JP4609865B2 - アルミニウム合金線材 - Google Patents

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Description

本発明は、電気配線体の導体として用いられるアルミニウム合金線材に関するものである。
従来、自動車、電車、航空機等の移動体の電気配線体として、ワイヤーハーネスと呼ばれる銅または銅合金の導体を含む電線に銅または銅合金(例えば、黄銅)製の端子(コネクタ)を装着した部材が用いられていた。近年の移動体の軽量化の中で、電気配線体の導体として、銅又は銅合金より軽量なアルミニウム又はアルミニウム合金を用いる検討が進められている。
アルミニウムの比重は銅の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)である。このため、純アルミニウムの導体線材に純銅の導体線材と同じ電流を流すためには、純アルミニウムの導体線材の断面積を純銅の導体線材の約1.5倍にする必要があるが、それでも重量では銅に比べて約半分と有利な点がある。
なお、上記の%IACSとは、万国標準軟銅(International Annealed Copper Standard)の抵抗率1.7241×10−8Ωmを100%IACSとした場合の導電率を表したものである。
そのアルミニウムを移動体の電気配線体の導体として用いるためには幾つかの課題があり、その一つに耐クリープ特性の改善がある。アルミニウムは銅と比較して融点が約500℃低く、耐熱性が銅と比較して低いことは周知の事実である。移動体の熱環境は、移動体として自動車を例に挙げた場合、人や荷物が乗るキャビン部分で真夏の灼熱下の暑さでは約80℃、エンジンルームや駆動用モータの部分ではそれらの発熱を考慮すると局所的には約150℃と、アルミニウムにとってはクリープしやすい環境温度になっている。
また、移動体の電気配線体の設置環境は、架空送電線や電力ケーブルなどの設置環境とは異なり、冷却手段を設けることが想定されていないことが多く、このことが移動体用の電気配線体自身の特性向上が強く要求される要因の一つとなっている。
移動体の電気配線体の導体であるアルミニウム電線は端子にかしめられている。この「かしめ」部分が端子とつながっていて電流や信号を伝えている。よって、その部分の電線にクリープが発生すると線が細くなり、かしめ部分から抜ける懸念がある。もちろん、かしめる方法として圧着や圧接などがあるが、いずれも電線の線径が細くなれば、その接続強度は低下することは容易に推測できる。
特に、電気配線体が移動体に使われる場合は、突発的な応力に加えて微振動に伴う小さな応力が常時負荷されているため、電線が端子から抜ける可能性は一般の電子機器(例えば、パソコンやテレビなどの内部配線)に比べれば、高いと考えられる。
よって、耐クリープ特性が優れるアルミニウム導体の開発は、接続信頼性の面からも移動体用途として必要である。
このような用途に対して、送電線用で使用されているのは純アルミニウム(1000系)が多いが、純アルミニウム材は、非特許文献1および非特許文献2に示すように、合金材と比較して耐クリープ特性は悪いと言われている。このため種々の添加元素を加えた合金化の検討が行われている。しかしながら、合金化は導電率の低下を招くことも周知の事実である。よって、導電性を考慮すると、耐クリープ特性が優れている2000系、6000系は使用できず、それ以外の合金系も芳しくない。
ここで、クリープについて説明する。クリープとは、一定の応力、または荷重のもとで、時間とともに塑性変形が進行する現象をいう。原子の拡散が無視できない程度の高温域では、温度やひずみ速度に依存しない降伏応力以下の負荷でも塑性変形し、一定応力下でも、時間経過とともにひずみが増加し、破壊に至る。アルミニウムの場合は150℃付近からこの高温域でのクリープを生じる。
前記アルミニウム導体は恒久的に確実に銅端子と接続されていることが必要であり、その信頼性を図る目安として耐熱性が要求される特性値を満足していることが望まれている。しかしながら、送電線や電力ケーブルに用いられている純アルミニウム系材料や主に自動車用ワイヤーハーネスに関わる特許文献1〜13に挙げられている合金では、移動体用途において満足できる特性とコストを持ち合わせているとは言えなかった。
特に、特許文献1、3、4、8、11〜13などに挙げられている合金では、Zrを添加した合金とすることで耐クリープ特性が改善されるが、導電率が大幅に低下する。さらにAlZr金属間化合物の形成を行なうために長時間の熱処理が必要であり、工程の制御が困難であるという問題がある。
更に、上記したようにアルミニウム(合金)導体は銅端子と接続(圧接、圧着など)されることで、圧縮応力を受けることにより更に、クリープを起こしやすい。この圧縮量は端子種類や導体の線径によって異なるが、約5〜50%である。よって、この圧縮加工を受けた状態で、クリープが起きにくい特性を有することが望まれている。
よって、単純に鈍し材(焼鈍材)の熱処理前後の強度劣化を評価するだけでなく、自動車や電車などの移動体用途の電気・電子機器に使用されるアルミニウム導体の信頼性を具現する耐クリープ特性の評価には、銅端子と導体のかしめ部を模擬した加工歪を付与した状態で耐クリープ特性を評価したアルミニウム(合金)導体が求められている。
特開2004−311102号公報 特開2006−12468号公報 特許3530181号公報 特開2005−336549号公報 特開2004−134212号公報 特開2005−174554号公報 特開2006−19164号公報 特開2006−79885号公報 特開2006−19165号公報 特開2006−19163号公報 特開2006−253109号公報 特開2006−79886号公報 特開2000−357420号公報
軽金属,Vol.19,No.7,p310−315(1969)「アルミニウム稀薄二元系合金の高温クリープ特性」 軽金属,Vol.34,No.1,p8−13(1984)「アルミニウム合金の硬さに及ぼす荷重保持時間の影響と室温クリープ試験」
本発明は、Zrの添加を必要とせずに、圧縮加工を受けた状態でもクリープが起きにくい耐クリープ特性に優れ、さらに引張強度、導電性にも優れた、移動体の電気配線体の導体として用いられるアルミニウム合金線材を提供することを課題とする。
このような状況に鑑み、本発明者らは移動体の電気配線体の導体として用いられるアルミニウム合金線材として望ましい耐クリープ特性を適切に評価する方法を見出した。そして、その評価方法において要求される耐クリープ特性を満足するものとして、アルミニウム合金に含まれる合金成分ならびに伸線方向の垂直断面における結晶粒径を適正に規定することにより、耐クリープ特性、更には引張強度、導電率を改善し得ることを知見し、この知見に基づき本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、その伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材、
(2)Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有し、最終焼鈍後、加工率5〜50%で冷間加工されたアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が5×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材、
(3)Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を総計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、その伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材、
(4)Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を総計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有し、最終焼鈍後、加工率5〜50%で冷間加工されたアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が5×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材、
(5)引張強度が80MPa以上、かつ、導電率が55%IACS以上である(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金線材、および、
(6)配線材として移動体に搭載されるアルミニウム合金線材であって、バッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用の導線として用いられる、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金線材
を提供するものである。
本発明において、加工率は{(加工前の断面積−加工後の断面積)/加工前の断面積}×100の式で表される数値(%)である。
本発明のアルミニウム合金線材は耐クリープ特性に優れ、さらに引張強度、導電性にも優れた導体であり、移動体に搭載用の導体、特にバッテリーケーブル、ハーネス、およびモータ用導体として有用なものである。
図1は、一般的なクリープ試験を行って得られる、典型的な歪と時間の相対関係であるクリープ曲線を示すグラフである。 図2は、図1で得られたクリープ曲線に期毎に接線を引いた状態を示すグラフである。
本発明の好ましい第1の実施態様は、Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらにTiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、その伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下のアルミニウム合金導電線材である。本実施態様のアルミニウム合金線材は、耐クリープ特性に優れている。
本実施態様において、Feの含有量を0.1〜0.4mass%とするのは、主にAl−Fe系の金属間化合物による様々な効果を利用するためである。Feはアルミニウム中には融点付近の温度(655℃)において、約0.05mass%しか固溶せず、室温では更に少ない。残りは、Al−Fe、Al−Fe−Si、Al−Fe−Si−Mg、Al−Fe−Cu−Siなどの金属間化合物として晶出または析出する。この晶出物または析出物は結晶粒の微細化材として働くと共に、強度を向上させる。Feの含有量が少なすぎるとこの効果が十分ではない。また、多すぎると、その効果が飽和し工業的に望ましくない。Feの含有量は好ましくは0.15〜0.3mass%、さらに好ましくは0.18〜0.25mass%である。
本実施態様において、Cuの含有量を0.1〜0.3mass%とするのは、Cuはアルミニウム母材中に固溶して強化し、耐クリープ特性を向上させるためである。その場合、Cuの含有量は少なすぎるとその効果が十分に発揮できず、多すぎると導電率の低下を招く。また、Cuの含有量が多すぎると他の元素と金属間化合物を形成して溶解時のノロ(スラグ)の発生などの不具合を生じる。Cuの含有量は好ましくは0.15〜0.25mass%、さらに好ましくは0.18〜0.22mass%である。
本実施態様において、Mgの含有量を0.02〜0.2mass%とするのは、Mgはアルミニウム母材中に固溶して強化し、耐クリープ特性を向上させるためである。また、一部はSiと析出物を形成して強度を向上させるためである。Mgの含有量は少なすぎると前記の効果が十分ではなく、多すぎると導電率を低下させその効果も飽和する。さらに、Mgの含有量が多すぎると他の元素と金属間化合物を形成して溶解時のノロの発生などの不具合を生じる。Mgの含有量は好ましくは0.05〜0.15mass%、さらに好ましくは0.08〜0.12mass%である。
本実施態様において、Siの含有量を0.02〜0.2mass%とするのは、上記したようにSiはMgと化合物を形成して強度を向上させるためである。Siの含有量は少なすぎると前記の効果が十分ではなく、多すぎると導電率を低下させその効果も飽和する。また、Siの含有量が多すぎると他の元素と金属間化合物を形成して溶解時のノロの発生などの不具合を生じる。Siの含有量は好ましくは0.05〜0.15mass%、さらに好ましくは0.08〜0.12mass%である。
本実施態様において、TiとVは共に溶解鋳造時の鋳塊の微細化材として作用する。鋳塊の組織が粗大であれば、次工程の加工工程で割れが発生して工業的に望ましくない。そこで、TiおよびVを鋳塊の組織を微細化するために添加する。その含有量は、TiとVの合計が少なすぎると微細化の効果が十分ではなく、多すぎると導電率を大きく低下させ、その効果も飽和する。TiとVの合計の含有量は好ましくは0.05〜0.08mass%、さらに好ましくは0.06〜0.08mass%である。また、TiとVを共に用いる場合は、その比率はTi:V(質量比)で好ましくは10:1〜10:3である。
本発明の好ましい第2の実施態様は、Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を総計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、その伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下のアルミニウム合金線材である。本実施態様のアルミニウム合金線材は、第1の実施態様と同様に、耐クリープ特性に優れている。
第2の実施態様において、Feの含有量を0.3〜0.8mass%とするのは、Feの含有量が少なすぎると、他の元素(特にCu、Mg、Si)の含有量によっては、強度及び耐クリープ特性向上の効果が不十分となり、多すぎると過剰な晶出物の形成により伸線加工工程で断線の原因となるためである。Feの含有量は好ましくは0.4〜0.8mass%、さらに好ましくは0.5〜0.7mass%である。
また、第2の実施態様において、Cu、Mg、Siの含有量の総計を0.02〜0.5mass%とするのは、少なすぎると強度及び耐クリープ特性向上の効果が不十分であり、多すぎると導電率が低下するためである。また、含有量が多すぎると、選択する元素によって他の元素と金属間化合物を形成して溶解時のノロの発生などの不具合を生じるためである。Cu、Mg、Siの含有量の総計は、好ましくは0.1〜0.4mass%、さらに好ましくは0.15〜0.3mass%である。
そのほかの合金組成については上記第1の実施態様と同様である。
本発明のアルミニウム合金線材は、上記の合金組成以外に、結晶粒径およびクリープ速度を厳密に制御して製造されている。
(結晶粒径)
第1の実施態様のアルミニウム合金線材の線材において伸線方向に垂直な断面における結晶粒径は5〜25μm、好ましくは8〜15μm、さらに好ましくは10〜12μmである。結晶粒径が小さすぎると部分再結晶組織が残存して伸びが著しく低下するためであり、結晶粒径が大きすぎると粗大な組織を形成して変形挙動が不均一となり、同様に伸びが低下するため、銅端子との接合(嵌合)の際、不具合を生じるためである。
また、Feの含有量が高い第2の実施態様のアルミニウム合金線材の線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径は5〜30μm、好ましくは8〜15μm、さらに好ましくは10〜12μmである。Feの含有量が高い場合は粒径が微細化する傾向にあるが、それでは未再結晶が残留する可能性があり、Fe量が高い場合はやや高温側で熱処理を行うことが好ましい。
(耐クリープ特性)
上記第1および第2の実施態様においては、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷のクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下である。
ここで、設定温度の150℃は、社団法人 日本アルミニウム協会編アルミニウムハンドブック(第6版)によれば、クリープ現象は100℃近傍のかなり低温側から起こると記載されており、この温度条件が実際の移動体に搭載されて用いられる線材の評価条件として適した温度である。
図1は、一般的なクリープ試験を行って得られる、典型的な歪と時間の相対関係を示すグラフである。図1中、縦軸はひずみで上に行くほどひずみが大きくなり、横軸は時間であり右にいくほど経過時間が長いことを示す。また、×は破断した点を示す。図1に示してあるように、典型的には、クリープは3つの区分に分けられ、第1期クリープ(遷移クリープ)、第2期クリープ(定常クリープ)、第3期クリープ(加速クリープ)である。この場合、第2期クリープの定常クリープ速度を遅延させることが耐クリープ特性を高める上でポイントとなる。したがって、第2期クリープ速度が小さいことが望まれている。
本発明の第1および第2の実施態様では、JIS Z 2271に準拠したクリープ試験において、温度150℃で、試験開始後1〜100時間の平均クリープ速度が0.2%耐力値の20%が負荷された状態で1×10−3(%/時)以下であり、好ましくは0.5×10−3(%/時)以下、さらに好ましくは0.1×10−3(%/時)以下である。この平均クリープ速度の下限値には特に制限はないが、通常1×10−5%/時以上である。これは、第1期クリープ(遷移クリープ)を除外し、かつ、幾つかの合金の1000時間までのデータを取得し、100時間までのデータと比較した場合、その傾き≒クリープ速度はほとんどその違いは見られなかったため1〜100時間の平均クリープ速度を規定するものである。
なお、ここではJIS Z 2271で規定されている試験片とは異なる試験片で評価した。試験片(φ0.3)では、上記JISで示されている試験片は作成できないため、クリープを測定する基準をマーキングして実施した。その他の条件については、上記JISに準拠して測定を行った。
また、一般的に負荷応力が高いとクリープ速度は速くなり、逆に、低いとクリープ速度は遅くなる。一般的な電線や今回の用途に考えている移動体に用いられる電線などの場合、使用時に負荷される応力は低い。例えば、移動体である自動車に用いられるワイヤーハーネス用電線には、一般に被覆材が付いている。また、複数の電線を束ねるテープ等が付いており、まれに、垂れ下がった部分にジョイントやコネクタハウジングなどが付けられることもあるが、それらをあわせても荷重は小さく、電線に高い応力は負荷されない。そこで、本発明では0.2%耐力値の20%を付加した値で平均クリープ速度を規定するものである。ここで「0.2%耐力値」は引張試験(JIS Z 2241)で得られる値(降伏応力のこと)である。これを20%付加するとは、例えば、0.2%耐力値(降伏応力)が50MPaの場合、10MPaを付与することである。
また、平均クリープ速度が1×10−3(%/時)とは100時間後のクリープが0.1%ということを意味する。この値以下の速度であればほとんど使用上、問題は無い。
本発明の導体の用途の対象である移動体の場合、その耐久使用期間を10年と考えれば87600時間、20年と考えれば約17.5万時間である。
種々の温度と時間をパラメータにした評価方法の一つにラーソン・ミラー・パラメータ(Larson−Miller Parameter:LMP)(数1)による評価方法がある。これは温度と時間を変えた実験において、受けた熱エネルギーを等価に評価する考え方である。
(数1)
ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)
=T×(20+Log(t))
(ここで、T(温度)の単位はK(絶対温度)、t(時間)の単位は時(hour)である。)
本発明のアルミニウム合金線材は、好ましくは移動体に用いられるアルミニウム合金線材であり、それが用いられる最高温度は上記のように車のエンジンルームの温度であるが、その最高温度が長時間維持されることはなく、キャビンなどの室内環境ではそれ以下の温度(例えば、80℃:約353K)で長時間保持されると予想される。
そこで、仮に80℃で10年間保持されれば、ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)は約8800、80℃で20年間保持されれば、LMPは約8910である。
上記の評価条件(温度150℃で100時間)では、ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)は約9300であり、これと等価なエネルギーは、80℃では200年以上である。よって、温度150℃で100時間保持した方が80℃で10年間保持するよりLMPの値が高いため、この評価を行っていれば十分である。
図2は、図1で得られたクリープ曲線に期毎に接線を引いた状態を示す。このうち、第2期の定常クリープにおける接線の傾きを平均クリープ速度とするものであり、本発明においては試験開始後1〜100時間はこの第2期に含まれる。
本発明のアルミニウム合金線材は、好ましくは引張強度が80MPa以上及び導電率が55%IACS以上であり、さらに好ましくは、引張強度が80〜150MPa及び導電率が55〜65%IACS、より好ましくは、引張強度が100〜120MPa及び導電率が58〜62%IACSである。
引張強度と導電率は相反する性質のものであり、引張強度が高いほど導電率が低く、逆に引張強度が低い純アルミニウムは導電率が高い。そこで、アルミニウム導体を考えた場合、引張強度が80MPa以下では取り扱いに相当の注意を要するほど弱々しく、工業用導体として使用することが難しい。また、導電率は動力線に用いた場合には、数十A(アンペア)の高電流が流れるため、55%IACS以上であることが好ましい。
本発明のアルミニウム線材は、溶解、熱間または冷間加工(溝ロール加工など)、伸線加工と熱処理(好ましくは、下記特定の焼鈍)の各工程を経て製造することができる。
例えば、上記の第1の実施態様のアルミニウム合金線材は以下のようにして作製することができる。Feを0.1〜0.4mass%、Cuを0.1〜0.3mass%、Mgを0.02〜0.2mass%、Siを0.02〜0.2mass%、TiとVを合計で0.001〜0.01mass%、残部アルミニウムと不可避不純物を溶解して鋳造し、鋳塊を製造する。この鋳塊に熱間溝ロール圧延を施して、棒材とする。次いで、表面の皮むきを実施して伸線加工し、この加工材に中間焼鈍(例えば、300〜450℃で1〜4時間)を施し、更に伸線加工を行う。さらに、最終焼鈍(線材の製造工程を通して最後に行われる焼鈍)として、バッチ熱処理、電流焼鈍、またはCAL(連続焼鈍)熱処理のいずれかを施し、場合によって最後に所定の加工率で冷間加工を行うことにより作製することができる。
また、上記第2の実施態様のアルミニウム合金線材は、例えば、以下のようにして作製することができる。Feを0.3〜0.8mass%、Cu、Mg、Siの中で1元素以上から選択された元素が総計で0.02〜0.5mass%、TiとVを合計で0.001〜0.01mass%、残部アルミニウムと不可避不純物を溶解して鋳造し、鋳塊を製造する。この鋳塊に熱間溝ロール圧延を施して、約10mmφの棒材とする。次いで、表面の皮むきを実施して伸線加工し、この加工材に中間焼鈍として熱処理(例えば、300〜450℃で1〜4時間)を施し、更に伸線加工を行う。さらに、最終焼鈍としてバッチ熱処理、電流焼鈍、またはCAL熱処理のいずれかを施し、場合によって最後に所定の加工率で冷間加工を行うことにより作製することができる。
また、合金を溶解して鋳塊を鋳造する際の冷却速度は、通常0.5〜180℃/秒、好ましくは0.5〜50℃/秒、更に好ましくは1〜20℃/秒である。冷却速度を上記の範囲とすることで固溶Fe量、並びにFe系の晶出物のサイズと密度を制御することができる。
クリープ速度と結晶粒径は大きな関係がある。一般的に結晶粒径の大きい材料の方がクリープ速度が遅く、粒径が小さい材料の方がクリープ速度は速い傾向がある。これは、固溶型合金の例であるが、本発明では結晶粒径を制御するために最終焼鈍時の熱処理を以下のように行うことが好ましい。
まず、バッチ式の焼鈍の場合には、伸線加工された材料を300〜450℃で10〜120分間の熱処理を行うことで所望の5〜25μmまたは5〜30μmの粒径を得ることができる。好ましくは、温度は350〜450℃で時間は30〜60分間である。
一方、連続焼鈍を行う場合には、例えば、次の2つの方法がある。一つは電流焼鈍である。これは線材に連続的に電極シーブと電極シーブ間に印加された電流を通電することにより線材内で発生したジュール熱が使われて、それにより連続的に焼鈍される。好ましくは電圧20〜40V、電流値180〜360A、通線速度は好ましくは100〜1000m/分である。
もう一つは加熱された炉内を通線することで焼鈍するCAL(連続焼鈍)方式である。これは、好ましくは400〜550℃、さらに好ましくは420〜500℃に加熱した炉内を通線することで再結晶焼鈍を行うが、これも線速度を変えることで所望の結晶粒径を得ることができる。
熱処理炉の全長は好ましくは100〜1000cmで、線速は好ましくは30〜150m/分である。
本発明の別の実施態様は、上記と同様の最終焼鈍後、加工率5〜50%の冷間加工を行って得られた、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が5×10−3(%/時)以下、好ましくは3×10−3(%/時)以下、さらに好ましくは1×10−3(%/時)以下のアルミニウム合金線材である。この平均クリープ速度の下限値には特に制限はないが、通常1×10−5%/時以上である。前記最終焼鈍後の冷間加工を施されたアルミニウム合金線材は、加工硬化により未加工材に比べて高硬度を有するので、例えば端子との接合部などにおいても、平均クリープ速度が5×10−3(%/時)以下であれば、使用上問題がない場合が多い。しかし、平均クリープ速度は低い方が好ましい。また、この実施態様の合金組成、結晶粒径、引張強度、及び導電率については、上記第1および第2の実施態様におけるものと同様である。
また、冷間加工の加工率を上記の範囲としたのは以下の理由による。すなわち、銅製端子(コネクタ)と接合される場合、従来の銅製導体の圧縮率を見ると該冷間加工の加工率が小さすぎると接合強度を満たせず、逆に大きすぎると付与された歪みが飽和するため過度の高加工は不要であるからである。この冷間加工の加工率は、好ましくは10〜40%、さらに好ましくは20〜30%である。
本発明のアルミニウム合金線材は、それに限定されるものではないが、例えば移動体中で用いられる、バッテリーケーブル、ハーネス、モータ用の導線に好適に用いることができる。
また、本発明のアルミニウム合金線材が搭載される移動体としては、例えば自動車などの車両、電車、航空機などが挙げられる。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。なお本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
実施例1〜30、比較例1〜21
Fe、Cu、Mg、Si、Ti、V及びAlを表1および表2に示す量で黒鉛坩堝を用いてシリコニット炉で溶解し、鋳造して、25×25mm×300mmのインチバー鋳塊を製造した。この時、鋳型内部にK型熱電対をセットし、0〜2秒毎連続的に温度がモニターできるようにして、凝固から200℃までの平均冷却速度を求めた。この鋳塊に熱間溝ロール圧延を施して、約10mmφの棒材とした。次いで、表面の皮むきを実施して9〜9.5mmφとし、伸線加工して2.6mmφとした。この加工材に温度300〜450℃、1〜4時間の条件で中間焼鈍を施した。さらに伸線加工を行い、表1および2の熱処理方法の欄に記載の条件でバッチ熱処理(A)、電流焼鈍(B)、またはCAL(連続焼鈍)熱処理(C)から選ばれるいずれかの最終焼鈍を施した。最後に、必要に応じて表1〜4に示す加工率で冷間加工を行い、0.31mmφのアルミニウム合金線材を作製した。以下に本実施例および比較例で実施した加工率が得られる伸線加工(線径)及び熱履歴を示す。
加工率0% (中間焼鈍)→0.31mmφ→(最終焼鈍)
加工率5% (中間焼鈍)→0.32mmφ→(最終焼鈍)→0.31mmφ
加工率10% (中間焼鈍)→0.33mmφ→(最終焼鈍)→0.31mmφ
加工率20% (中間焼鈍)→0.35mmφ→(最終焼鈍)→0.31mmφ
加工率30% (中間焼鈍)→0.37mmφ→(最終焼鈍)→0.31mmφ
加工率40% (中間焼鈍)→0.40mmφ→(最終焼鈍)→0.31mmφ
加工率50% (中間焼鈍)→0.44mmφ→(最終焼鈍)→0.31mmφ
なお、電流焼鈍(B)は電極間距離80cm、通線速度300〜800m/分の条件で行った。CAL熱処理(C)は熱処理炉の全長310cmの条件で行った。
作製した実施例および比較例のアルミニウム合金線材について下記に記す方法により各特性を測定し、その結果を表1〜4に示す。
(a)結晶粒径
伸線方向から切り出した供試材の横断面を樹脂で埋め、機械研磨後、電解研磨を行った。電解研磨条件は、研磨液が過塩素酸20%のエタノール溶液、液温は0〜5℃、電流は10mA、電圧は10V、時間は30〜60秒とした。この組織を200〜400倍の光学顕微鏡で観察、撮影を行って、交差法による粒径測定を行った。具体的には、撮影された写真を約4倍に引き延ばし、直線を引いて、その直線と粒界が交わる数を測定して平均粒径を求めた。なお、粒径は100〜200個が数えられるように直線の長さと数を変えて評価した。
(b)引張強度(TS)
伸線方向から切り出した試験片をJIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、その平均値を求めた。
(c)導電率(EC)
伸線方向から切り出した長さ350mmの試験片を20℃(±2℃)に保持した恒温漕に浸し、四端子法を用いて、その比抵抗を測定して導電率を算出した。端子間距離は300mmとした。
(d)クリープ速度
JIS Z 2271に準拠したクリープ試験装置を用いて、温度150℃で、0.2%耐力値の20%を負荷して、1〜100時間の平均クリープ速度を求めた。なお、表1〜2において、単位「(%/時)」は、「(%/hr)」と表記している。
ここで、0.2%耐力値(YS)は、伸線方向から切り出した試験片をJIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、試験時のYSに相当する荷重をチャート上から読み取り、それを試験片の断面積で除してその平均値を求めた。
Figure 0004609865
Figure 0004609865
表1及び表2から明らかなように、Fe量が少なすぎる比較例1〜3では引張強度が78MPa以下と低かった。また、Ti+V量が多すぎる比較例4〜8では導電率が53.8%IACS以下と低かった。また、Cu量が少なすぎる比較例9ではクリープ速度が6.3×10−3(%/時)と速く、Cu量が多すぎる比較例10では導電率が53.7%IACSと低かった。また、Mg量が少なすぎる比較例11では引張強度が76MPaと低くかつクリープ速度が6.2×10−3(%/時)と速く、Mg量が多すぎる比較例12では導電率が54.1%IACSと低かった。また、Si量が少なすぎる比較例13では引張強度が77MPaと低くかつクリープ速度が3.8×10−3(%/時)と速く、Si量が多すぎる比較例14では導電率が53.7%IACSと低かった。また、Cu、Mg、およびSiの総量が少なすぎる比較例15では引張強度が71MPaと低くかつクリープ速度が6.5×10−3(%/時)と速かった。また、金属組織が再結晶化しなかった比較例16〜18、20ではクリープ速度が3.4×10−3(%/時)以上と速く、結晶粒径が大きすぎた比較例19と21では引張強度が73MPa以下と低くかつ伸びが他の材料より低く、かしめ部の不具合が懸念されるものであった。
これに対し、実施例1〜30ではクリープ速度が1.4×10−3(%/時)以下であり、引張強度100MPa以上、導電率が55%以上と、いずれの特性も優れたものであった。また、伸びも良好であった。
実施例101〜115、比較例101〜103
次に、他の実施例および比較例を示す。表3および表4に記載の合金組成に変えた以外は上記と同様にしてアルミニウム合金線材を得た。ここで、比較例101では、最終焼鈍熱処理を行なわず、表4に示した高い加工率で冷間加工した。各特性を上記と同様に測定、評価した。表3は本発明の実施例、表4は比較例をそれぞれ示す。
Figure 0004609865
Figure 0004609865
表3及び表4から明らかなように、最終焼鈍せずに金属組織が再結晶化しなかった比較例101では、クリープ速度が2.5×10−3(%/時)と速く、かつ引張強度が高すぎ伸びが低すぎて、工業用導体としてはかしめ部の不具合が懸念されるものであった。最終焼鈍後に冷間加工せずにFe量が多すぎた比較例102ではクリープ速度が1.8×10−3(%/時)と速かった。Zrが添加されている比較例103では、金属組織が再結晶化せず、かつ導電率が大幅に低下した。
これに対し、実施例101〜115では、最終焼鈍後に冷間加工を施さなかった(冷間加工率が0%)例ではクリープ速度が0.8×10−3(%/時)以下、冷間加工率が5〜50%で最終焼鈍後に冷間加工を行なった例ではクリープ速度が2.4×10−3(%/時)以下と、いずれも耐クリープ特性に優れており、かつ、最終焼鈍後に冷間加工を行なった場合と施さなかった場合のいずれも、引張強度が100MPa以上で、導電率が55%以上と、いずれの特性も優れたものであった。また、伸びも良好であった。

Claims (6)

  1. Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、その伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材。
  2. Feを0.1〜0.4mass%と、Cuを0.1〜0.3mass%と、Mgを0.02〜0.2mass%と、Siを0.02〜0.2mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有し、最終焼鈍後、加工率5〜50%で冷間加工されたアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜25μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が5×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材。
  3. Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を総計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有するアルミニウム合金線材であって、その伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が1×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材。
  4. Feを0.3〜0.8mass%と、Cu、Mg、およびSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を総計で0.02〜0.5mass%とを含有し、さらに、TiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含み、残部Alと不可避不純物からなる合金組成を有し、最終焼鈍後、加工率5〜50%で冷間加工されたアルミニウム合金線材であって、前記線材の伸線方向の垂直断面における結晶粒径が5〜30μm、かつ、温度150℃における0.2%耐力値の20%負荷によるクリープ試験で1〜100時間の平均クリープ速度が5×10−3(%/時)以下であることを特徴とするアルミニウム合金線材。
  5. 引張強度が80MPa以上、かつ、導電率が55%IACS以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金線材。
  6. 配線材として移動体に搭載されるアルミニウム合金線材であって、バッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用の導線として用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金線材。
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