JP4606364B2 - ブーム - Google Patents
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また、フロントローダのブームとして、側面視で上側に凸となるラウンド状となるように長手方向中央側で屈曲されたラウンド状ブームがある(特許文献1、2参照)。
さらに、フロントローダのブームとして、本体部分が、平板材を下方に開放状となる断面コ字形に曲げ加工した後にブームの長手方向中央部でさらに曲げ加工して、側面視で上側に凸となる山形状となるように形成されたブームがある(特許文献3参照)。
そこで、側面視で上側に凸となるラウンド状となるように長手方向中央側で屈曲されたラウンド状ブームを、長手方向中央部から前側の前ブーム構成体と、長手方向中央部から後側の後ブーム構成体とから主構成して製作することが考えられている。
この前後のブーム構成体の本体部分を形成するのに、例えば、平板状の板材から板取りされたブーム形成部材を、左右側壁と該左右側壁の上縁部同志を連結する上壁とから構成されるコ字形に曲げ加工し、その後、上側に凸となるラウンド状に曲げ加工される。
そこで、本発明は、前記問題を解消したブームを提供することを目的とする。
ブーム長手方向中央部から前側の前ブーム構成体とブーム長手方向中央部から後側の後ブーム構成体とから主構成され、この前後各ブーム構成体は、左右の側壁の上側縁部同志を上壁によって連結してなる本体を備えると共に、該本体は一枚の板材を曲げ加工することにより形成され、
この前後各ブーム構成体の本体は、一方のブーム構成体の本体を前後反転させると他方のブーム構成体の本体と側面視で同一形状となるよう構成されると共に、該ブーム構成体の長手方向中途部からブームの長手方向中央部側のラウンド形状部と、該ブーム構成体の長手方向中途部からブームの長手方向端部側の直線形状部とからなり、
前記ラウンド形状部は上面が側面視で上側に凸となる円弧状となるように曲げ加工されて形成され、前記直線形状部は上面が側面視で直線状となるように形成されていることを特徴とする。
また、ブームの前端側に作業具を揺動自在に備えると共に、この作業具を揺動させる油圧シリンダをブームの前部上方側に配置してなるローダに採用するのに適している。
図2において、1はトラクタ(走行車両)であり、2は該トラクタ1の前部に着脱自在に装着されたフロントローダ(ローダ)である。
トラクタ1の車体3は、前部のエンジン4と、このエンジン4の後部に連結されたフライホイールハウジングと、このフライホイールハウジングの後部に連結された伝動ケース5とから主構成され、伝動ケース5は前部のクラッチハウジング5Aと後部のミッションケース5Bとから構成されている。
フロントローダ2は、図1にも示すように、サイドフレーム11と、ブーム12と、ブームシリンダ13と、バケットシリンダ14とを左右一対備えていると共に、1つのバケット15(作業具)を備えている。
左右のブーム12は、その基端側(後端側)が左右方向で同じ側にあるサイドフレーム11の上部に枢軸19によって左右軸廻りに回動自在に枢支連結されていると共に、該左右のブーム12は、前部側において、円筒形のパイプ材からなる連結部材20によって連結されている。
バケットシリンダ14は油圧シリンダからなり、このバケットシリンダ14は左右方向で同じ側にあるブーム12の前部の上方側(後述する前ブーム構成体47の上方側)に配置されており、該バケットシリンダ14の一端側(後端側、シリンダのボトム側端部)は前記ブラケット板22の上端側前部のシリンダ枢支部59に枢軸31を介して左右軸廻りに回動自在に枢支連結され、該バケットシリンダ14の他端側(前端側、ピストンロッド先端側)は第1リンク25と第2リンク26との連結部に前記枢軸29を介して左右軸廻りに回動自在に枢支連結されており、該バケットシリンダ14を伸縮(ピストンロッドを出退)させることにより、バケット15が上下揺動(スクイ・ダンプ動作)するように構成されており、このときブームシリンダ14は前記枢軸31を中心として上下に揺動してブーム12に近接・離反する。
該スタンド33は、前端部33aがブーム12の下面側に左右軸回りに回動自在に枢支連結され、後端側の接地部33bがブーム12下面側に着脱自在に係止され、ブーム12に沿った不使用姿勢と、該不使用姿勢から下方に揺動した使用姿勢とに姿勢変更自在とされている。
一方、トラクタ1側には、フロントローダ2を着脱自在に取り付けるためのローダ取付フレーム36が設けられている。
取付プレート37は、鋼板からなる一枚板で形成され、エンジン4の後下部及びフライホイールハウジングの下部の側方に配置され、前部側が前車軸フレーム7の外側面にボルト固定され、後部側の上下部分がフライホイールハウジングの外側面にボルト固定されている。
メインフレーム39は、鋳鋼品の一枚板によって構成されており、該メインフレーム39は、その下部が支持台38の左右方向外端側に溶接によって接合されている。
また、メインフレーム39の前部側の上下方向中途部には、前記サイドフレーム11の下部に設けられた係合ピン18を上方から嵌合させて受持するための受け部41を備えている。
前記構成のフロントローダ2にあっては、メインフレーム39の上部側前部がサイドフレーム11の左右側板16間に挿入状とされた状態でサイドフレーム11の係合ピン18がメインフレーム39の受け部41に上方から嵌合しており、この係合ピン18を受け部41に受持させた状態でメインフレーム39の上部とサイドフレーム11の後部側の上下方向中途部とにわたって連結ピン42を挿通することによりサイドフレーム11がメインフレーム39に取り付られ、これによってフロントローダ2がローダ取付フレーム36に支持されている。
図1及び図3に示すように、前記左右各ブーム12は、側面視で上側に凸となるラウンド形状を呈するように長手方向中央側で湾曲状に屈曲されていると共に、前後の端部から長手方向中央部に行くに従って上下幅が漸次幅広となるように形成されている。
前後のブーム構成体47,48は、本体51と底板52とから構成されていると共に、前後のブーム構成体47,48の本体51は同一形状(側面視前後対称形状)に形成されていて、部材の兼用化が図られている。
また、前後各ブーム構成体47,48の本体51は、該ブーム構成体47,48の、長手方向中途部からブーム12の長手方向中央側の端部に至る部分が、上面が側面視で上側に凸となる円弧状のラウンド形状部51aとされ、ブーム構成体47,48の、長手方向中途部からブーム12の長手方向端部側の端部に至る部分が、上面が側面視で直線状となる直線形状部51bとされている。
前記ラウンド形状部51aを円弧状に形成するには、例えば、凹面を有し且つ該凹面がブーム構成体47,48の上面に対向するようにブーム構成体47,48の上方側に配置されたメス型と、凸面を有し且つ該凸面がブーム構成体47,48の側壁の下側縁部53aに対向するようにブーム構成体47,48の下方側に配置されたオス型とからなるプレス型を設け、このメス型とオス型との間でブーム構成体47,48をプレス成型することによりラウンド形状部51aが形成される。
なお、側壁53の下側縁部53aの側面視形状は板取りの段階で決まるので、円弧状や直線状に限定されることはない。
このように形成された前後のブーム構成体47,48の本体51は、側壁53のブーム12の長手方向中央側の端部が突き合わされて相互に溶接により接合される。
前ブーム構成体47の前端側には、左右側壁53に亘って貫通すると共に該側壁53に溶接固定された筒体からなる前枢支部56が設けられ、この前枢支部56に前記枢軸24を介してバケット9が左右軸回りに回動自在に枢支連結されている。
左右の前ブーム構成体47の左右側壁53の中途部が前記連結部材20によって連結されている。
底板52は、平板で構成されており、上壁54の下側で且つ左右側壁53間に配置され、前後の各ブーム構成体47,48の、ブーム12の長手方向中央側の端部から前後枢支部56,57側に至るように設けられている。
なお、前後の前後のブーム構成体47,48の底板52は別体で形成してもよい。
また、後ブーム構成体48の底板52の後端側は後枢支部57に溶接固定されている。前ブーム構成体47の底板52の前端側も同様に前枢支部56に溶接固定してもよい。
一方、左右一方側のブーム12の底面側には、後部側から連結部材20にわたってブームシリンダ13用とバケットシリンダ14用の油圧配管が底板52に沿うようにして配設され、さらに該油圧配管は連結部材20の下側を該連結部材20に沿って左右他方側のブーム12へと配設され、該油圧配管の中途部又は他方のブーム12側の端部は油圧ホースを介してブームシリンダ13とバケットシリンダ14に接続され、油圧配管の後部側端部は、メインフレーム39等に設けられたコントロールバルブに油圧ホースを介して接続される。
したがって、ブーム12の長手方向中央側において、底板52から側壁53の下側縁部53aまでの距離が大きくなるように形成されており、ブーム12の長手方向中央側において、油圧配管の収容スペースが大きくなっている。
そこで、前後のブーム構成体47,48の本体51の、ブーム12の長手方向中央側の上部側に、切欠部58が形成されており、ブーム12の前後の各端部側からブーム構成体47,48の長手方向中途部にわたっては底板52を下側から側壁53に溶接し、ブーム12の長手方向中央側では切欠部58を介して底板52を上側から側壁53に溶接している。
中央連結板49は、平板を上側に凸となる湾曲状に曲げ加工することにより形成されていて、前記切欠部58を上方から塞ぐように、前後のブーム構成体47,48の上壁54にわたって設けられている。
前記ブラケット板22は、ブーム12の長手方向中央側においてブーム12の左右両側に配置され、且つ前後のブーム構成体47,48の側壁53にわたるように設けられていて、前後のブーム構成体47,48の側壁53の外面に重ね合わされて溶接固定されている。
この長さ違いの3種のブーム12の各ブーム構成体47,48は、ラウンド形状部51aにおける上壁54の円弧の曲率半径が3種とも同じで且つ該上壁54の長手方向の長さAが3種とも同じ長さに形成されていると共にラウンド形状部51aにおける側壁53の下側縁部53aの曲率半径が3種とも同じ半径に形成されており、該3種のブーム12のブーム構成体47,48のラウンド形状部51aはそれぞれ同じプレス型によって形成されている。
また、この長さ違いの3種のブーム12の各ブーム構成体47,48は、直線形状部51bにおける上壁54の長手方向の長さBが比較的大きく異なっており、この直線形状部51bの長さを異ならせることにより、異なる長さの3種のブーム12が形成されている。
したがって、上壁54の円弧部分の長さAも若干異なっていてもよい。
なお、2種又は4種以上の長さの異なるブーム12を形成する場合も前記と同様に形成される。
12 ブーム
14 バケットシリンダ(油圧シリンダ)
15 バケット(作業具)
47 前ブーム構成体
48 後ブーム構成体
51 ブーム構成体の本体
53 側壁
54 上壁
Claims (3)
- 側面視で上側に凸となるラウンド状となるように長手方向中央側で屈曲されたブームであって、
ブーム長手方向中央部から前側の前ブーム構成体(47)とブーム長手方向中央部から後側の後ブーム構成体(48)とから主構成され、この前後各ブーム構成体(47,48)は、左右の側壁(53)の上側縁部同志を上壁(54)によって連結してなる本体(51)を備えると共に、該本体(51)は一枚の板材を曲げ加工することにより形成され、
この前後各ブーム構成体(47,48)の本体(51)は、一方のブーム構成体(47,48)の本体(51)を前後反転させると他方のブーム構成体(47,48)の本体(51)と側面視で同一形状となるよう構成されると共に、該ブーム構成体(47,48)の長手方向中途部からブーム(12)の長手方向中央部側のラウンド形状部(51a)と、該ブーム構成体(47,48)の長手方向中途部からブーム(12)の長手方向端部側の直線形状部(51b)とからなり、
前記ラウンド形状部(51a)は上面が側面視で上側に凸となる円弧状となるように曲げ加工されて形成され、前記直線形状部(51b)は上面が側面視で直線状となるように形成されていることを特徴とするブーム。 - 前後各ブーム構成体(47,48)の本体(51)の左右の側壁(53)の下側縁部(53a)は、ラウンド形状部(51a)において側面視で上側に凸となる円弧状に形成され、直線形状部(51b)において側面視で直線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブーム。
- ブーム(12)の前端側に作業具(15)を揺動自在に備えると共に、この作業具(15)を揺動させる油圧シリンダ(14)をブーム(12)の前部上方側に配置してなるローダ(2)に採用されることを特徴とする請求項1又は2に記載のブーム。
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