JP4607386B2 - キャップシールの装着方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、牛乳等内容物が充填された容器の口部に、筒状のキャップシールを装着するキャップシールの装着方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、牛乳が充填された瓶容器の口部は、キャップ等の蓋体で閉塞された後に、封緘を目的として熱収縮性を備えたキャップシールが装着されているのが一般的である。このキャップシールを収縮させるには、シュリンクトンネル内を蒸気(水蒸気及び水蒸気が結露した湯気)によりそれぞれ所定の温度雰囲気に維持し、その蒸気雰囲気内を容器を通過させる際に、キャップシールを加熱収縮させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
牛乳は冷却された状態で容器に充填されていることから、容器を加熱するのは好ましいものではない。しかしながら、シュリンクトンネル内に充満する蒸気でキャップシールを加熱すると、容器も加熱してしまう。特に、近年では、瓶容器は薄く形成されていることから、蒸気熱が瓶容器を介して牛乳に達しやすく、品質低下のおそれがある。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、キャップシールを加熱収縮させる際に、容器の加熱不要な部分を可及的に加熱するのを防止して、内容物の温度上昇を抑制し、品質の低下を防止することができるようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が上記課題を解決するために、キャップシールの装着方法及びその装置としてなされたものであり、キャップシールの装着方法としての特徴は、牛乳等内容物が充填された容器2の口部2aに被嵌された熱収縮性を有する筒状のキャップシール6を、加熱収縮させるキャップシールの装着方法であって、前記容器2を搬送装置4にて搬送させてシュリンクトンネル5を通過させる際に、前記キャップシール6に蒸気噴出手段8から蒸気を噴出してキャップシール6を加熱収縮させる共に、前記容器2の胴部2bに冷却水噴出手段12から冷却水を噴出し、その後に、前記容器2及び収縮後のキャップシール6に冷却水噴出手段13から冷却水を噴出することにある。
【0006】
そして、キャップシール6に蒸気噴出手段8から蒸気を噴出してキャップシール6を加熱収縮させる際には、容器2の胴部2bに冷却水噴出手段12から冷却水を噴出していることから、容器2の口部2aのみ部分的に加熱するたとができ、容器2が不用意に加熱されるのを防止できる。その後、前記容器2及び収縮後のキャップシール6に冷却水噴出手段13から冷却水を噴出することで、加熱されたキャップシール6及び容器2を迅速に冷却し、内容物の温度上昇を防止することが可能となる。
【0007】
キャップシールの装着装置としての特徴は、牛乳等内容物が充填され且つ口部2aに熱収縮性を有する筒状のキャップシール6が被嵌された容器2を搬送する搬送装置4と、前記キャップシール6を加熱収縮させるシュリンクトンネル5とを備えたキャップシールの装着装置において、前記シュリンクトンネル5には、前記キャップシール6に蒸気を噴出してキャップシール6を加熱収縮させる蒸気噴出手段8及び前記容器2の胴部2bに冷却水を噴出する冷却水噴出手段12を備えたゾーンBと、前記容器2及び収縮後のキャップシール6に冷却水を噴出する冷却水噴出手段13を備えたゾーンCとが設けられていることにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図3において、1はキャップシールの装着装置で、コンベア4により矢印方向に間隔を有して多数の容器(例えば、瓶容器)2が順次搬送され、各瓶容器2の口部2aに被嵌されたキャップシール6をシュリンクトンネル5で加熱収縮させるものである。尚、キャップシール6は、熱収縮性のポリエステル系フィルムやポリスチレン系フィルムに、文字、図柄等が印刷され且つ筒状に形成されている。キャップシール6の径(開口した際の直径)は、容器2の直径(例えば、瓶容器の肩部の直径より若干(1〜10mm)大きくなっている。また、容器2内には内容物として牛乳等の液体が充填され、且つその口部2aはポリエチレン等を成形してなる嵌合キャップ7で閉塞されている。
【0009】
前記シュリンクトンネル5は、容器2の搬送方向上流側から、前記キャップシール6を予備加熱するための第一ゾーンAと、キャップシール6を加熱すると共に、瓶容器2の下部(胴部2b)を冷却するための第二ゾーンBと、キャップシール6及び瓶容器2の全体を冷却するための第三ゾーンCとを備えている。
【0010】
前記第一ゾーンAと第二ゾーンBとは、第一仕切板15aにより区画形成され、且つ、第二ゾーンBと第三ゾーンCとは、第二仕切板15bにより区画形成されている。尚、各仕切板15a,15bには、瓶容器2が通過できるように、仕切板15a,15bの下縁側が開口する通過口17a,17bがそれぞれ形成されている。
【0011】
前記第一ゾーンA及び第二ゾーンB内には、瓶容器2の両側に位置するように、蒸気噴出手段としてのノズル孔が多数穿設された蒸気噴出ノズル8,9がそれぞれ設けられている。各蒸気噴出ノズル8,9は、パイプからなり、瓶容器2の搬送方向に沿うように図示省略のフレーム体にそれぞれ取り付けられている。また、各蒸気噴出ノズル8,9は、フレーム体を上下方向、左右方向(瓶容器2に対して接離する方向)及び瓶容器の搬送方向の前後方向に移動させることにより、3次元的に微調整自在となっている。
【0012】
前記第一ゾーンAの蒸気噴出ノズル8は、図2(イ)に示す如く、単体又は複数のパイプが瓶容器2の両側で且つ瓶容器2の口部の高さ位置(キャップシールの位置)に配置されている。尚、各蒸気噴出ノズル8は、供給蒸気量調整バルブ(図示省略)により、蒸気の噴出量が調整できるようになっている。
【0013】
前記第二ゾーンBは、図2(ロ)に示す如く、瓶容器2の両側に配置されるじゃま板11により、キャップシール6が位置する上部の加熱空間B1と、下部の冷却空間B2とが区画形成されている。前記加熱空間B1には、蒸気噴出ノズル9が単数又は複数段に設けられている。かかる蒸気噴出ノズル9は、前記第一ゾーンAの蒸気噴出ノズル8と同等の高さ位置に設定されており、主に瓶容器2の口部2aに蒸気を噴出するようになっている。
【0014】
前記冷却空間B2内には、冷却水(シャワー水)を噴出するための冷却水噴出ノズル12がそれぞれ設けられている。かかる冷却水噴出ノズル12も前記蒸気噴出ノズル9と同様にノズル孔が多数穿設されたパイプから構成されている。冷却水噴出ノズル12は、瓶容器2の胴部2bに所定温度の水を噴出できるように、配管(図示省略)にそれぞれ接続されている。
尚、前記噴出された冷却水を回収して貯留する回収パン(図示省略)を、前記コンベア4の下方に配置しておくのが好ましい。回収された回収パン内の水は、所定の温度に制御されて再び冷却水噴出ノズル12から噴出される。また、各冷却水噴出ノズル12には、噴出される水量を調整すべく、水量調整バルブがそれぞれ接続されている。
【0015】
前記第三ゾーンCは、前記第二ゾーンBと同様の冷却水噴出ノズル13が設けられている。冷却水噴出ノズル13は、図2(ハ)に示す如く、複数段に設けられている。具体的には、冷却水噴出ノズル13は、冷却水がキャップシール6を含む瓶容器2の全体にかかるように、瓶容器2の下部を冷却するための下部却水噴出ノズル13aから瓶容器2の口部2a及びキャップシール6を冷却する上部却水噴出ノズル13bにわたって、複数の冷却水噴出ノズル13が逆U字状に配置されている。
【0016】
前記シュリンクトンネル5の上壁には、第一ゾーン及び第二ゾーンにそれぞれ臨む強制排気ダクト19,20がそれぞれ接続されている。各排気ダクトは、独立して各ゾーン内の蒸気を強制的に排出する。尚、排出される蒸気とは、水蒸気及び水蒸気が結露した湯気をいう。
【0017】
本実施の形態は以上の構成からなり、次に上記装置を使用してキャップシール6を瓶容器2に装着する場合について説明する。
先ず、キャップシール6を、コンベア4上の表面が濡れた状態の瓶容器2の口部2aに被嵌し、その瓶容器2をシュリンクトンネル5に搬送する。この際、瓶容器2の表面が濡れているため、筒状のキャップシール6の下部が瓶容器2の肩部分に付着し搬送時の位置ズレが防止される。尚、瓶容器2の表面が結露等によって濡れていない場合は、スプレー等によって濡らせば良い。
【0018】
前記第一ゾーンAにおいて、蒸気噴出ノズル8は、瓶容器2の口部2aに被嵌されたキャップシール6の下部側に蒸気を噴出する(図4(a)参照)。これによって、キャップシール6の主に下方側が瓶容器に略密着し、その後、キャップシール6が完全に収縮する以前に、瓶容器2は、第一仕切板15aの通過口17aを介して第二ゾーンB内に到達する。
【0019】
第二ゾーンBにおいて、瓶容器2の上部(首部52)を中心にして、蒸気噴出ノズル9から噴出される蒸気によってキャップシール6は完全に熱収縮し、容器2及び嵌合キャップ7の周面部及び周縁部に密着する。この際、第二ゾーンBの加熱空間B1の温度は、70〜90°C程度である。また、同時に冷却水用ノズル12から、冷却水が容器2の胴部2bに噴出される。前記蒸気噴出ノズル噴出ノズル9から噴出される蒸気は、じゃま板11により冷却空間B2側に移動し難くなり、瓶容器2の胴部2bが加熱されるのを防止できる。
【0020】
更に、前記瓶容器2は第三ゾーンCに到達する。尚、第二仕切板15bを設けたことにより、第二ゾーンB内の蒸気及び空気が第三ゾーンC内に不用意に流れるのを防止できる。第三ゾーンC内において、キャップシール6及び瓶容器2の全体に、冷却水噴出ノズル13から冷却水を噴出する。特に、上部冷却水噴出ノズル13bは、加熱されて収縮したキャップシール6と瓶容器2上部を効果的に冷却する。仮に瓶容器2が前記第一ゾーンA及び第二ゾーン内で加熱された場合であっても、かかる第三ゾーンCにおいて、キャップシール6と共に瓶容器2全体を迅速に冷却するため、瞬時にその熱を取り去ることができ、牛乳が加熱されることはほとんどない。また、瓶容器2の口部2aは、嵌合キャップ7で閉塞され、且つ、キャップシール6の熱収縮によって嵌合キャップ7の周囲が被覆され、保持されているため、上部からの冷却水が瓶容器2に入ることが無く、安全である。尚、冷却水の温度は、5〜25°C程度、好ましくは10〜20°C程度である。
【0021】
本実施の形態は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、前記第一ゾーンAにおいて、キャップシール6を予備収縮しているが、かかる第一ゾーンAは必ずしも必要ではない。また、第三ゾーンCは、上壁及び側壁で覆われていない開放状態でも良い。キャップシール6には開封用のミシン目が設けられていても良い。内容物も牛乳に限定されるものではないが、牛乳のように冷却状態で保存されるものが好ましい。
【0022】
【発明の効果】
本発明のキャップシールの装着方法は、前記キャップシールに蒸気噴出手段から蒸気を噴出してキャップシールを加熱収縮させる共に、前記容器の胴部に冷却水噴出手段から冷却水を噴出し、その後に、前記容器及び収縮後のキャップシールに冷却水噴出手段から冷却水を噴出するので、キャップシールをシュリンクトンネルで加熱収縮させる際に、牛乳瓶等の容器内の内容物の温度上昇を抑え、品質の低下を防止できる。
【0023】
本発明のキャップシールの装着のシュリンクトンネルには、前記キャップシールに蒸気を噴出してキャップシールを加熱収縮させる蒸気噴出手段及び前記容器の胴部に冷却水を噴出する冷却手段を備えたゾーンと、前記容器及び収縮後のキャップシールに同時に冷却水を噴出する冷却水噴出手段を備えたゾーンとが設けられているので、上記方法を容易に実施してキャップシールを良好にシュリンクしつつ品質の低下の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】(イ)はキャップシールに蒸気を噴出する概略断面図、(ロ)はキャップシールに蒸気を噴出すると同時に、容器の胴部に冷却水を噴出する概略断面図、(ロ)は、キャップシール及び容器の全体に冷却水を噴出する概略断面図である。
【図3】シュリンクトンネルの概略断面図である。
【符号の説明】
2…容器、2a…口部、2b…胴部、5…シュリンクトンネル、6…キャップシール、8…蒸気噴出手段、11…蒸気噴出手段、12…冷却水噴出手段、13…冷却水噴出手段、A…第一ゾーン、B…第二ゾーン(ゾーン)、C…第三ゾーン(ゾーン)
Claims (2)
- 牛乳等内容物が充填された容器(2)の口部(2a)に被嵌された熱収縮性を有する筒状のキャップシール(6)を、加熱収縮させるキャップシールの装着方法であって、前記容器(2)を搬送装置(4)にて搬送させてシュリンクトンネル(5)を通過させる際に、前記キャップシール(6)に蒸気噴出手段(8)から蒸気を噴出してキャップシール(6)を加熱収縮させる共に、前記容器(2)の胴部(2b)に冷却水噴出手段(12)から冷却水を噴出し、その後に、前記容器(2)及び収縮後のキャップシール(6)に冷却水噴出手段(13)から冷却水を噴出することを特徴とするキャップシールの装着方法。
- 牛乳等内容物が充填され且つ口部(2a)に熱収縮性を有する筒状のキャップシール(6)が被嵌された容器(2)を搬送する搬送装置(4)と、前記キャップシール(6)を加熱収縮させるシュリンクトンネル(5)とを備えたキャップシールの装着装置において、前記シュリンクトンネル(5)には、前記キャップシール(6)に蒸気を噴出してキャップシール(6)を加熱収縮させる蒸気噴出手段(8)及び前記容器(2)の胴部(2b)に冷却水を噴出する冷却水噴出手段(12)を備えたゾーン(B)と、前記容器(2)及び収縮後のキャップシール(6)に冷却水を噴出する冷却水噴出手段(13)を備えたゾーン(C)とが設けられていることを特徴とするキャップシールの装着装置。
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