JP2007192945A - 電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents

電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気泳動粒子が分散する分散媒の種類によらず、応答特性に優れる電気泳動表示装置を構築し得る電気泳動表示シート、信頼性の高い電気泳動表示装置、および信頼性の高い電子機器を提供すること。
【解決手段】電気泳動表示装置20は、電気泳動表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22と、電気泳動表示シート21と回路基板22との間の間隙を気密的に封止する封止部7とを有している。電気泳動表示シート21は、電気泳動分散液10を内包するマイクロカプセル40を有しており、この電気泳動分散液10は、電気泳動粒子5と液相分散媒6とを有している。そして、液相分散媒6は、水分を含んだ有機材料で構成されており、かつ、この水分の含有量が、液相分散媒6の飽和水分量の0.7〜2倍である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器に関するものである。
一般に、液体中に微粒子を分散させた分散系に電界を作用させると、微粒子は、クーロン力により液体中で移動(泳動)することが知られている。この現象を電気泳動といい、近年、この電気泳動を利用して、所望の情報(画像)を表示させるようにした電気泳動表示装置が新たな表示装置として注目を集めている。
この電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態での表示メモリー性や広視野角性を有することや、低消費電力で高コントラストの表示が可能であること等の特徴を備えている。
また、電気泳動表示装置は、非発光型デバイスであることから、ブラウン管のような発光型の表示デバイスに比べて、目に優しいという特徴も有している。
このような電気泳動表示装置としては、電極を有する一対の基板間に、電気泳動粒子および液相分散媒を封入した複数のマイクロカプセルと、各基板とマイクロカプセルとを固定するバインダが配設されたマイクロカプセル型のものが知られている。
このような電気泳動表示装置として、特許文献1には、マイクロカプセル型の電気泳動表示装置が開示されている。
ところが、この電気泳動表示装置では、電気泳動粒子の移動度が十分ではないため、表示情報の切り替え速度が遅いという問題がある。
特開2002−202534号公報
本発明の目的は、電気泳動粒子が分散する分散媒の種類によらず、応答特性に優れる電気泳動表示装置を構築し得る電気泳動表示シート、信頼性の高い電気泳動表示装置、および信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の電気泳動表示シートは、基板と、
該基板の一方の面側に設けられ、少なくとも1種の電気泳動粒子を分散媒に分散してなる電気泳動分散液を内包するマイクロカプセルを含有するマイクロカプセル含有層とを備える電気泳動表示シートであって、
前記分散媒は、水分を含んだ有機材料で構成され、かつ、前記分散媒の飽和水分量をA[ppm]としたとき、前記分散媒中における水分の含有量は、0.7A〜2Aであることを特徴とする。
これにより、電気泳動粒子が分散する分散媒の種類によらず、応答特性に優れる電気泳動表示装置を構築し得る電気泳動表示シートが得られる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記電気泳動粒子は、前記分散媒中の水素イオンおよび/または水酸化物イオンが付着することにより、その帯電量が変化するものであることが好ましい。
これにより、付着するイオンの極性や付着量を設定することにより、電気泳動粒子の帯電極性や帯電量を所望のものに調整することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記電気泳動粒子は、その少なくとも表面付近が酸化物で構成されているものであることが好ましい。
酸化物の表面は、水酸基で覆われているため、水素イオンが特に付着し易い。また、酸化物は、分散媒中に含まれる水分に対する耐性、すなわち耐湿性に優れている。したがって、酸化物で構成された電気泳動粒子は、水分と接触した状態でも、長期にわたって高い移動度を示すものとなる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記電気泳動粒子は、その平均粒径が0.1〜10μmであることが好ましい。
これにより、電気泳動粒子同士の凝集や、分散媒中における沈降を確実に防止することができ、その結果、電気泳動表示シートの表示品質の劣化を好適に防止することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記電気泳動粒子は、その表面に、前記分散媒と相溶性の高い高分子が結合していることが好ましい。
これにより、電気泳動粒子の分散媒に対する親和性が向上するため、電気泳動粒子の分散媒中における泳動時に受ける抵抗力を減少させることができる。その結果、電気泳動粒子の移動度をより高めることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記高分子の結合数は、1つの前記電気泳動粒子において、単位面積あたり2〜8[個/μm]であることが好ましい。
これにより、電気泳動粒子の分散媒に対する親和性を高め、分散性を向上させることができる。また、電気泳動粒子の表面の電荷が高分子に覆われてしまうことによるクーロン力の低下を防止することもできる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記分散媒は、長鎖アルキル基を有するベンゼン類を主成分とするものであることが好ましい。
長鎖アルキル基を有するベンゼン類は、沸点が比較的高く、これにより常温における揮発性を低くすることができる。このため、例えば、電気泳動分散液の製造過程で、分散媒が揮発することにより、電気泳動粒子の含有率や、水分の含有率等が変化してしまうのを防止することができる。その結果、これらの変化に起因して生じる電気泳動表示シートの応答特性や表示性能の低下等を、確実に防止することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記分散媒は、その粘度が、常温で4〜6[mPa・s]であることが好ましい。
これにより、電気泳動表示シートに加えられた振動等により電気泳動粒子が不本意に移動するのを防止しつつ、電気泳動粒子の分散媒中における泳動時に受ける抵抗力をより減少させることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、当該電気泳動表示シートにおける前記電気泳動粒子の移動度は、2.5×10−6[cm/V・sec]以上であることが好ましい。
このような高い移動度の電気泳動表示シートは、表示の切り替えが非常に速いため、表示内容を頻繁に変更する場合であっても、使用者にとって表示内容を快適に視認可能なものとなる。
本発明の電気泳動表示装置は、本発明の電気泳動表示シートと、
前記基板の前記マイクロカプセル含有層と反対側に設けられた対向基板とを備えることを特徴とする。
これにより、応答特性に優れた信頼性の高い電気泳動表示装置が得られる。
本発明の電気泳動表示装置は、基板と、
該基板に対向配置された対向基板と、
該対向基板と前記基板との間に設けられた隔壁部と、
前記基板、前記対向基板および前記隔壁部により画成された空間内に設けられ、少なくとも1種の電気泳動粒子を分散媒に分散してなる電気泳動分散液とを備える電気泳動表示装置であって、
前記分散媒は、水分を含んだ有機材料で構成され、かつ、前記分散媒の飽和水分量をA[ppm]としたとき、前記分散媒中における水分の含有量は、0.7A〜2Aであることを特徴とする。
これにより、応答特性に優れた信頼性の高い電気泳動表示装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<電気泳動表示装置>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の電気泳動表示シートを適用した電気泳動表示装置(本発明の電気泳動表示装置)の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す電気泳動表示装置20は、電気泳動表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22と、電気泳動表示シート21と回路基板22との間の間隙を気密的に封止する封止部7とを有している。
電気泳動表示シート21は、平板状の基部2と基部2の下面に設けられた第2の電極4とを備える基板12と、この基板12の下面(一方の面)側に設けられ、マイクロカプセル40とバインダ材41とで構成されたマイクロカプセル含有層400とを有している。
一方、回路基板22は、平板状の基部1と基部1の上面に設けられた複数の第1の電極3とを備える対向基板11と、この対向基板11(基部1)に設けられた、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)とを有している。
以下、各部の構成について順次説明する。
基部1および基部2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配される各部材を支持および保護する機能を有する。
各基部1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、2を用いることにより、可撓性を有する電気泳動表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な電気泳動表示装置20を得ることができる。
また、各基部(基材層)1、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
このような基部1、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20〜500μm程度であるのが好ましく、25〜250μm程度であるのがより好ましい。これにより、電気泳動表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、電気泳動表示装置20の小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
これらの基部1、2のマイクロカプセル40側の面、すなわち、基部1の上面および基部2の下面に、それぞれ、層状(膜状)をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。
第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が電気泳動粒子(表示粒子)5に作用する。
本実施形態では、第2の電極4が共通電極とされ、第1の電極3がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(スイッチング素子に接続された画素電極)とされており、第2の電極4と1つの第1の電極3とが重なる部分が1画素を構成する。
なお、第2の電極4も、第1の電極3と同様に複数に分割するようにしてもよい。
また、第1の電極3がストライプ状に分割され、第2の電極も同様にストライプ状に分割され、これらが交差するように配置された形態であってもよい。
各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、金、銀、モリブデン、タンタルまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、酢酸ビニル等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、HO、LiCl、LiBr、LiI、LiNO、LiSCN、LiCFSO、NaBr、NaI、NaSCN、NaClO、NaCFSO、KI、KSCN、KClO、KCFSO、NHI、NHSCN、NHClO、NHCFSO、MgCl、MgBr、MgI、Mg(NO、MgSCN、Mg(CFSO、ZnCl、ZnI、ZnSCN、Zn(ClO、Zn(CFSO、CuCl、CuI、CuSCN、Cu(ClO、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SnO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他、各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス材料、ゴム材料、高分子材料等の導電性を有さない材料中に、金、銀、ニッケル、カーボン等の導電性材料(導電性粒子)を混合して、導電性を付加したような各種複合材料も使用することができる。
このような複合材料の具体例としては、例えば、ゴム材料中に導電性材料を混合した導電性ゴム、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等の接着剤組成物中に導電性材料を混合した導電性接着剤または導電性ペースト、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等のマトリックス樹脂中に導電性材料を混合した導電性樹脂等が挙げられる。
このような電極3、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.05〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
なお、各基部1、2および各電極3、4のうち、表示面側に配置される基部および電極(本実施形態では、基部2および第2の電極4)は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、後述する電気泳動分散液10中における電気泳動粒子5の状態、すなわち電気泳動表示装置20に表示された情報(画像)を目視により容易に認識することができる。
なお、各電極3、4は、前述したような材料の単体からなる単層構造のものの他、例えば、複数の材料を順次積層したような多層積層構造のものであってもよい。すなわち、各電極3、4は、それぞれ、例えば、ITOで構成される単層構造であってもよく、ITO層とポリアニリン層との2層積層構造とすることもできる。
電気泳動表示シート21では、第2の電極4の下面に接触して、マイクロカプセル含有層400が設けられている。
このマイクロカプセル含有層400は、電気泳動分散液10をカプセル本体(殻体)401内に封入した複数のマイクロカプセル40が、バインダ材41で固定(保持)されて構成されている。
マイクロカプセル40は、対向基板11と基板12との間に、縦横に並列するように単層で(厚さ方向に重なることなく1個ずつ)配設されている。
本実施形態では、第1の電極と第2の電極4とで挟持されることにより、マイクロカプセル40は、上下方向に圧縮され、水平方向に拡がって扁平形状となっている。換言すれば、マイクロカプセル40は、平面視において石垣構造を形成している。
このような構成により、電気泳動表示装置20では、有効表示領域が増大し、コントラストが良好なものとなる。また、電気泳動粒子5の上下方向への移動距離を短縮することができるため、電気泳動粒子5を短時間に所定の電極近傍に移動・集合させることができ、応答速度の向上を図ることもできる。
また、本実施形態では、隣り合う2つの第1の電極3に対して、1つのマイクロカプセル40が配置されている。すなわち、マイクロカプセル40は、隣り合う2つの第1の電極3にまたがるように配置されている。
カプセル本体(殻体)401の構成材料としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、カプセル本体401の構成材料には、架橋剤により架橋(立体架橋)を形成するようにしてもよい。これにより、カプセル本体401の柔軟性を維持しつつ、強度を向上させることができる。その結果、マイクロカプセル40が容易に崩壊するのを防止することができる。
このようなマイクロカプセル40は、その大きさがほぼ均一であることが好ましい。これにより、電気泳動表示装置20では、表示ムラの発生が防止または低減され、より優れた表示性能を発揮することができる。
カプセル本体401内に封入された電気泳動分散液10は、少なくとも1種の電気泳動粒子5(本実施形態では、着色粒子5aと白色粒子5bとの2種)を液相分散媒6に分散(懸濁)してなるものである。
電気泳動粒子5は、荷電を有し、電界が作用することにより、液相分散媒6中を電気泳動し得る粒子(帯電粒子)であれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、亜鉛華、酸化珪素、酸化アルミニウム等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができ、かかる粒子は、白色粒子5bとして好適に用いられる。
また、カーボンブラック粒子またはその表面を被覆した粒子は、着色粒子(黒色粒子)5aとして好適に用いられる。
また、電気泳動粒子5の形状は、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。
また、電気泳動粒子5は、液相分散媒6中の水分が解離して生じた水素イオン(H)および/または水酸化物イオン(OH)が付着することにより、その帯電量が変化するものが好ましい。これにより、付着するイオンの極性や付着量を設定することにより、電気泳動粒子5の帯電極性や帯電量を所望のものに調整することができる。
これらの粒子のうち、電気泳動粒子5は、その少なくとも表面付近が酸化物で構成されているものが好ましい。酸化物の表面は、水酸基で覆われているため、水素イオンが特に付着し易い。また、酸化物は、液相分散媒6中に含まれる水分に対する耐性、すなわち耐湿性に優れている。したがって、酸化物で構成された電気泳動粒子5は、水分と接触した状態でも、長期にわたって高い移動度を示すものとなる。
この酸化物としては、前述の顔料として挙げた各種金属酸化物の他、酸化ケイ素等の半導体(非金属)酸化物等が挙げられる。
また、電気泳動粒子5は、その表面に、液相分散媒6と相溶性の高い高分子が結合しているものが好ましい。これにより、電気泳動粒子5の液相分散媒6に対する親和性が向上するため、電気泳動粒子5の液相分散媒6中における泳動時に受ける抵抗力を減少させることができる。その結果、電気泳動粒子5の移動度をより高めることができる。
この場合、高分子の結合数は、1つの電気泳動粒子5における単位面積あたり、2〜8[個/μm]程度であるのが好ましく、6〜8[個/μm]程度であるのがより好ましい。高分子の結合数を前記範囲内とすることにより、電気泳動粒子5の液相分散媒6に対する親和性を高め、分散性を向上させることができる。また、電気泳動粒子5の表面の電荷が高分子に覆われてしまうことによるクーロン力の低下を防止することもできる。
高分子としては、例えば、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基を有する高分子、電気泳動粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル鎖を有する高分子、および、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル鎖を有する高分子等が挙げられる。
上記特定の高分子において、電気泳動粒子と反応性を有する基(以下、反応性基と称する。)としては、例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、アルキルアミド基、アジリジン基、オキサゾン基、およびイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく挙げられるが、用いる電気泳動粒子の種類により、反応性基として適宜、反応性に優れる基を選択することができる。上記高分子の表面修飾は、反応性基と電気泳動粒子表面との親和性や、反応性基と電気泳動粒子表面との化学結合等を利用している。
上記特定高分子の構造等については特に限定はされないが、電気泳動表示装置用分散液に使用する溶媒に溶解し得るものであることが好ましい。
電気泳動粒子5の平均粒径は、0.1〜10μm程度であるのが好ましく、0.1〜7.5μm程度であるのがより好ましい。電気泳動粒子5の平均粒径を前記範囲とすることにより、電気泳動粒子5同士の凝集や、液相分散媒6中における沈降を確実に防止することができ、その結果、電気泳動表示装置20の表示品質の劣化を好適に防止することができる。
一方、液相分散媒6としては、カプセル本体401に対する溶解性が低く、かつ比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。また、このような有機分散媒6は、極性が低いか、実質的に極性を有しない、非極性の有機材料(非プロトン性分散媒)で構成されている。
かかる液相分散媒6としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族復素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、液相分散媒6は、長鎖アルキル基を有するベンゼン類(特に、ドデシルベンゼン)を主成分とするものが好ましい。長鎖アルキル基を有するベンゼン類は、沸点が比較的高く、これにより常温における揮発性を低くすることができる。このため、例えば、電気泳動分散液10の製造過程で、液相分散媒6が揮発することにより、電気泳動粒子5の含有率や、水分の含有率等が変化してしまうのを防止することができる。その結果、これらの変化に起因して生じる電気泳動表示装置20の応答特性や表示性能の低下等を、確実に防止することができる。
さらに、液相分散媒6には、必要に応じて、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料、トリフェニルメタン系染料、ピラゾロン系染料、スチルベン系染料、ジフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アリザリン系染料、アクリジン系染料、キノンイミン系染料、チアゾール系染料、メチン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
かかる電気泳動粒子5の液相分散媒6への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
ここで、電気泳動粒子5のような帯電粒子の表面は、後に詳述するが、一般に、負または正に帯電している。
例えば、電気泳動粒子5の表面付近が酸化物で構成されている場合、前述したように、酸化物の表面は、水酸基で覆われている。このような場合、水酸基中の酸素原子の電気陰性度は、水酸基中の水素原子より大きいため、酸素原子が負に、水素原子が正に帯電しているが、水酸基全体では、酸素原子の影響により負に帯電している。
したがって、電気泳動粒子5は、液相分散媒6に分散する前は、負に帯電している。
ところが、近年、このような帯電粒子は、水分を含んだ液相分散液に分散すると、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)に解離した水分子の影響により、表面の帯電状態が変化することが明らかにされてきた。
そして、帯電粒子の表面の帯電状態が変化すると、その帯電極性や帯電量に応じて、帯電粒子、すなわち電気泳動粒子5の電気泳動における挙動(移動方向や移動度等)に変化が生じる。
具体的には、例えば、帯電量を大きくすることにより、電気泳動粒子5の移動度を高めることができる。
そこで、本発明者は、電気泳動粒子5の移動度を向上させることを目的として、液相分散媒6に含まれる水分量と、電気泳動粒子5の帯電状態との相関関係について鋭意検討を重ねた。その結果、液相分散媒6を有機材料で構成し、かつ、液相分散媒6の飽和水分量をA[ppm]としたとき、液相分散媒6中における水分の含有量を0.7A〜2Aとすることで、特に高い移動度が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、電気泳動粒子5と液相分散媒6との間に生じる相互作用について、電気泳動粒子5が水酸基(負電荷)を有している場合を代表に説明するが、電気泳動粒子5が正に帯電している場合も、同様である。
なお、この相互作用は、液相分散媒6の水分の含有量に応じて異なるため、図2に示す液相分散媒6の水分の含有量と、電気泳動粒子5の移動度との関係を示すグラフに基づいて説明する。
図2に示すように、電気泳動粒子5と液相分散媒6との間に生じる相互作用は、液相分散媒6の水分の含有量に応じて、(A)〜(C)の状態をとる。以下、各状態について順次詳述する。
(A)の状態、すなわち、液相分散媒6中の水分の含有量が、飽和水分量以下である状態では、水分を含んだ液相分散媒6は、水分子を水素イオンと水酸化物イオンとに解離した状態で保持している。
負に帯電した電気泳動粒子5を、このような液相分散媒6中に分散させると、水酸基は、電気的により安定な状態を求めて、液相分散媒6中から水素イオン(H)を吸引する。これにより、水素イオンが付着した電気泳動粒子5では、負の帯電量が徐々に減少し、ついには、正に帯電する。そして、水素イオンの付着がさらに増加するのに伴って、正の帯電量が増加することとなる。
このようにして液相分散媒6中の水分の含有量が、飽和水分量に近づくと、電気泳動粒子5の表面に存在するほとんどの水酸基が、水素イオンで覆われる状態となる。かかる状態では、正の帯電量が極大となり、電気泳動粒子5の移動度が特に高くなる。
液相分散媒6中の水分の含有量が飽和水分量を超え、図2に示す(B)の状態となると、電気泳動粒子5の表面に付着していた水素イオンが、今度は、液相分散媒6に含まれる水酸化物イオン(OH)を吸引する。これにより、水素イオンが付着した電気泳動粒子5では、正の帯電量が徐々に減少する。また、液相分散媒6は、飽和水分量を超えているものの、水分は、水滴となることなく、液相分散媒6中に存在することができる。
このような(B)の状態を超えて水分の含有量が増加し、図2に示す(C)の状態となると、液相分散媒6中の溶解していた水分が微小な水滴となる。さらに、この水滴を核として、その周囲に親水性の高い電気泳動粒子5が凝集し、クラスター化する。この状態では、液相分散媒6中の水分の含有量を変化させても、電気泳動粒子5の移動度は、ほとんど変化が見られない。
このようなことから、(A)の状態と(B)の状態の境界付近、すなわち、液相分散媒6中の水分の含有量を飽和水分量の0.7〜2倍の量にすれば、電気泳動粒子5の帯電量をより大きくすることができ、電気泳動粒子5の移動度を高めることができる。その結果、優れた応答特性を示す電気泳動表示装置20が得られる。
また、このような効果は、液相分散媒6の組成によらず発揮されることから、液相分散媒6の選択の幅を広げることもできる。
なお、液相分散媒6中の水分の含有量は、飽和水分量をA[ppm]としたとき、前述したように0.7A〜2Aとされるが、0.8A〜1.2A程度であるのが好ましく、0.85A〜1.15A程度であるのがより好ましい。液相分散媒6の水分の含有量が前記範囲内とすれば、電気泳動粒子5の帯電量を特に大きくすることができ、電気泳動粒子5の移動度を特に高めることができる。
また、液相分散媒6は、その粘度が、常温で4〜6[mPa・s]程度であるのが好ましく、4.5〜5[mPa・s]程度であるのがより好ましい。液相分散媒6の粘度が前記範囲内であれば、電気泳動表示装置20に加えられた振動等により電気泳動粒子5が不本意に移動するのを防止しつつ、電気泳動粒子5の液相分散媒6中における泳動時に受ける抵抗力をより減少させることができる。
このような電気泳動粒子5の移動度は、2.5×10−6[cm/V・sec]以上であるのが好ましく、3×10−6[cm/V・sec]以上であるのがより好ましい。このような高い移動度の電気泳動表示装置20は、表示の切り替えが非常に速いため、表示内容を頻繁に変更する場合であっても、使用者にとって表示内容を快適に視認可能なものとなる。そして、電気泳動表示装置20は、このような優れた表示性能を容易に実現し得るものである。
このような電気泳動表示装置20では、第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に生じる電界にしたがって、電気泳動粒子5(着色粒子5a、白色粒子5b)は、いずれかの電極に向かって電気泳動する。
例えば、白色粒子5aとして正荷電を有するものを用い、着色粒子(黒色粒子)5bとして負荷電のものを用いた場合、第1の電極3を正電位とすると、図3(A)に示すように、白色粒子5aは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まる。一方、着色粒子5bは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、白色粒子5aの色が見えること、すなわち、白色が見えることになる。
これとは逆に、第1の電極3を負電位とすると、図3(B)に示すように、白色粒子5bは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。一方、着色粒子5bは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、着色粒子5bの色が見えること、すなわち、黒色が見えることになる。
このような構成において、電気泳動粒子5(白色粒子5a、着色粒子5b)の帯電量や、電極3または4の極性、電極3、4間の電位差等を適宜設定することにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、白色粒子5aおよび着色粒子5bの色の組み合わせや、電極3、4に集合する粒子の数等に応じて、所望の情報(画像)が表示される。
また、電気泳動粒子5の比重は、液相分散媒6の比重とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子5は、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散液6中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報が長時間保持されることとなる。
バインダ材41は、例えば、第1の基板11と第2の基板12とを接合する目的、第1の基板11および第2の基板12とマイクロカプセル40を固定する目的、電極3、4間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、電気泳動表示装置20の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
このバインダ材41には、各電極3、4およびカプセル本体401(マイクロカプセル40)との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
このようなバインダ材41としては、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリレート、グラフト化ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の高分子、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロピレン、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂、その他として、メタクリル酸−スチレン共重合体、ポリブチレン、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等の各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、バインダ材41は、その誘電率が前記液相分散媒6の誘電率とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。このため、バインダ材41中には、例えば、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールのようなアルコール類、ケトン類、カルボン酸塩等の誘電率調節剤を添加するのが好ましい。
基部1と基部2との間であって、それらの縁部に沿って、封止部7が設けられている。この封止部7により、各電極3、4およびマイクロカプセル含有層400が気密的に封止されている。これにより、電気泳動表示装置20内への水分の浸入を防止して、電気泳動表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、封止部7は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
このような電気泳動表示装置20は、次のようにして製造することができる。
図4および図5は、それぞれ、図1に示す電気泳動表示装置の製造方法を説明するための模式図である。なお、以下の説明では、図4および図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]マイクロカプセル40の作製工程
まず、電気泳動分散液10が封入されたマイクロカプセル40を作製する。
マイクロカプセル40の作製手法(カプセル本体401への電気泳動分散液10の封入方法)としては、特に限定されないが、例えば、界面重合法、In−situ重合法、相分離法(または、コアセルベーション法)、界面沈降法、スプレードライ法等の各種マイクロカプセル化手法を用いることができる。なお、前記のマイクロカプセル化手法は、マイクロカプセル40の構成材料等に応じて、適宜選択するようにすればよい。
また、均一な大きさのマイクロカプセル40は、例えば、ふるいにかけて選別する方法、濾過法、比重差分級法等を用いることにより得ることができる。
マイクロカプセル40の平均粒径は、20〜200μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。マイクロカプセル40の平均粒径を前記範囲とすることにより、製造される電気泳動表示装置20において電気泳動粒子5の電気泳動をより確実に制御することができるようになる。
[2]マイクロカプセル分散液の調製工程
次に、前述のようにして作製されたマイクロカプセル40と、バインダ材41と、分散媒(特に水系溶媒)とを含むマイクロカプセル分散液を調製する。
分散媒としては、親水性が高い(すなわち疎水性が低い)溶媒(水系溶媒)が好ましい。水系溶媒としては、具体的には、各種水(蒸留水、純水、イオン交換水、RO水等)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール類等が挙げられ、これらのうちでは、特に水が好ましい。低級アルコール類には、メトキシ基等の疎水性の低い置換基が導入されていてもよい。このような水系溶媒を用いることにより、マイクロカプセル40への溶媒の浸透が抑えられ、溶媒の浸透によるマイクロカプセル40の膨潤、溶解がより確実に防止される。
マイクロカプセル40を除くマイクロカプセル分散液中のバインダ材41の濃度(含有量)は、50wt%以下であるのが好ましく、0.05〜25wt%程度であるのがより好ましい。
前記バインダ材41の濃度を前記のように設定することにより、マイクロカプセル分散液の粘度を好適な値にすることができ、後述するマイクロカプセル40の間隙を埋めるようにマイクロカプセル分散液を供給する工程において、マイクロカプセル40を容易かつ確実に移動させることができる。
また、マイクロカプセル分散液の粘度は、1〜1000cP(25℃)程度であるのが好ましく、2〜700cP(25℃)程度であるのがより好ましい。
また、マイクロカプセル分散液中におけるマイクロカプセル40の含有量は、10〜80wt%程度であるのが好ましく、30〜60wt%程度であるのがより好ましい。
マイクロカプセル40の含有量を前記範囲に設定すると、マイクロカプセル40が厚さ方向に重ならないように(単層で)、マイクロカプセル含有層400において移動(再配置)させる配設する上で、非常に有利である。
[3]マイクロカプセル含有層の形成工程
次に、図4(a)に示すような基板11を用意する。
そして、図4(b)に示すように、基板12上に、マイクロカプセル分散液を供給する。
マイクロカプセル分散液を供給する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の各種塗布法を用いることができる。
次に、必要に応じて、基板12の各部において、マイクロカプセル分散液の厚さ(量)が均一になるように、好ましくはマイクロカプセル40が厚さ方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配置されるように均す。
これは、例えば、図4(c)に示すように、スキージ(平板状の治具)100を基板12上を通過させ、マイクロカプセル40を掃くことにより行うことができる。
これにより、マイクロカプセル含有層400が形成され、図4(d)に示すような電気泳動表示シート21が得られる。
[4]液相分散媒への吸湿工程
次に、電気泳動表示シート21を、所定の雰囲気中に放置する。
これにより、電気泳動分散液10中の液相分散媒6を吸湿させる。
この際、液相分散媒6に含まれる水分の含有量は、液相分散媒6の組成、温度、雰囲気の温度、湿度、放置時間等の各種条件を適宜設定することにより、調整することができる。
なお、これらの条件(吸湿条件)は、後述する吸湿条件の決定方法により決定することができる。
また、液相分散媒6の飽和水分量は、その温度に応じて変化するため、本工程では、液相分散媒6に含まれる水分の含有量が、電気泳動表示シート21の実使用温度範囲で前述の範囲内となるよう、吸湿条件を設定するのが好ましい。これにより、実際に使用する際に、電気泳動表示シート21(電気泳動表示装置20)が優れた応答特性を発揮することができる。
[5]回路基板22の接合工程
次に、図5(e)に示すように、マイクロカプセル含有層400上に、別途用意した回路基板22を、第1の電極3がマイクロカプセル含有層400に接触するように重ね合わせる。
これにより、マイクロカプセル含有層400を介して、電気泳動表示シート21と回路基板22とが接合される。
[6]封止工程
次に、図5(f)に示すように、電気泳動表示シート21および回路基板22の縁部に沿って、封止部7を形成する。
これは、電気泳動表示シート21(基部2)と回路基板22(基部1)との間であって、これらの縁部に沿って封止部7を形成するための材料を、例えば、ディスペンサ等により供給し、固化または硬化させることにより形成することができる。
また、この場合、前記工程[5]の終了後、できるだけ短時間で、封止部7を形成するのが好ましい。これにより、電気泳動分散液10に含まれた液相分散媒6の水分の含有量が、不本意に変化してしまうのを防止することができる。
具体的には、前記工程[5]の終了後、封止部7の形成を開始するまでの時間は、10分以下であるのが好ましく、5分以下であるのがより好ましい。
以上の工程を経て、電気泳動表示装置20が得られる。
次に、前記工程[4]における吸湿条件を決定する方法について説明する。
この吸湿条件は、複数の吸湿条件下における電気泳動粒子5の移動度と液相分散媒6の水分の含有量の各データを採取し、得られた各データを比較することにより決定される。以下、詳細に説明する。
[I]移動度の測定
図6は、電気泳動粒子の移動度の測定方法を説明するための図である。
電気泳動粒子5の移動度は、例えば、図6に示すような評価用サンプル200を用いて測定することができる。
評価用サンプル200は、図1に示す電気泳動表示装置20において、マイクロカプセル40とバインダ材41とを省略し、一対の基板11、12および封止部7で画成された空間内に電気泳動分散液を充填するようにした以外、電気泳動表示装置20と同様の構成である。
そして、まず、このような評価用サンプル200を用意し、図6に示すように、第1の電極3および第2の電極4に、それぞれ、直流電源回路の端部を接続する。この際、第1の電極3に直流電源201の負極を接続し、第2の電極4に正極を接続する。
次に、第1の電極3と第2の電極4との間に、所定の直流電圧を印加して、電気泳動粒子5を電気泳動させる。
本工程では、この電気泳動粒子5の移動度を測定する。
図6(i)は、第1の電極3と第2の電極4との間に、直流電圧を印加する前の状態、(ii)は、直流電圧を印加した直後の状態、(iii)は、直流電圧を印加して、電気泳動粒子5の移動後、移動が認められなくなった状態を、それぞれ示している。
なお、図6(ii)に示すA線、B線は、電気泳動粒子5の移動量を測定するために設けた仮想の線である。
そして、図6(ii)に示すように、電極3、4間に生じた電界に応じて移動する電気泳動粒子5aが、B線を通過し、A線に到達するまでの所要時間、または、電気泳動粒子5bが、A線を通過し、B線に到達するまでの所要時間を、それぞれ測定することにより、移動度を求めることができる。
なお、封止部7が透光性に乏しい材料で構成されている場合には、前記工程[6]に先立って、本工程を行うようにしてもよい。
[II]水分量の測定
液相分散媒6に含まれた水分量の測定は、電気泳動表示装置20を分解して、マイクロカプセル40中の電気泳動分散液10を回収する。
この回収方法は、回収の前後で電気泳動分散液10に含まれた液相分散媒6中の水分の含有量が変化しないような方法であれば、特に限定されず、例えば、乾燥させた洗浄液で、電気泳動分散液10を洗浄し、電気泳動分散液10を含んだ洗浄液を回収する方法等が挙げられる。
乾燥させた洗浄液としては、例えば、モレキュラーシーブス(合成ゼオライト)、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、シリカゲル等の乾燥剤を用いて脱水処理した洗浄液を用いることができる。
また、洗浄液としては、例えば、前述した液相分散媒6として挙げた溶媒が挙げられ、特に、液相分散媒6と同種の溶媒を用いるのが好ましい。
次に、回収した電気泳動分散液10に含まれた液相分散媒6中の水分の含有量を測定する。
測定方法は、特に限定されないが、カールフィッシャー法に基づいた方法で測定するのが好ましい。かかる方法によれば、水分の含有量を容易かつ高精度に測定することができる。
[III]データ比較
次に、前記工程[I]において、電気泳動表示シート21を放置する大気の温度、湿度および放置時間の少なくとも1つの条件を変更した条件(吸湿条件)下で、別途、電気泳動表示装置20を製造し、電気泳動粒子5の移動度と、液相分散媒6の水分の含有量を測定する。
そして、かかる工程を少なくとも1回行うことにより、複数の吸湿条件下における移動度と水分の含有量の各データを求める。
次に、得られた各データを比較することにより、最も移動度が大きくなるときの、液相分散媒6の水分の含有量、すなわち飽和水分量を求め、かかる飽和水分量の水分を吸湿させ得る吸湿条件を決定する。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の電気泳動表示シートを適用した電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図7中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第3実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1および前記第2実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示す電気泳動表示装置20は、マイクロカプセル40に代えて、マトリックス状に分割された第1の電極3の個別電極同士の間に設けられ、密閉空間71を画成する隔壁72と、この密閉空間71内に電気泳動分散液10とを有していること以外は、前記第1実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
このような第2実施形態の電気泳動表示装置20によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<電子機器>
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図8は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図8に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図9は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図9中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図9に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図8に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図9中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図9(a)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図9中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、本発明の電気泳動表示装置20を適用することが可能である。
以上、本発明の電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前記実施形態では、一対の電極が対向して設けられた構成のものについて示したが、本発明は、これに限らず、例えば、一対の電極を同一基板上に設ける構成のものに適用することもできる。
また、前記第1実施形態では、マイクロカプセルは、隣り合う2つの画素電極(電極)にまたがるように配置されているが、本発明では、これに限らず、例えば、マイクロカプセルが、隣り合う3つ以上の画素電極にまたがるように配置されていてもよく、また、隣り合う画素電極にまたがらないように配置されていてもよく、また、これらが混在していてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.電気泳動表示装置の製造
(実施例1)
まず、平均粒径0.3μmの球形状の白色粒子と、平均粒径0.3μmの球形状の黒色粒子を用意した。
なお、白色粒子には、酸化珪素および酸化アルミニウムで被覆した酸化チタン粒子をポリメチルメタクリレートのシランカップリング剤で修飾した粒子を用い、一方、黒色粒子には、カーボンブラック粒子を用いた。
次に、白色粒子と黒色粒子とを、ドデシルベンゼン(液相分散媒)に分散して、電気泳動分散媒を調製した。
次に、この電気泳動分散媒を、アラビアゴムとゼラチンとを溶解した溶液に滴下し、撹拌した。なお、撹拌の回転速度は、1300rpmとした。
次に、酢酸を用いて溶液のpHを3.7に調節し、その後、氷冷することによりカプセルを析出させた。さらに、ホルムアルデヒドを加え、カプセルに架橋構造を形成した。
次に、一昼夜撹拌を続けた後、分級することによりマイクロカプセル(平均粒径55μm)を得た。
次に、得られたマイクロカプセルとバインダ材とを混合して、マイクロカプセル分散液を調製した。
そして、マイクロカプセル分散液を、電極およびスイッチング素子を含む回路を備えた回路基板上に塗布し、塗膜を形成した。これにより、電気泳動表示シートを得た。
次に、得られた電気泳動表示シートを、温度60℃、湿度90%の雰囲気中に、4分間放置して、電気泳動分散液中のドデシルベンゼンを吸湿させた。
次に、電極を備えた対向基板を用意し、電極がマイクロカプセルに接触するように、電気泳動表示シートと対向基板とを重ね合わせた。
次に、電気泳動表示シートおよび対向基板の縁部に沿って、封止部を形成し、電気泳動表示装置を製造した。
(実施例2〜7)
電気泳動表示シートの温度60℃、湿度90%の雰囲気中における放置時間を、それぞれ、表1に示す時間に変更した以外は、前記実施例1と同様にして電気泳動表示装置を製造した。
(比較例1〜5)
電気泳動表示シートの温度60℃、湿度90%の雰囲気中における放置時間を、それぞれ、表1に示す時間に変更した以外は、前記実施例1と同様にして電気泳動表示装置を製造した。
2.評価
2−1 電気泳動粒子の移動度の測定・評価
各実施例および各比較例で調製した電気泳動分散液について、電気泳動粒子の移動度を測定した。
移動度の測定は、図6に示すような評価用サンプルを作製し、その側面を光学顕微鏡で観察しつつ、100μm離間した2点間を電気泳動粒子が移動するときの所要時間を測定することにより行った。なお、2つの電極間には、30Vの直流電圧を印加した。
2−2 ドデシルベンゼンの水分の含有量の測定・評価
次に、各実施例および各比較例で得られた電気泳動表示装置について、電気泳動分散液に含まれるドデシルベンゼン(液相分散媒)の水分の含有量を測定した。
水分の含有量の測定は、次のようにして行った。
まず、モレキュラーシーブスで乾燥させたドデシルベンゼンを用意し、洗浄液とした。
次に、各電気泳動表示装置を分解し、マイクロカプセルに含まれた電気泳動分散液を、洗浄液で洗い流すとともに、洗浄後の洗浄液を回収した。
そして、回収した洗浄液に対して、カールフィッシャー式水分測定器を用いて、水分の含有量を測定した。
以上、2−1および2−2の評価結果を表1に示す。
Figure 2007192945
表1に示す評価結果から、実施例4の電気泳動表示装置に含まれるドデシルベンゼンは、含まれる水分の含有量が、ほぼ飽和水分量であると推察される。
また、実施例4の電気泳動表示装置は、電気泳動粒子の移動度が最も高い。
さらに、実施例1〜3および実施例5〜7の各電気泳動表示装置も、ドデシルベンゼンに含まれる水分の含有量が飽和水分量付近(飽和水分量の0.7〜2倍程度)にあった。そして、電気泳動粒子の移動度は、2.5×10−6[cm/V・sec]以上と高く、表示は良好な応答特性を示した。
一方、各比較例の電気泳動表示装置は、電気泳動粒子の移動度が低く、表示の応答特性は不十分であった。
本発明の電気泳動表示装置の縦断面を模式的に示す図である。 液相分散媒の水分の含有量と、電気泳動粒子の移動度との関係を示すグラフである。 図1に示す電気泳動表示装置の作動原理を示す模式図である。 図1に示す電気泳動表示装置の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示す電気泳動表示装置の製造方法を説明するための模式図である。 電気泳動粒子の移動度の測定方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
符号の説明
1‥‥基部 2‥‥基部 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 5、5a、5b‥‥電気泳動粒子(表示粒子) 6‥‥液相分散媒 7‥‥封止部 10‥‥電気泳動分散液 11‥‥対向基板 12‥‥基板 20‥‥電気泳動表示装置 21‥‥電気泳動表示シート 22‥‥回路基板 40‥‥マイクロカプセル 71‥‥密閉空間 72‥‥隔壁 100‥‥スキージ 200‥‥評価用サンプル 201‥‥直流電源 400‥‥マイクロカプセル含有層 401‥‥カプセル本体 41‥‥バインダ材 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部

Claims (12)

  1. 基板と、
    該基板の一方の面側に設けられ、少なくとも1種の電気泳動粒子を分散媒に分散してなる電気泳動分散液を内包するマイクロカプセルを含有するマイクロカプセル含有層とを備える電気泳動表示シートであって、
    前記分散媒は、水分を含んだ有機材料で構成され、かつ、前記分散媒の飽和水分量をA[ppm]としたとき、前記分散媒中における水分の含有量は、0.7A〜2Aであることを特徴とする電気泳動表示シート。
  2. 前記電気泳動粒子は、前記分散媒中の水素イオンおよび/または水酸化物イオンが付着することにより、その帯電量が変化するものである請求項1に記載の電気泳動表示シート。
  3. 前記電気泳動粒子は、その少なくとも表面付近が酸化物で構成されているものである請求項1または2に記載の電気泳動表示シート。
  4. 前記電気泳動粒子は、その平均粒径が0.1〜10μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  5. 前記電気泳動粒子は、その表面に、前記分散媒と相溶性の高い高分子が結合している請求項1ないし4のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  6. 前記高分子の結合数は、1つの前記電気泳動粒子において、単位面積あたり2〜8[個/μm]である請求項5に記載の電気泳動表示シート。
  7. 前記分散媒は、長鎖アルキル基を有するベンゼン類を主成分とするものである請求項1ないし6のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  8. 前記分散媒は、その粘度が、常温で4〜6[mPa・s]である請求項1ないし7のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  9. 当該電気泳動表示シートにおける前記電気泳動粒子の移動度は、2.5×10−6[cm/V・sec]以上である請求項1ないし8のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の電気泳動表示シートと、
    前記基板の前記マイクロカプセル含有層と反対側に設けられた対向基板とを備えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  11. 基板と、
    該基板に対向配置された対向基板と、
    該対向基板と前記基板との間に設けられた隔壁部と、
    前記基板、前記対向基板および前記隔壁部により画成された空間内に設けられ、少なくとも1種の電気泳動粒子を分散媒に分散してなる電気泳動分散液とを備える電気泳動表示装置であって、
    前記分散媒は、水分を含んだ有機材料で構成され、かつ、前記分散媒の飽和水分量をA[ppm]としたとき、前記分散媒中における水分の含有量は、0.7A〜2Aであることを特徴とする電気泳動表示装置。
  12. 請求項10または11に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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