JP2007298894A - 表示装置とその製造方法および表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶パネルは偏光板を用いるため外部光の50%のロスを発生していた。従って特に反射型カラー表示装置は印刷物や写真とくらべて、特に明るさ、色の鮮やかさに劣っていた。液晶より効率の良いライトバルブを実現して、薄型、軽量で明るくフルカラーかつ低消費電力の電子表示装置を実現する。
【解決手段】電極間に、微粒子を内包したカプセル粒子を挟み、表示面と平行方向の電界を印加して該微粒子のカプセル内での水平方向の分布状態を変化させて集積状態と分散状態を生成することによって垂直方向の光学的透過性を変化させることを特徴とした表示装置である。
【選択図】図3b
【解決手段】電極間に、微粒子を内包したカプセル粒子を挟み、表示面と平行方向の電界を印加して該微粒子のカプセル内での水平方向の分布状態を変化させて集積状態と分散状態を生成することによって垂直方向の光学的透過性を変化させることを特徴とした表示装置である。
【選択図】図3b
Description
本発明は、特願2006−107949の関連出願であり、光線利用率を向上した表示装置に関しており、平板TVやPCモニターはじめ、紙を媒体とした印刷物や写真に相当する単色、マルチカラーないしフルカラー画像を繰り返し電子的に形成することもできる電子ペーパ表示装置、その製造法ならびにこれを用いた表示システムに関するものである。
従来の受動型フルカラー表示装置の代表は液晶表示装置であり、通常同一面上に赤(R)、緑(G)、青(B)の3色カラーフィルタが設けられて、各カラーフィルタの背後の液晶層を、透過率を変化させるシャッターとして動作させ、R,G,B光の加色法によってフルカラーを実現している。背後に白色バックライトが設けられたものは透過型カラー液晶装置であり、液晶TV、パソコンモニター、携帯電話の表示装置などに広く利用されている。しかるに液晶表示装置の最大の難点は偏光板を用いていることによる光線利用ロスであり、偏光板によってバックライト光の50%を無駄にしているのが現状である。従って反射型パネルでは印刷物や写真に匹敵する明るさと色調を再現することは不可能であった。
外部光の利用率を低下させる偏光板を用いないカラー液晶表示法として、R,G,B光を選択反射するカイラルネマチック液晶層を3層積層する加色法に基づく方式も実現されているが、偏光板やカラーフィルタを用いる必要がないとは言え、自然光の内、左(ないし右)円偏光を利用するにすぎないから光利用率は50%を超えることは原理的に不可能で特に反射型では白色度に難点があった。
液晶以外の反射型表示装置として、透明な液体に分散された色と帯電極性の異なる微粒子分散系に電圧を印加し、1方の粒子で他方の粒子を隠蔽することによって反射色を変化させる電気泳動表示法があり、これの発展形態としてカプセル内に白色、黒色で各々帯電極性が異なる電気泳動粒子を閉じ込めたものをほぼ単層で敷き詰めたものや、電子粉流体と名づけられている、ガス体中に色と帯電極性の異なる微粒子が混在された媒体を隔壁で構成されたセル内に閉じ込め印加電圧の極性を変化させることによって反射明度や色を変化させるものなどが実用化されている。しかしこれらはいずれも反射色を変えるもので透過率を変化させるものに利用できなかった。これらの方法でフルカラー反射を実現するには大別して2つの方法があり、1つはR,G,Bのカラーフィルタを白、黒に変化させ得る媒体の前面に設けるもの。2つ目はカラーフィルタを用いない方式で、白とR,白とG,白とB(タイプA)、ないしはC(シアン)と黒、M(マゼンタ)と黒、Y(イエロー)と黒(タイプB)に変化出来る媒体をストライプ状ないしドット状に同一面上に分離して設けて加色混合によってカラーを実現するものである。前者の方式は構成が簡単ではあるが、R,G,Bに塗り分けたカラーフィルタを用いるが故に白色度は30%以下に低下してしまう致命的難点がある。後者ではタイプAは白色度に関して相当向上できるが、純黒色が得にくく、タイプBでは明るい白色が得にくいという難点を有していた。タイプA、タイプB共に電極線がモノクロ表示に比べて3倍になることによる開口率低下が避けられず有効白色度低下やコントラスト低下を引き起こし、また再現できる色純度が低下するという難点がある。
分散粒子を表示面に対して水平方向に移動集積させることによって光線透過性を変化させる横電界方式電気泳動表示法も提案されている。パネル構成としては表示面に対して平行な表示電極面を有するもので、粒子を局所に集積させるか面状に堆積させるかによって透過率を変化させるものである。画素内に電極を設けているゆえに開口率の低下(光線ロス)が避けられずまた透明電極を必要とする故に表示層を多層に積層した場合電極での光線ロスが避けられず満足な白色度が得られないことや、不均一電界中での電気泳動であるため透明電極に均一に粒子を堆積し難いことや、透明電極を設けることによるコストアップおよびフィルム上の透明電極はクラックや剥離を生じやすいなど機械的強度で難点を有するものであった。一方同一種類の粒子で異極性のものが混在しているとコントラストを低下させるため分散系は単一極性粒子のみになるように厳格な調整と管理を必要とした。
特公昭50−15115公報
特開昭49−24695公報
USP5,745,094
特開平9−211499
USP5,930,026
特開2001−201770公報
USP6,184,856
特開2003-61899公報
SID2000ダイジェスト29頁「High Performance Electrophoretic Display」
SID2000ダイジェスト24頁「Development of in-Plane EPD」
本発明は偏光板を用いることによる光線ロスを防ぎ、透明電極による光ロスも回避し、表示を切り替える時以外は電力を消耗しない低電力性のフルカラー電子表示を実現するものであり、電極間に、少なくとも1種類の光反射性ないし光吸収性微粒子を内包したカプセル粒子が挟まれており、表示面と平行方向の電界を印加して該微粒子のカプセル内での表示面に対して水平方向の分布状態を変化させて集積状態と分散状態を生成することによって光学的透過性を変化させることを特徴とした表示装置である。
上記課題を解決するために、本発明の表示装置は図1aに示す通り、透明な2枚の基板1,2間にカプセル粒子3が挟まれており、カプセル粒子3の内部には少なくとも1種類の光反射性ないし光吸収性の帯電微粒子5が分散された表示媒体7が充填されている。スペーサ9は2枚の基板間のカプセル粒子を押し潰すことなく一定のギャップを保つために設けられている。2枚の基板間のカプセル粒子間の隙間はバインダー樹脂8で埋められている。
スペーサ9の外面に設けられた電極6-1と6−2間にDC電圧を印加すると微粒子5の帯電極性に対応して微粒子はクーロン力により引かれてたとえば電極6−1に向かって移動し、カプセルの内壁に堆積する。一方6−1、6−2間に逆極性のDCパルス電圧を印加するかAC電圧を印加すればカプセル内壁に堆積していた微粒子はカプセル内に拡散分布する。カプセル内の表示媒体7はガス又は透明な液体中に微粒子5が分散されたものから成り液体の場合は粒子の移動は電気泳動となる。図1aの中央左側のセルを4−1、その右側のセルを4−2とすれば、微粒子のカプセル内での分布状態が水平方向で異なるため、たとえば微粒子5がカーボンなどのように黒色光吸収性であれば、4−1では光線が透過するが4−2では光線は分散状態の光吸収性微粒子5のため光透過は妨げられる。セルを白色基板の上に置くか基板2が白色であれば上から見た場合、4−1部は白色、4−2部は吸収の度合いに応じて灰色〜黒色に見えることになる。電極6−1(ないし6−2)近傍のカプセル内壁に堆積された微粒子の内どれだけの量を分散状態にするか(あるいは分散状態の粒子量をどれだけカプセル内壁に集積させて減じるか)を印加する逆極性電圧の値やパルス幅によって制御してセルの光線透過率を制御することが可能となり中間調が再現でき、粒子堆積状態も粒子分散状態も電圧を切って後もその状態が保持される特徴があるため表示はメモリ性を有する。表示媒体が微粒子を分散した液体分散系の場合は微粒子と液体の比重は出来るだけ近接していることが望ましい。
本発明で分散状態とはブラウン運動により比重差に拘わらず液体中に安定に微粒子が均一分散したコロイド状態は勿論、カプセル内壁に局在化されることなくカプセル内壁の広い領域に渡って一部のないし殆どの粒子がゆるく付着した状態を含むものである。また微粒子は1種類である必要はなく、光学的特性を最適化するため各種のものが混在していてもよく、帯電極性も同一である必要はない。異極性粒子は電界で逆方向に移動するがいずれも互いに反対側のカプセル内壁に密に堆積するからである。微粒子5は通常光吸収性のものが使用されるが、二酸化チタンのように白色反射性のものを用いることも可能であり、図1aのパネルをたとえば黒色紙の上に貼り付けて使用すれば反射型の白黒表示パネルとなる。微粒子分散状態では微粒子5が黒色紙を隠蔽して白色に見え、微粒子集積状態ではセルは透明であるから黒色に見えることになる。白色粒子の場合も散乱反射によって光透過性を制御できるから透過型表示パネルのライトバルブとして用いることは可能である。
図1aではセルが1個のカプセル粒子から成るとして説明したが、セルが多数のカプセル粒子から構成されていてもよく、またカプセル粒子は必ずしも単粒子層である必要はない。何故なら本願では光吸収性微粒子の水平方向の分布状態によって表示を見る方向の実質的な光線吸収断面積を変化させることに基づいており、微粒子間距離が密になった堆積状態の方が、粒子間距離がより離れた分散状態に較べてセル全体としては光線吸収断面積が減じて透明度が向上することによるからである。たとえば図1aで1000:1のコントラストを得るためには微粒子が分散状態でのセルの透過率が0.1%以下になるようにカプセル粒子中の微粒子量を調整しておくとよい。粒子濃度をこれ以上に高めると集積粒子層の厚みが増し有効開口率が低下したり、媒体が液体の場合高濃度微粒子のため粘性が上昇して応答性が悪化するため適切な粒子濃度が選ばれるべきである。
スペーサ9の外面に設けられた電極6-1と6−2間にDC電圧を印加すると微粒子5の帯電極性に対応して微粒子はクーロン力により引かれてたとえば電極6−1に向かって移動し、カプセルの内壁に堆積する。一方6−1、6−2間に逆極性のDCパルス電圧を印加するかAC電圧を印加すればカプセル内壁に堆積していた微粒子はカプセル内に拡散分布する。カプセル内の表示媒体7はガス又は透明な液体中に微粒子5が分散されたものから成り液体の場合は粒子の移動は電気泳動となる。図1aの中央左側のセルを4−1、その右側のセルを4−2とすれば、微粒子のカプセル内での分布状態が水平方向で異なるため、たとえば微粒子5がカーボンなどのように黒色光吸収性であれば、4−1では光線が透過するが4−2では光線は分散状態の光吸収性微粒子5のため光透過は妨げられる。セルを白色基板の上に置くか基板2が白色であれば上から見た場合、4−1部は白色、4−2部は吸収の度合いに応じて灰色〜黒色に見えることになる。電極6−1(ないし6−2)近傍のカプセル内壁に堆積された微粒子の内どれだけの量を分散状態にするか(あるいは分散状態の粒子量をどれだけカプセル内壁に集積させて減じるか)を印加する逆極性電圧の値やパルス幅によって制御してセルの光線透過率を制御することが可能となり中間調が再現でき、粒子堆積状態も粒子分散状態も電圧を切って後もその状態が保持される特徴があるため表示はメモリ性を有する。表示媒体が微粒子を分散した液体分散系の場合は微粒子と液体の比重は出来るだけ近接していることが望ましい。
本発明で分散状態とはブラウン運動により比重差に拘わらず液体中に安定に微粒子が均一分散したコロイド状態は勿論、カプセル内壁に局在化されることなくカプセル内壁の広い領域に渡って一部のないし殆どの粒子がゆるく付着した状態を含むものである。また微粒子は1種類である必要はなく、光学的特性を最適化するため各種のものが混在していてもよく、帯電極性も同一である必要はない。異極性粒子は電界で逆方向に移動するがいずれも互いに反対側のカプセル内壁に密に堆積するからである。微粒子5は通常光吸収性のものが使用されるが、二酸化チタンのように白色反射性のものを用いることも可能であり、図1aのパネルをたとえば黒色紙の上に貼り付けて使用すれば反射型の白黒表示パネルとなる。微粒子分散状態では微粒子5が黒色紙を隠蔽して白色に見え、微粒子集積状態ではセルは透明であるから黒色に見えることになる。白色粒子の場合も散乱反射によって光透過性を制御できるから透過型表示パネルのライトバルブとして用いることは可能である。
図1aではセルが1個のカプセル粒子から成るとして説明したが、セルが多数のカプセル粒子から構成されていてもよく、またカプセル粒子は必ずしも単粒子層である必要はない。何故なら本願では光吸収性微粒子の水平方向の分布状態によって表示を見る方向の実質的な光線吸収断面積を変化させることに基づいており、微粒子間距離が密になった堆積状態の方が、粒子間距離がより離れた分散状態に較べてセル全体としては光線吸収断面積が減じて透明度が向上することによるからである。たとえば図1aで1000:1のコントラストを得るためには微粒子が分散状態でのセルの透過率が0.1%以下になるようにカプセル粒子中の微粒子量を調整しておくとよい。粒子濃度をこれ以上に高めると集積粒子層の厚みが増し有効開口率が低下したり、媒体が液体の場合高濃度微粒子のため粘性が上昇して応答性が悪化するため適切な粒子濃度が選ばれるべきである。
図1bは電極を印刷やインクジェット描画法などで形成した場合のパネル横断面図である。導電性ペーストの印刷ないしインクジェット等の方式で基板2上に一対の点状ないし線状電極を形成してのち、対向する電極面部以外を覆うように絶縁物12を同じく印刷やインクジェット技術で形成する。対向する電極間にカプセル粒子を設置して基板2で挟み込んで周辺を接着、封止してパネルが形成される。カプセル粒子中の微粒子を移動させる電極が互いに同一基板上に設けられた例である。
図1cには対向する電極がそれぞれ対向する基板に設けられた例を示す。図1a〜図1cのいずれにしてもカプセル内の微粒子の水平方向の分布状態が垂直方向の透過率変化を引き起こせばよく電極の構成は多様なものが利用できる。カプセル粒子の形状についても球形以外の種々のものが利用できもともと球形であっても両基板に挟み込んで変型させて利用するのも有効である。
図1dは元もとが球形のカプセル粒子を用いる場合でスペーサ9の高さがカプセル粒径より小さくカプセル粒子は変型を起こして断面形状はカドのない短形状になっている。図示はされていないが正面からもカドのない短形状になっているが本願ではこのような構成もより開口率が向上し得るので有効に利用できる。
図1cには対向する電極がそれぞれ対向する基板に設けられた例を示す。図1a〜図1cのいずれにしてもカプセル内の微粒子の水平方向の分布状態が垂直方向の透過率変化を引き起こせばよく電極の構成は多様なものが利用できる。カプセル粒子の形状についても球形以外の種々のものが利用できもともと球形であっても両基板に挟み込んで変型させて利用するのも有効である。
図1dは元もとが球形のカプセル粒子を用いる場合でスペーサ9の高さがカプセル粒径より小さくカプセル粒子は変型を起こして断面形状はカドのない短形状になっている。図示はされていないが正面からもカドのない短形状になっているが本願ではこのような構成もより開口率が向上し得るので有効に利用できる。
図2はフルカラーを表示するための原理図であり、図1a〜図1dのセルを少なくとも3層積層することによって構成される。ただし3層の微粒子5は各々C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)色のものが用いられる。図2では3層積層パネルが白色基紙10の上に透明接着剤11で貼付けられた状態を示している。各層の微粒子の殆どが分散状態であるときそのセルは減法混色により黒色となり、殆どの微粒子が電極に堆積した状態では光透過性すなわち白色になる。Y,M粒子が適度に分散状態にあり、C粒子が電極堆積状態にあれば、その部分は赤(R)色となる。C,M,Yパネルに加えて、より純黒色を表示するために白-黒に変調できる第4のパネルが追加され4層構成をとる場合もある。またセルの積層はY,M,Cの順に固定される必要はない。
図2の(B)は(A)の1変型であり、基板の数が2枚少なくなっている。一方の基板の上に単色のカプセル粒子を敷き詰めたものを単層パネルとしてこれをバインダー樹脂8ないし透明接着剤11を介して順次積層してゆくことで構成されている。最上層については表示面保護のために設けられた透明シートであり、保護のための樹脂層で置き換えてもよい。積層型カラーパネルで大切なことは画素サイズに較べて基板が厚い場合、好ましいカラー像が見える視角が制約を受けるから、広い視野角に渡って良好なカラー像を再現するには基板は出来るだけ薄くする必要がある。その点において(B)タイプは(A)タイプに較べて視野角の点で有利になる。
図2の(B)は(A)の1変型であり、基板の数が2枚少なくなっている。一方の基板の上に単色のカプセル粒子を敷き詰めたものを単層パネルとしてこれをバインダー樹脂8ないし透明接着剤11を介して順次積層してゆくことで構成されている。最上層については表示面保護のために設けられた透明シートであり、保護のための樹脂層で置き換えてもよい。積層型カラーパネルで大切なことは画素サイズに較べて基板が厚い場合、好ましいカラー像が見える視角が制約を受けるから、広い視野角に渡って良好なカラー像を再現するには基板は出来るだけ薄くする必要がある。その点において(B)タイプは(A)タイプに較べて視野角の点で有利になる。
図3はモノクロX−Yマトリクスパネルの製造工程を示すものである。蒸着、スパッタ、印刷、インクジェットなどで設けられ、必要に応じてフォトエッチなどで形成した平行帯状のY電極14は基板2の上面に設けられている。ついでパネル周辺部でY電極の端子取り出し部を除いて絶縁層を設けてのち、Y電極と同一方向に突起を有するX電極を形成する。ついでX電極を覆うように絶縁層を設ける。次に図3ではY電極の右エッジ部とX電極の突起の左エッジ部の絶縁膜をフォトエッチなどで取り除き、粒子に電界を印加するための対向電極を露出させる。こうして形成した対向電極を覆うようにカプセル粒子を敷き詰めて保護層を被せるか上基板を貼り付け、必要に応じて周辺にて両基板を接着してパネルが完成する。X電極15に走査パルス、Y電極14に信号パルスを印加してあらかじめ微粒子をY電極14(ないし電極15b)側のカプセル内壁に集積させておいた後(明状態)、線順次でX電極15に走査パルスを印加するのに併せてY電極14に逆極性の電圧パルスを印加して集積した粒子の1部ないしすべてをカプセル内に分散させることによってカプセル粒子からなるセルを光吸収性にしてX−Yマトリクス表示を実現する。図3はX−Y電極がほぼ同一面上に設けた構成であるが、図1cと同様、X−Y電極を各々の基板の内側に設けた構成も可能である。図3a、図3bでセルは1個のカプセル粒子からなる短型領域として描いているがこれに限られるものではなく円形やハニカム状構造体でもよくまた1セルに1個ないし複数のカプセル粒子が配置されていてもかまわない。本願ではセルを画素と同意語で用いている。
図3の場合はいわゆるパッシブマトリクスに相当し、電極に挟まれたカプセル粒子内の微粒子移動に閾値性を有していなければならない。堆積した粒子を逆電界によって分散させるのにカプセル内の媒体がガスであれ液体であれ多かれ少なかれ閾値性を有するが、多数のX電極を有する大容量表示をより高速で実現するにはアクティブマトリクス構成にする必要がある。すなわち各セルにTFT(Thin Film Transistor)や非直線抵抗素子のようなスイッチ素子を設ける必要がある。
図3の場合はいわゆるパッシブマトリクスに相当し、電極に挟まれたカプセル粒子内の微粒子移動に閾値性を有していなければならない。堆積した粒子を逆電界によって分散させるのにカプセル内の媒体がガスであれ液体であれ多かれ少なかれ閾値性を有するが、多数のX電極を有する大容量表示をより高速で実現するにはアクティブマトリクス構成にする必要がある。すなわち各セルにTFT(Thin Film Transistor)や非直線抵抗素子のようなスイッチ素子を設ける必要がある。
図4aに各画素にTFTなどのスイッチ素子を導入したアクティブマトリクス構成の表示パネルを製造する1例を示す。まずフィルムなどの透明基板2に蒸着、スパッタ、印刷、インクジェットなどの方法で電極膜を形成し、フォトエッチング法などで(A)のようにY電極14を形成する。ついで表示領域に蒸着、スパッタ、印刷、塗布、フォトレジストフィルムの貼りつけなどの方法で第一絶縁膜16を形成しフォトエッチングによりY電極14とソース(S)電極18を繋ぐための孔17を設ける(B)。ついでY電極形成と同様の方法でS(ソース)電極18、D(ドレイン)電極19を形成する(C)。ドレイン電極の幅はY電極より狭く、Y電極の右エッジと絶縁膜を介して重なるように形成されている。この上にa-Siなどの無機半導体あるいは有機半導体とゲート絶縁膜を相次いで設けて、必要ならエッチングで、ソース、ドレイン部の積層20を残して取り除く(D)。次に第二絶縁膜を設け半導体部/ゲート絶縁膜部20の絶縁膜を取り除きY電極形成と同様の方法でX電極15およびゲート電極24を形成する(E)。次に第三絶縁膜を設けY電極形成と同様の方法で共通電極22を形成する(F)。共通電極22の幅はY電極より狭く、左エッジがY電極の左エッジと絶縁層を介して重なるように構成されている。つぎに共通電極保護のために一様な絶縁膜を形成した場合はドレイン電極19の右エッジ部、共通電極22の左エッジ部の絶縁膜をフォトエッチ、サンドブラストなどで取り除いて露出させる。共通電極22はパネル周辺部で互いに結合されている。ドレイン電極19、共通電極22の幅はY電極より少し狭くしてあるのは隣り合う他のセルに電界が作用するのを防ぐために絶縁層で覆うためである。互いに向かい合う側は絶縁層を被らずセル内で露出しているのは駆動電圧を低減するためである。周知のMIM(Metal
Insulator Metal)や酸化亜鉛を樹脂に分散したような非直線抵抗素子など2端子スイチイング素子をTFTの代わりに使用する場合は半導体、ゲート絶縁膜を設ける工程で2端子素子をソースとドレイン電極間に形成すればよくこの場合X電極と繋がるゲート電極24は不要である。
図4bは図4aで形成したアクティブマトリクス基板にカプセル粒子を配置した図である。ドレイン電極19の右エッジ部と共通電極22の左エッジ部間がカプセル粒子中の微粒子を移動させる対向電極対となるから、これらを覆うようにカプセル粒子を所定位置に配置するためのスペーサを設けて後、図4bに示すようにカプセル粒子を敷き詰める。他の透明基板1を貼り付け、必要なら周辺部において接着剤で接着してパネルが完成する。
Insulator Metal)や酸化亜鉛を樹脂に分散したような非直線抵抗素子など2端子スイチイング素子をTFTの代わりに使用する場合は半導体、ゲート絶縁膜を設ける工程で2端子素子をソースとドレイン電極間に形成すればよくこの場合X電極と繋がるゲート電極24は不要である。
図4bは図4aで形成したアクティブマトリクス基板にカプセル粒子を配置した図である。ドレイン電極19の右エッジ部と共通電極22の左エッジ部間がカプセル粒子中の微粒子を移動させる対向電極対となるから、これらを覆うようにカプセル粒子を所定位置に配置するためのスペーサを設けて後、図4bに示すようにカプセル粒子を敷き詰める。他の透明基板1を貼り付け、必要なら周辺部において接着剤で接着してパネルが完成する。
TFTや非直線素子を設けたマトリクスパネルの利点はクロストークを防止できることは勿論、粒子が十分に移動し得ない短い電圧パルスで走査されても、カプセル内に電圧が保持されることにより非選択期間にも粒子を移動させ得る点にあり、高速アクセスが可能になる。
粒子の移動速度が表示の応答性を決めるが、表示用途で用いられている微粒子の移動は空気などガス体でサブミリ秒、電気泳動で数ミリ秒から数百ミリ秒が実状である。もし応答10ミリ秒のセルの場合走査線(X電極)が1000本ならば表示の全面更新に10秒かかってしまう。しかし走査は20マイクロ秒で行ってもスイッチ素子により10ミリ秒程度の電圧保持がなされれば、毎秒50枚の画像更新が可能になり、TVなどの動画表示も実現できる。ドレイン電極と共通電極間のセルの時定数が粒子移動時間より小さい場合は、ドレイン電極と共通電極間に並列容量を設けて時定数を増大すればよい。
粒子の移動速度が表示の応答性を決めるが、表示用途で用いられている微粒子の移動は空気などガス体でサブミリ秒、電気泳動で数ミリ秒から数百ミリ秒が実状である。もし応答10ミリ秒のセルの場合走査線(X電極)が1000本ならば表示の全面更新に10秒かかってしまう。しかし走査は20マイクロ秒で行ってもスイッチ素子により10ミリ秒程度の電圧保持がなされれば、毎秒50枚の画像更新が可能になり、TVなどの動画表示も実現できる。ドレイン電極と共通電極間のセルの時定数が粒子移動時間より小さい場合は、ドレイン電極と共通電極間に並列容量を設けて時定数を増大すればよい。
透過は勿論、反射で使用するX−Yマトリクスパネルで特に重要なことは、良好なコントラスト、色純度を実現するには出来る限り開口率を高くすることである。図4aでスイッチ素子を敢えてY電極上に設けているのは少しでも開口率を高めるためである。ここで開口率とは全表示面積に対して濃度を変化できる面積の割合をいう。たとえばX−Y電極の幅が20μでセルピッチが50μの場合セルの有効サイズは30μ角になるから開口率は36%(堆積粒子層の厚みやカプセル粒子間の隙間を無視した場合)になり、電極幅が10μの場合に64%、5μの場合81%となる。開口率を100%にすることは不可能であるから反射型パネルの場合は白色度を上げるため表示面側から見える電極はアルミや銀などのように反射性であることが望ましい。クロムや銅など反射率が低い電極を用いる場合は基板1とY電極の間に白色反射性の膜が設けられていることが望ましい。画素(セル)が縦横50μピッチの場合508dpiの解像度になるからA4サイズ(297×210mm)の有効80%に表示するとして約2000万画素に相当し十分に高精細な表示装置に成り得る。電極幅一定の時、セルピッチを大きくすれば開口率は向上するが駆動電圧が高くなるか応答が遅くなるため用途に応じてセルピッチを決めるべきである。
X−Yマトリクスパネルで各マトリクス交点を1画素に相当させてもよいが、大型パネルでは複数の画素をまとめて1画素として十分な場合があり、駆動源を減じることができる。
X−Yマトリクスパネルで各マトリクス交点を1画素に相当させてもよいが、大型パネルでは複数の画素をまとめて1画素として十分な場合があり、駆動源を減じることができる。
本発明は微粒子の移動、集積によって表示を実現するもので、微粒子の表示面内での濃度均一性を維持するために微粒子をカプセルに閉じ込めている。微粒子をカプセルに閉じ込めることによる他の利点は、液状ないし流動性粉体としての微粒子分散系を固体化でき表示面への塗布、上下基板の貼り合わせ等における取り扱いの容易さである。またバインダーとなる樹脂にカプセル粒子を分散させたインキを電極を形成してある基板にスクリーン印刷法、インクジェット法、ドクターブレード法などで塗布、乾燥すれば上基板を用いなくても表示装置に成り得る点で薄型、軽量化に寄与できる。
図5に本発明の透過型カラーパネルの断面図を示す。現在の液晶カラーパネルのライトバルブとしての液晶を、パンクロマチックに透過率を変調できる黒色微粒子を内包したマイクロカプセルに置き替えることによって実現している。すなわちX−Yマトリクス構成のTFTアレー13cが形成された透明ガラス基板2とストライプ状あるいはドット状にR,G,Bカラーフィルタ13aが設けられた基板1との間にマイクロカプセル3が挟まれて構成されている。ここでは共通電極22はカラーフィルタ側に設けており、ブラックマトリクス13bの下に設けているが、ブラックマトリクスに導電性のものを用いれば共通電極22とブラックマトリクスを兼用することは可能である。またカラーフィルタ13aはTFTアレー側に設けてあってもかまわない。図5のカラーパネルはR,G,B併置カラーフィルタを用いているためバックライト光の2/3をロスする欠点はあるが、現状確立しているTFTアレーの量産プロセスと設備がほぼそのまま利用できる利点がある。
TFTアレーの電極構成は図4で述べたように液晶用の場合から若干変更すればよい。
液晶パネルの場合と違って、ITO透明電極、配向膜、偏光板、配向処理プロセスなどは不要であり、プロセスの簡易化、部材の低減化に加えて、偏光板を用いないことによりバックライト光の50%ロスや視角依存からも開放され明るく高視野角の表示が実現できる。
TFTアレーの電極構成は図4で述べたように液晶用の場合から若干変更すればよい。
液晶パネルの場合と違って、ITO透明電極、配向膜、偏光板、配向処理プロセスなどは不要であり、プロセスの簡易化、部材の低減化に加えて、偏光板を用いないことによりバックライト光の50%ロスや視角依存からも開放され明るく高視野角の表示が実現できる。
図6にはR,G,B併置カラーフィルタによる光線ロスをなくすために、図2と同様C,M,Yカプセル粒子を積層構造で用いたフルカラーパネルのほぼ2画素分の断面図を示す。ここでは1色分の1画素は3×3個の単層カプセル粒子から成るとして図示している。カプセル粒子径が20μであればスペーサは約60μの高さを必要とし、各々の色粒子を駆動するためのドレイン電極はスペーサ9内に内蔵されており、対向する共通電極22と共にほぼ各色カプセル粒子層の中央部に位置している。共通電極は3色とも共通でよいから図6のスペーサ22の左面に面状に形成されていてもよい。図6のような構成のアクティブマトリクスパネルを製造する方法として大きくは3つの方法が可能である。すなわち(1)C,M,Yカプセル粒子駆動用TFTはすべて基板1の、後にスペーサ9が形成される領域に形成されており、各色用ドレイン電極とこれに対向する共通電極は絶縁性スペーサの内部ないし表面を通して形成し、アレー基板とスペーサが形成された後にカプセル粒子を1層ずつ積み上げる。(2)C,M,Yカプセル粒子駆動用TFTはすべて基板2の、後にスペーサ9が形成される領域に形成されている点で(1)と同様であるが、各色用ドレイン電極、共通電極などの形成及び下部に形成されている対応する色用ドレイン電極との配線は各色カプセルを敷き詰めた後に追加してゆく。(3)1色目のアレーが形成された基板に1色目のカプセル粒子を敷き詰めて、表面を平坦化して後2色目のTFTアレーを形成するというように、アレーとカプセル粒子層を順次形成してゆく。以上いずれの方法に於ても導体の積み上げには導体ペーストのインクジェット描画法やアディティブ法として広く用いられている無電解メッキ法などが利用される。いずれにしても最終カプセル粒子層が配置されて後は透明保護層を設けるか図6のように透明上基板を貼り付けて積層型カラーパネルが構成される。図示は省略されているが、カプセル粒子間の隙間は透過率を変調できずカプセル膜、バインダーなどは透明で光り抜けを生じるから、黒色表示の品位を上げる為に光り抜けを生じる領域はブラックマトリクスをたとえば基板1ないし基板2上に設けておくことが望ましい。
図6の構成はR,G,B併置カラーフィルタを用いていないからバックライトロスが生じず、偏光板も不要であるからまさに理想的なフルカラーパネルに成り得る。
図6の構成はR,G,B併置カラーフィルタを用いていないからバックライトロスが生じず、偏光板も不要であるからまさに理想的なフルカラーパネルに成り得る。
図3〜図6の構成の電極、TFT,非直線素子などの形成を印刷、インクジェットなどで形成しかつプロセスが低温であれば長尺フィルムを基板に使用でき生産性が上がり低コストでパネルを製造できメリットが大きい。印刷法、インクジェット法を多用すればロールツーロールでパネルを製造し易く高速で大量生産が可能になる。
図7にはロールツーロールでパネルを製造する構成例を示す。
ロール状フィルムが上基板用フィルム供給部から供給され洗浄、乾燥等を行い電極、必要に応じてアクティブ素子形成部を経て上基板1が形成される。別のロールから供給された下基板用フィルムも同様の方法で電極、必要に応じてアクティブ素子やスペーサが形成され、こうして形成された上下基板のいずれかにカプセル粒子を整然と塗布し両基板間を気泡が残らないように重ね合わせ接着固定する。両基板を重ね合わせる前に電極に電圧を供給する電極端子を露出するために上下フィルム基板の端子引き出し部はパンチングなどの方法で穴あけがなされている。こうして接着固定された上下シートはパンチングなどの方法で切断されて個別の表示パネルが出来上がる。ドライバLSIをFPCやCOGなど周知の方法によって表示パネルの端子部に取り付けてモノクロ用表示パネルが完成する。図4で述べたように電極、スペーサ、アクティブ素子、カプセル粒子などをすべて片側基板にのみ形成して保護層を塗布するか、他方の基板を貼り合せる構成も可能である。上記方法で製造されたC,M,Y用個別パネルを接着剤で張り合わせるか、個別パネルに切断するに先立って長尺状態で少なくとも3枚のパネルを接着剤で貼合わせた後切断し、ドライバLSIを実装することによってフルカラーパネルが作られる。走査電極は3枚のパネルであらかじめパネル周辺部で接続しておくことで、Xドライバ数は1色分と同じ数に減じることができる。パネルを反射型で使用する場合紙などの白色基板に貼り付け、透過型で使用する場合は背面バックライトに貼り付けてパネルが完成する。
薄いフィルムシートは伸び縮みが激しいからC,M,Yの3枚のパネルを高精度に貼り合わせることは困難を伴う。レジストレーションが完全でない領域は解像度や色純度の低下をもたらす。
CCD等で監視しつつ温度、張力などによって伸縮を調整して各層のセルが適切にレジストレーションされるよう出来る限り高精度に貼り合わせる必要がある。
ロール状フィルムが上基板用フィルム供給部から供給され洗浄、乾燥等を行い電極、必要に応じてアクティブ素子形成部を経て上基板1が形成される。別のロールから供給された下基板用フィルムも同様の方法で電極、必要に応じてアクティブ素子やスペーサが形成され、こうして形成された上下基板のいずれかにカプセル粒子を整然と塗布し両基板間を気泡が残らないように重ね合わせ接着固定する。両基板を重ね合わせる前に電極に電圧を供給する電極端子を露出するために上下フィルム基板の端子引き出し部はパンチングなどの方法で穴あけがなされている。こうして接着固定された上下シートはパンチングなどの方法で切断されて個別の表示パネルが出来上がる。ドライバLSIをFPCやCOGなど周知の方法によって表示パネルの端子部に取り付けてモノクロ用表示パネルが完成する。図4で述べたように電極、スペーサ、アクティブ素子、カプセル粒子などをすべて片側基板にのみ形成して保護層を塗布するか、他方の基板を貼り合せる構成も可能である。上記方法で製造されたC,M,Y用個別パネルを接着剤で張り合わせるか、個別パネルに切断するに先立って長尺状態で少なくとも3枚のパネルを接着剤で貼合わせた後切断し、ドライバLSIを実装することによってフルカラーパネルが作られる。走査電極は3枚のパネルであらかじめパネル周辺部で接続しておくことで、Xドライバ数は1色分と同じ数に減じることができる。パネルを反射型で使用する場合紙などの白色基板に貼り付け、透過型で使用する場合は背面バックライトに貼り付けてパネルが完成する。
薄いフィルムシートは伸び縮みが激しいからC,M,Yの3枚のパネルを高精度に貼り合わせることは困難を伴う。レジストレーションが完全でない領域は解像度や色純度の低下をもたらす。
CCD等で監視しつつ温度、張力などによって伸縮を調整して各層のセルが適切にレジストレーションされるよう出来る限り高精度に貼り合わせる必要がある。
本表示パネルを形成する他の方法としては、片側のフィルム基板をあらかじめガラスなどの剛体基板に単個取りあるいは多数個取りを想定したサイズで貼り付けておき、電極、スイッチ素子、スペーサ、カプセル粒子配列などの形成プロセスを実施して後、保護層を設けるか他方のフィルム基板を貼り付けてパネルを形成し、しかる後剛体基板からパネルをはがす方法をとれば、フィルムの薄さ、伸縮性から生じるプロセスの困難性は軽減する。C,M,Yの3枚のパネルを重ね合わせる際にも第1層目のパネルが剛体基板に貼り付いておれば2層、3層目のパネルをレジストレーション良く積層しやすい利点がある。
セルを多数積層する表示パネルにおいて特に注意すべきは、界面反射である。屈折率が異なる界面では必ず界面反射が生じる。図2aの3層積層型のカラーパネルでは、モノクロパネル1層辺り多数の層(基板、カプセル膜、表示媒体、バインダー膜、接着層)から成るから各層は出来るだけ透明性が高いのは勿論、屈折率のできるだけ等しい材料で構成することが望ましいことは言うまでもない。
本発明に使用する材料について述べる。
本発明で使用するマイクロカプセルの製法は公知の種々の方法が適用できる。すなわち、(1)化学的方法として代表的な界面重合法やin-site重合法(界面反応法) (2)物理化学的方法として代表的な液中乾燥法、コアセルベーション法、融解分散冷却法 (3)機械的方法として代表的な噴霧乾燥法、乾式混合、オリフィス法 などである。マイクロカプセルの膜材としてはゼラチン、アラビアゴム、メラミン樹脂、尿素樹脂、ホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アミノ酸樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂など多様な高分子材料が使用可能である。内部がガス体のマイクロカプセルは一般にマイクロバルーンと称される。微粒子を内蔵したマイクロバルーンの製法としては、微粒子の成分にたとえば紫外光照射で窒素ガス等を発生する成分を導入ないし表面に吸着させておき、微粒子群を高分子樹脂で覆ってカプセル化して後、紫外光を照射して内部にガスを発生して微粒子内蔵マイクロバルーンを製造することができる。表示媒体7がガス体のものは微粒子移動に抵抗が少ないから高速応答の表示パネルが可能になる。
本発明で使用するマイクロカプセルの製法は公知の種々の方法が適用できる。すなわち、(1)化学的方法として代表的な界面重合法やin-site重合法(界面反応法) (2)物理化学的方法として代表的な液中乾燥法、コアセルベーション法、融解分散冷却法 (3)機械的方法として代表的な噴霧乾燥法、乾式混合、オリフィス法 などである。マイクロカプセルの膜材としてはゼラチン、アラビアゴム、メラミン樹脂、尿素樹脂、ホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アミノ酸樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂など多様な高分子材料が使用可能である。内部がガス体のマイクロカプセルは一般にマイクロバルーンと称される。微粒子を内蔵したマイクロバルーンの製法としては、微粒子の成分にたとえば紫外光照射で窒素ガス等を発生する成分を導入ないし表面に吸着させておき、微粒子群を高分子樹脂で覆ってカプセル化して後、紫外光を照射して内部にガスを発生して微粒子内蔵マイクロバルーンを製造することができる。表示媒体7がガス体のものは微粒子移動に抵抗が少ないから高速応答の表示パネルが可能になる。
フィルム基板としてはナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポバール、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルサルフォンなど各種のものが使用できる。通常紙の厚みは100μ前後であるが、基板が各10μ、各色セル厚約30μのフルカラーパネルを構成して各セル間の接着剤厚を考慮しても基紙に多少薄いものを用いれば0.2mm程度の厚みに収まる。
微粒子としては白黒用にはカーボンブラック、ピグメントブラック、黒鉛などまたはこれらが樹脂に埋め込まれたいわゆるトナーが使用でき、C,M,Y微粒子としては印刷インキ、カラー複写機用トナー、インクジェット用インキなどに用いられているアゾ系、フタロシアニン系、ニトロ系、ニトロソ系など各種有機顔料や酸化鉄、カドミウムエロー、カドミウムレッドなどの無機顔料など多様なものを用いることが出来、粒径は通常0.01μ〜5μ程度のものが用いられる。Y色微粒子としてはハンザイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエローなど、M色微粒子としてはピグメントレッド、ローダミンB、ローズベンガル、ジメチルキナクリドンなど、C色微粒子としてはアニリンブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントブルーKなど、黒色微粒子としてはカーボンブラック、ピグメントブラック、アニリンブラックやC,M,Y微粒子を混合して用いられる。微粒子は単体ばかりではなく帯電性や色調を最適化するため染料、顔料およびいくつかの色材を樹脂や液体と共に内包したカプセルとした微粒子を使用してもよい。粒子の形状は球形はじめ針状、鱗片状など異方形状のものは分散状態では光線吸収能が高く、積み重なった集積状態で吸収断面積が減じるものは本願で用いるのにふさわしいものである。
媒体が液体の場合シリコン系、石油系やハロゲン化炭化水素など多種類の高絶縁性溶媒が利用できる。媒体として液晶を用いると電界によって分子配列状態が変化し、併せてカプセル内での流体の流れが影響を受けるから、微粒子として2色性色素や先に述べた針状や鱗片状のような異方形粒子を分散しておくと、集積状態と分散状態での吸収断面積比を向上させる効果が期待できる。
非直線素子材料としてはTa,Alなどの薄膜を陽極酸化して他方の金属で挟み込んだMIMや、カルコゲナイト系、酸化亜鉛などの半導体が利用でき、TFT材料としてはa−Siやa-InGaZnOなどの無機半導体またペンタセン、ポリフルオレン、ポリフェキシルチオフェンなどの低分子や高分子の有機半導体が用いられ、特に有機TFTは処理温度が低くフィルム上に形成できる利点があり特に有望である。
表示パネルが高精細であればドライバLSIを多数個搭載する必要があり、高価になる上にペーパライク性が失われる。本発明の表示パネルはメモリ性を有するから一旦表示を更新すればドライバを切り離しても表示は維持される。従ってパネル電極端子部を露出しておき、表示を更新する時のみ信号供給源に接続する方法をとることも可能でありシステム構成を図8に示す。LSIを実装していない表示シートがたとえば図6のような3枚積層型X−Yマトリクスフルカラーパネルの場合図8に示すようにC,M,YパネルのY電極を3段に分離して、共通電極端子と共に露出しておく。X電極もC,M,Yパネルの対応する各X電極を互いに接続して共通化したX電極を右辺に露出しておき、表示更新時のみ図8に示す信号源の表示シート挿入口に装填し、信号源に設けられたY,X電極および共通電極用端子と対応するパネルの電極端子を押し圧などで接触させてパネルを駆動する。表示更新された表示シートをたとえば左辺に設けられたパンチ孔で複数枚のシートをファイルとして綴じるという使い方も可能になる。信号源とシート電極端子との接触給電は端子が狭ピッチの場合高精度の位置合わせを必要とするが、シートにあらかじめ設けられた合わせマークを信号源に内蔵されたCCDセンサーなどで検出して高精度位置合わせを達成することは可能である。微妙な位置合わせは表示観察窓を通して確認することも有用である。信号源にPC機能、バッテリ、無線LAN機能、TV受信機能などが内蔵されていれば、図8の信号源はそれ自体が超薄型、軽量のポータブルPCおよびTVとして機能し得る。
本発明は次のような効果を奏する。
請求項1に記載されている発明は表示面に平行な電界の作用で微粒子を局所に堆積させるかランダムに分布させて光線透過性を変化させるものであり光線シャッタとして有用なものである。偏光板を用いる従来の液晶シャッタのような光線ロスが回避できるゆえ、明るい表示が可能となり、R,G,Bカラーフィルタと併用した加色混合法でフルカラー表示が可能であるばかりか、構成は複雑化するがC,M,Yパネルを積層することによってより明るいフルカラー表示が実現できるものであり、表示内容を随時書き替えでき紙のように取り扱うことができるフルカラー電子ペーパも実現できるものである。勿論紙状基板に貼り付けるのではなく白色バックライトに貼り付ければ暗い所で観賞できる表示装置として使用でき、非点燈時に白色反射のバックライトを背面に設けておれば反射、透過両用で使用できる多用途ディスプレイになり得るものである。
請求項1に記載されている発明は表示面に平行な電界の作用で微粒子を局所に堆積させるかランダムに分布させて光線透過性を変化させるものであり光線シャッタとして有用なものである。偏光板を用いる従来の液晶シャッタのような光線ロスが回避できるゆえ、明るい表示が可能となり、R,G,Bカラーフィルタと併用した加色混合法でフルカラー表示が可能であるばかりか、構成は複雑化するがC,M,Yパネルを積層することによってより明るいフルカラー表示が実現できるものであり、表示内容を随時書き替えでき紙のように取り扱うことができるフルカラー電子ペーパも実現できるものである。勿論紙状基板に貼り付けるのではなく白色バックライトに貼り付ければ暗い所で観賞できる表示装置として使用でき、非点燈時に白色反射のバックライトを背面に設けておれば反射、透過両用で使用できる多用途ディスプレイになり得るものである。
従来のR,G,Bカラーフィルタを並置して設けた偏光板利用液晶等の加色混合型カラーディスプレイに対して偏光板を使用していない分で2倍明るく、C,M,Y積層型にすればR,G,B並置カラーフィルタで生じる2/3の光線ロスを回避できるゆえ合計6倍明るいか、ないしバックライトに関しては1/6の電力消費ですむメリットが生じる。
対向する1対の透明電極を用いる従来型の反射型パネルでは媒体が1層でも入射光線は4回透明電極を通過することになるから白色光の透過率が1層当たり90%としても66%(=0.9^4 =0.656)しか反射できないことになってしまう。カラーで3層積層すると透明電極は6層になり、反射で使用すると入射光は12回透明電極を通過することになり、同じく1層の透過率が90%としても28%(=0.9^12)の反射率に低下してしまい反射型表示装置としては致命的な明るさになってしまう。本発明の構成では表示面内に透明電極を用いていないから積層カラーパネルでも光線透過ロスを極めて低減できて明るい反射および透過表示を実現できる。
1 透明上基板
2 透明下基板
3 カプセル粒子
4 セル
5 微粒子
6−1,6−2 電極
7 表示媒体
8 バインダー
9 スペーサ
10 白色基紙
11 接着剤
12 絶縁物
13a カラーフィルタ
13b ブラックマトリクス
13c X−YマトリクスTFTアレー
14 Y電極
15 X電極
16 第一絶縁層
17 孔
18 ソース電極
19 ドレイン電極
20 半導体と絶縁層の積層
21 第二絶縁層
22 共通電極
23 第三絶縁層
24 ゲート電極
2 透明下基板
3 カプセル粒子
4 セル
5 微粒子
6−1,6−2 電極
7 表示媒体
8 バインダー
9 スペーサ
10 白色基紙
11 接着剤
12 絶縁物
13a カラーフィルタ
13b ブラックマトリクス
13c X−YマトリクスTFTアレー
14 Y電極
15 X電極
16 第一絶縁層
17 孔
18 ソース電極
19 ドレイン電極
20 半導体と絶縁層の積層
21 第二絶縁層
22 共通電極
23 第三絶縁層
24 ゲート電極
Claims (10)
- 電極間に、少なくとも1種類の光反射性ないし光吸収性微粒子を内包したカプセル粒子が挟まれており、表示面と平行方向の電界を印加して該微粒子のカプセル内での分布状態を変化させて集積状態と分散状態を生成することによって光学的透過性を変化させることを特徴とした表示装置。
- 請求項1の表示装置においてカプセル粒子は各々透明フィルムからなる2枚の基板に挟まれており、一方の透明フィルムが白色紙ないし白色バックライトに貼付されて構成されていることを特徴とした表示装置。
- 請求項1の表示装置において、カプセル粒子に内包された微粒子がそれぞれシアン色透過性、マゼンタ色透過性、イエロー色透過性であり、少なくともこれら3層が積層されており、各色の透過性を独立に制御できるように構成されていることを特徴としたカラー表示装置。
- 請求項1〜3の表示装置においてカプセルに内包された微粒子はガス体ないし透明な液体に分散されていることを特徴とした表示装置。
- 請求項1〜4の表示装置において粒子を移動させるための電圧を供給する電極は互いに直交するX−Yマトリクス電極で構成されていることを特徴とした表示装置。
- 請求項1〜5の表示装置において単色の透過性の変化はTFTないしは非直線抵抗素子などのスイッチ素子群からなるアクティブマトリクスによってなされるように構成されていることを特徴とした表示装置。
- 請求項1〜6の表示装置を製造するに当たり、少なくともロール状フィルム供給部、電極形成部、カプセル粒子供給部、フィルムパネル切断部を有し、フィルムパネルをロールツーロールで製造することを特徴とする表示装置製造方法。
- 請求項1〜6の表示装置を製造するに当たり、あらかじめフィルムを剛体基板に貼合しておき必要なプロセスを終えて後フィルムを剛体基板から剥離することを特徴とする表示装置の製造方法。
- 請求項5〜6の表示装置において、カプセル内の微粒子は黒色光吸収性であり、このカプセル粒子を光シャッターとして用いてR,G,Bカラーフィルタの透過率を変化させて加色混合によってカラー像を表示するように構成したことを特徴としたカラー表示装置。
- 請求項1〜6および請求項9の表示装置において、表示装置はドライバ未実装であり、信号源に装填することで表示更新を果たした後、信号源から分離できるように構成された表示システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006128759A JP2007298894A (ja) | 2006-05-05 | 2006-05-05 | 表示装置とその製造方法および表示システム |
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-
2006
- 2006-05-05 JP JP2006128759A patent/JP2007298894A/ja active Pending
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