JP5499923B2 - 表示シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示シートの製造方法に関する。
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有しており、電子ペーパーの画像表示部として特に適している。
特許文献1には、光透過性基板、光透過性電極、電気光学層および積層接着剤層がこの順で積層してなるフロントプレーンと、積層接着剤層に積層されたバックプレーンとを有する表示装置が開示されている。また、電気光学層は、白色と黒色の電気泳動粒子が収容された複数のマイクロカプセルを有している。このような表示装置では、各マイクロカプセル中にて白色の電気泳動粒子を光透過性側基板側に偏在させた状態とし、光透過性基板および光透過性電極を介して電気光学層(マイクロカプセル)に入射し、マイクロカプセル中の白色の電気泳動粒子によって反射・拡散した光を、光透過性基板および光透過性電極を介して出射することにより、白色を表示する。
このような仕組みから明らかなように、特許文献1では、外光が2回、光透過性基板および光透過性電極を透過することにより白色が表示される。ここで、光透過性基板および光透過性電極は、それぞれ、無色透明とされている。しかしながら、これらを合わせた基板の光透過率は、100%ではなく、通常80%〜90%に留まる。仮に、基板の光透過率が80%である場合、外光が2回、光透過性基板および光透過性電極を透過するため、特許文献1の表示装置で使用することのできる光は、外光の64%(80%×80%)にすぎない。そのため、特許文献1の表示装置では、白色の反射率を高めることができず、鮮明な表示を行うことができないという問題がある。
このような問題を解消するため、すなわち、基板の光透過率を高めるために、光透過性電極の厚さをより薄くすることが考えられる。しかしながら、光透過性電極の厚さを薄くすると、その分、光透過性電極の抵抗が高くなり、光透過性電極へ電圧を印加する際に、電圧ドロップ(光透過性電極の面内で電圧ムラが生じる現象)が発生し、各マイクロカプセルに所望の強さの電界を作用させることができなくなる。その結果、表示装置を安定して駆動することができず、表示特性が低下するという問題が生じる。
以上のように、特許文献1の表示装置では、表示特性を維持したまま、白色の反射率を高めることができないという問題がある。
特許第4348180号公報
本発明の目的は、表示シートの製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示シートの製造方法は、板状をなす部材の一方の面に開放する複数の凹部を形成する工程と、
隣り合う前記凹部の間に形成された隔壁の頂部に、導電性を有する配線を形成する工程と、
前記複数の凹部内に、それぞれ、少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を充填する工程と、
平板状をなし光透過性を有する基板の一方の面側に、光透過性を有する膜状の電極が形成された蓋部材を、前記電極と前記配線とが接触するように、かつ前記凹部の開口を塞ぐように、前記部材に接合する工程と
を有し、
前記配線を形成する工程において、前記隔壁の頂部を、前記配線を構成する材料を含む液体に浸すことを特徴とする。
これにより、表示特性の低下を抑制しつつ、より明るい画像を表示することができる表示シートを製造することができる。
本発明の第1実施形態にかかる表示装置を模式的に示す断面図である。 図1に示す電極層の平面図である。 図1に示す表示装置の作動を説明するための断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる表示装置が有する表示面側基板の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる表示装置が有する表示面側基板の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる表示装置を模式的に示す断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる表示装置が有する表示面側基板の平面図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
以下、本発明の表示シート、表示装置、電子機器および表示シートの製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる表示装置を模式的に示す断面図、図2は、図1に示す電極層の平面図、図3は、図1に示す表示装置の作動を説明するための断面図、図4ないし図6は、図1に示す表示装置の製造方法を説明するための断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図7中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
1.表示装置
まず、本発明の表示シートを組み込んだ表示装置(本発明の表示装置)について説明する。
図1に示す表示装置(電気泳動表示装置)1は、表示シート(フロントプレーン)11と、回路基板(バックプレーン)12とを有している。
表示シート11は、基板2および基板2の下面に形成された電極層3を有する表示面側基板4と、表示面側基板4の下面に設けられた表示層5とを有している。また、電極層3は、基板2の下面上に形成された膜状の主電極(共通電極)31と、共通電極31の下面上に形成された導電部32とで構成されている。なお、本実施形態では、共通電極31は、基板2の下面のほぼ全域に形成されているが、少なくとも、後述する各セル51を含むように、すなわち実際に画像が表示される領域を含むように形成されていればよい。
一方、回路基板12は、平板状の基板121と基板121の上面に設けられた複数の画素電極122とを備える背面側基板123と、この背面側基板123に設けられた、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)とを有している。
以下、各部の構成について順次説明する。
−表示層5−
図1に示すように、表示層5は、電気泳動分散液10が収容された複数のセル(収容部)51がマトリックス(行列)状に配列することにより構成されている。表示層5は、複数の凹部52aがマトリックス状に形成された基体52を有しており、この凹部52aが表示面側基板4で塞がれることにより、複数のセル51が形成されている。
基体52は、比較的高い絶縁性と、電気泳動分散液10の不透過性とを有している。このような基体52の構成材料は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン66)、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種の材料または2種以上を混合した材料を用いることができる。
各セル51内に収容(封入)された電気泳動分散液10は、電気泳動粒子7を液相分散媒8に分散してなるものである。電気泳動粒子7には、正または負に帯電する複数の白色粒子(第1の粒子)7aと、白色粒子7aと反対の極性に帯電する複数の黒色粒子(第2の粒子)7bとが含まれている。
電気泳動粒子7の液相分散媒8への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種の方法または2種以上を組み合わせた方法を用いて行うことができる。
液相分散媒8としては、セル51に対する溶解性が低く、かつ比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる液相分散媒8としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、メタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、液相分散媒8としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィン、またはシリコーンオイルを主成分とする液相分散媒8は、電気泳動粒子7の凝集抑制効果が高ことから好ましい。これにより、表示装置1の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィン、またはシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
また、液相分散媒8中には、必要に応じて、例えば電解質、アルケニルコハク酸エステルのような界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。また、液相分散媒8を着色する場合には、液相分散媒8に、必要に応じて、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
電気泳動粒子7は、荷電を有し、電界が作用することにより、液相分散媒8中を電気泳動し得る粒子である。かかる電気泳動粒子7には、荷電を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック、亜クロム酸銅等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン等の白色顔料、モノアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛等の黄色顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができ、かかる粒子は、白色粒子7aとして好適に用いられる。また、カーボンブラック粒子またはその表面を被覆した粒子は、黒色粒子7bとして好適に用いられる。
また、電気泳動粒子7の形状は、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。
電気泳動粒子7の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.1〜4μm、さらに好ましくは0.1〜3μmである。電気泳動粒子7の平均粒子径が0.1μm未満であると、充分な色度が得られず、コントラストが低下して、表示が不鮮明になることがある。逆に、電気泳動粒子7の平均粒子径が5μmを超えると、粒子自体の着色度を必要以上に高くする必要があり、顔料などの使用量が増大することや、電気泳動表示装置に用いた場合に、表示のために電圧を印加した部分で、電気泳動粒子の速やかな移動が困難となり、その応答速度(表示応答性)が低下することがある。
なお、電気泳動粒子7の平均粒子径とは、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LB−500、(株)堀場製作所製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
また、電気泳動粒子7の比重は、液相分散媒8の比重とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子7は、共通電極31と画素電極122との間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散媒8中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、表示装置1にメモリー性を付与することができ、表示された情報が長時間保持されることとなる。
−表示面側基板4−
このような表示層5の上側には、複数の凹部52aを塞ぐようにして表示面側基板4が設けられている。この表示面側基板4は、基板2と電極層3とが積層した構成をなしている。
基板2は、シート状(平板状)の部材で構成されている。また、基板2は、実質的に無色透明とされる。また、基板2は、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、後述する基板121と共に可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基板2、121を用いることにより、可撓性を有する表示装置1、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置1を得ることができる。
基板2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料は、特に限定されないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
このような基板2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上、500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上、250μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置1の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置1の薄型化を図ることができる。
基板2の下面には、電極層3が形成されている。電極層3は、基板2の下面上に形成された共通電極31と、共通電極31の下面上に形成された導電部32とで構成されている。このような構成とすることにより、電極層3が共通電極31と導電部32との積層体で構成されるため、その構成が簡単となる。また、電極層3の製造も、共通電極31を形成した後に導電部32を形成すればよいため、比較的簡単となる。
共通電極31は、膜状をなしており、表示層5の平面視にて、表示層5の少なくとも表示領域(すなわち、各セル51を含む領域)を覆うように形成されている。また、共通電極31は、実質的に無色透明とされる。このように、共通電極31を基板2と共に無色透明とすることにより、表示面側基板4(表示面1a)を介して、マイクロカプセル55中の電気泳動粒子7の状態を視認することができる。
共通電極31の構成材料は、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの2種以上の組み合わせ、または1種を用いることができる。
導電部32は、共通電極31の下面上に形成されている。図2に示すように、導電部32は、共通電極31の縁部に設けられた枠状の縁部321と、縁部321の内側に形成された複数の配線322とを有している。
このような導電部32は、共通電極31の構成材料よりも電気抵抗(体積抵抗)の低い材料で構成されているため、導電部32を省略した場合と比較して、電極層3の電気抵抗(共通電極31の面方向の電気抵抗)を低下させることができる。そのため、導電部32を形成することによって、電圧ドロップ(共通電極31の面内で電圧ムラが生じる現象)の発生を抑制しつつ、共通電極31の厚さをより薄く(例えば、1nm〜10nm程度まで薄く)することができる。共通電極31を薄くすることによって、共通電極31の光透過性が向上し、表示面1aに表示される画像の明るさ(本実施形態では、後述するように、白色の反射率)が向上する。すなわち、導電部32を形成することによって、表示装置1は、表示特性を維持したまま、より明るい画像を表示することができる。
縁部321は、表示面側基板4の平面視にて、実質的に表示の用に供されるセル51の全てを囲むようにして形成されている。言い換えれば、縁部321は、表示層5の実際に画像が表示される表示領域の周囲に設けられている。なお、例えば、表示領域外に表示の用に供しないセルを含む場合には、縁部321は、当該セルを囲むように形成しなくてもよい。
縁部321をこのように配置することにより、縁部321が、表示面1aに表示された画像と重ならないため、より鮮明な画像を表示面1aに表示することができる。
縁部321の幅は、配線322の幅よりも太く設定されている。具体的には、縁部321の幅は、例えば、1mm以上であるのが好ましい。電極層3は、縁部321を介して、回路基板12に形成された回路に接続されるため、縁部321の幅を上記範囲とすることにより、表示装置1の安定した駆動を行うことができる。なお、表示装置1の大型化を防止する観点から、縁部321の幅は、10mm以下であるのが好ましい。
複数の配線322は、表示層5の平面視にて、少なくとも表示層5の表示領域と重なるようにして設けられている。このように、表示層5の表示領域と重なる部分を線状(または帯状)とすることにより、導電部32が画像の表示に悪影響を与えることを最小限に抑えることができる。また、共通電極31に導電部32を、ムラなく形成することができる。
複数の配線322は、格子状に並んでいる。すなわち、配線322は、図2中上下に延びる複数の第1の配線322aと、図2中左右方向に延びる複数の第2の配線322bとを有している。このような配置とすることにより、共通電極31の表示領域の下面に均一に配線322を配置することができるため、より確実に、共通電極31で電圧ドロップが発生するのを抑制することができる。
各第1の配線322aおよび各第2の配線322bは、表示層5の平面視にて、セル51を跨がないよう(すなわち、セル51上を通過しないよう)に配置されている。具体的には、各第1の配線322aおよび各第2の配線322bは、隣り合う2つのセル51同士の間に形成されている。これにより、配線322が目立たなくなり、より鮮明な画像を表示面1aに表示することができる。
本実施形態では、第1の配線322aおよび第2の配線322bは、隣り合うセル51(凹部52a)を仕切っている隔壁52bの上面に沿って設けられている。すなわち、第1の配線322aおよび第2の配線322bは、隣り合うセル51同士の間に形成されている。これにより、後述するように配線322の形成が容易となるとともに、配線322がより目立たなくなる。なお、本実施形態では、各セル51を仕切るように、言い換えれば、隣り合う一対の第1の配線322aと隣り合う一対の第2の配線322bとで囲まれた領域に1つのセル51が含まれるように配線322が形成されているが、これに限定されず、隣り合う一対の第1の配線322aと隣り合う一対の第2の配線322bとで囲まれた領域に複数のセル51が含まれるように配線322が形成されていてもよい。
各第1の配線322aおよび各第2の配線322bの幅は、それぞれ、特に限定されないが、隔壁52bの上面の幅よりも小さいことが好ましい。具体的には、例えば、10nm以上、500nm以下程度であるのが好ましい。これにより、配線322をより目立たなくすることができる。
また、第1の配線322aおよび第2の配線322bのピッチは、それぞれ、特に限定されないが、50μm以上、200μm以下程度であるのが好ましい。これにより、配線322の密度が適当なものとなり、共通電極31の電気抵抗を、共通電極31の面内でより均一に低下させることができる。
導電部32の構成材料は、共通電極31の構成材料よりも電気抵抗の小さい材料であれば、特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的な例としては、例えば、共通電極31がITOで構成されている場合は、導電部32をアルミニウムや酸化クロム(CrO)で構成することができる。
縁部321および配線322のうち、少なくとも配線322の表面は、共通電極31や隔壁52bよりも光反射率が低い。具体的には、配線322の表面の光反射率が20%以下であり、実質的に黒色をなしているのが好ましい。これにより、後述する黒色表示状態のときの反射率を低減することができ、表示コントラストが向上する。
−背面側基板123−
背面側基板123は、平板状の基板121と、基板121の上面に設けられた複数の画素電極122とを備えている。
基板121は、シート状(平板状)の部材で構成されている。また、基板121は、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、前述したように、可撓性を有するものであるのが好ましい。また、基板121は、光透過性を有していても、有していなくてもよい。このような基板121の構成材料や厚さは、前述した基板2と同様であるため、その説明を省略する。
複数の画素電極122は、基板121上にマトリックス状(行列状)に配置されており、各画素電極122が前記スイッチング素子に接続されている。このような構成では、共通電極31と1つの画素電極122とが重なる部分が1画素を構成する。共通電極31と画素電極122との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、その電界がセル51内の電気泳動粒子7に作用する。
なお、図1に示す構成では、1画素中に1つのセル51が含まれているが、これに限定されず、1画素中に複数のセル51が含まれていてもよい。
2.表示装置の作動
表示装置1は、次のようにして作動する。
以下、白色粒子7aとして正荷電を有するものを用い、黒色粒子7bとして負荷電のものを用いた場合について、1つのセル51を例に挙げて説明する。
−白色表示状態−
図3(A)に示すように、共通電極31と画素電極122との間に、共通電極31が負電位、画素電極122が正電位となるような電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界がセル51中の白色粒子7aおよび黒色粒子7bに作用する。すると、白色粒子7aは、共通電極31側に移動(泳動)して共通電極31に集り、黒色粒子7bは、画素電極122側に移動して画素電極122に集まる。このような状態では、セル51を表示面1a側から見ると、白色粒子7aの色である白色が表示される。
−黒色表示状態−
白色表示状態とは逆に、図3(B)に示すように、共通電極31と画素電極122との間に、共通電極31が正電位、画素電極122が負電位となるような電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界がセル51中の白色粒子7aおよび黒色粒子7bに作用する。すると、白色粒子7aは、画素電極122側に移動(泳動)して画素電極122に集り、黒色粒子7bは、共通電極31側に移動して共通電極31に集まる。このような状態では、セル51を表示面1a側から見ると、黒色粒子7bの色である黒色が表示される。
セル51毎に、白色表示状態か黒色表示状態を選択することにより、すなわち、白色表示状態のセル51と黒色表示状態のセル51とを適宜組み合わせることにより、表示面1aに所望の画像が表示される。
3.表示装置の製造方法
表示装置1は、次のようにして製造することができる。
表示装置1の製造方法は、基体52を形成する工程A1と、基体52の隔壁52bの上面に配線322を形成する工程A2と、基体52の凹部52aを電気泳動分散液10で満たす工程A3と、共通電極31が形成された基板2を用意し、この基板を凹部52aの開口を塞ぐように接合することで表示シート11を得る工程A4と、工程A4で得られた表示シート11と回路基板12とを接合する工程A5とを有している。以下、各工程A1〜A5について、順次詳細に説明する。
[工程A1]
図4(a)に示すように、板状の部材100を用意する。次いで、図4(b)に示すように、部材100に、その上面に開放する複数の凹部101をマトリックス状に形成する。これにより、複数の凹部52aが形成された基体52が得られる。なお、凹部101の形成には、ウェットエッチング、ドライエッチング等の各種エッチング法やサンドブラスト法等の公知の方法を用いることができる。
[工程A2]
図4(c)に示すように、例えば、液体金属(導電部32の構成材料を含む液体)300が溜められた槽を用意し、この液体金属300に、工程A1で得られた基体52の凹部52aが開放する側の面を接触させる。これにより、図4(d)に示すように、基体52の上面に導電部32(格子状に配列した複数の配線322およびその周囲に形成された縁部321)を形成することができる。
[工程A3]
図5(a)に示すように、白色粒子7aおよび黒色粒子7bを液相分散媒8に分散してなる電気泳動分散液10を用意し、各凹部52aを電気泳動分散液10で満たす。このとき、電気泳動分散液10の液面を、配線322の上面と一致させる、または上面よりも高くするのが好ましい。言い換えれば、凹部52a内に空気が残らないようにするのが好ましい。これにより、製造された表示装置1のセル51内に空気が残存するのを防止でき、より安定した駆動を行うことができる。
[工程A4]
図5(b)に示すように、無色透明なシート部材110(基板2)を用意する。次いで、シート部材110の上面に、例えばITOなどの電極材料を用いて共通電極31を形成する。これにより、蓋部材130が得られる。共通電極31の形成は、それぞれ、例えば、蒸着、スパッタリング、印刷等の各種成膜方法を用いることができる。
次いで、図5(c)に示すように、蓋部材130を、共通電極31を基体52と対向させるようにして、かつ凹部52aの開口を塞ぐようにして、基体52(配線322)に接合する。これにより、凹部52aと共通電極31とで液密なセル51が画成されるとともに、導電部32が、共通電極31と電気的に接続される。以上の工程によって、表示シート11が得られる。
[工程A5]
図5(d)に示すように、予め用意しておいた回路基板12を、工程A4で得られた表示シート11に接合する。以上により、表示装置1が得られる。
このような製造方法によれば、簡単に、表示装置1を製造することができる。また、特に、工程A2、A3を有しているため、セル51内を電気泳動分散液10で満たすことができる、すなわちセル51内に空気(気泡)が入ってしまうのを防止することができるため、より表示特性の優れた表示装置1を製造することができる。また、工程A2のような浸漬法を用いることにより、配線322を簡単に形成することができる。
また、表示装置1は、次のようにして製造することもできる。
表示装置1の製造方法は、板状をなす部材200の上面に導電膜210を形成して部材220を得る工程B1と、部材220の上面(導電膜210が形成された面)に開放する複数の凹部221を形成することにより、基体52および配線322を同時に形成する工程B2と、各凹部52aを電気泳動分散液10で満たす工程B3と、共通電極31が形成された基板2(蓋部材)を用意し、この基板2を凹部52aの開口を塞ぐように接合することで表示シート11を得る工程B4と、工程B4で得られた表示シート11と回路基板12とを接合する工程B5とを有している。以下、各工程B1〜B5について、順次詳細に説明するが、工程B3〜B5は、前述した工程A3〜A5と同様であるため、その説明を省略する。
[工程B1]
図6(a)に示すように、板状の部材200を用意する。次いで、図6(b)に示すように、部材の上面に、導電性を有する膜状の導電膜210を形成する。これにより、部材220を得る。なお、導電膜210の形成は、例えば、蒸着、スパッタリング、印刷などの各種成膜方法を用いることができる。
[工程B2]
図6(c)に示すように、部材220に、その上面(導電膜210が形成された面)に開放する複数の凹部221を形成する。これにより、凹部52aが形成された基体52と、導電部32とが同時に形成される。なお、凹部221の形成は、ウェットエッチング、ドライエッチング等の各種エッチング法やサンドブラスト法等の公知の方法を用いることができる。
このような製造方法によっても、前述した製造方法と同様、簡単に表示装置1を製造することができる。また、特に、工程B2、B3を有しているため、セル51内を電気泳動分散液10で満たすことができる、すなわちセル51内に空気(気泡)が入ってしまうのを防止することができるため、より表示特性の優れた表示装置1を製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の表示装置の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態にかかる表示装置が有する表示面側基板の断面図である。
以下、第2実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置は、電極層の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様の構成である。
図7に示すように、本実施形態の電極層3Aは、基板2の下面上に形成された導電部32と、導電部32を覆うように形成された共通電極31とを有している。なお、導電部32は、前述したように縁部と配線部で構成されているため、基板2の下面には、導電部32が形成されていない領域も存在する。そして、本実施形態では、膜状の共通電極31を導電部32の上から基板2上に形成することによって、少なくとも導電部32が形成されていない領域を埋めている。
共通電極31の導電部32が形成されている領域の膜厚は、導電部32が形成されていない領域の膜厚よりも薄くなり、例えば前述した第1実施形態と比較して、共通電極31のみが形成されている領域と導電部32と共通電極31とが積層されている領域とで、表示面側基板4Aの下側の段差を緩和(小さく)することができる。そのため、表示面側基板4Aを表示層5に接合する際に、前記段差付近に気泡(空気層)が残存するのをより確実に抑制することができる。その結果、より確実に、表示装置1の表示特性の低下を防止することができる。
このような第2実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の表示装置の第3実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態にかかる表示装置が有する表示面側基板の断面図である。
以下、第3実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置は、電極層の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様の構成である。
図8に示すように、本実施形態の電極層3Bでは、基板2の下面上に導電部32が形成されている。そして、基板2の下面の導電部32が形成されていない領域に、共通電極31が形成されている。
具体的には、例えば、隣り合う一対の第1の配線322a、322aと、隣り合う一対の第2の配線322b、322bとで囲まれた領域や、縁部321と配線322とで囲まれた領域を埋めるようにして共通電極31が形成されている。
このような構成とすることにより、例えば第1実施形態と比較して、導電部32と共通電極31との段差を緩和(小さく)することができる。そのため、表示面側基板4Bを表示層5に接合する際に、前記段差付近に気泡(空気層)が残存するのをより確実に抑制することができる。その結果、より確実に、表示装置1の表示特性の低下を防止することができる。
また、例えば第1実施形態と比較して、電極層3の厚さを薄く抑えることができるため、表示装置1の薄型化をより図ることができる。第2実施形態と比較しても、電極層3の厚さを薄く抑えることができるため、表示装置1の薄型化をより図ることができる。
このような第3実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の表示装置の第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態にかかる表示装置を模式的に示す断面図である。
以下、第4実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置は、表示層の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様の構成である。
図9に示すように、本実施形態の表示層5Cは、電気泳動分散液10をカプセル本体551内に封入した複数のマイクロカプセル(収容部)55がバインダー56により保持された構成をなしている。
図9に示すように、マイクロカプセル55は、表示面側基板4と背面側基板123との間に、縦横に並列するように単層で(すなわち、厚さ方向に重なることなく1個ずつ)、かつ、表示層5Cの厚さ方向全体に配設されている。すなわち、マイクロカプセル55は、表示層5Cにおいて、その面方向に隣接するもの同士が互いに接触し、かつ、厚さ方向に積層することなく配列している。また、マイクロカプセル55は、上下方向に圧縮されることなく、ほぼ球状(球形状)をなしている。
また、マイクロカプセル55は、導電部32の配線322(配線322によって形成される凸部)によって位置決めされ、画素電極122間を避けるように(言い換えれば、隣り合う画素電極122を跨がないように)配置される。これにより、表示装置の表示特性がより向上する。
また、マイクロカプセル55は、ある程度の柔軟性を有しており、その形状は、外部圧力により変化するので、特に限定されるものではないが、外部圧力がない場合には、真球状などの粒子状であることが好ましい。すなわち、マイクロカプセル55は、表示面側基板4と背面側基板123との間で、より球状に近い形状を維持した状態で存在しているのが好ましい。
また、マイクロカプセル55の粒子径(平均粒子径)は、特に限定されないが、5μm以上、300μm以下程度であるのが好ましく、10μm以上、200μm以下程度であるのがより好ましく、15μm以上、150μm以下程度であるのがさらに好ましい。マイクロカプセル55の粒子径が5μm未満であると、マイクロカプセル55内に収容された電気泳動粒子7の色相、粒径および量(数)等にもよるが、充分な表示濃度が得られないおそれがある。逆に、マイクロカプセル55の粒子径が300μmを超えると、マイクロカプセル55の構成(構成材料等)にもよるが、マイクロカプセル55のカプセル強度が低下することがあり、また、マイクロカプセル55に封入した電気泳動分散液10中における電気泳動粒子7の電気泳動特性が充分に発揮されず、表示のための起動電圧も高くなるおそれがある。なお、マイクロカプセル55の粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LA−910、(株)堀場製作所製、コールカウンターMultisizer3、ベックマン・コールター(株))で測定した体積平均粒子径を意味する。
カプセル本体551の構成材料は、特に限定されず、例えば、ゼラチン、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダー56は、例えば、表示層5Cを表示面側基板4や背面側基板123に固定する目的、マイクロカプセル55同士を固定する目的、共通電極31と画素電極122との間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、表示装置1の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
バインダー56には、表示面側基板4、背面側基板123およびカプセル本体551との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料(絶縁性または微小電流のみが流れる樹脂材料)が好適に使用される。
このようなバインダー56としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、アルキルポリシロキサン系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーンアルキド系樹脂、シリコーンウレタン系樹脂、シリコーンポリエステル系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂のような合成樹脂バインダー、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタンジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムのような合成ゴムまたは天然ゴムバインダー、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのような熱可塑性または熱硬化性高分子バインダー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのバインダー56のうち、マイクロカプセル55の分散性が比較的良好であり、さらに表示面側基板4、背面側基板123およびカプセル本体551との密着性に優れる点で、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂が好ましく用いられ、さらに(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましく用いられる。
表示面側基板4と背面側基板123との間には、それらの縁部に沿って、封止部6が設けられている。この封止部6により、表示面側基板4と背面側基板123との間(表示層5)が気密的に封止されている。これにより、表示装置1内への水分の浸入を防止することができる。
封止部6の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、封止部6は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
このような第4実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の表示装置の第5実施形態について説明する。
図10は、本発明の第5実施形態にかかる表示装置が有する表示面側基板の平面図である。
以下、第5実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置は、導電部の構成が異なる以外は、前述した第4実施形態と同様の構成である。
図10に示すように、本実施形態の導電部32Dでは、複数の配線322Dが、一方向に延びるようにして互いに平行に設けられている。これにより、配線322Dの本数を例えば第1実施形態と比較して少なくすることができるため、配線322Dの形成がより容易となる。また、複数の配線322Dが図10中横方向に延在しているのは、導電部32が後述する縁部321で(すなわち、図10中の左側および右側にて)回路基板と電気的に接続されているためである。
ここで、表示層5と表示面側基板4とをラミネート接合する場合には、ラミネート方向を配線322Dの延在方向と一致させるのが好ましい。これにより、ラミネート時に配線322の破断等を効果的に抑制することができる。
縁部321は、2つに分割されており、配線322Dの延在方向に離間して設けられている。
このような第5実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<電子機器>
以上のような表示装置1は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、表示装置1を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図11は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図11に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置1で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図12は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図12中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図12に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図11に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図12(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図12(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図12中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような表示装置1で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、表示装置1を適用することが可能である。
以上、本発明の表示シート、表示装置、電子機器および表示シートの製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明の表示シート、表示装置、電子機器および表示シートの製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、導電部が縁部を有する形態について説明したが、これに限定されず、縁部を省略してもよい。
また、前述した実施形態では、複数の配線が格子状をなすものについて説明したが、これに限定されない。例えば、表示層の平面視にて、複数のセルがハニカム状に配列している場合には、それに対応してハニカム状に配線が配置されていてもよい。また、1つのセルを囲むようにして配線が形成されていてもよいし、複数のセルを一纏めに囲むようにして配線が形成されていてもよい。
1‥‥表示装置 1a‥‥表示面 10‥‥電気泳動分散液 100‥‥部材 101‥‥凹部 11‥‥表示シート 110‥‥シート部材 12‥‥回路基板 121‥‥基板 122‥‥画素電極 123‥‥背面側基板 130‥‥蓋部材 2‥‥基板 200‥‥部材 210‥‥導電膜 220‥‥部材 221‥‥凹部 3、3A、3B‥‥電極層 300‥‥液体金属 31‥‥共通電極 32、32D‥‥導電部 321‥‥縁部 322、322D‥‥配線 322a‥‥第1の配線 322b‥‥第2の配線 4、4A、4B‥‥表示面側基板 5、5C‥‥表示層 51‥‥セル 52‥‥基体 52a‥‥凹部 52b‥‥隔壁 55‥‥マイクロカプセル 551‥‥カプセル本体 56‥‥バインダー 6‥‥封止部 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 7‥‥電気泳動粒子 7a‥‥白色粒子 7b‥‥黒色粒子 8‥‥液相分散媒 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部

Claims (1)

  1. 板状をなす部材の一方の面に開放する複数の凹部を形成する工程と、
    隣り合う前記凹部の間に形成された隔壁の頂部に、導電性を有する配線を形成する工程と、
    前記複数の凹部内に、それぞれ、少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を充填する工程と、
    平板状をなし光透過性を有する基板の一方の面側に、光透過性を有する膜状の電極が形成された蓋部材を、前記電極と前記配線とが接触するように、かつ前記凹部の開口を塞ぐように、前記部材に接合する工程と
    を有し、
    前記配線を形成する工程において、前記隔壁の頂部を、前記配線を構成する材料を含む液体に浸すことを特徴とする表示シートの製造方法。
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