JPH0566440A - レーザ光源 - Google Patents

レーザ光源

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JPH0566440A
JPH0566440A JP2092692A JP2092692A JPH0566440A JP H0566440 A JPH0566440 A JP H0566440A JP 2092692 A JP2092692 A JP 2092692A JP 2092692 A JP2092692 A JP 2092692A JP H0566440 A JPH0566440 A JP H0566440A
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JP
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light
wavelength
optical waveguide
wavelength conversion
light source
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JP2092692A
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Inventor
Hiroaki Yamamoto
博昭 山本
Kazuhisa Yamamoto
和久 山本
Kiminori Mizuuchi
公典 水内
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導波路型光波長変換素子を用いたレーザ光源
において波長変換素子に基本波の波長選択機能を付加さ
せ安定なレーザ光源を得る。 【構成】 半導体レーザ21からの基本波P1はコリメ
ータレンズ24とフォーカスレンズ25により光導波路
2に導入される。光導波路2を伝搬する基本波P1は一
部が分極反転領域3において高調波P2に変換され出射
部12より出射する。また分極反転領域で変換されなか
った基本波P1はDBR領域30により特定の波長が反
射され光導波路2を逆進し半導体レーザ21に帰還す
る。このとき半導体レーザ1は波長変換素子の許容度を
満足するように選択反射した光の波長で発振し結果とし
て安定したレーザ光源が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒ−レント光を利用
する光情報処理分野、あるいは光応用計測制御分野に使
用するレーザ光源およびその光結合方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図9に従来のレーザ光源の構成図を示
す。レーザ光源は基本的には半導体レーザ21と光波長
変換素子より構成される。Al枠に固定された半導体レ
ーザ21から出射された第1の光である基本波P1はコ
リメータレンズ24で平行光にされた後、フォーカスレ
ンズ25で光波長変換素子の波長変換部を備えた光導波
路2に導入され高調波P2へと変換される。以下0.82μ
mの波長の基本波に対する高調波発生(波長0.41μm)
について図を用いて詳しく述べる。(E.J.Lim, M.M.Fej
er, R.L.Byer and W.J.Kozlovsky, "Blue light genera
tion by frequencydoubling in periodically-poled li
thium niobate channel waveguide", Electronics Lett
ers, Vol.27, P731-732,1989年、参照).図10に基
本構成要素である光波長変換素子の構成を示す。図10
に示されるようにLiNbO3基板1表面に光導波路2が形成
され、さらに光導波路2には波長変換部として周期的に
分極の反転した層3(分極反転層)が形成されている。
分極反転層は基板と分極方向が逆向きになっている。こ
のように分極反転層を周期てきに形成することが分極反
転型波長変換素子の特徴である。このような構成で基本
波と発生する高調波の伝搬定数の不整合を分極反転層3
と非分極反転層5の周期構造で補償することにより高効
率に高調波を出すことができる。
【0003】まず、図11を用いて高調波増幅の原理を
説明する。分極反転していない非分極反転素子31では
分極反転方向は基板と同じで一方向となっており、光導
波路の進行方向に対して高調波出力31aは増減を繰り
返している。これに対して周期的に分極が反転している
分極反転波長変換素子(1次周期)32では図11に示
されるように光導波路の長さlの2乗に比例して高調波
出力32aは増大する。ただし分極反転において擬似位
相整合が成立し、高調波の出力が得られるのは分極反転
層の周期Λ1がλ/(2(N2ω−Nω))に一致する
ときに限られる。ここでNωは基本波(波長λ)の実効
屈折率、N2ωは高調波(波長λ/2)の実効屈折率で
ある。疑似位相整合を満たす図10の分極反転素子の光
導波路2の入射面10に基本波P1を入射すると、光導
波路2から高調波P2が効率良く発生され、光波長変換
素子として動作する。
【0004】以上のような従来の光波長変換素子は分極
反転構造を基本構成要素としていた。この素子の製造方
法について図12を用いて説明する。
【0005】図12(a)で非線形光学結晶であるLi
NbO3基板1にTi31のパターンをリフトオフと蒸
着により幅数μmの周期で形成していた。次に同図
(b)で1100℃程度の温度で熱処理を行いLiNbO3
板1と分極が反対向きに反転した分極反転層3を形成し
た。次に同図(c)で安息香酸(200℃)中で20分
熱処理を行った後350℃で3時間アニールを行い光導
波路2を形成する。上記安息香酸処理により作製される
光波長変換素子は波長820nmの基本波P1に対して、光
導波路の長さを1mm、基本波P1のパワーを14.7mW
にしたとき高調波P2のパワー940nWが得られてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような分極反転
層を基本とした光波長変換素子では素子長5mmのとき
基本波のレーザの波長に対する許容度が狭く半値幅で0.
1nmしかない。つまり、光波長変換素子が高調波を発生
するための、基本波の波長が非常に狭い。そのため光波
長変換素子と半導体レーザとを組み合わせた場合、半導
体レーザが温度または電流ゆらぎのため波長変動を生じ
れば、光波長変換素子から高調波がでなくなる。または
基本波の波長が少しずれても高調波の出力が大きく変動
するといった問題があった。具体的に半導体レーザの縦
モードが1本変化すると、基本波の波長は0.2nm変化す
るため、高調波出力がでなくなっていた。
【0007】そこで本発明は、温度および電流ゆらぎに
より基本波の波長がモードホップしない、すなわち半導
体レーザの縦モードを安定化させ、それにより安定な高
調波出力が得られるレーザ光源を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するため光波長変換素子と半導体レーザの結合にお
いて光波長変換素子の内部あるいは端面からの反射した
光を再度半導体レーザに帰還させるものである。
【0009】本発明の技術的手段は、半導体レーザと、
非線形光学結晶に形成された光波長変換素子とを備え、
前記光波長変換素子中には前記半導体レーザからの第1
の光を伝搬する光導波路と、前記光導波路に形成された
前記第1の光の一部を第2の光に波長変換する波長変換
部と、前記波長変換素子を通過した前記第1の光を反射
し前記第2の光を透過する反射部とを有するレーザ光源
とするものである。
【0010】また、半導体レーザと、非線形光学結晶に
形成された光波長変換素子とを備え、前記光波長変換素
子中には前記半導体レーザからの第1の光を伝搬する光
導波路と、前記光導波路に形成された前記第1の光の一
部を第2の光に波長変換する波長変換部と、変換された
第2の光を結晶外部へ出射する出射端と前記出射端に形
成された前記第1の光を反射する誘電体多層膜とを有す
るレーザ光源とするものである。
【0011】
【作用】本発明により波長変換素子にレーザの発振波長
の選択機能が付加され発振波長を安定化することがで
き、結果として安定なレーザ光源を得ることができる。
これを詳しく説明する。
【0012】半導体レーザの温度または電流ゆらぎが生
じても光波長変換素子に形成された反射部より特定の波
長に対してのみ戻り光が強くなり、そのため半導体レー
ザはその波長にロックされることとなる。そのため波長
が安定化しモードホップによる波長変動を生じることな
く光波長変換素子の擬似位相整合条件が保たれ高調波出
力も安定である。
【0013】
【実施例】実施例の一つとして本発明のレーザ光源の構
造を図1に示す。レーザ光源は基本的には半導体レーザ
21と光波長変換素子22より構成される。Al枠20
に固定された半導体レーザ21から出射された基本波P
1はコリメータレンズ24で平行光にされた後、フォー
カスレンズ25で光波長変換素子22の光導波路2に導
入され高調波P2へと変換される。
【0014】図2は図1のレーザ光源の基本構成をあら
わすものである。以下図2をもとに説明する。
【0015】1はLiNbO3基板1であり、2は基板1の表
面にプロトン交換を用いて作製した光導波路、3は光の
伝搬方向に周期的に形成された分極反転層である。この
分極反転層3は第1の光である基本波を第2の光でる高
調波へと変換を行う波長変換部である。30は反射部
で、これは周期的に屈折率の変化したDBR領域で基本
波を光の伝搬方向と逆方向に反射する。
【0016】以下このレーザ光源の動作の説明を行う。
半導体レーザからの第1の光である基本波P1はコリメ
ータレンズ24で平行光にされた後、フォーカスレンズ
25で入射部10に集光され光導波路2に導入される。
光導波路2を伝搬する基本波P1は一部が分極反転領域
3において第2の光である高調波P2に変換され出射1
2より出射する。また分極反転領域で変換されなかった
基本波P1は反射部であるDBR領域30により特定の
波長が反射され光導波路を逆進し入射部10より光導波
路2の外部へ出射する(P1’)。このDBR領域は屈
折率が周期的に変化した周期的な屈折率変化層であり、
回折格子としての働きにより特定の波長に対して反射が
生じる。さらに外部へ出射した光P1’はP1とは逆に
フォーカスレンズ25により平行光にされさらにコリメ
ートレンズ24により集光され半導体レーザ21に帰還
される。ここで半導体レーザに帰還される光P1’が無
い場合半導体レーザ21からの出射光P1の波長は図3
(a)の実線で現されるような複数の波長で発振し、波
長変換素子は波長許容度を満足する1つのモードのみし
か変換されず変換効率の悪化をまねく。またレンズから
の反射戻り光などの外的要因により波長が図3(a)の
実線で示されるモードのいずれかに移動するため変換効
率が不安定になる。
【0017】しかしながら図3(a)の波線でしめす様
な反射率の波長特性を持つDBR領域30で反射された
光P1’が半導体レーザ21に帰還するため半導体レー
ザ21は図3(b)に示すように一定のモードで発振を
行うこととなる。したがって分極反転層3の変換可能な
波長とDBR領域の反射波長を一致すれば、半導体レー
ザからの基本波P1を効率よく高調波P2に変換できる
こととなる。
【0018】次にこのレーザ光源に用いる光波長変換素
子の製造方法について説明する。図4(a)でまずLiNb
O3基板1に通常のフォトプロセスとドライエッチングを
用いてSiO26を周期3μmで長さ5mmにわたりパター
ニングする。次に同図(b)でSiO26が形成されたLiNb
O3基板1に1080℃、90分間熱処理を行いSiO 2
6直下に厚み1.4μmの分極反転層3を形成する。熱
処理の上昇レートは10℃/分、冷却レートは50℃/
分である。冷却レートが遅いと不均一反転が生じるので
30℃/分以上が望ましい。SiO26直下はLiが減少し
ており基板のキュリー温度より低下するため、基板のキ
ュリー温度より低く、SiO26直下のキュリー温度より高
い温度で熱処理すればSiO26直下だけに部分的に分極反
転ができる。分極反転層3の深さは1.5μmである。
次に同図(c)でHF:HNF3の1:1混合液にて20
分間エッチングしSiO26を除去する。次に上記分極
反転領域3中にプロトン交換を用いて光導波路2を形成
する。光導波路2を作製するためのマスクはTa25
ストライプ窓で、このパターニングにはフォトプロセス
とドライエッチングを使用する。このマスクを作製後こ
れをピロ隣酸中で230℃、2分間熱処理を行いプロト
ン交換する。最後にマスクを除去した後350℃で1時
間アニールを行った。アニール処理により微細な導波路
の不均一性が緩和されロスが減少し、さらにプロトン交
換層に非線形性が戻る。プロトン交換された保護マスク
のスリット直下の領域は屈折率が0.03程度上昇した高屈
折率層2となる。光は高屈折率層2を伝搬し、これが光
導波路2となる。
【0019】上記のような工程により光導波路が製造さ
れる。この光導波路2の厚みdは1.2μmであり分極
反転層3の厚み1.4μmに比べ小さく、光導波路をと
おる光は必ず分極反転層を通過するため有効に波長変換
される。また、この光導波路2の分極反転領域と非分極
反転領域の屈折率変化はなく、光が導波する場合の伝搬
損失は小さい。次にDBR領域6を形成するため図4
(d)で示す様に厚さ0.5μmのSiO2を蒸着した後、
2光束干渉ホログラフィック露光にるフォトプロセスと
ドライエッチングを用いて厚さ0.5μmのSiO2を周期
380nmでパターニングする。このDBR領域30の周期
をΛ1とすると、Λ1=mλ/(2Nω)である。mは
次数であり、ここでは2次の周期を用いている。以上で
DBR領域30を作製することができる。最後に光導波
路2に垂直な面を光学研磨し入射部10および出射部1
2を形成した。このようにして図2に示される光波長変
換素子が製造できる。
【0020】図2で基本波P1として半導体レーザ光
(波長0.84μm)を入射部10より導波させたとこ
ろ、半導体レーザの発振波長がシングルモード化し波長
0.42μmの高調波P2が出射部12より基板外部に
取り出された。光導波路2の伝搬損失は1.5dB/cmと小さ
く高調波P2が有効に取り出された。基本波40mWの
入力で0.8mWの高調波(波長0.42μm)を得
た。この場合の変換効率は2%である。電流を5mA変
化させても半導体レーザの発振波長は一定であり高調波
出力は安定していた。
【0021】次に第2の実施例を図5の基本構成をもと
に説明する。1はLiNbO3基板1であり、2は基板1の表
面にプロトン交換を用いて作製した光導波路、3は光の
伝搬方向に周期的に形成された分極反転領域である。3
1は出射部12に形成された誘電体多層膜からなる反射
ミラーである。
【0022】以下このレーザ光源の動作の説明を行う。
半導体レーザからの基本波P1はコリメータレンズ24
で平行光にされた後、フォーカスレンズ25で入射部1
0に集光され光導波路2に導入される。光導波路2を伝
搬する基本波P1は一部が波長変換部である分極反転層
3において高調波P2に変換され出射部12より出射す
る。また分極反転領域で変換されなかった基本波P1は
反射ミラー31により反射され光導波路を逆進し入射部
10より光導波路2の外部へ出射する(P1’)。さら
に外部へ出射した光P1’はP1とは逆にフォーカスレ
ンズにより平行光にされさらにコリメートレンズにより
集光され半導体レーザ21に帰還される。
【0023】誘電体多層膜からなる反射ミラーは図3
(a)の波線でしめす様な反射率の波長特性を持つため
第1の実施例同様半導体レーザ21は図3(b)に示す
ように安定なシングルモード発振を行う。したがって光
波長変換素子の擬似位相整合波長と誘電体多層反射膜3
1の反射波長を一致すれば、半導体レーザからの基本波
P1を効率よく高調波P2に変換できることとなる。
【0024】次に第3の実施例のレーザ光源について図
6を用いて説明する。このレーザ光源の基本構成は図1
と同様である。異なるところは光波長変換素子のDBR
領域の上にヒーターを取り付けたところにある。
【0025】この実施例では分極反転型の光波長変換素
子としてLiTaO3基板1a中にプロトン交換を用いて作製
した光導波路2を用いたものである。図6で1は−Z板
(Z軸と垂直に切り出された基板の−側)のLiTaO3
板、2は形成された光導波路、3は分極反転層、10は
基本波P1の入射部、12は高調波P2の出射部、15
は光導波路上でなおかつDBR領域上に形成されたNi
−Crの薄膜ヒーターである。
【0026】この実施例のレーザ光源の動作は、光導波
路2に入った基本波P1は位相整合長Lの長さを持った
分極反転層3で高調波P2に変換され、次の同じくLの
長さを持った非分極反転層で高調波パワーは増す事にな
る。このようにして光導波路2内でパワーを増した高調
波P2は出射部12より放射される。光波長変換素子の
温度許容度は半値幅Tで1℃と小さい。擬似位相整合に
より高調波が発生する波長(擬似位相整合波長)は非線
形光学結晶の屈折率と分極反転層の周期により決まる。
そのため光波長変換素子の温度が変化すると非線形光学
結晶の屈折率が変化し擬似位相整合波長も変化する。こ
の擬似位相整合波長に合った状態を擬似位相整合条件と
いう。温度が変わって光波長変換素子の擬似位相整合波
長が変化した場合、DBR領域の温度を薄膜ヒータによ
り変化させることにより半導体レーザの波長を変化させ
擬似位相整合波長に合わせることができる。
【0027】次にこの光波長変換素子の製造方法につい
て図を使って説明する。図7(a)でまずLiTaO3基板1
aに通常のフォトプロセスとドライエッチングを用いて
Ta6aをパターニングした後、Ta6aが形成されたLiTa
O3基板1aに260℃、20分プロトン交換処理を行い
プロトン交換層7を形成する。次に同図(b)でTaを除
去した後、560℃、1分間熱処理を行いプロトン交換
層7に厚み1.9μmの分極反転層3を形成する。熱処
理の上昇レートは10℃/秒、冷却レートは50℃/分
である。プロトン交換層は基板1中のLiが減少してお
りその部分のキュリー温度だけが低下するため部分的に
分極反転ができる。分極反転層3の長さLは1.9μm
である。次に同図(c)にて上記分極反転層3中にプロ
トン交換を用いて光導波路2を形成する。光導波路2用
マスクとしてTaをスパッタ蒸着する。次にストライプ
状にパターニングを行った後、Taマスクに幅4μm、
長さ15mmのスリットが形成されたものにピロ燐酸中
で260℃、20分間プロトン交換を行った。さらにT
aマスクを除去した後420℃で1分間アニールを行っ
た。アニール処理によりプロトン交換層は均一化されロ
スが減少する。プロトン交換された保護マスクのスリッ
ト直下の領域は屈折率が0.02程度上昇した高屈折率
層となる。光はこの高屈折率層を伝搬するので、これが
光導波路2となる。その後Ta2O5を50nmの厚みで蒸着
した後2光束干渉ホログラフィック露光とドライエッチ
ングにより周期400nmの周期的屈折率変化層を作製す
る。この周期的屈折率変化層がDBR領域となる。最後
に図7(d)で蒸着によりSiO214を300nm付加した
後、DBR領域上にNi-Cr層を厚み200nm形成した。
このNi-Cr層が薄膜ヒーター15となる。SiO214がな
いと金属である薄膜ヒーター15と光導波路2が直接接
触し伝搬損失が増加してしまう。
【0028】上記のような工程により薄膜ヒーター15
付き光波長変換素子が製造された。この光導波路2の厚
みdは1.8μmであり分極反転層3の厚み1.9μm
に比べ小さく有効に波長変換される。分極反転層3の周
期は3.8μmであり波長840nmに対しては温度20℃
で動作する。光導波路2に垂直な面を光学研磨し入射部
10および出射部12を形成した。このようにして図6
に示される光波長変換素子が製造できる。また、この素
子の長さは13mmである。このうち分極反転層3から
なる波長変換部は8mm,反射部は5mmである。図6
で第1の光である基本波P1として半導体レーザ光(波
長840nm)を入射部10より導波させたところシングル
モード伝搬し、第2の光である波長420nmの高調波P2
が出射部12より基板外部に取り出された。光導波路2
の伝搬損失は1dB/cmと小さく高調波P2が有効に取り出
された。低損失化の原因の1つとしてピロ燐酸により均
一な光導波路が形成されたことがある。
【0029】この際薄膜ヒーター15に10Vの電圧を
加えることにより電流を流し加熱を行いDBR領域の温
度を50℃に制御した。基本波40mWの入力で1mW
の高調波(波長0.42μm)を得た。この場合の変換
効率は2.5%である。光波長変換素子の波長に対する
許容度は0.3nmである。この半導体レーザの波長をDB
R領域30の温度を薄膜ヒーターに電流を流すことで変
化させて擬似位相整合波長に合わせ、高調波が安定に出
力されるようにする。DBR領域30の温度を変えると
基本波に対する屈折率Nωは変化する。DBR領域で反
射される波長λはλ=2Λ1・NωなのでNωを変化さ
せると波長λも変えることができる。
【0030】光波長変換素子のDBR領域の温度とDB
R領域で反射する半導体レーザの波長との関係を図8に
示す。この図から光波長変換素子の位相整合波長が5nm
ずれても温度を10℃変化させると、DBR領域で反射
する波長も変化するため高調波出力は最大になる。した
がって高調波出力の安定度は従来の光波長変換素子に比
べ大幅に改善され実用性が増した。
【0031】より具体的に説明すると、半導体レーザの
波長が840nmで薄膜ヒータの温度が50℃で安定して高調
波が出力していたとする。レーザ光源を取りまく環境温
度が20℃程度変化して光波長変換素子の位相整合波長
が840nmから841nmになったとする。しかし、薄膜ヒータ
ーによりDBR領域の温度を50℃より52℃に変えること
で、図8よりDBR領域で反射する波長が841nmになる
ため、半導体レーザの波長も841nmで安定となり、高調
波出力は安定に得られた。
【0032】薄膜ヒーターは消費電力が少なく、しかも
μs程度の速さで応答が可能なので波長変動に対して追
随させるには効果的である。なお基本波に対してマルチ
モード伝搬では高調波の出力が不安定で実用的ではなく
シングルモードが有効である。
【0033】なお、本実施例では、薄膜ヒーターを用い
たが通常のヒーターで制御することも可能である。ま
た、薄膜ヒーターの変わりにAl等を蒸着し電圧を印加
するような電気光学効果を利用した屈折率制御も有効で
ある。
【0034】また、実施例では非線形光学結晶としてLi
NbO3およびLiTaO3を用いたがKNbO3、KTP等の強誘電
体、MNA等の有機材料にも適用可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば光波
長変換素子に反射部を設け半導体レーザに特定の波長を
戻すことで基本波である半導体レーザの発振波長が一定
になり、結果として安定なレーザ光源が実現可能とな
る。
【0036】また、本発明の短波長レーザ光源によれば
半導体レーザの発振波長をヒーターによる温度制御によ
り補正することで、環境温度変化に対する高調波出射の
安定な動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ光源の第1の実施例の構造図である。
【図2】第1の実施例のレーザ光源の基本構成図であ
る。
【図3】波長安定化の原理をあらわす説明図である。
【図4】光波長変換素子の製造方法をあらわす工程断面
図である。
【図5】第2の実施例のレーザ光源の基本構成図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施例のレーザ光源の基本構成
図である。
【図7】本発明の第3の実施例の光波長変換素子の製造
方法をあらわす工程断面図である。
【図8】光波長変換素子のDBR領域の温度と半導体レ
ーザの発振波長の特性図である。
【図9】従来のレーザ光源の基本構成図である。
【図10】従来の光波長変換素子の構成図である。
【図11】高調波増幅の原理をあらわす説明図である。
【図12】従来のレーザ光源の基本構成要素である光波
長変換素子の工程断面図である。
【符号の説明】
1 LiNbO3基板 2 光導波路 3 分極反転層 P1 基本波 P2 高調波 15 薄膜ヒーター 21 半導体レーザ 30 DBR領域 31 誘電体多層膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザと、非線形光学結晶に形成
    された光波長変換素子とを備え、前記光波長変換素子中
    には前記半導体レーザからの第1の光を伝搬する光導波
    路と、前記光導波路に形成された前記第1の光の一部を
    第2の光に波長変換する波長変換部と、前記波長変換素
    子を通過した前記第1の光を反射し前記第2の光を透過
    する反射部とを有することを特徴とするレーザ光源。
  2. 【請求項2】 前記反射部が光導波路に光の伝搬方向に
    たいして周期的な屈折率変化層からなることを特徴とす
    る請求項1記載のレーザ光源。
  3. 【請求項3】 前記周期的な屈折率変化層が周期的なS
    iO2の装荷によって形成されていることを特徴とする
    請求項2記載のレーザ光源。
  4. 【請求項4】 半導体レーザと、非線形光学結晶に形成
    された光波長変換素子とを備え、前記光波長変換素子中
    には前記半導体レーザからの第1の光を伝搬する光導波
    路と、前記光導波路に形成された前記第1の光の一部を
    第2の光に波長変換する波長変換部と、変換された第2
    の光を結晶外部へ出射する出射端と前記出射端に形成さ
    れた前記第1の光を反射する誘電体多層膜とを有するこ
    とを特徴とするレーザ光源。
  5. 【請求項5】 非線形光学結晶がLiNbxTa1-x3
    (0≦X≦1)基板であることを特徴とする請求項1〜
    4いずれか記載のレーザ光源。
  6. 【請求項6】 光導波路がプロトン交換光導波路である
    ことを特徴とする請求請求項1〜5いずれか記載のレー
    ザ光源。
  7. 【請求項7】 非線形光学結晶中に分極反転層および光
    導波路を有しなおかつ前記光導波路上に薄膜ヒーターま
    たは電極が形成されていることを特徴とする請求請求項
    1〜5いずれか記載のレーザ光源。
  8. 【請求項8】 薄膜ヒーターまたは電極が周期的な屈折
    率変化層上に形成されていることを特徴とする請求項1
    〜5項いずれか記載のレーザ光源。
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