JP4610194B2 - 新規キメラtnfリガンド - Google Patents

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Description

本発明は生化学、免疫学、遺伝子工学、及び医薬に関するものである。特に、細胞表面で発現した際に、相当する天然のリガンドよりも安定な新規キメラリガンドに関するものである。
免疫系は、悪性細胞を異物と認識することにより除去し、次いで体からそれらを排除する。これを遂行するために、免疫系は、抗体性応答及び細胞性応答の両者を有する。この両応答は、免疫系に含まれる多数の異なる細胞の間の相互作用を必要とする(Abbas, Cellular and Molecular Immunology, 2000)。
免疫反応は、典型的には、クラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子を伴なう抗原由来ペプチドに結合する、T細胞受容体(TCR)を細胞表面に持つTリンパ球(T細胞)から開始される。また、このT細胞は、その表面に種々のポリペプチドを発現しており、これらは、後に詳述するように、免疫媒介反応に関係する細胞の表面にある受容体に結合するので「リガンド」と呼ばれている。T細胞受容体が、悪性細胞由来の抗原などのMHC‐付随抗原に結合すると、活性化し次いでその表面にリガンドを発現する。リガンドは、細胞表面に短い時間のみ存在し、そして細胞表面から一度失われると、受容体を持つ細胞と結合するT細胞の能力は失われる。そのようなリガンドの一つは腫瘍壊死因子(TNFα)と呼ばれる。
TNFαは、活性化されたT細胞の表面に発現した場合には、免疫細胞、非免疫細胞及び悪性細胞の表面に発現するTNF‐受容体I("p55" または"CD120a"としても知られている)及びTNF‐受容体II("p75"または"CD120b"としても知られている)のような受容体に結合する。このような免疫細胞中に含まれる細胞は、T細胞に結合し抗原を提示することができる表面ポリペプチドを発現するので、集合的に「抗原提示細胞」(APC)と呼ばれている。APCの例としては、樹状細胞及びB細胞がある。APCはまた、免疫系のほかの細胞と相互作用する種々の受容体分子をその表面に持っている。T細胞により発現されるリガンドとAPC及び悪性細胞上の受容体分子の相互作用は細胞分解反応を生じ、悪性細胞を破壊して体から排除する。
TNFαは、総合的にTNFスーパーファミリーと呼ばれるリガンドの大きなファミリーの一構成員である(Gruss et al, Cytokines Mol Ther, 1:75‐105, 1995 及び Locksley et al, Cell, 104: 487‐501, 2001)。TNFスーパーファミリーの構成員には、Fasリガンド("FasL"), TNFα, LTα, リンホトキシン(TNFβ), CD154, TRAIL, CD70, CD30リガンド,4−1BBリガンド,APRIL, TWEAK, RANKリガンド,LIGHT, AITRリガンド,エクトディスプラシン,BLYS, VEGI及びOX40リガンドがある。TNFスーパーファミリー構成員は、4個のドメインより成る保存的構造を共有している。即ち、ドメインI、細胞内ドメイン;ドメインII、これは細胞の膜内にあり、膜貫通ドメインとして知られている;ドメインIII、これは細胞膜に近い細胞外アミノ酸からなる;及びドメインIV、遠位細胞外ドメインである(Kipps et al., WO98/26061,公開1998年6月18日)。通常は、ドメインIVの少なくとも一部は、親分子から切断することができる。切断されたフラグメントは、完全なリガンドと同じ生物学的活性を示し、通常TNFファミリー構成員の「可溶型」と呼ばれている。
I. TNFαの生物活性
TNFαには二つの生物活性型が存在する。一つの型は、膜に結合したもの(mTNFα)であり、pro‐TNFαとも呼ばれる。加えて、mTNFαの酵素分解により生じる可溶型(sTNFα)が存在する。TNFは、二つの異なる受容体、CD120a及びCD120b、を介して信号を伝達する。一般的に、CD120aを介するTNFシグナルは、CD120a中に細胞死ドメインが存在するために、細胞アポトーシスを誘発する。これに対して、細胞死ドメインを持たないCD120bは、一般的に、増殖及び共刺激性の分子発現のような細胞刺激を誘発する。この後者の効果は、TNFαがCD80及びCD54を含む重要な共刺激性分子の発現を誘発する、正常B細胞において注目されている(Ranheim and Kipps, Cell Immunol. 161: 226, 1995)。
TACE(TNFα変換酵素)と呼ばれるマトリックスメタロプロテイナーゼ(mmp)は、TNFαの可溶型を放出することが示されている(Black et al, Nature, 385: 729-733, 1997及びMoss et al, Nature, 385: 733‐736, 1997)。TACEは、アミノ酸残基アラニン76及びバリン77の間でpro‐TNFαを切断することによりsTNFαを放出することが認められている。さらに、この切断は、バリン77からプロリン88にわたる約12アミノ酸のmmp認識配列を必要とする(Decoster et al, J Biol Chem, 270: 18473‐18478, 1995及びTang et al, Biochemistry, 35: 8226‐8233, 1996)。何故なら、このmmp認識サイトの9から12アミノ酸を除去すると親のTNFα分子の切断は阻害されるからである(Decoster et al, J Biol Chem, 270: 18473‐18478, 1995及びPerez et al, Cell, 63: 251‐258, 1990)。しかし、TNFαには多数の切断部位があるので、この切断部位の除去ではsTNFαの生成を完全に止めることは出来ない(Mueller et al, J Biol Chem, 274: 38112‐38118, 1999)。
II. 人の病気の治療における現行TNFα製品の欠点
TNFαは、CD120aを発現する細胞のアポトーシスを誘発することができると共に、CD120bを介して細胞活性化による免疫応答の増強をすることができるので、多数のグループが、抗腫瘍物質としてTNFαの使用を試みた。しかし、組換え可溶性TNFαによる癌の免疫治療のほとんどは、全身的副作用なしにサイトカインの局所濃度を高めることができなかったために、臨床効果を示すことができなかった。共通する副作用は、発熱、寒気、食欲不振、高血圧、肝機能異常、及び血液学的異常であった(Spriggs et al, Ciba Found Symp, 131: 206‐227, 1987)。さらに、膜結合pro‐TNFαとして発現する野生型(wt)TNFの遺伝子導入でさえも、それが急速に可溶性サイトカインへと代謝されるために、全身的副作用を伴わずにTNFの局所高発現を達成することはできなかった。可溶性型のTNFαは、治療薬としてのTNFαの失敗の共通の原因であったので、われわれは、膜安定化TNFαを設計することによりTNFαの局所供給を達成し、しかも可溶性TNFαによる全身的副作用を軽減することが可能であると推定した。
現在のTNFαの適用では欠点があるため、天然のTNFαの受容体結合機能を維持し、しかも切断を受けにくいのでTNFαの可溶型を発生することが少ない膜安定化TNFαに対する要望は明らかに存在する。本発明はその膜安定化TNFαリガンドを提供する。
(発明の要約)
本発明は、細胞表面に発現した時に非キメラTNFαよりも安定である新規キメラTNFαに関するものである。この新規リガンドは、TNFスーパーファミリーの少なくとも二つの異なる構成員のドメインまたはサブドメインからなるキメラである。特に、「切断部位」を含むTNFの少なくとも一つのドメインまたはサブドメインは、TNFスーパーファミリーのほかのリガンド、望ましくはCD154 ,CD70 ,FasLまたはTRAIL、の対応するドメインまたはサブドメインで置換されている。加えて、キメラリガンドは、同族のTNFα受容体に結合できるTNFαのドメインまたはサブドメインから構成されている。
本発明はまた、キメラTNFαをコードする新規ポリヌクレオチド配列、新規ポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター、及び新規キメラリガンドを生産する方法に関するものである。
最後に、本発明は、導入細胞の免疫反応を改善して、悪性腫瘍を治療するために発現ベクターを使用する方法に関するものである。
従って、本発明の一態様は、TNFα以外の腫瘍壊死因子のドメインまたはサブドメインをコードし、そのコードされるドメインまたはサブドメインが天然TNFαの切断部位を置換している、第一ヌクレオチド配列と、TNFα受容体に結合する天然TNFαのドメインまたはサブドメインをコードする第二ヌクレオチド配列とを含む、キメラTNFαをコードする単離ポリヌクレオチド配列に関するものである。
本発明の一態様は、第一ヌクレオチド配列が他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインIII、またはドメインIIIのサブドメインをコードしている上記単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、第一ヌクレオチド配列がさらに他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインII、またはドメインIIのサブドメインをコードしている上記単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、第一ヌクレオチド配列がさらに他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインI、またはドメインI のサブドメインをコードする上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、第一ヌクレオチド配列がさらに他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインIVのサブドメインをコードしている上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、他の腫瘍壊死因子リガンドがCD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、その第二ヌクレオチド配列が天然TNFαのドメインIV、またはドメインIV のサブドメインをコードする、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、その第二ヌクレオチド配列が、天然TNFαの切断部位を残した天然TNFαのドメインIVのサブドメインをコードしている、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、第一ヌクレオチド配列が、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインI,II及びIII、またはドメインI,II及びIIIの一つ以上のサブドメインをコードし、第二ヌクレオチド配列が、天然TNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメインをコードしている、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、第一ヌクレオチド配列が、CD154 のドメインI,II及びIII、またはドメインI,II及びIIIの一つ以上のサブドメインをコードし、第二ヌクレオチドが、天然TNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメインをコードしている、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、さらに第一ヌクレオチド配列及び第二ヌクレオチド配列を結合する少なくとも1つのアミノ酸からなるペプチドをコードするリンカードメインを含む、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、その配列がSEQ. ID. NO. 1, SEQ. ID. NO. 2, SEQ. ID. NO. 3及びSEQ. ID. NO. 4からなる群から選択される、上記のような単離ポリヌクレオチドである。
本発明の一態様は、キメラTNFαが、SEQ. ID. NO. 5, SEQ. ID. NO. 6, SEQ. ID. NO. 7及びSEQ. ID. NO. 8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、上記のような単離ポリヌクレオチド配列である。
本発明の一態様は、TNFα以外の腫瘍壊死因子リガンドの第一ドメインまたはサブドメインであって、そのドメインまたはサブドメインが天然TNFαの切断部位を置換している第一ドメインまたはサブドメインと、TNFα受容体に結合する天然TNFαの第二ドメインまたはサブドメインとを含む、キメラTNFαである。
本発明の一態様は、天然TNFαよりも細胞表面からの切断を受けにくいキメラTNFαである。
本発明の一態様は、天然TNFαリガンドよりも約90%小さい切断速度を持つキメラTNFαである。
本発明の一態様は、ドメインまたはサブドメインが、他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインIII、またはドメインIIIのサブドメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、ドメインまたはサブドメインが、さらに他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインII、またはドメインIIのサブドメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、ドメインまたはサブドメインが、さらに他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインI、またはドメインIのサブドメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、ドメインまたはサブドメインが、さらに他の腫瘍壊死因子リガンドのドメインIVのサブドメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、他の腫瘍壊死因子リガンドが、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、天然TNFαのドメインIV、またはドメインIVのサブドメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、天然TNFαの切断部位を欠失した天然TNFαのドメインIVのサブドメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインI,II及びIII、またはドメインI,II及びIIIの一つ以上のサブドメインと、天然TNFαのドメインIV、またはドメインIVのサブドメインとを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、CD154のドメインI,II及びIII、またはドメインI,II及びIIIの一つ以上のサブドメインと、天然TNFαのドメインIV、またはドメインIVのサブドメインとを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、第一ドメインまたはサブドメインと第二ドメインまたはサブドメインとを結合するリンカードメインを含む、上記のようなキメラTNFαである。
本発明の一態様は、上記単離ポリヌクレオチド配列の一つを含む、発現ベクターである。
本発明の一態様は、ポリヌクレオチド配列が、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインIII、またはドメインIIIのサブドメインと、天然TNFαのドメインIV、またはドメインIVのサブドメインとを含む、キメラTNFαをコードする、上記の発現ベクターである。
本発明の一態様は、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインII、またはドメインIIのサブドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインI、またはドメインIのサブドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインIVのサブドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、CD154,CD70,Fasリガンド及びTRAILからなる群から選択される腫瘍壊死因子リガンドのドメインIVのサブドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、ウイルスDNAまたは細菌DNAを含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、アデノウイルスDNA、レトロウイルスDNA、またはその他のウイルス遺伝子導入系を含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、プロモーター領域を含む、上記のような発現ベクターである。
本発明の一態様は、ポリアデニル化シグナル領域を含む、発現ベクターである。
本発明の一態様は、プロモーター配列及びポリアデニル化シグナル配列に作動可能に連結した、上記単離ポリヌクレオチド配列の一つを含む、遺伝子構築体である。
本発明の一態様は、発現ベクターまたは上記の遺伝子構築体の一つを含む、宿主細胞である。
本発明の一態様において、上記宿主細胞は、哺乳動物細胞である。
本発明の一態様において、宿主細胞は抗原提示細胞である。
本発明の一態様において、宿主細胞は腫瘍細胞である。
本発明の一態様は、タンパクを発現させるのに適した条件下で上記宿主細胞の一つを培養することを含む、キメラTNFαの製造方法である。
本発明の一態様は、細胞表面上のTNFα受容体に結合することができるリガンドの濃度を増加させる方法であって、キメラTNFαをコードする単離ポリヌクレオチド配列を細胞中に導入することを含み、それにより、キメラTNFαが天然TNFαよりも細胞表面から切断され難くする、上記方法。
本発明の一態様は、単離ポリヌクレオチド配列が、上記の発現ベクターまたは遺伝子構築体の一つを含む、上記方法である。
本発明の一態様は、細胞が哺乳動物細胞である上記方法である。
本発明の一態様は、細胞がその表面にTNFα受容体を発現する、上記方法である。
本発明の一態様は、細胞の表面に発現されるキメラTNFαをコードする単離ポリヌクレオチド配列を細胞の中に導入することを含む、TNFα受容体を発現する細胞にアポトーシスを誘発する方法である。
本発明の一態様は、細胞の表面に発現されるキメラTNFαをコードする単離ポリヌクレオチド配列を細胞の中に導入することを含む、免疫系細胞の活性化を誘発する方法である。
本発明の一態様は、細胞の表面に発現されるキメラTNFαをコードする単離ポリヌクレオチド配列を腫瘍細胞に導入することを含む、患者の腫瘍を治療する方法である。
本発明の一態様は、ヒト患者から腫瘍細胞を採取し、この細胞にキメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を導入した後、患者に再注入することを含む、上記方法である。
本発明の一態様は、細胞表面に発現されるキメラTNFαをコードする単離ポリヌクレオチド配列を患者の癌患部中に注射することを含む、腫瘍の治療方法である。
(発明の詳細な説明)
全ての引用した文献は、図を含めてそのまま全てを本明細書において取り入れる。
I. 定義
本明細書で使用される用語「キメラTNFα」とは、TNFαの少なくとも一つのドメインまたはサブドメインと、TNFα以外のほかのTNFリガンドの少なくとも一つのドメインまたはサブドメインとを含む、リガンドのことである。
本明細書で使用される用語「サブドメイン」とは、TNFリガンドのドメインの部分である少なくとも2個のアミノ酸配列のことである。「サブドメイン」は、配列の末端から1以上のアミノ酸が切り落とされていることを含め、1以上のアミノ酸が削除されているアミノ酸配列を包含する。
本明細書で使用される用語「切断部位」及び「mmp認識部位」とは、発現細胞の表面からTNFαを切断するプロテアーゼ、典型的には、例えばTNFα変換酵素(TACE)などのメタロプロテアーゼ(mmp)により認識されるアミノ酸の配列のことである。TACEは、アミノ酸残基アラニン76及びバリン77の間でpro‐TNFを切断することによりsTNFαを放出することが認められている。さらに、この切断はバリン77からプロリン88にわたる12アミノ酸mmp認識部位を必要とする。TNFαの切断部位は、通常、TNFαのドメインIII及びIVの境界またはその周辺に認められる。
本明細書で使用される用語「リンカードメイン」とは、TNFαキメラ構築体のドメインまたはサブドメインを結合する、天然TNFαリガンドの一部ではない少なくとも1個のアミノ酸の配列のことである。実施例に記述されているように、リンカードメインは、典型的には2個から4個のアミノ酸であるが、同族受容体にTNFαキメラ構築体が結合することを妨げない限り、リンカーのアミノ酸数はいくつでもよい(1個以上のアミノ酸)。このリンカーは、電荷のないアミノ酸(例えばアラニン及びグリシン)または荷電アミノ酸(例えばアスパラギン酸)とすることができる。さらに、リンカードメインの除去は、TNFαキメラの機能及び代謝過程に影響しないので、リンカードメインは、キメラTNFα構築体に絶対必要なものではない。リンカードメインの使用は文献に記述されている(Ladurner et al, J Mol Biol, 273: 330‐337., 1997及びWu et al, Q J Nucl Med, 44: 268‐283., 2000)。
本明細書で使用される用語「切断を受けにくい」とは、天然TNFαに比較してキメラTNFαがタンパク分解酵素による切断に対して高い抵抗性を有することであり、これは、一定時間内に所与数の細胞により生成される可溶性TNFの量として測定される。かくして、本発明のキメラTNFαは、好ましくは天然TNFαよりも少なくとも90%遅い速度で分解されるので、「切断を受けにくい」。
本明細書で使用される用語「発現ベクター」とは、組換えヌクレオチド配列を発現し、細胞に感染してその中で自身を複製することができる核酸のことである。典型的な発現ベクターとしては、組換えDNA技術に使用されるプラスミド及び細菌細胞または動物細胞中で複製することができる種々のウイルスがある。多数の発現ベクターが文献に記述されている。Cantwell et al., Blood(1996),表題「慢性リンパ球性白血病B細胞のアデノウイルスベクター感染」;Woll, P. J. and I. R. Hart, Ann. Oncol., 6 Suppl 1: 73(1995); Smith, K. T., A. J. Shepherd, J. E. Boyd, and G. M. Lees, Gene Ther., 3:190(1996); Cooper, M. J., Semin. Oncol., 23: 172(1996); Shaughnessy, E., D. Lu, S. Chatterjee, and D. K. Wong, Semin. Oncol., 23: 159(1996); Glorioso, J. C., N. A. DeLuca, and D. J. Fink, Annu. Rev. Microbiol., 49: 675(1995); Flotte, T. R. and B. J. Carter, Gene Ther., 2: 357(1995); Randrianarison-Jewtoukoff, V. and M. Perricaudet, Biologicals., 23: 145(1995); Kohn, D. B., Curr. Opin. Pediatr., 7: 56(1995); Vile, R. G. and S. J. Russell, Br. Med. Bull., 51: 12(1995); Russell, S. J., Semin. Cancer Biol., 5: 437(1994); 及びAli, M., N. R. Lemoine, and C. J. Ring, Gene Ther., 1: 367(1994).
II. キメラTNFαリガンドをコードするキメラDNA配列
前記のように、TNFスーパーファミリーのリガンド(「TNFリガンド」)は、複数のドメインからなる類似の二次構造を有している(Kipps et al., WO98/76061公開1998年6月18日)。表IにTNFスーパーファミリーの多数のリガンドのドメイン境界を示す。ヒトTNFαのX線結晶解析に基づいて、CD40 リガンドの受容体結合部分の二次構造が推定されている(Peitsch et al, Int Immunol, 5: 233‐238, 1993)。他のTNFリガンドの受容体結合部分の二次構造は、コンピューター解析を使用して、ヒトTNFαとの比較により推定されている。

Figure 0004610194


Figure 0004610194

*ドメインは、cDNAの最初のメチオニンの第一ヌクレオチドをヌクレオチド番号1として、各ドメインのヌクレオチド境界により決定される。本発明によると、示されたヌクレオチド境界は、同定されたものとはかなり違うかも知れないが、そうであっても、本発明において有用なドメインを定義する。
TNFスーパーファミリー構成員及びそれらをコードするヌクレオチド配列の間に構造の類似性があるとするならば、TNFαからの1つのドメイン又はサブドメインをコードするヌクレオチド配列は、他のTNFリガンドの対応するヌクレオチド配列と交換可能であり、その結果キメラTNFαをコードするハイブリッドポリヌクレオチド配列を得られるはずである。
異なるTNFリガンド遺伝子中の対応配列と交換されるヌクレオチド配列は、機能に基づいて選択される。すなわち、新規配列は、望ましい機能を提供または修飾し、あるいは標的リガンド遺伝子の望ましくない機能を除去したドメインまたはサブドメインをコードする。例えば、少なくともTNFαの一部は、親分子から切断されて、可溶型となることはよく知られている。前記のように、可溶型は一般的に望ましくない。従って、TNFαの可溶型を生じるTNFαの切断部位での切断のないTNFリガンドの配列と交換することによりこの問題を少なくとも部分的に改善するであろう。
本発明によれば、TNFαのドメインIIIは、タンパク分解酵素により切断されるアミノ酸の配列を含んでいる。例えば、切断部位は、TNFαのアミノ酸ALA76及びVAL77の間と同定されている。この部位における切断は、TNFα分子の可溶型を生成する。前記のように、天然TNFαは、ドメインI‐IVにその他の切断部位を有している(Mueller et al, J Biol Chem, 274: 38112‐38118, 1999)。
さらに、本発明によれば、TNFαのドメインIVは、TNFα受容体に結合するのに必要なアミノ酸を1個以上含んでおり、TNFα受容体結合を保持するためには保存されなければならない。
従って、本発明の望ましい態様は、天然TNFα以外のTNFリガンドのドメインまたはサブドメインをコードする第一ヌクレオチド配列を含む、キメラTNFαポリヌクレオチド配列であって、その中のコードされたドメインまたはサブドメインが、切断部位を含む天然TNFαのドメインまたはサブドメインを置き換えている、キメラTNFαポリヌクレオチド配列である。従って、この第一配列は、非限定的に、以下のドメイン、またはサブドメインまたはそれらの組合せのいずれかをコードし得る。
即ち、天然TNFαの切断部位を置換したドメインIIIのサブドメイン;ドメインIIIの全部;天然TNFα切断部位を置換したドメインIIを伴うドメインIIIまたはそのサブドメイン;天然TNFα切断部位を置換したドメインIを伴うドメインIIIまたはそのサブドメイン;天然TNFα切断部位を置換したドメインIVのサブドメインを伴うドメインIII;ドメインIII、ドメインII及びドメインI、またはそのサブドメイン。望ましくは、第一ヌクレオチド配列は、CD154, CD70, FasL及びTRAILのTNFリガンドにおける一つの少なくとも一つのドメインまたはサブドメインをコードしている。本発明によると、TNFα切断部位を含むドメインまたはサブドメインを、この4個のTNFリガンドの一つのドメインまたはサブドメインで置換することにより、天然TNFαよりも著しく切断されにくいキメラTNFαを生じる。
第一ヌクレオチド配列は、TNFα受容体に結合するのに必要な天然TNFαの細胞外ドメインまたはサブドメインをコードする第二ヌクレオチド配列に作動可能に結合される。このドメインまたはサブドメインは、TNF‐R1,TNF‐R2または他のTNFα受容体に結合できる、天然TNFαのドメインIVの全部またはそのサブドメインを含む。このように、本発明により提供されるキメラポリヌクレオチド配列は、TNFα受容体を発現する細胞に結合するキメラTNFαをコードする。
この望ましいポリヌクレオチド配列は、CD154, CD70, FasL及びTRAILからなる群から選択される、他のリガンドのドメインI, II及びIIIと作動的に結合した天然TNFαのサブドメインIVをコードしている。例えば、一つの望ましい態様において、ヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメインをコードするヌクレオチドは、CD154切断部位も欠失したヒトCD154のドメインI,II及びサブドメインIIIをコードするヌクレオチドに作動的に結合している(CD154:TNFα)。そのポリヌクレオチド配列は、本明細書においてSEQ. ID. NO.1として提供される。また、ヒトCD154のサブドメインIIIをコードするヌクレオチドは、CD154切断部位を含むことができる(CD154+mmp:TNFαと示す)。望ましい態様の他の例は、ヒトCD70のドメインI,II及びIIIをコードするヌクレオチド配列に作動的に結合したヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメインをコードするヌクレオチド配列である(SEQ. ID. NO. 2)。SEQ. ID. NO. 3は、さらに、ヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメインをコードするヌクレオチド配列が、ヒトFasLのドメインI, II及びIIIをコードするヌクレオチド配列に作動的に結合している、その他の望ましいポリヌクレオチド配列を提供する。最後に、SEQ. ID. NO. 4は、もう一つの本発明の望ましい態様であり、ヒトTRAILのドメインI, II及びIIIをコードするヌクレオチド配列に作動的に結合したヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメインをコードするヌクレオチド配列を提供する。これらの態様の全てにおいて、ヌクレオチドは、TNFα切断部位を欠くヒトTNFαのドメインIVのサブドメインをコードしていることが望ましい。さらに、SEQ. ID. NO.1‐4に記述されているTNFファミリー構成員のドメインI, II及びIIIは、2から4個のアミノ酸のペプチドをコードするリンカードメインにより、TNFαのドメインIVに結合している。本発明の最も望ましいポリヌクレオチド配列は、SEQ. ID. NO. 1である。図2にキメラTNFαの上記態様のドメインI‐IVを示す。さらに、下記表II にこれらキメラTNFα配列のヌクレオチド境界を示す。
Figure 0004610194
上記のポリヌクレオチド配列は、全てヒトTNFリガンド配列を含んでいるが、本発明はまた、例えば、非限定的にマウスポリヌクレオチド配列などの、他の種のポリヌクレオチド配列も考慮している。
従ってコードされたキメラTNFαは、天然TNFαの切断部位を置換するTNFα以外のTNFリガンドのポリペプチドドメインまたはサブドメインを含む。結果として、キメラTNFαは、天然TNFαよりも細胞の表面からの切断を受けにくい。望ましくは、置換されるドメインは、CD154, CD70, FasLまたはTRAILから得られる。望ましい構築体は、ヒトCD154のドメインI, II及びサブドメインIIIとヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメイン(SEQ. ID. NO. 5);ヒトCD70のドメインI, II及びIIIとヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメイン(SEQ. ID. NO. 6);ヒトFasLのドメインI, II及びIIIとヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメイン(SEQ. ID. NO. 7);並びにヒトTRAILのドメインI, II及びIIIとヒトTNFαのドメインIVまたはドメインIVのサブドメイン(SEQ. ID. NO. 8)である。本発明のキメラTNFαの最も望ましい態様はSEQ. ID. NO. 5である。
III. 遺伝子構築体
本発明はまた、標的細胞においてキメラTNFαを発現することができる本発明のポリヌクレオチド配列を含む、発現ベクターまたはそのほかの遺伝子構築体を考慮している。
本発明において有用な発現ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルス、または昆虫などの遺伝子に由来する適当な転写または翻訳調節ヌクレオチド配列に作動的に結合した、キメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を含んでいる。その調節配列は、転写プロモーターまたはエンハンサー、転写を調節するオペレーター配列、メッセンジャーRNAの中にあるリボソーム結合部位をコードする配列、転写、翻訳開始、または転写終了を調節する適当な配列のような遺伝子発現において調節機能を有する配列を含む。
特に有用な調節配列は、哺乳動物、ウイルス、微生物、及び昆虫の種々の遺伝子のプロモーター領域を含む。プロモーター領域は、本発明のキメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を完全に含む転写の開始を指令する。有用なプロモーター領域として、ラウス肉腫ウイルス(RSV)長い末端反復配列(LTR)に認められるプロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター領域、lacプロモーター、アデノウイルスから単離したプロモーター、及び真核、原核、ウイルス、または微生物細胞における遺伝子発現に有用であることが判明し、当業者に知られているその他のプロモーターが含まれる。真核細胞内に遺伝子及びタンパクを発現するために特に有用であるその他のプロモーターには、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、シミアンウイルス40(SV40)、及びヒトサイトメガロウイルスから得られる哺乳動物細胞のプロモーター配列及びエンハンサー配列が含まれる。SV40のようなウイルスにおいて、典型的にはウイルス複製起点に隣接して認められるウイルス初期及び後期プロモーターは特に有用である。当業者は、特に有用なプロモーターの選択が、個別細胞系においてポリヌクレオチド配列を発現するために使用される実際の細胞系および遺伝子構築体のその他の種々のパラメーターに依存することを理解しているであろう。
従って、本発明により考慮されているある遺伝子構築体は、プロモーター配列若しくはプロモーター及びエンハンサー配列のいずれかに作動的に結合したポリヌクレオチド配列と、終了及びメッセンジャーRNAのポリアデニル化を指令するポリアデニル化配列とに作動的に結合したポリヌクレオチド配列を含んでいる。望ましくは、ポリヌクレオチド配列はCMVプロモーター及びウシ成長ホルモンポリアデニル化配列を使用して構築される。
IV. 宿主細胞
本発明はまた、発現ベクターまたは本発明のポリヌクレオチド配列を含む遺伝子構築体で形質転換または遺伝子導入された種々の宿主細胞を考慮している。これらの細胞は原核細胞または真核細胞であり得る。
ある望ましい態様において、細胞は単球、マクロファージ、B細胞などのような哺乳動物の正常抗原提示細胞である。その他の望ましい態様において、細胞は、本発明のポリヌクレオチド配列がこの細胞に導入されたときに、働いていない抗原提示細胞を刺激することができる正常細胞である。本発明はまた、通常は免疫系に抗原を提示できないが、抗原提示に必要な分子をコードする遺伝子で遺伝子操作され、その結果人工的に抗原提示細胞として働くことができる体細胞も考慮している。次いで、キメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列をこれらの人工的な抗原提示細胞に導入することができる。個別の細胞が抗原提示細胞として機能できるか否かを測定する種々の方法、例えば細胞増殖またはリンホカインの生産、は文献上よく知られている、従って本発明の態様は容易に測定することができる。
上記正常ヒト細胞に加えて、本発明はまた、免疫系及び固形癌の細胞のような種々の腫瘍細胞または悪性細胞中にキメラTNFαをコードするポリヌクレオチドを導入することも考慮している。考慮されている腫瘍細胞には、急性単球性白血病(AML)、急性骨髄性単球性白血病(AMML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性または慢性骨髄性単球性白血病(CMML)のような白血病細胞が含まれる。またリンパ腫、膠質腫、乳癌、頚部癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、または前立腺癌に由来する細胞も考慮されている。
最後に、本発明の望ましい態様において、キメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列は、細胞の表面にTNF‐R1及びTNF‐R2のようなTNFαに対する同族受容体を発現する細胞中に導入される。
V. アクセサリー分子リガンド遺伝子を含む遺伝子ベクター及び構築体を使用する方法
免疫応答の調節におけるTNFαと同族受容体の相互作用を認識して、本発明は、天然TNFαに比較して細胞表面からの切断を受けにくいキメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を細胞中に導入することにより、TNF‐R1, TNF‐R2,または一部のその他のTNFα同族受容体に結合できる膜安定化リガンドの濃度を上昇させる方法も考慮している。キメラTNFαは、タンパク分解切断を受けにくいので、同族受容体に結合する能力が増加し、細胞分解反応または免疫応答を誘発する。さらに、本発明のキメラTNFαリガンドをコードするポリヌクレオチドを導入された細胞のアポトーシスを誘発し、TNFα受容体を持つ細胞を排除する能力は増加する。
本発明は、免疫系の標的として、または外来標的に対する免疫系応答の一部として免疫反応に関与するヒト細胞に対して有用である。この方法は、エクスビボの方法、インビボの方法及び宿主細胞中にポリヌクレオチドまたはベクターを注入する種々の方法を含んでいる。この方法は癌または癌患部の中へ直接注射することも含んでいる。
このように本発明は、動物またはヒト患者の細胞の単離を含む、エクスビボの方法を考慮している。本発明のキメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を単離細胞に導入する。次いでこの細胞を患者の特別な部位または循環中に直接再導入する。本発明の望ましい態様において、腫瘍マーカーまたは細胞同定抗原などの分子を含む細胞表面マーカーを、これらの細胞を患者から特異的に単離するために使用することができる。
また本発明は、患者からこれらの細胞を最初に取り出さずに、動物またはヒト患者の体内において目的とする細胞にキメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を導入することも考慮している。インビボまたは患者体内において特別な細胞中にポリヌクレオチド配列を導入する方法はよく知られており、発現ベクターの使用及び患者に直接種々の遺伝子構築体を直接注射することが含まれている。典型的な適用において、本発明のポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、循環系に導入するか、または患者の局所に導入して、目的とする細胞にベクターを特異的に感染させる。その他の望ましい態様においては、ベクターを、本発明のポリヌクレオチド配列を導入すべき細胞を少なくともいくつか含む患者の腫瘍巣に直接注射する。
また本発明は、キメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列を含み、さらにプロモーター及びポリアデニル化配列を含む遺伝子構築体を動物またはヒト患者に直接注射することも考慮している。そのような有用な方法の例は記述されている(Vile et al, Ann Oncol, 5: 59‐65, 1994)。遺伝子構築体は動物またはヒト患者の筋肉またはその他の部位に直接注射することもできるし、あるいは患者の癌または癌患部の中に直接注射することもできる。
VI. 腫瘍の治療方法
また本発明は、腫瘍細胞のアポトーシスを誘発するために、本発明のキメラTNFαをコードするポリヌクレオチド配列の遺伝子導入にも向けられている。TNFαとその受容体TNF‐R1及びTNF‐R2との間の相互作用により、これらの腫瘍のアポトーシスを直接生じさせることに加えて、本発明は、腫瘍細胞をキメラTNFαに感染させることにより膜安定化したリガンドを発現させ、それにより免疫応答にも寄与できることも考慮している。
このように、本発明は、本発明のポリヌクレオチド配列を腫瘍細胞に挿入し、そしてコードされたキメラTNFαが腫瘍細胞表面に発現することを含む、腫瘍の治療方法を考慮している。本発明は、インビボ及びエクスビボによるヒト腫瘍の治療を考慮している。
新生物治療の望ましい方法において、その方法は、最初に患者から腫瘍細胞を採取し、本発明のポリヌクレオチド配列をその中に挿入し、キメラTNFαを腫瘍細胞の表面に発現させ、その細胞を患者に再投与する工程を含む。当業者は、種々の方法が、形質転換腫瘍細胞の患者への再投与に適用しうることは理解しているであろう。
I. キメラアクセサリー分子リガンド遺伝子を含む遺伝子構築体及び遺伝子治療ベクターの構築
SEQ ID NO. 1‐SEQ ID NO. 4のキメラアクセサリー分子リガンド遺伝子は下記のように構築しそしてクローニングした。
i. 2個の異なるアクセサリー分子リガンド遺伝子のドメインを使用するキメラアクセサリー分子リガンド遺伝子の調製
リガンド(CD154, CD70, FasL,及びTRAIL)のドメインI‐IIIをコードするDNAフラグメントを、全長cDNA鋳型からリガンドのドメインI‐IIIに隣接する5’及び3’領域に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCRにより増幅した。さらに、TNFαのサブドメインIVをコードするDNAフラグメントをPCR増幅した。ドメインI‐IIIフラグメントとドメインIVフラグメントを連結できるようにドメインIII‐IV連結PCRプライマーセットにBamHI制限酵素部位を組み込んだ。さらに、pcDNA3ベクターに連結できるように、ドメインI及びIVを挟む5’及び3’プライマーに制限エンドヌクレアーゼ部位を加えた。ドメインI‐IIIフラグメント及びドメインIVフラグメントのPCR増幅に続いて、DNAフラグメントをBamHI及びドメインI及びIVの5’及び3’隣接領域に対応する制限酵素で消化した。消化の後、ドメインI‐IIIフラグメント及びドメインIVフラグメントをBamHI部位で連結し同時に真核発現プラスミドpcDNA3(Invitrogen, San Diego, CA)の多重クローニング部位に連結した。キメラTNFα(以降例の中では、TNFαは単に「TNF」と称す)DNA挿入を強力な異種CMVプロモーター及びウシ成長ホルモンポリアデニル化配列で挟んだ。
ii. アデノウイルス合成
キメラTNF‐pcDNA3プラスミドを制限酵素NruI及びSmaIで消化して、pCDNA3のCMVプロモーター、キメラTNF遺伝子、及びpCDNA3のポリアデニル化シグナルを切り出す。1%アガロースゲル上で消化DNAを分離してこのフラグメントをゲル精製した後、このDNAフラグメントをアデノウイルスシャトルベクターMCS (SK) pXCX2のEcoRV部位に連結した。このプラスミドは、pBluescriptポリリンカー配列がE1領域にクローニングされているプラスミドpXCX2の変形である(J. R. Tozer, UCSD,未公開データ、1993年9月)。キメラTNF‐MCS (SK) pXCX2プラスミドを精製した後、このシャトルプラスミドの5ugをJM17プラスミドの5ugとともにリン酸カルシウムProfectionキットを使用して293AC2細胞に導入した。導入の後、細胞を5日間培養して、相同組換え及びウイルス合成を行わせた。全細胞及び上清を回収し、凍結‐解凍を3回行い細胞結合アデノウイルスを遊離した。
最初のウイルス作成に続いて、プラーク精製によりウイルスのクローン単離を行った。要約すると、凍結‐解凍ウイルス上清を卓上遠心分離機で5分間1000 rpm遠心分離して濁りを除いた。293AC2細胞を6ウエル組織培養プレート中でコンフルエントに増殖し、次いでウイルス上清を連続希釈して1‐2時間感染させた。感染の後、培地を吸引し、細胞を56℃に保った4%ウシ胎児血清及び0.65%アガロースを含むDMEM培地で覆った。4‐6日インキュベーション後、単離したプラークを1 mlの培地に取り、そしてウイルス増幅に使用した。
大量のアデノウイルス調製は、増量した293AC2を感染させることにより行われる。アデノウイルスは塩化セシウムの段階的グラジエント上で精製される。この方法は段階グラジエントによりウイルス粒子を濃縮するために、1.45 g/cm3及び1.20 g/cm3の濃度の塩化セシウムグラジエントを使用し、この中で293AC2で増殖したウイルス検体をSW40ローター(Beckman, Brea, CA)中2時間25,000 rpmで4℃において遠心分離する。ウイルスのバンドを27ゲージ針とシリンジを使用して単離し、Sephadex G‐25 DNAグレードカラム(Pharmacia, Piscataway, NJ)を使用して脱塩した。ウイルスは10%グリセロールを含むリン酸緩衝食塩液に対して脱塩し、‐70℃で保存した。ウイルスの最終的力価はアニオン交換HPLCにより測定した。
II. キメラアクセサリー分子リガンド遺伝子のCLL細胞及びHeLa細胞への導入と発現
i. 発現
TNFα表面発現はフローサイトメトリーにより検出した。簡単に記述すると、培地を吸引し、脱離溶液(10 mM EDTAを含むPBS、pH 8)を加えることによりウエルから接着した細胞を脱離した。細胞をプレートから脱離した後、各検体の半分をフローサイトメトリーによりリガンド発現を分析した。簡単に記述すると、細胞を一度FACS染色緩衝液(3%FCS及び0.05%ナトリウムアジドを含むPBSからなる)で洗い、FACS緩衝液に約107細胞/mlに再懸濁し、5×105(50 ul)細胞を96ウエルU底プラスチックマイクロウエルプレートに入れた。ヒトTNFα特異的染色のために、TNFαに特異的なPE‐共役抗体(Phrmingen)を30分間4℃で加えた。この細胞を2回FACS緩衝液で洗い、FACS緩衝液に再懸濁し、データ測定FACS試験管に移した。非特異的抗体結合を調整するために、全ての検体を適当なアイソタイプ対照抗体で染色した。さらに、全ての染色反応に10 ng/mlヨードプロピヂウムを加えることにより死亡細胞及び破片を分析から排除した。FACSCaliberフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用してTNFα発現について細胞をフローサイトメトリーにより分析した。
図3は、HT1080細胞のアデノウイルス感染の後、野生型TNFおよび前記の膜安定化TNF(□TNFと命名)と比較した種々のキメラTNF構築の発現を示す。簡単に記述すると、HT1080細胞を、ヒストグラムの上部に示すアデノウイルスの増加する力価で、感染させた。感染後2日に、フローサイトメトリーによりTNF表面発現について細胞を分析した。このデータは、キメラTNF構築をコードするアデノウイルスベクターは、蛍光色素団を結合したTNF特異的抗体を使用して検出されるので、細胞表面に発現したことを示している。さらに、このデータは、TNF構築の間で表面発現に相違があることを示している。特に、Ad‐CD154:TNF感染は最も高いTNFの表面発現を生じた。同様の発現パターンが、293,HeLa, COLO205, A549, HCT15, PC3, RPM18226,及びBT20を含むその他の一群の細胞系においても得られたことは、TNF構築体間の発現の相違は細胞系に限定されないことを示している。
図4は、慢性リンパ球性白血病(CLL)B細胞におけるアデノウイルス感染後の種々のキメラTNF構築体の発現を示す。CLL細胞を各ヒストグラムの上部に示すアデノウイルスにより感染多重度(a mulitiplicity of infection (M.O.I)ratio)1000において感染させた。感染後2日、CD19B細胞についてフローサイトメトリーによりTNF表面発現を調べた。さらに、図は、われわれが上記の細胞系で観察したTNF構築体間の発現の相違と同じパターンを示す。すなわち、TNFキメラ発現は、野生型TNFよりも大きい。ここでも、最大TNF表面発現は、hCD154:TNFキメラで得られた。
ii. 可溶性分子の生成
2. 可溶性TNF生成:ELISA定量
図5は、キメラTNFαアデノウイルスベクターに感染したHT1080細胞により生成した可溶性TNFの量を示す。細胞は、感染多重度10で感染させた。感染後2日、上清を採取し、死亡細胞及び破片を遠心分離により除去した。可溶性TNFはPharmingen, Inc. (La Jolla, CA)のTNF特異的ELISA検定をメーカー説明書に従って使用して固相酵素免疫検定(ELISA)により測定した。TNFの相対的量は組換えTNF(Biosource International)の既知量の検量線に基づいて算出した。このデータは、キメラTNF構築では野生型TNF(wt TNF)または推定mmpタンパク分解部位を持たない前記膜安定化□TNFのいずれよりも可溶性TNFの生成が有意に少ないことを示している。さらに、他の構築全てに比較してCD154:TNFの表面発現レベルは最も高く、その一方でCD154:TNFは可溶性TNFの生成が最も少ない。この可溶性TNF放出パターンは、HeLa, 293, A549, COLO205, HCT‐15, 及びBT‐20を含む、他の細胞系においても観察された。
iii. キメラアクセサリー分子リガンドの機能検定
1. WEHI164繊維肉腫細胞のTNFキメラによる死:共培養検定
図6は、既述(Espevik et al, J Immunol Methods, 95: 99‐105,1986)の生物学的アポトーシス検定を使用してTNFキメラが機能していることを示す。感染多重度10で2日間アデノウイルスにHeLa細胞を感染させた後、WEHI164細胞、TNF感受性細胞系、を感染したHeLa細胞上に積層し、さらに18時間インキュベートした。WEHI164細胞は予めPKH26(Sigma, Inc)、HeLa 細胞からWEHI164を区別することができる赤い蛍光色素、で標識した。WEHI細胞をヨードプロピジウムで染色し、フローサイトメトリーで細胞死を分析した。このデータは、TNFを発現するHeLa細胞と共培養することによりWEHI細胞が死滅することを示している。
2.TNFキメラによるWEHI164の細胞接触依存的アポトーシス
図7は、TNFキメラによるWEHI164細胞の接触依存的細胞死を示している。これはTNFキメラの膜安定発現を示している。要約すると、HeLa細胞を感染多重度10で1日アデノウイルスに感染させた。次いでWEHI164細胞を感染HeLa細胞と直接混合するか、または0.2ミクロントランスウエル挿入管によりHeLa細胞と分離した。挿入管は細胞‐細胞の直接接触を妨げるが、可溶性分子(例えば、可溶性TNF)の細胞間拡散は可能である。混合後18時間、WEHI164細胞を図6に既述したようにアポトーシスについて分析した。トランスウエル挿入管によって分離されているWEHI164細胞を殺すことができる可溶性TNFを放出するwt TNFに対して、TNFキメラはアポトーシスを誘発する可溶性TNFを放出しない。
3.TNFキメラによるCLL B細胞の活性化
図8は、キメラTNFを発現するHeLa細胞と共培養したCLL B細胞の活性化を示す。HeLa細胞を感染多重度10でアデノウイルスに感染させた。感染後2日、CLL細胞をHeLa細胞上に積層し、1日共培養した。CD19+CLL細胞を表現型マーカー(CD25, CD54, CD86, CD95及びCD70)の発現の変化について分析した。太線のヒストグラムは各列の左に示すAd‐TNFベクターと共培養したCLL細胞を示す。細線のヒストグラムはAd‐LacZウイルスとの共培養を示す。薄いヒストグラムは無関係の特異性を持つアイソタイプ対照モノクロナール抗体による染色を示す。このデータは、キメラTNF構築がリンパ球活性化に特徴的なCLL細胞上の一群の表現型マーカーの発現を調節する機能を持つことを示している。
4.mmp部位を修飾したTNFキメラによる可溶性TNF生成
図9は、以下のキメラCD154で感染させたHeLa細胞により生産された可溶性TNFの量を示す:推定CD154 mmp認識部位を欠くCD154含むTNFαアデノウイルスベクター:図3‐8に記述されたTNFキメラ。
この構築体をCD154+mmp:TNF(SEQUENCE ID#9)と表す。細胞を感染多重度10でアデノウイルスに感染させた。感染後2日、上清を採取し、死亡細胞及び破片を遠心分離により除去した。可溶性TNFは、Pharmingen, Inc. (La Jolla, CA)のTNF特異的ELISA検定をメーカー説明書に従って使用して固相酵素免疫検定(ELISA)により測定した。TNFの相対的量は組換えTNF(Biosource International)の既知量の検量線に基づいて算出した。このデータは、元のCD154に対する上記の修飾を示す:TNFキメラは、可溶性分子へのタンパク分解切断に対する感受性について影響を受けなかった。
5.可溶性TNF生成に対するリンカードメインの修飾
図10は、CD70:種々の修飾を加えたリンカードメインを持つTNFキメラ:をコードするプラスミドに感染させたHeLa細胞により生成する可溶性TNFの量を示す。CD70:図3‐4に記述したTNF構築に加えて、短縮したリンカードメイン(□Linker CD70:TNF, Sequence ID#10)及び修飾アミノ酸配列のリンカードメイン(LinkerDP->GA CD70:TNF, Sequence ID#11)を持つ構築を示す。HeLa 細胞はLipofectamine2000(Gibco-BRL)をメーカー説明書に従って使用してプラスミドに感染させた。感染後2日、上清を採取し、可溶性TNFを上記のようにELISAにより測定した。このデータは、TNFキメラのリンカードメインの修飾がこれらの構築の安定性に影響しないことを示している。
6.予め作成したマウスWEHI164腫瘍のキメラTNFによる治療
図11は、β‐ガラクトシダーゼ(LacZ),野生型TNF, またはキメラCD154:TNFのいずれかをコードするアデノウイルスを腫瘍の中に注射した後、予め作成したWEHI164腫瘍を持つマウスのパーセンテージを示す。簡単に記すと、Balb/cマウスの皮下に3×106個のWEHI164細胞を接種し、10日間腫瘍塊を作らせた。接種後10,12,および14日に、5×108プラーク形成単位(pfu)のウイルスを腫瘍内注射により投与した。動物を毎週腫瘍の存在について検査した。腫瘍径が>2 cmに達したら、動物を殺処理した。このデータは、野生型TNFで処置したマウスのわずか50%で腫瘍の消失があったのに対して、キメラCD154:TNFでは75%のマウスで完全に腫瘍が消失したことを示している。対照のアデノウイルス(Ad‐LacZ)で処置したマウスでは腫瘍は消失しなかった。このデータは、キメラTNFは腫瘍に対して治療作用を有しており、この作用は野生型TNFより強い。
望ましい態様を示し、記述したが、本発明の精神または範囲から離れることなく多くの変更が可能であることは当業者には明白であろう。本発明は次の請求項及び法的同等物に従う以外は制限を受けないものである。
図1は、多数のヒト及びマウスのTNFスーパーファミリーリガンドのドメインI‐IVを描いた模式図である(Kipps et al., WO98/26061,公開1998年6月18日)。 図2は、野生型TNFα(wt TNFαと命名)、TNFαの欠失変異体(2TNFαと命名)、及び本発明の代表的TNFαキメラの、I‐IVドメイン及びドメインリンカーを描いた模式図である。 図3は、wt TNFα,欠失変異体2TNFα,及び本発明の代表的TNFαキメラのHT1080 細胞上の相対的表面発現を示す一連の蛍光活性化セルソーター(FACS)ヒストグラムである。斜線の領域はアイソタイプ‐対照抗体により染色された背景蛍光を示す。斜線の付いていない領域は、wt TNFα,前記膜安定化2TNFα,及び代表的キメラTNFαリガンドのDNA配列をコードするアデノウイルスに感染したHT1080 細胞上の発現レベルを示す。 図4は、感染していないCLL B細胞及びwt TNFα及び本発明の代表的TNFαキメラに感染した細胞によるTNFαの相対的表面発現を示す一連のFACSヒストグラムである。斜線の領域はアイソタイプ‐対照染色細胞の背景蛍光を示す。斜線のない領域はTNF特異的抗体により染色された細胞上のヒトTNFαの発現を示す。 図5は、wt TNFαアデノウイルス,2TNFαアデノウイルス,及び代表的キメラTNFαアデノウイルスベクターに感染したHT1080細胞により生成した、TNF特異的ELISA検定により測定された可溶性TNFαの量を示す。 図6は、wt TNFα,2TNF,および代表的キメラTNFαアデノウイルスベクターをコードするアデノウイルスに感染した後のWEHI164細胞の細胞死を示すグラフである。 図7は、CD154:TNFαキメラをコードするアデノウイルスに感染したHeLa細胞と共インキュベーションした後のWEHI164細胞を野生のTNFαに感染した細胞と比較してのアポトーシスを示す図である。黒いバーは細胞‐細胞接触によるアポトーシスを示し、白いバーはTNFαの可溶型の作用により生じたアポトーシスを示す。 図8は、wt TNFα及び本発明の代表的キメラTNFα構築を発現するHeLa細胞と共培養した後のCLL B細胞による表現型マーカーCD25, CD54, CD96, CD95,及びCD70の相対的表面発現を示す一連のFACSヒストグラムである。 図9は、wt TNFα,CD154:TNFαキメラ,キメラ連結部位における推定CD154 mmp認識配列を含むCD154:TNFα,またはキメラ連結部位におけるリンカードメインを欠失したCD154:TNFαをコードするアデノウイルスベクターに感染したHeLa細胞により生成する可溶性TNFαの量を示す。 図10は、リンカードメインに種々の修飾を施したCD70:TNFαキメラをコードするプラスミドに感染したHeLa細胞により生成する可溶性TNFαの量を示す。 図11は、対照アデノウイルス(LacZ),wt TNFα、またはCD154:TNFαキメラのいずれかをコードするアデノウイルスを予め作成した腫瘍中に注射した後の腫瘍を保持したマウスのパーセントを示す。
配列表
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Claims (31)

  1. 天然のCD154に存在するメタロプロテアーゼ切断部位を欠くCD154ドメインIIIをコードする第一ポリヌクレオチドと、
    TNFα受容体に結合する天然TNFαのドメインIVをコードする第二ポリヌクレオチドとを含み、
    該ドメインIVは、天然TNFαのVal77からPro88に存在するメタロプロテアーゼ切断部位を欠く、キメラTNFαリガンドポリペプチドをコードする単離核酸分子。
  2. 前記第一ポリヌクレオチドが、天然のCD154をコードするポリヌクレオチドの322〜351位のヌクレオチドを欠く、請求項1に記載の単離核酸分子。
  3. 前記第二ポリヌクレオチドが、前記天然TNFαをコードするポリヌクレオチドの229〜264位のヌクレオチドを欠く、請求項1又は2に記載の単離核酸分子。
  4. CD154ドメインIIをコードする第三ポリヌクレオチドを更に含む、請求項1から3の何れか1項に記載の単離核酸分子。
  5. CD154ドメインIをコードする第四ポリヌクレオチドを更に含む、請求項1から4の何れか1項に記載の単離核酸分子。
  6. 第一ポリヌクレオチドが、前記CD154のドメインI, II及びIIIをコードし、
    第二ポリヌクレオチドが、前記天然TNFαのドメインIVをコードする、請求項1に記載の単離核酸分子。
  7. 前記CD154ドメインIIIと前記天然TNFαのドメインIVとを連結する少なくとも一個のアミノ酸からなるペプチドをコードするリンカードメインを含む、請求項1に記載の単離核酸分子。
  8. SEQ. ID. NO: 5のアミノ酸配列を含むキメラTNFαリガンドポリペプチドをコードする、請求項1に記載の単離核酸分子。
  9. SEQ. ID. NO: 1によって表されるポリヌクレオチドからなる、請求項1に記載の単離核酸分子。
  10. 天然のCD154に存在するメタロプロテアーゼ切断部位を欠くCD154ドメインIIIと
    TNFα受容体に結合する天然TNFαのドメインIVとを含み、
    該ドメインIVは、天然TNFαのVal77からPro88に存在するメタロプロテアーゼ切断部位を欠く、キメラTNFα。
  11. 前記CD154ドメインIIIが、天然のヒトCD154の108〜117位のアミノ酸を欠く、請求項10に記載のキメラTNFα。
  12. 天然TNFαより細胞の表面からの切断を受けにくい、請求項10又は11に記載のキメラTNFα。
  13. キメラTNFαの切断速度が、天然TNFαより少なくとも90%遅い、請求項12に記載のキメラTNFα。
  14. CD154のドメインIIを更に含む、請求項10から13の何れか1項に記載のキメラTNFα。
  15. CD154のドメインIを更に含む、請求項10から14の何れか1項に記載のキメラTNFα。
  16. 前記CD154ドメインIIIと前記天然TNFαのドメインIVとを連結する少なくとも1個以上のアミノ酸からなるペプチドを含む、請求項10に記載のキメラTNFα。
  17. SEQ. ID. NO: 5で表されるアミノ酸からなる請求項10に記載のキメラTNFα。
  18. 請求項1から9の何れか1項に記載の単離核酸分子を含む、発現ベクター。
  19. CD154のドメインIIをコードするポリヌクレオチドを更に含む、請求項18に記載の発現ベクター。
  20. CD154のドメインIをコードするポリヌクレオチドを更に含む、請求項18又は19に記載の発現ベクター。
  21. ウイルスDNAまたは細菌DNAを更に含む、請求項18から20の何れか1項に記載の発現ベクター。
  22. 前記ウイルスDNAが、アデノウイルスDNA及びレトロウイルスDNAからなる群から選択される請求項21に記載の発現ベクター。
  23. ベクターの少なくとも一部に、アデノウイルスDNAを含む、請求項22に記載の発現ベクター。
  24. さらにプロモーター領域を含む、請求項18から23の何れか1項に記載の発現ベクター。
  25. さらにポリアデニル化シグナル領域を含む、請求項18から24の何れか1項に記載の発現ベクター。
  26. プロモーター配列及びポリアデニル化シグナル配列に作動的に連結した請求項1から9の何れか1項に記載の単離核酸分子を含む、遺伝子構築体。
  27. 請求項18に記載の発現ベクターまたは請求項26に記載の遺伝子構築体を含む、宿主細胞。
  28. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項27に記載の宿主細胞。
  29. 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項28に記載の宿主細胞。
  30. 細胞が抗原提示細胞である、請求項28に記載の宿主細胞。
  31. タンパクの発現を行うのに適した条件下に請求項27から30の何れか1項に記載の宿主細胞を培養することを含む、請求項10から17の何れか1項に記載するキメラTNFαの製造方法。
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