JP5094772B2 - 作業機のメインフレーム - Google Patents
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Description
このバックホーは、トラクタの後部に連結されるメインフレームと、このメインフレームの後部に上下方向の軸芯回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケットと、このスイングブラケットに取り付けられた掘削作業装置と、前記スイングブラケットを左右に揺動させるためのトラニオン形油圧シリンダからなるスイングシリンダとを備えている。
メインフレームは、上下一対の主板材と、上下主板材の前部の左右両側に設けられた左右の側板材と、左右側板材同士及び上下主板材の前端部同士を連結する前板材と、上下主板材の前後方向中間部を連結する中間板材等とを備えていて、すべて板金によって形成されている。
主板材、側板材、前板材及び中間板材は相互に溶接によって連結され、スイングボスは上下の主板材に形成された取付穴に挿通されて主板材に溶接固定されており、シリンダボスは下側の主板材に形成された取付穴に挿通されて主板材に溶接固定されている。
また、スイングシリンダは、下側のシリンダ回動支軸をシリンダボスに挿通させた後、シリンダサポートの支持孔をスイングシリンダの上側のシリンダ回動支軸に外嵌すると共に、該シリンダサポートを中間板材にボルト固定することにより取り付けられる。
このメインフレームは、組み立てる際に、治具を使って各板材の位置決めをしているものの、スイングブラケットの回動軸芯とスイングシリンダの回動軸芯との平行度の精度が安定しない場合がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、スイングブラケットの回動軸芯とスイングシリンダの回動軸芯との平行度の精度を正確に出すことができる作業機のメインフレームを提供することを目的とする。
掘削作業装置が取り付けられるスイングブラケットを上下方向の軸芯回りに回動自在に支持するためのスイング支持部と、
前記スイングブラケットを左右に揺動させるスイングシリンダを上下方向の軸芯回りに回動自在に支持するためのシリンダ支持部とを備え、
前記スイング支持部とシリンダ支持部とを鋳造によって一体形成したことを特徴とする。
また、上壁と下壁とを左右両側に備えたアウトリガー支持枠で連結し、この左右アウトリガー支持枠を、上側のシリンダ支持部を備えたシリンダサポートが取り付けられる縦壁によって連結してもよい。
また、前記縦壁の前面に、上側のシリンダ支持部を備えたシリンダサポートを当て付けて位置決めする接当面を設け、この接当面に接当させた状態でシリンダサポートを縦壁に取付固定するようにしてもよい。
図1〜図7は本発明の一実施形態を示し、図8〜図12は他の実施形態を示している。
図3において、1はトラクタの後部に着脱自在に取り付けられる作業機として例示するバックホーを図示している。
このバックホー1は、トラクタの後部に着脱自在に連結されるメインフレーム2と、このメインフレーム2の後部に上下方向の軸芯X回りに回動自在(左右揺動自在)に支持されたスイングブラケット3と、このスイングブラケット3を左右に揺動するためのスイングシリンダ4と、スイングブラケット3に取り付けられた掘削作業装置5と、メインフレーム2の上部に設けられたコントロールボックス6と、メインフレーム2の左右両側に設けられる図示省略のアウトリガー装置とを備えている。
また、この実施形態にあっては、バックホー1に装備された油圧シリンダを制御する制御弁を集約してなるコントロールバルブ8はコントロールボックス6の下方側に配置されているが、該コントロールバルブ8がコントロールボックス6内部に設けられているタイプのバックホー1であってもよい。
また、掘削作業装置5は、ブーム9を揺動させるブームシリンダ12と、アーム10を揺動させるアームシリンダ13と、バケット11を揺動させるバケットシリンダ14とを備えており、各シリンダ12,13,14は油圧シリンダからなる。
各フレーム取付部16は、上下方向の軸芯Xを有する軸挿通孔18を備えた上下の取付ボス16Aからなる。
また、各ロッド取付部17も上下方向の軸芯Yを有する軸挿通孔19を備えた上下の取付ボス17Aからなる。
また、スイングシリンダ4は、シリンダチューブ23から後方側に出退自在に突出するピストンロッド24を有し、このピストンロッド24の先端側には、取付け用のピストンボス25が設けられ、このピストンボス25には上下方向の軸芯を有する軸挿通孔26が貫通形成されている。
前記上壁27は一枚のプレートによって構成されていて壁面が上下方向に面する(板厚方向が上下方向と一致する)ように配置されている。
後下壁28Bの前部の左右両側には、上面側から下方に向けて凹む凹部33(段部)が設けられ、この凹部33に、左右の前下壁28Aの前部の左右方向内方側が載置されると共に溶接によって固着されている。
上壁27の前端側の左右両側には左右方向の軸芯を有するピン挿通孔34を備えた上連結部材35が固定され、左右各側板材30の下部には、該側板材30を貫通する左右方向の軸芯を有する棒材からなる下連結部材36(マウントバー)が設けられ、下連結部材36をトラクタ側の受け部に上方側から受持させると共にトラクタ側に設けた取付部と前記上連結部材35のピン挿通孔34とにわたってピンを挿通することにより、メインフレーム2がトラクタに着脱可能に取り付けられるよう構成されている。
前記左右側板材30の下部は前方側に延出されていて前端側が下連結部材36に固着されている。
左右のアウトリガー支持枠32は、左右方向内方側の上部側が上壁27と前下壁28Aとの間に挿入状とされていて、該上壁27下面と前下壁28A上面とに溶接によって固着されている。
このアウトリガー支持枠32は、板材によって形成されており、前後の支持壁37,38と、前支持壁37の後端上部から後方側に一体的に延出されていて後支持壁38の左右方向内端側に溶接によって固着された連結壁39とから平面視コ字形に形成されている。
前記縦壁31は、本実施形態にあっては、各アウトリガー支持枠32の連結壁39の後端から左右方向内方に向けて一体的に延出されていて壁面が前後方向を向くように設けられている。この縦壁31は、本実施形態では左右一対設けられており、左右縦壁31間に空間を有する。
なお、縦壁31は、アウトリガー支持枠32とは別体で形成されていてもよく、また、一枚物の板材によって形成されていてもよい。
前記左右の縦壁31の上部に、前記コントロールバルブ8が取付固定されている。
また、左右各縦壁31の後面の上下方向中途部には三角形状の補強板42が重ね合わされて溶接によって縦壁31に固着されており、この補強板42及び縦壁31を貫通するボルト挿通孔43が形成されている。
この上側のスイング支持部44Aは内部に上下方向に貫通状で且つ上下方向の軸芯Xを有する軸挿通孔45を備えた円柱状に形成されていて、上壁27に形成された上下方向貫通状の取付孔46に挿通されると共に溶接によって上壁27に固着されている。
この下側のスイング支持部44Bは、内部に上下方向に貫通状で且つ上下方向の軸芯Xを有する軸挿通孔45を備えた円柱状に形成されていて、後下壁28Bに鋳鋼(鋳造)によって一体形成されている。
スイングブラケット3は、該スイングブラケット3の上側フレーム取付部16の上下取付ボス16A間に上側のスイング支持部44Aが挿入されると共に、スイングブラケット3の下側フレーム取付部16の上下取付ボス16A間に下側のスイング支持部44Bが挿入されるように、メインフレーム2に対してスイングブラケット3を配置し、該状態で、スイングブラケット3の上下取付ボス16A及びスイング支持部44の軸挿通孔45にスイング支軸51を挿通すると共に該スイング支軸51を取付ボス16Aにピン固定して抜け止めすることにより、スイングブラケット3がメインフレーム2に上下方向の軸芯X回りに左右揺動自在に支持されている。
この下側のシリンダ支持部52は、内部に上下方向の軸芯Zを有する軸支孔53を備えた円柱状に形成されていて、後下壁28Bに鋳鋼(鋳造)によって一体形成されている。
また、下側のシリンダ支持部52の上方側には、スイングシリンダ4の上側の回動支軸21が上下方向の軸芯Z回りに回動自在に支持されるシリンダ支持部54(これを上側のシリンダ支持部という)を有するシリンダサポート56が設けられている。
シリンダサポート56には、下側のシリンダ支持部52の軸支孔53と同芯状に配置される軸支孔55が上下方向に貫通形成されており、この軸支孔55の形成部分が上側のシリンダ支持部54とされている。
スイングシリンダ4を取り付けるには、下側のシリンダ支持部52の軸支孔53にスイングシリンダ4の下側の回動支軸22を挿入し、その後、スイングシリンダ4の上側の回動支軸21にシリンダサポート56に形成された上側のシリンダ支持部54の軸支孔55を外嵌すると共にシリンダサポート56を縦壁31にボルト固定することにより、スイングシリンダ4がメインフレーム2にシリンダ
支持部52,54の軸芯Z回りに回動自在に支持される。
本実施形態にあっては、後下壁28Bと下側のスイング支持部44Bと下側のシリンダ支持部52とが鋳鋼によって一体形成されていて、これらの成型時に、下側のスイング支持部44Bの軸挿通孔45と下側のシリンダ支持部52の軸支孔53とが同時に形成されるので、これら軸挿通孔45と軸支孔53との軸芯X,Zの平行度が正確にでる(平行度の精度がよい)。
また、下側のスイング支持部44Bの軸挿通孔45を基準として上壁27を治具によって位置決めして縦壁31及びアウトリガー支持枠32に対して該上壁27を溶接固定し、この上壁27の後端側に形成された取付孔46に上側のスイング支持部44Aを挿通し、且つこの上側のスイング支持部44Aの軸挿通孔45と下側のスイング支持部44Bの軸挿通孔45とにわたって挿通される棒状の治具によって上側のスイング支持部44Aを位置決めして該上側のスイング支持部44Aを上壁27に溶接固定することにより、上側のスイング支持部44Aの軸挿通孔45と下側のスイング支持部44Bの軸挿通孔45との同軸度を精度よく出すことができる。
また、下側のスイング支持部44Bと下側のシリンダ支持部52との軸芯X,Zの平行度が鋳造によって正確にでるので、これらスイング支持部44Bとシリンダ支持部52とが一体形成された鋳造品をベースとしてメインフレーム2を組み立てる際の組立性もよい。
この変形例に係るメインフレーム2にあっては、アウトリガー支持枠32が、前後の支持壁37,38と連結壁39とを板材を折曲することにより一体形成されている。
また、左右のアウトリガー支持枠32の連結壁39の後端側同士は、一枚の板材からなる縦壁31によって連結されている。この縦壁31は壁面が前後方向を向くように設けられ、該縦壁31の左右両端は左右方向で同じ側にある連結壁39に溶接によって固着されている。
また、この縦壁31の下縁の左右方向中央側31bは、上下壁27,28間の中央からやや上側に位置しており、縦壁31の下縁の左右両側31cは下縁中央側31bの左右端部から左右方向外方に行くに従って下方に移行する傾斜に形成され、該縦壁31の下縁の左右両端31c(左右側縁の下端)は、連結壁39の上下方向中央部と下端との中間に位置している。
この縦壁31の後面の左右両側には、前記実施形態のメインフレーム2と同様の補強板42が固着されていると共に、該補強板42及び縦壁31を貫通するボルト挿通孔43が形成されており、縦壁31の前面に前記と同様のシリンダサポート56が接当され、後方側から前記ボルト挿通孔43を挿通してシリンダサポート56のネジ孔に螺合されたボルト58によってシリンダサポート56が縦壁31に取付固定されている。
この図8及び図9に示す形態のメインフレーム2にあっては、後下壁28Bに前下壁28Aを溶接した後に、左右のアウトリガー支持枠32の下部を左右方向で同じ側にある前下壁28Aに溶接固定し、その後、縦壁31を下側のシリンダ支持部52の軸支孔53(軸芯Z)を基準として治具によって位置決めして該縦壁31の左右両端をアウトリガー支持枠32の連結壁39に溶接固定する。
その後、上壁27を後端側に設けた取付孔46が下側のスイング支持部44Bと同芯状となるように、縦壁31及びアウトリガー支持枠32に溶接固定した後、上側のスイング支持部44Aの軸挿通孔45と下側のスイング支持部44Bの軸挿通孔45とにわたって挿通される棒状の治具によって上側のスイング支持部44Aを位置決めして該上側のスイング支持部44Aを上壁27に溶接固定する。
図10〜図14は、他の形態のメインフレーム2を示しており、この形態のメインフレーム2にあっては、下側のシリンダ支持部52、上側のスイング支持部44A及び下側のスイング支持部44Bをそれらを連結する壁部27B,31,28Bと共に鋳鋼(鋳造)によって一体形成したものである。
なお、図10〜図14に示す形態のメインフレーム2は、換言すると、トラクタの後部に着脱自在に連結される前部フレームと、この前部フレームの後端側に溶接によって固定された後部フレームとを備え、前部フレームが、前上壁27A、前下壁28A、左右の前板材29、左右の側板材30によって主構成され、後部フレームが、鋳鋼によって一体形成された後上壁27B、後下壁28B、縦壁31によって構成され、この後部フレームに上側のスイング支持部44A、下側のスイング支持部44B及び下側のシリンダ支持部52が一体形成されているといえる。
コントロールバルブはコントロールボックス6内に設けられ、前上壁27Aには油圧ホース挿通用のホース挿通穴63が形成されている。
アウトリガー支持枠32は、前後の支持壁37,38と連結壁39とが板材を折曲することにより一体形成されている。
縦壁31はアウトリガー支持枠32とは別体であって一枚壁であり、上部に油圧ホース挿通用のホース挿通穴64が形成され、下部にスイングシリンダ4挿通用のシリンダ挿通穴65が前後方向貫通状に形成されている。
また、前下壁28Aの後部の左右方向外側部は、後下壁28Bの前後中途部の側方に延出されていて、該前下壁28Aの後部の左右方向外側部が後下壁28Bの前後中途部の側面に溶接固定されている。
また、下連結部材36は1本の棒材によって構成されている。
この左右のサポート取付部67は、前面側が前方に向けて若干盛り上がるように形成されていると共に、その前面は平坦面に仕上げ加工された接当面68とされている。
また、この左右のサポート取付部67には、スイングシリンダ4の上側の回動支軸21を支持するための上側のシリンダ支持部54を有するシリンダサポート56が取り付けられる。
このシリンダサポート56の、各上側シリンダ支持部54の左右方向外方側がネジ孔を有する被取付部69とされている。
この被取付部69の後面は平坦面に仕上げ加工された被接当面70とされ、該被接当面70を縦壁31に設けられたサポート取付部67の接当面68に当て付けることで、シリンダサポート56(上側のシリンダ支持部54)が下側のシリンダ支持部52に対して位置決めされる。
このシリンダサポート56に設けられた上側のシリンダ支持部54には下方開口状の軸支孔55が形成され、この軸支孔55は鋳型によってシリンダサポート56と同時に形成される。
また、後上壁27Bと、上側のスイング支持部44Aと、後下壁28Bと、下側のスイング支持部44Bと、下側のシリンダ支持部52と、縦壁31とを鋳造によって一体形成しているので、この鋳造品をベースとして、メインフレーム2を組み立てればよく、メインフレーム2の組立性がよい。
5 掘削作業装置
27 上壁
27A 前上壁
27B 後上壁
28 下壁
28A 前下壁
28B 後下壁
31 縦壁
44 スイング支持部
44A 上側のスイング支持部
44B 下側のスイング支持部
52 下側のシリンダ支持部
54 上側のシリンダ支持部
56 シリンダサポート
58 接当面
X スイングブラケットの回動軸芯
Z スイングシリンダの回動軸芯
Claims (5)
- トラクタの後部に着脱自在に連結される作業機のメインフレームであって、
掘削作業装置(5)が取り付けられるスイングブラケット(3)を上下方向の軸芯(X)回りに回動自在に支持するためのスイング支持部(44)と、
前記スイングブラケット(3)を左右に揺動させるスイングシリンダ(4)を上下方向の軸芯(Z)回りに回動自在に支持するためのシリンダ支持部(52)とを備え、
前記スイング支持部(44)とシリンダ支持部(52)とを鋳造によって一体形成したことを特徴とする作業機のメインフレーム。 - 上下方向に間隔をおいて設けられた上下壁(27,28)を備え、下壁(28)を前部の前下壁(28A)と後部の後下壁(28B)とから構成し、前記スイング支持部(44)及びシリンダ支持部(52、54)を上下一対設け、前記上壁(27)の後部に上側のスイング支持部(44A)を設け、下側のスイング支持部(44B)を前記後下壁(28B)の後部に設けると共に該後下壁(28B)の前部に下側のシリンダ支持部(52)を設け、前記後下壁(28B)と下側のスイング支持部(44B)と下側のシリンダ支持部(52)とを鋳造によって一体形成したことを特徴とする請求項1に記載の作業機のメインフレーム。
- 上壁(27)と下壁(28)とを左右両側に備えたアウトリガー支持枠(32)で連結し、この左右アウトリガー支持枠(32)を、上側のシリンダ支持部(54)を備えたシリンダサポート(56)が取り付けられる縦壁(31)によって連結したことを特徴とする請求項2に記載の作業機のメインフレーム。
- 前記上壁(27)を前部の前上壁(27A)と後部の後上壁(27B)とから構成し、前記後上壁(27B)と後下壁(28B)とを連結する縦壁(31)を設け、前記後上壁(27B)と、上側のスイング支持部(44A)と、後下壁(28B)と、下側のスイング支持部(44B)と、下側のシリンダ支持部(52)と、縦壁(31)とを鋳造によって一体形成したことを特徴とする請求項2に記載の作業機のメインフレーム。
- 前記縦壁(31)の前面に、上側のシリンダ支持部(54)を備えたシリンダサポート(56)を当て付けて位置決めする接当面(68)を設け、この接当面(68)に接当させた状態でシリンダサポート(56)が縦壁(31)に取付固定されることを特徴とする請求項4に記載の作業機のメインフレーム。
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