JP2012003211A - 表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた表示特性を発揮することのできる表示装置およびそれを用いた電子機器を提供すること。
【解決手段】表示装置1は、電気泳動粒子6を収容した複数の収容部51を備える表示層5と、表示層5の一方の面側に設けられたブラックマトリックス32と、表示層5の他方の面側に設けられた複数の画素電極92とを有している。また、画素電極92は、表示層5の平面視にて、少なくとも1つの収容部51の全体を含むように設けられている。また、ブラックマトリックス32は、表示層5の平面視にて、複数の画素電極92のいずれかに一部が重なるようにして位置する収容部51を覆い隠すように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置および電子機器に関する。
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有していて、電子ペーパーの画像表示部として特に適している。
特許文献1には、複数の画素電極がマトリックス状に配置された回路基板と、回路基板上に形成され、正に帯電した白色粒子と負に帯電した黒色粒子とが収容された複数のマイクロカプセルを有する表示層と、表示層上に形成された共通電極とを有する表示装置が開示されている。この表示装置では、1つの画素電極と共通電極との重なる領域が1つの画素を構成し、各画素電極と共通電極との間に電圧を印加して各マイクロカプセルに所望の電界を作用させることにより、画素ごとに、マイクロカプセル中で白色粒子が共通電極側に位置する白色表示状態および黒色粒子が共通電極側に位置する黒色表示状態のいずれか一方の状態を選択することにより、表示面に所望の画像を表示する。
しかしながら、特許文献1の表示装置では、当該表示装置の平面視にて、隣り合う2つの画素電極に跨るようにして位置するマイクロカプセルが含まれるため、所望の画像を表示した際に、画素の周囲(縁部)に所望の色と異なる色が表示され、色ぼけ等の原因となり、鮮明な画像を表示することが困難である、すなわち優れた表示特性を発揮することができないという問題がある。
特開2009−109766号公報
本発明の目的は、優れた表示特性を発揮することのできる表示装置およびそれを用いた電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示装置は、少なくとも1種の電気泳動粒子を収容した複数の収容部を備える表示層と、
前記表示層の一方の面側に設けられたブラックマトリックスと、
前記表示層の他方の面側に設けられた複数の画素電極とを有し、
各前記画素電極は、前記表示層の平面視にて、少なくとも1つの前記収容部の全体を含むように設けられ、
前記ブラックマトリックスは、前記表示層の平面視にて、前記複数の画素電極のいずれかに一部が重なるようにして位置する前記収容部を覆い隠すように設けられていることを特徴とする。
これにより、優れた表示特性を発揮することのできる表示装置を提供することができる。
本発明の表示装置では、前記ブラックマトリックスは、前記表示層の平面視にて、隣り合う2つの前記画素電極に跨って位置する前記収容部を覆い隠すように設けられていることが好ましい。
これにより、表示された画像の画質を低下させるおそれのある収容部を覆い隠すことができるため、画質の維持または向上を図ることができる。
本発明の表示装置では、前記ブラックマトリックスは、前記表示層の平面視にて、隣り合う2つの前記画素電極の間に位置する前記収容部を覆い隠すように設けられていることが好ましい。
これにより、表示された画像の画質を低下させるおそれのある収容部を覆い隠すことができるため、画質の維持または向上を図ることができる。
本発明の表示装置では、前記表示層の平面視にて、全体が1つの前記画素電極と重なる前記収容部の少なくとも一部は、前記グラックマトリックスの開口を介して視認することができることが好ましい。
これにより、所望の画像を表示することができる。
本発明の表示装置では、前記表示層の一方の面側に設けられたカラーフィルターを有し、
前記カラーフィルターは、基板と、前記基板の一方の面側に前記複数の画素電極に対応して配置された複数の色材層と、を有し、
前記ブラックマトリックスは、隣り合う2つの前記色材層の間に設けられていることが好ましい。
これにより、カラー表示が可能となる。
本発明の表示装置では、前記収容部は、マイクロカプセルであることが好ましい。
これにより、収容部の構成が簡単となる。
本発明の表示装置では、隣り合う前記画素電極同士の離間方向における前記ブラックマトリックスの幅は、前記マイクロカプセルの平均粒径以上であることが好ましい。
これにより、一部が画素電極と重なっている収容部等の、画質を低下させるおそれのある収容部を、効果的に覆い隠すことができる。
本発明の表示装置では、隣り合う前記画素電極同士の離間距離が、前記マイクロカプセルの平均粒径よりも小さい場合の、隣り合う前記画素電極同士の離間方向における前記ブラックマトリックスの幅は、前記マイクロカプセルの平均粒径の2倍以上であることが好ましい。
これにより、一部が画素電極と重なっている収容部の重なり方に影響されずに、このような収容部を、効果的に覆い隠すことができる。
本発明の表示装置では、隣り合う前記画素電極同士の離間距離が、前記マイクロカプセルの平均粒径よりも大きい場合の、隣り合う前記画素電極同士の離間方向における前記ブラックマトリックスの幅は、前記画素電極同士の離間距離をDとし、前記マイクロカプセルの平均粒径をRとしたとき、(D+2R)以上であることが好ましい。
これにより、一部が画素電極と重なっている収容部の重なり方に影響されずに、このような収容部を、効果的に覆い隠すことができる。
本発明の表示装置では、前記複数の画素電極のピッチは、前記マイクロカプセルの粒径の2倍以上であることが好ましい。
これにより、より確実に、1つの画素電極に、少なくとも1つの収容部の全体を含ませることができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた表示特性を発揮することのできる表示装置を提供することができる。
本発明の表示装置の第1実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す表示装置の平面図(上面図)である。 図2中のA−A線断面図である。 画素電極とマイクロカプセルの位置関係を模式的に示す断面図である。 図2中のB−B線断面図である。 画素電極とマイクロカプセルの位置関係を模式的に示す断面図である。 図1に示す表示装置の作動を説明するための模式図である。 従来技術の表示装置(すなわち、ブラックマトリックスが形成されていない表示装置)を示す平面図である。 図1に示す表示装置の作動を説明するための模式図である。 従来技術の表示装置(すなわち、ブラックマトリックスが形成されていない表示装置)を示す平面図である。 本発明の第2実施形態にかかる表示装置の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる表示装置の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる表示装置の断面図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。 従来技術を説明するための断面図である。
以下、本発明の表示装置および電子機器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を模式的に示す断面図、図2は、図1に示す表示装置の平面図(上面図)、図3は、図2中のA−A線断面図、図4は、画素電極とマイクロカプセルの位置関係を模式的に示す断面図、図5は、図2中のB−B線断面図、図6は、画素電極とマイクロカプセルの位置関係を模式的に示す断面図、図7および図9は、図1に示す表示装置の作動を説明するための模式図、図8および図10は、従来技術の表示装置(すなわち、ブラックマトリックスが形成されていない表示装置)を示す平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図7および図9中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図4および図6の左側を「左」、右側を「右」として説明を行う。
1.表示装置の構成
図1に示す表示装置1は、表示シート(フロントプレーン)2と、回路基板(バックプレーン)9とを有している。以下、表示シート2および回路基板9について順次詳細に説明する。
−回路基板−
図1に示す回路基板9は、基部91と、基部91上に設けられた例えばTFT等のスイッチング素子を含む図示しない回路と、前記スイッチング素子に接続された複数の画素電極92とを有している。
基部91は、シート状(平板状)の部材で構成されている。基部91は、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。基部91として、後述する基部31と共に可撓性を有するものを用いることにより、可撓性を有する表示装置1を得ることができる。
基部91を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。
また、基部91の平均厚さは、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上、500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上、250μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置1の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置1の小型化(薄型化)を図ることができる。
基部91の上面(表示シート2側の面)には、層状をなす複数の画素電極92がマトリックス状に設けられている。
各画素電極92の構成材料は、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
−表示シート−
図1に示す表示シート2は、基板3と、基板3の下面に設けられた共通電極4と、共通電極4の下面に設けられた表示層5と、表示層5の外周を覆うように設けられた封止部6とを有している。
基板3は、基部31と、基部31上に形成された格子状のブラックマトリックス32と、ブラックマトリックス32を覆うように形成された保護層(オーバーコート層)33とを有している。
基部31は、シート状の部材で構成されている。また、基部31は、実質的に無色透明である。このような基部31は、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。前述したように、基部31として基部91と共に可撓性を有するものを用いることにより、可撓性を有する表示装置1を得ることができる。基部31を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、例えば前述した基部91と同様の材料を用いることができる。
基部31の下面には、ブラックマトリックス32が形成されている。グラックマトリックス32は、例えば、光反射率が20%以下となっている。図2に示すように、ブラックマトリックス32は、格子状に形成されており、ブラックマトリックス32に囲まれることによって形成された略四角形をなす複数の開口がマトリックス状に配置されている。ブラックマトリックス32は、例えばクロム(Cr)で構成された金属層、カーボンブラックを含有する樹脂層等で構成することができる。
このようなブラックマトリックス32は、表示装置1の表示特性を向上させるために設けられている。ブラックマトリックス32の詳細については、後に詳述する。
基部31の下面には、ブラックマトリックス32を覆うように保護層33が形成されている。保護層33は、ブラックマトリックス32を保護する機能や、ブラックマトリックス32と基部31との段差を埋める機能(すなわち、基板3の下面を平坦とする機能)を有している。
このような保護層33は、実質的に無色透明である。保護層33の構成材料は、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の樹脂材料が挙げられる。
保護層33の下面には、膜状をなす共通電極4が設けられている。共通電極4は、実質的に無色透明である。共通電極4の構成材料としては、実質的に導電性を有し、かつ実質的に無色透明なものであれば特に限定されず、例えば、前述した画素電極92と同様の材料を用いることができる。また、共通電極4の平均厚さは、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.01μm以上、1μm以下程度であるのが好ましく、0.02μm以上、0.5μm以下程度であるのがより好ましい。
共通電極4の下面には、表示層5が設けられている。表示層5は、電気泳動分散液Qをカプセル本体511内に封入した複数のマイクロカプセル(収容部)51がバインダー52により保持された構成をなしている。
マイクロカプセル51は、共通電極4上に、縦横に並列するように単層で(すなわち表示層5の厚さ方向に重なることなく1個ずつ)、かつ、表示層5の厚さ方向全体に配設されている。すなわち、マイクロカプセル51は、表示層5において、その面方向に隣接するもの同士が互いに接触し、かつ、厚さ方向に積層することなく配列している。また、マイクロカプセル51は、上下方向に圧縮されることなく、ほぼ球状(球形状)をなしている。
マイクロカプセル51のカプセル強度は、0.6MPa以上であるのが好ましく、1.0MPa以上であるのがより好ましく、3.0MPa以上であるのがさらに好ましい。カプセル強度の上限は、特に限定されるものではないが、例えば50MPa程度である。なお、マイクロカプセル51のカプセル強度とは、微小圧縮試験機(例えば、製品名:MCT−W500、(株)島津製作所製)を用いて測定したマイクロカプセル1個当たりの圧縮強度を意味する。
また、マイクロカプセル51は、鋼球落下試験において、好ましくは10cm以上、より好ましくは20cm以上、さらに好ましくは30cm以上の高さから鋼球を落下させても潰れることがないカプセル強度を有するのが好ましい。
一般に、マイクロカプセル51が、鋼球落下試験において、上記の高さよりも低い高さから鋼球を落下させると潰れるようなカプセル強度しか有しない場合、このようなマイクロカプセル51を用いた表示装置1を誤って落下させると、落下の衝撃によっては、マイクロカプセル51が潰れてしまい、その部分(画素)でのデータ表示ができなくなるおそがある。
なお、鋼球落下試験は、表示装置1を厚さ3mmのブタジエンゴムの上に載せた後、任意の高さから、直径11mm、質量5.468gの鋼球を表示装置1の表示層5に垂直落下させて、鋼球が当たった箇所に存在するマイクロカプセル51を光学顕微鏡で観察することにより行う。
また、マイクロカプセル51は、ある程度の柔軟性を有しており、その形状は、外部圧力により変化するので、特に限定されるものではないが、外部圧力がない場合には、真球状などの粒子状であることが好ましい。
マイクロカプセル51の球状の度合いは、マイクロカプセル51の幅とマイクロカプセル51の高さとの比(マイクロカプセル51の幅/マイクロカプセル51の高さ)を指標としてその程度を表すことができる。マイクロカプセル51の幅/マイクロカプセル51の高さ(平均値)は、例えば、表示層5における、各マイクロカプセル51の高さ(厚さ方向)および幅(面方向)に対する粒径の平均値をそれぞれ求め、これらの平均値の比(幅/高さ)を求めることにより得られる。
このようにして求められたマイクロカプセル51の幅/マイクロカプセル51の高さ(平均値)は、特に限定されないが、1.0以上、1.2以下程度であるのが好ましく、1.0以上、1.15以下程度であるのがより好ましい。マイクロカプセル51の幅/マイクロカプセル51の高さが上記範囲内にある場合、マイクロカプセル51は、ほぼ球状に近い形状を維持した状態で存在していると言うことができる。そして、このように、ほぼ球状に近い形状を維持したマイクロカプセル51が、表示層5中において、その面方向に隣接するもの同士が互いに接触し、かつ、厚さ方向に積層することなく配列していることにより、かかる表示層5を備える表示装置1は、高いコントラストを発揮するものとなる。
また、マイクロカプセル51の粒子径は、特に限定されないが、5μm以上、300μm以下程度であるのが好ましく、10μm以上、200μm以下程度であるのがより好ましく、15μm以上、150μm以下程度であるのがさらに好ましい。マイクロカプセル51の粒子径が5μm未満であると、マイクロカプセル51内に収容された後述する電気泳動粒子6の色相、粒径および量(数)等にもよるが、充分な表示濃度が得られないおそれがある。逆に、マイクロカプセルの粒子径が300μmを超えると、マイクロカプセル51の構成(構成材料等)にもよるが、マイクロカプセル51のカプセル強度が低下することがあり、また、マイクロカプセル51に封入した電気泳動分散液Q中における電気泳動粒子6の電気泳動特性が充分に発揮されず、表示のための駆動電圧も高くなるおそれがある。なお、マイクロカプセル51の粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LA−910、(株)堀場製作所製、コールターカウンターMultisizer3、ベックマン・コールター(株))で測定した体積平均粒子径を意味する。
また、マイクロカプセル51の粒子径の変動係数(すなわち、粒度分布の狭さ)は、特に限定されないが、30%以下であるのが好ましく、20%以下であるのがより好ましく、10%以下であるのがさらに好ましい。マイクロカプセル51の粒子径の変動係数が30%を超えると、有効な粒子径を有するマイクロカプセル51が少なく、多数のマイクロカプセルを用いる必要が生じることがある。また、各画素電極92および共通電極4の間に、同一の電圧を印加した場合でも、作用する電界の大きさが複数のマイクロカプセル51間でそれぞれ異なってしまい、表示特性が低下するおそれがある。
なお、上述したようなマイクロカプセル51の粒子径やその変動係数は、マイクロカプセル51を製造する際に水系媒体に分散させた分散液の粒子径や粒度分布に大きく依存する。それゆえ、分散液の分散条件を適宜調整することにより、所望の粒子径やその変動係数を有するマイクロカプセル51を得ることができる。
カプセル本体511の構成材料は、特に限定されず、例えば、ゼラチン、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
カプセル本体511内に封入された電気泳動分散液Qは、電気泳動粒子6を液相分散媒7に分散(懸濁)してなるものである。電気泳動粒子6には、正または負に帯電する複数の白色粒子6aと、白色粒子6aと反対の極性に帯電した複数の黒色粒子(着色粒子)6bとが含まれている。なお、電気泳動粒子6は、カプセル本体511の内壁(内面)に接触しつつ該内面に沿って移動するものであってもよいし、内壁に沿うことなく電界の向きに沿って移動するものであってもよい。
電気泳動粒子6の液相分散媒7への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
液相分散媒7としては、カプセル本体511に対する溶解性が低く、かつ比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる液相分散媒7としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、メタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、液相分散媒7としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィン、またはシリコーンオイルを主成分とする液相分散媒7は、電気泳動粒子6の凝集抑制効果が高く、かつカプセル本体511の構成材料との親和性が低い(溶解性が低い)ことから好ましい。これにより、表示装置1の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィン、またはシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
また、液相分散媒7中には、必要に応じて、例えば電解質、アルケニルコハク酸エステルのような界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。また、液相分散媒7を着色する場合には、液相分散媒7に、必要に応じて、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
電気泳動粒子6は、荷電を有し、電界が作用することにより、液相分散媒7中を電気泳動し得る粒子である。かかる電気泳動粒子6には、荷電を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック、亜クロム酸銅等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン等の白色顔料、モノアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛等の黄色顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができ、かかる粒子は、白色粒子6aとして好適に用いられる。また、カーボンブラック粒子またはその表面を被覆した粒子は、黒色粒子6bとして好適に用いられる。
また、電気泳動粒子6の形状は、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。
電気泳動粒子6の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.1〜4μm、さらに好ましくは0.1〜3μmである。電気泳動粒子6の平均粒子径が0.1μm未満であると、充分な色度が得られず、コントラストが低下して、表示が不鮮明になることがある。逆に、電気泳動粒子6の平均粒子径が5μmを超えると、粒子自体の着色度を必要以上に高くする必要があり、顔料などの使用量が増大することや、表示のために電圧を印加した部分で、電気泳動粒子6の速やかな移動が困難となり、その応答速度が低下することがある。
なお、電気泳動粒子6の平均粒子径とは、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LB−500、(株)堀場製作所製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
また、電気泳動粒子6の比重は、液相分散媒7の比重とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子6は、画素電極92と共通電極4との間への電圧の印加を停止した後においても、液相分散媒7中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、表示装置1にメモリー性を付与することができ、表示された情報が長時間保持されることとなる。これにより、表示装置1の省電力化を図ることができる。
表示層5に含まれるバインダー52は、例えば、表示層5を回路基板9および共通電極4に固定する目的、マイクロカプセル51同士を固定する目的、共通電極4と画素電極92との間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、表示装置1の耐久性および信頼性をより向上させることができる。このようなバインダー52には、共通電極4およびカプセル本体511との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
このようなバインダー52の構成材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、アルキルポリシロキサン系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーンアルキド系樹脂、シリコーンウレタン系樹脂、シリコーンポリエステル系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂のような合成樹脂バインダー、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタンジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムのような合成ゴムまたは天然ゴムバインダー、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのような熱可塑性または熱硬化性高分子バインダー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの構成材料のうち、マイクロカプセル51の分散性が比較的良好であり、さらに共通電極4およびカプセル本体511との密着性に優れる点で、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂が好ましく用いられ、さらに(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましく用いられる。
このような表示層5の周囲を囲むように、封止部8が設けられている。封止部8は、基板3と回路基板9との間であって、それらの縁部に沿って設けられている。この封止部8により、表示層5が気密的に封止されている。これにより、表示装置1内への水分の浸入を防止して、表示装置1の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部8の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、封止部8は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
以上、表示装置1の全体構成について説明した。以下では、主に、表示装置1の特徴であるブラックマトリックス32について詳細に説明する。
表示装置1では、共通電極4と、1つの画素電極92とが重なる部分が1つの画素Pixを構成する。また、図2に示すように、表示装置1では、隣り合う画素電極92同士の離間距離Dがマイクロカプセル51の粒径(平均粒径)よりも小さくなっている。ここで、「マイクロカプセル51の粒径」とは、表示装置1を平面視した場合におけるマイクロカプセル51の直径(最大幅)を意味する。
また、図1および図2に示すように、表示装置1では、各画素電極92(画素Pix)が、少なくとも1つのマイクロカプセル51の全体を含んでいる。また、表示装置1では、平面視で、隣り合う2つの画素電極92(画素Pix)を跨ぐように位置するマイクロカプセル51が存在している。言い換えると、平面視で、マイクロカプセル51の一部が画素電極92と重なり、マイクロカプセル51の残りの一部が画素電極92と隣接する画素電極92と重なっている。
なお、以下では、説明の便宜上、1つの画素電極92上に全体が含まれているマイクロカプセルを「マイクロカプセル51’」とも言い、隣り合う2つの画素電極92を跨いで位置するマイクロカプセルを「マイクロカプセル51”」とも言う。
1つの画素電極92上に位置するマイクロカプセル51’の数は、1つ以上であれば特に限定されないが、5以上20以下程度であるのが好ましい。これにより、1つの画素電極92(画素Pix)の大型化を抑制しつつ、ブラックマトリックス32の開口面積を大きくすることができる。そのため、表示装置1の画素密度の低下を抑制しつつ、画像の明るさを向上させることができる。
なお、前記「開口面積」は、隣り合う一対の第1の延在部321と、隣り合う一対の第2の延在部322とで囲まれることにより形成(画成)された複数の開口の面積の総和を意味する。
また、画素ピッチPは、特に限定されないが、マイクロカプセル51の粒径(平均粒径)の2倍以上であるのが好ましく、3倍以上であるのがより好ましい。これにより、各画素電極92上に全体が位置するマイクロカプセル51を、少なくとも1つは確保することができ、画像の明るさを向上させることができる。なお、画素ピッチとは、図2に示すように、画素電極92の幅と、隣り合う2つの画素電極92の離間距離Dとの和で表されるものである。
図2に示すように、ブラックマトリックス32は、格子状をなしている。そのため、ブラックマトリックス32は、第1の方向(図2中縦方向)に延在する複数の第1の延在部321と、第1の方向と直交する第2の方向(図2中横方向)に延在し、第1の延在部321と交差する複数の第2の延在部322とを有している。
図1および図2に示すように、ブラックマトリックス32は、表示装置1の平面視にて、マイクロカプセル51”を覆い隠すように(重なるように)に設けられている。このように、ブラックマトリックス32によってマイクロカプセル51”を覆い隠すことにより、表示面1aを介してマイクロカプセル51”が視認されなくなる。言い換えれば、表示面1aを介して、マイクロカプセル51’の全体または一部のみがブラックマトリックス32の開口から視認されることとなる。これにより、表示装置1では、マイクロカプセル51”を画像の表示に用いず、マイクロカプセル51’のみを画像の表示に用いることができるため、後述するように、鮮明な画像を表示することができる。
図3は、図2中A−A線断面図である。同図に示すように、第2の延在部322は、表示装置1の平面視にて、第1の方向に隣り合う2つの画素電極92間の隙間93と重なるようにして設けられている。これにより、第1の方向に隣り合う2つの画素電極92に跨って位置するマイクロカプセル51”が第2の延在部322によって覆い隠される。
第2の延在部322は、その中心軸322aが、第1の方向に隣り合う2つの画素電極92間の隙間93の中心軸93aと一致している。また、第2の延在部322の幅W1は、マイクロカプセル51の粒径(平均粒径)以上に設定されている。これにより、表示装置1の平面視にて、第2の延在部322によってマイクロカプセル51”を覆い隠すことができる。
ただし、表示装置1には、図4(a)に示すように、第1の方向に隣り合う2つの画素電極92に均等に(偏りなく)跨るマイクロカプセル51”や、図4(b)に示すように、左側の画素電極92に偏って、2つの画素電極92に跨るマイクロカプセル51”や、図4(c)に示すように、右側の画素電極92に偏って、2つの画素電極92に跨るマイクロカプセル51”が併存する可能性が高い。
したがって、第2の延在部322によって、これらマイクロカプセル51”をより確実に覆い隠すために、第2の延在部322の幅をマイクロカプセル51の粒径(平均粒径)の2倍以上とすることが好ましく、2倍程度とするのがより好ましい。これにより、第2の延在部322によって、マイクロカプセル51”の配置に関わらず、マイクロカプセル51”をより確実に覆い隠すことができる。特に、第2の延在部322の幅をマイクロカプセルの粒径の2倍程度とすることにより、第2の延在部322の幅の過剰な増加が防止され、ブラックマトリックス32の開口率の低下が抑制される。
以上、第2の延在部322について説明した。第1の延在部321の構成も第2の延在部322と同様である。
すなわち、図5に示すように、第1の延在部321は、表示装置1の平面視にて、第2の方向に隣り合う2つの画素電極92間の隙間94と重なるようにして設けられている。このように第1の延在部321を配置することにより、第1の延在部321によって、第2の方向に隣り合う2つの画素電極92に跨って位置するマイクロカプセル51”を覆い隠すことができる。
第1の延在部321は、その中心軸321aが、第2の方向に隣り合う2つの画素電極92間の隙間94の中心軸94aと一致している。また、第1の延在部321の幅W2は、マイクロカプセル51の粒径(平均粒径)以上に設定されている。これにより、表示装置1の平面視にて、第1の延在部321によって、マイクロカプセル51”を覆い隠すことができる。
ただし、表示装置1には、図6(a)に示すように、第2の方向に隣り合う2つの画素電極92に均等に(偏りなく)跨るマイクロカプセル51”や、図6(b)に示すように、左側の画素電極92に偏って、2つの画素電極92に跨るマイクロカプセル51”や、図6(c)に示すように、右側の画素電極92に偏って、2つの画素電極92に跨るマイクロカプセル51”が併存する可能性が高い。
したがって、第1の延在部321によって、これらマイクロカプセル51”をより確実に覆い隠すために、第1の延在部321の幅をマイクロカプセル51の粒径(平均粒径)の2倍以上とすることが好ましく、2倍程度とするのがより好ましい。これにより、第1の延在部321によって、マイクロカプセル51”の配置に関わらず、マイクロカプセル51”を覆い隠すことができる。特に、第1の延在部321の幅をマイクロカプセルの粒径の2倍程度とすることにより、第1の延在部321の幅の過剰な増加が防止され、ブラックマトリックス32の開口率の低下が抑制される。
2.表示装置の作動
表示装置1は、次のようにして作動する。
画素電極92と共通電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じる。この電界にしたがって、電気泳動粒子6(着色粒子6b、白色粒子6a)は、画素電極92および共通電極4のいずれかに向かって液相分散媒7中を泳動する。以下、白色粒子6aが正に帯電し、黒色粒子6bが負に帯電する場合を例に挙げて、1つの画素Pixについて代表して説明する。
ここで、表示装置1の作動を説明するのに先立って、従来の表示装置(表示装置1からブラックマトリックス32を除いたような構成の表示装置)で、色ぼけが発生し、優れた表示特性を発揮することができなかった原因について述べる。発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討を行った結果、従来の表示装置では、次のような問題によって色ぼけ等が生じていることを発見した。なお、以下では、説明の便宜上、図16に示すモデルを例に挙げて説明する。図16に示すモデルでは、画素電極900と、共通電極910との間に複数のマイクロカプセル920a〜920dが位置している。さらに、マイクロカプセル920a、920dは、隣り合う画素電極900を跨いで位置している。
このようなモデルにおいて、例えば、図16(a)に示すように、中央の画素電極900を正電位とすると、電界Eが発生する。電界Eは、画素電極900から共通電極910に向けて広がるようにして発生する。したがって、画素電極900の中央部に位置するマイクロカプセル920b、920cには、表示装置の厚さ方向の電界E’が作用し、画素電極900の縁部にその一部が重なるように位置するマイクロカプセル920a、920dには、表示装置の厚さ方向に対して傾いた電界E”が作用する。
図16(b)に示すように、電界E’が作用しているマイクロカプセル900b、900cでは、電界E’の向きに従って、白色粒子は、共通電極910側に移動して、共通電極910に集まる。また、黒色粒子は、画素電極900側に移動して、画素電極900に集まる。したがって、マイクロカプセル900b、900cは、共に白色表示状態となる。
一方、電界E”が作用しているマイクロカプセル900a、900dでは、電界E”が表示装置の厚さ方向に対して傾いているため、白色粒子は、共通電極910側にかつ画素電極900の外側へ向けて斜め方向に移動し、共通電極910に集まる。また、黒色粒子は、画素電極900側にかつ画素電極900の内側へ向けて斜め方向に移動し、画素電極900に集まる。このような状態のマイクロカプセル900a、900dでは、本来であれば白色粒子によって覆い隠されるべき黒色粒子が共通電極910を介して視認され、表示装置の平面視にて、中央の画素電極900側の略半分が黒色に、残りの半分が白色に見えたり、これらの混合色である灰色が見えたりする。このようなマイクロカプセル900a、900dによって、上記問題が生じてしまう。
そこで、本発明では、ブラックマトリックスを用いて、上記のように表示に悪影響を与えるマイクロカプセルを覆い隠すことにより、優れた表示特性を発揮できるように構成されている。
以下、表示装置1の作動について説明する。
−白色表示状態−
図7(a)に示すように、画素電極92(92’)を正電位とすると、画素電極92’と共通電極4との間に電界E1が発生する。電界E1は、画素電極92’から共通電極4に向けて広がるようにして発生する。したがって、画素電極92’の縁部を除く中央部に位置する各マイクロカプセル51’には、画素電極92’の表示装置1の厚さ方向の電界E1’が作用し、画素電極92’の縁部にその一部が重なるように位置するマイクロカプセル51”には、表示装置1の厚さ方向に対して傾いた電界E1”が作用する。
図7(b)に示すように、電界E1’が作用している各マイクロカプセル51’では、電界E1’の向きに従って、白色粒子6aは、共通電極4側に移動して共通電極4に集まる。一方、黒色粒子6bは、画素電極92’側に移動して画素電極92’に集まる。この状態では、基板3および共通電極4を透過して表示層5に入射した外光がマイクロカプセル51’中の白色粒子6aによって反射・散乱され、再び基板3および共通電極4を透過することにより、白色が表示される。
一方、電界E1”が作用している各マイクロカプセル51”では、電界E1”が表示装置1の厚さ方向に対して傾いているため、白色粒子6aは、共通電極4側にかつ画素電極92’の外側へ向けて斜め方向に移動し共通電極4に集まる。一方、黒色粒子6bは、画素電極92’側にかつ画素電極92の内側へ向けて斜め方向に移動し画素電極92’に集まる。
仮にブラックマトリックス32が形成されておらず、表示面1aを介して各マイクロカプセル51”を視認できる場合、本来であれば白色粒子6aによって覆い隠されるべき黒色粒子6bが視認される。その結果、表示装置1の平面視にて、画素電極92’側の略半分が黒色に、残りの半分が白色に見える。このような状態では、図8に示すように、白色表示状態となったマイクロカプセル51’に対応する画素の周囲を囲むように黒色の環と、白色の環とが表示される。したがって、従来のように、このようなマイクロカプセル51”が表示の用に供されると、隣り合う画素Pixの間の色がぼやけ、鮮明な画像を表示することができない。
なお、図8は、所定の画素Pixと、当該画素の周囲を囲む8つの画素Pixとを全て後述する黒色表示状態とした後に、中央の画素Pixのみを白色表示状態としたときの模式的な平面図である。
しかしながら、表示装置1では、このようなマイクロカプセル51”がブラックマトリックス32によって覆い隠されているため、マイクロカプセル51”が表示面1aを介して視認されることがなく、すなわちマイクロカプセル51”が表示に用いられることがなく、よって上述のような色ぼけを防止でき、鮮明な画像を表示することができる。したがって、表示装置1は、優れた表示特性を発揮することができる。
−黒色表示状態−
図9(a)に示すように、画素電極92’を負電位とすると、画素電極92’と共通電極4との間に電界E2が発生する。共通電極4の方が画素電極92’よりも大きいため、電界E2は、画素電極92’から共通電極4に向けて広がるようにして発生する。したがって、画素電極92’の縁部を除く中央部に位置する各マイクロカプセル51’には、画素電極92’の表示装置1の厚さ方向の電界E2’が作用し、画素電極92’の縁部にその一部が重なるように位置するマイクロカプセル51”には、表示装置1の厚さ方向に対して傾いた電界E2”が作用する。
図9(b)に示すように、電界E2’が作用している各マイクロカプセル51’では、電界E2’の向きに従って、黒色粒子6bは、共通電極4側に移動して、共通電極4に集まる。一方、白色粒子6aは、画素電極92’側に移動して、画素電極92’に集まる。この状態では、基板3および共通電極4を透過して表示層5に入射した外光がマイクロカプセル51’中の黒色粒子6bによって吸収されることにより、黒色が表示される。
一方、電界E2”が作用している各マイクロカプセル51”では、電界E2”が表示装置1の厚さ方向に対して傾いているため、黒色粒子6bは、共通電極4側にかつ画素電極92’の外側へ向けて斜め方向に移動し、共通電極4に集まる。一方、白色粒子6aは、画素電極92’側にかつ画素電極92’の内側へ向けて斜め方向に移動し、画素電極92’に集まる。
仮に、ブラックマトリックス32が形成されておらず、表示面1aを介して各マイクロカプセル51”が視認できる場合、本来であれば黒色粒子6bによって覆い隠されるべき白色粒子6aが視認される。その結果、表示装置1の平面視にて、画素電極92側の略半分が白色に、残りの半分が黒色に見える。このような状態では、図10に示すように、黒色表示状態となったマイクロカプセル51’に対応する画素の周囲を囲むように白色の環と、黒色の環とが表示される。したがって、従来のように、このようなマイクロカプセル51”が表示の用に供されると、隣り合う画素Pixの間の色がぼやけ、鮮明な画像を表示することができない。
なお、図10は、所定の画素Pixと、当該画素の周囲を囲む8つの画素Pixとを全て白色表示状態とした後に、中央の画素Pixのみを黒色表示状態としたときの模式的な平面図である。
しかしながら、表示装置1では、このようなマイクロカプセル51”がブラックマトリックス32によって覆い隠されているため、マイクロカプセル51”が表示面1aを介して視認されることがなく、すなわちマイクロカプセル51”が表示に用いられることがなく、よって上述のような色ぼけを防止でき、鮮明な画像を表示することができる。したがって、表示装置1は、優れた表示特性を発揮することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の表示装置の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態にかかる表示装置の断面図である。
以下、第2実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる表示装置は、基板の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様の構成である。
図11に示すように、本実施形態の基板3Aは、カラーフィルター基板(カラーフィルター)である。図11に示すように、基板3Aは、基部31と、基部31上に形成された格子状のブラックマトリックス32と、ブラックマトリックス32の各開口に形成された色材膜34と、ブラックマトリックス32および色材膜34を覆うように形成された保護層33とで構成されている。
本実施形態では、ブラックマトリックス32は、前述の第1実施形態で述べたようなマイクロカプセル51”を覆い隠す機能に加えて、隣り合う色材膜34の隙間から光が漏れるのを防止したり、隣り合う色材膜34の混色を防止したりする機能を発揮する。これにより、コントラストの向上を図ることができる。
ブラックマトリックス32に囲まれた開口には、色材膜34が形成されている。色材膜34は、特定の波長域の光を透過する機能を有している。このような色材膜34は、画素電極92に対応してマトリックス状に配置されている。色材膜34は、赤色の色材膜34Rと、緑色の色材膜34Gと、青色の色材膜34Bとを有しており、色材膜34R、34G、34Bは、隣り合うように並んで配置されている。本実施形態では、色材膜34Rを含むサブピクセルと、色材膜34Gを含むサブピクセルと、色材膜34Bを含むサブピクセルとで、1画素Pixを構成する。これにより、表示装置1のフルカラー表示が実現される。
このような構成の表示装置1でも、前述した第1実施形態と同様に、所定の画素の周囲に不本意な色が表示されてしまうのを、ブラックマトリックス32によって防止している。そのため、このような第2実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。また、このような第2実施形態とすることによって、ブラックマトリックスがない場合や、ブラックマトリックスの幅がマイクロカプセルの粒径よりも細い場合に起きる混色を防止することができる。
なお、図示の構成では、色材膜34の配列がいわゆるモザイク配列であるが、色材膜34の配列としては、これに限定されず、例えば、デルタ配列等であってもよい。また、色材膜34の形成方法は、特に限定されず、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法、インクジェット法等の公知の技術を用いることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の表示装置の第3実施形態について説明する。
図12は、本発明の第3実施形態にかかる表示装置の断面図である。
以下、第3実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる表示装置は、隣り合う2つの画素電極の離間距離が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様の構成である。
図12に示すように、本実施形態の表示装置1Bでは、第1の方向に隣り合う画素電極92の離間距離(隙間93の幅)が、マイクロカプセル51の粒径(平均粒径)よりも大きくなっている。このような表示装置1Bでは、前記隣り合う画素電極92の離間距離をDとし、マイクロカプセル51の粒径(平均粒径)をRとしたとき、ブラックマトリックス32の第2の延在部322の幅W3を(D+2R)以上とするのが好ましく、(D+2R)程度とするのがより好ましい。これにより、一部が画素電極92に重なって位置するマイクロカプセル51”や、いずれの画素電極92にも重ならない(すなわち、隙間93上に位置する)マイクロカプセル51Bを、より確実に、ブラックマトリックス32によって覆い隠すことができる。上記では、第1の方向について述べたが、第2の方向(第1の延在部321)についてもこれと同様である。
マイクロカプセル51”は、前述した第1実施形態で述べた理由から表示に悪影響を与える。一方、マイクロカプセル51Bは、画素電極92と共通電極4との間に発生する電界の作用をほとんど受けず、その内部の電気泳動粒子6がほとんど泳動しないため、表示色を切り替えることが困難である。これらマイクロカプセル51”、51Bは、共に、画像を表示するためのマイクロカプセルとして機能することが困難であり、画像の品質を低下させるおそれがある。そのため、これらマイクロカプセル51”、51Bをブラックマトリックス32で覆い隠すことにより、前記品質を低下を防止または抑制することができる。
このような第3実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の表示装置の第4実施形態について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態にかかる表示装置の断面図である。
以下、第4実施形態にかかる表示装置について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる表示装置は、マイクロカプセルの形状が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様の構成である。
図13に示すように、本実施形態の表示装置1Cでは、各マイクロカプセル51が、基板3と回路基板9とで挟持されることにより、上下方向に圧縮され、水平方向に拡がった扁平形状となっている。このような構成により、表示装置1Cでは、有効表示領域が増大し、コントラストが良好なものとなる。また、電気泳動粒子6の上下方向への移動距離を短縮することができるため、表示色の切り替え速度の向上を図ることもできる。
このような第4実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<電子機器>
以上のような表示装置1は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、表示装置1を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図14は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図14に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図15は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図15中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図15に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図14に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図15(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図15(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図15中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような表示装置1で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、表示装置1を適用することが可能である。
以上、本発明の表示装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明の表示装置の製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
なお、前述した第1実施形態では、白色粒子が正に帯電し、着色粒子が負に帯電する形態について説明したが、これとは逆に、白色粒子が負に帯電し、着色粒子が正に帯電した携帯であってもよい。また、正に帯電した粒子や負に帯電した粒子の色は、白または黒に限定されず、例えば、赤、青、緑等の有彩色であってもよい。
また、前述した実施形態は、いわゆるマイクロカプセル型の表示装置であるが、本発明では、これに限らず、例えば、接触粒子と散乱体または着色体とを含有する接触粒子含有層が隔壁で仕切られている形態のもの、すなわち、隔壁により区画された複数のセル空間(空間)が形成されており、各セル空間に電気泳動分散液が充填されている形態であってもよい。
1、1B、1C‥‥表示装置 1a‥‥表示面 2‥‥表示シート 3、3A‥‥基板 31‥‥基部 32‥‥ブラックマトリックス 321‥‥第1の延在部 321a‥‥中心軸 322‥‥第2の延在部 322a‥‥中心軸 33‥‥保護層 34、34R、34G、34B‥‥色材膜 4‥‥共通電極 5‥‥表示層 51、51’、51”、51B‥‥マイクロカプセル 511‥‥カプセル本体 52‥‥バインダー 6‥‥電気泳動粒子 6a‥‥白色粒子 6b‥‥黒色粒子 7‥‥液相分散媒 8‥‥封止部 9‥‥回路基板 91‥‥基部 92‥‥画素電極 93、94‥‥隙間 93a、94a‥‥中心軸 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部 900‥‥画素電極 910‥‥共通電極 920a〜920d‥‥マイクロカプセル D‥‥離間距離 E、E’、E”、E1、E1’、E1”、E2、E2’、E2”‥‥電界 Q‥‥電気泳動分散液 W1、W2、W3‥‥幅

Claims (11)

  1. 少なくとも1種の電気泳動粒子を収容した複数の収容部を備える表示層と、
    前記表示層の一方の面側に設けられたブラックマトリックスと、
    前記表示層の他方の面側に設けられた複数の画素電極とを有し、
    各前記画素電極は、前記表示層の平面視にて、少なくとも1つの前記収容部の全体を含むように設けられ、
    前記ブラックマトリックスは、前記表示層の平面視にて、前記複数の画素電極のいずれかに一部が重なるようにして位置する前記収容部を覆い隠すように設けられていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記ブラックマトリックスは、前記表示層の平面視にて、隣り合う2つの前記画素電極に跨って位置する前記収容部を覆い隠すように設けられている請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記ブラックマトリックスは、前記表示層の平面視にて、隣り合う2つの前記画素電極の間に位置する前記収容部を覆い隠すように設けられている請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記表示層の平面視にて、全体が1つの前記画素電極と重なる前記収容部の少なくとも一部は、前記グラックマトリックスの開口を介して視認することができる請求項1ないし3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記表示層の一方の面側に設けられたカラーフィルターを有し、
    前記カラーフィルターは、基板と、前記基板の一方の面側に前記複数の画素電極に対応して配置された複数の色材層と、を有し、
    前記ブラックマトリックスは、隣り合う2つの前記色材層の間に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記収容部は、マイクロカプセルである請求項1ないし5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 隣り合う前記画素電極同士の離間方向における前記ブラックマトリックスの幅は、前記マイクロカプセルの平均粒径以上である請求項6に記載の表示装置。
  8. 隣り合う前記画素電極同士の離間距離が、前記マイクロカプセルの平均粒径よりも小さい場合の、隣り合う前記画素電極同士の離間方向における前記ブラックマトリックスの幅は、前記マイクロカプセルの平均粒径の2倍以上である請求項7に記載の表示装置。
  9. 隣り合う前記画素電極同士の離間距離が、前記マイクロカプセルの平均粒径よりも大きい場合の、隣り合う前記画素電極同士の離間方向における前記ブラックマトリックスの幅は、前記画素電極同士の離間距離をDとし、前記マイクロカプセルの平均粒径をRとしたとき、(D+2R)以上である請求項7に記載の表示装置。
  10. 前記複数の画素電極のピッチは、前記マイクロカプセルの粒径の2倍以上である請求項7または8に記載の表示装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110570783A (zh) * 2019-08-22 2019-12-13 杭州万龙展览展示有限公司 一种用于三维展示的矩阵墙

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