JP4606053B2 - 光源装置の駆動方法および駆動回路 - Google Patents

光源装置の駆動方法および駆動回路 Download PDF

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Description

本発明は、光源装置の駆動方法および駆動回路に関する。
光ディスクの高密度化、及びディスプレイの高繊細化を実現するためには、小型の短波長光源が必要とされる。小型の短波長光源として、半導体レーザと擬似位相整合(以下『QPM』と記す)方式で結合された光導波路型第2高調波発生(以下『SHG』と記す)デバイス(光導波路型QPM−SHGデバイス)とを組み合わせたコヒーレント光源が注目されている(例えば、非特許文献1参照。)。
図1は、光導波路型QPM−SHGデバイスを用いたSHG青色光源の概略構成図である。図1に示すように、半導体レーザとして、分布ブラッグ反射器(以下『DBR』と記す)領域を有する波長可変DBR半導体レーザ54が用いられている。波長可変DBR半導体レーザ54は、0.85μm帯の100mW級AlGaAs系波長可変DBR半導体レーザであり、活性層領域56と位相調整領域57とDBR領域58とにより構成されている。そして、位相調整領域57とDBR領域58へ注入する電流を一定の比率で制御することにより、連続的に発振波長を変化させることができる。
第2高調波発生デバイスである光導波路型QPM−SHGデバイス55は、X板MgOドープLiNbO基板59上に形成された、光導波路60と周期的な分極反転領域61とにより構成されている。光導波路60は、ピロリン酸中でプロトン交換することによって形成される。また、周期的な分極反転領域61は、櫛形の電極をX板MgOドープLiNbO基板59上に形成し、電界を印加することによって作製される。
図1に示すSHG青色光源においては、100mWのレーザ出力に対して75mWのレーザ光が光導波路60に入力される。波長可変DBR半導体レーザ54の位相調整領域57及びDBR領域58への注入する電流量を制御することにより、発振波長が光導波路型QPM−SHGデバイス55の位相整合波長許容幅内に固定される。このSHG青色光源を用いて、波長425nmの青色光が25mW程度得られている。得られた青色光は、横モードがTEooモードで回折限界の集光特性を有し、ノイズ特性も相対雑音強度が−140dB/Hz以下と小さく、光ディスクの再生に適した特性を有する。
一方、第2高調波発生デバイスである光導波路型QPM−SHGデバイス55は、基本波光の波長に対する青色光出力特性を評価すると、その青色光出力が半分になる波長幅、即ち、位相整合に対する波長許容幅が0.1nm程度と小さい。これは、青色光出力を安定に得るためには大きな問題となる。この問題を解決するために、従来は、波長可変DBR半導体レーザ54から出射する基本波光の波長(発振波長)を光導波路型QPM−SHGデバイス55の位相整合波長の許容幅内に固定し、安定な青色光出力を実現している。
一般に、半導体レーザの発振波長は周囲温度によって変化し、光導波路型QPM−SHGデバイス55の最適波長も周囲温度によって変化する。このため、従来は、ペルチェ素子等を利用して半導体レーザ54及び光導波路型QPM−SHGデバイス55の温度を一定に保つことにより、青色光の出力安定化を図っていた。
しかし、光ディスクやレーザプリンタ等の光情報処理機器へ搭載した場合、稼働状態において、平均的な出力パワーは時々刻々と変化する。このとき、半導体レーザで発生する熱量が変化する。このため、ペルチェ素子等を利用して周囲温度を一定に保っている場合であっても、半導体レーザ自体の温度が変化して、ひいては発振波長が変化するために、安定な青色光出力が得られないという問題がある。
また、装置の小型化のためにペルチェ素子等の温度制御装置を用いない場合には、周囲温度の変動はより大きくなり、光導波路型QPM−SHGデバイス55の出力変動を引き起こすことになる。
さらに、例えば、光ディスク装置においては、高速変調時に、活性層領域56へ注入する電流の変化によって活性層領域56の温度が変化し、波長可変DBR半導体レーザ54の実効的な光学的距離Lが変化する。このような課題に対して、従来の技術においては、図2の(a)に示すように活性層領域56に注入される電流(駆動電流)と相補的な電流を図2の(b)に示すように位相調整領域57に印加することにより、波長可変DBR半導体レーザ54全体での発熱量をほぼ一定に保つことができる(以下、この駆動方式を『コンプリメンタリ補償方式』と呼ぶ)。このとき、活性層領域56での光学的距離と位相調整領域57での光学的距離はほぼ対称変化するので、波長可変DBR半導体レーザ54の実効的な光学的距離Lが一定に保たれる。このため、波長可変DBR半導体レーザ54の発振波長を抑制し、青色光出力パワーの変動を抑えることができる(例えば、特許文献1参照。)。
山本他、Optics Letters Vol.16, No.15, 1156 (1991) 特開2001−326418号公報
しかし、上記コンプリメンタリ補償方式には問題点がある。位相調整領域57に電流を注入すると、その電流に応じて位相調整領域57内の電荷密度が変動し、これにより位相調整領域57内の屈折率が変化する現象が発生する(この現象は『プラズマ効果』と呼ばれる)。そのため、コンプリメンタリ補償方式において、波長可変DBR半導体レーザ54全体での発熱量をほぼ一定に保つ目的で、活性層領域56に注入される電流(駆動電流)と相補的な電流を位相調整領域57に印加すると、プラズマ効果により、半導体レーザの実効的な光学的距離が変動し、青色光出力パワーが変動してしまう。
本発明の目的は、高速変調時においても、安定な高調波出力を実現することのできる半導体レーザの駆動方法を提供することである。さらに、本発明のもう一つの目的は、半導体レーザの出射光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスを含む光源装置においても同様に、安定な高調波出力を実現することのできる光源装置の駆動方法及び駆動回路を提供することである。
本発明に係る半導体レーザの駆動方法は、活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザの駆動方法であって、
前記活性層領域に注入するピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調させたマルチパルス変調電流の平均値を算出するステップと、
前記マルチパルス変調電流の平均値と、活性層領域に注入するバイアス電流の電流値との差分値を算出するステップと、
前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を流し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には、前記位相調整領域に前記差分値に対応する第2補償電流を流すステップと
を含むことを特徴とする。
また、前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して算出してもよい。
さらに、前記差分値から、前記活性層領域における前記マルチパルス変調電流を注入した時の発熱量と前記バイアス電流を注入した時の発熱量との差分値を算出し、
前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記発熱量の差分値に対応する電流値を加算して算出してもよい。
本発明に係る光源装置の駆動方法は、活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、前記半導体レーザの出射光を入力光として該入力光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスとを備えた光源装置の駆動方法であって、
前記活性層領域に注入するピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調させたマルチパルス変調電流の平均値を算出するステップと、
前記マルチパルス変調電流の平均値と、活性層領域に注入するバイアス電流の電流値との差分値を算出するステップと、
前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を流し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には、前記位相調整領域に前記差分値に対応する第2補償電流を流すステップと
を含むことを特徴とする。
また、前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して算出してもよい。
さらに、前記差分値から、前記活性層領域における前記マルチパルス変調電流を注入した時の発熱量と前記バイアス電流を注入した時の発熱量との差分値を算出し、
前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記発熱量の差分値に対応する電流値を加算して算出してもよい。
本発明に係る半導体レーザの駆動装置は、活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザの駆動装置であって、
前記活性層領域に、一定のバイアス電流を注入できると共に、ピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調されたマルチパルス変調電流を注入できる活性層駆動手段と、
前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を注入し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には前記位相調整領域に第2補償電流を注入する位相調整領域駆動手段と、
前記活性層領域に注入する前記マルチパルス変調電流の平均値を算出すると共に、前記活性層領域に注入する前記バイアス電流値と前記マルチパルス変調電流の平均値との差分値を算出して、前記位相調整領域駆動手段から前記位相調整領域に流す前記第1及び第2補償電流を前記差分値に基づいて算出する演算部と
を備えたことを特徴とする。
本発明に係る半導体レーザ装置は、活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、
前記活性層領域に、一定のバイアス電流を注入できると共に、ピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調されたマルチパルス変調電流を注入できる活性層駆動手段と、
前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を注入し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には前記位相調整領域に第2補償電流を注入する位相調整領域駆動手段と、
前記活性層領域に注入する前記マルチパルス変調電流の平均値を算出すると共に、前記活性層領域に注入する前記バイアス電流値と前記マルチパルス変調電流の平均値との差分値を算出して、前記位相調整領域駆動手段から前記位相調整領域に流す前記第1及び第2補償電流を前記差分値に基づいて算出する演算部と
を備えたことを特徴とする。
本発明に係る光源装置は、活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、
前記半導体レーザの出射光を入力光として該入力光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスと、
前記活性層領域に、一定のバイアス電流を注入できると共に、ピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調されたマルチパルス変調電流を注入できる活性層駆動手段と、
前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を注入し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には前記位相調整領域に第2補償電流を注入する位相調整領域駆動手段と、
前記活性層領域に注入する前記マルチパルス変調電流の平均値を算出すると共に、前記活性層領域に注入する前記バイアス電流値と前記マルチパルス変調電流の平均値との差分値を算出して、前記位相調整領域駆動手段から前記位相調整領域に流す前記第1及び第2補償電流を前記差分値に基づいて算出する演算部と
を備えたことを特徴とする。
なお、前記第2高調波発生デバイスは、前記半導体レーザと擬似位相整合されていてもよい。
本発明に係る半導体レーザの駆動方法によれば、活性層領域に注入するマルチパルス変調電流の平均値を算出し、バイアス電流の電流値との差分値を算出し、活性層領域にマルチパルス変調電流を注入する時に、位相調整領域に上記差分値に対応する第2補償電流を注入する。これによって、活性層領域と位相調整領域との発熱を相殺できると共に、プラズマ効果による波長変動を最小限に抑えられ、所望の青色光パワー(第2高調波出力)が得られる。
以下、本発明の実施の形態に係る光源装置の駆動方法及び駆動回路について添付図面を用いて説明する。なお、図面において実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
(実施の形態)
図3は、本発明の実施の形態に係る光源装置の概略構成図である。この光源装置は、基本波光を出射する半導体レーザ4と、該半導体レーザの出射光を入力光として該入力光から第2高調波を発生させる第2高調波デバイス5とを備える。この半導体レーザ4には、例えば、分布ブラッグ反射器(以下『DBR』と記す)領域1と、注入する電流によってレーザ内の光の位相を調整する位相調整領域2と、駆動電流によってその出力パワーを制御する活性層領域3とを有する0.85μm帯の100mW級AlGaAs系波長可変DBR半導体レーザ4が用いられている。
また、第2高調波発生デバイス5には、擬似位相整合(以下『QPM』と記す)方式で半導体レーザ4と組み合わされる光導波路型第2高調波発生(以下『SHG』と記す)デバイス(光導波路型QPM−SHGデバイス)5が用いられている。この光導波路型QPM−SHGデバイス5は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)を用いた光学結晶基板(0.5mm厚のX板MgOドープLiNbO基板)11の上面に形成された、光導波路12と、基本波と高調波の伝搬定数差を補償するための、光導波路12と直交する周期的な分極反転領域とにより構成されている。光導波路12は、ピロリン酸中でプロトン交換することによって形成される。また、周期的な分極反転領域は、櫛形の電極をX板MgOドープLiNbO基板11上に形成し、電界を印加することによって作製される。光導波路型QPM−SHGデバイス5は、大きな非線形光学定数を利用することができ、また、光導波路型であり、長い相互作用長とすることが可能であるため、高い変換効率を実現することができる。
半導体レーザ4と光導波路型QPM−SHGデバイス5とは、Siサブマウント6上で一体化され、ペルチェ素子によって温度コントロールされている。基本波光である半導体レーザ光は、レンズを用いることなく、直接結合によって光導波路型QPM−SHGデバイス5の光導波路に結合する。すなわち、半導体レーザ4から出射された基本波光は、光導波路型QPM−SHGデバイス5に入射され、光導波路型QPM−SHGデバイス5に入射した基本波光は、光導波路12の内部に閉じ込められて伝搬する。光導波路12内を伝搬する基本波光は、光学結晶(X板MgOドープLiNbO)が有する非線形性によって第2高調波に変換され、光導波路型QPM−SHGデバイス5の出射端面から基本波光の2分の1の波長を有する高調波光が出射される。
上記の構造を有する光導波路型QPM−SHGデバイス(以下、『SHG素子』ともいう)5は、光学結晶(X板MgOドープLiNbO)が有する波長分散特性により、入射される基本波光の波長に対して、図4に示すような波長特性を有する。図4は、入射した基本波光の波長に対して、出射される高調波光の出力パワーとの関係を示す。高調波光は、基本波光の最適波長λをピークとして、基本波光の波長λに対して、下記式(1)に示すようなSINC関数によって表される出力特性を示す。
y=sinc{(λ−λ)×π/a}
=sin{(λ−λ)×π/a}/{(λ−λ)×π/a} ・・・(1)
ここで、高調波出力パワーが最大値の半分になる波長幅によって表される波長許容度は、約0.1nmの幅を有し、安定に青色出力を得るためには、基本波光の波長を正確かつ安定にλに制御する必要がある。
以下、図3に示す半導体レーザ4の発振波長を制御する方法について説明する。
半導体レーザにおいては、一般に、前後の反射面の光学的距離Lに対して下記式(2)を満たす波長λの光のみが励振される。
2L=nλ(n:整数) ・・・(2)
上記式(2)を満たす波長λの列は『縦モード』と呼ばれ、この場合の発振波長は離散的な値をとる。図3に示す半導体レーザ4には、DBR領域1と半導体レーザ4の出射端面との間に位相調整領域2が設けられており、位相調整領域2に注入される電流によって半導体レーザ4の光学的距離Lを変化させて、縦モードの波長λを変化させることができる。このように位相調整領域2に注入される電流によって半導体レーザ4の発振波長を制御することができる。
しかし、この波長制御方法では、以下に述べる理由により、波長制御範囲が制限される。すなわち、図3に示す半導体レーザ4のDBR領域1にはグレーティングが形成されており、その周期によって規定される波長の光のみが反射される。具体的には、DBR領域1の屈折率をndbr、DBR領域1のグレーティング周期をΛとしたとき、DBR領域1で反射され得る光の波長の範囲は、2Λ/ndbr ±0.1nm程度であり、この範囲内の波長制御しか行うことができない。
本実施の形態においては、上記の波長制御範囲を拡大するために以下の方法が採られる。すなわち、DBR領域1には電極が形成されており、この電極に注入される電流によって、DBR領域1の実効的なグレーティング周期が変化すると共に、DBR領域1での最適波長が変化する。位相調整領域2に注入される電流による縦モードの波長の変化に追従するように、DBR領域1の最適波長を変化させることにより、連続的に発振波長を制御することが可能となる。実際には、DBR領域1と位相調整領域2に、一定比率の電流を注入する。
さらに、半導体レーザ自体の温度が変化して、ひいては発振波長が変化するために、安定な青色光出力が得られないという問題に対して、上述したコンプリメンタリ補償方式がある。しかし、この方式では、位相調整領域57へ注入する電流に応じて位相調整領域57内の電荷密度が変動して、位相調整領域57内の屈折率が変化するプラズマ効果が発生する。このプラズマ効果のために半導体レーザの実効的な光学的距離Lが変動し、青色光出力パワーが変動してしまう。
本発明者らは、活性層領域へ注入する電流と位相調整領域へ注入する電流とが引き起こす波長変動による第2高調波出力変動の挙動を、図5に示すような簡単なモデルにより解析した(以下このモデルを『波長変動解析モデル』と呼ぶ)。
活性層領域3へ電流が注入されると、その電流(Iop)によって活性層領域3が発熱して屈折率が変化するため、光学的距離Lが変化し、半導体レーザの波長が変動する。電流Iopによる波長変化の伝達関数510は、熱による応答であるので、一次遅れ系の伝達関数511として表現され、電流Iopによる波長変化をΔλopとすると、
Δλop=Ka/(1+(s/a))
と表現される。
また、活性層領域3へ電流Iopが注入されると、コンプリメンタリ補償方式においては、位相調整領域2に、駆動電流Iopとは逆相の電流が注入される。図5のモデルでは、反転増幅器500により、駆動電流Iopを−α倍して、位相領域へ注入する電流Iphを生成している。
伝達関数520は、位相調整領域へ注入する電流Iphにより引き起こされる波長変化を示している。伝達関数521は、電流Iphによる発熱によって光学的距離Lが変化して、半導体レーザの波長を変動させる成分を示している。この伝達関数521は、熱による応答であるので、一次遅れ系の伝達関数として表現され、電流Iphの発熱による波長変化をΔλph1とすると、
Δλph1=Kc/(1+(s/c))
と表現される。
伝達関数522は、電流Iphによって波長を変動させる成分を示している。具体的には、電流Iphによって位相調整領域2中の電荷密度が変化し、その電荷密度の変化に比例して位相調整領域2内の屈折率が変化する(プラズマ効果)。位相調整領域2内の屈折率の変化によって光学的距離Lが変化し、半導体レーザ4の波長が変動する。この電流Iphによる波長変動成分は、電流に比例した成分であるので、増幅器522の伝達関数として表現される。電流Iphのプラズマ効果による波長変化をΔλph2とすると、
Δλph2=Kb
と表現される。
したがって、電流Iphによる波長変化をΔλphとすると、Δλphは、
Δλph=Δλph1+Δλph2
と表現される。
半導体レーザ4の波長変動Δλは、加算器530により電流Iopによる波長変化Δλphと電流Iphによる波長変化Δλphとを加算した形式で表現され、
Δλ=Δλop+Δλph
と表現される。
この波長変動Δλを有する光が、光導波路型QPM−SHGデバイス5に入力される。光導波路型QPM−SHGデバイス5は、波長に対して非常にシャープなバンドパス特性を有しており、光導波路型QPM−SHGデバイス5の入力波長に対する2次高調波出力の伝達関数540は
G(Δλ)=exp(Δλ/(λ1/e))
と表現される。
以上のようなモデルにより、活性層領域3へ注入する駆動電流Iopと位相調整領域2へ注入する電流Iphとが引き起こす波長変動による第2高調波出力変動の挙動が把握された。
ここで、図6を用いて、活性層領域2へ単純な矩形波電流を入力した場合の、上述のモデルの各部の挙動を説明する。図6の(a)は活性層領域2へ注入する駆動電流Iopを示しており、ここでは単純な矩形波電流としている。また、(b)に示すようには反転増幅器500により、Iopを−α倍したものを、位相調整領域2へ注入する電流Iphとしている。(c)は駆動電流Iopによる発熱に起因する波長変動Δλopである。(d)は電流Iphによる発熱に起因する波長変動Δλph1である。(e)は電流Iphによるプラズマ効果に起因する波長変動Δλph2である。(f)は駆動電流Iopと電流Iphとによるトータルの波長変動を示す。この図から明らかなように、従来の技術のコンプリメンタリ補償方式において、駆動電流Iopによる発熱量を相殺するように、位相調整領域2に相補的な電流Iphを注入すると、プラズマ効果による波長変動を有する光出力がそのまま光導波路型QPM−SHGデバイス304に入力されることになる。
したがって、図7に示すように、波長が変動することにより光導波路型QPM−SHGデバイス5の最大効率波長からずれ、第2高調波出力が変動してしまい、第2高調波の最大出力を得ることができない。
ここで、上記モデルを用いて、実際に光ディスクの記録に使用する入力電流波形を用いて、波長変動の挙動を検証する。図8に各部の挙動を示す。図8の(a)は活性層領域3への入力電流Iopを示しており、ここでは実際に光ディスクに記録マークと記録スペースを形成させるときの電流を入力している。なお、反転増幅器500により、Iopを−α倍したものを、位相調整領域2へ注入する電流Iphとしている。(c)は駆動電流Iopによる発熱に起因する波長変動Δλopである。(d)は電流Iphによる発熱に起因する波長変動Δλph1である。(e)は電流Iphによるプラズマ効果に起因する波長変動Δλph2である。(f)は駆動電流Iopと電流Iphとによるトータルの波長変動を示す。図から明らかなように、駆動電流Iopによる発熱に起因する波長変動Δλopと、電流Iphによる発熱に起因する波長変動Δλph1とは相殺されているが、プラズマ効果による波長変動がそのまま残留しており、波長変動を有する光出力がそのまま光導波路型QPM−SHGデバイスに入力されることがわかる。
したがって、図9の(b)に示すように、波長が変動することにより光導波路型QPM−SHGデバイスの最大効率波長からずれ、第2高調波出力が変動してしまい、第2高調波出力のピーク値が0.78倍となっており、第2高調波の所望の最大出力を得ることができない。
そこで、本発明者らは、従来の技術のコンプリメンタリ補償方式に対し、『パルス平均化補償方式』と呼ばれる新しい方式を考案した。この方式では、記録マーク形成時のマルチパルス変調電流の平均電流値と記録スペース形成時のバイアス電流値との差分値を算出し、その差分値に対応して位相調整領域302に流す補償電流Iphを制御する。具体的には、位相調整領域302に、記録スペース形成時には一定の第1補償電流を流し、記録マーク形成時には第1補償電流に上記差分値に対応する電流を加算した一定の第2補償電流を流す。これによって、位相調整領域302にはマルチパルス変調電流を流すことなく、活性層領域と位相調整領域との間の発熱を補償するのに必要最小限な補償電流Iphだけを流す。そこで、活性層領域301と位相調整領域302との間の発熱を補償して発熱に起因する波長変動を相殺するとともに、プラズマ効果に起因する波長変動を抑制できる。
以下詳細にこの方式を説明する。
図10は、本発明の実施の形態の光源駆動回路のブロック図である。この光源駆動回路は、活性層領域駆動回路310、位相調整領域駆動回路320、DBR領域駆動回路330、演算部340、記録波形生成部350とを備える。活性層領域駆動回路310は、ピーク電流源311、バイアス電流源312、DC電流源313、ピーク電流源311をスイッチングするスイッチ314と、バイアス電流源312をスイッチングするスイッチ315とを備える。位相調整領域駆動回路320は、スペース電流源322、マーク電流源323、スペース電流源322をスイッチングするスイッチ324とを備える。演算部340は、活性層領域駆動回路310の3つの電流源311、312、313の電流値を設定し、位相調整領域駆動回路320の2つの電流源322、323の電流値を設定し、DBR領域駆動回路330の電流値を設定する。記録波形生成部350は、活性層領域駆動回路310のスイッチ314、315に信号S7,S8を出力してスイッチングさせ、位相調整領域駆動回路320のスイッチ324に信号S9を出力してスイッチングさせる。
次に、この光源装置の駆動装置の各部の動作を説明する。この光源装置を、例えば、光ディスクへの記録方法に使用する場合について説明する。光ディスクへの記録において、図13の(a)に示すような良好な記録マークと記録スペースを形成するためには、第2高調波出力である青色光パワーを、例えば、図13の(b)に示すような変調を行う必要がある。記録マークの形成には、ピーク電流とボトム電流との間でのマルチパルス変調電流を活性層領域301に注入して、ピークパワーとボトムパワーとの間でマルチパルス発光をさせる。一方、記録スペースの形成には、一定のバイアス電流を活性層領域301に注入して一定のバイアスパワーで発光させる。
このような光変調を実現するために、まず波長可変DBR半導体レーザ300の活性層領域301を、活性層領域駆動回路310を用いて高速変調させる。活性層領域駆動回路310は、上述のようにピーク電流源311とバイアス電流源312とDC電流源313とを備える。演算部(DSP)340によって、ピーク電流源311の設定値IopPKと、バイアス電流源312の設定値IopBSとDC電流源313の設定値IopDCは、記録マークの形成と記録スペースの形成に必要な青色光パワー(第2高調波出力)が得られるように設定される。
本発明者は、図11の(e)に示すように、活性層領域301の駆動電流(Iop)と青色光パワー(P)との間に下記式(3)のような関係式が成り立つことを見出した。
P=a×(Iop−Iph) (3)
ここで、aは定数である。
また、本発明者は、図11の(d)に示すように、SHG素子304の赤外光から青色光へ変換する効率が最大となる波長(以下、『最大効率波長』と呼ぶ。)を得る活性層領域301への駆動電流Iopと位相調整領域への補償電流Iphとの間に下記式(4)の関係が成り立つことを見出した。
Iph=−α×(Iop)+β (4)
ここで、α及びβは定数である。
図11は、活性層領域の駆動電流(Iop)と青色光パワー(P)との間の関係を示す図であり(図11(d))、さらにSHG素子304の赤外光から青色光への最大効率波長を得る活性層領域301への駆動電流Iopと位相調整領域への補償電流Iphとの間の関係を示す図である(図11(e))。本発明者が見出した上記2つの特性は、例えば装置の起動時などに、図11の(a)から(c)に示すように、活性層領域301への駆動電流Iopを逐次変化させながら、位相調整領域302への補償電流Iphをスイープさせて、青色光パワーが最大となるIphの値と、そのときの青色光パワーを求めることにより得られる。
図12は、この光源装置の駆動方法のフローチャートである。以下にこの光源装置の駆動方法について説明する。
(a)まず、ピークパワーPp、バイアスパワーPe、ボトムパワーPbを設定する(S01)。
(b)演算部(DSP)340で、各パワーに対する活性層領域301の駆動電流(以下Iop)を算出する(S02)。活性層領域301の駆動電流と青色光パワー(P)との間の特性、
P=a×(Iop−Iph)
から、Iopのボトム駆動値IB、バイアス駆動値IE、ピーク駆動値IPは下記式のように算出される。
IB=Ith+(Pb/a)1/2
IE=Ith+(Pe/a)1/2
IP=Ith+(Pp/a)1/2
(c)活性層領域駆動回路310から活性層領域301へ流す駆動電流Iopは、ピーク電流源311とバイアス電流源312とDC電流源313との加算型で得られる。そのため、各電流源への設定値は下記のように算出される(S03)。
opBM=IB
opBS=IE−IB
opPK=IB−IP
記録波形生成手段350から出力される変調信号PKMDとBSMDによりピーク電流源311とバイアス電流源312とをスイッチ314、315によって各々スイッチングすることにより波長可変DBR半導体レーザ300の光出力変調が高速に実現される。
(d)また、位相調整領域302を、位相調整領域駆動回路320を用いて駆動させる。位相調整領域駆動回路320は、スペース電流源322、マーク電流源323から構成される。スペース電流源312とマーク電流源313の設定値IphSP、IphMKは演算部340により以下のように設定される。
SHG素子304の赤外光から青色光へ効率する効率が最大となる波長(以下、『最大効率波長』と呼ぶ)を得るIopとIphとの関係
Iph=−α×(Iop)+β
から、記録スペース形成時の補償電流IphEは、活性層領域301への駆動電流IEを用いて下記のように算出される(S04)。
phE=−α×(IE)+β
(e)また、活性層領域301の記録マーク形成時のマルチパルス変調電流の平均駆動電流値IopAVEは、デューティ比Dを用いて、
opAVE={(IP−IB)×D+IB}
と表される。マルチパルス変調電流の平均駆動電流値IopAVEと記録スペース形成時の駆動電流IEとの差IopDIFFは、
opDIFF={(IP−IB)×D+IB}−IE
={(IP−IE)×D−(IE−IB)×(1−D)}
と表される(S05)。
(f)次に、この差IopDIFFの正負を判断する(S06)。これは、その正負に応じて、記録スペース形成時に位相調整領域302に流す第1補償電流IphEに対して、記録マーク形成時の補償分を第1補償電流IphEに対して負又は正に調整するためである。
(g1)差IopDIFFが正の場合には、記録スペース形成時の駆動電流IEより記録マーク形成時のマルチパルス変調電流の平均値IopAVEのほうが大きいことを意味する。この場合には、位相調整領域302への補償電流は、記録スペース形成時の第1補償電流IphSP(=IphE)より記録マーク形成時の第2補償電流IphMKのほうが差IopDIFFに対応して低くなければならない。そこで、IphSPとIphMKとは、
phSP=IphE
phMK=IphE−α×IopDIFF
と算出される。位相調整領域302へ注入される補償電流Iphは、スペース電流源322とマーク電流源323との加算による。そこで、位相調整領域駆動回路320のスペース電流源322の設定値IphCOMPとマーク電流源323の設定値IphDCとは、
phDC=IphE−α×IopDIFF
phCOMP=α×IopDIFF
と算出される(S07)。この場合、変調信号S9(PHMD)は、スイッチ324を記録スペース形成時にスイッチングし、記録マーク形成時にスイッチオフするように出力される。
(g2)差IopDIFFが負の場合には、記録マーク形成時のマルチパルス変調電流の平均値IopAVEより記録スペース形成時の駆動電流IEのほうが大きいことを意味する。この場合には、位相調整領域302への補償電流は、記録スペース形成時の第1補償電流IphSP(=IphE)より記録マーク形成時の第2補償電流IphMKのほうが差IopDIFFに対応して高くなければならない。そこで、IphSPとIphMKとは、
phSP=IphE
phMK=IphE−α×IopDIFF
と算出される。位相調整領域302へ注入される補償電流Iphは、スペース電流源322とマーク電流源323との加算による。そこで、位相調整領域駆動回路320のスペース電流源322の設定値IphCOMPとマーク電流源323の設定値IphDCとは、
phDC=IphE
phCOMP=−α×IopDIFF
と算出される(S08)。この場合、変調信号S9(PHMD)は、スイッチ324を記録スペース形成時にスイッチオフし、記録マーク形成時にスイッチングするように出力される。
以上のようにして、位相調整領域302へ注入される補償電流Iphが制御される。これによって位相調整領域302にマルチパルス変調電流を流すことなく、活性層領域301と位相調整領域302との間の発熱を補償することができ、位相調整領域302へ注入する補償電流は必要最小限に抑えているので、プラズマ効果を抑制することができる。
また、DBR領域303は、DBR領域駆動回路330により駆動される。演算部340により、波長可変DBR半導体レーザ300の発振波長が、おおむね光導波路型QPM−SHGデバイスの最大変換効率波長になるように、DBR領域303へ注入する電流Idbrは設定されている。
以上のような光源装置の駆動装置を用いてSHG素子304で第2高調波を出力した場合の波長変動を、図17に示すモデルを用いて解析した。図18に各部の挙動を示す。図18の(a)は活性層領域への駆動電流Iopを示しており、ここでは実際に光ディスクに記録マークと記録スペースを形成させるときの電流を入力している。(b)はパルス平均化補償方式により生成された位相調整領域への補償電流Iphを示している。(c)は入力電流Iopによる発熱に起因する波長変動Δλopである。(d)は補償電流Iphによる発熱に起因する波長変動Δλph1である。(e)は補償電流Iphによるプラズマ効果に起因する波長変動Δλph2である。(f)は駆動電流Iopと補償電流Iphとによるトータルの波長変動を示す。図8の(f)の波長変動と比べ、変動量が1/6程度に抑圧されている様子が分かる。これは、プラズマ効果による波長変動が抑制されているためである。
結果として得られる青色光パワー(第2高調波出力)を図19(a)及び(b)に示す。図19(c)及び(d)にコンプリメンタリ補償方式により得られる青色光パワー(第2高調波出力)を比較対象として示す。青色光パワー(第2高調波出力)がコンプリメンタリ補償方式にくらべ、16%改善され、ピークパワーの損失も6%に抑えられている。
以上、本発明の実施の形態に係る光源装置の駆動装置を用いることにより、発熱による波長変動をほぼ相殺でき、プラズマ効果による波長変動を最小限に抑えられ、所望の青色光パワー(第2高調波出力)が得られる。したがって、例えば本発明のレーザ駆動装置を、光ディスク装置に適用することによって、高密度光ディスクへの記録が可能になる。
本実施の形態の光源装置の駆動装置により、プラズマ効果による波長変動を最小限に抑えられ、所望の青色光パワー(第2高調波出力)が得られる。
なお、本実施の形態では、活性層領域へ注入するマルチパルス変調電流の平均値とバイアス電流の電流値との差分値と、本発明者が見出した関係式Iph=−α×(Iop)+βとに基づいて、記録マーク形成時の第2補償電流を算出している。しかし、本発明は上記の場合に限られない。例えば、上記差分値から活性層領域におけるマルチパルス変調電流を注入した時の発熱量と前記バイアス電流を注入した時の発熱量との差分値を算出し、第1補償電流に前記発熱量の差分値に対応する電流値を加算して第2補償電流を算出してもよい。
さらに、本実施の形態では、半導体レーザと、該半導体レーザの出射光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスとを備えた光源装置の駆動方法及び駆動装置について説明した。しかし、本発明は、半導体レーザの出射光をそのまま利用する場合についても適用できる。そこで、本発明は、半導体レーザの駆動方法及び駆動装置についても適用できる。さらに、本実施の形態に示すように、半導体レーザと第2高調波発生デバイスとを備えた光源装置の場合には、本発明による半導体レーザの出射光である基本波光の波長変動の抑制効果が非常に有効に働く。
従来の光導波路型QPM−SHGデバイスを用いたSHG青色光源の概略構成図である。 (a)は、従来のレーザ駆動方式における活性層領域へ注入する電流を示す図であり、(b)は、位相調整領域へ注入する電流を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光導波路型QPM−SHGデバイスを用いたSHG青色光源の概略構成図である。 光導波路型QPM−SHGデバイスにおける基本波光の波長に対して出射される高調波光の出力パワーを示す図である。 波長変動解析モデルのブロック図である。 (a)〜(f)は、図5の波長変動解析モデルの各部の挙動を示す図である。 光導波路型QPM−SHGデバイスへの入力光が波長変動を含む場合の第2高調波の出力変動を示す図である。 (a)〜(e)は、波長変動解析モデルの各部の挙動を示す図である。 (a)及び(b)は、光導波路型QPM−SHGデバイスへの入力光が波長変動を含む場合の第2高調波の出力変動を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光源装置の駆動装置の構成を示す図である。 (a)は活性層領域の駆動電流の設定を示す図であり、(b)は位相調整領域の補償電流の設定を示す図であり、(c)は得られる第2高調波の青色光のパワーを示す図であり、(d)は、活性層領域の駆動電流と位相調整領域の補償電流との関係を示す図であり、(e)は活性層領域の駆動電流と青色光のパワーとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る位相調整領域へ注入する補償電流を算出する方法のフローチャートである。 マルチパルス変調電流の平均値IopAVEと記録スペース形成時のバイアス電流IEとの差IopDIFFが正の場合における、位相調整領域へ注入する補償電流を示す図である。 図13に示す位相調整領域へ注入する補償電流を構成する各電流源の設定値を示す図である。 マルチパルス変調電流の平均値IopAVEと記録スペース形成時のバイアス電流IEとの差IopDIFFが負の場合における、位相調整領域へ注入する補償電流を示す図である。 図15に示す位相調整領域へ注入する補償電流を構成する各電流源の設定値を示す図である。 (a)は、活性層領域の駆動電流を示す図であり、(b)は、位相調整領域の補償電流を示す図であり、(c)は、波長変動解析モデルのブロック図である。 (a)〜(f)は、図17の波長変動解析モデルの各部の挙動を示す図である。 (a)〜(d)は、図18に示す波長変動を含む入力光が光導波路型QPM−SHGデバイスへの入力された場合の第2高調波の出力変動を示す図である。
符号の説明
1 DBR領域、2 位相調整領域、3 活性層領域、4 半導体レーザ素子、5 光導波路型QPM−SHGデバイス、6 基板、11 SHG素子、12 光導波路、13 半導体レーザ光出射端面、14 基本波光、15 高調波出力光、54 波長可変DBR半導体レーザ、55 光導波路型QPM−SHGデバイス、56 活性層領域、57 位相調整領域、58 DBR領域、59 X板MgOドープLiNbO3基板、60 光導波路、61 分極反転領域、300 波長可変DBR半導体レーザ、301 活性層領域、302 位相調整領域、303 分布ブラッグ反射器(DBR)領域、304 光導波路型QPM−SHGデバイス、305 基本波光、306 高調波出力光、310 活性層領域駆動回路、311 ピーク電流源、312 バイアス電流源、313 DC電流源、320 位相調整領域駆動回路、322 スペース電流源、323 マーク電流源、330 DBR領域駆動回路、340 演算部、350 記録波形生成手段、500 反転増幅器、510 Iop(s)、511 1次遅れ系伝達関数、520 Iph(s)、521 1次遅れ系伝達関数、522 増幅器、523 加算器、530 SHG素子、540 波長→光変換(SHG素子)

Claims (8)

  1. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザの駆動方法であって、
    前記活性層領域に注入するピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調させたマルチパルス変調電流の平均値を算出するステップと、
    前記マルチパルス変調電流の平均値と、活性層領域に注入するバイアス電流の電流値との差分値を算出するステップと、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を流し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には、前記位相調整領域に前記差分値に対応する第2補償電流を流すステップと
    を含み、
    前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して算出されることを特徴とする半導体レーザの駆動方法。
  2. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザの駆動方法であって、
    前記活性層領域に注入するピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調させたマルチパルス変調電流の平均値を算出するステップと、
    前記マルチパルス変調電流の平均値と、活性層領域に注入するバイアス電流の電流値との差分値を算出するステップと、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を流し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には、前記位相調整領域に前記差分値に対応する第2補償電流を流すステップと
    を含み、
    前記差分値から、前記活性層領域における前記マルチパルス変調電流を注入した時の発熱量と前記バイアス電流を注入した時の発熱量との差分値を算出し、
    前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記発熱量の差分値に対応する電流値を加算して算出することを特徴とする半導体レーザの駆動方法。
  3. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、前記半導体レーザの出射光を入力光として該入力光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスとを備えた光源装置の駆動方法であって、
    前記活性層領域に注入するピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調させたマルチパルス変調電流の平均値を算出するステップと、
    前記マルチパルス変調電流の平均値と、活性層領域に注入するバイアス電流の電流値との差分値を算出するステップと、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を流し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には、前記位相調整領域に前記差分値に対応する第2補償電流を流すステップと
    を含み、
    前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して算出されることを特徴とする光源装置の駆動方法。
  4. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、前記半導体レーザの出射光を入力光として該入力光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスとを備えた光源装置の駆動方法であって、
    前記活性層領域に注入するピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調させたマルチパルス変調電流の平均値を算出するステップと、
    前記マルチパルス変調電流の平均値と、活性層領域に注入するバイアス電流の電流値との差分値を算出するステップと、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を流し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には、前記位相調整領域に前記差分値に対応する第2補償電流を流すステップと
    を含み、
    前記差分値から、前記活性層領域における前記マルチパルス変調電流を注入した時の発熱量と前記バイアス電流を注入した時の発熱量との差分値を算出し、
    前記第2補償電流は、前記第1補償電流に前記発熱量の差分値に対応する電流値を加算して算出することを特徴とする光源装置の駆動方法。
  5. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザの駆動装置であって、
    前記活性層領域に、一定のバイアス電流を注入できると共に、ピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調されたマルチパルス変調電流を注入できる活性層駆動手段と、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を注入し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には前記位相調整領域に第2補償電流を注入する位相調整領域駆動手段と、
    前記活性層領域に注入する前記マルチパルス変調電流の平均値を算出すると共に、前記活性層領域に注入する前記バイアス電流値と前記マルチパルス変調電流の平均値との差分値を算出して、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して、前記位相調整領域駆動手段から前記位相調整領域に流す前記第2補償電流を算出する演算部と
    を備えたことを特徴とする半導体レーザの駆動装置。
  6. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、
    前記活性層領域に、一定のバイアス電流を注入できると共に、ピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調されたマルチパルス変調電流を注入できる活性層駆動手段と、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を注入し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には前記位相調整領域に第2補償電流を注入する位相調整領域駆動手段と、
    前記活性層領域に注入する前記マルチパルス変調電流の平均値を算出すると共に、前記活性層領域に注入する前記バイアス電流値と前記マルチパルス変調電流の平均値との差分値を算出して、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して、前記位相調整領域駆動手段から前記位相調整領域に流す前記第2補償電流を算出する演算部と
    を備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 活性層領域と位相調整領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザと、
    前記半導体レーザの出射光を入力光として該入力光から第2高調波を発生させる第2高調波発生デバイスと、
    前記活性層領域に、一定のバイアス電流を注入できると共に、ピーク電流とボトム電流との間でマルチパルス変調されたマルチパルス変調電流を注入できる活性層駆動手段と、
    前記活性層領域に前記バイアス電流を注入する時には、前記位相調整領域に第1補償電流を注入し、前記活性層領域に前記マルチパルス変調電流を注入する時には前記位相調整領域に第2補償電流を注入する位相調整領域駆動手段と、
    前記活性層領域に注入する前記マルチパルス変調電流の平均値を算出すると共に、前記活性層領域に注入する前記バイアス電流値と前記マルチパルス変調電流の平均値との差分値を算出して、前記第1補償電流に前記差分値に対応する電流を加算して、前記位相調整領域駆動手段から前記位相調整領域に流す前記第2補償電流を算出する演算部と
    を備えたことを特徴とする光源装置。
  8. 前記第2高調波発生デバイスは、前記半導体レーザと擬似位相整合されていることを特徴とする請求項に記載の光源装置。
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