JP4308594B2 - 電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動表示装置の製造方法に関し、特に、一対の電極の間に少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなるマイクロカプセルが設けられた電気泳動表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一対の電極間に、少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液が収容されてなり、これらの一対の電極間に電圧を印加し、電気泳動分散液に電界を作用させることにより、前記電気泳動粒子の分布状態が変化することを利用した電気泳動表示装置が知られている。
【0003】
さらに、このような電気泳動表示装置においては、前記電気泳動分散液をマイクロカプセルに封入し、このマイクロカプセルを一対の電極間に収容してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。以下では、このような構造の電気泳動表示装置をマイクロカプセル型電気泳動表示装置と呼ぶ。
図23に、マイクロカプセル型電気泳動表示装置の一般的な構造の断面図を示す。図23に示すマイクロカプセル型電気泳動表示装置920は、第1の基板901に形成された第1の電極903と、第2の基板902に形成された第2の電極904とを有する。そして、第1の電極903と第2の電極904との間には、マイクロカプセル940と、必要に応じてバインダ941とが収容されている。
【0004】
マイクロカプセル940には、複数種の電気泳動粒子905を液相分散媒906に分散してなる電気泳動分散液910が封入されている。
かかるマイクロカプセル型電気泳動表示装置920において、図示しない外部電源装置により、第1の電極903と第2の電極904との間に電圧を印加すると、これらの電極903、904間に生じる電界の方向と強さに応じて、電気泳動粒子905は、いずれかの電極の方向に向かって電気泳動する。
【0005】
例えば、第1の電極903から第2の電極904に向かって電界を印加した場合(すなわち、第1の電極903に第2の電極904よりも相対的に高い電圧を与えた場合)、電気泳動粒子905の中で正に帯電している粒子は電界の方向に(すなわち、第2の電極904に向かって)泳動し、一方、負に帯電している粒子は電界と逆の方向に(すなわち、第1の電極904に向かって)泳動する。
【0006】
このとき、電気泳動粒子905の泳動する速度は、粒子自身が有する電荷と、前記電界の強度とに比例する。
このように、第1の電極903と第2の電極904との間に印加する電圧の極性や大きさ、印加時間などに応じて、電気泳動粒子905の分布状態が変化し、これにより、電気泳動分散液の呈する光学特性も変化することになる。
したがって、マイクロカプセル型電気泳動表示装置920では、電極903、904間に印加する電圧を制御することにより、所望の画像を表示することができる。
【0007】
前述したように、マイクロカプセル型電気泳動表示装置920においては、電気泳動分散液910をマイクロカプセル940に封入しているため、電気泳動粒子905の凝集あるいは電極に対する付着現象を解消すると同時に、組立時に分散系の取り扱いを格段に改善することができる。
しかし、このような利点を有する一方、マイクロカプセル940の全体形状が球状であるために、マイクロカプセル940と各電極903、904との間に隙間が生じ、その結果、マイクロカプセル940の内部の電気泳動分散液910に十分な電界が作用せず、電気泳動粒子905の泳動速度および表示コントラストの低下を招くという問題があった。
【0008】
すなわち、かかる現象は、球状のマイクロカプセル940を平板状の一対の電極903、904で挟んだ場合、マイクロカプセル940と各電極903、904とは小さな面積でしか接触することができず、この接触部においては電界が作用しやすいが、その他の部分においては期待した程の電界が作用しないことが原因で生じる。
【0009】
【特許文献1】
特開平1−86116号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気泳動粒子の泳動速度および表示コントラストを向上させることができる電気泳動表示装置を容易かつ確実に製造することができる電気泳動表示装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0017】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加された電圧の電位差による電気泳動により移動する少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなるマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置を製造する電気泳動表示装置の製造方法であって、
前記マイクロカプセルが破損せず、かつ、前記マイクロカプセルに密着する程度の可塑性を有する導電性材料を基板上に設ける第1の工程と、
前記導電性材料の自重以上の力で前記マイクロカプセル上に圧接することにより、前記マイクロカプセルの外形形状に対応して変形させて前記導電性材料前記マイクロカプセルの一部を囲むような凹部を備える形状に形成し、前記導電性材料を前記第1の電極とする第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、凹部とマイクロカプセルとの密着性の高い電気泳動表示装置を、容易かつ確実に製造することができる。
【0019】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記第2の工程の後において、前記導電性材料を硬化させることが好ましい。
これにより、電極の機械的強度、特に、電気泳動表示装置の機械的強度をより向上させることができる。
【0021】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記第1の工程において、前記導電性材料を、複数のセグメントに分割することが好ましい。
これにより、より複雑な画像(情報)を表示可能な電気泳動表示装置が得られる。
【0022】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記第2の工程の後において、前記導電性材料を、マトリクス状に分割することが好ましい。
これにより、より複雑な画像(情報)を表示可能な電気泳動表示装置が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気泳動表示装置の製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の説明により何ら拘束されるものではない。すなわち、本発明は、以下に挙げる実施形態以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲において適宜変更して実施することができる。
【0024】
<第1実施形態>
まず、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第1実施形態を示す縦断面図である。
なお、図1(以下の各図においても同様である。)では、図が煩雑となるのを避けるため、断面を示す斜線を電極および電極に関連する部材(導電性材料)にのみ施し、それ以外の部材については省略した。また、以下では、説明の都合上、図1(以下の各図においても同様である。)中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
【0025】
図1に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3と、第1の電極3に対向する第2の電極4と、これらの電極3、4間に設けられ、電気泳動分散液10を封入した複数のマイクロカプセル40とを有している。また、各電極3、4のマイクロカプセル40と反対側には、それぞれ、第1の基板1と第2の基板2とが設けられている。以下、各部の構成について順次説明する。
【0026】
第1の基板1および第2の基板2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配される各部材を支持および保護する機能を有する。
各基板1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基板1、2を用いることにより、可撓性を有する電気泳動表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な電気泳動表示装置20を得ることができる。
【0027】
また、各基板1、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としてはは、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0028】
このような基板1、2の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20〜500μm程度であるのが好ましく、25〜250μm程度であるのがより好ましい。これにより、電気泳動表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、電気泳動表示装置20の小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
【0029】
これらの基板1、2の後述するマイクロカプセル40側の面、すなわち、第1の基板1の下面および第2の基板2の上面には、それぞれ、層状(膜状)をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。
第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加することにより、マイクロカプセル40に封入された電気泳動分散液10に電界が付与される。
【0030】
本発明では、これらの電極3、4の構成に特徴を有している。なお、この特徴については、後に詳述する。
各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されないが、マイクロカプセル40との親和性(密着性)が良好であるのが好ましい。
【0031】
このような構成材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、金、銀、モリブデン、タンタルまたはこれらを含む合金等の金属類、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料類、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子類、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、酢酸ビニル樹脂等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、HO、LiCl、LiBr、LiI、LiNO、LiSCN、LiCFSO、NaBr、NaI、NaSCN、NaClO、NaCFSO、KI、KSCN、KClO、KCFSO、NHI、NHSCN、NHClO、NHCFSO、MgCl、MgBr、MgI、Mg(NO、MgSCN、Mg(CFSO、CaBr、CaI、CaSCN、Ca(ClO、Ca(CFSO、ZnCl、ZnI、ZnSCN、Zn(ClO、Zn(CFSO、CuCl、CuI、CuSCN、Cu(ClO、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子類、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物類のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
その他、各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス、ゴム、高分子樹脂等の導電性を有しない物質の中に、金、銀、ニッケル、カーボン等の導電性を有する物質を含有させることにより、導電性を付加したような各種複合材料も使用することができる。
このような複合材料の具体例としては、例えば、ゴムの中に導電性物質を含有させた導電性ゴム類、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等の接着剤中に導電性粒子を配合した導電性接着剤類あるいは導電性ペースト類、ポリオレフィン、塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等のプラスチック・マトリックス中に導電性物質を付与した導電性プラスチック類等が挙げられる。
【0033】
このような電極3、4の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.05〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
なお、各基板1、2および各電極3、4のうち、表示面側に配置される基板および電極は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、好ましくは実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、後述する電気泳動分散液10中における電気泳動粒子5の状態、すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報を目視により容易に認識することができる。
【0034】
なお、各電極3、4は、前述したような材料の単体からなる単層構造のものの他、例えば、複数の材料を順次積層したような多層積層構造のものであってもよい。すなわち、各電極3、4は、それぞれ、例えば、ITOで構成される単層構造であってもよく、ITO層とポリアニリン層との2層積層構造とすることもできる。
【0035】
これらの第1の電極3と第2の電極4との間には、各電極3、4に直接接触するようにして、複数の電気泳動分散液10を封入したマイクロカプセル40が配設されている。
電気泳動分散液10は、少なくとも1種の電気泳動粒子5を液相分散媒6に分散(懸濁)させてなるものである。
【0036】
液相分散媒6としては、特に限定はされないが、例えば、各種水(蒸留水、純水、イオン交換水、RO水等)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
【0037】
また、液相分散媒6(電気泳動分散液10)中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
電気泳動粒子5は、荷電を有し、液相分散媒6中で電位差による電気泳動により移動し得る粒子であれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、例えば、有機または無機、あるいはこれらの複合物質からなる粒子を用いることができる。
【0038】
有機または無機の粒子としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、亜鉛華、二酸化珪素等の白色顔料、モノアゾ、ジイスアゾン、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の高分子樹脂材料からなる樹脂粒子等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
また、有機・無機の複合物質からなる粒子としては、例えば、前記の無機材料と有機材料とを、適当な組成比で複合した複合物質で構成される粒子を用いることができる。
電気泳動粒子5の粒子径は、特に限定はされないが、その体積平均粒子径が0.1〜10μm程度であるのが好ましく、0.1〜7.5μm程度であるのがより好ましい。粒子径が小さ過ぎると、主に可視光域において十分な隠蔽率を得ることができず、その結果、電気泳動表示装置20の表示コントラストが低下するおそれがあり、一方、粒子径が大き過ぎると、電気泳動粒子5の種類等によっては、電気泳動粒子5の沈降により電気泳動表示装置20の表示品質の劣化等の問題が生じるおそれがある。
【0040】
第1の電極3および第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの電極3、4間に生じる電界の方向、強さ、電気泳動粒子5の物性(例えば電気泳動度等)等に応じて、電気泳動粒子5は、いずれかの電極の方向に向かって電気泳動する。これにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、所望の情報(画像)が表示される。
【0041】
また、電気泳動粒子5の比重は、前記液相分散媒6の比重とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子5は、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散液6中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報が長時間保持されることとなる。
【0042】
このような電気泳動粒子5を液相分散媒6中に分散させる方法(分散方法)としては、特に限定されないが、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、攪拌分散法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その一例としては、例えば、超音波浴槽内に液相分散媒6、電気泳動粒子5および必要に応じてカップリング剤や界面活性剤等の分散剤を入れ、攪拌しながら超音波を照射する方法などが挙げられる。
【0043】
マイクロカプセル40は、その内部に、以上のような電気泳動分散液10(電気泳動粒子5を分散させた液相分散媒6)を封入するものである。
このマイクロカプセル40の構成材料としては、特に限定はされないが、例えば、アラビアゴム・ゼラチンの複合材料、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂のような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
また、マイクロカプセル40の作製手法(マイクロカプセル40への電気泳動分散液10の封入方法)としては、特に限定されないが、例えば、界面重合法、in−situ重合法、相分離法(または、コアセルベーション法)、界面沈殿法、スプレードライング法等の各種マイクロカプセル化手法を用いることができる。なお、前記のマイクロカプセル化手法は、マイクロカプセル40の構成材料等に応じて、適宜選択するようにすればよい。
このようなマイクロカプセル40は、その大きさがほぼ均一であることが好ましい。これにより、電気泳動表示装置20は、より優れた表示機能を発揮することができる。なお、均一な大きさのマイクロカプセル40は、例えば、濾過法、比重差分級法等を用いることにより得ることができる。
【0045】
また、マイクロカプセル40の大きさ(平均粒径)は、特に限定されないが、通常、10〜150μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。
なお、本実施形態では、第1の電極3と第2の電極4との間であって、マイクロカプセル40の周辺部は空隙となっているが、この空隙部分には、後述する第3実施形態で説明するようなバインダ材が供給され、これにより、各マイクロカプセル40が固定されていてもよい。
【0046】
さて、本発明では、第1の電極3および第2の電極4の少なくとも一方のマイクロカプセル40側の面に、マイクロカプセル40の一部を収納する凹部を形成したことに特徴を有する。以下、この点(特徴)について詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、第1の電極3のマイクロカプセル40側の面に、複数(マイクロカプセル40の数に対応した数)の凹部3aが形成されている。この凹部3aの形状は、マイクロカプセル40の一部を囲むような形状をなしている。
【0047】
そして、第1の電極3と第2の電極4との間にマイクロカプセル40を配設した状態、すなわち、電気泳動表示装置20の組み立て状態で、第1の電極3の1つの凹部3a内に、1つのマイクロカプセル40が収納されている。
このような構成により、第1の電極3とマイクロカプセル40との隙間を格段に小さくすることができ、電極3、4の間に生じる電界を効率よく、マイクロカプセル40内の電気泳動粒子5に付与する(作用させる)ことができるようになる。その結果、このような電気泳動表示装置20では、電気泳動粒子5の泳動速度および表示コントラストの向上を図ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、図1に示すように、各凹部3aの内面(特に、そのほぼ全て)が、マイクロカプセル40に面接触するよう構成されている。これにより、前記効果をより向上させることができる。
このような電気泳動表示装置20では、第1の電極3の凹部3a同士を隔離する壁部の高さを調整することにより、第1の電極3と第2の電極4とが接触しないように構成されている。これにより、電極3、4間に電圧を印加した際に、短絡による異常な過電流が流れたり、電気泳動粒子5(電気泳動分散液10)に十分な電界が作用しなかったり等することが好適に防止される。
【0049】
なお、電極3、4同士の接触を防止する観点、すなわち、これらの絶縁性をより確実に確保する観点からは、電極3、4の間に、例えば、絶縁性材料で構成されるスペーサ、フィルム、後述するバインダ材(第3実施形態参照。)を介挿したり、第1の電極3の凹部3a同士を隔離する壁部の頂部付近を絶縁材料で構成したり等するのが好ましい。
【0050】
前述したような電気泳動表示装置20は、例えば、次のようにして製造することができる。
(第1の製造方法)
図2は、本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
【0051】
(A1) まず、第1の基板1上に第1の電極3を、また第2の基板2上に第2の電極4をそれぞれ形成する。
第1の電極3および第2の電極4は、それぞれ、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等により形成することができる。
【0052】
(A2) 次に、第2の電極4上に、前述したような方法により製造されたマイクロカプセル40を配設する。これは、第2の電極4上に、マイクロカプセル40を分散媒に分散してなる分散液を、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法等により供給した後、分散媒を揮発・除去することにより、配設することができる。
【0053】
(A3) また、第1の電極3の下面(マイクロカプセル40側となる面)に、凹部3aを形成する。この凹部3aの形成方法としては、電極の構成材料等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、刃物やレーザー等による切削加工、型等への圧迫(圧接)によるエンボス加工(塑性加工)、加熱による変形等の機械的加工方法や、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
(A4) 次に、各凹部3a内にマイクロカプセル40の一部を収納するようにして、マイクロカプセル40上に、第1の電極3を形成した第1の基板1を積層する。これにより、電気泳動表示装置20が得られる。
なお、このような第1の製造方法を用いる場合、第1の電極3には、多層積層構造を採用して、凹部3aを形成する層を加工性(切削性、可塑性、エッチング性)に優れる材料で構成するのが好ましい。これにより、凹部3aの形成(加工)が容易となる。このような構成材料としては、例えば、導電性高分子材料、導電性プラスチック等が挙げられる。
【0055】
なお、第1の製造方法において、第1の電極3と第2の電極4とを入れ替えても、本発明の趣旨を損なわないことは明白である。
電極へ凹部を形成する方法としては、このような電極を形成した後に凹部を加工、形成する方法ではなく、電極の形成と同時に凹部を形成する方法、換言すれば、所望の凹部形状を形成しつつ、電極を形成する方法もある。かかる製造方法によれば、電気泳動表示装置20の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0056】
以下、このような方法について、順次、詳細に説明する。
(第2の製造方法)
図3は、本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
以下、第2の製造方法について、前記第1の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0057】
(B1)および(B2) 前記工程(A1)および(A2)と同様の工程を行う。
(B3) 次に、第1の基板1の上に可塑性を有する導電性材料30を設け、この導電性材料30をマイクロカプセル40に接するように積層して、圧迫(圧接)する。これにより、導電性材料30は、マイクロカプセル40の外形形状に対応して変形し、結果として、凹部3aを有する第1の電極3が形成される。
【0058】
ここで、導電性材料30をマイクロカプセル40に圧迫する際には、マイクロカプセル40側を固定して、導電性材料30をマイクロカプセル40に圧迫するようにしてもよいし、逆に、導電性材料30側を固定して、マイクロカプセル40を導電性材料30に圧迫するようにしてもよい。また、導電性材料30およびマイクロカプセル40の双方が接近するようにして圧迫してもよい。すなわち、導電性材料30がマイクロカプセル40に対して相対的に近づくように圧迫すればよい。
【0059】
なお、この際の押圧力は、マイクロカプセル40が破損せず、かつ、導電性材料30がマイクロカプセル40と十分に密着する程度に適宜設定される。
かかる可塑性を有する導電性材料30には、前述した導電性を有する材料の中から適当な可塑性を有するもの(例えば、導電性高分子、導電性ゴム、導電性ペースト、導電性接着剤等)を適宜選択すればよい。
【0060】
なお、ここで言う可塑性とは、材料が調製される最終的な段階においての可塑性だけではなく、その途中段階(例えば、重合前のモノマーの状態、架橋前の前駆体の状態、溶媒を蒸発させる前の溶液の状態、硬化処理される前の状態等)における可塑性や、熱や溶剤等により付加された可塑性(熱可塑性、溶媒可塑性等)をも含む。すなわち、導電性材料30は、マイクロカプセル40に圧迫する時点で、実質的に可塑性を有していればよく、一旦、電極が形成された後には、可塑性を失ってしまってもよい。
【0061】
したがって、本工程において、導電性材料30をマイクロカプセル40に圧迫した後に、必要に応じて、導電性材料30を硬化させるようにしてもよい。これにより、電極(図示の構成では、第1の電極3)の機械的強度、特に、電気泳動表示装置20の機械的強度をより向上させることができる。
この導電性材料30を硬化させる方法(硬化方法)としては、使用する材料等によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、熱硬化、UV硬化、電子線硬化、赤外線硬化、硬化剤を添加することによる硬化(反応性硬化)等を用いることができる。
【0062】
第2の製造方法によれば、導電性材料30を容易かつ効果的にマイクロカプセル40に圧迫することができる。
なお、かかる可撓性を有する導電性材料30を用いることにより、その可撓性の程度を選択することにより、例えば、次のようにして製造することもできる。すなわち、シート状の導電性材料30のみを、第2の電極4上に配設されたマイクロカプセル40上に積層する。そして、導電性材料30を、その自重によりマイクロカプセル40の外形形状に対応して変形させる。これにより、凹部3aを有する第1の電極3を形成するようにしてもよい。この場合、第1の基板1は、第1の電極3形成後、第1の電極3の上面に設けるようにすればよい。
【0063】
(第3の製造方法)
図4〜図8は、それぞれ、本発明の電気泳動表示装置の第3の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
以下、第3の製造方法について説明するが、前記第1および第2の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3の製造方法では、可撓性を有する導電性材料30に代えて、流動性を有する導電性材料31を用いる点で前記第2の製造方法と異なる。
【0064】
(C1)および(C2) 前記工程(A1)および(A2)と同様の工程を行う。
(C3) この第3の製造方法では、流動性を有する導電性材料31を、第2の電極4上に配設したマイクロカプセル40上に供給する。これにより、導電性材料31は、マイクロカプセル40の外形に沿って流動し、結果として、凹部3aを有する第1の電極3が形成される。
【0065】
導電性材料31の供給方法には、各種の方法を用いることができるが、塗布法を用いるのが好ましい。塗布法によれば、導電性材料31を比較的容易かつ均一にマイクロカプセル40上に供給することができる。
また、塗布法にも各種のものがあるが、特に、スクリーン印刷法、インクジェット法、ロールコート法、スプレーコート法、ナイフコート法を用いるのが好ましい。なお、これらの方法は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、各前記塗布法およびその利点について、図4〜図8を参照しつつ、それぞれ説明する。
【0066】
I:スクリーン印刷法
図4は、スクリーン印刷法について説明するための図(縦断面図)である。
図4に示すように、スクリーン印刷法では、マイクロカプセル40上にスクリーン100を配置した状態で、スキージ101を水平方向へ移動させつつ、導電性材料31をマイクロカプセル40上に、順次塗布していく。
かかるスクリーン印刷法によれば、導電性材料31を比較的均一な厚さに塗布することができるとともに、スクリーン100に所望の開口パターンを形成することにより、所望のパターンに導電性材料31をマイクロカプセル40上に塗布することが可能となる。
【0067】
II:インクジェット法
図5は、インクジェット法について説明するための図(縦断面図)である。
図5に示すように、インクジェット法では、インクジェット・ノズル102とマイクロカプセル40とを相対的に移動させつつ、導電性材料31をインクジェット・ノズル102からマイクロカプセル40上に、順次吐出していく。
【0068】
導電性材料31のインクジェット・ノズル102からの吐出速度や吐出量は、それそれ、使用するインクジェット・ノズル102のサイズや形状、導電性材料31の物性(例えば粘度、表面張力等)等を勘案して決定される。
かかるインクジェット法によれば、インクジェット・ノズル102の移動速度や移動方向、吐出量や吐出速度等を制御することにより、所望のパターンに導電性材料31をマイクロカプセル40上に塗布することが可能となる。
なお、この場合、導電性材料31には、必要に応じて、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、溶剤、比重調製剤等の各種添加物を混合するようにしてもよい。
【0069】
III:ロールコート法
図6は、ロールコート法について説明するための図(縦断面図)である。
図6に示すように、ロールコート法では、ロールコータ103とマイクロカプセル40とを相対的に水平方向へ移動させつつ、導電性材料31をマイクロカプセル40上に、順次塗布していく。
かかるロールコート法によれば、導電性材料31をマイクロカプセル40上に比較的均一な厚さに塗布することができる。
【0070】
IV:スプレーコート法
図7は、スプレーコート法について説明するための図(縦断面図)である。
図7に示すように、スプレーコート法では、スプレー・ノズル104とマイクロカプセル40とを相対的に移動させつつ、導電性材料31をスプレー・ノズル104からマイクロカプセル40の上に、順次噴出していく。
【0071】
導電性材料31のスプレー・ノズル104からの吐出速度や吐出量は、それぞれ、使用するスプレー・ノズル104のサイズや形状、数、導電性材料31の物性(例えば粘度、表面張力等)を勘案して決定される。
かかるスプレーコート法によれば、スプレー・ノズル104の移動速度や移動方向、スプレー・ノズル104の形状や数、吐出量や吐出速度等を制御することにより、所望のパターンに導電性材料31をマイクロカプセル40上に塗布することが可能となる。
なお、この場合、導電性材料31には、必要に応じて、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、溶剤、比重調製剤等の各種添加物を混合するようにしてもよい。
【0072】
V:ナイフコート法
図8は、ナイフコート法について説明するための図(縦断面図)である。
図8に示すように、ナイフコート法では、ナイフコータ105とマイクロカプセル40とを相対的に水平方向へ移動させつつ、導電性材料31をマイクロカプセル40上に、順次塗布していく。
かかるナイフコート法によれば、導電性材料31をマイクロカプセル40上に比較的均一な厚さに塗布することができる。
【0073】
以上のような方法に用いられる導電性材料31には、前述した導電性を有する材料の中から適当な流動性を有するもの(例えば導電性高分子、導電性樹脂、導電性ペーストや導電性接着剤等)を適宜選択すればよい。
なお、ここで言う流動性とは、材料が調製される最終的な段階においての流動性だけではなく、その途中段階(例えば、重合前のモノマーの状態、架橋前の前駆体の状態、溶媒を蒸発させる前の溶液の状態、硬化処理される前の状態等)における流動性や、熱や溶剤等により付加された可塑性(熱可塑性、溶媒可塑性等)をも含む。すなわち、導電性材料31は、マイクロカプセル40上に塗布(供給)する時点で、実質的に流動性を有していればよく、一旦、電極が形成された後には、流動性を失ってしまってもよい。
【0074】
したがって、本工程において、導電性材料31をマイクロカプセル40上に塗布(供給)した後に、必要に応じて、導電性材料31を硬化させるようにしてもよい。これにより、電極(図示の構成では、第1の電極3)、延いては、電気泳動表示装置20の機械的強度をより向上させることができる。
この導電性材料31を硬化させる方法(硬化方法)としては、使用する材料等によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、熱硬化、UV硬化、電子線硬化、赤外線硬化、硬化剤を添加することによる硬化(反応性硬化)等を用いることができる。
(C4) 次に、第1の電極3上に第1の基板1を接合する。これにより、電気泳動表示装置20が得られる。
【0075】
<第2実施形態>
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態の電気泳動表示装置について、前記第1実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0076】
図9に示す電気泳動表示装置20は、第2の電極4の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
すなわち、第2の電極4のマイクロカプセル40側の面にも、マイクロカプセル40を収納する凹部4aが形成され、第1の電極3と同様の構成とされている。
この第2実施形態の電気泳動表示装置20では、一対の凹部3a、4aに、それぞれ1つのマイクロカプセル40の一部を収納するようにして配設されている。
【0077】
このような構成により、第1の電極3および第2の電極4の双方とマイクロカプセル40との隙間を格段に小さくすることができ、電極3、4の間に生じる電界をより効率よく、マイクロカプセル40内の電気泳動粒子5に付与する(作用させる)ことができるようになる。その結果、このような電気泳動表示装置20では、電気泳動粒子5の泳動速度および表示コントラストのさらなる向上を図ることができる。
【0078】
このような電気泳動表示装置20は、前記第1実施形態で説明した第1〜第3の製造方法のうちの1種または任意の2種以上の方法を用いて製造することができる。
このような第2実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0079】
<第3実施形態>
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、第3実施形態の電気泳動表示装置について、前記第1および第2実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0080】
図10に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3と第2の電極4との間隙であって、マイクロカプセル40の外周部にバインダ材41が供給されていること以外は、前記第2実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
このバインダ材41は、例えば、マイクロカプセル40を固定する目的や、電極3、4間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、電気泳動表示装置20の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
このバインダ材41には、各電極3、4およびマイクロカプセル40との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
【0081】
このような樹脂材料としては、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、ABS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリレート、グラフト化ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の高分子、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロピレン、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等の珪素樹脂、その他として、メタクリル酸−スチレン共重合体、ポリブチレン、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0082】
また、バインダ材41は、その誘電率が前記液相分散媒6の誘電率とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。このため、バインダ材41中には、例えば、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールのようなアルコール類、ケトン類、カルボン酸塩等の誘電率調節剤を添加するのが好ましい。
このバインダ材41は、例えば、前記第1の製造方法の工程(A2)において、マイクロカプセル40を分散させる分散液中に混合するようにして、第2の電極4上にマイクロカプセル40を配設するのと同時に供給することができる。
このような第3実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1および第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0083】
<第4実施形態>
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第4実施形態について説明する。
図11は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第4実施形態を示す縦断面図である。
以下、第4実施形態の電気泳動表示装置について、前記第1〜第3実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0084】
図11に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3の凹部3aおよび第2の電極4の凹部4aの縦断面形状が異なること以外は、前記第2実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
第4実施形態では、凹部3aおよび凹部4aの縦断面形状が、それぞれ、ほぼ台形状をなしている。これにより、マイクロカプセル40は、その一部がそれぞれ凹部3a、4aに収納された状態で、各電極3、4に3個所で接触している。すなわち、凹部3a、4aの内面は、それぞれマイクロカプセル40に部分的に接触している。
【0085】
このような第4実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1〜第3実施形態と同様の作用・効果が得られる。
なお、電気泳動表示装置20の特性をより向上させる観点からは、前記第1〜第3実施形態のように、電極が有する凹部の内面は、そのほぼ全てがマイクロカプセル40に接触しているのが好ましい。
このような電気泳動表示装置20は、前記第1の製造方法を用いることにより、容易かつ確実に製造することができる。
【0086】
<第5実施形態>
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第5実施形態について説明する。
図12は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第5実施形態を示す縦断面図である。
以下、第5実施形態の電気泳動表示装置について、前記第1〜第4実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0087】
図12に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3の凹部3aおよび第2の電極4の凹部4aの縦断面形状が異なること以外は、前記第4実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
第5実施形態では、凹部3aおよび凹部4aの縦断面形状が、それぞれ、多角形形状をなしている。
このような第5実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1〜第4実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0088】
<第6実施形態>
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第6実施形態について説明する。
図13は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第6実施形態を示す縦断面図である。
以下、第6実施形態の電気泳動表示装置について、前記第1〜第5実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0089】
図13に示す電気泳動表示装置20は、第1の電極3および第2の電極4の構成が異なること以外は、前記第1実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
第6実施形態では、第1の電極3のマイクロカプセル40側の面は、平滑面を構成し、第2の電極4は、そのマイクロカプセル40側の面に凹部4aが形成され、かつ、第1の電極3が共通電極とされ、第2の電極4が複数のセグメントに分割された個別電極とされている。
【0090】
このように、第2の電極4を、複数のセグメントに分割して構成することにより、電気泳動表示装置20は、より複雑な画像を表示することが可能となる。
このセグメントの形状は、表示したい画像(情報)に応じて、適宜設定するこことができる。この情報としては、例えば、文字、数字、マーク(図形)および記号等が挙げられる。
【0091】
例えば、情報として記号やマークを表示したい場合には、その記号やマークのサイズや形に対応した形状に、第2の電極4を分割すればよいし、また、情報として数字を表示したい場合には、いわゆるセブン・セグメントと呼ばれているようなセグメント形状に分割すればよい。
このような第2の電極4は、前述した第3の製造方法におけるスクリーン印刷法やインクジェット法等のパターニング手法を用いて、電極の形成時に分割するようにしてもよいし、一旦、電極を形成した後、分割加工処理することにより分割するようにしてもよい。
【0092】
この分割加工処理の方法としては、電極の構成材料等に応じて適宜選択すればよく、特に限定はされないが、例えば、切削、切断、溶融等の機械的加工法、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0093】
なお、図示の構成において、第1の電極3も複数のセグメントに分割されていてもよい。
また、第2の電極4に代えて、第1の電極3を本実施形態のような構成とすることもでき、第1の電極3および第2の電極4の双方を本実施形態のような構成とすることもできる。特に、後者の場合、電気泳動表示装置20では、より複雑な画像(情報)が表示可能となり好ましい。
このような第6実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1〜第5実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0094】
<第7実施形態>
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第7実施形態について説明する。
図14は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第7実施形態を示す縦断面図、図15は、図14に示す電気泳動表示装置の第2の電極の配置を示す図、図16は、図14に示す電気泳動表示装置が備えるアクティブマトリクス装置を示すブロック図である。
【0095】
以下、第7実施形態の電気泳動表示装置について、前記第1〜第6実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14に示す電気泳動表示装置20は、第2の電極4の分割パターンが異なること、および、アクティブマトリクス装置を有すること以外は、前記第6実施形態と同様である。
【0096】
第7実施形態の電気泳動表示装置20は、図14に示すように、アクティブマトリクス装置60上に、第2の電極4、マイクロカプセル40、第1の電極3および第1の基板1がこの順で積層されて構成されている。
そして、第2の電極4は、マトリクス状に、すなわち、図15に示すように、縦横に規則正しく配列するように分割されており、各分割された第2の電極4には、それぞれ、これらとほぼ同じ配列かつピッチとなるようパターニングされたアクティブマトリクス装置60が備える作用電極64が接触して設けられている。
【0097】
図16に示すように、アクティブマトリクス装置60は、互いに直交する複数のデータ線61と複数の走査線62とを有し、これらのデータ線61と走査線62との交点付近には、それぞれ、例えば薄膜トランジスタ等で構成されるスイッチング素子63と作用電極64とが配置されている。
そして、スイッチング素子63のゲート端子は走査線62に、ドレイン端子およびソース端子のいずれか一方はデータ線61に、他方は作用電極64にそれぞれ接続されている。
【0098】
このような電気泳動表示装置20では、1本あるいは複数本の走査線62に選択信号(選択電圧)を供給すると、この選択信号(選択電圧)が供給された走査線62に接続されているスイッチング素子63がONとなる。これにより、かかるスイッチング素子63に接続されているデータ線61と作用電極64とは、実質的に導通する。このとき、データ線61に所望のデータ(電圧)を供給した状態であれば、このデータ(電圧)は作用電極64に供給され、さらに、第2の電極4を介してマイクロカプセル40中の電気泳動粒子5に作用することになる。
【0099】
一方、この状態から、走査線62への選択信号(選択電圧)の供給を停止すると、スイッチング素子63はOFFとなり、かかるスイッチング素子63に接続されているデータ線61と作用電極64とは非導通状態となる。
このようなアクティブマトリクス装置60では、走査線62への選択信号の供給および停止、あるいは、データ線61へのデータの供給および停止を適宜組み合わせて行うことにより、電気泳動表示装置20に所望の画像(情報)を表示させることができる。
【0100】
特に、本実施形態の電気泳動表示装置20は、アクティブマトリクス装置60を有することにより、特定の走査線62に接続されたスイッチング素子63を選択的にON/OFFすることができるので、クロストークの問題が生じにくく、また、回路動作の高速化が可能であることから、高い品質の画像(情報)を得ることができる。
【0101】
このような電気泳動表示装置20は、例えば、マイクロカプセル40上に第2の電極4を形成した後、このものにアクティブマトリクス装置60を接合して製造するようにしてもよいし、作用電極64上に予め第2の電極4を導電性樹脂等で形成したものと、第1の電極3上にマイクロカプセル40を配設したものとを、第2の電極4とマイクロカプセル40とを接合して製造するようにしてもよい。
なお、第2の電極4に代えて、第1の電極3を本実施形態の構成としてもよい。
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える電子機器について説明する。
【0102】
<<携帯電話>>
まず、電気泳動表示装置を備える電子機器を携帯電話に適用した場合の実施形態について説明する。
図17は、電気泳動表示装置を備える電子機器を携帯電話に適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図17に示す携帯電話300は、複数の操作ボタン301と、受話口302と、送話口303と、表示パネル304とを備えている。
このような携帯電話300では、表示パネル304が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0103】
<<ディジタルスチルカメラ>>
次に、電気泳動表示装置を備える電子機器をディジタルスチルカメラに適用した場合の実施形態について説明する。
図18は、電気泳動表示装置を備える電子機器をディジタルスチルカメラに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。なお、図18中、紙面奥側を「前面」と、紙面手前側を「背面」と言う。また、図18には、外部機器との接続状態も簡易的に示す。
【0104】
図18に示すディジタルスチルカメラ400は、ケース401と、ケース401の背面に形成された表示パネル402と、ケース401の観察側(図18中、紙面手前側)に形成された受光ユニット403と、シャッタボタン404と、回路基板405とを備えている。
【0105】
受光ユニット403は、例えば、光学レンズ、CCD(Charge Coupled Device)等で構成されている。
また、表示パネル402は、CCDによる撮像信号に基づいて、表示を行うようになっている。
回路基板405には、シャッタボタン404を押した時点におけるCCDの撮像信号が、転送・格納される。
【0106】
また、本実施形態のディジタルスチルカメラ400では、ケース401の側面に、ビデオ信号出力端子406と、データ通信用の入出力端子407とが設けられている。
このうち、ビデオ信号出力端子406には、例えばテレビモニタ406Aが、入出力端子407には、例えばパーソナルコンピュータ407Aが、それぞれ、必要に応じて接続される。
【0107】
このディジタルスチルカメラ400は、所定の操作により、回路基板405のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ406A、パーソナルコンピュータ407Aに出力されるようになっている。
このようなディジタルスチルカメラ400では、表示パネル402が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0108】
<<電子ブック>>
次に、電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ブックに適用した場合の実施形態について説明する。
図19は、電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ブックに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【0109】
図19に示す電子ブック500は、ブック形状のフレーム501と、このフレーム501に対して、回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー502とを備えている。
フレーム501は、表示面を露出させた状態の表示装置503と、操作部504とが設けられている。
このような電子ブック500では、表示装置503が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0110】
<<電子ペーパー>>
次に、電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図20は、電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【0111】
図20に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0112】
<<電子ノート>>
次に、電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ノートに適用した場合の実施形態について説明する。
図21は、電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ノートに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【0113】
図21に示す電子ノート700は、カバー701と、電子ペーパー600とを備えている。
この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図20に示す構成と同様のものであり、カバー701に挟持されるようにして、複数枚束ねられている。
【0114】
また、カバー701には、表示データを入力する入力手段が設けられており、これにより、電子ペーパー600が束ねられた状態で、その表示内容を変更することができる。
このような電子ノート700では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0115】
<<ディスプレイ>>
次に、電気泳動表示装置を備える電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図22は、電気泳動表示装置を備える電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図22中(a)は断面図、(b)は平面図である。
【0116】
図22に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図20に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図22中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
【0117】
また、本体部801の表示面側(図22(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
【0118】
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図22中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
【0119】
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0120】
なお、電気泳動表示装置を備える電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、電気泳動表示装置20を適用することが可能である。
【0121】
以上説明したように、電気泳動表示装置20では、一対の電極3、4の少なくとも一方に、マイクロカプセル40の一部を収納可能な凹部を設けたことにより、凹部が形成された電極とマイクロカプセルとの隙間を格段に小さくすることができ、電極3、4の間に生じる電界を効率よく、マイクロカプセル40内の電気泳動粒子5に付与する(作用させる)ことができるようになる。その結果、電気泳動粒子5の泳動速度および表示コントラストの向上を図ることができる。
【0122】
また、かかる凹部を電極3および4の双方に設けたり、凹部の形状を適宜設定することにより、前記効果をより向上させることができる。
また、本発明の製造方法によれば、このような電気泳動表示装置20を、容易かつ確実に製造することができる。
また、かかる電気泳動表示装置20を備える電子機器は、性能に優れ、かつ、高い信頼性を有する。
以上、本発明の電気泳動表示装置の製造方法を、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものでない。
【0123】
また、本発明は、各前記実施形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、各前記実施形態では、各電極とマイクロカプセルとが直接接触した構成のものについて説明したが、各電極とマイクロカプセルとの間には、任意の目的の層が1層以上設けられていてもよい。
【0124】
また、各前記実施形態では、1つの凹部に1つのマイクロカプセルが収納される構成について説明したが、本発明では、1つの凹部に複数のマイクロカプセルが収納されるような構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図3】 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図4】 本発明の電気泳動表示装置の第3の製造方法(スクリーン印刷法)を説明するための図(縦断面図)である。
【図5】 本発明の電気泳動表示装置の第3の製造方法(インクジェット法)を説明するための図(縦断面図)である。
【図6】 本発明の電気泳動表示装置の第3の製造方法(ロールコート法)を説明するための図(縦断面図)である。
【図7】 本発明の電気泳動表示装置の第3の製造方法(スプレーコート法)を説明するための図(縦断面図)である。
【図8】 本発明の電気泳動表示装置の第3の製造方法(ナイフコート法)を説明するための図(縦断面図)である。
【図9】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図10】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図11】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第4実施形態を示す縦断面図である。
【図12】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第5実施形態を示す縦断面図である。
【図13】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第6実施形態を示す縦断面図である。
【図14】 本発明の電気泳動表示装置の製造方法で製造される電気泳動表示装置の第7実施形態を示す縦断面図である。
【図15】 図14に示す電気泳動表示装置の第2の電極の配置を示す図である。
【図16】 図14に示す電気泳動表示装置が備えるアクティブマトリクス装置を示すブロック図である。
【図17】 電気泳動表示装置を備える電子機器を携帯電話に適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図18】 電気泳動表示装置を備える電子機器をディジタルスチルカメラに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図19】 電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ブックに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図20】 電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図21】 電気泳動表示装置を備える電子機器を電子ノートに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図22】 電気泳動表示装置を備える電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
【図23】 従来のマイクロカプセル型電気泳動表示装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1‥‥第1の基板 2‥‥第2の基板 3‥‥第1の電極 3a‥‥凹部 4‥‥第2の電極 4a‥‥凹部 5‥‥電気泳動粒子 6‥‥液相分散媒 10‥‥電気泳動分散液 20‥‥電気泳動表示装置 30‥‥可塑性を有する導電性材料 31‥‥流動性を有する導電性材料 40‥‥マイクロカプセル 41‥‥バインダ材 60‥‥アクティブマトリクス装置、61‥‥データ線 62‥‥走査線 63‥‥スイッチング素子 64‥‥作用電極 100‥‥スクリーン 101‥‥スキージ 102‥‥インクジェット・ノズル 103‥‥ロールコータ 104‥‥スプレー・ノズル 105‥‥ナイフコータ 300‥‥携帯電話 301‥‥操作ボタン 302‥‥受話口 303‥‥送話口 304‥‥表示パネル 400‥‥ディジタルスチルカメラ 401‥‥ケース 402‥‥表示パネル 403‥‥受光ユニット 404‥‥シャッタボタン 405‥‥回路基板 406‥‥ビデオ信号出力端子 406A‥‥テレビモニタ 407‥‥入出力端子 407A‥‥パーソナルコンピュータ 500‥‥電子ブック 501‥‥フレーム 502‥‥カバー 503‥‥表示装置 504‥‥操作部 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 700‥‥電子ノート 701‥‥カバー 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部 901‥‥第1の基板 902‥‥第2の基板 903‥‥第1の電極 904‥‥第2の電極 905‥‥電気泳動粒子 906‥‥液相分散媒 910‥‥電気泳動分散液 920‥‥マイクロカプセル型電気泳動表示装置 940‥‥マイクロカプセル 941‥‥バインダ

Claims (4)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加された電圧の電位差による電気泳動により移動する少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなるマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置を製造する電気泳動表示装置の製造方法であって、
    前記マイクロカプセルが破損せず、かつ、前記マイクロカプセルに密着する程度の可塑性を有する導電性材料を基板上に設ける第1の工程と、
    前記導電性材料の自重以上の力で前記マイクロカプセル上に圧接することにより、前記マイクロカプセルの外形形状に対応して変形させて前記導電性材料前記マイクロカプセルの一部を囲むような凹部を備える形状に形成し、前記導電性材料を前記第1の電極とする第2の工程とを有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  2. 前記第2の工程の後において、前記導電性材料を硬化させる請求項に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  3. 前記第1の工程において、前記導電性材料を、複数のセグメントに分割する請求項1または2に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  4. 前記第2の工程の後において、前記導電性材料を、マトリクス状に分割する請求項1ないしのいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
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