JP2005163375A - 建設機械のアーム - Google Patents
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Abstract
【課題】 アームの先端側の部分について、従来の技術のような強度低下を招かず、従来の技術よりも組立に手間を要しない建設機械のアームを提供する。
【解決手段】 バケット軸着用のピンを挿通する第1のボス1と、一端部がバケットシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を軸着するためのピンを挿通する第2のボス2とを先端側に備えた建設機械のアームを構成する場合、薄肉のチューブ部1b,2bとチューブ部1b,2bの両端に接続されピンを支持する厚肉のピン支持部1a,2aとを有するボス1,2と、ピン支持部1aとピン支持部2aの間を接続する側板部3とを備えたアーム先端ユニット5を、ピン支持部1a,2aとチューブ部1b,2bとの接続部Q及びピン支持部1a,2aと側板部3との接続部Rが応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように、鋳鋼を用いて鋳造により一体的に形成し、これをアーム本体6に溶接して構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 バケット軸着用のピンを挿通する第1のボス1と、一端部がバケットシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を軸着するためのピンを挿通する第2のボス2とを先端側に備えた建設機械のアームを構成する場合、薄肉のチューブ部1b,2bとチューブ部1b,2bの両端に接続されピンを支持する厚肉のピン支持部1a,2aとを有するボス1,2と、ピン支持部1aとピン支持部2aの間を接続する側板部3とを備えたアーム先端ユニット5を、ピン支持部1a,2aとチューブ部1b,2bとの接続部Q及びピン支持部1a,2aと側板部3との接続部Rが応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように、鋳鋼を用いて鋳造により一体的に形成し、これをアーム本体6に溶接して構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バケット等の作業具を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボスと、一端部がバケットシリンダ等の作業具駆動用のシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボスとを先端側に備えた油圧ショベル等の建設機械のアームに関する。
油圧ショベル等の建設機械は、通常、フロントとしての作業機を備えている。この作業機には、揺動可能な作業腕としてアームと、このアームの先端部に回動可能にピンで軸着され、掘削作業等の建設作業を行う作業具を備え、この作業具を、アームに取り付けられた作業具駆動用のシリンダで回動させ得るようにしたものがある。例えば、建設機械の代表的なものである油圧ショベルは、旋回フレーム上に傾動可能に設置されたブームに対して揺動可能に軸着されたアームと、このアームに回動可能にピンで軸着されて掘削作業を行う作業具としてのバケットとを備えている。また、このバケットを駆動するため、作業具駆動用のシリンダとしてのバケットシリンダをアームに取り付けている。
さらに、この種の建設機械では、作業具を作業具駆動用のシリンダで駆動するため、通常、このシリンダの動作を、リンク機構を介して作業具に伝達することによりこれを回動させるようにしている。このリンク機構は、一端部が作業具駆動用シリンダに回動可能に軸着され、他端部が作業具に回動可能に軸着される第1のリンクと、一端部が作業具駆動用シリンダに回動可能に軸着され、他端部がアームに回動可能にピンで軸着される第2のリンクとを設けて構成される。この種の建設機械は、以上のような作業機を設置していることから、そのアームの先端側には、作業具を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボスと、第2のリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボスとを設けている。
こうした一対のボスを先端側に設けた建設機械のアームは、例えば、特許文献1に記載されている。このアームに設けたボスは、周壁の肉厚が均一の一個の円筒体して形成されている。アームに設けるこの種のボスは、これに挿通したピンの両端部付近を支持できるようにすればよく、ピンの中央部分を支持する必要はない。また、この種のボスは、建設作業時に専ら両端部分にピンから大きな力を受ける。そのため、ボスは、両端部分を耐久性を有するように厚肉にして十分な強度をもたせることこが肝要である。一方、中央部分は、それほど大きな強度をもたせる必要がないため、ボスの中央部分を、特許文献1に記載の技術のように両端部分と同じ肉厚に形成すると、材料費が割高になる。
こうしたことから、最近では、ピン支持部としての両端部分を厚肉な円筒部材で形成するとともにボスの中央部分を薄肉のチューブで形成して、このチューブの両端に、ピン支持部としての円筒部材を溶接して形成したボスが開発されている。そして、こうして形成したボスを第1のボス及び第2のボスとして、溶接によりアームの先端側に取り付けてアームを製作するようになってきた。このアームの先端側の部分は、作業具や第2のリンクが取り付けられて建設作業時に著大な応力が発生するため、アームの中枢をなす部分である。本発明は、こうしたアームの先端側の部分を改良しようとするものである。
そこで、この最近製作されているアームを本発明に対する従来の技術として位置付け、
その詳細を、図3及び図4を用いて以下に説明する。図3は、従来の技術に係る建設機械のアームの要部の水平縦断面図、図4は、従来の技術に係る建設機械のアーム全体の側面図である。なお、これらの図には、建設機械のアームの例として、油圧ショベルのアームを示している。
その詳細を、図3及び図4を用いて以下に説明する。図3は、従来の技術に係る建設機械のアームの要部の水平縦断面図、図4は、従来の技術に係る建設機械のアーム全体の側面図である。なお、これらの図には、建設機械のアームの例として、油圧ショベルのアームを示している。
前述したように、油圧ショベルは、ブームに揺動可能に軸着されたアームと、このアームに回動可能にピンで軸着されるバケットとを備えており、このバケットを駆動するために、バケットシリンダをアームに取り付けている。また、このバケットシリンダの伸縮動作をバケットに伝達してバケットを回動させるためにリンク機構を備えている。このリンク機構は、一端部がバケットシリンダに回動可能に軸着され、他端部がバケットに回動可能に軸着される第1のリンクと、一端部が第1のリンクと共にバケットシリンダに回動可能に軸着され、他端部がアームに回動可能にピンで軸着される第2のリンクとを備えている。図には、こうした油圧ショベルの構造のうち、アームに関する構造しか図示していないので、以下の説明については、油圧ショベルに関する以上の説明を念頭におきながら理解されたい。なお、油圧ショベルの具体的な構造については、特許文献1に記載されているので、必要ならば、特許文献1も参照されたい。
図3及び図4において、11は作業具としての油圧ショベルのバケットを回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボス、11aはこの第1のボス11に挿通されるピンを支持するための支持部をなす円筒部材、11bは両端にこうした円筒部材11aが溶接により固着されているチューブ、11cはピンを挿通するためのピン孔、12は前記第2のリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボス、12aはこの第2のボス12に挿通されるピンを支持するための支持部をなす円筒部材、12bは両端にこうした円筒部材12aが溶接により固着されているチューブ、12cはピンを挿通するためのピン孔、13はアームの側板である。
なお、図4において、14はバケットシリンダの端部を回動可能に軸着するためのピンのピン孔14aを有するブラケット、15はブームの端部にアームを回動可能に軸着するためのピンのピン孔15aを有するブラケット、16はこのブラケット15を介してブームに回動可能に軸着されたアームを揺動させるように駆動するためのアームシリンダの端部を軸着するためのピンのピン孔16aを有するブラケットである。
円筒部材11aは、ピンの両端部付近を支持するため、厚肉にして十分な強度をもたせるようにしており、チューブ11bは、ピンを支持しないため、円筒部材11aよりも薄肉に形成して材料費を節減するようにしている。第1のボス11は、こうしたチューブ11bの両端部にそれぞれ円筒部材11aを溶接して固着することにより、アッセンブリとして構成されている。第1のボス11のピン孔11cにピンを挿通したときには、このピンは、チューブ部11bには接触しない状態で挿通され、円筒部材11aの内周面に接触して回動可能に支持される。第2のボス12も、第1のボス11と同様、薄肉のチューブ12bの両端部にそれぞれ厚肉の円筒部材12aを溶接して固着することにより、材料費を節減するようにアッセンブリとして構成されている。また、これのピン孔12cにピンを挿通したときには、ピンは、チューブ部12bには接触しない状態で挿通され、円筒部材12aの内周面に接触して回動可能に支持される。
アームは、間隔を置いて配置した左右の一対の側板13の頂部及び底部に、必要に応じて上板及び底板を溶接等で取り付けることにより、骨組みが形成される。そして、特に、アームの中枢をなすアームの先端側の部分を形成する場合には、図3に示すように、第1のボス11及び第2のボス12が左右の一対の側板13を直角に横切るような態様で円筒部材11a及び円筒部材12aを両側板13に溶接して取り付ける。その場合、第1のボス11は、一対の側板13の先端部に取り付けられ、第2のボス12は、第1のボス11と若干の間隔を置いてその後方に、第1のボス11と平行に配置されるように正確に位置決めされて一対の側板13に取り付けられる。
実願昭58ー20949号(実開昭62ー126615号)のマイクロフィルム(第1−6頁、図1−3)
こうした従来の建設機械のアームは、ボス11,12を構成するチューブ11b,12bを円筒部材11a,12aよりも薄肉に形成することができるため、材料費を節減することができるという利点がある反面、以下のような問題点がある。
第1に、ボス11,12を製作するに当たり、円筒部材11a,12aとチューブ11b,12bやアームの側板13とを溶接することを要するため、これらの部品の溶接による接続部Pに角部のような断面形状が急激に変化する部分が形成されることとなる。すなわち、これらの部品を溶接する場合、溶接部に開先を設ける必要があるため、これらの部品の溶接による接続部Pにこうした部分ができることは避けられない。こうした接続部Pに断面形状が急激に変化する部分が形成されると、建設作業時にこの部分に集中応力が発生するため、アームの中枢をなすアームの先端側の部分の強度が低下する。
第2に、アームの先端側の部分を組み立てる場合、円筒部材11a,12aとチューブ11b,12bや一対のアームの側板13とを、時間のかかる溶接により取り付ける必要がある。そして、特に、円筒部材11a,12aを側板13に溶接する場合には、第1のボス11と第2のボス12とを互いに平行にかつ側板13に直角に配置するように正確に位置決めするための専用の治具を用いて、ボス11、12をこの治具にセットした後に側板13に溶接するという、煩雑な作業を要する。しかも、その場合、重いボス11、12をこの専用の治具に人力によりセットしなければならないため、アームの先端側の部分の組立に多大の手間と労力を要し、ひいては、製作コストの増加をもたらす。
本発明は、こうした従来の技術にみられる問題を解決するために創作されたものであって、その技術課題は、アームの先端側の部分について、従来の技術のような強度低下を招かず、従来の技術よりも組立に手間を要しない建設機械のアームを提供することにある。
本発明は、前記の技術課題を達成するため、
作業具を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボスと、一端部が作業具駆動用のシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボスとを先端側に備えた建設機械のアームを、
ピンが接触しない状態で挿通されるチューブ部とこのチューブ部の両端に接続されピンを回動可能に支持するチューブ部よりも厚肉の一対のピン支持部とを有する第1のボス及び第2のボスと、第1のボスにおける一対のピン支持部及び第2のボスにおける一対のピン支持部の間を接続する一対の側板部とを備えたアーム先端ユニットを、ピン支持部とチューブ部との接続部及びピン支持部と側板部との接続部が応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように、鋳鋼を用いて鋳造により一体的に形成し、こうして形成したアーム先端ユニットをアーム本体に溶接して構成した。
作業具を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボスと、一端部が作業具駆動用のシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボスとを先端側に備えた建設機械のアームを、
ピンが接触しない状態で挿通されるチューブ部とこのチューブ部の両端に接続されピンを回動可能に支持するチューブ部よりも厚肉の一対のピン支持部とを有する第1のボス及び第2のボスと、第1のボスにおける一対のピン支持部及び第2のボスにおける一対のピン支持部の間を接続する一対の側板部とを備えたアーム先端ユニットを、ピン支持部とチューブ部との接続部及びピン支持部と側板部との接続部が応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように、鋳鋼を用いて鋳造により一体的に形成し、こうして形成したアーム先端ユニットをアーム本体に溶接して構成した。
本発明の建設機械のアームは、チューブ部とこのチューブ部の両端に接続される一対のピン支持部とを有する第1のボス及び第2のボスと、一対の側板部とを備えたアーム先端ユニットを鋳造により一体的に形成するようにしているので、アームの先端側の部分に、従来の技術のように溶接による接続部ができることはなく、それゆえ、溶接の際に設ける開先のような断面形状が急激に変化する部分を設ける必要がない。そして、アーム先端ユニットを鋳造により形成する場合に、ピン支持部とチューブ部との接続部及びピン支持部と側板部との接続部が応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成しているので、建設作業時に、これらの接続部に集中応力が発生することはなく、従来の技術のようにアームの先端側の部分の強度が低下するようなことはない。
また、前記のようにアーム先端ユニットを鋳造で一体的に形成することにより、アームの先端側の部分をユニット(部分組立品)として鋳造により形成しているので、ピン支持部とチューブ部との間及びピン支持部と側板部との間を、従来の技術のように時間のかかる溶接により取り付けることは必要なくなるのは勿論のこと、専用の治具を用いて、ボスをこの治具にセットした後にアームの側板に溶接するという、従来の技術にみられるような煩雑な作業を行わないでも済む。そのため、アームの先端側の部分の組立に従来の技術のようには手間や労力を要しない。
以上の結果、本発明によれば、アームの先端側の部分について、従来の技術のような強度低下を招かず、従来の技術よりも組立に手間を要しない建設機械のアームを得ることができる。
以下の説明から明らかなように、本発明の建設機械のアームは、前記〔課題を解決するための手段〕の項に示した手段を採用しているので、アームの先端側の部分について、従来の技術のような強度低下を招かず、従来の技術よりも組立に手間を要しない。本発明の建設機械のアームを具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、アーム本体への溶接用接続部が鋳造によりアーム先端ユニットに一体的に付設されるとともに、溶接用接続部と第2のボスとの接続部が応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成されるので、第2のボスをアーム本体に溶接により接続したときに、その接続部にも、応力集中が生じず、強度低下を招かない。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1及び図2を用いて説明することにより、本発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
図1は、本発明を具体化した建設機械のアームの要部の断面図であり、(a)は水平縦断面図、(b)は垂直縦断面図、図2は、本発明を具体化した建設機械のアーム全体の側面図である。
本発明を具体化した以下に示す例の建設機械のアームは、すでに述べた従来の技術に係る建設機械のアームと同様、作業具としてのバケットを回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボスと、一端部が作業具駆動用のシリンダとしてのバケットシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボスとを先端側に備えた油圧ショベルのアームに関するものである。なお、図1及び図2には、油圧ショベルの構造のうち、アームに関する構造しか図示していない。
図1及び図2において、1は油圧ショベルのバケットを回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボス、1aはこの第1のボス1に挿通されるピンを支持するための第1のボス1の円筒状のピン支持部、1bはこのピン支持部1aが両端に接続されている第1のボス1の円管状のチューブ部、1cはピンを挿通するための第1のボス1のピン孔、2はシリンダの動作をバケットに伝達するためのリンク機構における第2のリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボス、2aはこの第2のボス2に挿通されるピンを支持するための第2のボス2の円筒状のピン支持部、2bはこのピン支持部2aが両端に接続されている第2のボス2の円管状のチューブ部、2cはピンを挿通するための第2のボス2のピン孔、3はアーム先端ユニット4の側板部、4はアーム先端ユニット5をアーム本体6に溶接により接続するための溶接用接続部、5はアームの先端側の部分をユニット(部分組立品)として一体的に形成したアーム先端ユニット、6はこのアーム先端ユニット5を取り付けてアームを構成するためのアーム本体である。
第1のボス1は、左右一対のピン支持部1aとチューブ部1bとの集合体として一体的に形成されている。このうち、チューブ1bは、薄肉に形成してピンを接触させない状態で挿通できるようにしており、ピンの両端部付近を支持するピン支持部1aは、チューブ1bよりも厚肉に形成して十分な強度をもたせるようにしている。同様にして、第2のボス2は、左右一対のピン支持部2aとチューブ部2bとの集合体として一体的に形成されており、チューブ部2bをピンが接触しない状態で挿通されるように形成するとともに、ピン支持部2aをチューブ部2bよりも厚肉に形成している。
側板部3は、左右一対設けられて、ピン支持部1a及びピン支持部2aと一体のものとして形成され、前後に間隔を置いて配置したピン支持部1a及びピン支持部2aの左側のもの同士及び右側のもの同士を接続している。溶接用接続部4は、図1(b)に良く表されているように環状をなしており、左右の各ピン支持部2aの外周部にそれぞれ一体的に付設されている。アーム本体6は、ボス1,2が設けられるアームの先端側の部分をアームから除去した部分をいう。このアーム本体6は、一対の側面板6aを、左右に間隔を置いて配置して構成しており、両側面板6aの頂部及び底部には、それぞれ上面板6b及び底面板6cが取り付けられる。アーム本体6の各側面板6aの前端部には、環状の溶接用接続部4の後半部を嵌め込むための半円状の凹部がそれぞれ形成されている。
アーム先端ユニット5は、アームの先端側の部分をなす第1のボス1と第2のボス2と両ボス1,2を接続する左右の側板部3とを一体化してユニットとしたものであり、鋳造により一体的に形成する。その場合、これを鋳造するための金属材料として、特に鋳鋼を使用する。鋳造品は、通常、溶接に不向きであるが、アーム先端ユニット5を鋳造するための金属材料として鋳鋼を用いることにより、これを溶接により取り付けることが可能となる。また、アーム先端ユニット5を鋳造により形成するときには、ピン支持部1a,2aとチューブ部1b,2bの接続部Q及びピン支持部1a,2aと側板部3の接続部Rが応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成して、これらの接続部Q,Rに角部が生じないようにする。こうして形成されたアーム先端ユニット5には、左右の側板部3の頂部や底部に必要に応じて上面板や底面板等が取り付けられる。
ここに示す例では、アーム先端ユニット5を鋳造により形成する際に、特に、溶接用接続部4を第2のボス2における一対のピン支持部2aに付設しているので、これらのピン支持部2aと溶接用接続部4の接続部Sについても、応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成する。こうして形成したアーム先端ユニット5は、環状の各溶接用接続部4の後半部を、アーム本体6の各側面板6aに形成された前記半円状の凹部に嵌め込んで溶接して取り付けられ、かくして、建設機械のアームが形成される。なお、アーム先端ユニット5を形成する際にこうした溶接用接続部4を付設することは必ずしも必要でなく、溶接用接続部4を付設しない場合には、第2のボス2のピン支持部2aをアーム本体6の側面板6aに直接溶接してアームを構成する。
以上述べた建設機械のアームは、チューブ部1bとこのチューブ部1bの両端に接続される一対のピン支持部1aとを有する第1のボス1と、チューブ部2bとこのチューブ部2bの両端に接続される一対のピン支持部2aとを有する第2のボス2と、両ボス1,2を接続する左右の側板部3とを備えたアーム先端ユニット5を、鋳造により一体的に形成するようにしているので、アームの先端側の部分に、従来の技術のように溶接による接続部ができることはなく、それゆえ、溶接の際に設ける開先のような断面形状が急激に変化する部分を設ける必要がない。そして、アーム先端ユニット5を鋳造により形成する場合に、ピン支持部1a,2aとチューブ部1b,2bの接続部Q及びピン支持部1a,2aと側板部3の接続部Rが応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成しているので、建設作業時に、これらの接続部Q,Rに集中応力が発生することはなく、従来の技術のようにアームの先端側の部分の強度が低下するようなことはない。
また、アーム先端ユニット5を鋳造で一体的に形成することにより、アームの先端側の部分をユニット(部分組立品)として鋳造により形成しているので、第1のボス1におけるピン支持部1aとチューブ部1bとの間、第2のボス2におけるピン支持部2aとチューブ部2bとの間及びピン支持部1a,2aと側板部3との間を、従来の技術のように時間のかかる溶接により取り付けることは必要なくなるのは勿論のこと、専用の治具を用いて、ボス11,12をこの治具にセットした後にアームの側板13に溶接するという、従来の技術にみられるような煩雑な作業を行わないでも済む。そのため、アームの先端側の部分の組立に従来の技術のようには手間や労力を要しない。
以上の結果、この建設機械のアームでは、アームの先端側の部分について、従来の技術のような強度低下を招かず、従来の技術よりも組立に手間を要しない。また、アーム先端ユニット5を鋳造で形成する場合に、特に、溶接用接続部4を第2のボス2における一対のピン支持部2aにそれぞれ付設して一体的に形成し、その場合に、ピン支持部2aと溶接用接続部4の接続部Sが応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成しているので、第2のボス2のピン支持部2aをアーム本体6の側面板6aに溶接により接続したときに、その接続部Sにも、応力集中が生じず、強度低下を招かない。また、ここに示す例では、溶接用接続部4を、溶接面が特に曲面になるように環状に形成して側面板6aの半円状凹部に嵌め込んで溶接するようにしているので、溶接用接続部4を側面板6aに大きな溶接面で溶接することができるとともに両者の溶接部に応力集中も生じない。
1 第1のボス
1a ピン支持部
1b チューブ部
1c ピン孔
2 第2のボス
2a ピン支持部
2b チューブ部
2c ピン孔
3 側板部
4 溶接用接続部
5 アーム先端ユニット
6 アーム本体
6a (アーム本体6の)側面板
Q (ピン支持部1a,2aとチューブ部1b,2bの)接続部
R (ピン支持部1a,2aと側板部3の)接続部
S (ピン支持部2aと溶接用接続部4の)接続部
1a ピン支持部
1b チューブ部
1c ピン孔
2 第2のボス
2a ピン支持部
2b チューブ部
2c ピン孔
3 側板部
4 溶接用接続部
5 アーム先端ユニット
6 アーム本体
6a (アーム本体6の)側面板
Q (ピン支持部1a,2aとチューブ部1b,2bの)接続部
R (ピン支持部1a,2aと側板部3の)接続部
S (ピン支持部2aと溶接用接続部4の)接続部
Claims (2)
- 作業具を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第1のボスと、一端部が作業具駆動用のシリンダに回動可能に軸着されたリンクの他端部を回動可能に軸着するためのピンを挿通する第2のボスとを先端側に備えた建設機械のアームにおいて、ピンが接触しない状態で挿通されるチューブ部とこのチューブ部の両端に接続されピンを回動可能に支持するチューブ部よりも厚肉の一対のピン支持部とを有する第1のボス及び第2のボスと、第1のボスにおける一対のピン支持部及び第2のボスにおける一対のピン支持部の間を接続する一対の側板部とを備えたアーム先端ユニットを、ピン支持部とチューブ部との接続部及びピン支持部と側板部との接続部が応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように、鋳鋼を用いて鋳造により一体的に形成し、こうして形成したアーム先端ユニットをアーム本体に溶接して構成したことを特徴とする建設機械のアーム。
- 請求項1に記載の建設機械のアームにおいて、アーム先端ユニットを、鋳鋼を用いて鋳造により一体的に形成する場合に、アーム先端ユニットをアーム本体に溶接により接続するための溶接用接続部を第2のボスにおける一対のピン支持部に付設して一体的に形成し、その場合に、溶接用接続部と第2のボスとの接続部が応力集中の生じない滑らかな断面形状になるように形成したことを特徴とする建設機械のアーム。
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2003
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