JP4454493B2 - 新規キメラcd154 - Google Patents

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Description

本発明は、生化学分野、免疫学分野、遺伝子工学分野、及び医学分野に関する。特に、本発明は、細胞表面に発現された際に、対応する自然リガンドより安定であるが、自然リガンドの受容体結合機能を保持し、かつ免疫原性がない新規キメラリガンドに関する。
免疫系は、悪性細胞を異物として認識し、身体からこれらを取り除くことによって、悪性細胞を排除する。これを達成するために、免疫系は抗体応答と、細胞応答との両方を引き起こす。これらの反応は両方とも、免疫系における多数の異なる細胞間の相互作用を必要とする(Abbas、細胞及び分子免疫学(Cellular and Molecular Immunology)、2000年)。
免疫反応は、通常、クラスII主要組織適合複合体(MHC)分子に結合した抗原由来ペプチドに結合するT細胞受容体(TCR)を、その表面にもつTリンパ球(T細胞)から始まる。T細胞はさらに、その表面に様々なポリペプチドを発現し、これらは、さらに詳細に下記に説明するように、免疫介在性応答に関わる細胞にある受容体に結合するため、「リガンド」と呼ばれる。T細胞受容体は、悪性細胞由来の抗原など、MHC結合抗原に結合した際に活性化され、リガンドをその表面に発現する。このリガンドは、短時間細胞表面に存在するのみであり、いったん細胞表面からリガンドが取り除かれると、受容体をもつ細胞に対する、T細胞の結合能は失われる。そのようなリガンドの1つが、CD154と呼ばれるものである。
CD154は、TNFスーパーファミリーと総称される、より大きなリガンドファミリーの1メンバーである(Grussら、Cytokines Mol Ther、1:75〜105、1995年、及びLocksleyら、Cell、104:487〜501、2001年)。TNFスーパーファミリーのメンバーには、Fasリガンド(「FasL」)、TNFα、LTα、リンフォトキシン(TNFβ)、CD154、TRAIL、CD70、CD30リガンド、4−1BBリガンド、APRIL、TWEAK、RANKリガンド、LIGHT、AITRリガンド、エクトジスプラシン(ectodysplasin)、BLYS、VEGI、及びOX40リガンドが含まれる。TNFスーパーファミリーのメンバーは、4つのドメインを含む保存された2次構造を共有する。即ち、それらは、細胞内ドメインのドメインI;細胞膜内外にまたがり、膜貫通ドメインとして知られているドメインII;細胞膜に最も近い細胞外アミノ酸からなるドメインIII;及び、遠位細胞外ドメインのドメインIVである。(Kippsら、国際公開W098/26061、1998年6月18日公開)。通常、少なくともドメインIVの一部を親分子から切断することが可能である。この切断された断片は、しばしば、完全なリガンドと同じ生物活性を示し、従来、TNFファミリーメンバーの「可溶型」と称されている。
I)CD154の生物活性
CD154(CD40リガンドとしても知られている)と、その同族受容体であるCD40との相互作用は、免疫認識において肝要である。(Banchereau J.ら、Annu.Rev.Immunol.12:881〜922、1994年;Laman J.D.ら、Crit.Rev.Immunol.16:59〜108、1996年)。CD154は、MHCクラスII分子を介した、抗原提示細胞のT細胞受容体への結合に続き、CD4T細胞で一時的に発現される。(Roy M.ら、J.Immunol.、151:2497〜2510、1993年;Hepmann P.ら、Eur.J.Immunol.、23:961〜964、1993年;Castle B.E.ら、J.Immunol.、151:1777〜1788、1993年;Cantwell M.ら、Nat.Med.、3:984〜989、1997年)。これによって、次に、B細胞、樹枝状細胞、単球、及びマクロファージを含む、CD40発現性抗原提示細胞(APC)の活性化が引き起こされうる。(Ranheim E.A.ら、J.Exp.Med.、177:925〜935、1993年;Ranheim E.A.ら、Cell.Immunol.、161:226〜235、1995年)。そのようなCD40活性化細胞は、ウイルス又は腫瘍などの、外来抗原に対する、特異的かつ有効な免疫応答を導く、免疫活性化イベントのカスケードを引き起こすことができる。CD40のリガンドに遺伝的欠陥をもつ個体に、深刻な免疫不全があることが発見されたことによって、CD40とCD154との相互作用の重要さが強調される。(Korthauer J.ら、Nature、361:539〜541、1993年;Aruffo A.ら、Cell、72:291〜300、1993年)。そのような患者は、胚中心形成障害、イソタイプ転換不全、並びに様々な細菌性病原菌及びウイルス性病原菌に対する著しい感受性を伴った免疫不全症候群を患っている。
CD154がこのように免疫調節に肝要な分子であるため、ヒトCD154の発現は、いくつかの機構によって制御されている。第1に、膜上に発現されたCD154は切断可能であり、CD154受容体、即ちCD40に、結合可能なCD154細胞外部分を、可溶性分子として遊離することができる。タンパク質分解酵素が、ヒトCD154をこのリガンド上の異なった部位で切断し、CD40に結合可能であり、かつ免疫応答を刺激できる可溶型CD154を遊離することが示されている。(Pietravalle F.ら、J.Biol.Chem.、271:5965〜5967、1996年;Pietravalle F.ら、Eur.J.Immunol.、26:725〜728、1996年)。例えば、CD154がPhe111とAla123との間で切断されることが、一研究によって示されており(Pietravalle F.ら、Eur.J.Immunol.、26:725〜728、1996年)、さらにMet113における切断も報告されている。第2に、CD154と、その同族受容体との相互作用によって、細胞表面におけるCD154発現の急速な下方調節(downmodulation)を誘導できる。(Cantwell M.ら、Nat.Med.、3:984〜989,1997年)。第3に、CD154遺伝子の転写は緊密に調節されており、TCRライゲーション後4〜6時間に、RNA合成及びタンパク質合成における、このリガンドの発現が最大となり、続いて急速に減少する(同上)。併せて、これらの調節機序によって、特定抗原に対する免疫応答の特異性が確実となる。CD154発現の緊密な制御を維持することの重要さは、全身性エリテマトーデス(SLE)を患う個体によって例証される。これらの患者は、CD154の過剰発現と、血漿中の可溶性CD154濃度の上昇とが観測されており、制御されていないCD154発現がSLE疾病活性に寄与することを示唆する。(Kato K.ら、J.Clin.Invest.、101:1133〜1141、1998年;Vakkalanka R.K.、Arthritis Rheum.、42:871〜881、1999年)。
免疫療法におけるCD154使用の可能性が活発に調査されている。CD154は強力な免疫賦活剤であるため、主として、癌治療薬としてのCD154に研究の焦点が集められているが、これは腫瘍細胞の抗原提示性が通常弱く、活発な抗腫瘍反応を活性化することができないためである。例えば、複製欠陥をもつアデノウイルスベクターを用いて、CD154を発現するように改変された、慢性リンパ球性白血病(CLL)B細胞は、CLL抗原提示性を増進し、無改変のCLL B細胞に対して、自家T細胞細胞傷害性を誘導することができる。(Kato K.ら、J.Clin.Invest.、101:1133〜1141、1998年)。加えて、Ad−CD154で改変されたCLL B細胞を用いた第一相臨床試験は、有望な治療結果を示した。(Wierda W.G.ら、Blood、96:2917〜2924、2000年)。同様に、動物モデルにおいて、CD154を発現するように、様々な腫瘍型を改変することで、有効な抗腫瘍免疫応答を誘導できることが他の研究によって示された。
B細胞及び他の腫瘍を操作する研究は、CLL及びB細胞リンパ腫の場合のように、腫瘍細胞自体の抗原提示性を促進することによって、又は、CD40陰性腫瘍の場合のように、抗腫瘍免疫応答を開始することができる樹枝状細胞など、バイスタンダー(bystander)抗原提示細胞を活性化することによって行われる。しかし、別の研究では、ある種の腫瘍、特に乳癌に対する直接的増殖阻害効果が、CD154にあるかもしれないとも示唆されている。(Tong A.W.ら、Clin.Cancer Des.、7:691〜703、2001年;Hirano A.、Blood、93:2999〜3007、1999年)。加えて、ある種のリンパ腫の増殖を、CD40のライゲーションによって直接阻害することができるという証拠がある。(Wilsey J.A.ら、J.Immunol、158:2932〜2938、1997)。従って、CD154免疫療法は、広範囲の腫瘍に対して効果をもつはずである。
II)現在のCD154構築体の欠点
CD154は潜在的に強力な治療薬であるが、臨床治療で用いられるCD154の形態によって、安全性と有効性との両方が大きく影響されるであろう。
例えば、CD154の細胞外受容体結合ドメインのみから構成される組換え型可溶性CD154(rsCD154)は、機能を有する。(Armitage R.J.、Eur.J.Immunol.、23:2326〜2331、1993年;Lane P.、J.Exp.Med.、177:1209〜1213、1993年)。しかし、CD40の最適シグナル伝達には、CD40受容体が細胞表面で多量体化する必要があるため、rsCD154は、細胞膜上に発現した自然なCD154ほどには、CD40シグナル伝達を誘導するのに有効ではない。(Schwabe R.F.ら、Hybridoma、16:217〜226、1997年)。この結果、受容体シグナル伝達を促進するために、ロイシンジッパードメイン又はCD8ドメインなどのリガンド多量体化ドメインが、rsCD154のN末端ドメインに構築された。(Lans P.ら、J.Exp.Med.177:1209〜1213、1993年;Morris A.E.、J.Biol.Chem.274:418〜423、1999年)。同様に、可溶性CD154は、膜で発現されたCD154ほど、抗原提示細胞を強く刺激しないため、CD40の架橋にも最適ではない。
さらに、CD40シグナル伝達を媒介する可溶性試薬は、有害な生理作用を引き起こすことがある。例えば、可溶性CD154−CD8融合タンパク質を注入されたマウスは、肺に炎症を起こした。(Wiley J.A.ら、J.Immunol.、158:2932〜2938、1997年)。同様に、免疫無防備状態のマウスにCD40活性化モノクローナル抗体を投与したところ、致命的な腸病変が誘導された。(Hixon J.A.ら、Biol.Blood Marrow Transplant.、7:136〜143、2001年)。有害な効果は可溶性のTNF−α、FasL、及びTRAILの投与の後にもみられたため、可溶性CD154の全身性投与に伴う毒性は、TNFファミリーに一般的な特徴と思われる。
可溶性CD154の別の欠点は、全身性投与後における、可溶性TNFファミリーメンバーの半減期が短いことである。(Spriss D.R.ら、Ciba Found.Symp.、131:206〜227、1987年;Funahashi I.ら、Br.J.Cancer、67:447〜455)。このように半減期が短いことによって、rsCD154の用量をより高くするか、又は一定期間にわたって持続注入することが必要となるであろう。これは、毒性が生じる可能性を増大させるだけではなく、困難で時間のかかる手順を経て、多量のrsCD154タンパク質を単離する必要性を生じさせうるものでもある。
可溶性CD154を用いることには内在的な問題があるため、膜に発現された完全長ヒトCD154が、より良い代替であると思われる。しかし、自然なヒトCD154にも、その有効性、又は安全性を制限するかもしれない特性がある。前述のように、完全長CD154は切断され、可溶性分子として遊離されるため、rsCD154に関して述べたのと同様の毒性を生じさせる可能性をもっている。さらに、膜結合CD154がタンパク質分解による切断を受けることによって、このタンパク質の機能的能力が低下するかもしれない。推定切断部位をCD154から欠失させることで、このタンパク質の新陳代謝を低下させることができるが、多数のタンパク質分解切断部位が存在するため、これによってCD154のプロセシングが完全に排除されることはない。(Mazzei G.J.ら、J.Biol.Chem、270:7025〜7028、1995年;Pistravalle F.ら、J.Biol.Chem、271:5965〜5967、1996年)。さらに、完全長ヒトCD154を用いることには、このタンパク質の細胞型特異的発現という、他ほど明白ではない問題も伴う。例えば、ある種の細胞型、特にB細胞由来の細胞では、ヒトCD154の発現が阻止されている。(Kato K.ら、J.Clin.Invest.、101:1133〜1141、1998年;Cantwell M.ら、Nat.Med.、3:984〜989、1997年)。
興味深いことに、マウスCD154(mCD154)は自然なヒトCD154よりも、またrsCD154よりも治療適用に有利のようである。マウスCD154は、ヒトCD154に比べて、タンパク質分解による切断に対して、比較的強い抵抗性を有する。そのうえ、mCD154は、ヒトCD154の発現を阻止するB細胞由来の細胞(しばしばCD40細胞と呼ばれる)を含めたほとんどの細胞型で発現される(同上)。このため、CD40細胞の1タイプであるCLL細胞における、CD154遺伝子療法の臨床試験で、mCD154が発現された。(Wierda W.G.、Blood、96:2917〜2924(2000年))。
それでもなお、ヒトでmCD154を用いることには、それに固有な問題がある。例えば、Ad−CD154で改変したCLL細胞を患者に反復注射した後、白血病細胞の減少量は、後続する注射の度に減少した。CLL患者の4人のうち3人が、5回目の反復注射までに、mCD154発現細胞の活性に対して不応となった。この活性喪失は、マウスCD154分子に対する抗体を生じたことによる可能性が高く、これ以上の治療を不可能にするものである。CD154に対する抗体の結合及び中和の形成を測定するアッセイによって、Ad−mCD154で形質導入されたCLL細胞を反復注射した際、3回目の注射までに、抗マウスCD154抗体が生じていることが示された。さらに、抗CD154抗体は、マウスCD154の機能も中和するかもしれない。従って、mCD154の総合的安全性、発現安定性、及び短期的有効性にもかかわらず、ヒトにおける、mCD154の長期反復投与は困難であろう。
現在のCD154構築体の欠点を考えると、ヒトCD154及びマウスCD154の両方にみられる特性をもつ、疾患治療に好ましいCD154構築体が必要なことは明らかであろう。好ましいCD154構築体は、B細胞由来のリンパ球系細胞を含む様々な細胞型で発現されるものであろう。さらに、そのようなCD154構築体は、膜安定化され、タンパク質分解による切断に対して抵抗性を有し、そのため、可溶型CD154を生成しにくいものであろう。しかし、好ましいCD154構築体は、自然なCD154がもつ受容体結合機能を保持しているであろう。これらの特性は両方とも、mCD154にみられるものである。さらに、好ましいCD154構築体は、ヒトへ投与した後、受容体結合に重要なドメインで、免疫を引き起こさないであろうものであり、従って、機能の中和を受けないであろう。本発明は、そのようなCD154構築体を提供する。
本発明は、ヒトCD154及びマウスCD154の最も有益な特性をもち、従って、疾患治療に安全かつ有効である新規キメラCD154ポリペプチドに関する。具体的には、このキメラCD154は、B細胞を含めた様々な細胞型で発現できるであろう。このキメラCD154は、細胞膜上に発現された際に、タンパク質分解に対する耐性が低下し、従って、より安定であろう。さらに、このキメラCD154は免疫原性がないであろうと考えられ、従って抗CD154抗体による中和を受けないであろう。最後に、このキメラCD154は、ヒトCD154の受容体結合能を保持するであろうと考えられ、従って、ヒトにおいて、ヒトCD154と同じタイプの免疫応答を引き起こすであろう。
これらの新規キメラCD154ポリペプチドは、少なくとも2つの異なった生物種からのCD154ドメイン又はサブドメイン、好ましくはヒトCD154及びマウスCD154を含むキメラである。これらのポリペプチドは、ヒトCD154領域、及び非ヒトCD154領域を結合して、免疫応答に対する刺激を最大にするので、「免疫刺激性因子」、即ちISFと名付けた。具体的には、ヒトCD154の切断部位を含有する、CD154の少なくとも1つのドメイン又はサブドメインを、非ヒトCD154、好ましくはマウスCD154の対応するドメイン又はサブドメインで置換する。さらに、これらのキメラポリペプチドは、CD154受容体に対する結合性を有する、ヒトCD154のドメイン又はサブドメインから構成される。本発明は、キメラCD154をコードする新規ポリヌクレオチド配列、新規ポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター、及びキメラCD154を生成する方法にも関する。最後に、本発明は、この発現ベクターを用いて形質移入された細胞の免疫応答性を改善する方法、及び腫瘍を治療する方法に関する。
従って、この発明の一態様は、ヒトCD154の切断部位を置換する非ヒトCD154細胞外サブドメインをコードする第1のヌクレオチド配列と、ヒトCD154受容体に結合するヒトCD154細胞外サブドメインをコードする第2のヌクレオチド配列とを含むキメラCD154をコードする単離ポリヌクレオチド配列に関する。
この発明の一態様は、細胞による前述のCD154の発現に肝要な非ヒトCD154細胞外サブドメインを、第1のヌクレオチド配列がさらにコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、発現を行う細胞が、ヒトCD40+細胞である上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、発現を行う細胞が、ヒトCLL細胞である上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、第1のヌクレオチド配列がさらに細胞外ドメインをコードし、この細胞外ドメインが抗マウスCD154抗体に結合するため、この単離ポリヌクレオチド配列によってコードされたリガンドの発現を検出する際に、この細胞外ドメインが有用である単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、非ヒトCD154ドメインIV内サブドメインを、第1のヌクレオチド配列がコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、非ヒトCD154のドメインIII、又はドメインIII内サブドメインを、第1のヌクレオチド配列がコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、ヒトCD154の切断部位の一部を置換するドメインIIIのサブドメインを、第1のヌクレオチド配列がコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、非ヒトCD154のドメインII又はドメインII内サブドメインを、第1のヌクレオチド配列がさらにコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、非ヒトCD154のドメインI又はドメインI内サブドメインを、第1のヌクレオチド配列がさらにコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、非ヒトCD154のドメインI、II、及びIIIを、第1のヌクレオチド配列がさらにコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、非ヒトCD154がマウスCD154である上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、機能阻害性の抗CD154抗体が結合する領域を置換するヒトCD154細胞外サブドメインを、第2のヌクレオチド配列がさらにコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、ヒトCD154ドメインIV内サブドメインを、第2のヌクレオチド配列がコードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、この配列が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、及び12からなる群から選択された上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、上述の配列などの、上記単離ポリヌクレオチド配列であって、この配列が、配列番号13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、及び24からなる群から選択されたアミノ酸配列を、コードする上記単離ポリヌクレオチド配列である。
この発明の一態様は、ヒトCD154の切断部位を置換する非ヒトCD154第1サブドメインと、CD154受容体に結合するヒトCD154第2サブドメインとを含むキメラCD154である。
この発明の一態様は、ヒトCD154に比べて、細胞表面から、より切断されにくい上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、CD154の切断速度が、ヒトCD154の切断速度に比べて、少なくとも90%は小さい、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、非ヒトCD154第1サブドメインが、細胞によるこのキメラCD154の発現に肝要である上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、発現を行う細胞がヒトCD40+細胞である上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、発現を行う細胞がヒトCLL細胞である上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、非ヒトCD154第1サブドメインが、抗マウスCD154抗体に結合することによって、キメラCD154の発現を検出するのに有用である、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、免疫原性がなく、そのため、抗CD154抗体による中和を受けない、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、第1サブドメインが、非ヒトCD154ドメインIV内サブドメインを含む、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、第1サブドメインが、非ヒトCD154のドメインIII又はドメインIII内サブドメインをさらに含む、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、第1サブドメインが、ヒトCD154の切断部位の一部を置換する、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、第1サブドメインが、非ヒトCD154のドメインII、又はサブドメイン若しくはドメインIIをさらに含む、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、第1サブドメインが、非ヒトCD154のドメインI又はドメインI内サブドメインをさらに含む、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、第1サブドメインが、非ヒトCD154のドメインI、II、及びIIIをさらに含む、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、非ヒトCD154がマウスCD154である、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上述のキメラCD154などの、上記キメラCD154であって、第2サブドメインが、ヒトCD154のドメインIV内サブドメインを含む、上記キメラCD154である。
この発明の一態様は、上記単離ポリヌクレオチド配列の1つを含む発現ベクターである。
この発明の一態様は、ヒトCD154の切断部位を置換するマウスCD154ドメインIV内サブドメインと、CD154受容体に結合するヒトCD154ドメインIV内サブドメインとを含むキメラCD154を、ポリヌクレオチド配列がコードする上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、ヒト細胞でのマウスCD154の発現に肝要な、マウスCD154ドメインIV内サブドメインをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、マウスCD154の、ドメインIII又はドメインIII内サブドメインをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、マウスCD154の、ドメインII又はドメインII内サブドメインをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、マウスCD154の、ドメインI又はドメインI内サブドメインをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、マウスCD154の、ドメインI、II、及びIIIをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、ウイルスDNA又は細菌DNAを含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、ウイルスDNAが、アデノウイルスCDA、又はレトロウイルスDNAからなる群から選択された、上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上記発現ベクターの少なくとも一部がアデノウイルスDNAを含む、上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、上述の発現ベクターなどの、上記発現ベクターであって、プロモーター領域をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、ポリアデニル化シグナル領域をさらに含む上記発現ベクターである。
この発明の一態様は、プロモーター配列と、ポリアデニル化シグナル配列とに作用可能に連結した、上記単離ポリヌクレオチド配列を含む遺伝子構築体である。
この発明の一態様は、上記発現ベクター、又は上記遺伝子構築体を含む宿主細胞である。
この発明の一態様は、宿主細胞が哺乳類細胞である、上記宿主細胞である。
この発明の一態様は、この哺乳類細胞がヒト細胞である、上記宿主細胞である。
この発明の一態様は、上述の宿主細胞などの、上記宿主細胞であって、この宿主細胞が腫瘍細胞である、上記宿主細胞である。
この発明の一態様は、上述の宿主細胞などの、上記宿主細胞であって、この宿主細胞が抗原提示細胞である、上記宿主細胞である。
この発明の一態様は、上記キメラCD154を生成する方法であって、そのタンパク質を発現するのに適した条件下で、上記宿主細胞を培養することを含む方法である。
この発明の一態様は、細胞の表面のCD154受容体に結合可能なリガンドの濃度を上昇させる方法であって、上記キメラCD154をコードする単離ポリヌクレオチド配列を前記細胞内に導入することを含み、これにより、このキメラCD154が、ヒトCD154より、細胞の表面から、より切断されにくくなっている方法である。
この発明の一態様は、細胞の表面のCD154受容体に結合可能なリガンドの濃度を上昇させる上記方法であって、単離ポリヌクレオチド配列が上記発現ベクター又は上記遺伝子構築体を含む、方法である。
この発明の一態様は、細胞の表面のCD154受容体に結合可能なリガンドの濃度を上昇させる上記方法であって、細胞がその表面にCD154受容体を発現する、方法である。
この発明の一態様は、免疫系細胞の活性化を引き起こす方法であって、上記キメラCD154をコードする単離ポリヌクレオチド配列を細胞内に導入して、このキメラCD154を細胞の表面に発現することを含む方法である。
この発明の一態様は、患者の腫瘍を治療する方法であって、上記キメラCD154をコードする単離ポリヌクレオチド配列を、腫瘍細胞内に導入して、このキメラCD154を細胞の表面に発現することを含む方法である。
この発明の一態様は、患者の腫瘍を治療する上記方法であって、ヒト患者から腫瘍細胞を得ること、及び、キメラCD154をコードする上記ポリヌクレオチド配列を細胞内に導入した後、この腫瘍細胞をヒト患者に、注入によって戻すことをさらに含む方法である。
どの図面も含めて、すべての引用文献を、あたかも完全に本明細書に記載したように参照により組み込む。
定義
本明細書で使用する際、「CD154」又は「キメラISF構築体」という用語は、1つの種からのCD154の少なくとも1つのドメイン又はサブドメインと、別の種からのCD154の少なくとも1つのドメイン又はサブドメインからなるリガンドのことをいう。キメラCD154が由来する、この少なくとも2つの種は、ヒトCD154及びマウスCD154であることが好ましい。
本明細書で使用する際、「サブドメイン」という用語は、CD154のドメインの一部である少なくとも2つのアミノ酸からなる配列のことをいう。「サブドメイン」には、1つ又は複数のアミノ酸を欠失しているアミノ酸配列も包含され、このような欠失には、この配列の末端から切りつめられている1つ又は複数のアミノ酸も含まれる。
本明細書で使用する際、「切断部位」という用語は、プロテアーゼによって認識されるアミノ酸配列のことをいい、このプロテアーゼは、通常、CD154を発現している細胞の表面から、CD154を切断するマトリックスメタロプロテアーゼ(mmp)である。CD154の切断部位は、通常、CD154のドメインIII及びドメインIVの境界、又はその周辺に見いだされる。本発明によると、そのような切断部位の1つは、ヒトCD154で概ねアミノ酸108及びアミノ酸116の間にある領域を含む。
本明細書で使用する際、「対応する」という用語は、1つの種のCD154ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列に相同な、別の種のCD154ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列に関することをいう。この相同性は、ドメイン境界の位置など、異なった種のCD154の間にある2次構造の類似性に基づく(下記表1参照)。
本明細書で使用する際、「より切断されにくい」という句は、タンパク質分解による切断に対して、自然なヒトCD154が有する耐性に比べて、キメラCD154が有する、より高い耐性のことをいい、この耐性は、所与の数の細胞が一定期間に生成する可溶性CD154の量によって測定されるものである。本発明のキメラCD154は、自然なCD154の切断速度より、少なくとも90%遅い速度で切断され、そのため「より切断されにくい」ものであることが好ましい。
本明細書で使用する際、「発現ベクター」という用語は、組換えヌクレオチド配列を発現する核酸であって、細胞を感染させ、さらにこの細胞中でそれ自体を複製することができる核酸のことをいう。典型的な発現ベクターには、組換えDNA技法において用いられるプラスミド、及び細菌又は動物細胞中で複製可能な様々なウイルスが含まれる。多数の発現ベクターが文献に記載されている。Cantwellら、Blood、表題「慢性リンパ球性白血病B細胞のアデノウイルスベクター感染(Adenovirus Vector Infection of Chronic Lymphocytic Leukemia B Cells)」(1996年);Woll,P.J.及びI.R.Hart、Ann.Oncoi.、6 Suppl 1:73(1995年);Smith,K.T.、A.J.Shepherd、J.E.Boyd、及びG.M.Lees、Gene Ther.、3:190(1996年);Cooper,M.J.、Semin.Oncol.、23:172(1996年);Shaughnessy,E.、D.Lu、S.Chatterjee、及びK.K.Wong、Semin.Oncol.、23:159(1996年);Glorioso,J.C.、N.A.DeLuca、及びD.J.Fink、Annu.Rev.Microbiol.、49:675(1995年);Flotte、T.R.、及びB.J.Carter、Gene Ther.、2:357(1995年);Randrianarison−Jewtoukoff,V.及びM.Perricaudet、Biologicals.、23:145(1995年);Kohn,D.B.、Curr.Opin.Pediatr.、7:56(1995年);Vile,R.G.及びS.J.Russell、Br.Med.Bull.、51:12(1995年);Russell,S.J.、Semin.Cancer Biol.、5:437(1994年);並びにAli,M.、N.R.Lemoine、及びC.J.Ring、Gene Ther.、1:367(1994年)。
キメラCD154をコードするヌクレオチド配列
上述のように、TNFスーパーファミリーのリガンド(「TNFリガンド」)は、いくつかのドメインからなる類似2次構造をもつ(Kippsら、国際公開WO98/76061、1998年6月18日公開)。TNFスーパーファミリーのリガンドのいくつかにおける、ドメイン境界を表1に示す。ヒトTNFαのエックス線結晶構造に基づいて、ヒトCD154の受容体結合部の予測二次構造が推定されている(Peitschら、Int.Immunol、5:233〜238、1993年)。他のTNFリガンドにおける受容体結合部の2次構造は、ヒトTNFαとの比較から、コンピューター解析を用いて推論した。

これらのドメインは、cDNAにおける開始メチオニンの第1ヌクレオチドを、ヌクレオチド番号1として用い、ヌクレオチドにおける各ドメインの境界を示すことで特定される。
本発明によると、ここに示されたヌクレオチド境界は、既に特定されている境界からかなり変動する可能性があるが、それでもなお本発明において有用なドメインを画定するものである。
CD154分子をコードするヌクレオチド配列が、ヒト、マウス、及びウシなどの異なった種の間で類似していることから考えて、1つの種に由来するCD154の1つのドメイン又はサブドメインをコードするヌクレオチド配列は、別の種に由来するCD154の対応するヌクレオチド配列と置換可能であり、それによってキメラCD154をコードするハイブリッドポリヌクレオチド配列が得られる。
別の種の対応する配列と置換されるヌクレオチド配列は、機能上の理由によって選択される。即ち、選択された配列が、望ましい機能を提供若しくは修正するドメイン若しくはサブドメインをコードするか、又は標的リガンド遺伝子の望ましくない機能を排除するドメイン若しくはサブドメインをコードするという理由によって選択される。
ヒトCD154の少なくとも一部が親分子から切断されて、可溶性の分子になることが当技術分野で知られている。上述のように、この可溶型は概して望ましくない。従って、タンパク質分解酵素によって認識される切断部位を含むヒトCD154のアミノ酸又はアミノ酸配列を、この切断部位を含まない非ヒトCD154のアミノ酸又はアミノ酸配列で置換することは、この問題を少なくとも部分的に好転させるものであろう。非ヒトCD154は、マウスCD154であることが好ましい。
本発明によると、ヒトCD154の細胞外ドメインは、ドメインIIIとドメインIVとの境界、又は境界近くに、切断プロテアーゼによって認識、切断される少なくとも1つの、アミノ酸又はアミノ酸配列を含む。本発明によると、少なくともそのような切断部位の1つがヒトCD154のヌクレオチド322から348、即ちアミノ酸108から116の間にある。
さらに、本発明によると、ヒトCD154の細胞外ドメインは、ヒトCD154受容体(例えば、CD40)に結合する少なくとも1つの、アミノ酸又はアミノ酸配列を含んでいる。この理由から、CD154の可溶性型でさえ、抗原提示細胞上でCD154受容体に結合することができ、さらに免疫応答に活発に参加することができる。従って、自然なCD154の受容体結合性を保持するためには、ヒトCD154のこの細胞外領域を保存しなければならない。
従って、本発明の現在好ましい一実施形態は、ヒトCD154の切断部位に対応し、かつこれを置換する非ヒトCD154細胞外サブドメインをコードする第1のヌクレオチド配列を含むキメラCD154ポリヌクレオチド配列である。この発明によると、CD154切断部位を含むヒトCD154サブドメインを、非ヒトCD154の対応するサブドメインで置換することによって、ヒトCD154より、顕著に切断されにくいキメラCD154が得られる。
この第1のヌクレオチド配列は、CD40リガンドなどのヒトCD154受容体に結合するのに必要な、ヒトCD154細胞外サブドメインをコードする第2のヌクレオチド配列に作用可能に連結される。このようにして、本発明によって提供されるポリヌクレオチド配列は、CD154受容体を発現するヒト細胞に結合するキメラCD154をコードする。
さらに、本発明によると、マウスCD154又はヒトCD154の細胞外ドメインは、マウス及びヒト細胞膜上で、この分子の発現を可能にする少なくとも1つの、アミノ酸又はアミノ酸配列を含む。例えば、図9は、マウスCD154又はヒトCD154の両方がHeLa細胞によって発現されることを示す。しかし、マウスのCD154は、上述のように、ヒトCD154と比べて、より広範囲の多様な細胞によって発現され、これにはヒト細胞も含まれる。事実、マウスCD154は、ヒトCD40+細胞、具体的にはCLL細胞など、ヒトCD154を通常発現しないヒト細胞でも発現されうる。ヒトCD154とマウスCD154との間にあるこのような発現の相違は、図9に示すデータによっても確認される。即ち、ヒトCD154分子の発現に関わるヒトCD154のアミノ酸又はアミノ酸配列を、非ヒト分子の発現に関わるマウスCD154のアミノ酸又はアミノ酸配列で置換することは、この問題に対し少なくとも部分的に対処するものである。
従って、本発明の好ましい実施形態では、このキメラCD154ポリヌクレオチド配列は、マウス及びヒト細胞で、マウスCD154分子の発現に肝要なマウスCD154細胞外サブドメインを、さらにコードする第1のヌクレオチド配列を含む。このようにして、本発明によって提供されるポリヌクレオチド配列は、ヒトCD154を通常発現しないヒトCD40+細胞を含めた、様々な細胞型で発現可能なキメラCD154をコードする。この実施形態はマウスCD154の使用に関するものであるが、本発明では、ヒト細胞で発現されうる他の非ヒトCD154の使用も考慮される。
さらに、本発明によると、マウスCD154細胞外ドメインは、マウスCD154特異的抗体に結合するアミノ酸又はアミノ酸配列であって、そのためキメラCD154の発現を検出するのに使用されるアミノ酸又はアミノ酸配列も含む。このようにして、キメラCD154ポリヌクレオチド配列の発現を、通常はFACS又は免疫組織学的手法によって、特異的に検出することができ、これにより自然なヒトCD154の発現から識別できる。
従って、本発明の好ましい実施形態では、このキメラCD154ポリヌクレオチド配列は、抗マウスCD154抗体に結合することによって、キメラCD154の発現を検出する非ヒトCD154細胞外サブドメインを、さらにコードする第1のヌクレオチド配列を含む。
本発明の好ましい実施形態では、この第1のヌクレオチド配列は、非ヒトCD154、好ましくはマウスCD154のドメインIV内サブドメインをコードする。マウスCD154のこのサブドメインIVは、ヒトCD154の切断部位を置換するアミノ酸配列、マウス及びヒト細胞でマウスCD154分子の発現に肝要なアミノ酸配列、並びに、本発明のキメラCD154の検出に使用されるアミノ酸配列を含む。さらに、この第1のヌクレオチド配列は、ドメインIIIとドメインIVとの境界にあるか、又はこれにすぐ隣接している非ヒトCD154のドメインIII内サブドメインをコードすることもできる。本発明によると、このサブドメインは、ヒトCD154切断部位の一部を含む。
第1のヌクレオチド配列は、マウスCD154のドメインI、II、及びIIIをさらにコードすることが好ましく、これは、この構築体によって、キメラCD154のヒト細胞での発現が改善されることが示されているためである。別法として、第1のヌクレオチド配列は、マウスCD154のドメインIII若しくはそのサブドメイン、及び/又はマウスCD154のドメインII若しくはそのサブドメイン、及び/又はマウスCD154のドメインI若しくはそのサブドメインをコードすることもできる。
さらに、本発明によると、マウスCD154又はヒトCD154の細胞外ドメインは、抗CD154抗体に結合して、それによってリガンドの免疫の活性化効果を中和できる少なくとも1つのアミノ酸又はアミノ酸配列を含む。このアミノ酸又はアミノ酸配列は、通常、CD154の三次構造において、CD154の同族受容体であるCD40に結合する領域と同じであるか、又は実質上同様である。上述のように、マウスCD154は、抗CD154抗体産生において、より大きな応答を引き起こす。従って、マウスCD154は、ヒトCD154より、抗CD154抗体による結合及び中和に対する感受性がさらに高く、その結果、ヒトにおけるマウスCD154の反復投与は、長期的に問題を引き起こすことになる。即ち、マウスCD154を投与するか、又は、抗CD154抗体が結合する領域がマウス由来であるCD154構築体を投与すると、投与されたCD154に対する免疫原性の応答が生じ、さらにそのため、免疫応答を刺激する効果が減少する。従って、抗CD154抗体の結合に関わる領域をヒトCD154にして、投与の際のどんな免疫原性効果も阻止するか又は最小に抑えることが好ましい。
従って、本発明の現在好ましい一実施形態は、抗CD154抗体が結合する細胞外サブドメインをさらにコードし、かつヒトCD154配列である第2のヌクレオチド配列を含むキメラCD154ポリヌクレオチド配列である。このようにして、本発明によって提供されるポリヌクレオチド配列は、ヒトに投与した際に免疫原性がないキメラCD154をコードする。
第2のヌクレオチド配列は、ヒトCD154のドメインIV内サブドメインをコードするものが好ましい。即ち、現在好ましいポリヌクレオチド配列は、マウスCD154の別のドメインIV内サブドメインに作用可能に連結したヒトCD154のドメインIV内サブドメインをコードする。
上述のように、ドメインIVはマウスCD154のドメインI、II、及びIIIに連結されることが好ましい。そのような好ましいポリヌクレオチド配列の例を、本明細書で使用する際、配列番号1、3、5、7、9、及び11として提供する。これらは、それぞれISF30、32、34、36、38、及び40と名付けられたキメラCD154構築体をコードする。下記表2は、これらのキメラ構築体が有するマウスCD154及びヒトCD154との相同性を表す。
別法として、ドメインIVをヒトCD154のドメインI、II、及びIIIに連結することもできる。そのようなポリヌクレオチド配列の例を、配列番号2、4、6、8、10、及び12として提供する。これらは、それぞれISF31、33、35、37、39、及び41と名付けられたキメラCD154構築体をコードする。下記表3は、これらのキメラ構築体が有するマウスCD154及びヒトCD154との相同性を表す。

このシリーズの構築体は、断片1のヌクレオチド321と、断片2のヌクレオチド322との間で、ヒトCD154には存在する27ヌクレオチドの領域(ヌクレオチド322〜348)、即ちヒトCD154のドメインIIIとドメインIVの一部におおよそ対応する領域を欠失している。
III)キメラCD154ポリペプチド
従って、コードされているキメラCD154は、非ヒトCD154第1サブドメインと、好ましくは、ヒトCD154の切断部位を置換するマウスCD154、及びCD154受容体に結合するヒトCD154第2サブドメインとを含む。この結果、このキメラCD154は、ヒトCD154に比べて、細胞表面から、より切断されにくくなっており、しかしそれにもかかわらず、自然なCD154がもつ同族受容体への結合能を保持している。このように細胞表面から切断されにくくなっていることは、キメラCD154の切断速度が、ヒトCD154の切断速度より、少なくとも90%は遅くなっていることに反映されている。
さらに、マウスCD154第1サブドメインは、マウス及びヒト細胞でマウスCD154を発現するのに肝要であり、従って、ヒト細胞によるキメラCD154の発現を可能にするものである。この結果、このキメラCD154は、CLL細胞も含めて、ヒトCD154を通常発現しないヒトCD40+細胞でも発現することができる。
さらに、マウスCD154第1サブドメインは、マウスCD154特異的抗体に結合するため、キメラCD154の発現を検出することが可能であり、従って、キメラCD154の発現を、自然なヒトCD154の発現から識別する。
ヒトCD154第2サブドメインは、抗CD154抗体が結合するものを含むことが好ましい。ヒトCD154において、これらの抗体に対する感受性が低下していることを考えると、結果として得られるキメラCD154は、免疫原性がなく、かつそれゆえに、抗体中和を引き起こさないものである。
非ヒトCD154第1サブドメインは、ドメインIV内サブドメインと、CD154切断部位の一部に対応し、かつドメインIII及びドメインIVの境界にあるか、又はこの境界にすぐ隣接しているドメインIII内サブドメインとを含むことが好ましい。ヒトCD154第2サブドメインも、ドメインIV内サブドメインを含む。好ましい実施形態では、ドメインI〜IIIもマウスCD154を含む。そのような好ましいキメラ構築体の例を、配列番号13、15、17、19、21、及び23として提供する。これらは、ISF30、32、34、36、38、及び40に対応する。下記表4は、これらのキメラ構築体が有するマウスCD154及びヒトCD154とのこの相同性を表す。
別法として、ドメインI〜IIIは、ヒトCD154を含んでもよい。そのような好ましい構築体の例を、配列番号14、16、18、20、22、及び24として提供する。これらは、ISF31、33、35、37、39、及び41に対応する。下記表5は、これらのキメラ構築体が有するマウスCD154及びヒトCD154との相同性を表す。

このシリーズの構築体は、断片1のアミノ酸107と、断片2のアミノ酸108との間で、ヒトCD154には存在する9アミノ酸の領域(アミノ酸108〜116)、即ちヒトCD154のドメインIIIとドメインIVの一部におおよそ対応する領域を欠失している。
遺伝子構築体
本発明では、標的細胞中でキメラCD154を発現できる本発明のポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター、又は他のどのような遺伝子構築体も考慮される。
本発明において有用な発現ベクターは、哺乳類遺伝子、微生物遺伝子、ウイルス遺伝子、又は昆虫遺伝子に由来する調節ヌクレオチド配列など、適当な転写調節ヌクレオチド配列又は翻訳調節ヌクレオチド配列に、作用可能に連結されたキメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を含む。そのような調節配列には、転写プロモーター又はエンハンサー、転写を制御するオペレーター配列、メッセンジャーRNA中のリボソーム結合部位をコードする配列、及び、転写、翻訳開始、又は転写終結を制御する適当な配列など、遺伝子発現を制御する役割をもつ配列も含まれる。
特に有用な調節配列には、様々な哺乳類遺伝子、ウイルス遺伝子、微生物遺伝子、又は昆虫遺伝子に由来するプロモーター領域が含まれる。プロモーター領域は、本発明のキメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を含み、かつその全体を通した転写の開始を指示する。有用なプロモーター領域には、ラウス肉腫ウイルス(RSV)の末端反復配列(LTR)中に発見されたプロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)のエンハンサー/プロモーター領域、lacプロモーター、アデノウイルスから単離されたプロモーター、及び、当業者が真核細胞、原核細胞、ウイルス、若しくは微生物細胞における遺伝子発現に有用であると理解していると思われる他の任意のプロモーターも含まれる。真核細胞中で遺伝子及びタンパク質を発現するのに有用な他のプロモーターには、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、シミアンウイルス40(SV40)、及びヒトサイトメガロウイルスに由来するプロモーター配列及びエンハンサー配列など、哺乳類細胞プロモーター配列及びエンハンサー配列が含まれる。特に有用であるのは、ウイルスの初期プロモーター及び後期プロモーターであり、これらは、SV40などのウイルスにおいて、通常、ウイルス複製起点に隣接して見いだされる。当業者ならば、具体的にどの有用なプロモーターを選択するかは、正確にどの細胞系を用いるかに依存し、かつ特定の細胞系の中でポリヌクレオチド配列を発現するのに用いられる遺伝子構築体に関する、他の様々なパラメータに依存することを理解するであろう。
従って、本発明で考慮されるある種の遺伝子構築体は、プロモーター配列、又はプロモーター配列及びエンハンサー配列に作用可能に連結され、かつ、メッセンジャーRNAの終止及びポリアデニル化を指示するポリアデニル化配列に作用可能に連結されたポリヌクレオチド配列を含む。CMVプロモーター、及びウシ成長ホルモンポリアデニル化配列を用いて、このポリヌクレオチド配列を構築することが好ましい。
宿主細胞
本発明では、本発明のポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター又は他の遺伝子構築体で、形質転換又は形質移入される様々な宿主細胞も考慮される。これらの宿主細胞は、原核細胞であっても、又は真核細胞であってもよい。
好ましい実施形態のいくつかでは、宿主細胞は、単球、マクロファージ、及びB細胞など、哺乳動物の正常な抗原提示細胞である。他の好ましい実施形態では、宿主細胞は、これらの細胞に本発明のポリヌクレオチド配列を導入した際に、バイスタンダー抗原提示細胞を刺激できる正常細胞であってもよい。本発明では、本来、免疫系に抗原を提示できないが、抗原提示に必要な分子をコードする遺伝子で遺伝子操作可能な体細胞も考慮される。このような遺伝子操作は、これらの細胞が人工の抗原提示細胞として機能できるようにする。その後、これら人工の抗原提示細胞にキメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を導入することもできる。特定の細胞が、細胞増殖又はリンフォカインの産生など、抗原提示細胞として機能できるか否かを判定する様々なテストは、文献を通じて周知であり、従って、本発明におけるこの態様は容易に判定できるものである。
上記の正常ヒト細胞に加えて、本発明では、キメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を、免疫系細胞及び固形癌細胞などの様々な腫瘍性又は悪性細胞中に導入することが考慮される。考慮されるそのような腫瘍細胞には、急性単球性白血病(AML)、急性骨髄単球性白血病(AMML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの白血病細胞が含まれる。リンパ腫、神経こう腫、乳癌、子宮頚部腫よう、卵巣癌、肺癌、膀胱癌又は前立腺癌から得られた細胞も考慮される。
最後に、本発明の好ましい実施形態では、キメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列が、CD154の同族受容体であるCD40を細胞表面に発現する細胞に導入される。
キメラCD154ポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター及び構築体の使用方法
免疫応答の調節におけるCD154とその同族受容体との相互作用の重要性を認識して、本発明では、キメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を細胞内に導入することによって、CD40又は他のなんらかの同族受容体に結合できる膜安定化されたリガンドの濃度を増大し、これによって、キメラCD154が、自然なCD154より、細胞の表面から切断されにくくなっている方法も考慮される。キメラCD154は、タンパク質分解に対してより切断されにくいため、同族の受容体に結合して、細胞溶解反応又は免疫応答を誘導する機能が増強されている。
本発明は、免疫系の標的として、又は外来の標的に対して応答する免疫系の一部として、免疫反応に参加するどんなヒト細胞にも有用である。この方法には、ポリヌクレオチド又はベクターを宿主細胞中に注入するのに用いられる、エクスビボの方法、生体内方法、及び他の様々な方法が含まれる。この方法には、腫瘍又は腫瘍床に直接注射することも含まれる。
従って、本発明は、対象である動物又はヒトから細胞を単離することを含むエクスビボの方法も考慮される。単離された細胞に、本発明のキメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列が導入される。これらの細胞は、その後、対象の特定部位で再導入されるか、又は対象の循環系に直接再導入される。本発明の好ましい実施形態では、癌マーカーや抗原など、細胞を特定する分子を含めた、細胞表面マーカーを用いて、これらの細胞を対象から特異的に単離することができる。
本発明では、最初に対象から細胞を取り除かずに、対象である動物又はヒト身体中の所望の細胞に、キメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を導入することも考慮される。生体内、即ち対象の身体中の特定細胞に、ポリヌクレオチド配列を導入する方法は周知であり、これらには、発現ベクターを使用すること、及び様々な遺伝子構築体を対象に直接注射することが含まれる。通常の適用においては、本発明のポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、循環系又は対象の局部に導入して、所望の細胞がベクターで特異的に感染されるようにする。他の好ましい実施形態では、対象のもつ腫瘍床にベクターが直接注射され、本発明のポリヌクレオチド配列は、腫瘍床に含まれる少なくともいくつかの細胞に導入される。
本発明では、キメラCD154をコードするポリヌクレオチド配列を含み、さらにプロモーター及びポリアデニル化配列を含むことも可能な遺伝子構築体を、対象である動物又はヒトに直接注射することも考慮される。そのような有用な方法の例は、(Vileら、Ann Oncol、5:59〜65、1994年)に記載されている。この遺伝子構築体は、対象である動物又はヒトの筋肉又は他の部位に直接注射することもできるし、又は対象の腫瘍又は腫瘍床に直接注射することもできる。
腫瘍を治療する方法
本発明は、腫瘍を治療する方法も目的としており、この方法は、本発明のポリヌクレオチド配列を腫瘍細胞に挿入して、コードされているキメラCD154が腫瘍細胞の表面に発現されるようにすることを含む。本発明では、ヒト腫瘍の生体内における治療、及びエクスビボにおける治療の両方が考慮される。
腫瘍を治療する好ましい一方法において、この方法はさらに、最初に対象から腫瘍細胞を得るステップと、本発明のポリヌクレオチド配列をこれらの細胞に挿入して、これらの腫瘍細胞の表面にキメラCD154が発現されるようにするステップと、これらの細胞を対象に再投与することで戻すステップとを含む。当業者ならば、形質転換した腫瘍細胞を対象に再投与するのに適用できる方法が多数あることを理解するであろう。
1.ヒトHeLa細胞及びCLL細胞におけるキメラアクセサリー分子リガンドの発現
a.キメラアクセサリー分子リガンドの遺伝子を含む遺伝子構築体及び遺伝子療法ベクターの構築
配列番号1〜配列番号12のキメラアクセサリー分子リガンド遺伝子(別名、ISF 30〜ISF41)は以下の通り調製され、さらにクローニングされた。
i.2つの異なった遺伝子種からのドメインを用いるキメラアクセサリー分子リガンド遺伝子の調製
本発明のキメラ構築体は、遺伝子融合及び部位指定変異の、十分に特徴付けされている2つの方法で設計した。例えば、ヒトドメインIV領域と、マウスドメインIIIとの融合など、大きなドメインの置換は、Ho48によって記載された遺伝子融合技法によって実施した。比較的小さい遺伝子置換又はアミノ酸置換は、ストラタジーン社(Stratagene、Inc.(La Jolla、CA))によって記載された、「quickchange」部位指定変異プロトコールによって行った。キメラISF遺伝子は、pcDNA3真核細胞発現ベクター(インビトロジェン社(Invitrogen、Inc.、La Jolla、CA))にサブクローニングした。キメラISFインサートには、異種CMVプロモーター及びウシ成長ホルモンポリアデニル化配列が隣接する。
ii.アデノウイルス合成
キメラISF−pcDNA3プラスミドを、制限酵素のNrul及びSma Iで消化し、pCDNA3からのCMVプロモーター、キメラCD154遺伝子、及びpCDNA3からのポリアデニル化シグナルを含むDNA断片を切り出した。消化したDNAを1%のアガロースゲルで分離にすることにより、この断片をゲル精製した後、アデノウイルスシャトルベクターMCS(SK)pXCX2のEcoRV部位に、このDNA断片を挿入、連結した。このプラスミドは、pBluescriptのポリリンカー配列がE1領域にクローニングされている、プラスミドpXCX2の改変プラスミドである(J.R.Tozer、UCSD、未公開データ、1993年9月)。キメラISF−MCS(SK)pXCX2プラスミドを精製した後、プロメガ(Promega)のリン酸カルシウムProfectionキットを用い、製造会社の指示に従って、このシャトルプラスミド5μgと、JM17プラスミドの5μgとを、293AC2細胞に同時導入した。形質移入に続き、これらの細胞を5日間培養して、相同組換及びウイルス合成を行わせた。その後、全細胞及び上清を採取し、凍結融解を3回行って、細胞随伴アデノウイルスの放出を行った。
最初のウイルス産生に続いて、プラーク精製を行い、それによってこのウイルスのクローン性単離集団を得た。簡潔には、卓上遠心機で、5分間、1000rpm、遠心することにより、凍結融解したウイルス上清から残骸を除いた。その後、6ウェル組織培養プレート内に集密状態に増殖させた293AC2細胞を、このウイルス上清の系列希釈で、1〜2時間、感染させた。感染後培地を吸引し、細胞に、4%ウシ胎児血清と、56℃に保持した0.65%アガロースとを含むDMEM培地を重層した。4〜6日間インキュベーションした後、分離しているプラークを培地1mlに採取し、引き続き、ウイルスの増幅に用いた。
アデノウイルスの大規模調製は、293AC2の量を増やしながら、連続的に、この細胞を感染させることで行った。精製したアデノウイルスは、次に塩化セシウムのステップ勾配上で精製した。この方法は、塩化セシウム勾配を利用し、密度が1.45g/cm及び1.20g/cmであるステップ勾配を通して、ウイルス粒子の濃縮を行う。このステップ勾配中では、293AC2で増殖させたウイルス試料を、SW40ローター(ベックマン社(Beckman、Brea、CA)内で、4℃、25000rpmで2時間、遠心する。ウイルスバンドは、27ゲージの針及びシリンジを用いて単離し、セファデックスG−25のDNAグレードカラム(ファルマシア社(Pharmacia、Piscataway、NJ))を用いて脱塩した。ウイルスは、10%グリセロールを含むリン酸緩衝食塩水に対して脱塩し、−70℃で保存した。ウイルスの最終力価は、アニオン交換HPLCによって測定した。
b.CLL細胞及びHeLa細胞におけるキメラアクセサリー分子リガンド遺伝子の発現及び機能
i.発現
(図3)は、HeLa細胞を、各ISF構築体をそれぞれ含むpcDNA3プラスミドで形質移入した後の、これらHeLa細胞における、ISF構築体(即ち、ISF30〜ISF39)のパネルの多数の発現を示す。HeLa細胞は、lipofectamine 2000(Gibco−BRL)を用いて、ISF−pcDNA3プラスミドで一過性に形質移入した。lipofectamine 2000は、HeLaへの効率的遺伝子導入を可能とするリポソームベースの形質移入試薬である。形質移入の2日後、細胞表面におけるキメラCD154の発現に関して、フローサイトメトリーにより細胞を分析した。簡潔には、培地を吸引し、分離溶液(10mMEDTAを含むPBS、pH8)を添加することによって、接着細胞をウェルから分離した。この分離溶液は、CD154がトリプシン感受性部位で非特異的に切断されると、発現の評価において偽陰性となる可能性があるため、それを避けるために、より一般的であるトリプシン処理緩衝液に代わって用いられる。細胞がプレートから分離した後、細胞をFACS染色緩衝液(3%FCS及び0.05%アジ化ナトリウムを含むPBSからなる)で一度洗浄し、FACS緩衝液中に細胞約10個/mlに再懸濁し、5×10(50μl)個の細胞を丸底のプラスチック製96ウェルマイクロウェルプレートに播種した。CD154に特異的なPE結合抗体(抗体クローンMR−1、Pharmingen、Inc.)を添加し、4℃に30分間置いた。細胞を二度FACS緩衝液で洗浄し、FACS緩衝液に再懸濁し、データを取得するためにFACSチューブに移した。非特異的抗体結合を対照とするために、すべての試料を適当なイソタイプ対照抗体で染色した。さらに、10ng/mlのヨウ化プロピジウムをすべての染色反応に添加することによって、死細胞及び残骸を分析から除外した。FACSCaliburフローサイトメーター(Becton Dickinson)を用いて、細胞のCD154発現をフローサイトメトリーによって分析した。
(図3)の結果は、全てのキメラCD154ベクターが、CD154特異的抗体で検出可能な細胞表面リガンドとして発現されていることを示し、リガンドの全体的なタンパク質三次構造が維持されていることを示唆する。さらに、細胞表面における発現は、自然なマウスCD154と同等であるか、又はさらに良い。
ii.キメラアクセサリー分子リガンドの機能アッセイ
(図4)は、(図2)に記載したISFパネルのいくつかの構築体における、CD40陽性細胞系の1つであるRamos B細胞を活性化する機能的能力を示す。Ramos細胞は、ISF−pcDNA3で形質移入されたHeLa細胞の上に、上述の通りに重層した。重層した1日後、接着していないラモス細胞を採取し、CD70発現及びCD95発現をフローサイトメトリーによって分析した。これらの2つの細胞表面マーカーは、CD40活性化後に、より高いレベルで発現されている。(Kato K.ら、J.Clin.Invest.、104:947〜955、1999年)。このデータは、全てのISF構築体が、自然なマウスCD154と同程度の強度でRamos細胞を活性化することを示す。これは、キメラCD154構築体において、CD154の全体的なタンパク質三次構造と、受容体特異性とが維持されていることのさらなる証明である。
1.CD154の患者抗体中和及び結合データ
(図5)は、自然なマウスCD154の機能を中和できる抗体を含んだCLL患者血漿(第一相CD154臨床試験から収集した)に対する、ISF構築体の感受性示す。簡潔には、(図3)に記載したようにISF−pcDNA3で形質移入されたHeLa細胞の上にRamos細胞を重層した。同時に、mCD154中和抗体を含む患者血漿を、同時インキュベーション中に添加した。1日インキュベーションした後、(図4)に記載したように、Ramos細胞を採取し、CD70及びCD95の細胞表面発現に関して分析した。このデータは、患者血漿が、予想通り、mCD154によるRamosの活性化を阻害することを示す。対照的に、ISFの機能は、患者血漿によって阻害されなかった。
さらに、免疫原性の別の尺度として、患者血漿中のCD154特異的抗体との結合に関して、ISF構築体をテストした。再度、ISF−pcDNA3プラスミドで形質移入されたHeLa細胞を、患者血漿の系列希釈と共に4℃で、30分間インキュベートした。その後、細胞から、結合していない抗体を洗い落とし、ヒト免疫グロブリン(Ig)に特異的な蛍光標識抗体で染色した。この二次染色の後、細胞を洗浄し、FACSによって分析した。(図6)は、ISF構築体それぞれに対する、(図5)に記載した患者血漿抗体の結合が、mCD154に対する結合に比べ、減少していることを示す。少量の結合抗体が検出可能であるが、(図4)の結果に基づくと、これがISF機能に有害でないことは明らかである。さらに、ISF30より少ない抗体結合が、ISF35で検出されている。これらの結果は、ISF35が、ISF30より多くのヒトCD154領域を含む(図2参照)という事実によって説明される。まとめると、これらISF構築体には、患者産生抗体によるリガンド中和の原因となる免疫原性領域がないため、(図5及び図6)の結果は、最適化されたCD154構築体の評価基準を満たすものである。
2.アデノウイルスを媒介としたISF発現及び機能
ISF導入遺伝子のそれぞれをコードする組換えアデノウイルスが、HeLa細胞に感染して、ISFの細胞表面発現を導く活性をテストした。アデノウイルスで、感染多重度(M.O.I)比を増大させながらHeLa細胞を感染させた際の、HeLa細胞における、選択されたISF構築体の発現を、マウスCD154をコードするアデノウイルス(Ad−mCD154)で感染させた細胞と比較して、(図7)に示す。第1に、このデータは、これらアデノウイルスベクターが無傷であり、かつ所定のISF導入遺伝子を含むものであることを示す。第2に、このデータは、ISF構築体がmCD154と少なくとも同程度の強度で発現されることをさらに確認する。従って、ISF構築体がキメラである状態は、アデノウイルス感染及びCD154発現に対して、高度の許容性をもつ細胞系での発現に有害とならない。
(図8)は、上述のアデノウイルスベクターで感染させた後の、CLL B細胞における、ISF構築体の発現を示す。CLLは、HeLaとは異なり、アデノウイルスで感染させることが困難であり、さらにヒトCD154の発現を阻止する。図に見られるように、アデノウイルスで感染させた後、CLL細胞において、ISF構築体を、mCD154と同様の発現強度で発現することができる。従って、これらのベクターは、ヒトCD154の発現に対して抵抗性をもつ細胞型での発現という、最適化されたCD154構築体のもう1つの評価基準を満たすものである。
好ましいCD154構築体に関するもう1つの評価基準として、CLL B細胞の細胞活性化を、(図8)に記載したISF構築体をコードするアデノウイルスベクターで感染させた後に検査した。感染の2日後に、CD40活性化に特有の表面マーカーのパネルでCLL細胞を染色し、マーカーに変化があるかどうかを検査した。(図9)は、これらのマーカーの発現に変化をもたらしたISFの発現を示す。これらの変化は、Ad−mCD154で感染させた細胞と同程度であるか、又はさらに大きいものであった。
最後に、細胞によって発現された後、タンパク質分解によって可溶性分子に切断されることが知られているヒトCD154に比べて、本発明のキメラCD154ポリペプチドの少なくとも1つは、図10に見られるように、有意に安定であり、かつタンパク質分解による切断に対して抵抗性をもつ。HeLa細胞は、感染させなかったか、或いは、ヒトCD154又はISF35のどちらかをコードするアデノウイルスにMOI 10で感染させた。感染の2日後、培養上清を収集し、可溶性リガンドが存在するかどうか、ヒトCD154特異的ELISA(酵素結合免疫吸着検定)を用いて測定した。可溶性CD154の量は、このELISA(Ancell Inc.)において、既知量の可溶性CD40リガンド−CD8融合タンパク質の滴定に基づいて計算した。上清で検出された可溶性リガンドの量を、図10の棒グラフに示した。可溶性ISF35が検出できないため、この図は、可溶性リガンドを遊離するタンパク質分解による切断に対して、ISF35が抵抗性をもつことを示すものである。対照的に、ヒトCD154は容易に可溶性CD154へと切断され、その濃度が>120ng/mlに達している。さらに、細胞表面におけるISF35の発現が図6に示したものと類似のレベルにあることが、感染HeLa細胞のFACS分析によって示されているため、HeLa細胞によるISF35発現の不足によって、このような可溶性ISF35の欠如が起きているのではないといえる。
好ましい方法及び装置の実施形態を示し、かつ説明したが、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、多様な変更を行えることが当業者には明らかであるだろう。本発明は、請求の範囲及びその法的均等物による場合を除き、限定されるものではない。
本発明のキメラCD154をコードする例示的ポリヌクレオチドを示し、またキメラCD154の特定の特性に関連するサブドメインの位置を指し示す概略図である。マウスCD154に由来するドメイン又はサブドメインには、陰影がついている。 本発明の例示的キメラCD154ポリペプチド(即ち、ISF30〜ISF39)の発現を、マウスCD154(mCD154)、及びCD154を含まない対照プラスミドpcDNA3と比較して示す一連の蛍光活性化細胞併別(FACS)ヒストグラムである。mCD154及び各ISF構築体を含むpcDNA3プラスミドで、HeLa細胞を形質移入した後、発現を測定した。陰影がついた領域は、形質移入されていないHeLa細胞の発現を示し、陰影がついていない領域は、形質移入されたHeLa細胞の発現を示す。 細胞表面表現型マーカーCD70及びCD95のRamos B細胞による発現を活性化する機能的能力であって、本発明の例示的キメラCD154ポリペプチド(即ち、ISF30〜ISF39)で形質移入されたHeLa細胞の機能的能力を、マウスCD154(mCD154)、及びCD154を含まない対照プラスミドと比較して示す一連のFACSヒストグラムである。陰影がついた領域は、非活性化細胞による細胞表面マーカーの発現を示し、細線下の陰影がついてない領域は、対照pcDNA3プラスミドで形質移入されたHeLa細胞によって活性化されたB細胞による細胞表面マーカーの発現を示す。また、太線下の陰影がついてない領域は、mCD154又はISF構築体で形質移入されたHeLa細胞によって活性化されたB細胞による細胞表面マーカーの発現を示す。 自然なマウスCD154の機能を中和できる、患者血漿中の抗体の結合に対する感受性であって、本発明の例示的キメラCD154ポリペプチド(即ち、ISF30〜ISF39)の感受性を、マウスCD154(mCD154)、及びヒトCD154(hCD154)と比較して示す一連のFACSヒストグラムである。この感受性は、Ramos B細胞と、mCD154又は例示的ISF構築体の1つを含むpcDNA3プラスミドで形質移入されたHeLa細胞とを同時インキュベーションし、中和抗体を含む血漿を添加し、約1日のインキュベーションの後に、Ramos B細胞を採集し、CD70及びCD95細胞表面マーカーの発現分析を行うことによって測定した。陰影がついた領域は、形質移入されていないHeLa細胞とRamos細胞をインキュベートしたため、活性化されていない細胞表面マーカーの発現を示し、細線下の陰影がついていない領域は、抗体を含む血漿とインキュベートされた細胞における細胞表面マーカーの発現を示す。また、太線下の陰影がついた領域は、血漿とインキュベートされなかった細胞における細胞表面マーカーの発現を示す。 CD154の機能を中和できる患者血漿中の抗体に対する感受性であって、本発明の選択されたキメラCD154ポリペプチド(ISF30及びISF35)の感受性を、マウスCD154(mCD154)、及び対照プラスミドと比較して示す一連のFACSヒストグラムである。この感受性は、mCD154、ISF30、及びISF35を含むpcDNA3プラスミドでHeLa細胞を形質移入し、中和抗体を含む患者血漿と形質移入された細胞をインキュベートした後に測定した。陰影がついた領域は、血漿とインキュベートされなかった細胞に結合した抗体の量を示し、陰影がついていない領域は、血漿とインキュベートされた細胞に結合した抗体の量を示す。 感染多重度(MOI)比を増大させながら、mCD154、ISF32、及びISF35を含むアデノウイルスベクターでHeLa細胞を感染させた際の、本発明の選択されたキメラCD154ポリペプチド(ISF32及びISF35)のHela細胞における発現を、マウスCD154(mCD154)と比較して示す一連のFACSヒストグラムである。陰影がついた領域は、感染させられていないHeLa細胞の発現を示し、陰影がついていない領域は、上記のアデノウイルスベクターで感染されたHeLa細胞の発現を示す。 mCD154、ISF32、及びISF35を含むアデノウイルスベクターで感染させた後の、CLL B細胞による、本発明の選択されたCD154ポリペプチド(ISF32及びISF35)の発現を、マウスCD154(mCD154)及び非感染細胞と比較して示す一連のFACSヒストグラムである。陰影がついた領域は、感染させられていないCLL B細胞の発現を示し、陰影がついていない領域は、上記のアデノウイルスベクターで感染されたCLL B細胞の発現を示す。 本発明の選択されたCD154ポリペプチド(ISF32及びISF35)を発現するHeLa細胞と、同時培養されたCLL B細胞の活性化を、マウスCD154(mCD154)と比較して示す一連のFACSヒストグラムである。この活性化は、細胞表面表現型マーカーであるCD80、CD70、CD86、CD95、CD54、及びCD27の発現における、CD40活性化に特有な変化を検出することによって測定した。陰影がついた領域は、活性化されていないCLL B細胞の細胞表面マーカーの発現を示し、細線下の陰影がついていない領域は、CD154を含まない対照アデノウイルスAD−LacZで形質移入されたHeLa細胞と同時培養したCLL B細胞の活性化を示す。また、太線下の陰影がついていない領域は、mCD154、ISF23、及びISF35で形質移入されたHeLaと同時培養されたCLL B細胞の活性化を示す。 HeLa細胞及びCLL B細胞を形質移入にした後の、本発明の選択されたCD154ポリペプチド(ISF5、ISF12、ISF24、及びISF32)の発現を、ヒトCD154及びマウスCD154と比較して示す一連のFACSヒストグラムである。陰影がついた領域は、形質移入されていない細胞における発現を示し、陰影がついていない領域は、おのおの指定されたISF構築体で形質移入された細胞における発現を示す。この図は、ヒトCD154及びマウスのCD154と同様に、選択されたISF構築体も、HeLa細胞で発現されることを示す。しかし、この図は、CLL B細胞が通常、マウスCD154の発現を阻止しないが、ヒトCD154の発現を阻止することも確認する。CLL B細胞は、2つのISF構築体、即ち、完全にマウスCD154からなるドメインIVをもつISF5と、大部分がマウスCD154からなるドメインIVをもつISF32とを発現する。これは、CLL B細胞におけるマウスCD154の発現を可能にする調節要素が、ドメインIV領域に局在していることを示す。従って、ISF12及びISF24はCLL B細胞であまり発現されないが、これはISF12のドメインIVが完全にヒトCD154からなり、一方、ISF24のドメインIVはマウスCD154も含むが、CLL細胞でのこの分子の発現を調節する領域を包含するヒトCD154の領域も含むためである。 本発明の選択されたCD154ポリペプチド(ISF35)及びヒトCD154を有するアデノウイルスで、HeLa細胞を感染させた2日後に生成された可溶性リガンドの量を示す棒グラフである。生成された可溶性CD154の量は、ヒトCD154特異的ELISA(酵素結合免疫吸着検定)を用いて検出し、このELISAにおける、既知量の可溶性CD40リガンド−CD8融合タンパク質の滴定に基づいて計算した。このグラフは、ISF35が、可溶性ISF35を生む切断に対して耐性をもつことを、可溶性CD154を生むヒトCD154の切断、及び非感染細胞における可溶性CD154の不在と比較して示す。ISF35は、切断に対して、有意に強い抵抗性をもち、可溶性ISF35を全く生成しない。対照的に、ヒトCD154は容易に可溶性CD154に切断され、その濃度が>120ng/mlに達している。
配列表

Claims (17)

  1. 配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、及び12からなる群から選択されたヌクレオチド配列を有する核酸分子。
  2. 前記核酸分子が、配列番号2、4、6、8、10、及び12からなる群から選択されたヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。
  3. 前記核酸分子が、配列番号14、16、18、20、22、及び24からなる群から選択されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。
  4. 請求項1に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  5. ウイルスDNA、又は細菌DNAをさらに含む請求項4に記載の発現ベクター。
  6. 前記ウイルスDNAが、アデノウイルスDNA及びレトロウイルスDNAからなる群から選択された、請求項5に記載の発現ベクター。
  7. 前記ベクターの少なくとも一部がアデノウイルスDNAを含む請求項6に記載の発現ベクター。
  8. プロモーター配列と、ポリアデニル化シグナル配列とに作用可能に連結した、請求項1に記載の核酸分子を含む遺伝子構築体。
  9. 請求項4に記載の発現ベクター、又は請求項8に記載の遺伝子構築体を含む宿主細胞。
  10. 前記細胞がヒトCD40+細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。
  11. 前記細胞が、腫瘍細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。
  12. 前記細胞が、抗原提示細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。
  13. 前記細胞が、B細胞である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  14. 配列番号13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23及び24からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する、キメラCD154ポリペプチド。
  15. 請求項14に記載のキメラCD154ポリペプチドを生成する方法であって、そのタンパク質を発現するのに適した条件下で、請求項9に記載の宿主細胞を培養することを含む方法。
  16. 免疫系細胞の表面上にあり、かつ請求項1又は2に記載の核酸分子から該細胞中で発現され得るキメラCD154分子によって、免疫系細胞の活性化を引き起こさせる医薬であって、該医薬が、請求項1又は2に記載の核酸分子を含む、上記医薬。
  17. 前記細胞が、ヒトCD40+細胞である、請求項16に記載の医薬。
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