JP2006258981A - 電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿性および信頼性を向上させ、表示性能に優れた電気泳動表示装置およびかかる電気泳動表示装置を備えた信頼性の高い電子機器を提供すること。
【解決手段】電気泳動表示装置20は、画像を表示する装置本体19を有し、この装置本体19を、装置本体19内への水蒸気の浸入を防止し得る程度の水蒸気不透過性を有するシート材(保護層)8で被包してなるものである。ここで、装置本体19は、第1の電極3を備える透明基板(第1の基板)1と、第2の電極4を備える対向基板(第2の基板)2と、透明基板1と対向基板2との間に、第1の電極3と第2の電極4とに挟持された複数のマイクロカプセル40を有している。このマイクロカプセル40は、その内部に、電気泳動分散液10を封入している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動表示装置および電子機器に関するものである。
一般に、液体中に微粒子を分散させた分散系に電界を作用させると、微粒子は、クーロン力により液体中で移動(泳動)することが知られている。この現象を電気泳動といい、近年、この電気泳動を利用して、所望の情報(画像)を表示させるようにした電気泳動表示装置が新たな表示装置として注目を集めている。
この電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態での表示メモリー性や広視野角性を有することや、低消費電力で高コントラストの表示が可能であること等の特徴を備えている。
また、電気泳動表示装置は、非発光型デバイスであることから、ブラウン管のような発光型の表示デバイスに比べて、目に優しいという特徴も有している。
このような電気泳動表示装置としては、電極を有する一対の基板間に、電気泳動粒子を液相分散媒に分散してなる電気泳動分散液を封入した複数のマイクロカプセルと、各基板とマイクロカプセルとを固定するバインダ材が配設されたマイクロカプセル型のものが知られている。
このマイクロカプセルや電気泳動分散液は、耐湿性が低く、吸湿すると電気泳動表示装置のコントラストが悪化したり、場合によっては適切に表示しなくなる等の問題が生じる。
かかる問題を解消するため、一対の基板の周縁部を、樹脂で封止することにより、装置内部への水分の浸透を防止する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法では、封止部が樹脂で構成されるため、被覆部を介して水分が透過し易く、装置内部の吸湿を十分に防止することができないという問題がある。
また、電気泳動表示装置の性能向上に伴い、基板の周縁部だけでなく、基板を透過するわずかな水分も問題となりつつある。
米国特許第6312304号公報
本発明の目的は、耐湿性および信頼性を向上させ、表示性能に優れた電気泳動表示装置およびかかる電気泳動表示装置を備えた信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の電気泳動表示装置は、第1の基板と、
前記第1の基板に対向する第2の基板と、
前記第1の基板の裏面と前記第2の基板の裏面との隙間に設けられた電気泳動層と、
前記第1の基板の表面と前記第2の基板の表面と前記隙間とに重なる保護層と、を備えることを特徴とする。
これにより、耐湿性および信頼性を向上させた電気泳動表示装置が得られる。また、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた隙間以外にも、第1の基板および第2の基板の表面を覆うことができ、表面から浸透する水分等から電気泳動表示装置を保護することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層の第1の部分と前記保護層の第2の部分とが接合部で接合されていることが好ましい。
これにより、1枚の保護層で第1の基板の表面と第2の基板の表面と貼り合わせの隙間とを覆うことができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は、
前記第1の基板の表面に形成された第1の領域と、
前記第2の基板の表面に形成された第2の領域と、を有し、
前記第1の領域の一部と前記第2の領域の一部とが接合部で接合されていることが好ましい。
2枚以上の保護層を接合することにより、接合作業を容易にすることができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記接合部は前記第1の基板と前記第2の基板との前記隙間に面して形成されていることが好ましい。
これにより、接合作業を容易にすることができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記接合部は前記第1の基板の表面または前記第2の基板の表面に面して形成されていることが好ましい。
これにより、水分等が浸透し易い接合部を、同じく水分等が浸透し易い貼り合わせの隙間から遠ざけることができ、電気泳動表示装置の保護性を高めることができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は水蒸気不透過性を有することが好ましい。
これにより、装置本体内への水蒸気の浸入を防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は、40℃、90%RHにおけるその水蒸気透過度が10g/m・day以下であることが好ましい。
これにより、装置本体内への水蒸気の浸入をより確実に防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は透光性を有し、可視光の透過率が60%以上であることが好ましい。
これにより、電気泳動表示装置の表示結果をより確実に視認することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は、複数層の積層体で構成されていることが好ましい。
これにより、保護層に多様な機能を付加することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は接着剤層を含み、該接着剤層が前記第1の基板または前記第2の基板に接することが好ましい。
これにより、装置本体と保護層との剥離を防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記接着剤層は、常温では固形であり、加熱することで溶解し、接着性を示すものであることが好ましい。
これにより、シート材で装置本体を封止する操作の際に、接着剤層が作業者の手やシート材を貼着する装置に付着するのを防止することができ、その操作性を向上させることができる。また、接着剤層を装置本体の表面形状に沿って、より確実に変形しつつ密着させることができるため、接着剤層を透過する光の意図しない反射、屈折および散乱等を抑制することができる。その結果、電気泳動表示装置の表示性能(例えば、コントラスト等)の低下を防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記接着剤層は、アクリレート系接着剤を含むものであることが好ましい。
アクリレート系接着剤は、特に低い温度で溶融または軟化するため、シート材で装置本体を封止する操作において、装置本体が高温に曝されるのを防止することができる。また、アクリレート系接着剤は、透明性が高い材料である。このようなことから、電気泳動表示装置の表示性能の低下をより確実に防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記接着剤層は、エチレンエチルアクリレート共重合体を含むものであることが好ましい。
エチレンエチルアクリレート共重合体は、防湿性が高く、また、熱安定性および可撓性に優れる。このため、接着剤層をエチレンエチルアクリレート共重合体を主材料として構成することにより、電気泳動表示装置の耐湿性および信頼性をより向上させることができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層はシート基材を含み、該シート基材が水蒸気不透過性を有することが好ましい。
これにより、シート材全体が水蒸気不透過性を有する。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は前記シート基材より柔軟な材料からなる中間層を含み、該中間層が前記接着剤層と前記シート基材との間に形成されていることが好ましい。
これにより、シート材において、中間層が、接着剤層とシート基材との間で生じる応力を緩和する機能を有し、接着剤層と中間層とシート基材との間の剥離がより確実に防止され、シート材により装置本体をより確実に封止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は紫外線吸収剤を含むものであることが好ましい。
これにより、装置本体に到達する紫外線量を低減することができるため、装置本体の紫外線による劣化をより確実に抑制または防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記保護層は、その平均厚さが25〜300μmであることが好ましい。
これにより、シート材は、水分の透過を確実に防止しつつ、電気泳動表示装置の可撓性が低下および厚さが増大するのを防止し得るものとなる。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の電気泳動表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の電気泳動表示装置の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す電気泳動表示装置20は、画像を表示する装置本体19を有し、この装置本体19を、装置本体19内への水蒸気の浸入を防止し得る程度の水蒸気不透過性を有する保護層で被包してなるものである。本実施形態では、前記保護層として、図1に示すシート材8を代表として説明する。
ここで、装置本体19は、第1の電極3を備える透明基板(第1の基板)1と、第2の電極4を備える対向基板(第2の基板)2と、透明基板1と対向基板2との間に、第1の電極3と第2の電極4とに挟持された複数のマイクロカプセル40を有している。また、複数のマイクロカプセル40は、バインダ材41により固定されている。
透明基板1および対向基板2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配される各部材を支持および保護する機能を有する。
各基板1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基板1、2を用いることにより、可撓性を有する電気泳動表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーのような変形可能な電子機器を構築する上で有用な電気泳動表示装置20を得ることができる。
また、各基板1、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態では、透明基板1を透過した光を視認することにより表示内容を確認するため、透明基板1の構成材料としては、透光性の高い材料が選択される。一方、対向基板2の構成材料としては、透光性は特に要求されない。
このような基板1、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20〜500μm程度であるのが好ましく、25〜250μm程度であるのがより好ましく、50〜150μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、電気泳動表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、電気泳動表示装置20の小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
これらの基板1、2のマイクロカプセル40側の面、すなわち、透明基板1の下面(裏面)および対向基板2の上面(裏面)には、それぞれ、層状(膜状)をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。
第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が電気泳動粒子5a、5bに作用する。
本実施形態では、第1の電極3が共通電極とされ、第2の電極4がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(画素電極)とされており、第1の電極3と1つの第2の電極4とが重なる部分が1画素を構成する。なお、第1の電極3も、第2の電極4と同様に複数に分割するようにしてもよい。
各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、金、銀、モリブデン、タンタルまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、酢酸ビニル等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、HO、LiCl、LiBr、LiI、LiNO、LiSCN、LiCFSO、NaBr、NaI、NaSCN、NaClO、NaCFSO、KI、KSCN、KClO、KCFSO、NHI、NHSCN、NHClO、NHCFSO、MgCl、MgBr、MgI、Mg(NO、MgSCN、Mg(CFSO、ZnCl、ZnI、ZnSCN、Zn(ClO、Zn(CFSO、CuCl、CuI、CuSCN、Cu(ClO、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SnO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他、各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス材料、ゴム材料、高分子材料等の導電性を有さない材料中に、金、銀、ニッケル、カーボン等の導電性材料(導電性粒子)を混合して、導電性を付加したような各種複合材料も使用することができる。
このような複合材料の具体例としては、例えば、ゴム材料中に導電性材料を混合した導電性ゴム、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等の接着剤組成物中に導電性材料を混合した導電性接着剤または導電性ペースト、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等のマトリックス樹脂中に導電性材料を混合した導電性樹脂等が挙げられる。
このような電極3、4の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.05〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
なお、各電極3、4は、前述したような材料の単体からなる単層構造のものの他、例えば、複数の材料を順次積層したような多層積層構造のものであってもよい。すなわち、各電極3、4は、それぞれ、例えば、ITOで構成される単層構造であってもよく、ITO層とポリアニリン層との2層積層構造とすることもできる。
また、装置本体(セル)19の側部近傍であって、透明基板1と対向基板2との間には、第1の電極3と第2の電極4との間隔を規定する機能を有するスペーサ7が設けられている。
本実施形態では、このスペーサ7は、装置本体19の外周を囲むようにして設けられている。
スペーサ7の構成材料としては、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、スペーサ7は、装置本体19の外周を囲むようにして設けられる構成に限定されず、例えば、複数のスペーサ7を所定間隔おいて、装置本体19の側部近傍に配設するようにしてもよい。また、スペーサ7は、省略されていてもよい。
このスペーサ7と、透明基板1と、対向基板2とで画成(形成)される空間(セルのない部空間)71には、電気泳動分散液10が封入された複数のマイクロカプセル40と、バインダ材41が設けられている。これら複数のマイクロカプセル40とバインダ材41とで、電気泳動分散液層が構成されている。
マイクロカプセル40は、透明基板1と対向基板2の間(透明基板1の裏面と対向基板2の裏面との隙間)に、縦横に並列するように単層で(厚み方向に重なることなく1個ずつ)配設され、それぞれ第1の電極3および第2の電極4に接触している。また、本実施形態では、隣り合う2つの第2の電極4に対して、1つのマイクロカプセル40が配置されている。すなわち、マイクロカプセル40は、隣り合う2つの第2の電極4にまたがるように配置されている。
このマイクロカプセル40は、その内部に、電気泳動分散液10を封入している。
このマイクロカプセル40の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、マイクロカプセル40の作製手法(マイクロカプセル40への電気泳動分散液10の封入方法)としては、特に限定されないが、例えば、界面重合法、in−situ重合法、相分離法(または、コアセルベーション法)、界面沈殿法、スプレードライング法等の各種マイクロカプセル化手法を用いることができる。なお、前記のマイクロカプセル化手法は、マイクロカプセル40の構成材料等に応じて、適宜選択するようにすればよい。
このようなマイクロカプセル40は、その大きさがほぼ均一であることが好ましい。これにより、電気泳動表示装置20は、より優れた表示性能を発揮することができる。なお、均一な大きさのマイクロカプセル40は、例えば、濾過法、比重差分級法等を用いることにより得ることができる。
マイクロカプセル40の大きさ(平均粒径)は、特に限定されないが、通常、10〜150μm程度であるのが好ましく、20〜100μm程度であるのがより好ましい。
電気泳動分散液10は、少なくとも1種の電気泳動粒子を液相分散媒6に分散(懸濁)してなるものである。
電気泳動粒子の液相分散媒6への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
電気泳動分散液10としては、大別すると、液相分散媒6に1種の電気泳動粒子が分散されている形態のものと、液相分散媒6に特性の異なる複数種の電気泳動粒子が分散されている形態のもの等があるが、このいずれを用いてもよい。
本実施形態の電気泳動表示装置20では、特性(色および帯電極性)の異なる2種の電気泳動粒子5a、5bを有している。この電気泳動粒子5aは白色のものであり、電気泳動粒子5bは有色のものである。
各電気泳動粒子5a、5bは、それぞれ異なる電荷を有し、電界が作用することにより、液相分散媒6中を電気泳動し得る粒子であれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、亜鉛華、二酸化珪素等の白色顔料、モノアゾ、ビスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を適宜染色して任意の着色粒子として、組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
これらの中でも、電気泳動粒子5aは、主として酸化チタンで構成されるものが好ましい。酸化チタンは、高い白色度を有しており、有色の電気泳動粒子5bとのコントラストが高くなり、電気泳動表示装置20の表示内容の視認性を向上させることができる。
一方、電気泳動粒子5bは、主としてアクリル系樹脂で構成されるものが好ましい。アクリル系樹脂は、無機材料である酸化チタンと凝集し難いため、電気泳動表示装置20の表示内容の視認性を向上させることができる。
また、電気泳動粒子5aの平均粒径は、0.1〜10μm程度であるのが好ましく、0.1〜7.5μm程度であるのがより好ましく、特に0.2〜0.5μm程度であるのがさらに好ましい。
一方、電気泳動粒子5bの平均粒径は、0.5〜20μm程度であるのが好ましく、2〜10μm程度であるのがより好ましい。
各電気泳動粒子5a、5bの平均粒径を前記範囲内とすることにより、各電気泳動粒子5a、5bの液相分散媒6中での分散性を好適に維持しつつ、電気泳動粒子5aと電気泳動粒子5bとの凝集を効果的に防止することができる。
液相分散媒6としては、比較的高い絶縁性を有する液体が好適に使用される。かかる液相分散媒6としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、パラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィン等の石油系炭化水素類、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類(アルキルベンゼン誘導体)等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
これらの中でも、液相分散媒6としては、アルキルベンゼン誘導体(特にドデシルベンゼン)が好適である。アルキルベンゼン誘導体は、その原料が比較的安価かつ容易に入手可能であり、また、安全性も高いことから好ましい。
また、液相分散媒6(電気泳動分散液10)中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
さらに、液相分散媒6には、必要に応じて、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料、トリフェニルメタン系染料、ピラゾロン系染料、スチルベン系染料、ジフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アリザリン系染料、アクリジン系染料、キノンイミン系染料、チアゾール系染料、メチン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
このような電気泳動表示装置20では、第1の電極3および第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に生じる電界にしたがって、各電気泳動粒子5a、5bは、それぞれ、いずれかの電極に向かって電気泳動する。
例えば、電気泳動粒子5aが正電荷、電気泳動粒子5bが負電荷を有する場合、第2の電極4を正電位とすると、図2(A)に示すように、電気泳動粒子5aは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まり、一方、電気泳動粒子5bは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、電気泳動粒子5aの色が見えることになる。
これとは逆に、第2の電極4を負電位とすると、図2(B)に示すように、電気泳動粒子5aは、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まり、一方、電気泳動粒子5bは、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、電気泳動粒子5bの色が見えることになる。
したがって、第1の電極3と第2の電極4との間への電圧の印加の有無や、第2の電極4の極性等を適宜設定することにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、電気泳動粒子5aの色および電気泳動粒子5bの色との組み合わせにより、所望の情報(画像)が表示される。
なお、液相分散媒6に1種の電気泳動粒子が分散されている電気泳動分散液10を用いる場合には、例えば、その電気泳動粒子として正電荷を有するものを用いた場合、第2の電極4を正電位とすると、電気泳動粒子は、第1の電極3側に移動して、第1の電極3に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、電気泳動粒子の色が見えることになる。
これとは逆に、第2の電極4を負電位とすると、電気泳動粒子は、第2の電極4側に移動して、第2の電極4に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、液相分散媒6の色が見えることになる。
また、各電気泳動粒子5a、5bの比重は、それぞれ、液相分散媒6の比重とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、各電気泳動粒子5a、5bは、それぞれ、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散液6中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、電気泳動表示装置20に表示された情報が長時間保持されることとなる。
バインダ材41は、基板1、2同士を接合する目的、基板1、2間にマイクロカプセル40を固定する目的、電極3、4間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、電気泳動表示装置20の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
このバインダ材41には、各電極3、4およびマイクロカプセル40との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
このようなバインダ材41としては、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、ABS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリレート、グラフト化ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリビニルピロリドン等の高分子、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロピレン、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーンゴム等の珪素樹脂、その他として、メタクリル酸−スチレン共重合体、ポリブチレン、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、バインダ材41は、その誘電率が前記液相分散媒6の誘電率とほぼ等しくなるよう設定されているのが好ましい。このため、バインダ材41中には、例えば、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールのようなアルコール類、ケトン類、カルボン酸塩等の誘電率調節剤を添加するのが好ましい。
なお、本実施形態では、マイクロカプセル40は、隣り合う2つの画素電極(第2の電極4)にまたがるように配置されているが、本発明では、これに限らず、例えば、マイクロカプセル40が、隣り合う3つ以上の画素電極にまたがるように配置されていてもよく、また、隣り合う画素電極にまたがらないように配置されていてもよく、また、隣り合う画素電極にまたがるマイクロカプセル40とまたがらないマイクロカプセル40とが混在していてもよい。
また、本実施形態では、2つの画素電極に対して、1つのマイクロカプセル40が配置されているが、本発明では、これに限らず、例えば、1つの画素電極に対して1つのマイクロカプセル40が配置されていてもよく、また、1つの画素電極に対して複数のマイクロカプセル40が配置されていてもよく、また、3つ以上の画素電極に対して1つのマイクロカプセル40が配置されていてもよい。
また、本実施形態は、マイクロカプセル型のものであるが、これは一例に過ぎず、本発明の電気泳動表示装置は、例えば、透明基板1と対向基板2との間に隔壁が形成されており、電気泳動分散液10が隔壁で仕切られた複数の空間に充填されて設けられていてもよい。また、電気泳動粒子に電界を与える2つの電極(第1の電極3と第2の電極4)は、上記実施形態のように透明基板1と対向基板2とにそれぞれ形成されなくてもよく、いずれか一方の基板に並べて形成する、いわゆる水平移動型の電気泳動表示装置であってもよい。さらに、電気泳動粒子は上記実施形態のように必ずしも液相分散媒6に分散されていなくてもよく、上記隔壁で仕切られた空間に電子粉流体が浮遊して分散する、いわゆる電子紛流体型の電気泳動表示装置であってもよい。
このような装置本体19は、上下両側から2枚のシート材8が貼着され、その全体が2枚のシート材(保護層)8で封止されている。ここで、透明基板(第1の基板)1の上面(表面)に形成された(位置した)シート材8を「第1の領域」、対向基板(第2の基板)2の下面(表面)に形成された(位置した)シート材8を「第2の領域」という。そして、シート材8の第1の領域の一部と第2の領域の一部とが接合部で接合されている。本実施形態では、2枚のシート材8の端部同士が接合され、その接合部84が、装置本体19の側部、すなわち、透明基板1と対向基板2との隙間に面するように位置している。また、このように装置本体19を被包する保護層としてシート材8を用いることにより、より容易かつ安価に前記保護層を設けることができる。
このシート材8は、水蒸気不透過性を有するものである。マイクロカプセル40や電気泳動分散液10は、耐湿性が低く、吸湿すると電気泳動表示装置20のコントラストが悪化したり、適切に表示しなくなる等の問題が生じる場合があるが、装置本体19をシート材8で封止することにより、マイクロカプセル40や電気泳動分散液10が吸湿するのを防止することができる。その結果、電気泳動表示装置20の表示性能が経時的に低下するのを防止するとともに、信頼性(寿命、耐油性、耐薬品性)をより向上させることができる。
シート材(保護層)8は、装置本体19内への水蒸気の浸入を防止し得る程度の水蒸気不透過性を有していればよく、その水蒸気透過度は特に限定されないが、10g/m・day程度以下であるのが好ましく、5g/m・day程度以下であるのがより好ましい。ただし、水蒸気透過度の測定条件は、40℃、90%RHである。これにより、装置本体19内への水蒸気の浸入をより確実に防止することができる。
また、シート材8は、その少なくとも透明基板1を臨む部分が透光性を有するものであるのが好ましい。これにより、透明基板1およびシート材8を介して、電気泳動表示装置20の表示結果を確実に視認することができる。
シート材8の透光性を有する部分は、その可視光の透過率ができるだけ高いほど好ましく、具体的には、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましい。これにより、電気泳動表示装置20の表示結果をより確実に視認することができる。
図3に示すシート材(保護層)8は、シート基材81と、このシート基材81に中間層82と接着剤層83とが順に積層された積層体で構成されている。シート材としてこのような積層体を用いることにより、シート材に多様な機能を付加することができる。
なお、以下では、装置本体19を封止した状態を基準に、シート材8の装置本体19側の面を「内面」、装置本体19と反対側の面を「外面」と言う。
接着剤層83は、シート材8で装置本体19を封止した状態で、装置本体19に密着する。これにより、装置本体19とシート材8との剥離を防止することができる。
この接着剤層83は、常温で接着性を示すものでもよいが、常温では固形であり、加熱することにより溶融して接着性を示すものが好ましい。これにより、シート材8で装置本体19を封止する操作の際に、接着剤層83が作業者の手やシート材8を貼着する装置に付着するのを防止することができ、その操作性を向上させることができる。また、接着剤層83を装置本体19の表面形状に沿って、より確実に変形しつつ密着させることができるため、接着剤層83を透過する光の意図しない反射、屈折および散乱等を抑制することができる。その結果、電気泳動表示装置20の表示性能(例えば、コントラスト等)の低下を防止することができる。
接着剤層83の構成材料としては、比較的低温で接着性(粘着性)を示すものであればよく、特に限定されないが、例えば、ホットメルト接着剤、エマルジョン接着剤、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、接着剤層83は、主としてホットメルト接着剤で構成されているのが好ましい。ホットメルト接着剤は、特に低い温度で溶融または軟化するため、シート材8で装置本体19を封止する操作において、装置本体19が高温に曝されるのを防止することができる。その結果、電気泳動表示装置20の表示性能の低下を防止することができる。
また、ホットメルト接着剤としては、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレート共重合体のようなアクリレート系接着剤、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル酢酸ビニル共重合体のような酢酸ビニル系接着剤等を用いることができるが、この中でも、アクリレート系接着剤を主成分とするものを用いるのが好ましい。アクリレート系接着剤を主材料として接着剤層83を構成することにより、前記効果をより顕著なものとすることができる。また、アクリレート系接着剤は、透明性も高い材料であることから好ましい。
さらに、ホットメルト接着剤としては、アクリレート系接着剤の中でも、特に、エチレンエチルアクリレート共重合体を主成分とするものが好ましい。エチレンエチルアクリレート共重合体は、防湿性が高く、また、熱安定性および可撓性に優れる。このため、接着剤層83をエチレンエチルアクリレート共重合体を主材料として構成することにより、電気泳動表示装置20の耐湿性および信頼性をより向上させることができる。
シート基材81は、シート材8の主要部を構成する層である。本実施形態では、このシート基材81が水蒸気不透過性とされ、これにより、シート材8全体が水蒸気不透過性となっている。
このようなシート基材81の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの材料は、透光性および水蒸気不透過性が高い。
また、これらの材料は、耐熱性にも優れているため、本実施形態のように、加熱により装置本体19に貼着するシート材8には、好適である。これにより、装置本体19を封止した後において、シート材8の外面が荒れる(波打つ)のを防止することができる。その結果、シート材8の外面における光の散乱を防止して、電気泳動表示装置20の表示性能が低下するのを防止することができる。
また、シート基材81は、硬度が比較的高いものが好ましい。これにより、シート材8の外面に傷つきを防止する機能を付与することができる。このため、かかるシート材8で封止された装置本体19の表面、すなわち、透明基板1の対向基板2と反対側の面(表面)および対向基板2の透明基板1と反対側の面(表面)が傷つくのを防止して、表面における光の散乱を防止することができる。その結果、電気泳動表示装置20の表示性能が低下するのを防止することができる。
このようなことから、シート基材81の構成材料としては、前述したものの中でも、結晶性の高い材料が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを主成分とするものが好ましい。ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートは、透明性および水蒸気不透過性に優れ、硬度、融点が高く、シート基材81の構成材料として最適である。また、安価で入手が容易という利点も有する。
中間層82は、接着剤層83とシート基材81との間に配置されている。この中間層82は、シート基材81より柔軟な材料からなるものであるのが好ましい。この中間層82は、各種の目的で設けることができるが、本実施形態では、接着剤層83とシート基材81の熱膨張率やヤング率の差に起因して生じる応力を緩和することを主たる目的として中間層82を設けている。これにより、シート材8において、接着剤層83と中間層82とシート基材81との間の剥離がより確実に防止され、シート材8により装置本体19をより確実に封止することができる。
このような中間層82の構成材料としては、シート基材81に対し比較的柔軟な材料が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレン等の低密度ポリオレフィン、ポリブタジエン、ポリウレタンのような熱可塑性樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーのような各種樹脂材料、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、中間層82の構成材料としては、低密度ポリエチレンを主成分とするものが好ましい。低密度ポリエチレンを主材料として中間層82を構成することにより、前記効果がより顕著に発揮され、前述したような意図しない光の反射、屈折および散乱等を防止することができ、電気泳動表示装置20の表示性能の低下をより確実に防止することができる。また、低密度ポリエチレンは、高い透明性を有することからも好ましい材料である。
このようなシート材8は、その平均厚さが25〜300μm程度であるのが好ましく、30〜200μm程度であるのがより好ましい。シート材8の平均厚さが前記範囲内であることにより、シート材8は、水分の透過を確実に防止しつつ、電気泳動表示装置20の可撓性が低下および厚さが増大するのを防止し得るものとなる。
また、本実施形態の場合、各層の平均厚さは、それぞれ、次のようにするのが好ましい。
シート基材81の平均厚さは、15〜290μm程度であるのが好ましく、20〜180μm程度であるのがより好ましい。
中間層82の平均厚さは、5〜50μm程度であるのが好ましく、10〜45μm程度であるのがより好ましい。
接着剤層83の平均厚さは、5〜50μm程度であるのが好ましく、10〜45μm程度であるのがより好ましい。
また、このようなシート材8は、水蒸気不透過性を有するとともに、紫外線吸収剤を含むものであるのが好ましい。また、このとき、シート材8の紫外線吸収率が、透明基板1の紫外線吸収率より高いのがより好ましい。これにより、装置本体19に到達する紫外線量を低減することができるため、装置本体19の紫外線による劣化をより確実に抑制または防止することができる。特に、装置本体19に含まれる有機薄膜トランジスタ(図示せず)等は、紫外線耐性が低いため、シート材8に高い紫外線吸収能を付与することにより、電気泳動表示装置20の信頼性の低下を防止することができる。
紫外線吸収率を高める方法としては、例えば、シート材8の各層の少なくとも1つの層を構成する材料中に、紫外線吸収剤を混合すること等が挙げられる。
この場合、混合する紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]のようなベンゾトリアゾール系化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの紫外線吸収剤は、紫外線の吸収能に優れるとともに、各種樹脂材料やゴム材料との相溶性が高いことから好ましい。
このような電気泳動表示装置20は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] マイクロカプセル分散液の供給工程
まず、マイクロカプセル40と、バインダ材41と、分散媒(特に水系溶媒)とを含むマイクロカプセル分散液を調製する。
そして、このマイクロカプセル分散液を、対向基板2(第2の電極4)上に供給して、被膜を形成する。
マイクロカプセル分散液を対向基板2上に供給する方法(供給方法)としては、特に限定されないが、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いるのが好適である。かかる塗布法によれば、比較的容易かつ精度よく、目的とする厚さの被膜を形成することができる。
このとき、マイクロカプセル分散液は、マイクロカプセル40の平均粒径とほぼ等しい厚さとなるように供給されるのが好ましい。これにより、マイクロカプセル40を対向基板2上に単層で配置することができる。
[2] 透明基板1と対向基板2の接合工程
次に、透明基板1を、その第1の電極3が各マイクロカプセル分散液の塗膜と対向するように対向基板2に重ね、図1に示すように、マイクロカプセル40およびスペーサ7を介在させて、透明基板1と対向基板2とを互いに接合する。これにより、装置本体19を得る。
この透明基板1と対向基板2の接合は、塗膜(マイクロカプセル分散液)中のバインダ材41を接着剤として利用して行う。すなわち、塗膜を乾燥させ、塗膜中の分散媒を揮発除去する。
[3] 装置本体19の封止工程
次に、図1に示すように、シート材8で装置本体19を封止する。
シート材8で装置本体19を封止する方法としては、特に限定されないが、ロールラミネート法、真空ラミネート法等の各種ラミネート法を用いることができる。これらの方法は、装置本体19とシート材8との間に生じる空隙(ボイド)を最小限にしつつ、比較的大面積の装置本体19に対しても効率よく、封止することができる。
このような各種ラミネート法の中でも、シート材8による装置本体19の封止方法としては、ロールラミネート法を用いるのが好ましい。ロールラミネート法を用いることにより、ローラが装置本体19を押さえつつ、封止するため、装置本体19が変形等することを防止しつつ、容易に封止することができる。また、ローラにより、シート材8と装置本体19との間の空気を押し出すように封止するため、シート材8と装置本体19との間に空気が残留するのをより確実に防止することができる。
図5に、ラミネート法の一例としてロールラミネート法の概念図を示す。なお、以下では、説明の都合上、図5中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図5に示すように、上下に並んだ2つのローラ91、92の間を、装置本体19を挟持した状態の2枚のシート材8を、一端側から他端側に向かって通過させる。
このとき、各ローラ91、92の内部には、ヒーターが設けられており、このヒーターの加熱により、接着剤層83を溶融または軟化させる。これにより、シート材8は、装置本体19の表面に密着しつつ、装置本体19を封止する。
以上の工程を経て、装置本体19をシート材8で封止してなる電気泳動表示装置20が得られる。
<第2実施形態>
次に、電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態の電気泳動表示装置の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図4中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第2実施形態の電気泳動表示装置について説明するが、前記第1実施形態の電気泳動表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の電気泳動表示装置20では、図4に示すように、シート材8の端部同士(第1の部分と第2の部分)が接合された接合部84の位置が異なること以外は、前記第1実施形態の電気泳動表示装置20と同様である。
すなわち、本実施形態では、1枚のシート材8で装置本体19を封止し、その端部同士が接合された接合部84が装置本体19の側部を除く部分、特に、対向基板2の透明基板1と反対側(対向基板2の下面側)に位置している。
シート材8の端部同士が接合されていることにより、シート材8における水蒸気不透過性の程度が比較的低い部分、すなわち、接着剤層83および中間層82が外部に露出する部分の面積が小さくなり、接着剤層83および中間層82を水蒸気が透過するのを抑制することができる。かかる観点から、シート材8の接合部84では、シート基材81同士を直接融着するのが好ましい。これにより、シート材8は、より確実にその水蒸気の透過を抑制することができる。
また、接合部84が、装置本体19の側部を除く部分に位置していることにより、装置本体19の中でも特に耐湿性が低い側部が吸湿するのをより確実に防止することができる。これにより、シート材8による装置本体19の吸湿を防止する効果をより向上させることができる。換言すると、水分等が透過し易い接合部84の位置を、耐湿性が低い装置本体19の側部から遠ざけることにより、前記効果を得ることができる。
また、接合部84が、対向基板2の透明基板1と反対側に位置していることにより、基板における水蒸気不透過性(防湿性)は、スペーサ7で封止した側部よりも高く、例え、シート材8の端部同士の間を水分が通過した場合でも、装置本体19内に水分が浸入するのを防止することができるため、電気泳動表示装置20の表示性能が低下するのを防止することができる。
また、電気泳動表示装置20の外周部に形成される縁部(ベゼル)の面積を小さくすることができる。これにより、電気泳動表示装置20の外寸法を小さくするとともに、その設計自由度を広げることができる。
また、画像を視認する側(透明基板1側)に、シート材8の端部が位置しないので、シート材8の端部の存在により電気泳動表示装置20が表示する情報(画像)に悪影響が及ぶことがない。
なお、図示の構成のように、シート材8の端部同士は、接合されているのが好ましいが、端面同士が接触していてもよく、端面同士が離れていてもよい。また、接合部84は、透明基板1の上面(表面)側に位置してもよい。
以上説明したシート材8は、3層構成のものであったが、中間層82を省略した2層構成とすることもでき、さらに接着剤層83を省略した単層構成とすることもできる。
なお、単層構成のシート材8は、例えば、装置本体19を挟持した状態で、減圧下にシート材8の周辺部を融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)すること等により、装置本体19を封止することができる。
また、前記各実施形態では、保護層をシート材で構成する場合について説明したが、保護層は、例えば、硬質の容器で構成することもできる。この場合、容器内に装置本体19を収納して封止すればよい。
<電子機器>
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図6は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図6に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図7は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図7中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図7に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図6に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図7(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図7(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図7(a)中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、本発明の電気泳動表示装置20を適用することが可能である。
以上、本発明の電気泳動表示装置および電子機器を、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものでない。
また、本発明の電気泳動表示装置は、各前記実施形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
1.マイクロカプセルの作製
まず、平均粒径0.3μmのチタニア粒子(石原産業社製、「CR−90」)を、チタニア系カップリング剤(味の素社製、「KR TTS」)と、アルミ系カップリング剤(味の素社製、「AL−M」)とにより表面処理した。
次に、このチタニア粒子を、ドデシルベンゼン(関東化学社製)に分散し、さらに、アントラキノン系青色染料(中央合成化学社製)を混合して、電気泳動分散媒を調製した。
次に、この電気泳動分散媒を、アラビヤゴムとゼラチンとを溶解した溶液に滴下し、撹拌した。なお、撹拌の回転速度は、1300rpmとした。
次に、酢酸を用いて溶液のpHを3.7に調節し、その後、氷冷することによりカプセルを析出させた。さらに、ホルムアルデヒドを加え、カプセルに架橋構造を形成した。
次に、一昼夜撹拌を続けた後、分級することによりマイクロカプセル(平均粒径55μm)を得た。
2.マイクロカプセル分散液の調製
次に、作製された各種のマイクロカプセルについて、それぞれ、マイクロカプセルと、水系エマルジョン型のバインダ材(信越化学社製、「ポロン」)とを混合し、バインダ材にマイクロカプセルが分散されたマイクロカプセル分散液を調製した。
3.装置本体の作製
次に、ITOよりなる第2の電極が形成されたポリエチレンテレフタレート製の対向基板を用意した。
そして、マイクロカプセル分散液を、ドクターブレード法によって対向基板上に塗布し、塗膜を形成した。
また、スペーサを対向基板の外周を囲むように配置した。
次いで、80℃、10分間、塗膜を乾燥させた。
そして、ITOよりなる第1の電極が形成されたポリエチレンテレフタレート製の透明基板を、その透明基板が塗膜と対向するように対向基板に重ね、透明基板と対向基板とを互いに接合して、装置本体を作製した。
4.シート材による封止
以下に示すようなシート材を用いて、装置本体を封止し、電気泳動表示装置を製造した。
・シート材
・シート基材
構成材料:ポリエチレンテレフタレート
平均厚さ:75μm
・中間層(紫外線吸収剤として、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを含有)
構成材料:低密度ポリエチレン
平均厚さ:25μm
・接着剤層
構成材料:エチレンエチルアクリレート共重合体
平均厚さ:25μm
・水蒸気透過率:2g/m・day(40℃、90%RH)
・可視光透過率:75%
なお、封止の際には、シート材の端部同士の接合部が、図4に示すように、対向基板の透明電極と反対側の面に位置するようにシート材で装置本体を覆い、ロールラミネート法を用いて封止した。
(実施例2)
図1に示すように、2枚のシート材の間に装置本体を挟持した状態で、シート材の端部同士を接合した接合部が装置本体の側部に位置するように、装置本体をシート材で封止した以外は、前記実施例1と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
(比較例)
装置本体の側部のみをシート材で封止するように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
[評価]
各実施例および比較例で作製した電気泳動表示装置について、高温・高湿における環境試験を行い、表示性能の経時的な変化を調べた。なお、環境試験はJIS C 0022にしたがって240時間行った。また、表示性能の変化は、一定の表示パターン(表示内容)のコントラストの程度を目視にて確認した。
その結果、各実施例で作製した電気泳動表示装置(本発明の電気泳動表示装置)では、いずれも、その表示性能は、環境試験後も初期状態からの変化はなく、良好なものであった。
一方、比較例で作製した電気泳動表示装置では、環境試験後、正常に表示しない不良画素が散在しており、表示のコントラストに問題があった。
なお、さらに、前記環境試験を繰り返し行ったところ、実施例1で作製した電気泳動表示装置の表示性能の低下が最も小さいことが確認された。
本発明の第1実施形態の電気泳動表示装置の縦断面を模式的に示す図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動原理を示す模式図である。 図1に示す電気泳動表示装置の縦断面の一部を拡大した図である。 本発明の第2実施形態の電気泳動表示装置の縦断面を模式的に示す図である。 ラミネート法の一例であるロールラミネート法の概念図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
符号の説明
1‥‥透明基板 2‥‥対向基板 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 5a、5b‥‥電気泳動粒子 6‥‥液相分散媒 7‥‥スペーサ 71‥‥空間 8‥‥シート材 81‥‥シート基材 82‥‥中間層 83‥‥接着剤層 84‥‥接合部 10‥‥電気泳動分散液 19‥‥装置本体 20‥‥電気泳動表示装置 40‥‥マイクロカプセル 41‥‥バインダ材 91、92‥‥ローラ 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部

Claims (18)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板に対向する第2の基板と、
    前記第1の基板の裏面と前記第2の基板の裏面との隙間に設けられた電気泳動層と、
    前記第1の基板の表面と前記第2の基板の表面と前記隙間とに重なる保護層と、を備えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 前記保護層の第1の部分と前記保護層の第2の部分とが接合部で接合されている請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記保護層は、
    前記第1の基板の表面に形成された第1の領域と、
    前記第2の基板の表面に形成された第2の領域と、を有し、
    前記第1の領域の一部と前記第2の領域の一部とが接合部で接合されている請求項1または2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記接合部は前記第1の基板と前記第2の基板との前記隙間に面して形成されている請求項2または3に記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記接合部は前記第1の基板の表面または前記第2の基板の表面に面して形成されている請求項2または3に記載の電気泳動表示装置。
  6. 前記保護層は水蒸気不透過性を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  7. 前記保護層は、40℃、90%RHにおけるその水蒸気透過度が10g/m・day以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  8. 前記保護層は透光性を有し、可視光の透過率が60%以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  9. 前記保護層は、複数層の積層体で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  10. 前記保護層は接着剤層を含み、該接着剤層が前記第1の基板または前記第2の基板に接する請求項4に記載の電気泳動表示装置。
  11. 前記接着剤層は、常温では固形であり、加熱することで溶解し、接着性を示すものである請求項10に記載の電気泳動表示装置。
  12. 前記接着剤層は、アクリレート系接着剤を含むものである請求項10または11に記載の電気泳動表示装置。
  13. 前記接着剤層は、エチレンエチルアクリレート共重合体を含むものである請求項10ないし12のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  14. 前記保護層はシート基材を含み、該シート基材が水蒸気不透過性を有する請求項1ないし13のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  15. 前記保護層は前記シート基材より柔軟な材料からなる中間層を含み、該中間層が前記接着剤層と前記シート基材との間に形成されている請求項14に記載の電気泳動表示装置。
  16. 前記保護層は紫外線吸収剤を含むものである請求項1ないし15のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  17. 前記保護層は、その平均厚さが25〜300μmである請求項1ないし16のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  18. 請求項1ないし17のいずれかに記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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