JP4389523B2 - 電気泳動表示装置の製造方法、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents
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Description
この電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態での表示メモリー性や広視野角性を有することや、低消費電力で高コントラストの表示が可能であること等の特徴を備えている。
このような電気泳動表示装置としては、電極を有する1対の基板間に、電気泳動粒子および液相分散媒を封入した複数のマイクロカプセルと、各基板とマイクロカプセルとを固定するバインダ材が配設されたマイクロカプセル型のものが知られている。
このような電気泳動表示装置920では、1対の基板に設けられた電極903、904間に電圧を印加すると、マイクロカプセル内の電気泳動粒子905が、電極903、904間に生じた電界の方向にしたがって、液相分散媒906中をいずれか一方の電極に向かって移動する。これにより、観測者には、電気泳動粒子905の色(図9(A)参照)および/または液相分散媒906の色(図9(B)参照)が見えることとなる。
この電気泳動表示装置の製造の際は、基板上に、マイクロカプセルとバインダ材とを含むマイクロカプセル分散液を塗布し、対向基板を前記基板に対向させ、複数のマイクロカプセルを間に介在させて、これら基板と対向基板とを互いに接合する。この場合、マイクロカプセルは、基板上に、厚み方向に重なることなく配設されるのが好ましい。
しかしながら、従来の電気泳動表示装置の製造方法では、厚み方向にマイクロカプセルの重なりが生じてしまう(マイクロカプセルの充填構造に不完全な部分ができてしまう)。これにより、コントラストが低下してしまう。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、電極と、基板と、該基板上に設けられ、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなる複数のマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置の製造方法であって、
前記基板上に、前記マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給する第1の工程と、
前記基板上において、前記マイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、複数のマイクロカプセルを、容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。これによって、高いコントラストが得られる。
前記一方の基板上に、前記マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給する第1の工程と、
前記一方の基板上において、前記マイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める第2の工程と、
前記マイクロカプセルを介在させて、前記1対の基板を互いに接合する第3の工程とを有することを特徴とする。
これにより、複数のマイクロカプセルを、容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。これによって、高いコントラストが得られる。
これにより、マイクロカプセル分散液の粘度を所望の値にすることができ、これによって、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
これにより、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
これにより、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
これにより、マイクロカプセルが厚み方向に重ならないように(単層に)、基板上にマイクロカプセル分散液を塗布することができる。これによって、より確実に、複数のマイクロカプセルが基板上に厚み方向に重なることなく1個ずつ配設された電気泳動表示装置を製造することができる。
これにより、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
これにより、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
これにより、より簡単にマイクロカプセルを集めることができる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記基板の傾斜角度θは、略0〜45°であるのが好ましい。
これにより、より確実かつ迅速にマイクロカプセルを集めることができる。
これにより、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記第2の工程において、前記基板の前記マイクロカプセルを集める部位以外の所定部位の疎水性を他の部位より高くし、前記マイクロカプセルを集めるのが好ましい。
これにより、より確実かつ迅速にマイクロカプセルを集めることができる。
これにより、複数のマイクロカプセルを、より容易かつ確実に、基板上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセルが厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。
前記マイクロカプセルは、前記基板上に、該マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給し、前記基板上において、所定の方向へ移動して集められたものであることを特徴とする。
これにより、複数のマイクロカプセルが、基板上の表示領域に、高い密度に、かつ厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設され、高いコントラストが得られる。
前記マイクロカプセルは、前記一方の基板上に、該マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給し、前記一方の基板上において、所定の方向へ移動して集められたものであることを特徴とする。
これにより、複数のマイクロカプセルが、基板上の表示領域に、高い密度に、かつ厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設され、高いコントラストが得られる。
前記複数のマイクロカプセルは、前記基板上に、厚み方向に重なることなく1個ずつ配設されていることを特徴とする。
これにより、高いコントラストが得られる。
前記複数のマイクロカプセルは、前記1対の基板間に、厚み方向に重なることなく1個ずつ配設されていることを特徴とする。
これにより、高いコントラストが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、高いコントラストが得られる電気泳動表示装置を有する電子機器を提供することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す電気泳動表示装置の作動原理を示す模式図である。
なお、以下の説明では、説明の都合上、図1および図2(以下の各図においても同様である。)中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」として説明する。
各基板1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基板1、2を用いることにより、可撓性を有する電気泳動表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な電気泳動表示装置20を得ることができる。
第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が電気泳動粒子5に作用する。
本実施形態では、第1の電極3が共通電極とされ、第2の電極4がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(画素電極)とされており、第1の電極3と1つの第2の電極4とが重なる部分が1画素を構成する。なお、第1の電極3も、第2の電極4と同様に複数に分割するようにしてもよい。
その他、各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス材料、ゴム材料、高分子材料等の導電性を有さない材料中に、金、銀、ニッケル、カーボン等の導電性材料(導電性粒子)を混合して、導電性を付加したような各種複合材料も使用することができる。
このような電極3、4の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.05〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
また、電気泳動表示装置20の側部近傍であって、第1の基板1と第2の基板2との間には、第1の電極3と第2の電極4との間隔を規定する機能を有するスペーサ70が設けられている。
スペーサ70の構成材料としては、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、スペーサ70は、電気泳動表示装置20の外周を囲むようにして設けられる構成に限定されず、例えば、複数のスペーサ70を所定間隔おいて、電気泳動表示装置20の側部近傍に配設するようにしてもよい。この場合、スペーサ70同士の間隙は、他の封止部材(シール材)により封止するようにすればよい。また、スペーサ70は、省略されていてもよい。
マイクロカプセル40は、第1の基板1と第2の基板2の間に、縦横に並列するように単層で(厚み方向に重なることなく1個ずつ)配設され、それぞれ第1の電極3および第2の電極4に接触している。また、本実施形態では、隣り合う2つの第2の電極4に対して、1つのマイクロカプセル40が配置されている。すなわち、マイクロカプセル40は、隣り合う2つの第2の電極4にまたがるように配置されている。
このカプセル本体401の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなマイクロカプセル40は、その大きさがほぼ均一であることが好ましい。これにより、電気泳動表示装置20は、より優れた表示性能を発揮することができる。
電気泳動粒子5の液相分散媒6への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
例えば、電気泳動粒子5として正荷電を有するものを用いた場合、第2の電極4を正電位とすると、図2(A)に示すように、電気泳動粒子5は、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、電気泳動粒子5の色が見えることになる。
したがって、電気泳動粒子5の物性(例えば色、正負、帯電量等)や、電極3または4の極性、電極3、4間の電位差等を適宜設定することにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、電気泳動粒子5の色および液相分散媒6の色の組み合わせにより、所望の情報(画像)が表示される。
また、電気泳動粒子5の比重は、液相分散媒6の比率とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子5は、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散液6中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報が長時間保持されることとなる。
このバインダ材41には、各電極3、4およびカプセル本体401(マイクロカプセル40)との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
また、バインダ材41は、その誘電率が前記液相分散媒6の誘電率とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。このため、バインダ材41中には、例えば、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールのようなアルコール類、ケトン類、カルボン酸塩等の誘電率調節剤を添加するのが好ましい。
次に、本発明の電気泳動表示装置の第1製造方法について、図1に示す電気泳動表示装置を製造する場合を一例として説明する。
図3は、本発明の電気泳動表示装置の第1製造方法を説明するための図(製造工程を模式的に示す図)である。なお、以下の説明では、図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
まず、電気泳動分散液10が封入されたマイクロカプセル40を作製する。
マイクロカプセル40の作製手法(カプセル本体401への電気泳動分散液10の封入方法)としては、特に限定されないが、例えば、界面重合法、In−situ重合法、相分離法(または、コアセルベーション法)、界面沈降法、スプレードライ法等の各種マイクロカプセル化手法を用いることができる。なお、前記のマイクロカプセル化手法は、マイクロカプセル40の構成材料等に応じて、適宜選択するようにすればよい。
マイクロカプセル40の平均粒径は、20〜200μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。マイクロカプセル40の平均粒径が前記範囲を外れる場合には、製造される電気泳動表示装置20において電気泳動粒子5の泳動を制御するのが困難になり、所望の表示画像を得るのが困難になる。
次に、前述のようにして作製されたマイクロカプセル40と、バインダ材41と、分散媒(特に水系溶媒)とを含むマイクロカプセル分散液を調製する。この場合、例えば、バインダ材41と、マイクロカプセル40とを分散媒に分散させることにより、マイクロカプセル分散液を調製することができる。
前記バインダ材41の濃度を前記のように設定することにより、マイクロカプセル分散液の粘度を好適な値にすることができ、後述するマイクロカプセル40を所定の方向へ移動して集める工程において、マイクロカプセル40を容易かつ確実に移動させることができる。
マイクロカプセル分散液の粘度を前記のように設定することにより、後述するマイクロカプセル40を所定の方向へ移動して集める工程において、マイクロカプセル40を容易かつ確実に移動させることができる。
前記マイクロカプセル40の含有量を前記のように設定すると、マイクロカプセル40を第1の基板1と第2の基板2の間に、高い密度に、かつマイクロカプセル40が厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設する上で、非常に有利である。
マイクロカプセル分散液の供給方法としては、特に限定されないが、ドクターブレード法、ワイヤーバーコート法、ロールコート法等が挙げられる。
次に、図3に示すように、傾斜台74に第2の基板2を載置し、第2の基板2を所定角度傾斜させる。これにより、マイクロカプセル40は、図3中右側に移動して(滑り落ちて)集まり、緻密(高密度)に充填される。すなわち、複数のマイクロカプセル40は、第2の基板2上の表示領域に、高い密度に、かつ厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設される。これによって、高いコントラストが得られる。
第2の基板2の水平線(水平面)に対する傾斜角度θは、略0〜45°程度であるのが好ましく、5〜30°程度であるのがより好ましい。
傾斜角度θを前記のように設定することにより、マイクロカプセル40を、より迅速かつ確実に、マイクロカプセル40が厚み方向に重ならないように移動させることができる。
これにより、マイクロカプセル40が図3中右側に移動して集まるとともに、分散媒の一部または全部を除去することができ、塗膜7をより迅速に乾燥させることができる。
なお、吸引手段は、前記吸い取り紙73には限定されない。
また、この第1製造方法では、第2の基板2上にマイクロカプセル分散液を供給した後、第2の基板2を傾斜させているが、例えば、第2の基板2を傾斜させた状態で、第2の基板2上にマイクロカプセル分散液を供給してもよい。
また、この第1製造方法では、マイクロカプセル分散液を第2の基板2上に供給しているが、マイクロカプセル分散液を第1の基板1上に供給してもよい。
次に、第1の基板1を、その第1の電極3が塗膜7と対向するように第2の基板2に重ね、図1に示すように、マイクロカプセル40を介在させて、第1の基板1と第2の基板2とを互いに接合する。
この第1の基板1と第2の基板2の接合は、塗膜7(マイクロカプセル分散液)中のバインダ材を接着剤として利用して行う。すなわち、塗膜7を乾燥させ、塗膜7中の分散媒を揮発除去する。
以上説明したように、この第1製造方法によれば、複数のマイクロカプセル40を、容易かつ確実に、基板2上の表示領域に、高い密度に、かつマイクロカプセル40が厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設することができる。これによって、コントラストが高く、表示性能に優れた電気泳動表示装置20を提供することができる。
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法の第2製造方法について説明する。
以下、第2製造方法について説明するが、前記第1製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図4は、本発明の電気泳動表示装置の第2製造方法を説明するための図(製造工程を模式的に示す図)である。
第2製造方法の特徴は、第2の基板2のマイクロカプセル40を集める部位の少なくとも一部の親水性を他の部位より高くし、マイクロカプセル40を所定の方向へ移動して集めることにあり、この第2製造方法は、工程[3]が異なる以外は前記第1製造方法と同様である。以下、工程[3]について説明する。
第2製造方法では、図4に示すように、第2の基板2の第2の電極が設けられている側の表面(表層部)であって、マイクロカプセル40を集める部位(領域)の少なくとも一部、図示例では、図4中右側の部位81の親水性を他の部位より高くする。
これにより、塗膜7(マイクロカプセル分散液)の分散媒が部位81に引き寄せられ、これによって、マイクロカプセル40は、図4中右側に移動して集まり、緻密(高密度)に充填される。すなわち、複数のマイクロカプセル40は、第2の基板2上の表示領域に、高い密度に、かつ厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設される。これによって、高いコントラストが得られる。
親水化処理としては、特に限定されないが、例えば、酸素プラズマ等のプラズマ処理や、アミノ基を有するシランカップリング剤による表面処理により、アミノ基を付けること等が挙げられる。
これにより、塗膜7の分散媒が部位82からはき出され、これによって、マイクロカプセル40は、図4中右側に移動する。これにより、マイクロカプセル40を、より迅速かつ確実に、マイクロカプセル40が厚み方向に重ならないように移動させることができる。
疎水化処理としては、特に限定されないが、例えば、フッ素処理等によりフッ素樹脂の膜を設けること等が挙げられる。
また、この第2製造方法では、第2の基板2に対して親水化処理や疎水化処理を施すが、第1の基板1に対して親水化処理や疎水化処理を施し、マイクロカプセル分散液を第1の基板1上に供給してもよい。
このような第2製造方法によっても、前記第1製造方法と同様の効果が得られる。
次に、本発明の電気泳動表示装置の製造方法の第3製造方法について説明する。
以下、第3製造方法について説明するが、前記第1製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5は、本発明の電気泳動表示装置の第3製造方法を説明するための図(製造工程を模式的に示す図)である。
第3製造方法の特徴は、集め部材91により、マイクロカプセル40に対し、マイクロカプセル40を移動させる方向に外圧を加え、マイクロカプセル40を移動して集めることにあり、この第3製造方法は、工程[3]が異なる以外は前記第1製造方法と同様である。以下、工程[3]について説明する。
第3製造方法では、図5に示す棒状の集め部材91を用い、第2の基板2上において、この集め部材91を図5中左側から右側に向って移動させる。
この際、集め部材91により、マイクロカプセル40は、図5中左側から右側に向って押され(はき寄せられ)、これによって、マイクロカプセル40は、図5中右側に移動して集まり、緻密(高密度)に充填される。すなわち、複数のマイクロカプセル40は、第2の基板2上の表示領域に、高い密度に、かつ厚み方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配設される。これによって、高いコントラストが得られる。
前記集め部材91としては、例えば、ブレード、バーコーター等が挙げられる。
なお、この第3製造方法では、マイクロカプセル分散液を第2の基板2上に供給しているが、マイクロカプセル分散液を第1の基板1上に供給してもよい。
このような第3製造方法によっても、前記第1製造方法と同様の効果が得られる。
次に、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態を示す縦断面図(作動状態を示す)である。
以下、第2実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、本実施形態では、電気泳動粒子5aとして、正の電荷を帯びかつ白色のものを用い、電気泳動粒子5bとして、負の電荷を帯びかつ黒色(有色)のものを用いる場合を一例として説明する。
これとは逆に、第2の電極4を負電位とすると、電気泳動粒子5aは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まり、一方、電気泳動粒子5bは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。
なお、図示の構成では、電気泳動粒子5aと電気泳動粒子5bとがほぼ同数で、液相分散媒6に分散されているが、これらの数は、目的に応じて設定するようにすればよい。
また、電気泳動粒子5aの平均粒径と電気泳動粒子5bの平均粒径とは、同一であっても、異なっていてもよい。
また、1つのマイクロカプセル40に、同一種類の電気泳動粒子を用い、マイクロカプセル40毎に、電気泳動粒子の種類を異ならせる構成とすることもできる。
この第2実施形態の電気泳動表示装置20の製造方法についても、前記第1実施形態の電気泳動表示装置20の第1製造方法、第2製造方法および第3製造方法をそれぞれ用いることができる。
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適当した場合の実施形態について説明する。
図7は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図7に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図8は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図8(a)は断面図、(b)は平面図である。
図8に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は前述したような構成、すなわち、図7に示す構成と同様のものである。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。例えば、前記各実施形態で述べたマイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める各手段のうちの、任意の2以上の手段を併用してもよい。
また、前記実施形態では、1対の基板が対向して設けられた構成のものについて示したが、本発明は、これに限らず、例えば、単一の基板を有するものに適用することもできる。
<マイクロカプセルの作製>
まず、チタニヤ系カップリング剤(味の素社製 商品名 KR−TTS)とアルミ系カップリング剤(味の素社製 商品名 AL−M)で表面処理したチタニヤ粒子(石原産業社製)をドデシルベンゼン(関東化学社製)に分散し、さらに、アントラキノン系青色染料(中央合成化学社製)を加え、分散することで電気泳動分散媒を調製した。
この電気泳動分散媒を、アラビヤゴムとゼラチンを溶解した溶液に滴下し、撹拌した。なお、撹拌の回転速度は1300rpmである。
次に、溶液のpHを、酢酸によって3.7に調節し、その後、氷冷することによってカプセルを析出させた。さらに、ホルムアルデヒドを加え、カプセルに架橋構造を形成した。その後、一昼夜撹拌を続けた後、分級することで、粒径50〜60μmのマイクロカプセルを作製した。
作製されたマイクロカプセルと、水系エマルジョン型のバインダ材(信越化学社製、「ポロン」)と、水とを混合し、水にマイクロカプセルおよびバインダ材が分散されたマイクロカプセル分散液を調製した。
マイクロカプセルを除くマイクロカプセル分散液中のバインダ材の濃度は、5wt%であった。また、マイクロカプセル分散液の粘度は、3.5cP(25℃)であった。
ITOよりなる第2の電極が形成されたポリエチレンテレフタレート製の第2の基板を用意した。
そして、マイクロカプセル分散液を、ドクターブレード法によって第2の基板上に塗布することで、60μmの厚み(マイクロカプセルの平均粒径と略同じ厚み)の塗膜を形成した。
次に、ラミネータを用い、ITOよりなる第1の電極が形成されたポリエチレンテレフタレート製の第1の基板を、その第1の電極が塗膜と対向するように第2の基板に重ね、第1の基板と第2の基板とを互いに接合した。この第1の基板と第2の基板の接合は、塗膜中のバインダ材を接着剤として利用し、塗膜を乾燥させることにより行った。以上の工程により、図1に示す電気泳動表示装置を作製した。
前記実施例1におけるマイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める工程(第2の工程)である第2の基板を傾斜させることと、吸い取り紙により塗膜中の分散媒を吸い取ることとを下記のように変更した他は、実施例1と同様にして、図1に示す電気泳動表示装置を作製した。
また、第2の基板の第2の電極が設けられている側の表面であって、図4中右側の部位81以外の部位82に対し、フッ素処理を施してフッ素樹脂の膜を設け、部位82の疎水性を他の部位より高くした。
そして、マイクロカプセル分散液を、ドクターブレード法によって第2の基板上に塗布することで、60μmの厚みの塗膜を形成した。
前記実施例1におけるマイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める工程(第2の工程)である第2の基板を傾斜させることと、吸い取り紙により塗膜中の分散媒を吸い取ることとを下記のように変更した他は、実施例1と同様にして、図1に示す電気泳動表示装置を作製した。
前記第3製造方法で述べたように、図5に示すように、第2の基板上において、ブレードを図5中左側から右側に向って移動させ、そのブレードにより、マイクロカプセルを図5中左側から右側に向ってはき寄せた。
前記実施例1と同様のマイクロカプセルと、水系エマルジョン型のバインダ材(信越化学社製、「ポロン」)と、水とを混合し、水にマイクロカプセルおよびバインダ材が分散されたマイクロカプセル分散液を調製した。
マイクロカプセルを除くマイクロカプセル分散液中のバインダ材の濃度は、5wt%であった。また、マイクロカプセル分散液の粘度は、3cP(25℃)であった。
前記実施例1におけるマイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める工程(第2の工程)である第2の基板を傾斜させることと、吸い取り紙により塗膜中の分散媒を吸い取ることとを行なわず、また、マイクロカプセル分散液の塗膜の厚みを100μmとした他は、実施例1と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
実施例1〜3および比較例1で作製した電気泳動表示装置について、分光光度計として、分光光度計スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)を用いて測定を行い、下記式で示すコントラストCRを求めた。
CR=R1/R2
但し、上式において、R1は、電気泳動表示装置の表示面の全面で白色を表示したときの反射率、R2は、全面で黒色を表示したときの反射率である。
その結果、コントラストCRは、実施例1では、3.8、実施例2では、3.8、実施例3では、4.2と、すべて高い値を示した。これに対し、比較例1では、1.8と、低い値を示した。
Claims (16)
- 電極と、基板と、該基板上に設けられ、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなる複数のマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置の製造方法であって、
前記基板上に、前記マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給する第1の工程と、
前記基板上において、前記マイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める第2の工程とを有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。 - 電極と、対向する1対の基板と、該1対の基板間に設けられ、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなる複数のマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置の製造方法であって、
前記一方の基板上に、前記マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給する第1の工程と、
前記一方の基板上において、前記マイクロカプセルを所定の方向へ移動して集める第2の工程と、
前記マイクロカプセルを介在させて、前記1対の基板を互いに接合する第3の工程とを有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記分散媒には水が含まれている請求項1または2に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記マイクロカプセルを除く前記マイクロカプセル分散液中の前記バインダ材の濃度は、50wt%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記マイクロカプセル分散液の粘度は、25℃において1〜20cPである請求項1ないし4のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第1の工程において、前記マイクロカプセルの平均粒径と略同じ厚みに、前記基板上に前記マイクロカプセル分散液を塗布する請求項1ないし5のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、吸引手段により前記分散媒を吸引して前記マイクロカプセルを集める請求項1ないし6のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記マイクロカプセルの自重により該マイクロカプセルを集める請求項1ないし7のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記基板を傾斜させ、前記マイクロカプセルを集める請求項8に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記基板の傾斜角度θは、略0〜45°である請求項9に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記基板の前記マイクロカプセルを集める部位の少なくとも一部の親水性を他の部位より高くし、前記マイクロカプセルを集める請求項1ないし10のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記基板の前記マイクロカプセルを集める部位以外の所定部位の疎水性を他の部位より高くし、前記マイクロカプセルを集める請求項11に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、集め部材により、前記マイクロカプセルに対し、前記マイクロカプセルを移動させる方向に外圧を加え、前記マイクロカプセルを集める請求項1ないし12のいずれかに記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 電極と、基板と、該基板上に設けられ、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなる複数のマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置であって、
前記マイクロカプセルは、前記基板上に、該マイクロカプセルと、バインダ材と、分散媒とを含むマイクロカプセル分散液を供給し、前記基板上において、所定の方向へ移動して集められたものであることを特徴とする電気泳動表示装置。 - 電極と、基板と、該基板上に設けられ、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を封入してなる複数のマイクロカプセルとを有する電気泳動表示装置であって、
前記複数のマイクロカプセルは、前記基板上に、厚み方向に重なることなく1個ずつ配設されていることを特徴とする電気泳動表示装置。 - 請求項14または15に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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