JP3049986B2 - 光波長変換素子 - Google Patents

光波長変換素子

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JP3049986B2 JP5048915A JP4891593A JP3049986B2 JP 3049986 B2 JP3049986 B2 JP 3049986B2 JP 5048915 A JP5048915 A JP 5048915A JP 4891593 A JP4891593 A JP 4891593A JP 3049986 B2 JP3049986 B2 JP 3049986B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒ−レント光を利用
する光情報処理分野、あるいは光応用計測制御分野に使
用する光波長変換素子およびそれを用いた短波長レーザ
光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13に従来の光波長変換素子の構成図
を示す。以下820nmの波長の基本波に対する高調波発生
(波長410nm)について図を用いて詳しく述べる。(E.
J.Lim,M.M.Fejer, R.L.Byer and W.J.Kozlovsky, "Blue
light generation by frequency doubling in period
ically-poled lithium niobate channel waveguide", E
lectronics Letters, Vol.27, P731-732,1989年、参
照)。
【0003】図13に示されるようにLiNbO3基板1に光
導波路2が形成され、さらに光導波路2には周期的に分
極の反転した層3(分極反転層)が形成されている。基
本波と発生する高調波の伝搬定数の不整合を分極反転層
3と非分極反転層5の周期構造で補償することにより高
効率に高調波を出すことができる。まず、図14を用い
て高調波増幅の原理を説明する。分極反転していない非
分極反転素子31では分極反転層は形成されておらずに
分極反転方向は一方向となっている。この非分極反転素
子31では光導波路の進行方向に対して高調波出力31
aは増減を繰り返しているだけである。これに対して周
期的に分極が反転している分極反転波長変換素子(1次
周期)32では出力32aは図14に示されるように光
導波路の長さLの2乗に比例して高調波出力は増大す
る。ただし分極反転において基本波P1に対して高調波
P2の出力が得られるのは擬似位相整合するときだけで
ある。この擬似位相整合が成立するのは分極反転層の周
期Λ1がλ/(2(N2ω−Nω))に一致するときに
限られる。ここでNωは基本波(波長λ)の実効屈折
率、N2ωは高調波(波長λ/2)の実効屈折率であ
る。このような従来の光波長変換素子は分極反転構造を
基本構成要素としていた。
【0004】この素子の製造方法について図15を用い
て説明する。同図(a)で非線形光学結晶であるLiN
bO3基板1にTi31のパターンをリフトオフと蒸着
により幅数μmの周期で形成していた。次に同図(b)
で1100℃程度の温度で熱処理を行いLiNbO3基板1と
分極が反対向きに反転した分極反転層3を形成した。次
に同図(c)で安息香酸(200℃)中で20分熱処理
を行った後350℃で3時間アニールを行い光導波路2
を形成する。上記安息香酸処理により作製される光波長
変換素子は波長820nmの基本波P1に対して、光導波路
の長さを1mm、基本波P1のパワーを14.7mWにした
とき高調波P2のパワー940nWが得られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような分極反転
層を基本とした光波長変換素子では素子長5mmのとき
基本波のレーザの波長変動に対する許容度が狭く半値幅
で0.1nmしかない。そのため光波長変換素子と半導
体レーザと組み合わせた場合、半導体レーザが温度変化
のため波長変動を生じ高調波がでなくなるか、または大
きく高調波の出力が変動するといった問題があった。こ
れについて詳しく説明する。図16に温度変化した場合
の波長に対する高調波出力の関係を示す。図16に示す
ように半導体レーザは波長820nmで高調波出力が最大で
あるが、レーザの波長が0.05nmずれただけで高調波出
力は半分になってしまう。半導体レーザの波長変化に対
する許容度はこのように小さいのである。具体的に半導
体レーザが20℃から21℃に1℃温度変化すると、波
長は820nmから820.2nm変化するため、高調波出力は
ゼロになる。
【0006】そこで本発明は、環境温度に左右されな
い、すなわち環境温度が変わっても安定した高調波の出
力が得られる光波長変換素子、およびそれを用いた短波
長レーザ光源を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するため分極反転構造を基本とした光波長変換素子
に新たな工夫を加えることにより半導体レーザの温度変
化に対して高調波を安定に出力する光波長変換素子を提
供するものである。つまり、本発明は非線形光学結晶中
に周期状分極反転層および光導波路を有し、なおかつ前
記光導波路上に電極が形成されており、前記分極反転層
の厚みをd、光導波路中を基本波が伝搬する厚みをS
1、前記光導波路中を高調波が伝搬する厚みをS2とす
るとS1>d>S2となるものである。
【0008】また、本発明の短波長レーザ光源は安定な
出力を得るために非線形光学結晶中に周期状分極反転層
および光導波路を有する光波長変換素子と半導体レーザ
を有し、なおかつ前記光波長変換素子が電圧により制御
されているという手段を有するものである。
【0009】
【作用】本発明の光波長変換素子を電極を用いて電圧制
御することにより、半導体レーザの波長が変化しても電
圧を変化させることで常に最高の高調波出力が得られ
る。これを詳しく説明する。環境温度が変化すると半導
体レーザの波長が変化してしまい、光波長変換素子の擬
似位相整合条件が合わなくなり高調波の出力が得られな
くなる。前述したように基本波と高調波が位相整合する
条件はΛ1=λ/(2(N2ω−Nω))である。ここ
で光波長変換素子の周期Λ1は光波長変換素子を作製し
た段階で規定されてしまうから、環境温度が変化しても
変わらない。ところが環境温度が変化すると半導体レー
ザの発振波長λが変化する。すると図16で示したよう
に半導体レーザに対する許容度が小さいために高調波の
出力が変動することとなる。ここで擬似位相整合条件を
合わすために、半導体レーザの波長λが変化しても、そ
れに応じて(N2ω−Nω)の値を変化させ、結果的に
Λ1=λ/(2(N2ω−Nω))の条件式を満たすよ
うにする。
【0010】(N2ω−Nω)の値は図17のように光
波長変換素子の光導波路に電界つまり電圧を印加するこ
とで変化させることができる。このことを詳しく説明す
る。LiNbO3は非線形光学効果だけでなく電気光学効果も
大きい。これは電界Eを加えると屈折率変化ΔnがN3
rE/2に比例して生じるものである。ここでNは基板
の屈折率、rは電気光学定数である。電気光学定数rは
波長依存性を持っており、短波長側で大きくなる。その
ため(N2ω−Nω)の値は変化することとなる。これ
により光波長変換素子の電圧を変化させ光導波路の屈折
率を変え、新しい擬似位相整合波長に合わせることがで
きる。これにより高調波が安定に保たれる。また、最初
から擬似的に位相整合する波長からずれていたとしても
電圧を印加することで擬似位相整合条件にすることがで
き高調波を高効率に取り出すことができる。また、本発
明の短波長レーザ光源によれば、同様な作用により高調
波の出力安定度を大幅に向上できる。
【0011】また、上記のような構成により電圧印加に
対して効率的に屈折率が変化し変調することが可能とな
る。初期状態で位相整合がとれているとする。これに電
圧を印加することにより屈折率変化が生じる。これによ
り(N2ωーNω)は大きく変化し、位相整合条件から
ずれる。よって電圧変化により高調波出力のON、OF
Fが得られるのである。
【0012】
【実施例】実施例の一つとして本発明の光波長変換素子
の構成を図を用いて説明する。まず、本発明による光波
長変換素子の第1の実施例の構造図を図1に示す。この
実施例では分極反転型の光波長変換素子としてLiTaO3
板1中にプロトン交換を用いて作製した光導波路2を用
いたものである。図1で1は−Z板(Z軸と垂直に切り
出された基板の−側)のLiTaO3基板、2は形成された光
導波路、3は分極反転層、10は基本波P1の入射部、
12は高調波P2の出射部、15a,15b,15cは
光導波路上に形成されたAlの電極である。光導波路2
に入った基本波P1は位相整合長Lの長さを持った分極
反転層で高調波P2に変換され、次の同じくLの長さを
持った非分極反転層で高調波パワーは増す事になる。こ
のようにして光導波路2内でパワーを増した高調波P2
は出射部12より放射される。擬似位相整合により高調
波が発生する波長(擬似位相整合波長)は非線形光学結
晶の屈折率と分極反転層の周期により決まる。LiTaO3
非線形光学効果だけでなく電気光学効果も大きく電界に
より屈折率を変えることができる。つまり光導波路に印
加する電圧を変化させることで屈折率が変化し変調する
ことができる。
【0013】図2に光導波路に垂直な面で切った断面図
を示す。光導波路上に+電圧を印加し光導波路の横をグ
ランドに落としておくと図のように電気力線が走り電界
がかかる。これにより屈折率が変化する。
【0014】図3に光導波路に平行な方向に切った断面
図(a)およびその拡大図(b)を示す。図3のように
この光導波路2の基本波P1の強度が1/e2になる点D1
の表面からの厚みS1は2μmであり分極反転層3の厚
み1.6μmに比べ大きい。また、高調波P2の強度が
1/e2になる点D2の表面からの厚みより分極反転層の厚
みdは大きい。このような構成を採ったのは電圧印加に
対する屈折率変化を有効に生じさせるためである。つま
り光導波路に電界をかけることにより分極反転層3は屈
折率が低下し、その反対に非分極反転層4は屈折率が増
加する。そのため平均屈折率は変化しないことになる。
しかしながら、光導波路を伝搬する基本波の一部が分極
反転していないためその部分は屈折率が変化し、全体と
して位相整合条件からずれるため、変調された電圧を印
加することで高調波の変調できることになるからであ
る。
【0015】次にこの光波長変換素子の製造方法につい
て図を使って説明する。図4(a)でLiTaO3基板1aに
通常のフォトプロセスとドライエッチングを用いてTa
6aを周期状にパターニングする。次に同図(b)でT
a6aによるパターンが形成されたLiTaO3基板1aにピ
ロ燐酸中で260℃、30分間プロトン交換を行いスリット
直下に厚み0.8μmのプロトン交換層を形成した後、550
℃の温度で1分間熱処理する。これにより分極反転層3
が周期的に形成される。次に同図(c)でプロトン交換
用保護マスクとしてTaを30nmストライプ状にパターニ
ングした後、260℃、16分間プロトン交換を行った。そ
の後380℃、10分間アニールを行い光導波路2が形成
される。さらに同図(d)でSiO214を保護膜として形
成した後、電極15となるTi膜を形成する。Tiの厚み
は200nmである。次にフォトリソとドライエッチングを
用いて図1に見られるようなTiのパターンを形成す
る。これが電極15となる。この電極15の周期と分極
反転層の周期は一致している。最後に研磨により入出射
面を形成する。光導波路2は幅4μm、長さは1cmであ
る。分極反転の周期は3.8μm、分極反転層の厚みは
1.6μmである。
【0016】図5に電極に印加される電圧に対する擬似
位相整合波長との関係を示す。電圧を印加しないときの
擬似位相整合波長は860nmであるのに対して30Vの電圧を
印加すると862nmまで変化した。電極15を用いると電
圧の変化に対する擬似位相整合波長の変化が大きく、広
い範囲で半導体レーザの波長変化に追随することが可能
である。この実施例での変換効率は40mW入力で2.
5%である。光損傷はなく高調波出力は非常に安定して
いた。次にこの櫛形電極にピーク電圧5Vのパルス状変
調電圧(繰り返し200ps)を印可した。図6に印加
電圧波形と高調波出力の関係を示す。5GHzの周波数の
変調電圧に対して高調波も追随して応答していた。この
ように電極に変調電圧を印加することで変調された高調
波も得ることができる。
【0017】次に本発明の短波長レーザ光源の第2の実
施例を説明する。図7の短波長レーザ光源の構成図を示
す。短波長レーザ光源は基本的には半導体レーザ21と
光波長変換素子22により構成される。Al枠20に固
定された半導体レーザ21から出射された基本波P1は
コリメータレンズ24で平行光にされた後、フォーカス
レンズ25で光波長変換素子22の光導波路2に導入さ
れ高調波P2へと変換される。また、23は石英板であ
り断熱のためのものである。ここで光波長変換素子の構
成は実施例1と同様である。本実施例ではLiNbO3基板に
比べて光損傷に強いMgOドープのLiNbO3を用い112
0℃で熱処理し分極反転層を形成した。LiNbO3に比べて
処理温度が高いのはキュリー温度がMgOドープするこ
とにより80℃程度高いためである。又、光導波路には
分極反転層の形成時の熱処理温度に比べて低温処理が可
能であるプロトン交換光導波路を用いた。この実施例で
はこの光波長変換素子22と半導体レーザ21を組み合
わせて短波長レーザ光源を作製した。出力される高調波
P2の出力はビームスプリッタ26により分岐され、S
iディテクター27により検出され電気処理によりフィ
ードバックがかかり高調波出力の最大点で光波長変換素
子22に形成されている電極に電圧を印加することで高
調波が一定に保たれる。半導体レーザ21の波長変動に
追随して光波長変換素子22に形成された電極により印
加する電圧を変化することにより光波長変換素子22の
光導波路2の屈折率が変化し高調波出力は安定化され
る。図8に作製された短波長レーザ光源の環境温度依存
性を示す。変換効率は80mW入力で4%であり、30
℃程度の範囲にわたって出力も非常に安定していた。図
9に従来の短波長レーザ光源と本発明の短波長レーザ光
源の環境温度25℃と35℃での高調波出力の比較を示
す。25℃の環境温度では従来の短波長レーザ光源の光
波長変換素子も擬似位相整合条件を満たしているため高
調波は最高出力の3mWとなっているが、35℃では擬
似位相整合条件からずれるため高調波出力は0である。
これに対して本発明の光波長変換素子では環境温度が変
わっても、光波長変換素子の光導波路の屈折率が電圧に
より制御されており常に最大の高調波出力(3mW)が
保たれることとなる。
【0018】次に本発明の光波長変換素子の第3の実施
例を説明する。光波長変換素子の構成を図10に示す。
本実施例ではLiTaO3を基板として用いた。LiTaO3はキュ
リー温度が620℃と低く低温で分極反転処理が可能で
ある。また、本実施例では電極として櫛形電極を用い
た。この櫛形電極15の周期は分極反転層の周期と一致
している。分極反転層3上の電極15をグランドに接続
し、非分極反転層5上の電極に+電圧を印加する。この
ことにより分極反転層3および非分極反転層5の屈折率
変化はどちらも増加となるため、擬似位相整合波長が大
きく変化できる。光導波路2はピロ燐酸中でのプロトン
交換により作製した。また、光導波路の上に櫛形電極1
5としてTiを200nm蒸着により形成している。以下
作製方法について図11を用いて説明する。図11
(a)でLiTaO3基板1aに通常のフォトプロセスとドラ
イエッチングを用いてTa6aを周期状にパターニング
する。次に同図(b)でTa6aによるパターンが形成
されたLiTaO3基板1aにピロ燐酸中で260℃、30分間プ
ロトン交換を行いスリット直下に厚み0.8μmのプロト
ン交換層を形成した後、550℃の温度で1分間熱処理す
る。これにより分極反転層3が周期的に形成される。次
に同図(c)でプロトン交換用保護マスクとしてTaを
30nmストライプ状にパターニングした後、260℃、16分
間プロトン交換を行った。その後380℃、10分間アニ
ールを行い光導波路2が形成される。さらに同図(d)
でSiO214を保護膜として形成した後、電極15となる
Ti膜を形成する。Tiの厚みは200nmである。次にフォ
トリソとドライエッチングを用いて図10に見られるよ
うなTiの周期的パターンを形成する。これが櫛形電極
15となる。この櫛形電極15の周期と分極反転層の周
期は一致している。最後に研磨により入出射面を形成す
る。光導波路2は厚みは1.9μm、幅4μm、長さは1c
mである。分極反転の周期は3.6μm、分極反転層の
厚みは1.8μmである。
【0019】櫛形電極15に10Vの電圧を加えること
により光波長変換素子の屈折率を制御し擬似位相整合波
長を半導体レーザの発振波長に合わせた。このとき電界
は2×106V/mである。すると基本波40mWの入
力で1mWの高調波(波長420nm)を得た。この場合の
変換効率は2.5%である。光波長変換素子の波長に対
する許容度は0.03nmである。この半導体レーザの
波長変動を光波長変換素子の電圧を変化させて補正し高
調波が安定に出力されるようにする。半導体レーザの波
長変化に対する光波長変換素子の電圧との関係を図12
に示す。波長が0.03nmずれても電圧を10Vから40V
まで変化させるとまた、高調波出力は最大になる。高調
波出力の安定度は従来の光波長変換素子に比べ大幅に改
善され実用性が増した。環境温度が3℃程度変化して半
導体レーザの発振波長が840nmから840.6nmになったとし
ても電極により光導波路に印加する電圧を10Vより7
0Vに変えることで高調波出力は安定に得られた。電圧
制御はps程度の速さで応答が可能なので波長変動に対
して追随させるには効果的である。なお基本波に対して
マルチモード伝搬では高調波の出力が不安定で実用的で
はなくシングルモードが有効である。
【0020】次にこの櫛形電極にピーク電圧10Vのパ
ルス状変調電圧(繰り返し1ns)を印可した。変調電
圧に対して高調波も追随して応答していた。このように
櫛形電極に変調電圧を印加することで変調された高調波
も得ることができる。このように、櫛形電極を用いると
効率良く屈折率変化を与えることができ効果的である。
【0021】また、実施例では非線形光学結晶としてLi
NbO3およびLiTaO3を用いたがKNbO3、KTP等の強誘電
体、MNA等の有機材料にも適用可能である。
【0022】なお基本波を発生する光源として半導体レ
ーザを用いたがYAGやYVO4等の固体レーザを用い
ても良い。この場合は発振波長は一定なので電圧により
擬似位相整合に合わせるという目的対して効果を生む。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光波長変換
素子によれば、分極反転層を持つ光波長変換素子上に電
極を形成し光波長変換素子を電圧コントロールすること
により擬似位相整合波長をレーザ発振波長に合わせるこ
とで簡単になおかつ安定に高調波発生を行うことができ
る。また、本発明の短波長レーザ光源によれば半導体レ
ーザの波長変動を光導波路に印加される電圧の制御によ
り補正することで、高調波出射の安定な動作を実現でき
る。
【0024】また、本発明の光波長変換素子により高調
波を光導波路から取り出すことができ簡単に非点収差の
ないスポットを安定に得ることができ、その実用的効果
は極めて大きい。
【0025】さらに、本発明の光波長変換素子によれ
ば、分極反転層を持つ光波長変換素子上に電極を形成し
光波長変換素子を電圧印加する際、分極反転層の厚みを
d、基本波が伝搬する厚みをS1、高調波が伝搬する厚
みをS2とするとS1>d>S2と構成することで単純
な電極構成により基本波のみを大きく屈折率変化させる
ことが可能となり、電極に電圧を印加することで高調波
出力を効率良く変調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光波長変換素子の第1の実施例の構造
【図2】本発明の光波長変換素子を光導波路に垂直な報
告で切った断面図
【図3】本発明の光波長変換素子を光導波路に平行な方
向で切った断面図
【図4】本発明の光波長変換素子の製造工程図
【図5】光波長変換素子に印加する電圧と擬似位相整合
波長の関係を示す特性図
【図6】本発明の第1の実施例の光波長変換素子の変調
特性を示す特性図
【図7】本発明の短波長レーザ光源の構成図
【図8】環境温度に対する高調波出力の依存性の従来例
と本発明の短波長レーザ光源の比較図
【図9】環境温度に対する従来例と本発明の短波長レー
ザ光源の高調波出力の比較図
【図10】本発明の第3の実施例の光波長変換素子の構
成図
【図11】本発明の第3の実施例の光波長変換素子の製
造工程図
【図12】本発明の第3の実施例の光波長変換素子に印
加する電圧と擬似位相整合波長の関係を示す特性図
【図13】従来の光波長変換素子の構成図
【図14】光波長変換素子による波長変換の原理図
【図15】従来の光波長変換素子の製造工程図
【図16】温度を変化させた場合の波長に対する光波長
変換素子の高調波出力を示す特性図
【図17】印加電圧に対する屈折率変化(N2w−Nw
の関係を示す特性図
【符号の説明】
1 LiTaO3基板 2 光導波路 3 分極反転層 15 電極 21 半導体レーザ 22 光波長変換素子 P1 基本波 P2 高調波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−119066(JP,A) 特開 平3−191332(JP,A) 特開 平5−142608(JP,A) 特開 平5−249521(JP,A) 特開 平4−143707(JP,A) 特開 平6−27508(JP,A) 特開 平5−127208(JP,A) 特開 平5−281588(JP,A) 特開 平6−51359(JP,A) 特開 平6−110099(JP,A) 特開 平4−3127(JP,A) 特開 平5−53163(JP,A) 1992年春季第39回応用物理学関係連合 講演会予稿集 第3分冊(1992年3月28 日発行)p.996,31a−G−7 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 - 1/39 H01S 3/108 - 3/109

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非線形光学結晶中に周期状分極反転層およ
    び光導波路を有し、なおかつ前記光導波路上に電極が形
    成されており、前記分極反転層の厚みをd、光導波路中
    を基本波が伝搬する厚みをS1、前記光導波路中を高調
    波が伝搬する厚みをS2とするとS1>d>S2となる
    ことを特徴とする光波長変換素子。
JP5048915A 1992-03-11 1993-03-10 光波長変換素子 Expired - Fee Related JP3049986B2 (ja)

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1992年春季第39回応用物理学関係連合講演会予稿集 第3分冊(1992年3月28日発行)p.996,31a−G−7

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