JP4609866B2 - アルミニウム合金線材 - Google Patents
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Description
アルミニウムの比重は銅の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)である。このため、純アルミニウムの導体線材に純銅の導体線材と同じ電流を流すためには、純アルミニウムの導体線材の断面積を純銅の導体線材の約1.5倍にする必要があるが、それでも重量では銅に比べて約半分と有利な点がある。
なお、上記の%IACSとは、万国標準軟銅(International Annealed Copper Standard)の抵抗率1.7241×10−8Ωmを100%IACSとした場合の導電率を表したものである。
撚り線の形状は、中心線とそれを巻くように撚りが加わる場合、撚りピッチで決まり撚りピッチが狭くなると撚りが詰まったような状態になる。一方、逆に撚りピッチが広がると撚り間隔に隙間が生じたようになる。また、撚りの問題点として、撚り乱れや撚り飛び出しなどが発生すると次工程の被覆などの工程で障害が発生する。また、そのような撚り乱れや撚り飛び出しがあると被覆の上からもコブのようになっていることが確認される。そのような状態ではキンクと呼ばれる欠陥を生じやすくなり、ハーネス組み立て工程などで自動供給装置などで詰まる原因となる。
また、ハーネスに使用される電線の素線は直径がφ0.3mm以下と細く、架空電線で用いられるような太い電線ではない。
よって、被覆される細い電線(素線)を用いることなど、移動体に使用される導体の特徴の一つと言える。
特に、特許文献1、3、4、8、11〜13などに記載されたZrが添加された合金は、耐クリープ特性が改善された合金であるが、導電率が低いという問題がある。さらに、Al3Zr金属間化合物の形成を行なうために長時間の熱処理が必要であり、工程の制御が困難であるという問題がある。
よって、撚り線に加工するための単線には様々な機械的特性が求められる。一般的には強度と伸びの関係で示されることが多いが、撚り線加工時の加工工程を加味した場合、単純にその2つのパラメータで規定されることはできない。つまり、加工工程時の変形挙動は加工硬化指数(n値)が重要なパラメータである。この加工硬化指数は材料の引張強度(TS)と0.2%耐力値(YS)の比(TS/YS)をもって表すことが可能であり、TS/YSの値を制御することによって、好適な撚り線を製造することができる。
(1)Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1.5≦(TS/YS)≦3の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材、
(2)Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力値(YS;MPa)と前記TSが、1.2≦(TS/YS)≦2.2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材、
(3)Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1≦(TS/YS)≦2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材、
(4)Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1.5≦(TS/YS)≦3の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材、
(5)Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1.2≦(TS/YS)≦2.2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材、
(6)Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1≦(TS/YS)≦2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材、および、
(7)配線材として移動体に搭載されるアルミニウム合金線材であって、バッテリーケーブル、ワイヤーハーネス、またはモータ用の導線として撚り線で用いられることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金線材
を提供するものである
また、第2の実施態様において、Cu、Mg、Siの含有量の総計を0.02〜0.5mass%とするのは、少なすぎると導電用の撚り線に好適な機械特性向上と導電性向上の効果が不十分であり、多すぎると導電率が低下するためである。また、含有量が多すぎると、選択する元素によって他の元素と金属間化合物を形成して溶解時のノロの発生などの不具合を生じるためである。Cu、Mg、Siの含有量の総計は、好ましくは0.1〜0.4mass%、さらに好ましくは0.15〜0.3mass%である。
そのほかの合金組成については上記第1の実施態様と同様である。
これらを規定した理由を下記に示す。
本発明の第1の実施態様のアルミニウム合金線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径は5〜25μm、好ましくは8〜15μm、さらに好ましくは10〜12μmである。結晶粒径が小さすぎると部分再結晶組織が残存して伸びが著しく低下するためであり、結晶粒径が大きすぎると変形挙動が不均一となり、同様に伸びが低下するため、銅端子との接合(嵌合)の際、不具合を生じるためである。
また、Feの含有量が高い第2の実施態様のアルミニウム合金線材の線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径は5〜30μm、好ましくは8〜15μm、さらに好ましくは10〜12μmである。Feの含有量が高い場合は粒径が微細化する傾向にあるが、それでは未再結晶が残留する可能性があり、Fe量が高い場合はやや高温側で熱処理を行うことが好ましい。
本発明のアルミニウム合金線材は、引張強度(TS)が80MPa以上及び導電率が55%IACS以上であり、好ましくは、引張強度が80〜150MPa及び導電率が55〜65%IACS、より好ましくは、引張強度が100〜120MPa及び導電率が58〜62%IACSである。
引張強度と導電率は相反する性質のものであり、引張強度が高いほど導電率が低く、逆に引張強度が低い純アルミニウムは導電率が高い。そこで、アルミニウム導体を考えた場合、引張強度が80MPa以下では取り扱いを含めて、弱々しく、工業用導体として使用することが難しい。また、導電率は動力線に用いた場合には、数十A(アンペア)の高電流が流れるため、最低55%IACSは必要である。
機械的特性のTSとYSの比により、線材の撚り方が変わってくる。それは、加工硬化指数が違っているためである。この加工硬化指数とは一般にn値と呼ばれ、材料の加工しやすさをあらわす一つの指標である。一般的に加工硬化指数が大きいほど変形しやすいと言われているが、合金組成や焼鈍方法、金属組織(結晶粒径)などが違ってくれば違ってくる。
また、伸び(El)が高い材料ほど加工しやすいことは間違っていないが、これは一つの指標であり、強度が高いほど伸びが低くなるため強度が求められている材料では一概に伸びを求めるために材料強度を落とすことはできない。
よって、最適な撚り線を得るためには強度と伸び、結晶粒径とTS/YSのバランスが必要である。つまり、各合金やその結晶粒径にあったTSとYSの関係があり、それを実現する焼鈍方法によって変わる。
なお、本発明において、TS、YS、ElはいずれもJIS Z 2241に準拠した試験方法により測定された値である。
連続電流焼鈍熱処理がなされたアルミニウム合金線材の場合は、TSとはYSは、1.2≦(TS/YS)≦2.2の式で表わされる関係を満たす。TS/YSが、低すぎる場合は加工硬化が小さく、逆に、高すぎる場合は加工硬化が大きく撚りにくい線となる。好ましくは、1.5≦(TS/YS)≦2である。
連続高温短時間焼鈍熱処理がなされたアルミニウム合金線材の場合は、TSとはYSは、1≦(TS/YS)≦2の式で表わされる関係を満たす。TS/YSが、低すぎる場合は加工硬化が小さく、逆に、高すぎる場合は加工硬化が大きく撚りにくい線となる。望ましくは、1≦(TS/YS)≦1.3が特に優れている。
バッチ式熱処理とは、線材を熱処理ポットと呼ばれる容器の中に入れて、真空または不活性ガス雰囲気の中で比較的長時間(例えば数分〜数時間)の熱処理をすることをいう。この方法ではポット内に入れた材料がほぼ均一に熱処理されることになる。
また、連続電流焼鈍熱処理は線材を通線しながら、その途中の通線工程中に通電ロール(電極)を設置して、その電極間に一定の電圧を印加させて、そのロールに線材が触れることで線材の持つ自己抵抗によりジュール熱を発生させて焼鈍する方式である。この方式では、非常に高温(例えば500℃〜640℃)で極短時間(例えば0.01〜1秒)の熱処理により材料は再結晶する。
また、連続高温短時間焼鈍熱処理は線材を加熱した炉体中を通線することで付与された炉内からの輻射熱によって焼鈍する方式である。この方式でも高温短時間の熱処理により材料は再結晶する。なお、一般的に連続焼鈍炉内の雰囲気は不活性ガスか還元雰囲気ガスである。
連続電流焼鈍熱処理は、好ましくは、電圧が20〜40V、電流値が180〜360Aである。
連続高温短時間焼鈍熱処理は、好ましくは、400〜550℃に加熱した炉内を30〜150m/分で通線するものである。
また、本発明のアルミニウム合金線材が搭載される移動体としては、例えば車両等(自動車、電車、航空機等)が挙げられる。
Fe、Cu、Mg、Si、Ti、V及びAlを表1および2に示す量(質量%)で、黒鉛坩堝を用いてシリコニット炉で溶解し、これを0.5〜180℃/秒の冷却速度で鋳造して、25×25mm×300mmのインチバー鋳塊を製造した。この時、鋳型内部にK型熱伝対をセットし、0〜2秒毎連続的に温度がモニターできるようにして、後ほど、凝固から200℃までの平均冷却速度を求めた。この鋳塊に熱間溝ロール圧延を施して、約10mmφの棒材とした。次いで、表面の皮むきを実施して、9〜9.5mmφとし、これを冷間線引き加工して、2.6mmφとした。この冷間線引きした加工材に、温度300〜450℃で1〜4時間の熱処理を施し、更に、0.3mmφまで伸線加工を行い、表1および2の熱処理方法の欄に記載の条件でバッチ式熱処理(A)、または連続電流焼鈍熱処理(B)、または連続高温短時間焼鈍(CAL式焼鈍)熱処理(C)による焼鈍を施し、アルミニウム合金線材を作製した。
なお、連続電流焼鈍熱処理(B)の電極間距離は80cm、通線速度は300〜800m/分で行った。また、連続高温短時間焼鈍熱処理(C)に用いた熱処理炉の全長は310cmで行った。
伸線方向から切り出した供試材の横断面を樹脂で埋め、機械研磨後、電解研磨を行った。電解研磨条件は、研磨液が過塩素酸20%のエタノール溶液、液温は0〜5℃、電流は10mA、電圧は10V、時間は30〜60秒とした。この組織を200〜400倍の光学顕微鏡で観察、撮影を行って、交差法による粒径測定を行った。具体的には、撮影された写真を約4倍に引き延ばし、直線を引いて、その直線と粒界が交わる数を測定して平均粒径を求めた。なお、粒径は100〜200個が数えられるように直線の長さと数を変えて評価した。
(b)引張強度(TS)
伸線方向から切り出した試験片をJIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、試験時の最大荷重を読み取り、それを試験片の断面積で除してその平均値を求めた。
(c)0.2%耐力値(YS)
伸線方向から切り出した試験片をJIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、試験時のYSに相当する荷重をチャート上から読み取り、それを試験片の断面積で除してその平均値を求めた。
(d)伸び(El)
伸線方向から切り出した試験片をJIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、試験前に付けたマークの間隔を試験後に突き合わせて測定することで伸びを算出し、その平均値を求めた。
(e)導電率(EC)
伸線方向から切り出した長さ350mmの試験片を20℃(±2℃)に保持した恒温漕に浸し、四端子法を用いて、その比抵抗を測定して導電率を算出した。端子間距離は300mmとした。
これに対し、実施例1〜20では機械的特性および導電性にともに優れ、移動体に搭載されるワイヤーハーネス等の用途に使われる撚り線に好適なアルミニウム合金線材となった。
次に、他の実施例および比較例を示す。表3および表4に記載の合金組成に変えた以外は上記と同様にしてアルミニウム合金線材を得た。ここで、比較例101では、最終焼鈍熱処理を行わなかった。各特性を上記と同様に測定、評価した。表3は本発明の実施例、表4は比較例をそれぞれ示す。
これに対し、実施例101〜115では、機械的特性および導電性にともに優れ、移動体に搭載されるワイヤーハーネス等の用途に使われる撚り線に好適なアルミニウム合金線材となった。
Claims (7)
- Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1.5≦(TS/YS)≦3の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材。
- Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力値(YS;MPa)と前記TSが、1.2≦(TS/YS)≦2.2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材。
- Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1≦(TS/YS)≦2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材。
- Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1.5≦(TS/YS)≦3の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材。
- Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1.2≦(TS/YS)≦2.2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材。
- Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、JIS Z 2241に準拠した、引張強度(TS)が80MPa以上、伸び(El)が15%以上、および0.2%耐力(YS;MPa)と前記TSが、1≦(TS/YS)≦2の式で表わされる関係を満たし、導電率が55%IACS以上である、ことを特徴とするアルミニウム合金線材。
- 配線材として移動体に搭載されるアルミニウム合金線材であって、バッテリーケーブル、ワイヤーハーネス、またはモータ用の導線として撚り線で用いられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム合金線材。
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