JP4611501B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機に係り、特に所定の識別情報を変動表示させる可変表示機能を有する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特図ゲームを行うパチンコ遊技機として、例えば、第1種特別電動役物を有するパチンコ遊技機がある。このパチンコ遊技機は、遊技領域中に発射された遊技球が、第1種始動口(スタートチャッカ)と呼ばれる入賞口に入賞した際に、乱数値の抽出、すなわち大当たり抽選を行い、抽出した乱数値に基づいて特図ゲームにおける演出表示及び停止図柄態様を決定するものである。
【0003】
例えば、特別図柄表示装置上において左図柄、中図柄、右図柄のように横方向に3つ配置された表示図柄が、左図柄、右図柄、中図柄の順次更新表示を停止し、これら表示図柄がすべて同一種の図柄で最終的に停止した場合に大当たりとなるものである。この間、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄で仮停止していれば、リーチ表示態様となる。さらに中図柄も同一の図柄で仮停止すれば、大当たり表示態様となり、そのままの状態で停止すれば、大当たりが確定する。大当たり状態となると、大入賞口が開放される等によって、遊技者は大量の賞球を獲得することが可能となる。さらに、いわゆる確率変動機では、特別図柄表示装置上に表示された停止図柄態様が所定の図柄で大当たり確定した場合、次回以降の大当りの発生確率が高められる。
【0004】
ところで、特図ゲームにおける演出表示として、最終的な表示態様で確定するまでの間に、全ての表示図柄の変動を仮停止した後に再び変動開始させるということを繰り返し行うことで、本来は1回の変動であるものの見かけ上は複数回の変動が行われているような表示を行っている変動表示パターンが従来より考えられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した複数回の仮停止を伴う変動表示パターンでは、このサイクルが所定回数行われるまで仮停止を繰り返すものである。このような変動表示パターンにおいて、このサイクルの初期の仮停止で大当たり態様となっても、必ずしも確率変動図柄による大当たり態様とはならなかったので、遊技者の興趣向上に十分ではなかった。
【0006】
上記事情を鑑みて、本発明は、1回の変動中に表示図柄の仮停止を複数回行う場合において、仮停止時の表示態様によって遊技者の期待感を高揚させ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遊技機は、予め設定された変動開始条件を満足する場合、可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示パターンを決定する変動表示パターン決定手段と、前記変動表示パターン決定手段で決定された変動表示パターンの変動表示が仮停止したときに表示される識別情報の仮停止表示態様を決定する仮停止表示態様決定手段と、前記変動表示パターン決定手段で決定された変動表示パターンの変動表示が終了した後に表示される識別情報の最終表示態様を決定する最終表示態様決定手段と、前記変動表示パターン決定手段により決定された変動表示パターンに基づいて、前記可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示を開始させてから、前記仮停止表示態様決定手段により決定された仮停止表示態様で変動表示を仮停止させた後に、前記識別情報の再変動を開始してから前記最終表示態様決定手段により決定された最終表示態様で変動表示を停止させる再変動態様を含む、所定の変動表示を実行させる変動表示制御手段とを備え、前記変動表示が終了された後に表示された前記識別情報の最終表示態様が特定表示態様となった場合に、前記特定表示態様に応じて複数種類の異なる遊技価値のいずれかが付与される遊技機であって、前記変動表示制御手段は、前記再変動態様として前記最終表示態様で変動表示を停止させるまでの間において、前記識別情報の第1の仮停止を実行させた後に、第1の再変動を実行させ、前記第1の再変動が行われた前記識別情報の第2の仮停止を実行させた後に、第2の再変動を実行させる複数回再変動態様実行手段を含み、さらに、前記仮停止表示態様決定手段は、前記最終表示態様決定手段が、前記複数種類の異なる遊技価値の内で最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様となるように決定する場合に、前記仮停止表示態様が前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定するとともに、前記第2の仮停止で表示される仮停止表示態様が、前記第1の仮停止で表示される仮停止表示態様よりも高い確率で、前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定する、としている。
【0008】
上記遊技機では、複数回にわたる識別情報の仮停止及び変動のいずれかの回に特定表示態様(大当たり態様)となった場合、最終的に、最も遊技価値の高い大当たり態様、例えば、以後の変動時の大当たり発生確率が上昇する、いわゆる確率変動(確変)大当たりで確定する。従って、一旦大当たりが決定してから大当たりが確定するまで仮停止が繰り返される場合であっても、最終的には、最も遊技価値の高い大当たり図柄で確定するので、遊技者の興趣を高めることができる。
【0009】
上記遊技機において、前記仮停止表示態様決定手段は、前記第1の仮停止で表示される仮停止表示態様を前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定する場合に、前記第2の仮停止で表示される仮停止表示態様を前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定する、としてもよい。
【0010】
例えば、全部で8回の仮停止がある場合に、仮停止時に特定表示態様を表示する確率を、1回目は10%、2回目は20%、・・・、8回目は80%というように、必ず前回の仮停止時よりも高くなるものとしてもよい。また、1回目〜3回目は30%、4回目〜6回目は60%、7回目は80%、8回目は90%というように、同じ確率で何回か続けてもよい。さらには、一旦特定表示態様で仮停止された場合には、それ以降は全て特定表示態様とする(確率100%)ものであってもよい。このように、図柄が仮停止する毎に特定表示態様(大当たり態様)が表示されやすくなるので、遊技者の大当たりへの期待感、ひいては、最も遊技価値の高い大当たり(例えば、確変大当たり)への期待感が高められる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、予め設定された変動開始条件を満足する場合、可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示パターンを決定するとともに、変動表示終了後に表示する最終識別情報を決定する変動態様決定処理と、前記変動態様決定処理により決定された変動表示パターン及び最終識別情報に基づいて、前記可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示を開始させるとともに、所定時間経過後に前記最終識別情報で変動表示を停止させる変動表示制御処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録するもので、前記変動表示制御処理は、前記変動態様決定処理の決定結果に基づいて、特定表示態様となった場合に付与すべき複数種類の異なる遊技価値があり、前記変動表示制御処理は、前記最終識別情報で変動表示を停止させるまでの間、前記識別情報の仮停止及び再変動を複数回行う機能を有し、前記特定表示態様で前記識別情報が仮停止された場合には、最終的に確定する前記識別情報の表示態様を、最も高い遊技価値の特定表示態様としている。
【0012】
すなわち、記録媒体中に含まれるプログラムをコンピュータ装置(ビデオゲーム装置を含む。以下、同じ)等に読み込ませ、一連の処理を実行させることで、本発明の遊技機を容易に実現することができる。すなわち、プログラムを記録した記録媒体という形態を採ることにより、ソフトウェア商品として、装置とは独立した形で、生産、販売、配布等を容易に行うことができる。また、コンピュータ装置等のハードウェアに、このソフトウェアを組み込むことによって本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる変動表示方法は、予め設定された変動開始条件を満足する場合、可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示パターンを決定するとともに、変動表示終了後に表示する最終識別情報を決定する変動態様決定手順と、前記変動態様決定手順により決定された変動表示パターン及び最終識別情報に基づいて、前記可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示を開始させるとともに、所定時間経過後に前記最終識別情報で変動表示を停止させる変動表示制御手順とを含み、前記変動表示制御手順は、前記変動態様決定手順の決定結果に基づいて、特定表示態様となった場合に付与すべき複数種類の異なる遊技価値があり、前記変動表示制御手順は、前記最終識別情報で変動表示を停止させるまでの間、前記識別情報の仮停止及び再変動を複数回行う機能を有し、前記特定表示態様で前記識別情報が仮停止された場合には、最終的に確定する前記識別情報の表示態様を、最も高い遊技価値の特定表示態様としている。
【0014】
すなわち、上記方法による手順を、コンピュータ装置等に実行させることにより、本発明の遊技機と同様の効果を得ることができる。すなわち、前述の処理手順を、コンピュータ装置等のハードウェアを用いて実現することにより、当該ハードウェア上で、本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
【0015】
また、上記方法による手順を、コンピュータ装置等に実行させるためのプログラムまたはデータを符号化し、搬送波に重畳されたプログラムコード信号として送信するとともに、この搬送波に重畳されたプログラムコード信号を受信し、元のプログラムまたはデータに復号化してコンピュータ装置等に実行させることにより、本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ演出表示とは、最終停止図柄となる表示図柄以外の表示図柄が、例えば、大当たりとなる特定表示態様と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小あるいは変形している状態、すなわち、所定領域内に一定期間継続的に更新表示を停止している状態(以下、これらの状態を仮停止という)、または、表示図柄の表示位置が入れ替わっている状態、または、複数の表示図柄が同期して更新表示を行っている状態のように、最終結果が表示される前段階において表示結果が特定表示態様となる可能性が見かけ上高められる演出表示のことを指す。
【0017】
また、有効ラインとは、特別図柄表示装置上における図柄表示領域の特定の組み合わせであり、最終的な停止図柄態様が特定表示態様である場合、特定表示態様を形成する識別情報(表示図柄)がその有効ライン上に表示されるものである。
【0018】
本実施例における遊技機としては、特別図柄表示装置により特図ゲームを行う遊技機として、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明するが、適用対象となる遊技機としては、これに限るものではない。例えば、スロットマシン等の遊技機にも適用可能である。
【0019】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、回転可能なリールやLCDなどによって構成された可変表示装置装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
【0020】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されており、遊技領域のほぼ中央位置には、特別図柄表示装置4が設けられている。
【0021】
特別図柄表示装置4は、ステッピングモータによって回転駆動される3つのリール4a、4b、4cによって構成される。各リール4a、4b、4cのそれぞれの外周部には、大当たりに関係する何らかの表示図柄と大当たりに関係しない表示図柄とが交互に所定の順序で描かれている。大当たりに関係する表示図柄のうち、白、赤、青、緑色の「7」が確率変動図柄であり、○の中に「A」(白)、「J」(青)、「Q」(赤)、「K」(緑)が描かれたものが非確率変動図柄である。確率変動図柄と非確率変動図柄は、大当たりに関係しない図柄「・」を挟んで交互に描かれている。また、リール4aと4cとの図柄の配列順は同一であり、リール4aと4cとで図柄の配列順は、完全に逆順になっている。
【0022】
特別図柄表示装置4において、遊技者は、リール4a、4b、4cの外周部に描かれた表示図柄のうちの連続する3つを、上中下3段に視認可能となっており、各段の横方向に3本、及び対角線方向に2本の有効ラインが設定されている。また、リール4a、4b、4cの内部には、それぞれ視認可能領域内にある表示図柄の背面側から光を照射するリールランプが設けられている。これらのリールランプは、発光色などの発光態様を変化可能に構成されている。
【0023】
特別図柄表示装置4の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物)7とが上下に並んで配設されている。大入賞口7は、特別図柄始動口6への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行われた結果、大当たりとなった場合に開放動作を行う。また、遊技用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、ランプ9が設けられている。
【0024】
図2は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)10と、遊技制御部(遊技制御基板)11と、入出力部12と、表示制御部(表示制御基板)13と、音制御部(音制御基板)14と、ランプ制御部(ランプ制御基板)15と、払出制御部(払出制御基板)16と、情報出力部(情報端子基板)17とを備えている。なお、本発明において、変動表示態様決定手段および変動表示制御手段の各手段の有する機能は、主に遊技制御部11および表示制御部13によって実現されている。
【0025】
電源部10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。遊技制御部11は、遊技制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、入出力部12を介して信号の入出力を行う機能、表示制御部13、音制御部14、ランプ制御部15及び払出制御部16に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0026】
入出力部12は、遊技球の検出や役物の開閉動作を行うためのものである。表示制御部13、音制御部14、ランプ制御部15は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、特図ゲームにおける特図表示制御(リールランプの制御を含む)、音出力制御、ランプ表示制御を、それぞれ遊技制御部11とは独立して実行するものである。表示制御部13は、リール4a、4b、4cのステッピングモータに制御信号を送ることにより、リール4a、4b、4cを回転、停止させ、表示図柄を変動させる。払出制御部16は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報出力部17は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0027】
ここで、特別図柄表示装置4上に表示される表示図柄の仮停止タイミングや変動タイミング等は、後述する変動表示パターンコマンドに従って一意に定まっている。また、特別図柄表示装置4上において、特図ゲームの終了時に最終的に表示される表示図柄の種別も、遊技制御部10から表示制御部13に送られるコマンドに従って一意に定まっている。もっとも、最終停止に至るまでの過程において仮停止される表示図柄の態様は、遊技制御部10が決定して表示制御部13にコマンドとして送ってもよく、表示制御部13が独自に決定してもよい。
【0028】
次に、本実施例の動作(作用)を説明する。
【0029】
まず、本実施例のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技球が遊技領域中に発射される。遊技制御部11では、入出力部12内の特別図柄始動スイッチ等の入力の有無を監視しており、遊技球が特別図柄始動口6に入賞した場合、特別図柄始動スイッチにおいて遊技球の入賞が検出される。また、特別図柄始動口6において、遊技球の入賞が検出された場合、入賞した遊技球の数、入賞時の乱数の抽選値が特別図柄判定用バンクに保管される。そして、保管されたデータに基づいて特別図柄表示装置4において特図ゲームを開始する。
【0030】
図3は、遊技制御部における処理動作例を示すフローチャートである。本実施例における遊技制御部12は、タイマ割り込みによって約2ミリ秒毎に起動する。すなわち、遊技制御部11は、タイマ割り込み方式を使用し、以下に述べる各処理をタイマ割り込み毎に繰り返し実行する。
【0031】
タイマ割込信号によって遊技制御部11が起動されると、遊技制御部11は、スタックポインタに指定番地をセットする、いわゆるスタックセット処理を行う(ステップS101:以下、単にS101と記す)。次に、遊技制御部11は、システムチェック用のフラグ情報を確認し、フラグ情報が正常動作判定値とは異なる値であった場合にはメモリ内の作業領域をクリアするシステムチェック処理を行う(S102)。
【0032】
次いで、遊技制御部11は、特図ゲームにおける各種フラグ情報等を取得する情報出力処理と、特図ゲームにおける効果音の出力を行う音出力処理との時分割処理を行う(S103)。次に、入出力部12からの入力信号を検出し、検出した状態に対応する入力処理を行う(S104)。
【0033】
次いで、遊技制御部11は、詳細を後述する、特別図柄プロセス処理を実行する(S105)。同様にして、特別図柄プロセス処理実行後は、特図ゲームに用いる判定用乱数を更新するための乱数更新処理を行うとともに(S106)、特図ゲームに用いる表示図柄乱数を更新するための表示図柄乱数更新処理を行う(S107)。そして、遊技制御部11は、エラー等の不正の有無を検出し、エラー発生時に必要に応じてエラー報知を行う、エラー処理を行う(S108)。
【0034】
さらに、遊技制御部11は、入出力部12からの検出信号を入力し、各入賞口または入賞装置に対する入賞有無を判定する、入賞球処理を行う(S109)。次いで、遊技制御部11は、各出力ポートに対して音声データ、表示制御信号、飾りランプ、情報信号、ソレノイド駆動信号、賞球個数信号等のコマンドを送信するための出力処理を行う(S110)。その後、遊技制御部11は、タイマ割り込み信号が与えられるまで表示図柄決定用乱数及び判定用乱数を更新する、残時間処理を繰り返す(S111)。
【0035】
図4は、図3の特別図柄プロセス処理における処理例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特図フラグ情報にしたがって、該当する処理を選択的に実行する。そして、特図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。特別図柄プロセス処理では、特図フラグ情報に対応して以下に示す各処理を実行する。
【0036】
特図フラグ情報の値が“0”のとき、特図ゲームにおいて抽選した乱数値が大当たり値と一致するか否かを判定したり、外部に報知するしたりする「特別図柄通常時処理」を実行する(S201)。特図フラグ情報の値が“1”のとき、特別図柄表示装置4において特図ゲームにおける変動表示を開始する「特別図柄変動開始処理」を実行する(S202)。この特別図柄変動開始処理において、特図ゲームの変動表示パターンの設定と最終停止図柄の設定とが行われている。
【0037】
特図フラグ情報の値が“2”のとき、特別図柄表示装置4において特図ゲームにおける変動表示処理を行う「特別図柄変動処理」を実行する(S203)。特別フラグ情報の値が“3”のとき、特別図柄表示装置4における第1停止図柄である特別図柄左図柄、続いて第2停止図柄である特別図柄右図柄、最後に最終停止図柄である特別図柄中図柄の減速停止処理をそれぞれ行う「特別図柄全図柄停止処理」を実行する(S204)。
【0038】
特別フラグ情報の値が“4”のとき、大当たり動作のための初期化処理や、インターバル期間中の様々な処理、及び大当たり動作終了時に、大当たり時にセットされた各種フラグを再設定する「大入賞口開放前後処理」を実行する(S205)。特図フラグ情報の値が“5”のとき、大当たり動作に関する様々な処理、及び1回当たりの大入賞口7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(S206)。特図フラグ情報の値が“6”のとき、大当たり動作が終了するまでのタイミングを合わせる「大当たり動作終了待ち処理」を実行する(S207)。
【0039】
なお、特別図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。また、特図フラグ情報の値によって分岐される各処理の処理内容が複雑化して、タイマ割り込み時間内で処理を完了させることができない場合には、同一処理を複数追加するようにしてもよい。
【0040】
特図ゲームでは、遊技球が特別図柄始動口6を通過したとき、判定用乱数の値によって特別図柄の大当たり、ハズレを判定する。判定の結果、大当たりとなった場合には、判定用乱数の値に対応する特別図柄の組み合わせを特別図柄表示装置4に表示する。一方、ハズレとなった場合には、表示図柄用乱数の値に対応する特別図柄を表示する。
【0041】
以下、上記のようにして遊技制御部11から送られてくる変動表示パターンコマンドに基づいて、表示制御部13が特別図柄表示装置4上で図柄を変動表示させるための処理について説明する。ここでは、変動表示パターンとして、図5のフローチャート及び図6、図7の表示例に示すパターンを示すものとする。
【0042】
ところで、以下の説明に用いているフローチャートは、表示図柄の変動表示及び音声出力の手順を分かり易く説明するためのものであり、表示制御部13は、必ずしもこのようなフローチャートに対応したプログラムを実行して処理を行う必要はない。すなわち、特別図柄表示装置4上の態様が後述する表示画面例に対応したものとなるのであれば、表示制御部13の処理プログラムは、いかなるものであっても構わない。
【0043】
図5は、この実施の形態における変動表示パターンを示すフローチャートである。図6、図7は、この実施の形態における特別図柄表示装置4上の表示例を示す図である。なお、この変動表示パターンでは、大当たり態様が表示される確率が100%であり、最終的に特定表示態様(大当たり態様(確率変動・非確率変動のいずれをも含む))で確定する。また、以下では、最終的に確率変動図柄による大当たり表示態様となる例を挙げて説明する。
【0044】
特図ゲームが開始すると、表示制御部13は、前回の特図ゲームの終了状態で停止していたリール4a、4b、4cを全て回転駆動させることにより、図6(a)に示すように、左図柄、中図柄及び右図柄の全てを変動表示させる(S301)。
【0045】
次に、表示制御部13は、表示図柄の仮停止を行う回数及び最終停止態様に応じて、左図柄、中図柄及び右図柄として仮停止させるべき表示図柄の種別を決定する(S302)。ここでは、図柄の仮停止回数は最終停止を含めて4回であり、このときに大当たり表示態様が表示される確率は50%であり、これ以降の確率はそれぞれ75%(2回目)、100%(3回目)である。また、最終停止態様は、確率変動図柄による大当たり態様であることが決定しているので、3回目の仮停止までには少なくとも1回は大当たり態様が表示される。従って、4回目の仮停止時には、確率変動図柄による大当たり態様で仮停止、確定し、非確率変動図柄による大当たりとなる又はハズレとなることはない。
【0046】
もっとも、最終停止態様が非確率変動図柄による大当たり表示態様となる場合には、3回目の仮停止時まではすべてハズレ表示態様となり、4回目の仮停止時において初めて、非確率変動図柄による大当たり表示態様となる。
【0047】
そして、表示制御部13は、一定期間が経過する度に、リール4aの回転駆動を停止することにより左図柄を仮停止させ(S303)、リール4cの回転駆動を停止することにより右図柄を仮停止させ(S304)、リール4bの回転駆動を停止することにより中図柄を仮停止させる(S305)。これら仮停止される表示図柄は、ステップS302で決定されたものであり、図6(b)に示すように、中段の有効ラインにおいて「7(赤)」、「7(赤)」、「Q(赤)」が仮停止させられている。
【0048】
また、図6(b)に示すように、仮停止された左図柄、中図柄及び右図柄は、リール4a、4b、4cが小刻みに往復駆動されることにより、上下に揺動して表示されている。なお、「表示図柄の仮停止」とは、左図柄、中図柄及び右図柄の全てが仮停止された状態のことをいう。
【0049】
次に、表示図柄の仮停止が、予め定められた所定回数(4回)だけ行われたかどうかを判定する(S306)。図6(b)の段階では、表示図柄の仮停止回数が所定回数に達していないので(S306;NO)、表示制御部13は、再びリール4a、4b、4cを回転駆動させることにより、図6(c)に示すように、左図柄、中図柄及び右図柄の全てを再び変動表示させる(S307)。
【0050】
そして、ステップS302の処理に戻り、表示図柄の仮停止の回数(=2回目;大当たり表示確率75%)に従って仮停止すべき表示図柄の種別を決定し、図6(d)に示すように、決定した表示図柄で左図柄、右図柄、中図柄を順に仮停止させる(S302〜S305)。ここでは、中段の有効ラインにおいて「A(白)」、「K(緑)」、「K(緑)」が仮停止させられている。
【0051】
次にまた、表示図柄の仮停止が、予め定められた所定回数だけ行われたかどうかを判定する(S306)。図6(d)の段階では、表示図柄の仮停止回数が所定回数に達していないので(S306;NO)、図6(e)に示すように、左図柄、中図柄及び右図柄の全てを再び変動表示させた後(S307)、表示図柄の仮停止の回数(=3回目;大当たり表示確率100%)に従って仮停止すべき表示図柄の種別(大当たり態様)を決定し、図6(f)に示すように、決定した表示図柄で左図柄、右図柄、中図柄の順で仮停止させる(S302〜S305)。ここでは、中段の有効ラインにおいて、大当たり態様である「A(白)」、「A(白)」、「A(白)」が仮停止させられている。
【0052】
図6(f)の段階でも、表示図柄の仮停止回数が所定回数に達していないので(S306;NO)、図7(g)に示すように、左図柄、中図柄及び右図柄の全てを再び変動表示させた後(S307)、表示図柄の仮停止の回数(=4回目)に従って仮停止すべき表示図柄の種別を決定し、図7(h)に示すように、左図柄、右図柄、中図柄の順で仮停止させる(S302〜S305)。ここで仮停止は4度目であるので、最終表示態様であり、確率変動図柄による大当たり態様である「7(緑)」、「7(緑)」、「7(緑)」が仮停止させられることとなる。
【0053】
そして、図7(h)の段階において、表示図柄の仮停止回数が所定回数(=4回)となったので(S306;YES)、表示制御部13は、図7(i)に示すように、この状態でリール4a、4b、4cの駆動を完全に停止することにより、左図柄、中図柄及び右図柄の全てを確定させる(S308)。そして、この変動表示パターンにおける処理を終了する。
【0054】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機では、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機では、全ての表示図柄を仮停止させた後に再変動させる場合に、所定回数行われる仮停止のいずれかの回の表示図柄態様が大当たり態様であれば、最終停止態様を最も遊技価値の高い態様(確率変動図柄による大当たり態様)としている。つまり、表示図柄が大当たり態様で仮停止し、大当たりが確定した時点から、最終的に確率変動図柄による大当たり態様で確定することにより、一層の期待感を与えることができる。
【0055】
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機では、仮停止する毎に大当たりが表示される確率が上昇する。このため、遊技者の期待も仮停止毎に高まり、しかも、大当たり態様で仮停止すれば、確率変動図柄による大当たりが確定するので、その期待感を高揚させることができる。
【0056】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について、説明する。
【0057】
上記の実施の形態では、表示図柄の仮停止をどのような種別のもので行うかを、表示制御部13が決定していた。これに対して、遊技制御部11が最終的な表示態様における表示図柄の種別だけでなく、仮停止の際の表示図柄の種別もそれぞれ決定し、表示制御部13にコマンドとして送るものとしてもよい。
【0058】
上記の実施の形態では、1回の変動表示パターンにおける仮停止の回数は最終停止を含めて4回とし、大当たり態様が表示される確率は、50%(1回目)、75%(2回目)、100%(3回目)であるものとした。しかし、仮停止の回数は何回でもよい。また、各回における大当たり発生確率も、回数毎に前回以上となるような構成であれば、どのようなものであってもよい。例えば、仮停止回数が8回で、1回目は10%、2回目は20%、・・・、8回目は80%というように、最終的に100%に達しないようにしてもよい。また、1回目〜3回目は30%、4回目〜6回目は60%、7回目は80%、8回目は90%というように、同じ確率で何回か続けてもよい。さらに、一旦大当たり態様で仮停止された場合には、それ以降は全て特定表示態様とするものであってもよい。
【0059】
上記の実施の形態では、リール4a、4b、4cの内部に設けられたリールランプは、表示図柄の背面側から光を照射するバックライトであった。これに対して、リール4a、4b、4c上の表示図柄の前面側から光を照射するフロントライト、側面側から光を照射するサイドライトであってもよい。表示図柄を仮停止させた際、リールランプの発光態様を変化させるものとしてもよい。リールランプの発光態様は、大当たり表示態様となる信頼度に従って異なるものとしてもよい。
【0060】
上記の実施の形態では、特別図柄表示装置4として、外周部に表示図柄が描かれ、回転駆動されることによって表示図柄を変化させるリール4a、4b、4cによって構成されるものを例として挙げていた。しかしながら、リング状に構成されるとともに、外周部に表示図柄を配したベルトを複数並べて、特別図柄表示装置4を構成してもよい。また、図8に示すように、6つのリール4a’〜4f’を各段3個ずつ上下2段に並べて構成した特別図柄表示装置4’を適用することもできる。この特別図柄表示装置4’では、リール4a’〜4f’の各々が独立に回動され、停止時にはそれぞれについて1つの表示図柄のみが表示されるものである。また、6つのリールの縦横の並びを逆にして、縦に3個ずつ左右に並べて構成した特別図柄表示装置も適用することができる。また、本発明は、液晶表示装置等の画像表示装置からなり、例えば表示図柄をスクロールすることによって変化させる特別図柄表示装置を備えるパチンコ遊技機にも適用することができる。
【0061】
上記の実施の形態では、本発明をパチンコ遊技機1に適用した場合について説明した。これに対して、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。つまり、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技球の動きをシミュレーションし、その結果として上記した特別図柄始動口6を遊技球が通過したと判別したとき、上記したのと同様の抽選を行い、表示図柄を変動表示させるものとすることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMなどに格納して、ゲーム機とは別に流通させることができる。また、液晶表示装置に画像を表示すると共に、音声を出力して演出等を行うスロットマシン等にも本発明を適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1回の変動中に表示図柄の仮停止を複数回行う場合において、仮停止時の表示態様が特定表示態様である場合には、最終停止態様を最も遊技価値の高い特定表示態様とすることによって遊技者の期待感を高揚させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】遊技制御部における処理動作例を示すフローチャートである。
【図4】図3の特別図柄プロセス処理における処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における変動表示パターンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における特別図柄表示装置上の表示例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における特別図柄表示装置上の表示例を示す図である。
【図8】特別図柄表示装置の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
4 特別図柄表示装置
8L、8R スピーカ
9 ランプ
11 遊技制御部
13 表示制御部
14 音制御部
15 ランプ制御部
Claims (2)
- 予め設定された変動開始条件を満足する場合、可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示パターンを決定する変動表示パターン決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段で決定された変動表示パターンの変動表示が仮停止したときに表示される識別情報の仮停止表示態様を決定する仮停止表示態様決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段で決定された変動表示パターンの変動表示が終了した後に表示される識別情報の最終表示態様を決定する最終表示態様決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段により決定された変動表示パターンに基づいて、前記可変表示装置上に表示される識別情報の変動表示を開始させてから、前記仮停止表示態様決定手段により決定された仮停止表示態様で変動表示を仮停止させた後に、前記識別情報の再変動を開始してから前記最終表示態様決定手段により決定された最終表示態様で変動表示を停止させる再変動態様を含む、所定の変動表示を実行させる変動表示制御手段とを備え、
前記変動表示が終了された後に表示された前記識別情報の最終表示態様が特定表示態様となった場合に、前記特定表示態様に応じて複数種類の異なる遊技価値のいずれかが付与される遊技機であって、
前記変動表示制御手段は、前記再変動態様として前記最終表示態様で変動表示を停止させるまでの間において、前記識別情報の第1の仮停止を実行させた後に、第1の再変動を実行させ、前記第1の再変動が行われた前記識別情報の第2の仮停止を実行させた後に、第2の再変動を実行させる複数回再変動態様実行手段を含み、
さらに、前記仮停止表示態様決定手段は、前記最終表示態様決定手段が、前記複数種類の異なる遊技価値の内で最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様となるように決定する場合に、前記仮停止表示態様が前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定するとともに、前記第2の仮停止で表示される仮停止表示態様が、前記第1の仮停止で表示される仮停止表示態様よりも高い確率で、前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定する、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記仮停止表示態様決定手段は、前記第1の仮停止で表示される仮停止表示態様を前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定する場合に、前記第2の仮停止で表示される仮停止表示態様を前記最も高い遊技価値の付与に対応する特定表示態様と異なる特定表示態様となるように決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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