JP2009251048A - 表示装置、表示装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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健夫 川瀬
Harunobu Komatsu
晴信 小松
Hitoshi Yamamoto
均 山本
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晃 松本
Mitsuo Kushino
光雄 串野
Tomoyuki Kuwamoto
知幸 桑本
Terunori Matsushita
輝紀 松下
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Abstract

【課題】複数色の表示を容易かつ確実に行うことができ、電圧の印加を停止した状態でも各色を確実に維持することができる表示装置、かかる表示装置を容易かつ確実に製造し得る表示装置の製造方法および電子機器を提供すること。
【解決手段】表示装置20は、空間を画成する壁部と、該壁部の内面に吸着し、帯電している吸着粒子50とを有する第1の吸着粒子含有層と、空間を画成する壁部と、該壁部の内面に吸着し、前記第1の吸着粒子含有層の吸着粒子50と異なる色相を有し、帯電している吸着粒子50とを有する第2の吸着粒子含有層とを含む複数の吸着粒子含有層を積層した積層部と、電圧を印加すると、前記吸着粒子50に作用させる電界を発生する1対以上の電極とを備え、前記1対以上の電極間に電圧を印加することにより、前記各吸着粒子含有層の吸着粒子50が前記壁部の内面に吸着しつつ、該内面に沿って移動するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置、表示装置の製造方法および電子機器に関するものである。
一般に、液体中に微粒子を分散させた分散系に電界を作用させると、微粒子は、クーロン力(静電力)により液体中で移動(泳動)することが知られている。この現象を電気泳動といい、近年、この電気泳動を利用して、所望の情報(画像)を表示させるようにした電気泳動表示装置が新たな表示装置として注目を集めている。
この表示装置は、電圧の印加を停止した状態でも表示内容を維持する表示メモリー性を備えているため、消費電力が低い。また、特に、一般の印刷物のように反射光を利用して表示するため、広視野角性を有し、高コントラストの表示が可能であること等の特徴を備えている。
従来の電気泳動表示装置として、特許文献1には、液相分散媒中に互いに反対の極性に帯電している2種類の電気泳動粒子を分散してなる電気泳動分散液を用いた電気泳動表示装置が開示されている。また、特許文献2には、液相分散媒中に1種類の電気泳動粒子を分散してなる電気泳動分散液を殻体に内包するマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置が開示されている。そして、これら特許文献1と特許文献2とを組み合わせたもの、すなわち、液相分散媒中に互いに反対の極性に帯電している白色を表示する電気泳動粒子(白色粒子)および黒色を表示する電気泳動粒子(黒色粒子)を分散してなる電気泳動分散液を殻体に内包するマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置も提案されている。
これら従来電気泳動方式と云われる方式では、電界を作用させると、電界を印加した方向と平行に、微粒子表面帯電極性とは逆の極側に微粒子が移動する。
従来の方式の電気泳動表示装置では、白黒表示等、所定の2色の切り換え表示は、容易に行うことができるが、3色以上の表示では、種々の問題があった。
特許第800963号公報 特許第2551783号公報
本発明の目的は、複数色の表示を容易かつ確実に行うことができ、電圧の印加を停止した状態でも各色を確実に維持することができる表示装置、かかる表示装置を容易かつ確実に製造し得る表示装置の製造方法および電子機器を提供することにある。
我々は、鋭意検討した結果、従来の電気泳動方式とは異なる微粒子が隔壁、またはカプセルの内壁を這う様に動く(電気這動)方式を見出した。
該現象は、隔壁、またはカプセルの内壁の持つ正味の帯電量の絶対値が、微粒子の表面の正味の帯電量の絶対値より大きく、互いの帯電極性は反対である場合に起こる。電気這動方式に関する、より詳細な説明は後述する。
前記のような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示装置は、空間を画成する壁部と、該壁部の内面に吸着し、帯電している吸着粒子とを有する第1の吸着粒子含有層と、空間を画成する壁部と、該壁部の内面に吸着し、前記第1の吸着粒子含有層の吸着粒子と異なる色相を有し、帯電している吸着粒子とを有する第2の吸着粒子含有層とを含む複数の吸着粒子含有層を積層した積層部と、
電圧を印加すると、前記吸着粒子に作用させる電界を発生する1対以上の電極とを備え、
前記1対以上の電極間に電圧を印加することにより、前記各吸着粒子含有層の吸着粒子が前記壁部の内面に吸着しつつ、該内面に沿って移動するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、複数色(多色)の表示を容易かつ確実に行うことができる。特に、吸着粒子(表示用の粒子)が、常に、壁部(例えば、マイクロカプセルの殻体)の内面のいずれかの部位に吸着しているので、各色を容易かつ確実に得ることができ、また、電圧の印加を停止した状態でも各色を確実に維持することができる。すなわち、表示が非常に安定し、所定の表示内容(イメージ)を表示した後に、電圧の印加を停止しても、その表示内容が安定的に保持される(表示状態が劣化するのを防止することができる)。
また、吸着粒子は、壁部の内面に吸着しているので、他の部材に付着し難く、これにより、コントラストが向上し、また、色純度が向上する。
また、比較的弱い電界で確実に吸着粒子を移動させることができ、これにより、消費電力を低減することができる。
本発明の表示装置では、前記吸着粒子は、静電力により前記壁部の内面に吸着していることが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、吸着粒子を壁部の内面に吸着させることができる。
本発明の表示装置では、前記電極は、前記第1の吸着粒子含有層および前記第2の吸着粒子含有層に、それぞれ1対設けられていることが好ましい。
これにより、各色をより確実に得ることができる。
本発明の表示装置では、前記1対の電極は、前記対応する吸着粒子含有層を介して対向配置されており、
前記壁部の内面は、前記1対の電極間に亘って設けられた湾曲凹面を有することが好ましい。
これにより、より円滑かつ確実に、吸着粒子を壁部の内面に沿って移動させることができ、これによって、より容易かつ確実に各色を得ることができる。
本発明の表示装置では、前記第1の吸着粒子含有層と前記第2の吸着粒子含有層との間の前記電極は、前記第1の吸着粒子含有層と前記第2の吸着粒子含有層とに共通のものであることが好ましい。
これにより、装置の薄型化を図ることができる。
本発明の表示装置では、前記吸着粒子と前記壁部とが互いに反対の極性に帯電しており、これにより、前記吸着粒子が前記壁部の内面に吸着していることが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、吸着粒子を壁部の内面に吸着させることができる。
本発明の表示装置では、前記1対の電極間の電界により前記吸着粒子に作用する静電力よりも、前記吸着粒子と前記壁部との間の静電力を含む相互作用による引力の方が大きくなるよう構成されていることが好ましい。
これにより、吸着粒子は、より確実に、壁部の内面に吸着しつつ、壁部の内面に沿って移動することができる。
本発明の表示装置では、前記壁部は、球状または楕円体状の前記空間を画成する殻体で構成されており、
前記殻体に前記吸着粒子が内包されてマイクロカプセルが構成されていることが好ましい。
これにより、より円滑かつ確実に、吸着粒子を壁部(殻体)の内面に沿って移動させることができ、これによって、より容易かつ確実に各色を得ることができる。
また、いわゆるマイクロカップ型の表示装置に比べ、表示装置を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の表示装置では、前記殻体は、それぞれ殻状をなす、第1の層と、該第1の層よりも外側に配置されている第2の層とを有することが好ましい。
これにより、表示装置を容易に製造することができる。
本発明の表示装置では、前記各吸着粒子含有層のうち、前記第1の吸着粒子含有層が表示面から最も遠位に位置し、前記第1の吸着粒子含有層には、前記空間に配置され、光を散乱させる散乱体を有することが好ましい。
これにより、白色を表示することができるとともに、他の色をより鮮明に表示することができる。
本発明の表示装置では、前記散乱体は、前記空間に充填された液体であることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記液体は、液相分散媒中に分散粒子を分散してなるものであることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記分散粒子は、光を散乱させる粒子であることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記散乱体は、前記空間に、前記壁部の内面から所定距離離間するように設けられた構造体であり、
前記吸着粒子は、前記壁部と前記構造体との間に位置していることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記各吸着粒子含有層のうち、前記第1の吸着粒子含有層が表示面から最も遠位に位置し、前記第1の吸着粒子含有層には、前記空間に配置され、前記吸着粒子と異なる色相を有する着色体を有することが好ましい。
これにより、吸着粒子含有層の層数を増加することなく、より多くの色を表示することができる。
本発明の表示装置では、前記着色体は、前記空間に充填された液体であることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記液体は、液相分散媒中に分散粒子を分散してなるものであることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記分散粒子は、着色された粒子であることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記着色体は、前記空間に、前記壁部の内面から所定距離離間するように設けられた構造体であり、
前記吸着粒子は、前記壁部と前記構造体との間に位置していることが好ましい。
これにより、より優れた表示特性が得られる。
本発明の表示装置では、前記分散粒子は、実質的に帯電していないか、または、前記吸着粒子と反対の極性に帯電していることが好ましい。
これにより、壁部が吸着粒子と反対の極性に帯電している場合でも、分散粒子が壁部の内面に吸着してしまうのを防止することができる。
本発明の表示装置では、前記各吸着粒子含有層のうち、前記第1の吸着粒子含有層が表示面から最も遠位に位置し、前記第1の吸着粒子含有層の前記表示面と反対側に、光を乱反射させる反射体を有することが好ましい。
これにより、白色を表示することができるとともに、他の色をより鮮明に表示することができる。
本発明の表示装置では、前記反射体は、間隙内に、光を散乱する粒子が充填されたものであることが好ましい。
これにより、入射光の利用効率を向上させることができる。
本発明の表示装置の製造方法は、帯電している吸着粒子を殻体に内包するマイクロカプセルを製造し、該マイクロカプセルを含有する第1のマイクロカプセル含有層を形成する第1のマイクロカプセル含有層形成工程と、
前記第1のマイクロカプセル含有層の吸着粒子と異なる色相を有し、帯電している吸着粒子を殻体に内包するマイクロカプセルを製造し、該マイクロカプセルを含有する第2のマイクロカプセル含有層を形成する第2のマイクロカプセル含有層形成工程と、
前記第1のマイクロカプセル含有層と、前記第2のマイクロカプセル含有層とを積層する積層工程とを有し、
前記第1のマイクロカプセル含有層形成工程および前記第2のマイクロカプセル含有層形成工程は、それぞれ、前記殻体の内面側の部分または全部を形成した後、前記殻体を前記吸着粒子と反対の極性に帯電させる帯電工程を有し、該帯電工程により、前記吸着粒子が前記殻体の内面に吸着することを特徴とする。
これにより、本発明の表示装置を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の表示装置の製造方法では、前記殻体は、それぞれ殻状をなす、第1の層と、該第1の層よりも外側に配置されている第2の層とを有しており、
前記第2の層を形成する際に、前記帯電工程を行なうことが好ましい。
これにより、本発明の表示装置をより容易かつ確実に製造することができる。
本発明の表示装置の製造方法では、前記殻体を形成した後、前記マイクロカプセルの外表面に密着して該マイクロカプセルを固定する固定材料を介し、前記帯電工程を行なうことが好ましい。
これにより、本発明の表示装置をより容易かつ確実に製造することができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた表示特性を有する電子機器を提供することができる。
以下、本発明の表示装置、表示装置の製造方法および電子機器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
ここで、本発明の表示装置の積層部は、複数の吸着粒子含有層を積層したものであり、その吸着粒子含有層の層数は、2以上であれば、特に限定されないが、下記の実施形態では、代表的に、4つのマイクロカプセル含有層(吸着粒子含有層)を積層した場合について説明する。
<第1実施形態>
1.表示装置
まず、本発明の表示装置について説明する。
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図2および図3は、図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図、図4は、図1に示す表示装置における、吸着粒子の表面とカプセル本体の内面との間の距離と、吸着粒子のポテンシャルとの関係を示すグラフ(ポテンシャル曲線)、図5は、図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図である。また、図6は、図1に示す表示装置の作用を説明するための第1のマイクロカプセル含有層のマイクロカプセルの模式図であり、図6(a)は、断面図、図6(b)は、側面図、図6(c)は、平面図(表示面側から見た図)である。また、図7は、図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図である。また、図8〜図10は、図1に示す表示装置の製造方法を説明するための模式図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3、図5、図7〜図10中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
また、図2、図3、図5および図6では、カプセル本体401の記載を簡略化して1層に記載している。
また、図6では、液相分散媒6および分散粒子5の記載および断面を示す斜線が省略されている。
また、図6(b)および図6(c)では、カプセル本体401の内部を示すため、そのカプセル本体401の部分は、断面図とした。
図1に示すように、表示装置20は、表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22と、表示シート21と回路基板22とを接合する接着剤層8と、表示シート21と回路基板22との間の間隙を気密的に封止する封止部7とを有している。なお、図1中上側が表示面側、下側が表示面と反対側である。
表示シート21は、第1のマイクロカプセル含有層(吸着粒子含有層)400a、第2のマイクロカプセル含有層(吸着粒子含有層)400b、第3のマイクロカプセル含有層(吸着粒子含有層)400cおよび第4のマイクロカプセル含有層(吸着粒子含有層)400dを、この順序で積層した積層部を有している。第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dは、それぞれ、マイクロカプセル40とバインダ41とで構成されている。これら第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのうち、第1のマイクロカプセル含有層400aが、最下部(表示面から最も遠位)に位置している。
また、表示シート21は、平板状の基部31と基部31の上面に設けられた複数の電極34とを備える基板37と、平板状の基部32と基部32の上面に設けられた複数の電極35とを備える基板38と、平板状の基部33と基部33の上面に設けられた複数の電極35とを備える基板39と、平板状の基部2と基部2の下面に設けられた電極4とを備える基板12とを有している。基板37〜39(基部31〜33)には、それぞれ、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)が設けられている。
基板37は、第1のマイクロカプセル含有層400aと第2のマイクロカプセル含有層400bとの間に位置し、基板38は、第2のマイクロカプセル含有層400bと第3のマイクロカプセル含有層400cとの間に位置し、基板39は、第3のマイクロカプセル含有層400cと第4のマイクロカプセル含有層400dとの間に位置し、基板12は、第4のマイクロカプセル含有層400の上側に位置している。基板37と第2のマイクロカプセル含有層400bとの間、基板38と第3のマイクロカプセル含有層400cとの間、および基板39と第4のマイクロカプセル含有層400dとの間には、それぞれ、接着剤層8が設けられ、それらは、接着剤層8により接合されている。
一方、回路基板22は、平板状の基部1と基部1の上面に設けられた複数の電極3とを備える対向基板11と、この対向基板11(基部1)に設けられた、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)とを有している。
以下、各部の構成について順次説明する。
各基部1、31〜33、2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、特に、基部1および2は、これらの間に配置される各部材を支持および保護する機能を有する。
各基部1、31〜33、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、31〜33、2を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
また、各基部(基材層)1、31〜33、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
このような基部1、31〜33、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20〜500μm程度であるのが好ましく、25〜250μm程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置20の小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
これらの基部1、31〜33の上面および基部2の下面には、それぞれ、層状(膜状)をなす電極3、34〜36および電極4が設けられている。すなわち、電極3と電極34とは、第1のマイクロカプセル含有層400aを介して対向配置されており、電極34と電極35とは、第2のマイクロカプセル含有層400bを介して対向配置されており、電極35と電極36とは、第3のマイクロカプセル含有層400cを介して対向配置されており、電極36と電極4とは、第4のマイクロカプセル含有層400dを介して対向配置されている。
電極3、34は、第1のマイクロカプセル含有層400a用の1対の電極であり、電極34、35は、第2のマイクロカプセル含有層400b用の1対の電極であり、電極35、36は、第3のマイクロカプセル含有層400c用の1対の電極であり、電極36、4は、第4のマイクロカプセル含有層400d用の1対の電極である。このように本実施形態では、第1のマイクロカプセル含有層400aと第2のマイクロカプセル含有層400bとの間の電極34は、これら第1のマイクロカプセル含有層400aと第2のマイクロカプセル含有層400bとに共通のものであり、第2のマイクロカプセル含有層400bと第3のマイクロカプセル含有層400cとの間の電極35は、これら第2のマイクロカプセル含有層400bと第3のマイクロカプセル含有層400cとに共通のものであり、第3のマイクロカプセル含有層400cと第4のマイクロカプセル含有層400dとの間の電極36は、これら第3のマイクロカプセル含有層400cと第4のマイクロカプセル含有層400dとに共通のものである。
電極3と電極34との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が、第1のマイクロカプセル含有層400a中の後述する吸着粒子(表示粒子)50に作用する。なお、後述する分散粒子(表示粒子)5が帯電している場合は、前記電界は、その分散粒子5にも作用する。同様に、電極34と電極35との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が、第2のマイクロカプセル含有層400b中の吸着粒子(表示粒子)50に作用し、電極35と電極36との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が、第3のマイクロカプセル含有層400c中の吸着粒子(表示粒子)50に作用し、電極36と電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が、第4のマイクロカプセル含有層400d中の吸着粒子(表示粒子)50に作用する。
本実施形態では、電極4が共通電極とされ、電極3、34〜36が、それぞれ、マトリックス状(行列状)に分割された個別電極(スイッチング素子に接続された画素電極)とされており、電極3、34〜36の位置は、平面視で(図1中上側から見たとき)、互いに一致している。電極4と、1つの電極3、34〜36とが重なる部分が1画素を構成する。
なお、電極4も、電極3、34〜36と同様に複数に分割するようにしてもよい。
各電極3、34〜36、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような電極3、34〜36、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.05〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
なお、各基部31〜33、2と、各電極34〜36、4と、基板37と第2のマイクロカプセル含有層400bとの間、基板38と第3のマイクロカプセル含有層400cとの間、および基板39と第4のマイクロカプセル含有層400dとの間の接着剤層8は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、後述する吸着粒子50および分散粒子5の状態、すなわち表示装置20に表示された情報(画像)を目視により容易に認識することができる。
表示シート21では、電極4の下面に接触して、第4のマイクロカプセル含有層400dが設けられ、基部33の下面に接触して、第3のマイクロカプセル含有層400cが設けられ、基部32の下面に接触して、第2のマイクロカプセル含有層400bが設けられ、基部31の下面に接触して、第1のマイクロカプセル含有層400aが設けられている。
第1のマイクロカプセル含有層400aは、後述する分散液10および吸着粒子50をカプセル本体(殻体)401内に封入した複数のマイクロカプセル40を、バインダ(固定材料)41で固定(保持)してなるものである。
また、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dは、それぞれ、後述する液体15および吸着粒子50をカプセル本体(殻体)401内に封入した複数のマイクロカプセル40を、バインダ(固定材料)41で固定(保持)してなるものである。
以下、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dについて説明するが、これらの構成は、マイクロカプセル40を除いて、同様であるので、代表的に、第1のマイクロカプセル含有層400aを説明する。また、マイクロカプセル40については後に詳述する。
バインダ41は、マイクロカプセル40の外表面に密着し、マイクロカプセル40を被覆しており、マイクロカプセル40同士の間に形成された隙間(空隙)は、そのバインダ41で満たされている。
すなわち、バインダ41は、例えば、対向基板11と基板37とを接合する目的、対向基板11および基板37との間にマイクロカプセル40を固定する目的、電極3および電極34間の絶縁性を確保する目的、マイクロカプセル40とマイクロカプセル40との間の空隙を埋めて強い電界を生じさせる目的等により供給される。これにより、表示装置20の耐久性、信頼性および表示性能をより向上させることができる。
このバインダ41には、各電極3、34、カプセル本体401(マイクロカプセル40)との親和性(密着性)に優れ、絶縁性に優れ、かつ、比較的高い誘電率を有する樹脂材料(絶縁性または微小電流のみが流れる樹脂材料)が好適に使用される。
このようなバインダ41としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態では、表示シート21と回路基板22とが、接着剤層8を介して接合されている。これにより、表示シート21と回路基板22とをより確実に固定することができる。
このような接着剤層8は、例えば、ポリウレタンを主材料として構成されているのが好ましい。
ポリウレタンとしては、例えば、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)またはこれらの誘導体のうちの少なくとも1種をイソシアネート成分とし、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)またはこれらの誘導体のうちの少なくとも1種をポリオール成分とするものが挙げられる。
なお、接着剤層8の構成材料としては、ポリウレタンには限定されず、その他、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ABS樹脂、ビニル−アクリル酸エステル共重合体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、基部1と基部2との間であって、それらの縁部に沿って、封止部7が設けられている。この封止部7により、各電極3、34〜36、4、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400d、および各接着剤層8が気密的に封止されている。これにより、表示装置20内への水分の浸入を防止して、表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、封止部7は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
次に、マイクロカプセル40について説明するが、代表的に、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40を説明する。
マイクロカプセル40のカプセル本体401の内面には、吸着粒子(帯電粒子)50が吸着している。すなわち、吸着粒子50は、所定の極性に帯電しており、また、後述するように、カプセル本体401は、吸着粒子50と反対の極性に帯電しているので、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着している。
吸着粒子50としては、1種または2種以上用いてもよいが、着色された粒子(着色粒子)を用いるのが好ましい。本実施形態では、吸着粒子50として、黒色を表示する黒色粒子(着色粒子)を用いている。
また、カプセル本体401内には、光を散乱させる散乱体または吸着粒子50と異なる色相を有する着色体として、液体、すなわち、本実施形態では、分散液10が封入(充填)されている。
分散液10は、液相分散媒6中に、分散粒子5を分散(懸濁)してなるものである。この分散粒子5としては、1種または2種以上用いてもよいが、光を散乱させる粒子か、または、吸着粒子50と異なる色相を有する着色粒子を用いる。本実施形態では、分散粒子5として、光を散乱させる粒子(いわゆる白色を表示する白色粒子)を用いている。すなわち、本実施形態では、分散液10として、液相分散媒6中に、光を散乱させる分散粒子5を分散してなるものを用いている。なお、光が散乱することにより、白色が表示される。
なお、分散液10に代えて、例えば、光を散乱させるか、または、吸着粒子50と異なる色相を有し、粒子が含まれていない液体を用いてもよい。また、例えば、光を散乱させるか、または、吸着粒子50と異なる色相を有する気体を用いてもよい。
ここで、分散粒子5は、帯電していてもよく、また、帯電していなくてもよいが、帯電している場合は、吸着粒子50と反対の極性、すなわち、カプセル本体401と同じ極性に帯電している必要がある。これにより、分散粒子5がカプセル本体401の内面に吸着してしまうのを防止することができる。
また、分散粒子5が実質的に帯電していない場合は、分散粒子5と吸着粒子50とが互いに吸着してしまうのを防止することができる。
また、分散粒子5が吸着粒子50と反対の極性に帯電している場合は、例えば、分散粒子5とカプセル本体401との斥力の大きさが、分散粒子5と吸着粒子50との引力の大きさ以上となるように、各部の帯電量(電荷量)や電荷密度等を設定することで、分散粒子5と吸着粒子50とが互いに吸着してしまうのを防止することができる。斥力は、分散粒子5と吸着粒子50の表面を高分子材料で被覆することによって得られ、高分子材料の密度、分子量、液相分散媒6に対する溶解性を制御することによって、斥力の大きさを調整することができる。
なお、本実施形態では、分散粒子5は、実質的に帯電しておらず、液相分散媒6中に均一に分散しているものとする。
製造時の吸着粒子50および分散粒子5の液相分散媒6への分散は、それぞれ、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
液相分散媒6としては、カプセル本体401に対する溶解性が低く、かつ比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。
かかる液相分散媒6としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、メタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族復素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩またはその他、シリコーンオイル等の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、液相分散媒6としては、沸点が80度以上の炭化水素、シリコーンオイルが好ましい。
また、液相分散媒6(分散液10)中には、必要に応じて、例えば、電解質、アルケニルコハク酸エステルのような界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
さらに、液相分散媒6を着色する場合には、液相分散媒6に、必要に応じて、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料等の各種染料を溶解するようにしてもよい。
吸着粒子50は、荷電を有し、電界が作用することにより、液相分散媒6中をカプセル本体401の内面に沿って移動し得る粒子である。すなわち、吸着粒子50は、後述するように、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って移動する。
一方、分散粒子5は、前述したように、荷電を有し、電界が作用することにより、液相分散媒6中を電気泳動し得る粒子であってもよく、また、荷電を有していない粒子であってもよい。
かかる吸着粒子50には、荷電を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、また、分散粒子5には、光を散乱させる粒子か、または、吸着粒子50と異なる色相を有する着色粒子であれば、荷電の有無にかかわらず、いかなるものをも用いることができ、それぞれ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、亜鉛華、酸化珪素、酸化アルミニウム等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができ、かかる粒子は、白色表示用の分散粒子5として好適に用いられる。
また、カーボンブラック粒子、チタンブラック粒子、またはその表面を被覆した粒子は、黒色表示用の吸着粒子50として好適に用いられる。
また、吸着粒子50および分散粒子5の形状は、それぞれ、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。
吸着粒子50および分散粒子5は、それぞれ、比較的小さいものが好適に用いられ、具体的には、その平均粒径が、10nm〜3μm程度であるのが好ましく、20nm〜2μm程度であるのがより好ましく、20nm〜800nm程度が最も好ましい。吸着粒子50および分散粒子5の平均粒径を前記範囲とすることにより、吸着粒子50および分散粒子5の凝集を防止することができ、また、分散粒子5の液相分散媒6中における沈降を確実に防止して、液相分散媒6中に分散させることができ、その結果、表示装置20の表示品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、本実施形態のように、2種の異なる粒子を用いる場合、2種の粒子の平均粒径を異ならせても特に問題はない。本願発明の方法においては、表示装置20の表示コントラストは高い値が得られる。
マイクロカプセル40は、図1に示すように、対向基板11と基板37との間に、縦横に並列するように単層で(厚さ方向に重なることなく1個ずつ)、かつ、マイクロカプセル含有層400の厚さ方向全体に配設されている。
また、マイクロカプセル40は、図示の構成では、1つの電極3に、2つ配置されているが、これに限らず、例えば、1つの電極3に、1つ配置されていてもよく、また、1つの電極3に、3以上配置されていてもよい。
また、マイクロカプセル40は、図示の構成では、対向基板11と基板37との間で、接着剤層8と基部31とで挟持されても、上下方向に圧縮(圧迫)されることなく、ほぼ球状(球形状)をなしている。また、分散液10が充填(散乱体または着色体が配置)された空間を画成する壁部(壁構造)であるカプセル本体(殻体)401は、球殻状(球状の空間を画成する殻体)をなしている。すなわち、カプセル本体401の内面は、電極3と電極34との間に亘って設けられた(連続的に設けられた)湾曲凹面で構成されている。これにより、カプセル本体401の内面には、電極3および電極34と平行な平面が実質的に存在しない。これによって、吸着粒子50は、円滑かつ確実に、カプセル本体401の内面に沿って移動することができる。
なお、マイクロカプセル40は、前記球状に限らず、例えば、ほぼ楕円体状等をなしていてもよい。すなわち、カプセル本体401は、球殻状に限らず、例えば、楕円体殻状(楕円体状の空間を画成する殻体)等をなしていてもよい。
また、カプセル本体401は、吸着粒子50と反対の極性に帯電している。したがって、吸着粒子50は、吸着粒子50とカプセル本体401との間の相互作用による引力、すなわち、吸着粒子50とカプセル本体401との間の静電力とファンデルワールス力との和(合力)である引力により、カプセル本体401の内面に吸着している。
図2に示すように、まず、電極3と電極34との間に電圧が印加されていないとき(電極3と電極34との間の電位差が0のとき)は、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着して所定位置に停止しており、また、分散粒子5は、液相分散媒6中に分散されている。
次に、電極3と電極34との間に電圧が印加されると(電極3と電極34との間に電位差が生じると)、電極3と電極34との間に電界が生じ、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その電界にしたがって、カプセル本体401の内面に沿っていずれかの電極に向かって移動し、また、分散粒子5は、液相分散媒6中に分散された状態を保持する。そして、前記電圧の印加を停止すると、吸着粒子50は、その移動を停止し、カプセル本体401の内面に吸着して所定位置に停止し、また、分散粒子5は、液相分散媒6中に分散された状態を保持する。
具体的には、例えば、吸着粒子50が負に帯電し、カプセル本体401が正に帯電しており、電極3が電極34に対して正電位になるように、電極3と電極34との間に電圧を印加すると、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って電極3側(表示面と反対側)に移動する。
また、電極3が電極34に対して負電位になるように、電極3と電極34との間に電圧を印加すると、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って電極34側(表示面側)に移動する。
この場合、電極3と電極34との間にパルス状の電圧(パルス電圧)を印加すること、すなわち、電極3と電極34との間に印加する電圧の大きさ(電圧値)および時間(印加時間)のうちのいずれか一方、または、両方を調整することにより、吸着粒子50の位置を調整することができる。これにより、表示面側(図2中上側)から見たときの、カプセル本体401内の分散粒子5および液相分散媒6(液体)の吸着粒子50により覆われている部分の面積(S2)と、カプセル本体401内の分散粒子5および液相分散媒6(液体)の全体の面積(S1)との比率(S2/S1)が調整される(図6参照)。これによって、マイクロカプセル40からの反射光の光量(明るさ)を変化させることができる。なお、前記面積(S1)および面積(S2)は、それぞれ、基部2(基板12)と平行な平面への投影面積である。
ここで、本実施形態は、フルカラー表示の装置であるが、白黒表示においても、白色および黒色の他に、白色と黒色との間の任意の中間調(中間色)、すなわち、任意の階調(明度)のグレー色を表示することができる。すなわち、表示色を、白色と黒色との間で連続的に変化させることができる。
例えば、図2に示すように、吸着粒子50が電極3側に位置している(集まっている)とき、すなわち、吸着粒子50がカプセル本体401の下半球(電極3側の半球)に位置し、表示面側から見たとき、その吸着粒子50により、カプセル本体401内の分散粒子5および液相分散媒6(液体)が全く覆われていないときは、比率(S2/S1)が0となり、表示色は、白色となる。すなわち、マイクロカプセル40への入射光は、略すべて(大部分が)、分散粒子5により散乱し、これにより、表示装置20を表示面側から見ると、白色が見える。
なお、白色を表示する場合と、後述する第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40による所定の色を表示する場合は、それぞれ、この第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40の吸着粒子50を、図2に示すように、電極3側に位置させる。
また、吸着粒子50が電極34側に位置しているとき、すなわち、吸着粒子50がカプセル本体401の上半球(電極34側の半球)に位置し、表示面側から見たとき、その吸着粒子50により、カプセル本体401内の分散粒子5および液相分散媒6(液体)がすべて覆われているときは、比率(S2/S1)が1となり、表示色は、黒色となる。すなわち、マイクロカプセル40への入射光は、略すべて(大部分が)、吸着粒子50により吸収され、これにより、表示装置20を表示面側から見ると、黒色(吸着粒子50の色)が見える。
また、吸着粒子50が電極3と電極34との間に位置しているとき、すなわち、吸着粒子50がカプセル本体401の上半球と下半球とに跨ってベルト状に分布し、表示面側から見たとき、その吸着粒子50により、カプセル本体401内の分散粒子5および液相分散媒6(液体)のうちの外周側(一部)が環状に覆われているときは、比率(S2/S1)が、0より大きく、かつ1より小さい所定の値となり、表示色は、所定の階調のグレー色となる。すなわち、マイクロカプセル40への入射光のうちの一部は、分散粒子5により散乱し、残部は、吸着粒子50により吸収され、これにより、表示装置20を表示面側から見ると、所定の階調のグレー色が見える。
また、表示装置20の制御方式としては、特に限定されないが、例えば、吸着粒子50が電極3側に位置している状態、すなわち白色が表示されている状態、または、吸着粒子50が電極34側に位置している状態、すなわち黒色が表示されている状態を初期状態(基準状態)として設定し、所定の中間調を表示する際、一旦、前記初期状態にし、この後、電極3と電極34との間に前記パルス電圧を印加するよう構成するのが好ましい。その理由は、電極3と電極34との間に、例えば十分な時間、電圧を印加することで、確実に、前記初期状態にすることができるので(初期状態にするための印加電圧の大きさや時間等の微妙な調整が不要)、その初期状態から前記パルス電圧を印加することで、確実に、目標の中間調を表示することができる。
また、別の制御方式として、中間調が表示されている現時点の表示状態から目標の中間調が表示される表示状態に変化させるのに必要なパルス電圧を印加するよう構成するのも好ましい。その理由は、この表示装置20では、中間調を確実に表示すことができるので、前記初期状態に戻すことなく、連続的に目標の中間調が表示される表示状態に変化させても、確実に、その目標の中間調を表示することができる。
なお、電極3と電極34との間に印加する電圧は、単一のパルス電圧に限らず、例えば、極性の等しい複数のパルス電圧、極性を交互に入れ換えた複数のパルス電圧(交流電圧)等であってもよい。
また、分散粒子5が吸着粒子50と反対の極性に帯電している場合は、電極3と電極34との間に電圧が印加されると、分散粒子5は、前記吸着粒子50が向かう電極と反対側の電極に向かって、電気泳動するが、前記電圧の印加を停止すると、分散粒子5は、再び、液相分散媒6中に分散され、前記分散粒子5が帯電していない場合と同様の機能を発揮する。
また、図3に示すように、この表示装置20では、電極3と電極34との間に生じる電界により吸着粒子50に作用する静電力(図3中のf)よりも、吸着粒子50とカプセル本体401との間の相互作用による引力(図3中のf)の方が大きくなるよう構成されている。この吸着粒子50とカプセル本体401との間の相互作用による引力(f)は、これらの間の静電力とファンデルワールス力との和(合力)である。前記電界により吸着粒子50に作用する静電力(f)よりも吸着粒子50とカプセル本体401との間の相互作用による引力(f)の方が大きくなるようにすることは、例えば、各部の帯電量、電荷密度等や、電極3と電極34との間に印加する電圧の大きさ等を適宜設定することで、実現することができる。
これにより、電極3と電極4との間に電圧が印加されて、これらの間に生じた電界が吸着粒子50に作用したとき、前記静電力(f)と相互作用による引力(f)との和(図3中のf)の方向は、図3に示すようになり、その吸着粒子50がカプセル本体401から離間していってしまうのを防止することができ、これによって、吸着粒子50は、確実に、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、カプセル本体401の内面に沿って移動することができる。
前記吸着粒子50がカプセル本体401の内面に吸着しつつその内面に沿って移動する現象を微視的に見ると、もう少し複雑である。以下、それを説明する。
すなわち、吸着粒子50とカプセル本体401との間の関係(引力等)は、もう少し複雑であり、吸着粒子50とカプセル本体401との間の相互作用は、図4に示すポテンシャル曲線で記述される。この場合、吸着粒子50とカプセル本体401との間の引力(ファンデルワールス力と静電力との和)と、斥力(ポリマー鎖による立体障害や浸透圧)との和によって、図4に示すポテンシャルの凹みができる。
まず、図4中の吸着粒子50の表面とカプセル本体401の内面との間の距離がZのときは、吸着粒子50は、その表面とカプセル本体401の内面とが距離Zだけ離間した位置に吸着されているが、この距離Zは、ナノメートルオーダーの距離であり、実際は、互いのポリマー鎖が接触した状態にある。
ここに、電極3と電極34との間に電界が生じると、前記距離Zだけ離間した位置は、ポテンシャル曲線の傾きがゼロであるので、吸着粒子50は、容易にカプセル本体401の内面から離間する方向へ移動する。
しかし、吸着粒子50が距離Zだけ離間した位置に接近すると、ポテンシャル曲線の傾きが大きくなり、吸着粒子50に対して大きな引力が作用し、これにより、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面からそれ以上離間することができなくなり、逆に、カプセル本体401の内面に接近する方向へ移動する。
その結果、電極3と電極34との間に電界が生じると、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面上を、その内面に沿って移動する。この際、吸着粒子50は、図5に示すように、吸着粒子50の表面とカプセル本体401の内面との間の距離を僅かに変化させながら(吸着粒子50が僅かに飛び跳ねながら)、カプセル本体401の内面に沿って移動する。
また、本実施形態では、分散液10および吸着粒子50を内包するカプセル本体(殻体)401は、図1に示すように、第1のカプセル層(第1の層)402と、この第1のカプセル層402よりも外側に配置されている第2のカプセル層(第2の層)403とで構成されている。第1のカプセル層402および第2のカプセル層403は、それぞれ球殻状(殻状)をなし、第2のカプセル層403により、第1のカプセル層402の外面が覆われている。これにより、カプセル本体401に、第1のカプセル層402および第2のカプセル層403がそれぞれ有する特性を相乗的に付与することができる。
なお、カプセル本体401は、これら第1のカプセル層402と第2のカプセル層403とのうち、いずれか一方のみが帯電していてもよく、また、両方が帯電していてもよい。
第1のカプセル層402および第2のカプセル層403の構成材料としては、それぞれ、例えば、アラビアゴムなどのゴムを含む材料、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1のカプセル層402および第2のカプセル層403を構成する樹脂には、それぞれ、架橋剤により架橋(立体架橋)構造を形成するようにしてもよい。これにより、第1のカプセル層402や第2のカプセル層403の強度をさらに向上させることができる。その結果、マイクロカプセル40が崩壊するのをより確実に防止することができる。
ここで、第1のカプセル層402および第2のカプセル層403のぞれぞれの帯電の有無、帯電量や電荷密度、極性等は、液相分散媒6との関係も関与する。したがって、第1のカプセル層402および第2のカプセル層403は、それぞれ、使用する液相分散媒6に応じて、構成材料(構成材料の組み合わせ)、その配合比、形成時の諸条件等を適宜設定し、所定の極性に帯電させるとともに、その帯電量や電荷密度等を調整する。この場合、例えば、帯電付与剤等の添加材を添加してもよい。
また、第1のカプセル層402と第2のカプセル層403とは、これらの界面において化学的に結合しているのが好ましい。これにより、回路基板22と表示シート21との間に圧力を付与したとしても、第1のカプセル層402と第2のカプセル層403との間で剥離が生じるのを確実に防止することができる。その結果、第1のマイクロカプセル含有層400aと回路基板22とを接合する際の圧力や、表示装置として使用・保存している間に加わる衝撃や押圧により、マイクロカプセル40が崩壊してしまうのをより確実に防止することができる。
カプセル本体401の厚さ(本実施形態では、第1のカプセル層402の厚さと第2のカプセル層403の厚さの合計)は、特に限定されないが、湿潤状態で、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.1〜3μmであるのがさらに好ましい。カプセル本体401の厚さが小さいと、第1のカプセル層402と第2のカプセル層403との構成材料の組み合わせによっては、十分なカプセル強度が得られない恐れがある。逆に、カプセル本体401の厚さが大きいと、第1のカプセル層402と第2のカプセル層403との構成材料の組み合わせによっては、透明性が低下して、表示装置のコントラストの低下を招く恐れがある。
なお、本実施形態では、カプセル本体401は、第1のカプセル層402と第2のカプセル層403からなる2層構成とされているが、このような2層構成に限らず、単層または3層以上の多層構成であっても構わない。
カプセル本体401の粒径としては、体積平均粒子径が10〜100μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。カプセル本体401の粒径がこのような範囲であることにより、寸法精度よくマイクロカプセル含有層400を形成することができる。
カプセル本体401の粒径が前記下限値よりも小さ過ぎると、第1のマイクロカプセル含有層400aの両方の面側がマイクロカプセル40で満たされ、表示のコントラストが低下するおそれがある。
一方、カプセル本体401の粒径が前記上限値よりも大き過ぎると、マイクロカプセル40同士の隙間も大きくなることにより、表示のコントラストが低下するおそれがある。
このようなマイクロカプセル40は、その大きさ(粒径)がほぼ均一(同一)に形成されているのが好ましい。具体的には、粒子径の変動係数(CV値)が5〜25%であることが好ましく、変動係数(CV値)が5〜20%であることがより好ましい。これにより、マイクロカプセル40が均一に配置されるので、表示装置20では、表示ムラの発生が防止または低減され、より優れた表示性能を発揮することができる。
また、後述するように、表示装置20は、通常、回路基板22と表示シート21との間に接着剤層8を介在させた状態で、これら同士を接合することにより得られるが、この接合は、回路基板22と表示シート21とを接近させた状態で行われる。このように回路基板22と表示シート21とを接近させるために、これら同士の間に圧力が付与される。また、本発明の表示装置20を可撓性が求められる電子ペーパーに組み込んだ際には、電子ペーパーを撓ませる度に、表示装置20にも同様に撓みが生じることになるが、このたびに、回路基板22と表示シート21との間に圧力が付与される。
これらの圧力が回路基板22と表示シート21との間に付与されたとしても、マイクロカプセル40を、電極34と接着剤層8との間で、球状を維持するような強度を有するものとする。かかる構成とすることにより、マイクロカプセル40の耐圧性および耐ブリード性の双方を高めることができることから、表示装置20は、長期間安定的に動作し得るものとなる。前記マイクロカプセル40の耐圧性とは、「マイクロカプセル40に圧力がかかったとき、マイクロカプセル40が潰れずに耐えること」を言い、前記マイクロカプセル40の耐ブリード性とは、「マイクロカプセル40内に封入された液相分散液6等がマイクロカプセル40の外側に散逸されないこと」を言う。
次に、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40について説明するが、前記第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40との相違点を中心に説明する。
第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40では、それぞれ、カプセル本体401の内面には、吸着粒子(帯電粒子)50が吸着している。すなわち、吸着粒子50は、所定の極性に帯電しており、また、カプセル本体401は、吸着粒子50と反対の極性に帯電しているので、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着している。
吸着粒子50としては、1種または2種以上用いてもよいが、着色された粒子(着色粒子)を用いるのが好ましい。
本実施形態では、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50として、それぞれ、1種の着色粒子を用いている。この場合、第2のマイクロカプセル含有層400bのマイクロカプセル40の吸着粒子50は、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40の吸着粒子50と異なる色相を有している。また、第3のマイクロカプセル含有層400cのマイクロカプセル40の吸着粒子50は、第1および第2のマイクロカプセル含有層400a、400bのマイクロカプセル40の吸着粒子50のいずれとも異なる色相を有している。また、第4のマイクロカプセル含有層400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50は、第1〜第3のマイクロカプセル含有層400a〜400cのマイクロカプセル40の吸着粒子50のいずれとも異なる色相を有している。すなわち、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50は、すべて、色相が異なっている。
具体的には、本実施形態では、吸着粒子50として、第2のマイクロカプセル含有層400bのマイクロカプセル40では、マゼンタ(M)を表示する着色粒子を用い、第3のマイクロカプセル含有層400cのマイクロカプセル40では、シアン(C)を表示する着色粒子を用い、第4のマイクロカプセル含有層400dのマイクロカプセル40では、イエロー(Y)を表示する着色粒子を用いている。これにより、フルカラー表示を行うことができる。
なお、フルカラー表示を行う場合、前記の他、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50として、例えば、レッド(R)を表示する着色粒子、グリーン(G)を表示する着色粒子、ブルー(B)を表示する着色粒子等を用いてもよい。
また、カプセル本体401内には、実質的に透明な透明体として、液体、すなわち、本実施形態では、粒子が含まれていない液体15が封入(充填)されている。この液体15としては、前記液相分散媒6と同様のものを用いることができる。
ここで、実質的に透明とは、カプセル本体401内に充填された状態の液体15における可視光の透過率が、80%以上であることを言う。
なお、液体15に代えて、例えば、粒子が含まれている液体や、空気等の気体を用いてもよい。また、気体を用いる場合、カプセル本体401内の気圧は、特に限定されず、例えば、カプセル本体401内が、真空に近い状態(実質的に真空)であってもよい。
第2のマイクロカプセル含有層400bのマイクロカプセル40では、吸着粒子50は、図7に示す電極34側に位置した状態と、図2に示す、電極34と電極35との間に位置し、カプセル本体401の上半球と下半球とに跨ってベルト状に分布している状態とを採ることができ、また、これらの位置の間で自在に移動させることができるようになっている。すなわち、吸着粒子50は、マイクロカプセル40を、その吸着粒子50の色が表示色に反映される状態と、光吸着粒子50の色が表示色に反映されない状態とに切り換えるシャッターとしての機能を有する。
図7に示すように、吸着粒子50が電極34側に位置しているとき、すなわち、吸着粒子50がカプセル本体401の下半球(電極34側の半球)に位置しているときは、その吸着粒子50の色が表示色に反映される。
また、図2に示すように、吸着粒子50が電極34と電極35との間に位置しているとき、すなわち、吸着粒子50がカプセル本体401の上半球と下半球とに跨ってベルト状に分布しているきは、マイクロカプセル40への入射光は、略すべて(大部分が)、マイクロカプセル40の吸着粒子50の間を透過し、その吸着粒子の色は、表示色に反映されない。なお、この吸着粒子50の位置を「非反映位置」と言う。
また、吸着粒子50を、図7に示す電極34側の位置と、図2に示す非反映位置との間の所定の位置に移動させることで、その吸着粒子50の色の反映される度合(割合)を調整することができ、これにより多彩な色を表示することができる。
第3および第4のマイクロカプセル含有層400cおよび400dのマイクロカプセル40についても、それぞれ、同様である。
なお、この表示装置20では、例えば、電極4を接地(アース)し、電極3、34〜36に対し、それぞれ、+Aボルトと−Aボルトとを選択して印加し得るように構成すれば、電極3、34間、電極34、35間、電極35、36間、電極36、4間に、それぞれ、正電圧と負電圧とを選択して印加することができる。
2.表示装置の動作方法
このような表示装置20は、次のようにして作動する。
以下、図6および図7に基づき、表示装置20の作動(動作)方法について説明する。なお、代表的に、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50が負に帯電し、カプセル本体401が正に帯電しており、さらに、第1のマイクロカプセル含有層400aの吸着粒子50が電極3側に位置し、第2のマイクロカプセル含有層400bの吸着粒子50が電極34側に位置し、第3のマイクロカプセル含有層400cの吸着粒子50が電極35側に位置し、第4のマイクロカプセル含有層400dの吸着粒子50が電極36側に位置している状態が初期状態として設定されている場合を説明する。
まず、白色を表示する際は、第1のマイクロカプセル含有層400aについては、電極3が電極34に対して正電位になるように、電極3と電極34との間に電圧を印加する。この電圧は、確実を期すため、吸着粒子50が電極4側から電極3側まで移動するのに十分な時間印加するのが好ましい。
これにより、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って電極3側に向かって移動し、その電極3側に停止する。一方、分散粒子5は、液相分散媒6中に分散された状態を保持する。
また、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dについては、それぞれ、電極34が電極35に対して負電位になるように、電極34と電極35との間に電圧を印加し、電極35が電極36に対して負電位になるように、電極35と電極36との間に電圧を印加し、電極36が電極4に対して負電位になるように、電極36と電極4との間に電圧を印加する。この場合、吸着粒子50の位置と、電圧の印加時間との対応を示す検量線(例えば、演算式、テーブル等)が、予め、実験的に求められており、図示しない記憶手段に記憶されている。図示しない制御手段は、この検量線に基づいて、吸着粒子50を非反映位置に移動させるための電圧の印加時間を求め、その時間だけ、電圧を印加する。
これにより、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dの吸着粒子50は、それぞれ、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って電極35、36、4側に向かって移動し、非反映位置で停止する。
これにより、白色が表示される。
また、黒色を表示する際は、電極3が電極34に対して負電位になるように、電極3と電極34との間に電圧を印加する。この電圧は、確実を期すため、吸着粒子50が電極3側から電極34側まで移動するのに十分な時間印加するのが好ましい。
これにより、第1のマイクロカプセル含有層400aの吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って電極34側に向かって移動し、その電極34側に停止する。一方、分散粒子5は、液相分散媒6中に分散された状態を保持する。
これにより、黒色が表示される。
また、中間調であるグレー色を表示する際は、第1のマイクロカプセル含有層400aについて、一旦、前記のようにして初期状態に戻し、この後、電極3が電極34に対して負電位になるように、電極3と電極34との間に電圧を印加する。この場合、各階調のグレー色(各中間調)と、電圧の印加時間との対応を示す検量線(例えば、演算式、テーブル等)が、予め、実験的に求められており、図示しない記憶手段に記憶されている。図示しない制御手段は、この検量線に基づいて、目標の階調のグレー色(目標の中間調)を得るための電圧の印加時間を求め、その時間だけ、電圧を印加する。
これにより、第1のマイクロカプセル含有層400aの吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って電極34側に向かって移動し、所定の位置で停止する。一方、分散粒子5は、液相分散媒6中に分散された状態を保持する。これにより、表示面側から見たとき、吸着粒子50により、カプセル本体401内の分散粒子5および液相分散媒6(液体)の外周側が環状に覆われた状態、すなわち、比率(S2/S1)が0より大きく、かつ1より小さい所定の値となり、目標の階調のグレー色が表示される。
例えば、図6中左から2番目の表示例では、比較的明るい(白色に近い)グレー色が表示され、また、図6中左から3番目の表示例では、比較的暗い(黒色に近い)グレー色が表示される。
なお、第1のマイクロカプセル含有層400aについて、初期状態に戻さずに電圧の印加を行ってもよいことは、言うまでもない。
また、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40による所定の色を表示する場合は、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400bについて、一旦、前記のようにして初期状態に戻し、この後、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのうち、表示色に反映させない色の吸着粒子50を有するマイクロカプセル含有層について、それぞれ、下側の電極が上側の電極に対して負電位になるように、その1対の電極間に電圧を印加し、その吸着粒子50を非反映位置に移動させる。この場合、前記のように、図示しない制御手段は、検量線に基づいて、吸着粒子50を非反映位置に移動させるための電圧の印加時間を求め、その時間だけ、電圧を印加する。
例えば、図7に示すように、第3のマイクロカプセル含有層400cのみ、吸着粒子50が非反映位置に移動すると、第2のマイクロカプセル含有層400aのマゼンタと、第4のマイクロカプセル含有層400dのイエローとの混色が表示される。
また、この場合、第2のマイクロカプセル含有層400bの吸着粒子50を電極34側の位置と非反映位置との間の所定の位置に移動させることや、第4のマイクロカプセル含有層400dの吸着粒子50を電極36側の位置と非反映位置との間の所定の位置に移動させることで、それぞれ、その吸着粒子50の色の反映される度合(割合)を調整することができ、これにより多彩な色を表示することができる。
なお、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dについて、それぞれ、初期状態に戻さずに電圧の印加を行ってもよいことは、言うまでもない。
このようにして、フルカラーを表示することができ、前記各色の表示およびその組み合わせにより、所望の情報(画像)を表示することができる。
3.表示装置の製造方法
このような表示装置20は、次のようにして製造することができる。
以下、図8〜図10に基づき、表示装置20の製造方法について説明する。
図8〜図10に示す表示装置20の製造方法は、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40をそれぞれ作製するマイクロカプセル作製工程[A1]と、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40を含むマイクロカプセル分散液をそれぞれ調製するマイクロカプセル分散液調製工程[A2]と、基板31、32、33、12の一方の面側に、それぞれ、マイクロカプセル40を含む第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dを形成する第1〜第4のマイクロカプセル含有層形成工程[A3]と、積層工程[A4]と、封止部7を形成する封止工程[A5]とを有している。
なお、前記マイクロカプセル作製工程[A1]と、マイクロカプセル分散液調製工程[A2]と、マイクロカプセル含有層形成工程[A3]とで、本発明の表示装置の製造方法におけるマイクロカプセル含有層形成工程が構成される。
また、前記マイクロカプセル含有層形成工程[A3]で用意する基板12を製造する工程は、基部2の下面に、電極4を形成する電極形成工程を有し、前記接合工程[A5]で用意する基板39を製造する工程は、基部33の上面に、電極36を形成する第1の電極形成工程を有し、前記接合工程[A5]で用意する回路基板38を製造する工程は、基部32の上面に、電極35を形成する第1の電極形成工程を有し、前記接合工程[A5]で用意する回路基板37を製造する工程は、基部31の上面に、電極34を形成する第1の電極形成工程を有し、前記接合工程[A5]で用意する回路基板22を製造する工程は、基部1の上面に、電極3を形成する電極形成工程を有している。これらの電極形成工程により、本発明の表示装置の製造方法における電極形成工程が構成される。
以下、各工程について説明する。
[A1]マイクロカプセル40の作製工程
この工程は、代表的に、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40について説明する。
[A1−1]第1のカプセル層402の形成
まず、分散液10および吸着粒子50を第1のカプセル層402に内包するマイクロカプセルを得る。なお、以下、説明の便宜上、このマイクロカプセルを「マイクロカプセル前駆体」と言うこととする。
第1のカプセル層402は、例えば、分散液10および吸着粒子50からなる調整液を芯物質として、各種マイクロカプセル化手法を用いて形成することができる。
マイクロカプセル化手法(第1のカプセル層402への調整液の封入方法)としては、特に限定されないが、例えば、界面重合法、In−situ重合法、相分離法(または、コアセルベーション法)、界面沈降法、スプレードライ法等の各種マイクロカプセル化手法を用いることができる。このマイクロカプセル化手法は、第1のカプセル層402の構成材料等に応じて、適宜選択するようにすればよい。
ここで、前記第1のカプセル層402の形成の際は、その第1のカプセル層402を帯電させず、この後に、カプセル本体401を帯電させる帯電工程を行う。第1のカプセル層402の形成の際に、その第1のカプセル層402を帯電させてしまうと、吸着粒子50が静電力により第1のカプセル層402に吸着されて埋め込まれてしまう(固定されてしまう)が、第1のカプセル層402を帯電させないので、それを確実に防止することができる。
なお、均一な大きさのマイクロカプセル前駆体は、例えば、ふるいにかけて選別する方法、濾過法、比重差分級法等を用いることにより得ることができる。
[A1−2]第2のカプセル層403の形成
次に、工程[A1−1]で得たマイクロカプセル前駆体(第1のカプセル層402)の外周面に、第2のカプセル層403を形成し、分散液10および吸着粒子50を内包するマイクロカプセル40を得る。
第2のカプセル層403は、例えば、マイクロカプセル前駆体を水系媒体中に分散させたカプセル分散液に、樹脂のプレポリマーを徐々に添加し、マイクロカプセル前駆体の表面に吸着したプレポリマーを、重合反応させることによって形成することができる。これにより、マイクロカプセル前駆体の表面に第2のカプセル層403が形成され、分散液10および吸着粒子50を内包するマイクロカプセル40が得られる。
ここで、前記第2のカプセル層403の形成の際は、カプセル本体401(第1のカプセル層402と第2のカプセル層403とのうちのいずれか一方または両方)を吸着粒子50と反対の極性に帯電させる(帯電工程)。この場合、前述したように、例えば、使用する液相分散媒6に応じて、第1のカプセル層402および第2のカプセル層403のそれぞれについて、構成材料(構成材料の組み合わせ)、その配合比、形成時の諸条件等を適宜設定し、吸着粒子50と反対の極性に帯電させるとともに、その帯電量や電荷密度等を調整する。この帯電工程により、吸着粒子50は、静電力によってカプセル本体401の内面に吸着する。
なお、均一な大きさのマイクロカプセル40は、例えば、ふるいにかけて選別する方法、濾過法、比重差分級法等を用いることにより得ることができる。
このように、本実施形態の製造方法では、このマイクロカプセル作製工程[A1]において、カプセル本体401の内面側の部分(一部分)を構成する第1のカプセル層402を形成した後、カプセル本体401を吸着粒子50と反対の極性に帯電させる帯電工程が行われる。
なお、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40については、前記分散液10を液体15に変更すればよい。
[A2]マイクロカプセル分散液の調製工程
次に、バインダ41を用意し、このバインダ41と、前記工程[A1]で作製されたマイクロカプセル40とを混合してマイクロカプセル分散液を調製する。これを、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400d〜400dのマイクロカプセル40のそれぞれについて行う。
バインダ41と前記工程[A1]で作成されたマイクロカプセル40との混合比は、バインダ41、100重量部に対しマイクロカプセル40が100〜500重量部が好ましく、200〜450重量部がより好ましい。
マイクロカプセル分散液中におけるマイクロカプセル40の含有量は、30〜60wt%程度であるのが好ましく、40〜60wt%程度であるのがより好ましい。
マイクロカプセル40の含有量を前記範囲に設定すると、マイクロカプセル40が厚さ方向に重ならないように(単層で)、マイクロカプセル含有層400において移動(再配置)させて配設する上で、非常に有利である。
[A3]マイクロカプセル含有層400の形成工程
次に、図8(a)に示すように、基板12を用意する。そして、図8(b)に示すように前記工程[A2]で調製した第4のマイクロカプセル含有層400dのマイクロカプセル分散液を電極4側の基板12上に塗布する。
マイクロカプセル分散液を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、アプリケーター、バーコーター、ダイコーター、エアナイフコーター、キスコーター、グラビアコーター等の各種塗布法を用いることができる。
必要に応じて、基板12の各部において、マイクロカプセル分散液の厚さ(量)が均一になるように、好ましくはマイクロカプセル40が厚さ方向に重ならないように1個ずつ(単層に)配置されるように塗布する。
これは、例えば、図8(c)に示すように、スキージ(平板状の治具)100を基板12上を通過させ、マイクロカプセル40を掃くことにより行うことができる。
これにより、図8(d)に示すように、電極4側の基板12上に第4のマイクロカプセル含有層400dが形成される。
同様にして、基板37〜39を用意し、電極34と反対側の基板37上に第1のマイクロカプセル含有層400aを形成し、電極35と反対側の基板38上に第2のマイクロカプセル含有層400bを形成し、電極36と反対側の基板39上に第3のマイクロカプセル含有層400cを形成する。
[A4]積層工程
次に、図9(e)に示すように、第4のマイクロカプセル含有層400d上に、接着剤層8を形成する。
これは、例えば、シート状の接着剤層8を、オーバーコート法、転写法等により、第4のマイクロカプセル含有層400d上に配置することにより行うことができる。
次に、図9(f)に示すように、接着剤層8上に、第3のマイクロカプセル含有層400cが形成されている基板39を、電極36が接着剤層8に接触するように重ね合わせる。これにより、接着剤層8を介して、両者が接合される。
次に、同様にして、第3のマイクロカプセル含有層400c上に、接着剤層8を形成し、その接着剤層8上に、第2のマイクロカプセル含有層400bが形成されている基板38を、電極35が接着剤層8に接触するように重ね合わせる。これにより、接着剤層8を介して、両者が接合される。
次に、同様にして、第2のマイクロカプセル含有層400b上に、接着剤層8を形成し、その接着剤層8上に、第1のマイクロカプセル含有層400aが形成されている基板37を、電極34が接着剤層8に接触するように重ね合わせる。これにより、接着剤層8を介して、両者が接合され、表示シート21が得られる。
次に、同様にして、第1のマイクロカプセル含有層400a上に、接着剤層8を形成し、その接着剤層8上に、別途用意した回路基板22を、電極3が接着剤層8に接触するように重ね合わせる。これにより、図10(g)に示すように、接着剤層8を介して、両者が接合、すなわち、表示シート21と回路基板22とが接合される。
このとき、各部材の自重や、基板11と基板12とを接近するように加圧する(各マイクロカプセル含有層の厚さを減少させる)ことにより、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dにおいて、マイクロカプセル40の配設密度を均一にすることができる。
ここで、基板11と基板12とを接近させる際に、これら同士の間に付与する圧力の大きさは、通常、0.05〜0.6MPa程度に設定される。しかしながら、表示装置20では、このような大きさの圧力が基板11と基板12との間に付与した状態で、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dが狭持されたとしても、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400d中に含まれるマイクロカプセル40は、上下方向に圧縮(圧迫)されることなく、ほぼ球状(球形状)をなすように設定されている。その結果、基板11と基板12との間に圧力を付与することに起因する、マイクロカプセル40の崩壊や分散液10、吸着粒子50、液体15等の散逸が確実に防止される。また、吸着粒子50は、円滑かつ確実に、カプセル本体401の内面に沿って移動することができる。
[A5]封止工程
次に、図10(h)に示すように、表示シート21および回路基板22の縁部に沿って、封止部7を形成する。
これは、表示シート21(基部2)と回路基板22(基部1)との間であって、これらの縁部に沿って封止部7を形成するための材料を、例えば、ディスペンサ等により供給し、固化または硬化させることにより形成することができる。
以上の工程を経て、表示装置20が得られる。
また、接着剤層8を省略し、他の方法で、各部材を接合してもよい。他の方法としては、例えば、バインダ41により、接合することができる。
以上説明したように、この表示装置20によれば、フルカラー表示を容易かつ確実に行うことができる。特に、吸着粒子50は、常に、カプセル本体401の内面のいずれかの部位に吸着しており、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って移動し、さらには、吸着粒子50と分散粒子5とが吸着してしまうこともないので、各色を容易かつ確実に得ることができる。
また、1対の電極間への電圧の印加を停止した状態でも吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しているので、各色を確実に維持することができる。これにより、電圧の印加を停止しても、表示内容(イメージ)は、その表示状態が劣化することなく、安定的に保持される。
また、第1のマイクロカプセル含有層400aにおいて、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しており、吸着粒子50と分散粒子5とが吸着してしまうこともないので、高いコントラストが得られ、また、色純度も向上する。
また、吸着粒子50は、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って移動するので、比較的弱い電界で確実に吸着粒子50を移動させることができ、これにより、消費電力を低減することができる。
また、従来の電気泳動方式の表示装置では、赤色粒子が内包された赤色表示用のマイクロカプセルと、緑色粒子が内包された緑色表示用のマイクロカプセルと、青色粒子が内包された青色表示用のマイクロカプセルとを用いてフルカラー表示を行なっており、その従来の表示装置では、各色表示用のマイクロカプセルを、それぞれ、同一平面上の対応する電極上に配置させる必要があり、その位置決めは、困難であるが、この表示装置20では、このような位置決めは、不要である。その理由は、この表示装置20では、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dが積層され、積層方向(図1中上下方向)の4つのマイクロカプセル40が最小単位を構成し、その4つのマイクロカプセル40によりフルカラー表示を行うことができるようになっており、各電極上に位置する積層方向の各マイクロカプセル40が、画素を構成するためである。このため、フルカラー表示の表示装置20を容易かつ確実に製造することができる。
また、この表示装置20は、いわゆるマイクロカプセル型であるので、いわゆるマイクロカップ型の表示装置に比べて、容易かつ確実に製造することができる。
なお、本発明では、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400〜400dのうちのいずれか1つ、または2つ、または3つ、またはすべてに、専用の1対の電極を設けてもよい。
また、本発明では、分散粒子5として、吸着粒子50と色相の異なる着色粒子を用いてもよい。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態の表示装置20では、その製造方法において、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40のカプセル本体401を形成する際は、それぞれ、そのカプセル本体401を帯電させない。そして、カプセル本体401の全部を形成した後、すなわち、マイクロカプセル作製工程[A1]を行った後、マイクロカプセル分散液調製工程[A2]において、バインダ41を介してカプセル本体401を吸着粒子50と反対の極性に帯電させる帯電工程が行われる。
この場合、例えば、バインダ41に、吸着粒子50の極性に応じて、正または負の帯電付与剤等を所定量添加することで、カプセル本体401を吸着粒子50と反対の極性に帯電させるとともに、その帯電量や電荷密度等を調整することができる。なお、バインダ41は、帯電していてよく、また、帯電していなくてもよい。
この表示装置20によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
図11は、本発明の表示装置の第3実施形態における第1のマイクロカプセル含有層のマイクロカプセルを模式的に示す縦断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図11中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図11では、カプセル本体401の記載を簡略化して1層に記載している。
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態の表示装置20では、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40は、散乱体または着色体として、カプセル本体401内の空間に、カプセル本体401の内面から所定距離離間するように設けられた構造体13を有している。
構造体13は、本実施形態では、その外形がカプセル本体401の内形と略相似形をなしており、支持部131により、カプセル本体401の所定の部位(図示の構成では、表示面と反対側の部位)に固定されている。吸着粒子50は、構造体13の外面と、カプセル本体401の内面との間の空間(間隙空間)14に位置し、カプセル本体401の内面に吸着しつつ、その内面に沿って移動する。なお、支持部131は、例えば、カプセル本体401や構造体13に比べて非常に細い棒状をなしており、吸着粒子50の移動の際に邪魔になることはない。
構造体13としては、光を散乱させる機能を有するもの、または吸着粒子50と異なる色相を有するものであれば、特に限定されず、例えば、殻体に、粒子(粉体)、液体および気体のうちの1つまたは2以上を内包したものや、中実の固体(バルク体)等を用いることができる。
なお、空間14には、例えば、空気等の気体が充填されていてもよく、また、真空に近い状態(実質的に真空)であってもよい。
この表示装置20によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
図12は、本発明の表示装置の第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図12中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図12に示すように、第4実施形態の表示装置20では、表示シート(フロントプレーン)21の第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40において、分散液10に換えて、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400cと同様に、液体15が用いられている(カプセル本体401内に分散粒子5が封入されていない)。
なお、各基部31〜33、2と、各電極3、34〜36、4と、基板37と第2のマイクロカプセル含有層400bとの間、基板38と第3のマイクロカプセル含有層400cとの間、および基板39と第4のマイクロカプセル含有層400dとの間の接着剤層8は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、吸着粒子50の状態、すなわち表示装置20に表示された情報(画像)を目視により容易に認識することができる。
また、回路基板22は、平板状の基部1、基部1の上面に設けられた平板状の反射体9および反射体9の上面に設けられた複数の電極3を備える対向基板11と、この対向基板11(基部1)に設けられた、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)とを有している。
反射体9は、マイクロカプセル含有層400の基板12と反対側(表示面と反対側)、すなわち、電極3と基部1との間に設けられている。これにより、電極3が反射体9と基部1との間に設けられている場合に比べて、電極3と電極4との間の距離を小さくすることができ、これによって、より強い電界を発生させ、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40の吸着粒子50に作用させることができる。
この反射体9は、光(入射光)を乱反射させる機能を有している。本実施形態では、反射体9は、シート状(平板状)をなしており、光透過性を有する固相の媒体92と、その媒体92内に埋設され、光を散乱する複数の粒子91とで構成されている(間隙内に複数の粒子91が充填されたものである)。粒子91は、媒体92中に均一に分散されている。
また、粒子91としては、媒体92よりも屈折率の高いものを用いるのが好ましい。これにより、反射体9に入射した光は、粒子91で散乱し、これによって、反射体9から乱反射する。
なお、かかる粒子91には、光を散乱するものであれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされず、例えば、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子等を用いることができる。例えば、顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化アンチモン等の白色顔料等が挙げられ、これらのうちでは、酸化チタンが好ましい。
また、粒子91の形状は、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。
また、粒子91は、比較的小さいものが好適に用いられ、具体的には、その平均粒径が、10〜500nm程度であるのが好ましく、20〜300nm程度であるのがより好ましい。
また、反射体9は、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する反射体9を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
また、反射体9の下面、すなわち、反射体9と基部1との間に、例えば、上面が鏡面をなす図示しない反射板(第2の反射体)を設けてもよい。これより、入射光の一部が反射体9を透過してしまう場合でも、その光を前記反射板で反射さることができ、これによって、入射光の利用効率を向上させることができる。
なお、前記反射体9の媒体92としては、固相の媒体に限らず、例えば、液相の媒体を用いることもできる。この場合は、例えば、その媒体92を収納するハウジングを設ける。また、前記粒子91の比重と媒体92の比重とが、ほぼ等しくなるように設定されるのが好ましい。これにより、特に、粒子91が媒体92中に均一に分散した状態を確実に得ることができる。
また、反射体9としては、光を乱反射させる機能を有していれば、前記の構成のものには限定されず、例えば、表面に微小な凹凸(粗面)を有する金属板(反射板)等も用いることができる。
また、反射体9と、電極3との位置関係は、図示の構成と上下が逆であってもよい。すなわち、基部1の上面に電極3が設けられ、電極3の上面に反射体9が設けられていてもよい。この場合は、電極3は、不透明なものであってもよい。
また、反射体9が、基部1と同様の機能、すなわち、各部材を支持および保護する機能を有するように構成してもよい。この場合は、基部1を省略してもよい。
また、反射体9は、図示の構成では、連続的に設けられているが(単一のものであるが)、これに限らず、複数の単位反射体で構成されていてもよい。この場合、1つの単位反射体に対して、1つのマイクロカプセル40が配置されていてもよく、また、複数のマイクロカプセル40が配置されていてもよい。
この表示装置20では、黒色を表示する場合は、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40の吸着粒子を、図12に示すように、電極3側に位置させる。
これにより、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40への入射光は、略すべて(大部分が)、吸着粒子50により吸収され、これにより、表示装置20を表示面側から見ると、黒色が見える。
また、白色を表示する場合と、第2〜第4のマイクロカプセル含有層400b〜400dのマイクロカプセル40による所定の色を表示する場合は、それぞれ、第1のマイクロカプセル含有層400aのマイクロカプセル40の吸着粒子50を非反映位置に位置させる。
例えば、白色を表示する場合は、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50をそれぞれ非反映位置に位置させる。これにより、第1〜第4のマイクロカプセル含有層400a〜400dのマイクロカプセル40への入射光は、それぞれ、略すべて(大部分が)、そのマイクロカプセル40を透過して反射体9に入射し、粒子91で散乱し、これにより、結果的に、反射体9から乱反射し、これによって、表示装置20を表示面側から見ると、白色が見える。換言すれば、反射体9は、面光源のような機能を有している。
また、例えば、イエローとマゼンタとの混色を表示する場合は、第2および第4のマイクロカプセル含有層400b、400dのマイクロカプセル40の吸着粒子50を電極35側に位置させ、第1および第3のマイクロカプセル含有層400a、400cのマイクロカプセル40の吸着粒子50をそれぞれ非反映位置に位置させる(図12の右側のマイクロカプセル40を参照)。
この表示装置20によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、この表示装置20では、反射体9で乱反射した光のうち、反射角の大きい光(隣接する画素の方向に向かう光)は、吸着粒子50により吸収され、これにより、隣接する画素への影響を阻止することができる。
なお、本発明では、表示装置の製造方法は、前述した製造方法には限定されない。以下、表示装置の製造方法の他の実施形態を説明する。
本実施形態では、前述した製造方法における工程A3と工程A4のマイクロカプセル含有層を形成する工程と、マイクロカプセル含有層を積層する工程とを同時に行う。具体的には、下記の通りである。
[B1]
パターニングされた第1の画素電極を有する基板上に、第1のマイクロカプセル含有層を形成する。この第1のマイクロカプセル含有層の形成は、前述した製造方法の工程A3と同様にして行うことができる。なお、前記基板には、第1の画素電極に通電する(駆動する)TFT等のスイッチング素子が設けられている。
[B2]
第1のマイクロカプセル含有層上に、第1の共通電極を塗布工程で形成する。この第1の共通電極は、例えば、ITO塗布液、PEDOT、カーボンナノチューブ分散液などを塗布して形成することができる。
また、第1の共通電極を形成する前に、第1のマイクロカプセル含有層上に、平坦化層などを形成してもよい。この平坦化層には、表示が最適になるような導電性が付与されている(ほぼ絶縁性に近い)。
[B3]
第1の共通電極上に、液状の絶縁材料を供給し、乾燥させることにより、絶縁性の平坦化層(絶縁性平坦化層)を形成する。
なお、前記絶縁性平坦化層には、例えば、穴を形成することもできる。絶縁性平坦化層に穴を形成する場合は、第1の共通電極上に、感光性を有する液状の絶縁材料を供給し、乾燥後、露光する。
[B4]
絶縁性平坦化層上に、パターニングされた第2の画素電極を形成する。この第2の画素電極の形成には、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法等を用いることができる。また、第2の画素電極に通電するTFT等のスイッチング素子を形成する。
[B5]
前記工程B4で形成された第2の画素電極上に、前記工程B1と同様にして、第2のマイクロカプセル含有層を形成する。これにより、第2のマイクロカプセル含有層の形成と、第1のマイクロカプセル含有層と第2のマイクロカプセル含有層との積層とが、同時になされる。
前記第1のマイクロカプセル含有層のマイクロカプセルと、第2のマイクロカプセル含有層のマイクロカプセルの位置は、一致していることが好ましいが、必ずしも一致している必要はない。
[B6]
前記工程B2と同様にして、第2のマイクロカプセル含有層上に、第2の共通電極を塗布工程で形成する。
以上で、マイクロカプセル含有層を2層有する表示装置が得られる。
また、マイクロカプセル含有層を3層以上有する表示装置を製造する場合は、さらに、前記工程B3〜B6を必要な回数繰り返す。
なお、各マイクロカプセル含有層の画素電極に通電するTFT等のスイッチング素子をまとめて、第1のマイクロカプセル含有層を形成した基板に設け、前記工程B3で形成した絶縁性平坦化層の穴等を通じて、対応する画素電極とスイッチング素子とを接続するようにしてもよい。
ここで、以上では、基板上に、第1の画素電極/第1のマイクロカプセル含有層/第1の共通電極/絶縁性平坦化層/第2の画素電極/第2のマイクロカプセル含有層・・・の順に積層される場合について説明したが、本発明では、これに限らず、例えば、隣り合う2つのマイクロカプセル含有層の一方のマイクロカプセル含有層用の共通電極と、他方のマイクロカプセル含有層用の画素電極とが兼用であってもよい。
すなわち、基板上に、第1の画素電極/第1のマイクロカプセル含有層/第2の画素電極/第2のマイクロカプセル含有層/第3の画素電極・・・の順に積層することもできる。この場合、例えば、第1のマイクロカプセル含有層に対して電界を印加する場合には、第1の画素電極と第2の画素電極の間に電圧を印加する。そして、第2のマイクロカプセル含有層の吸着粒子に影響を与えないように、第3の画素電極に印加する電圧を制御する(第3の画素電極を、例えば、ハイインピーダンス、または、第2の画素電極と同じ電位に保ち、第2のマイクロカプセル含有層に電界が及ばないようにする)。
<電子機器>
以上のような表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図13は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図13に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図14は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図14中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図14に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図14に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図14(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図14(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図14中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような表示装置20で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、本発明の表示装置20を適用することが可能である。
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明では、吸着粒子含有層(マイクロカプセル含有層)の層数は、4層に限らず、2層、3層、または5層以上であってもよい。
また、前記実施形態では、1対の電極が対向して設けられた構成のものについて示したが、本発明は、これに限らず、例えば、1対の電極を同一基板上に設ける構成のものに適用することもできる。
また、前記実施形態では、複数の基板が対向して設けられた構成のものについて示したが、本発明は、これに限らず、例えば、単一の基板を有するものに適用することもできる。
また、前記実施形態では、マイクロカプセルは、隣り合う画素電極(電極)にまたがらないように配置されているが、本発明では、これに限らず、例えば、マイクロカプセルは、隣り合う2つの画素電極にまたがるように配置されていてもよく、また、隣り合う3つ以上の画素電極にまたがるように配置されていてもよく、また、これらが混在していてもよい。
また、前記実施形態では、マイクロカプセルは、各マイクロカプセル含有層(吸着粒子含有層)間で、図中横方向(マイクロカプセルが並んでいる方向)の位置が一致する(揃う)ように配置されているが、本発明では、これに限らず、ずれていてもよい。
また、前記実施形態は、いわゆるマイクロカプセル型の表示装置であるが、本発明では、これに限らず、例えば、吸着粒子を含有する吸着粒子含有層が隔壁で仕切られている形態のもの、すなわち、隔壁により区画された複数のセル空間(空間)が形成されており、隔壁の内面(セル空間側の面)に吸着粒子が吸着した、いわゆるマイクロカップ型の表示装置であってもよい。
このマイクロカップ型の表示装置では、空間を画成する壁部の内面は、1対の電極間に亘って設けられた(連続的に設けられた)湾曲凹面を有するのが好ましい。そして、特に、その壁部により、球状または楕円体状の空間が画成されているのが好ましい。
本発明の表示装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図である。 図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図である。 図1に示す表示装置における、吸着粒子の表面とカプセル本体の内面との間の距離と、吸着粒子のポテンシャルとの関係を示すグラフ(ポテンシャル曲線)である。 図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図である。 図1に示す表示装置の作用を説明するための第1のマイクロカプセル含有層のマイクロカプセルの模式図である。 図1に示す表示装置の作用を説明するための模式図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の表示装置の第3実施形態における第1のマイクロカプセル含有層のマイクロカプセルを模式的に示す縦断面図である。 本発明の表示装置の第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
符号の説明
1‥‥基部 2‥‥基部 3‥‥電極 4‥‥電極 5‥‥分散粒子 50‥‥吸着粒子 6‥‥液相分散媒 7‥‥封止部 8‥‥接着剤層 9‥‥反射体 91‥‥粒子 92‥‥媒体 10‥‥分散液 11‥‥対向基板 12‥‥基板 13‥‥構造体 131‥‥支持部 14‥‥空間 15‥‥液体 20‥‥表示装置 21‥‥表示シート 22‥‥回路基板 31〜33‥‥基部 34〜36‥‥電極 37〜39‥‥基板 40‥‥マイクロカプセル 41‥‥バインダ 100‥‥スキージ 400a‥‥第1のマイクロカプセル含有層 400b‥‥第2のマイクロカプセル含有層 400c‥‥第3のマイクロカプセル含有層 400d‥‥第4のマイクロカプセル含有層401‥‥カプセル本体 402‥‥第1のカプセル層 403‥‥第2のカプセル層 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部

Claims (18)

  1. 空間を画成する壁部と、該壁部の内面に吸着し、帯電している吸着粒子とを有する第1の吸着粒子含有層と、空間を画成する壁部と、該壁部の内面に吸着し、前記第1の吸着粒子含有層の吸着粒子と異なる色相を有し、帯電している吸着粒子とを有する第2の吸着粒子含有層とを含む複数の吸着粒子含有層を積層した積層部と、
    電圧を印加すると、前記吸着粒子に作用させる電界を発生する1対以上の電極とを備え、
    前記1対以上の電極間に電圧を印加することにより、前記各吸着粒子含有層の吸着粒子が前記壁部の内面に吸着しつつ、該内面に沿って移動するよう構成されていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記吸着粒子は、静電力により前記壁部の内面に吸着している請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記電極は、前記第1の吸着粒子含有層および前記第2の吸着粒子含有層に、それぞれ1対設けられている請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記1対の電極は、前記対応する吸着粒子含有層を介して対向配置されており、
    前記壁部の内面は、前記1対の電極間に亘って設けられた湾曲凹面を有する請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記第1の吸着粒子含有層と前記第2の吸着粒子含有層との間の前記電極は、前記第1の吸着粒子含有層と前記第2の吸着粒子含有層とに共通のものである請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記吸着粒子と前記壁部とが互いに反対の極性に帯電しており、これにより、前記吸着粒子が前記壁部の内面に吸着している請求項3ないし5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記1対の電極間の電界により前記吸着粒子に作用する静電力よりも、前記吸着粒子と前記壁部との間の静電力を含む相互作用による引力の方が大きくなるよう構成されている請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記壁部は、球状または楕円体状の前記空間を画成する殻体で構成されており、
    前記殻体に前記吸着粒子が内包されてマイクロカプセルが構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記殻体は、それぞれ殻状をなす、第1の層と、該第1の層よりも外側に配置されている第2の層とを有する請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記各吸着粒子含有層のうち、前記第1の吸着粒子含有層が表示面から最も遠位に位置し、前記第1の吸着粒子含有層には、前記空間に配置され、光を散乱させる散乱体を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 前記散乱体は、前記空間に、前記壁部の内面から所定距離離間するように設けられた構造体であり、
    前記吸着粒子は、前記壁部と前記構造体との間に位置している請求項10に記載の表示装置。
  12. 前記各吸着粒子含有層のうち、前記第1の吸着粒子含有層が表示面から最も遠位に位置し、前記第1の吸着粒子含有層には、前記空間に配置され、前記吸着粒子と異なる色相を有する着色体を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の表示装置。
  13. 前記着色体は、前記空間に、前記壁部の内面から所定距離離間するように設けられた構造体であり、
    前記吸着粒子は、前記壁部と前記構造体との間に位置している請求項12に記載の表示装置。
  14. 前記各吸着粒子含有層のうち、前記第1の吸着粒子含有層が表示面から最も遠位に位置し、前記第1の吸着粒子含有層の前記表示面と反対側に、光を乱反射させる反射体を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の表示装置。
  15. 帯電している吸着粒子を殻体に内包するマイクロカプセルを製造し、該マイクロカプセルを含有する第1のマイクロカプセル含有層を形成する第1のマイクロカプセル含有層形成工程と、
    前記第1のマイクロカプセル含有層の吸着粒子と異なる色相を有し、帯電している吸着粒子を殻体に内包するマイクロカプセルを製造し、該マイクロカプセルを含有する第2のマイクロカプセル含有層を形成する第2のマイクロカプセル含有層形成工程と、
    前記第1のマイクロカプセル含有層と、前記第2のマイクロカプセル含有層とを積層する積層工程とを有し、
    前記第1のマイクロカプセル含有層形成工程および前記第2のマイクロカプセル含有層形成工程は、それぞれ、前記殻体の内面側の部分または全部を形成した後、前記殻体を前記吸着粒子と反対の極性に帯電させる帯電工程を有し、該帯電工程により、前記吸着粒子が前記殻体の内面に吸着することを特徴とする表示装置の製造方法。
  16. 前記殻体は、それぞれ殻状をなす、第1の層と、該第1の層よりも外側に配置されている第2の層とを有しており、
    前記第2の層を形成する際に、前記帯電工程を行なう請求項15に記載の表示装置の製造方法。
  17. 前記殻体を形成した後、前記マイクロカプセルの外表面に密着して該マイクロカプセルを固定する固定材料を介し、前記帯電工程を行なう請求項16に記載の表示装置の製造方法。
  18. 請求項1ないし14のいずれかに記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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