JP2004045643A - 電子ペーパー - Google Patents

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Takashi Ebato
江波戸 尚
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】表示した画像を長期間保持することができるツイストボール方式の電子ペーパーを提供すること。
【解決手段】半球ごとに異なる色を有するとともに双極子状態に帯電した複数の微小な球体粒子(1)を、少なくとも一方は可視光を透過する一対の支持フイルム(2a,2b)間に収容し、各球体粒子(1)に電界を印加してそれぞれの向きを制御することにより、任意の画像を表示できるようにした電子ペーパー(100)において、支持フイルム(2a,2b)間に、球体粒子(1)相互の位置を定めるためのセパレータ(5)を設け、必要に応じて、セパレータ(5)と球体粒子(1)とを互いに固定できるように構成した。セパレータ(5)は、所定の温度に加熱されると球体粒子(1)との粘着性を生じる網状の樹脂フイルム部材かならなり、球体粒子(1)はセパレータ(5)の網目の中に一つずつ収容されている。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力供給時に表示させた画像を電力供給停止後においても保持可能なシート状の画像表示メディアである所謂電子ペーパーに関し、より詳細には、それぞれ半球ごとに異なる色を有する多数の微小な球体粒子を双極子状態に帯電させ、各球体粒子の向きを電界により制御することで任意の画像表示を可能にした電子ペーパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子ペーパーの表示方式として、半球ごとに異なる色を有する微小な球体粒子の回転を利用した方式、帯電トナーの電気泳動を利用した方式、強誘電液晶を用いた方式、等が開発途上にある。これらの方式のうち、半球ごとに異なる色を有する微小な球体粒子の回転を利用した方式は、ツイストボール(twisted ball)方式と呼ばれ、最も開発が進んでいる。
【0003】
図3はツイストボール方式の従来の電子ペーパー50の構造を概念的に示した断面図である。図3において、符号1は微小な球体粒子を示しており、多数の球体粒子1が一対の支持フイルム2a,2bの間に収容されている。支持フイルム2a,2bの内側には、対向電極3a,3bがマトリクス状に配置されており、それぞれの対向電極3a,3b間に球体粒子1が一つずつ配置されている。一対の支持フイルム2a,2bのうち、一方の支持フイルム2aとそれに形成された対向電極3aは可視光を透過する材料で形成されており、これらを通して外部から球体粒子1が見える構造になっている。各球体粒子1は、半球ごとに黒色と白色を有する(例えば、半球ごとに黒色と白色に着色される)とともに半球ごとに正負に帯電されている。すなわち、各球体粒子1はそれぞれが球形の電気双極子となっている。
【0004】
各球体粒子1は、各々が配置された画素位置(即ち、対向電極3a,3b間の位置)で回転(自転)することができ、各対向電極3a,3b間に発生させる電界を制御することにより、それぞれの向き(配向)が制御される。各球体粒子1の向きが変化すると、可視光を透過する方の支持フイルム2aおよび対向電極3aを通して各球体粒子1の色の変化が視認される。即ち、球体粒子1の黒側の半球部分が観察面4側に向いているときには観測面4の反射率が下がって画素の濃度は高く(黒く)なり、白側の半球部分が観察面4側に向いているときには観測面4の反射率が上がって画素の濃度は低く(白く)なる。そして、対向電極3a,3b間に発生させる電界の向きを反転させることにより、画素の濃度が高濃度(黒)から低濃度(白)、低濃度(白)から高濃度(黒)へと変化する。尚、図3には、各対向電極3a,3b間に発生させる電界を制御して各球体粒子1の向きを変化させた一例が示されており、球体粒子1が、図3の左から、黒,濃灰,灰,明灰,白,明灰,灰,灰といったように、それぞれ支持フイルム2aおよび対向電極3aを通して視認されることがわかる。
【0005】
従って、各対向電極3a,3b間に発生させる電界を制御して、各球体粒子1の向きを各々別々に制御することにより、各球体粒子1を1画素とするドットパターンにより任意の画像を表示することができる。
【0006】
尚、ツイストボール方式の電子ペーパー50は、任意の画像を表示した後、各対向電極3a,3bに発生させる電界が解除されても、画像を保持することができる。これは、対向電極3a,3b間に発生させた電界によって定められた各球体粒子1の向きが対向電極3a,3b間に蓄積された静電気によってそのまま保持されることによるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、対向電極3a,3b間に蓄積された静電気は時間の経過とともに放電していく。即ち、上述した従来の電子ペーパー50は、画像保持能力が時間の経過とともに低下するため、画像を長期間保存する用途には不向きである。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示した画像を長期間保持することができるツイストボール方式の電子ペーパーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため、本発明は、請求項1に記載したように、半球ごとに異なる色を有するとともに双極子状態に帯電した複数の微小な球体粒子を、少なくとも一方が可視光を透過する一対の支持フイルム間に各々定位置にて回転可能に収容し、各球体粒子に電界を作用させてそれぞれの球体粒子の向きを制御することにより、任意の画像を表示できるようにした電子ペーパーにおいて、前記支持フイルム間に、前記球体粒子相互の位置を定めるためのセパレータを設け、必要に応じて、前記セパレータと前記球体粒子とを互いに固定できるように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、各球体粒子に電界を印加してそれぞれの向きを制御することにより、任意の画像を電子ペーパーに表示した後、必要に応じて、セパレータと球体粒子とを互いに固定することができるので、電子ペーパーに表示した画像を長期間保持することができる。
【0011】
また、本発明は、請求項2に記載したように、前記セパレータが、所定の温度に加熱されると前記球体粒子との粘着性を生じる樹脂材かならなることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、所定の温度に加熱すると球体粒子との粘着性を生じる樹脂材によりセパレータが構成されているので、任意の画像を電子ペーパーに表示した後、電子ペーパーを所定の温度に加熱することにより、セパレータと球体粒子とが互いに固定される。よって、電子ペーパーに表示した画像を長期間保持することができる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子ペーパー100の構造を概念的に示した断面図、図2は本発明に係る電子ペーパー100の構造を概念的に示した分解斜視図である。尚、電子ペーパー100において、図3の従来の電子ペーパー50と同一の構成要素については同一符号を付して明確化を図り、重複説明の回避のため、それらの構成要素の説明は省略する。
【0015】
電子ペーパー100は、図3に示される従来の電子ペーパー50の構成に加えて、球体粒子1相互の位置を定めるためのセパレータ5を備えている。セパレータ5は、網状の樹脂フイルム部材(樹脂材)からなり、球体粒子1は、セパレータ5の網目の中に一つずつ、自由に回転できるように収容されている。セパレータ5には、所定の温度に加熱すると溶融し、球体粒子1との粘着性を生じる樹脂材料が使用されている。
【0016】
この電子ペーパー100の通常の画像表示動作は、図3に示した従来の電子ペーパーと同様である。即ち、各対向電極3a,3b間に発生させる電界を制御して、各球体粒子1の向きを個別に制御することにより、各球体粒子1を1画素とするドットパターンにより任意の画像を電子ペーパー100に表示する。電子ペーパー100に表示された画像は、各対向電極3a,3b間に発生させる電界を解除した後も、各対向電極3a,3b間に蓄積された静電気によって保持される。
【0017】
しかしながら、前述したように、対向電極3a,3b間に蓄積された静電気は時間の経過とともに放電していくため、そのままでは電子ペーパーの画像保持能力が時間とともに低下していく。
【0018】
そこで、電子ペーパー100に表示させた画像を長期間保持する必要がある場合には、従来と同様にして所望の画像を表示させた後、電子ペーパー100をセパレータ5の溶融温度に加熱する処理を行う。これにより、セパレータ5が溶融し、セパレータ5と球体粒子1とが互いに接着されて固定される。その結果、電子ペーパー100に表示されている画像を完全に固定することができる。
【0019】
このように、本発明に係る電子ペーパー100は、各球体粒子1に電界を印加して、それぞれの球体粒子1の向きを制御することにより、任意の画像を表示することができ、しかも必要に応じて加熱する処理を行うことにより、セパレータ5と球体粒子1とを互いに固定することができるので、表示内容を書き換え可能な媒体としても、長期保存用の媒体としても使用することができる。
【0020】
尚、前述のように、半球ごとに黒色と白色を有する(例えば、半球ごとに黒色と白色に着色される)球体粒子のみを使用した場合は、モノクロ表示のみ可能であるが、赤と白、青と白、緑と白などその他の色の組み合わせを有する複数種類の球体粒子を混在させて使用すれば、カラー表示も可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、各球体粒子に電界を印加してそれぞれの向きを制御することにより、任意の画像を電子ペーパーに表示した後、必要に応じて、セパレータと球体粒子とを互いに固定することができるので、電子ペーパーに表示した画像を長期間保持することができる。
【0022】
また、本発明によれば、所定の温度に加熱すると球体粒子との粘着性を生じる樹脂材によりセパレータが構成されているので、任意の画像を電子ペーパーに表示した後、電子ペーパーを所定の温度に加熱することにより、セパレータと球体粒子とが互いに固定される。よって、電子ペーパーに表示した画像を長期間保持することができる。
【0023】
即ち、本発明による電子ペーパーは、任意の画像を電子ペーパーに表示した後、表示した画像を長期間保持する必要がある場合には、電子ペーパーを所定の温度に加熱することにより、球体粒子相互の位置を定めるためのセパレータと球体粒子とを互いに固定できるので、表示内容を繰り返し書き換え可能な媒体としても、長期保存用の媒体としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子ペーパーの構造を概念的に示した断面図である。
【図2】本発明に係る電子ペーパーの構造を概念的に示した分解斜視図である。
【図3】従来の電子ペーパーの構造を概念的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 球体粒子
2a,2b 支持フイルム
3a,3b 対向電極
4 観察面
5 セパレータ
100 電子ペーパー

Claims (2)

  1. 半球ごとに異なる色を有するとともに双極子状態に帯電した複数の微小な球体粒子を、少なくとも一方が可視光を透過する一対の支持フイルム間に各々定位置にて回転可能に収容し、各球体粒子に電界を作用させてそれぞれの球体粒子の向きを制御することにより、任意の画像を表示できるようにした電子ペーパーにおいて、
    前記支持フイルム間に、前記球体粒子相互の位置を定めるためのセパレータを設け、必要に応じて、前記セパレータと前記球体粒子とを互いに固定できるように構成したことを特徴とする電子ペーパー。
  2. 前記セパレータが、所定の温度に加熱されると前記球体粒子との粘着性を生じる樹脂材かならなることを特徴とする請求項1に記載した電子ペーパー。
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