吸引性基および/または電子供与性基)、前記主骨格に対する結合数および結合位置のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより、主骨格において電子を偏在(分極)させ、これにより、粒子の帯電状態を制御することに特徴を有する。
一方、主骨格の粒子側に、置換基として電子吸引基が結合した有機基では、電子が主骨格の末端側より粒子側に偏在するようになる。このような有機基が導入されると、粒子は正に帯電する。
そして、主骨格に結合する置換基の結合数が増えるにつれて、この電子密度の偏りは、増大する傾向を示す。
ここで、粒子の帯電状態としては、例えば、荷電の正負、荷電量、荷電の分布等が挙げられるが、本発明によれば、特に、荷電の正負および荷電量の少なくとも一方の制御を容易に行うことができる。
π電子が非局在化した部分は、その全てが共役二重結合が直線状に連続した構造であってもよいが、その少なくとも一部に環状をなす環状構造を有するものが好ましい。これにより、主骨格において、電子の移動がより容易かつ円滑に生じるようになる。
さらに、主骨格は、その末端に環状構造を有し、環状構造に置換基が結合しているものが好ましい。これにより、環状構造における電子密度の偏り(分極)が生じ易くなり、その結果、主骨格における電子密度の偏りをより顕著なものとすることができる。
この場合、I:ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置(図1(a)では、2位〜6位の全ての位置)に、それぞれ、置換基として電子吸引性基Tが結合していると、図1(a)に示すように、電子吸引性基Tの存在により、主骨格において電子が末端側に引き寄せられ、偏在するようになる。このため、粒子Pは負に帯電する。
なお、前記、前記IIの構成と前記VIの構成と、前記IIIの構成と前記Vの構成とは、それぞれ、組み合わせるようにしてもよい。これにより、主骨格(特に、ベンゼン環上)における電子密度の偏りを更に顕著なものとすることができる。
なお、前記化2〜化4で表される主骨格において、置換基は、末端の環状構造に結合しているのが好ましいが、末端以外の他の環状構造に結合していてもよい。
さらに、主骨格は、その粒子側に、スペーサとして機能する部分(構造)を有するものが好ましい。これにより、各有機基は、その特性(性質)を示す部分(帯電状態の制御に関与する部分)が粒子から適度に離れて位置するようになり、その結果、各有機基の特性がより顕著に発揮されるようになる。
ここで、他の結合としては、例えば、下記化5〜化27で表される結合、二重結合または三重結合のような不飽和結合等が挙げられるが、下記化5〜化27で表される結合が好ましい。
また、化5〜化27で表される結合部分では、電子密度の偏りが生じるため、有機基がこれらの結合を有することにより、隣接する有機基同士の間では、電子密度の偏りによる引力および斥力が作用する。これにより、各有機基は、粒子の表面においてより安定な位置に配列するようになる。具体的には、各有機基は、粒子の表面の法線方向に沿って正確に配列するようになる。その結果、各有機基の特性を示す部分がより確実に粒子から離れて位置するようになり、各有機基の特性がより顕著に発揮されるようになる。
一方、炭素以外の原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。酸素原子や硫黄原子を介することにより、粒子の表面に各有機基をより容易かつ確実に導入することができる。
なお、前述したように、主骨格の総炭素数にも、好適な範囲が存在するため、これらを考慮した場合、スペーサとして機能する部分は、特に、下記化28で表されるものが好ましい。
有機基を粒子の表面へ共有結合により導入する方法(導入方法)としては、カップリング剤を用いる方法が好適である。カップリング剤を用いる方法としては、例えば、粒子の表面に存在する水酸基と、目的とする有機基を有するカップリング剤とを反応させる方法、粒子の表面に存在する水酸基と、目的とする有機基の一部を有するカップリング剤とを反応させた後、導入された有機基の一部と有機基の残部とを反応させて、目的とする有機基を完成する方法等が挙げられる。このようなカップリング剤を用いる方法によれば、容易かつ確実に粒子の表面に有機基を共有結合により導入することができる。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、カルボン酸末端を有する化合物、リン酸末端を有する化合物等のいずれもが使用可能であるが、特に、シラン系カップリング剤が好適である。
なお、粒子の表面に有機基を導入する方法は、これに限定されるものではなく、例えば、粒子の表面に、水酸基に代わり、他の反応性官能基が存在すれば、この反応性官能基と、前述したような有機基を有する化合物とを反応させることにより、粒子の表面に有機基を導入することもできる。
また、前記材料の複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの等が挙げられる。
換言すれば、前記範囲の平均粒径の粒子に対して、本発明は、好適に適用され、前述したような効果が顕著に発揮される。
また、有機基は、異なる任意の2種類以上を組み合わせて、粒子の表面に導入するようにしてもよい。例えば、異なる極性を示す有機基を導入してもよいし、同じ極性を示す有機基を挿入するようにしてもよい。これにより、粒子の帯電状態の制御をより精度よく行うことができる。
次に、本発明の電気泳動表示装置について説明する。
本発明の電気泳動表示装置は、本発明の帯電制御方法により、帯電状態が制御された電気泳動粒子(表面修飾粒子)を用いて構成される。
<<第1実施形態>>
まず、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態について説明する。
図2は、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態を示す縦断面図、図3は、図2に示す電気泳動表示装置の作動原理を示す模式図である。
図2に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3を備える第1の基板1と、第1の電極3に対向する第2の電極4を備える第2の基板2と、これらの第1の基板1と第2の基板2との間に設けられた電気泳動分散液10とを有している。以下、各部の構成について順次説明する。
各基板1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基板1、2を用いることにより、可撓性を有する電気泳動表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な電気泳動表示装置20を得ることができる。
これらの基板1、2の後述する電気泳動分散液10側の面、すなわち、第1の基板1の下面および第2の基板2の上面には、それぞれ、層状(膜状)をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。
本実施形態では、第1の電極3が共通電極とされ、第2の電極4がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(画素電極)とされており、第1の電極3と1つの第2の電極4とが重なる部分が1画素を構成する。なお、第1の電極3も、第2の電極4と同様に複数に分割するようにしてもよい。
その他、各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス材料、ゴム材料、高分子材料等の導電性を有さない材料中に、金、銀、ニッケル、カーボン等の導電性材料(導電性粒子)を混合して、導電性を付加したような各種複合材料も使用することができる。
なお、各基板1、2および各電極3、4のうち、表示面側に配置される基板および電極(本実施形態では、第1の基板1および第1の電極3)は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、好ましくは実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、後述する電気泳動分散液10中における電気泳動粒子5の状態、すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報(画像)を目視により容易に認識することができる。
また、電気泳動表示装置20の側部近傍であって、第1の基板1と第2の基板2との間には、第1の電極3と第2の電極4との間隔を規定する機能を有するスペーサ7が設けられている。
スペーサ7の構成材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、スペーサ7は、電気泳動表示装置20の外周を囲むようにして設けられる構成に限定されず、例えば、複数のスペーサ7を所定間隔おいて、電気泳動表示装置20の側部近傍に配設するようにしてもよい。この場合、スペーサ7同士の間隙は、他の封止材(シール材)により封止するようにすればよい。
この電気泳動分散液10は、少なくとも1種の電気泳動粒子5を液相分散媒6に分散(懸濁)させてなるものである。
電気泳動粒子5の液相分散媒6への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、攪拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
なお、本発明によれば、電気泳動粒子5の帯電状態を所望のものに制御(調整)することができるため、用いる液相分散媒6の選択の幅が広がる。
例えば、電気泳動粒子5として正に帯電したものを用いた場合、第2の電極4を正電位とすると、図3(A)に示すように、電気泳動粒子5は、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、電気泳動粒子5の色が見えることになる。
したがって、電気泳動粒子5の物性(例えば色、正負、帯電量(電荷量)等)や、電極3または4の極性、電極3、4間の電位差等を適宜設定することにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、電気泳動粒子5の色および液相分散媒6の色の組み合わせにより、所望の情報(画像)が表示される。
また、電気泳動粒子5の比重は、液相分散媒6の比重とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子5は、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散液6中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報が長時間保持されることとなる。
次に、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
このマイクロカプセル40の構成材料としては、特に限定はされないが、例えば、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
マイクロカプセル40の大きさ(平均粒径)は、特に限定されないが、通常、10〜150μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。
このような第2実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
次に、本発明の電気泳動表示装置の第3実施形態について説明する。
図5は、本発明の電気泳動表示装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、第3実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1および第2実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
このバインダ材41は、例えば、マイクロカプセル40を固定する目的や、電極3、4間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、電気泳動表示装置20の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
このバインダ材41には、各電極3、4およびマイクロカプセル40との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
このような第3実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1および第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
次に、本発明の電気泳動表示装置の第4実施形態について説明する。
図6は、本発明の電気泳動表示装置の第4実施形態を示す縦断面図(作動状態を示す)である。
以下、第4実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1〜第3実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、本実施形態では、電気泳動粒子5aとして、正に帯電しかつ白色のものを用い、電気泳動粒子5bとして、負に帯電しかつ黒色(有色)のものを用いる場合を一例として説明する。
これとは逆に、第2の電極4を負電位とすると、電気泳動粒子5aは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まり、一方、電気泳動粒子5bは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。
なお、図示の構成では、電気泳動粒子5aと電気泳動粒子5bとがほぼ同数で、液相分散媒6に分散されているが、これらの数は、目的に応じて設定するようにすればよい。
また、電気泳動粒子5aの平均粒径と電気泳動粒子5bの平均粒径とは、同一であっても、異なっていてもよい。
このような第4実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1〜第3実施形態と同様の効果が得られる。
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図7は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図8は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図8中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図8に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図7に示す構成と同様のものである。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
また、本発明の電気泳動表示装置は、各前記実施形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、各前記実施形態では、一対の電極が対向して設けられた構成のものについて示したが、本発明の電気泳動表示装置は、一対の電極を同一基板上に設ける構成のものに適用することもできる。
以下において、有機基の導入量(%)と記載する場合は、酸化チタン粒子の重量と有機基の重量との合計重量に対する比率(百分率:wt%)を示す。
なお、この有機基の導入量は、熱重量測定法(Thermogravimetry法:TG法)により測定した。
また、ゼータ電位の測定は、電気泳動法を用いて、ドデシルベンゼン中で行った。
<1> まず、平均粒径250nmの酸化チタン粒子(石原産業製、「CR−97」):2.0gと、下記化29で表されるカルボン酸:2.8mmolとを、トルエン:50mLに混合し、5分間攪拌した後、超音波を30分間照射した。
なお、IR測定により1643cm−1付近に、アミド結合のC=O伸縮振動のピークを確認することにより、アミド結合の生成を確認した。
また、有機基の導入量は、0.8%であり、表面修飾粒子のゼータ電位は、+50.7mVであった。
前記工程<1>において、前記化29で表されるカルボン酸に代わり、下記化30〜化35で表されるカルボン酸を用いた以外は、それぞれ、前記実施例1と同様にして表面修飾粒子を得た。
なお、各実施例で得られた表面修飾粒子のゼータ電位は、いずれも、複数回の測定において、ドデシルベンゼン中でほぼ一定(安定)していたのに対し、酸化チタン粉末のゼータ電位は、不安定であった。これは、ドデシルベンゼン中の不純物が、表面修飾粒子の表面には付着し難いのに対し、酸化チタン粉末の表面には非特異的に付着することが大きな要因であると推察される。
例えば、前記化29で表されるカルボン酸に代わり、下記化36〜化38で表されるカルボン酸を用いて、それぞれ、前記実施例1と同様にして表面修飾粒子を製造したところ、これらのものは、いずれも、電気泳動の挙動から正に帯電していることが判った。
この電気泳動分散液を用いて、図2に示すような電気泳動表示装置を製造した。なお、各部の仕様は、以下の通りである。
サイズ :縦50mm×横50mm×厚さ100μm
構成材料:ポリエチレン
・第1の電極、第2の電極(なお、第2の電極の分割は行わず)
サイズ :縦40mm×横40mm×厚さ4μm
構成材料:ITO
・スペーサ
サイズ :幅5mm×高さ50μm
構成材料:エポキシ樹脂
すなわち、各実施例の表面修飾粒子は、電気泳動粒子として使用可能であることが確認された。
Claims (17)
- 粒子の表面に、主骨格と該主骨格に結合した置換基とを有する有機基を導入することにより、前記粒子の帯電状態を制御する帯電制御方法であって、
前記主骨格は、その前記粒子と反対側の端部に、環状構造としてベンゼン環を有し、該ベンゼン環の2位〜6位のうちの少なくとも3位〜5位の3つの位置に、それぞれ、前記置換基として電子供与性基が結合しており、
これにより、前記主骨格において電子を前記粒子側に偏在させることにより、前記粒子を正に帯電させることを特徴とする帯電制御方法。 - 前記電子供与性基は、アミノ基、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の帯電制御方法。
- 前記アルキル基は、炭素数1〜30である請求項2に記載の帯電制御方法。
- 前記アルコキシ基は、炭素数1〜30である請求項2に記載の帯電制御方法。
- 前記主骨格の総炭素数は、6〜40である請求項1ないし4のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 前記主骨格は、前記粒子側に、スペーサとして機能する部分を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 前記有機基は、前記粒子の表面に共有結合により導入される請求項1ないし7のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 前記有機基は、カップリング剤を用いて前記粒子の表面に導入される請求項1ないし8のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 前記カップリング剤は、シラン系カップリング剤である請求項9に記載の帯電制御方法。
- 前記有機基の前記粒子の表面への導入量は、0.1〜20wt%である請求項1ないし10のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 前記粒子は、主として、顔料、樹脂、セラミックス、金属、金属酸化物またはこれらを含む混合物のうちの少なくとも1種で構成されるものである請求項1ないし11のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 前記粒子の平均粒径は、0.1〜10μmである請求項1ないし12のいずれかに記載の帯電制御方法。
- 電界が作用することにより、液相分散媒中で電気泳動する電気泳動粒子であって、
請求項1ないし13のいずれかに記載の帯電制御方法により、帯電状態が制御されたことを特徴とする電気泳動粒子。 - 第1の基板と、
該第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、請求項14に記載の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液と、
前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする電気泳動表示装置。 - 第1の基板と、
該第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、請求項14に記載の電気泳動粒子と液相分散媒とを含む電気泳動分散液を封入したマイクロカプセルと、
前記電気泳動粒子に電界を作用させるための一対の電極とを有することを特徴とする電気泳動表示装置。 - 請求項15または16に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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