JP2833392B2 - 波長変換素子 - Google Patents

波長変換素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレントな短波長
小型光源の実現を可能にする半導体レーザ用波長変換素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】波長変換素子とくに第2次高調波発生
(SHG)素子は、エキシマレーザなどでは得にくいコ
ヒーレントな短波長光を得るデバイスとして産業上極め
て重要である。
【0003】半導体レーザは小型で高出力のコヒーレン
ト光を発振する光源として各種の光通信機器や光情報機
器に使用されている。現在この半導体レーザから得られ
る光の波長は0.63μm〜1.55μmの赤色から近
赤外領域の波長である。この半導体レーザをディスプレ
イ等、さらに広く機器に応用するために、緑色、青色
等、より短波長の光が求められているが、現在の技術で
はこの種の半導体レーザをにわかに実現するのは難し
い。半導体レーザの出力程度でも効率よく波長を変換で
きる波長変換素子が実現できるとその効果は甚大であ
る。
【0004】近年、半導体レーザの製作技術が発達し
て、従来にも増して高出力の特性が得られるようになっ
てきた。このため、光導波路型のSHG素子を構成すれ
ば、光の回折によるエネルギ密度の減少を回避でき、半
導体レーザ程度の光強度でも、比較的高い変換効率で波
長変換素子を実現できる可能性が生れて来た。
【0005】その様な例として、タンタル酸リチウム結
晶のC板に自発分極の反転周期構造を形成し、この周期
格子ベクトル方向に平行して光導波路を形造り、この光
導波路に近赤外光を透過し、同じ導波路を導波される2
次高調波を得る方式のSHG素子の構造の提案並びに基
本的な特性を実験的に実証した例がある(「半導体レー
ザを用いた分極反転型LiTaO3 SHG素子によるブ
ルー光発生」;山本和久、水内公典、谷内哲夫、第52
回応用物理学会学術講演予稿集所収11p−ZN−9、
平成3年9月11日)。この方式のSHG素子は、基本
波からSHG波へと同じ偏光成分間への変換に関与し、
通常最も高い値の非線形光学定数であるd33を利用でき
るような位相整合条件を、自発分極の反転周期を介する
ことに拠って実現しており、高い変換効率を可能にして
いる。しかしながら、このSHG素子は、入射させる光
の波長の許容幅がきわめて狭く、個体差の発振波長のば
らつきの大きい半導体レーザの選別を必要とし、素子そ
のものや、半導体レーザ各々に精密な温度調節を行なう
必要があるという欠点を持つ。
【0006】温度の変化による屈折率の変動や、入射波
長の変動にたいしても絶えず位相整合条件が保たれ、波
長トレランスの大きい、安定した波長変換が行なわれる
デバイスの新しい構成が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例における
課題である入射波長変動許容幅の狭さは、位相整合の条
件が一点波長でのみ満たされる構成になっていることに
起因する。すなわち、強誘電体を含む多くの誘電体では
屈折率の波長分散があり、短波長特に青色付近で屈折率
が急激に上昇する。入射波長として或特定の波長を想定
して、素子を設計しても、入射波長が僅かでも変動する
と、それに対応する1/2波長の屈折率の変化は大き
く、位相整合の仲立ちをする分極反転の格子周期が単一
であるため、整合の条件からすぐにはずれ、変換効率が
極端に低下する。温度変動による屈折率変化にたいして
も同様である。
【0008】この難点を解除する方法として、位相整合
化の仲立ちの働きをする自発分極反転の格子ピッチを分
散分布させる提案がある(学術論文「Theoreti
cal Analysis of Waveguide
Second−Harmonic Generati
on Phase Matched with Uni
form and Chirped Gratings
(均一周期及びチャープ周期格子によって位相整合する
導波路第2次高調波発生の理論的解析)」;栖原敏明、
西原浩共著、IEEE Journal of Qua
ntum Electoronics,Vol.26,
No.7,pp1265−1276(1990)所
収)。
【0009】分極反転の格子ピッチを分散分布させる方
法は、概念的には有効な方法である。しかしながら、単
にこれだけでは、実質的には実現が困難で、有効性にも
難点がある。前にも述べた通り、屈折率の波長分散は、
青色波長近辺では屈折率が大きく増大する。このため、
近赤外波長の屈折率との間で位相整合を取るためには、
分極反転の格子の周期はニオブ酸リチウム結晶では3μ
m、タンタル酸リチウム結晶でも3.6μmであり、こ
のため、反転分域の幅はその半分の1.5μmや1.8
μmとそれぞれ極めて細くなる。自発分極の反転分域を
形成する方法は数多く見い出されているが、いずれも1
μm8を切る精度は無い。従って、格子周期を3μm周
辺で徐々に変化し、分散させて設けることは困難であ
る。周知の如く、反転させた領域の幅と、反転させない
領域の比が1:1に近く無いと変換効率が低下する。
【0010】また、屈折率の波長分散は、近赤外領域で
は青色波長近辺で大きいということは、素子に波長許容
幅を広く持たせるためには、分極反転の格子周期の分散
幅を大きくとらなければならず、素子サイズの増大を招
き、作製を難しくし、変換された青色光は散乱や吸収を
多く受け、素子特性が低下する。
【0011】上記の難点を回避するためには、何らかの
別な手段を導入して、分極反転の格子周期を1桁以上大
きくし、導波光の等価屈折率の波長による分散の大きさ
を、近赤外領域と青色光領域とで同程度にすることが必
要である。
【0012】本発明の目的は、従来提案されている上述
の導波型SHG素子の持つ難点を取り除き、温度変動並
びに波長変動に対して位相整合条件に冗長性のある構成
の波長変換素子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明により、2次の非
線形光学効果を有する強誘電体結晶基板の表面に、その
周期が前記基板の表面に沿って除々に変化する自発分極
の反転した周期構造を設け、同一表面に前記周期構造に
平行して直線のチャンネル状の導波路を形成し、該チャ
ンネル状の導波路の表面に、前記強誘電体結晶基板より
小さい屈折率を有する誘電体の層を薄く設け、更にこの
上に、基本波波長に対する屈折率が、前記強誘電体結晶
基板の2次高調波波長に対する屈折率より大きい膜を設
けることによって、高効率で安定な波長変換素子が得ら
れる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき図面を参照して
詳細に説明する。図1は本発明の一実施例である導波路
構成の波長変換素子の構造を示す図である。1は有用な
2次非線形光学材料であるタンタル酸リチウム(LiT
aO3 )結晶でなる基板であり、基板1の方位はy板
(すなわち、基板1に立てた法線はy軸)である。この
基板1の表面には、簡便な導波路構造の一つであるプロ
トンイオン交換によるチャンネル導波路2が基板のX軸
方向に沿って形成されている。基本波6はチャンネル導
波路2にTE波(電界の振動方向が基板のX軸方向)と
して注入される。基本波6は導波路2に導かれて行くう
ちに、タンタル酸リチウム結晶の持つ最も大きい2次非
線形光学定数d33を介して、基本波6と同じ偏光(TE
波)の2次高調波光7に効率よく変換され、同じ導波路
2に導かれて基板1を出射する。基本波から2次高調波
光へ効率よく変換されるためには、上で述べたように、
位相整合条件、即ち材料の屈折率分散によって本質的に
存在する(2次高調波が青の短波長では特に差が大き
い)屈折率の違いを補償する方法がデバイスの構造に設
けられていることが必要であり、さらに、LD光である
基本波の波長が温度等で揺らいでも安定に変換されるこ
とが必要である。このためには、構造上の工夫がなされ
ていなければならない。本発明では以下に説明する工夫
がなされるている。
【0015】図1において、タンタル酸リチウム結晶基
板1の表面にチャンネル導波路2を設ける前に、位相整
合を取るために、自発分極の反転分域5がX軸方向に周
期配列して格子状に形成してある。そして、この格子ピ
ッチは図2に示すように、光の進行方向に徐々に変化す
るように形成してある。更に、チャンネル導波路2の上
は、例えばSIO2 膜のように、基板であるタンタル酸
リチウム結晶より屈折率の小さい誘電体の膜3で薄く覆
う。更に、この上から、別なる誘電体の膜4がスパッタ
法や蒸着法等の成膜方法によって薄く付けてある。この
膜4は光学特性上、次の条件を有する。すなわち、膜4
は基本波6の波長の光に対しては透明であり、その波長
における膜4の固有の屈折率の大きさは、LiTaO3
の2次高調波の波長における異常光屈折率ne よりも大
きい。この様な材料としては、例えば、燐化ガリウム
(GaP)、酸化チタンや酸化ニオブ等が上げられる。
その厚さは、導波路2の基本波波長での等価屈折率が、
基板1であるタンタル酸リチウム結晶の2次高調波の波
長でのne と同程度の大きさになるように、10〜10
0nm程度と薄く設けてある。
【0016】上記のような構造にすることによって、装
荷された導波路2の基本波と2次高調波に対する等価屈
折率は、図3に示すようになる。すなわち、図1の構造
では、波長の長い基本波は、低屈折率のSiO2 の薄い
膜3を突き抜けて、屈折率の高いGaP膜4の装荷効果
を受けるから等価屈折率が上昇し、曲線12のようにな
る。これに対して、2次高調波領域の波長は、短波長で
あるためにSiO2 膜3によってGaP膜4と隔てられ
るから、GaP膜4は等価屈折率には影響を与えず、タ
ンタル酸リチウム結晶の屈折率曲線11と大差無い。
【0017】装荷膜3と4が無い場合には、0.83μ
mの基本波の屈折率は2.16程度であり、2次高調波
0.415μm光の屈折率は2.27であって、基本波
と高調波とでは屈折率の差は0.11もある。これに対
して、SiO2 とGaPの2層膜を付けたとき(図3の
曲線12)、基本波の屈折率は2.26程度となって、
2次高調波のそれとの差は0.01以下となる。このた
め、装荷膜が無いとき、反転分域のピッチは3μmと極
めて細かさを必要とするのに対して、装荷膜を付けた場
合には、そのピッチは30μm以上と大きなものとな
る。このため、反転分域5の格子ピッチの分散は容易に
実現でき、これに拠って波長許容範囲が広くなる。
【0018】また、図3に示すように、装荷膜が無い場
合(曲線11)、基本波波長付近での屈折率の波長変化
と、2次高調波波長付近でのそれとは大幅に異なるのに
対して、装荷膜を付けた場合の基本波波長付近の曲線1
2の傾きは、2次高調波のそれに近くなる。このこと
は、基本波波長がずれた場合にも、自発分極の格子ピッ
チの整合に寄与する周期の値の変化は大きくないことを
意味し、分散の幅を広く設けておく必要が無いことを意
味する。
【0019】上記の実施例では、結晶基板としてy板を
用い、導波モードとしてTE波を利用する場合を述べた
が、本発明では勿論、z板、TM波を利用する事もでき
る。また、d33を利用することを述べたが、d13を利用
してもよい。
【0020】本発明の構造は、周囲温度の変化による屈
折率の変化、入射波の波長の変動やばらつき、装荷膜の
厚さや屈折率の設定誤差が多少あっても、等価屈折率の
交差場所は、導波路中の光進行方向の何処かに存在する
ため、変換効率の変動は小さいという特徴を持つ。すな
わち、製作精度、温度、波長に対する許容度や余裕度が
広い。
【0021】また、非線形結晶として、タンタル酸リチ
ウム結晶の場合を述べたが、ニオブ酸リチウム結晶やチ
タン酸燐酸カリウム等非線形光学効果の大きく、自発分
極の反転が可能な他の無機物結晶を用いることもでき
る。また無機物結晶に留まらず、高分子材料を用いても
同様の効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】以上に実施例を挙げて詳しく説明したよ
うに、本発明によれば高効率でしかも安定な導波路型の
波長変換素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の導波路型波長変換素子の構
造を説明する斜視図である。
【図2】基板結晶上に形成する反転分域格子の周期ピッ
チを説明するための図である。
【図3】用いる非線形光学結晶の屈折率の波長分散特性
を表わす図である。
【符号の説明】
1 LiTaO3 結晶 2 チャンネル導波路 3 SiO2 膜 4 GaP膜 5 反転分域 6 入射基本波 7 2次高調波

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次の非線形光学効果を有する強誘電体
    結晶基板の表面に、その周期が前記基板の表面に沿って
    除々に変化する自発分極の反転した周期構造を設け、同
    一表面に前記周期の方向に平行して直線のチャンネル状
    の導波路を形成し、該チャンネル状の導波路の表面に、
    前記強誘電体結晶基板より小さい屈折率を有する誘電体
    の膜を設け、更に該誘電体膜の上に、基本波波長に対す
    る屈折率が、前記強誘電体結晶基板の2次高調波波長に
    対する屈折率より大きい膜を設けたことを特徴とする波
    長変換素子。
  2. 【請求項2】 前記誘電体膜は、前記基本波波長に対す
    る前記導波路の等価屈折率が前記強誘電体結晶基板にお
    ける前記2次高調波波長での異常屈折率と同程度になる
    厚さに設けてあることを特徴とする請求項1に記載の波
    長変換素子。
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