JPH09304800A - 光波長変換素子および分極反転の製造方法 - Google Patents

光波長変換素子および分極反転の製造方法

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JPH09304800A
JPH09304800A JP22486096A JP22486096A JPH09304800A JP H09304800 A JPH09304800 A JP H09304800A JP 22486096 A JP22486096 A JP 22486096A JP 22486096 A JP22486096 A JP 22486096A JP H09304800 A JPH09304800 A JP H09304800A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体結晶における分極反転の製造におい
て、分極反転を大きな面積に渡り均一に形成する手段を
提供する。 【解決手段】 基板厚みに依存する分極反転部4の拡大
部を考慮した電極20の形状を形成することにより、非
反転領域の形成を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コヒーレント光源
を応用した、光情報処理、光応用計測分野に使用される
光導波路および波長変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単一分極の強誘電体結晶の分極を部分的
に反転させる分極反転は、非線形光学効果、電気光学効
果、音響光学効果等の光波制御を可能にし、通信、光情
報処理、計測等広い分野で応用されている。中でも非線
形光学効果を利用した光波長変換素子への適用は、半導
体レーザの波長変換による小型の短波長光源を実現でき
るため、盛んに研究が行われている。
【0003】従来の分極反転製造方法は、強誘電体に電
極を形成し電極間に電圧を印加することで分極反転を形
成している(電子情報通信学会論文誌、金高健二 他、
C-I、vol.J78-C-I, No.5 pp.238-245)。強誘電体であ
るLiNbO3の表面に周期構造の電極を裏面に平面電極を形
成する。電極間に電圧を印加し流れる電荷量を制御し
て、分極反転構造を形成している。従来の分極反転の製
造方法を図13に示す。分極反転に必要な電荷量は(自
発分極Ps)×(電極範囲面積)×2で与えられてい
る。また、分極反転部の広がりは、電極の周期Λと電極
幅Wの比W/Λの値で決まり、基板の厚みに依存しない
値だけ広がると考えられている。形成された分極反転は
周期3μm、分極反転が形成された領域の面積は1mm
2程度であった。
【0004】また、従来の光波長変換素子の構造は、位
相整合をとるため周期状の分極反転構造を非線形光学結
晶内に形成した素子構造が報告されている(例えば、電
気情報通信学会論文誌、佐藤学 他、C−I,vol.J78-
C-I,No.8,pp.366-372)。
【0005】従来の光波長変換素子の構造を図14に示
す。光波長変換素子はLiTaO3基板に周期7.8μmの分
極反転層を形成し、分極反転層により位相整合をとるこ
とで、素子内に集光された基本波を第二高調波(以下S
HGとする)に変換している。
【0006】また、その作製方法は、LiTaO3基板の+Z面
に櫛形電極を、-Z面に平面電極を形成し、電極間にパル
ス状の高電圧を印加することで周期状の分極反転層を形
成している。その後、電極を除去し、光導波路の両端面
を光学研磨して入出射部を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分極反転の製造方法に
ついての課題を述べる。
【0008】電界印加により形成される分極反転は、変
換効率向上、生産性の向上から大面積に渡る分極反転構
造の形成が必要である。しかしながら、従来の方法では
周期状の分極反転が形成される面積が1mm2程度と小さ
く、大面積に渡り分極反転を形成すると、分極反転が形
成されない、非反転領域が多数形成され均一な分極反転
構造ができないといった問題があった。また周期3μm
程度の粗い周期構造しか形成できず、さらに短周期の分
極反転構造を形成するのが難しいという問題があった。
【0009】また分極反転を均一に形成するための、基
板厚み、電極形状、印加電荷量等の関係が明らかではな
いため、微細な分極反転形状を形成するのが難しいとい
う問題があった。
【0010】また、電界印加により形成された周期状の
分極反転構造は、短周期で深い構造を実現し、バルク型
の光波長変換素子において高効率の波長変換を可能にし
た。しかしながら、高圧の電界を印加するため結晶内に
局所的な屈折率変化が残留し、結晶内を通る光の伝播損
失になっていた。これを低減するため400℃以上の高
温でアニール処理する方法も報告されているが、高温で
熱処理すると結晶の光損傷が増大し、SHG出力の不安
定性が増大するという問題があった。
【0011】次に、光波長変換素子についての課題を述
べる。従来の光波長変換素子はLiTaO3に周期状分極反転
構造を形成することで位相整合をとり波長変換を行って
いる。そのため位相整合は波長許容度は0.1nm程度(相
互作用長:10mm程度の場合)と非常に厳しく、環境温度
の変化、焦電効果による電界の発生、光損傷等の影響に
よる結晶の屈折率変化により変換効率が大きく変動し、
出力が不安定になるという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明では、単一分極の強誘電体結晶の表面と裏面に電
極を形成する工程と、前記電極間に前記分極に対向する
電圧を印加して分極を反転を形成する工程とを有し、前
記電極形状が、目的とする分極反転形状に比べ、その外
周において前記表面電極の周辺部で広がる分極反転部の
最小値ΔWmin以上小さい分極反転の製造方法である。
【0013】また、自発分極Psを有する単一分極の強
誘電体結晶の表面に面積A、外周Lの電極を形成する工
程と、前記結晶の裏面に電極を形成する工程と、前記表
面と裏面の電極間に前記分極に対向する電圧を印加し分
極を反転する工程とを有し、前記表面電極の周辺部で広
がる分極反転部の最小値ΔWminに対し、前記電極間に
流れる電荷量Qが、 Q>2Ps(A+L・ΔWmin) の関係を満足する分極反転の製造方法である。
【0014】また、単一分極の強誘電体結晶の表面に周
期Λの櫛形電極を形成する工程と、前記結晶の裏面に平
面電極を形成する工程と、前記電極間に前記分極に対向
する電圧を印加して分極を反転する工程とを有し、前記
櫛形電極の周辺部で広がる分極反転部の最小値ΔWmin
に対し前記櫛形電極の電極指の幅Wが、 W+2・ΔWmin<Λ/2 である分極反転の製造方法である。
【0015】また、単一分極の強誘電体結晶の表面に周
期Λ、幅W、長さLdの電極指からなる櫛形電極を長さL
sに渡り形成する工程と、前記結晶の裏面に平面電極を
形成する工程と、前記電極間に前記分極に対向する電圧
を印加して分極を反転する工程とを有し、前記櫛形電極
の周辺部で広がる分極反転部の最小値ΔWminに対し前
記電極間に印加する電荷量Qが、 Q>2Ps・(W+2ΔWmin)Ld・Ls/Λ である分極反転の製造方法である。
【0016】また、c板のLiNbxTa1-xO3(0≦x≦1)
結晶に周期状の分極反転層を形成する行程と前記結晶表
面にプラズマを照射することを特徴とする分極反転の製
造方法である。
【0017】また、c板のLiNbxTa1-xO3(0≦x≦1)
結晶の表面に櫛形電極を形成する工程と、前記結晶の裏
面に平面電極を形成する工程と、前記電極間に電圧を印
加して周期状の分極反転層を形成する工程と、前記結晶
を熱処理する工程を有する光波長変換素子の製造方法で
ある。
【0018】また、c板のLiNbxTa1-xO3(0≦x≦1)
結晶の表面に櫛形電極を形成する工程と、前記結晶の裏
面に平面電極を形成する工程と、前記電極間に電圧を印
加して周期状の分極反転層を形成する工程とを有し、前
記電極間に印加する電圧として、前記結晶の分極反転が
生じる電圧以上の電圧を印加した後、前記結晶の分極が
生じない程度の電界を2秒間以上印加する光波長変換素
子の製造方法である。
【0019】また、c板のLiTaO3基板と、前記基板に形
成した周期状の分極反転層を有し、分極反転層の周期Λ
と、前記基板の厚みTが、 T<Λ/0.01 の関係を満足する光波長変換素子である。
【0020】また、非線形光学効果を有する結晶と、前
記結晶に形成された周期状の分極反転層と、前記結晶の
端面に形成された入射面と、前記結晶の他の端面に形成
された出射面と、前記結晶の表面または裏面の少なくと
も一部に形成した金属膜を有する光波長変換素子であ
る。
【0021】また、非線形光学効果を有する結晶と、前
記結晶に形成された周期状の分極反転層と、前記結晶の
端面に形成された入射面と、前記結晶の他の端面に形成
された出射面とを有し、前記周期状分極反転層が、前記
入射面より入射された基本波の伝搬方向と平行な方向に
2つ以上の領域に分割されており、かつ前記領域におけ
る前記分極反転の位相が互いに異なっている光波長変換
素子である。
【0022】また、非線形光学効果を有する結晶と、前
記結晶に形成された周期状の分極反転層と、前記結晶の
端面に形成された入射面と、前記結晶の他の端面に形成
された出射面とを有し、前記周期状分極反転層が、前記
入射面より入射された基本波の伝搬方向と平行な方向に
2つ以上の領域に分割されており、かつ前記領域におけ
る前記分極反転の周期が互いに異なっている光波長変換
素子である。
【0023】また、非線形光学効果を有する結晶を2つ
以上備え、各々の結晶が内部に形成された周期状の分極
反転層と、端面に形成された入射面と、他の端面に形成
された出射面とを有し、かつ前記結晶が互いに光学的に
接触している光波長変換素子である。
【0024】また、前述した光波長変換素子と、集光光
学系と、レーザとを備え、前記レーザから出射した光
が、前記光学系により前記光波長変換素子内に集光され
て前記光波長変換素子により波長変換されている短波長
光発生装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、第2高調波発生を利用
した光波長変換素子に必要な周期状分極反転構造を形成
するための方法で、具体的な分極反転の形成方法として
は、単一分極の強誘電体基板(ここでは、主にLiTaO3
板)に電極を形成し、電極間に高圧の電圧を印加するこ
とで電極下に分極反転部を形成する。ここで問題となる
のは、 ・分極反転を大面積に渡り形成する際に、電極下に分極
反転が均一に形成できない。
【0026】・微細な電極パターン下において分極反転
部の形状が電極形状と同じにならない。
【0027】・短周期の分極反転構造を形成する場合、
隣接する分極反転部同士がくっついてしまい周期構造が
形成できない。
【0028】等の問題が生じた。そこでこれらの問題を
解決する方法について検討した結果について述べる。
【0029】(実施の形態1)最初に、従来例に示され
ている方法によるLiTaO3の分極反転を試みた。図1に分
極反転方法を示す。(a)c板のLiTaO3基板の+C面に電極
パターン(電極の面積A)を形成し、(b)-C面に平面電極
を形成した。(c)±C面の電極間にパルス状の電圧を印加
して分極の反転を行った。電圧はLiTaO3の反転電圧(約
21kV/mm)で、パルス幅を制御することで電極間に流れ
る電荷量を制御した。ところが、LiTaO3の自発分極Ps
(50μC/cm2)から計算した分極反転に必要な電荷量2
Ps・Aを印加すると、図2(a)に示すように、電極下に
形成された分極反転は分極が反転しない非反転部分が多
数形成された。またこの傾向は基板が厚くなるほど顕著
に現れた。
【0030】そこで、分極反転が均一に形成される方法
について検討を行った結果、非反転領域を形成しない分
極反転の状態が存在することを見いだした。そこで、非
反転領域が形成されない分極反転条件を繰り返し実験し
たところ、+C面に形成した分極反転用の電極の周辺部
に一定の値(ΔWmin)以上に分極反転部が広がったと
きに、図2(b)に示すような非反転を有さない分極反転
が形成できることが明らかになった。さらに、ΔWmin
の値は用いる基板の厚みTに依存することを発見した。
この関係を図3に示す。ΔWminと基板厚みTは実験結
果(図3)より、 △Wmin=0.002×T−0.2 (μm) (1) の関係があることが判明した。
【0031】また、電極周辺部の分極反転部の広がりは
C平面内でほぼ等方的に発生する。このため、均一な分
極反転を形成するためには、分極反転部の拡大を考慮し
た電極形状、即ち図4に示すように、形成する分極反転
形状の周辺部からΔWmin以上小さな電極を形成し、分
極反転を行うことで、均一な分極反転を精度良く形成で
きるようになった。
【0032】分極反転が電極周辺部にΔWmin以上広が
って形成されるときにのみ、非反転領域を有さない均一
な分極反転形状が形成されることより、非反転領域を有
さない分極反転に必要な電荷量が計算できる。従来例の
ように電極面積Aと自発分極Psより電荷量Qを2Ps・
Aとすると電荷量不足のため非反転領域が形成されてし
まう。これを防止するためには、電極周辺部への反転部
の広がりΔWmin(図3)の面積の電荷量を余分に加え
る必要がある。即ち、電極の外周L(電極の周辺部の全
距離)にΔWminをかけた面積分以上の電荷量が余分に
必要となる。そのため、均一な分極反転を形成するのに
必要な電荷量Qは電極面積(A)に電極周辺部への広が
り(L・ΔWmin)を加えた以上の値となり、 Q>2Ps(A+L・ΔWmin) (2) の形で与えられることが明らかになった。
【0033】(実施の形態2)次に、微細な分極反転形
状を必要とする光波長変換素子に利用される周期状分極
反転構造の形成について検討した。光波長変換素子は半
導体レーザ光を波長変換することで光の波長を半分に変
換することができる。また半導体レーザと光波長変換素
子を一体化することで小型の短波長光源が実現でき、光
ディスク、特殊計測、医用、バイオ等の多くの分野への
応用が可能となる。現在、市販されている短波長の半導
体レーザの波長は、800〜900nm、780nm近傍、630〜690n
mである。それぞれの波長に対する周期はΛ=3〜4μm
(波長:800〜900nm)、Λ=2.8μm近傍(波長:780n
m)、Λ=1.5〜1.8μm(波長:630〜680nm)となって
いる。このような微細な反転形状を形成するには、反転
の面内均一性を一層向上させる処理が必要となる。我々
は、短周期分極反転を均一に形成する方法として、絶縁
膜装荷の方法を提案した。図5にその製造方法を示す。
(a)c板のLiTaO3基板の+C面に周期状の櫛形電極パター
ン(電極の面積A、電極指は長さLd、幅W、周期Λで距
離Ls)を形成し、(b)-C面に平面電極を形成した。(d)
+C面の電極パターンを絶縁膜(ここではSiO2を200nm堆
積した)で被う。(e)±C面の電極間にパルス状の電圧を
印加して分極の反転を行う。絶縁膜を用いないと分極反
転が均一に形成される面積は10mm2以下になってしま
い。変換効率の向上が難しいという問題があった。とこ
ろが、絶縁膜を用いることで分極反転を形成する領域が
30mm2以上に拡大した。しかし、この場合でも、分極反
転を均一に形成するには、(実施の形態1)に示した電
極周辺部への分極反転部の拡大が必要があった。即ち、
分極反転を均一に形成するには、図3に示したΔWmin
以上の分極反転の拡大を必要とした。光波長変換素子に
用いられる周期状の分極反転構造は、変換効率が最大に
なる最適な構造としてデューティ比(分極反転幅W/分
極反転周期Λ)を50%程度に制御する必要がある。従
って、電極周辺部への分極反転部の拡大を考慮すると、
周期状の電極を構成する電極指の幅Wは、 W<Λ/2−2ΔWmin (3) にしなければならない。
【0034】また、周期状の分極反転構造を形成する場
合に必要な電荷量の値も電極周辺部に広がる分極反転部
の拡大を考慮すると計算できる。分極反転を形成する電
極構造として図5に示したように、長さLd、幅Wの電
極指を周期Λで距離Lsに渡って並べた櫛形電極を用い
る場合、電極の面積はW・Ld・Ls/Λ、分極反転部の拡大
部分の面積は2ΔWmin・Ld・Ls/Λで表される。従っ
て、均一な分極反転を形成するための電荷量は、 Q>2Ps・(W+2ΔWmin)Ld・Ls/Λ (4) で求められる。
【0035】分極反転形成において特に難しいのが、短
周期の分極反転構造を形成する場合である。分極反転部
の広がりは、図3に示すように、基板の厚さに依存する
が1μm以下の値である。このため、10μm以上の分
極反転形状や周期状分極反転構造を形成する場合あまり
問題にならない。ところが、分極反転で短周期の反転構
造や微細な構造を形成する場合には、分極反転の拡大が
大きな形状誤差となってくる。
【0036】例えば、周期2.8μmの分極反転構造を形成
するにはデューティ比50%の反転構造を形成するのに
分極反転部の幅を1.4μmに制御する必要がある。基板の
厚みが0.2mmのとき、分極反転部の幅を1.4μmにするに
は、分極反転部の幅方向の広がりWmin=0.2μmを考慮
して電極の幅を1μm以下に制限しなければならなかっ
た。
【0037】さらに、分極反転周期2μm以下の反転構
造の形成を試みた。分極反転周期1.7μm程度の反転構造
の形成ができると波長680nm程度の赤色半導体レーザの
波長変換が可能となり波長340nmの紫外光が発生でき
る。紫外光を用いると蛍光分光を利用した特殊計測、レ
ーザプリンタ−等広い分野で応用できる。しかしなが
ら、現在この波長帯の出力が可能な小型光源が存在しな
いため応用分野は広がっていない。しかしながら、周期
2μmの分極反転構造を形成するには分極反転部を1μ
m以下にする必要がある。ここで0.5mm厚の基板を用い
れば、分極反転部の拡大だけで1μmとなり、分極反転
用の電極幅Wと両サイドの反転部の拡大をあわせると分
極反転部の幅は2μm以上になり、周期構造が形成でき
なくなる。通常のフォトプロセスによるパターニングで
は、電極の幅を0.4μm程度にしか小さくできないの
で、1μm幅の分極反転部を形成するには分極反転部の
拡大は0.3μm以下に抑える必要がある。図3から判断
すると、基板の厚みは0.2mm以下のものを用いないと分
極反転が形成できない。分極反転の周期と基板の厚みの
関係は電極幅が0.4μmと仮定して、(1)、(3)式
から計算すると、 T<Λ/0.01 (5) となる。
【0038】になる。即ち、短周期構造の分極反転を形
成する場合、基板厚みが分極反転周期に規制されること
を示している。特に周期2μm以下の分極反転層を必要
とする紫外光発生用の波長変換素子の場合、基板厚みT
が分極反転周期Λに限定されてしまう。実際に周期1.7
μmの分極反転の形成を試みたところ0.2mm厚の基板では
分極反転部の横方向拡大が大きくデューティ比50%の
反転構造の形成は難しかった。基板厚みが0.17mm以下で
反転構造の形成が可能となり、光波長変換素子を形成す
る場合、素子の基板厚みと分極反転周期は(4)式の関
係を満足しなければならないことを確認できた。基板が
0.17mmのときは基板表面から基板の中央部近傍までは均
一な周期構造が形成できたが、基板の裏面近傍では周期
構造に乱れが生じた。基板厚みが0.15mm以下のとき、分
極反転構造が表面から裏面にかけて、均一になり変換効
率の高い光波長変換素子が形成できた。波長680nmの赤
色半導体レーザからの光を集光光学系で光波長変換素子
内に集光し、シングルパスで波長変換を行ったところ、
50mW入力で30μWの紫外光(波長:340nm)が得られ
た。このときの換算効率は1.2%/Wであった。さらに、基
板の両端面に99%反射の多層膜を形成し、共振器型にし
たところ、出力3mWの紫外光が得られた。(5)式の
条件を満足することで短周期の分極反転構造を有する光
波長変換素子の構成が可能となるため、紫外光発生用の
光波長変換素子の実現が可能となった。
【0039】(実施の形態3)ここでは、耐光損傷特性
に優れた光波長変換素子を製造する方法について述べ
る。波長400nm程度の青色光から紫外光にかけて高出力
のSHG光を発生する場合問題となるのが、光損傷であ
る。例えば、波長430nmのSHG光を発生する場合、出力が
1mW程度以上になると、SHG出力のビーム形状が歪な形状
となった。これは、光損傷により結晶の屈折率が部分的
に変化しSHG光のビーム形状に影響を与えたためであ
る。より短い波長では、さらに低いSHG出力に対し同様
の光損傷が観測された。光損傷の原因として、高圧の電
界印加により分極反転を行った際に基板内に蓄積される
電荷が影響していると考察された。そこで、基板内の蓄
積電荷を解放する方法としてプラズマ処理による方法を
試みた。Arと酸素雰囲気中でプラズマを発生させ、基板
にプラズマを照射した。プラズマを20分程度照射した
ところ、蓄積電荷が減少し、約1.5倍の耐光損傷強度を
示した。さらに、耐光損傷強度を高めるため、基板を加
熱しながら、プラズマを照射した。100℃いかでは、室
温での効果とあまり大差が無かったが。100℃以上に
なると耐光損傷強度が徐々に高まってきた。250℃程
度で最大となり、プラズマを照射しない場合の5倍の耐
光損傷強度を示した。基板温度が300℃を越えると、SHG
変換効率の低下が見られ、光波長変換素子の特性劣化が
観測された。これは、高温のプラズマ照射が分極反転構
造に何らかの影響を与えるためと考えられる。
【0040】(実施の形態4)ここでは、耐光損傷性に
優れ、かつ導波損失の小さなバルク型SHG素子の製造
方法について述べる。
【0041】光波長変換素子に必要な周期状分極反転は
図5の製造方法に従う。電界印加による分極反転形成プ
ロセスにおいて重要なのは、印加電圧波形である。LiTa
O3において短周期の分極反転層を形成するには、パルス
電圧波形として反転電圧(分極が反転する電圧でLiTaO3
で約21kV/mm)以上の電圧を印加する必要があ
る。しかしパルス電圧印加後、瞬時に印加電圧を0に戻
すと、反転した分極が再反転を生じ、分極反転層が消滅
してしまう現象が観測された。そこで、パルス電圧印加
後、CW電圧をしばらく印加したところ、反転した分極
が安定化し、再反転が防止できることが分かった。
【0042】ところが、CW電圧の印加時間が形成され
た分極反転構造の均一性にも大きく影響を与えることが
明らかになった。例えば、基板厚0.2mmのLiTaO3
パルス電圧として4.2kV印加した後、CW電圧を3kV
印加し、CW電圧の印加時間と分極反転周期の均一性の
関係を測定したところ、2秒以下では、形成される分極
反転の周期構造の不均一性が大きくなるのが分かった。
周期構造の均一性を得るにはTbの時間を3秒以上必要
であり、5秒以上にする非常に均一性の高い反転層が形
成され、効率の高い光波長変換素子が製造できることが
明らかになった。
【0043】また、CW電圧としては、印加電界で20
〜10kV/mmの間が望ましかった。20kV/mm以上
の電界を印加すると、分極反転がさらに進行するため、
分極反転構造が最適な形状からずれてくるという問題が
生じた。また10kV/mm以下の電界では、分極反転
構造の均一化に寄与しなかった。
【0044】一方、電界印加により形成された分極反転
層は結晶内に周期状の屈折率変化を有するため光の伝搬
損失が存在し、光波長変換素子と特性が劣化することが
分かった。そこで、400℃程度で数分間アニール処理
したところ伝搬損失の低減は図れたが、光波長変換素子
において光損傷増大することを発見した。素子長10m
mの光波長変換素子に波長860nmの基本波を入射し
て、波長430nmのSHG発生を行ったところ、数1
00μW以上のSHGが出射した場合に光損傷により出
力が不安定になる現象が観測された。そこでアニール処
理温度について種々の検討を行った結果、アニール処理
温度と光損傷の間に相関関係があることを見いだした。
以下に、アニール処理温度と結晶の伝搬損失並びに光損
傷の関係を測定した結果を示す。
【0045】
【表1】
【0046】伝搬損失は150℃程度の低温のアニール
処理でも改善されることが分かった。また、光損傷は3
50℃以上では増大する傾向が観測された。従って、伝
搬損失が小さく光損傷の小さな素子を形成するには15
0℃〜350℃の温度で熱処理を行う必要があることが
分かった。特に光損傷強度の強い光波長変換素子を形成
するには180℃〜280℃程度で熱処理するのが望ま
しかった。この温度範囲で熱処理した光波長変換素子に
より波長430nmのSHG発生を行ったところ、10
mW以上のSHG出力においても光損傷による出力変動
は観測されず、従来難しかった高出力のSHG発生が可
能な素子が作製できた。
【0047】本実施の形態により形成した光波長変換素
子が、特に有効である使用方法として、共振器型の光波
長変換素子がある。共振器内に光波長変換素子を挿入す
ることにより高いパワー密度の基本波を利用することが
でき、変換効率の大幅な向上が可能となる。しかしなが
ら、光波長変換素子を透過する光の損失があると共振器
特性が劣化してしまい、共振器内の光のパワー密度が増
大しないという問題が生じる。光の伝搬損失としては数
%以下に抑える必要がある。本実施の形態の方法で作製
した光波長変換素子は伝搬損失が3%以下であり、共振
器内に挿入することにより、変換効率の大幅な向上が図
れた。
【0048】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3、また
はLiNbO3またはその混合物であるLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板、そのほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子
が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに、高い
非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作製
できる。
【0049】次に、出力安定化を目的とした本発明のバ
ルク型の光波長変換素子について説明する。具体的な素
子構造としては、 ・金属膜を光波長変換素子表面に堆積することにより、
素子の温度均一性を図ると共に、焦電効果を防止する構
造。
【0050】・分極反転周期の位相分布を変えることに
より、光損傷の低減と光波長変換素子の許容度の拡大を
実現する構造。
【0051】・分極反転の周期の分布を変えることによ
り、光波長変換素子の許容度の拡大を実現する構造。
【0052】・分極反転構造を有する結晶を張り合わせ
ることにより、素子の高効率化を行い、焦電効果を防止
する構造。
【0053】である。以下の実施の形態において、それ
ぞれの光波長変換素子の特性について述べる。
【0054】(実施の形態5)ここでは、バルク型光波
長変換素子に金属膜を付加することで焦電効果の低減を
図った結果について説明する。
【0055】光波長変換素子の構造を図6を用いて説明
する。図6に示すように、C板のLiTaO3結晶1(結晶の
C軸に垂直な面)内に周期状の分極反転層4が形成され
ている。さらに、表面をAl膜5で被っている。結晶1
の端面は光学研磨されており、入射端より入射した波長
860nmの基本波6は結晶内で、波長430nmの第
2高調波(SHG)7に変換される。
【0056】従来のバルク型光波長変換素子は、温度が
変化すると焦電効果により表面に電荷が溜り、これによ
って生じる屈折率変化によりSHG出力が変化してい
た。そこで基板表面に金属膜を形成し、発生する焦電電
荷を相殺した。その結果、基板表面に生じる表面電荷を
なくすことができ、温度変化0〜60℃において、焦電
効果による出力変動は観測されず安定な出力が得られ
た。
【0057】また、表面に金属膜を形成することによ
り、結晶の温度制御が容易になった。光波長変換素子は
波長許容度が狭いため、温度変化による結晶の屈折率変
化により位相整合条件が変化し、出力が低下する。これ
を防止するために、光波長変換素子の温度を制御する必
要がある。しかしながら、LiTaO3結晶は熱伝導度が低い
ため、素子長10mmに渡って結晶温度の均一性を保つ
のが難しいという問題があった。ところが、結晶を金属
膜で被うことで光波長変換素子の熱伝導度が増大し、素
子長全域に渡る温度の均一化が容易になった。さらに、
温度制御も高速に行え、急激な温度変化に対しても焦電
効果が発生しないため安定な出力が得られた。
【0058】また、金属膜に電流を流し、金属膜をヒー
タとして使用する実験も行った。金属膜としてTiを30
nm堆積し、ストライプ状に加工して、これに電流を流
すことで薄膜ヒータとして用いた。ヒータにより結晶の
温度を50℃に制御し、雰囲気温度の変化0〜50℃に
対し、SHGの出力変動を±5%以下まで低減できるこ
とを確認した。金属膜をヒータとして用いることで、結
晶の焦電効果を低減すると同時に、結晶温度安定化が図
れた。
【0059】また、金属膜を結晶表面に付加すること
で、結晶の汚れによる特性の劣化も防止できる。雰囲気
温度の変化による焦電電荷は、結晶雰囲気中のダストを
吸着し、長時間使用していると、結晶表面に多くのダス
トが付着して光波長変換素子特性の劣化が起こる。この
ようなダストの付着も結晶表面を金属膜で被うことで防
止できた。
【0060】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3、また
はLiNbO3またはその混合物であるLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板、そのほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子
が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに、高い
非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作製
できる。
【0061】(実施の形態6)ここでは、分極反転の周
期構造を変えることにより耐光損傷性の向上を図った結
果について述べる。
【0062】光励起により発生した電荷が結晶の分極方
向に移動して結晶内に電荷分布の偏りを生じる。これに
よって発生した電界により、電気光学効果を介した屈折
率変化が発生し光損傷となる。電荷の移動は結晶の分極
方向に沿って移動するため、結晶内の分極反転層と非反
転層部分では電荷の移動が逆方向となる。そのため、短
周期の分極反転構造を形成することで光励起により生じ
た電界を相殺することができる。ここでは、光励起によ
る電界を相殺する効果をさらに高めるため、周期状の分
極反転構造を光の伝搬方向に平行な方向で分割し、各部
分での分極反転の位相を互いにずらした構成をとった。
図7(a)に示すように伝搬方向に平行にA,B,C,
D,E領域に分割し、各領域間での分極反転周期の位相
が図7(b)に示すように互いに異なるように形成され
ている。分極反転構造に位相差を形成することにより、
各領域間において光励起による電界の相殺が起こり、光
損傷を低減することができた。
【0063】さらに、位相差を調整することにより光波
長変換素子の波長許容度の拡大が可能となる。分極反転
構造を伝搬方向にいくつかのセグメントに分割し、各セ
グメントの位相を制御することで光波長変換素子の波長
許容度が拡大することが報告されている(エレクトロニ
クスレター記載、M.L.Bortz,M.Fujimura,and M.M.Feje
r, Electronics Letters, vol.30, pp.34-35, 1994)。
しかしながら、伝搬方向に反転構造を分割すると、長さ
方向に渡り光損傷の分布が形成された場合(SHGは伝
搬距離に対し二乗で増大するため光損傷の分布が形成さ
れる)、各セグメント間の相互関係が変化するため波長
許容度拡大の効果が表れず、SHGの出力低下が生じる
という問題があった。そこで、本発明の構成では伝搬方
向に平行に分極反転構造を分割する構成をとった。本発
明の構成では、伝搬方向に屈折率分布が生じた場合で
も、各セグメント間の相互関係が常に保たれるため、S
HG出力の安定化が図れた。
【0064】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3、また
はLiNbO3またはその混合物であるLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板、そのほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子
が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに、高い
非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作製
できる。
【0065】(実施の形態7)ここでは、分極反転構造
を変えることによる光波長変換素子の波長許容度の拡大
について述べる。
【0066】周期状の分極反転構造を用いた光波長変換
素子は、高効率の波長変換が可能であるが、反面、位相
整合波長許容度が狭いため励起する基本波の波長変動に
より出力が大幅に低下するといった問題がある。そのた
め、位相整合波長を拡大することにより出力の安定化を
図る必要がある。
【0067】本実施の形態では、図8(a)に示すように
分極反転構造を光の進行方向に平行にAとBに2分割
し、それぞれの分極反転周期Λ1とΛ2が異なるように形
成した。このため、SHG出力の基本波波長依存性は、
セグメントAでとセグメントBでは図8(b)に示すよ
うに僅かにずれており、光波長変換素子全体ではAとB
の波長依存性を足した値となり波長許容度が増大する。
【0068】従来の構成としては伝搬方向に分極反転構
造を分割し、各セグメントにおける周期構造を変えるこ
とで互いのセグメント間の相互作用により位相整合波長
の許容度を拡大する方法があった。しかしながら、従来
の構成では、伝搬方向に光損傷による屈折率分布が生じ
た場合、各セグメント間の相互関係が変化し、位相整合
許容度が必ずしも増大しないという問題があった。
【0069】これに対し、本構成を用いると光の伝搬方
向に対し均一な周期構造をとるため、伝搬方向において
光損傷による屈折率分布が生じた場合もセグメント間の
相互関係が変化しない。従って、光損傷による位相整合
波長の変化に対しても安定な出力特性を得ることができ
た。
【0070】さらに、導波損失や基本波からSHGへの
パワーの移行により、基本波は伝搬するに従い減少す
る。このような基本波パワーの変化に対しても、分極反
転構造との相互関係が変化しないため、素子設計が容易
になる。
【0071】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3、また
はLiNbO3またはその混合物であるLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板、そのほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子
が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに、高い
非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作製
できる。
【0072】(実施の形態8)ここでは、分極反転構造
を積層化することによる変換効率の向上並びに出力の安
定化を図った結果について述べる。
【0073】LiTaO3、LiNbO3結晶に電界印加により深い
分極反転層の形成が可能である。例えば、これらの結晶
に周期3〜4μmの分極反転層を厚さ200μmに渡っ
て形成することが報告されている。しかしながら、この
ような短周期の分極反転を深さ方向に渡り均一に形成で
きる基板厚みには限界がある。例えば、現在報告されて
いるのは、厚みとして150〜200μm程度であり、
300μmを越えると反転の不均一性が増大する。従っ
て、バルク型の光波長変換素子を形成する結晶の厚みは
約200μm程度に制限されてしまう。
【0074】このような光波長変換素子をバルク型とし
て用いる場合、いくつかの問題が生じる。第一に、結晶
内を通る基本波のビーム径が結晶の厚みに規制される。
ビーム径が結晶の厚みより大きくなるとビームが歪み、
得られるSHG出力の波面特性が劣化して、十分な集光
が得られなくなからである。ビーム径が制限されると素
子長が制限される。例えば、200μm程度の厚みの場
合、素子長は10mm程度である。第二に、基本波を入
射する面積が狭いため光学系のアライメントに微調性が
必要となる。これらの問題を解決する方法として、本発
明では分極反転した基板を光学的に接触させる(オプテ
ィカルコンタクト)ことにより基板の厚みを増大させる
方法を見いだした。
【0075】光波長変換素子の構造としては、図9に示
すように、周期状の分極反転構造4を形成したLiTaO3
板8と9を張り合わせて構成している。複数の基板を張
り合わせると、さらに厚みを増大させることができる。
【0076】次に、本実施の形態の構成により、変換効
率の高効率化が可能となった結果を示す。LiTaO3結晶は
+C面より周期状の分極反転構造を形成する。従って、
分極反転構造の均一性は+C面で最も優れ、−C面に近
づくに従い劣化する。そこで、図9に示すように+C面
どうしを接触させる構成をとった。基本波を基板の接触
部分を中心に伝搬させることにより他の構成(例えば一
つの基板を用いた場合、+C面と−C面とを接触した場
合、または−C面どうしを接触した場合)に比べ、1.
5〜2倍の高効率化が可能となった。さらに、従来の単
一基板を用いた場合に比べ、素子長も2倍に増大させる
ことが可能となり、変換効率をさらに2倍に増加させる
ことができた。
【0077】次に、基板を接着剤で貼合わせる際、接着
剤に基板より屈折率の高い材料を用いた。接着剤は基本
波および高調波に対して透明な材料である。材料として
は、例えば、TiO2ゾルゲル液を用いた。基板間にTiO2
ルゲルを流し込み、約500℃で焼結することにより基
板を接着できた。屈折率の高い接着材料を用いると、高
屈折率部分を基板で挟んだ対称構造の光導波路が形成で
きる。基本波は導波モードとなり、接着剤の部分を中心
に伝搬するため、光のパワー密度を増大させることがで
きる。また、伝搬距離も長くとれるため、相互作用長が
増大し変換効率が大幅に向上した。
【0078】次に、光損傷および焦電効果による出力の
不安定化を低減できることを示す。図9の光波長変換素
子の構成では基板8の分極反転層と基板9の非反転層が
重なっているが、位相をずらせて、2つの基板の反転層
が互いに重なるようにすると、結晶の分極方向が2つの
基板間で対立することになる。これによって、光損傷で
生じる電荷および焦電効果により発生する電荷は結晶の
張り合わせた部分で正負逆の電荷が発生するため相殺さ
れ結晶内に電界による屈折率変化が生じなくなる。すな
わち、光損傷および焦電効果による屈折率変動が発生せ
ず、安定なSHG出力が得られた。
【0079】次に、結晶を積層構造にした場合の互いの
分極反転構造の周期のずれについて述べる。周期状の分
極反転構造を有する結晶を重ねて、光波長変換素子を構
成する場合、結晶内を通る基本波の進行方向に対する分
極反転の周期が、ほぼ等しくならないと、それぞれを通
る光の位相整合条件が異なり高効率の波長変換が行えな
い。そこで、位相整合条件を満足する分極反転構造のず
れについて検討した。高効率化には、互いの分極反転構
造のずれが0となるのが望ましいが、実際にずれをなく
すのは困難である。効率が低下しない分極反転周期のず
れを計算するとΛav/L>ΔΛn(n=1、2、3・
・)となることが分かった。
【0080】但し、Λavは分極反転の周期の平均値、Δ
Λn(n=1、2、3・・)は各分極反転層の周期とVa
vとの差の絶対値、Lは相互作用長である。例えば図9
に示すように2つの結晶を重ねた場合、Λav=(Λ1+
Λ2)/2であり、ΔΛ1=|Λ1−Λav|、ΔΛ2=|Λ
2−Λav|である。周期3.6μm作用長10mmの場
合、分極反転周期のずれは、3.6x10-4μm以下に
する必要がある。
【0081】実施に分極反転構造を有する素子を重ねる
場合は、結晶に基本波を入射しながら、基板を微動台で
調整し、変換効率が最大になるように調整した後、接着
した。基板をオプティカルコンタクトした状態で加熱す
ることで、基板間が接着する。また接着剤を用いる場合
は、基板の屈折率に近いものを用いることにより、SH
G光の波面収差を低減することができた。また、接着剤
を用いず、基板同志をオプティカルコンタクトした状態
で固定することで、SHG光の波面収差をほとんどなく
すことも可能であり、集光特性に優れた光波長変換素子
の構成が実現できた。
【0082】重ねた基板の分極反転周期の差を積極的に
利用する方法もある。実施の形態3で示したように、周
期の異なる分極反転層を隣合わせに用い、ここに基本波
を通すことにより、位相整合波長の許容度を増大させる
ことも可能である。例えば、同一の周期を用いた基板
を、重ね合わせわずかに回転させることにより、光の進
行方向に対する周期に基板間で差を設けることにで、分
極反転周期構造の異なる反転層を重ねた構造が実現でき
た。本方式により位相整合の波長許容度の拡大が可能で
あった。位相整合波長許容度が拡大することで、基本波
の波長変動に対しても安定な出力が得られて有効であっ
た。
【0083】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3、また
はLiNbO3またはその混合物であるLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板、そのほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子
が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに、高い
非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作製
できる。
【0084】(実施の形態9)ここでは周期状分極反転
構造を用いた、第3または第4高調波発生用のバルク型
の光波長変換素子について述べる。
【0085】前述の実施の形態において、周期状の分極
反転構造を利用したバルク型の第2高調波発生を利用し
た光波長変換素子について説明した。周期状の分極反転
を用いると、さらに高次の第3高調波、第4高調波の発
生が可能となる。本実施の形態では、単一の素子による
高次の高調波発生が可能な素子について述べる。
【0086】従来、非線形光学効果を利用した第3高調
波ならびに第4高調波発生は、非線形光学結晶を用い
て、第2高調波発生を行い。さらに、他の非線形光学結
晶を用いて、第2高調波を利用した第3または第4高調
波発生を行っていた。これらの光学系では、複数の非線
形光学結晶が必要であり、光学系の複雑な調整が必要で
あった。
【0087】そこで、本実施の形態では、図10(a)
に示す光波長変換素子の構成を用いた。図10(a)で
は、LiTaO3基板1が2つのセグメントA,Bに分割され
ており、セグメントAは基本波6を第2高調波に変換
し、セグメントBではセグメントAを通過した基本波と
第2高調波により第3高調波16を発生する。それぞれ
の分極反転の周期は、セグメントAでは、 Λ1=λ/2/(N2−N1) セグメントBでは、 Λ2=λ/(3N3−N1−2N2) となっている。但し、λは基本波の波長、N1は波長λ
の光に対する前記結晶の屈折率、N2は波長λ/2の光
に対する前記結晶の屈折率、N3は波長λ/3の光に対
する前記結晶の屈折率である。
【0088】一つの非線形材料に異なる分極反転構造を
形成することにより、単一の結晶で第3高調波発生が可
能となった。さらに、基板に分極反転構造が形成されて
いるため複雑な光学系調整が不要となり安定な出力が得
られるという利点を持つ。本構造は、簡単な構成で短波
長光の発生が可能であり、かつ安定な出力が得られる点
で有効である。例えば、光源に波長1.06μmのYAGレ
ーザを用い、レーザ光を光波長変換することで、0.35μ
mの紫外光発生ができた。
【0089】同様の構成でさらに高次の第4高調波の発
生も可能である。この場合は、セグメントAで第2高調
波を発生し、第2高調波よりセグメントBで第4高調波
を発生する。この時に分極反転周期は、セグメントAで
は、 Λ1=λ/2(N2−N1) であり、セグメントBでは、 Λ2=λ/4(N4−N2) である。ただし、λは基本波の波長、N1は波長λの光
に対する前記結晶の屈折率、N2は波長λ/2の光に対
する前記結晶の屈折率、N4は波長λ/4の光に対する
前記結晶の屈折率である。
【0090】次に、温度変化等による光波長変換素子の
位相整合ずれが生じた場合の調整機構を付加しした光波
長変換素子構成についても図10(b)に示す。結晶の
温度変化により屈折率が変化すると、位相整合条件が変
わり高調波出力が低下する。このとき光波長変換素子を
わずかに回転させ光の進行方向に対する分極反転周期を
変調させることによりセグメントAで、第2高調波の発
生を最大に調整することができる。しかし、セグメント
Bでの位相整合条件もずれるため、第3高調波の位相整
合条件が成立しなくなる場合がある。これを調整するた
め、セグメントBは分極反転周期が素子の位置により僅
かづつ異なる用に形成する。光波長変換素子の位置を左
右に調整すれば、セグメントBでの位相整合状態を最良
に調整することが可能となり、第3高調波を効率よく取
り出すことが可能となる。
【0091】本構成を用いると、パラメトリック発振等
への応用も可能であり、セグメントをさらに追加して、
より高次の高調波の発生も可能である。
【0092】(実施の形態10)ここでは、上述した実
施の形態の光波長変換素子を用いた短波長光源について
述べる。
【0093】レーザ光源と光波長変換素子を用いて、短
波長光源が構成できる。図12に本実施の形態の短波長
光源を示す。レーザ12からでた基本波6は、光波長変
換素子14により波長変換され、SHG7となって出射
される。例えば波長800nm帯の半導体レーザを用いると
波長400nm帯の青色のSHG光が得られ、小型の青色光源が
実現できる。位相整合条件は、光軸に対し基板の角度を
回転させることで、実効的な分極反転周期を調整するこ
とで達成した。位相整合のアライメントの角度調整は容
易であり、温度安定化を図ることで安定な光源が実現で
きた。
【0094】安定な小型短波長光源は、高密度光記録、
カラーレーザプリンター、医用、バイオなどの幅広い分
野での応用が可能となる。波長680nm帯の赤色半導体レ
ーザを基本波として用いることで、波長340nmの紫外光
発生が可能となり、作製が困難な小型の紫外光源が実現
できる。バイオ、蛍光寿命測定、特殊計測等への応用が
可能となる。また、レーザをパルス駆動すると高いピー
クパワーの基本波が得られるため、高効率の波長変換が
可能になる。例えは、CW駆動では最大出力40mW程
度の半導体レーザでも、パルス駆動することで数100
mWの高いピークパワーの発生が可能となり、SHG出
力としても数10mWのものが得られる。高いピークパ
ワーを持ったSHG光は、蛍光寿命測定等に応用するこ
とで、不純物検出等が可能となる。また、半導体レーザ
を高周波のRF駆動することで、高いピークパワーをも
ったパルス列発振が可能となり、平均パワーでCW駆動
の半導体レーザに比べ5倍以上の変換効率向上が可能と
なった。高出力の小型光源として優れた特性を示した。
【0095】高出力のSHG光を発生した場合、光損傷
による出力の不安定性が問題となる。本実施例で示した
素子においても10mWを越えるSHG出力を発生した
場合、出力の不安定性が観測される場合があった。これ
を解決するため、図11に示すように、光波長変換素子
を微動台15に固定し基本波に対する光波長変換素子の
位置を変動させた。光損傷は比較的ゆっくりした速度
(数秒オーダ以上)で発生するため、光波長変換素子の
位置を数10Hz以上の速さで変動することで、結晶内に
照射されている光のパワーを分散させて、結果として光
のパワー密度を低減することができる。この方法で耐光
損傷の強度が2倍以上に向上し、安定な高出力SHGの
発生が可能となった。
【0096】一方、温度による位相整合条件の変化によ
り、光波長変換素子の変換効率が劣化する減少が観測さ
れた。これは温度により基板結晶の屈折率が変化し、位
相整合条件がずれたために発生した。そこで、図12に
示すように、光波長変換素子を回転微動台15で制御し
た。周期状の分極反転層を有する光波長変換素子は、素
子を光軸に対し傾けることで、光に対する実質的な分極
反転周期を可変することが可能となる。この回転微動台
を調整して、光波長変換素子の位相整合条件を常に最適
に調整することにより、安定したSHGの発生が可能と
なった。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、分極反転を形成時
に、分極反転部分の形状が電極周辺部にある最小の値
(ΔWmin)以上広がったときにのみ、分極が均一に形
成されることが見いだされた。従って、分極反転の拡大
(Wmin)を考慮した電極形状を作製することで、均一
な分極反転構造が高い精度で形成できるため、その実用
効果は大きい。
【0098】また、分極反転を形成する際、電極に与え
る電荷量を分極反転部の最小拡大部を含めた値以上印加
することで、分極反転の際形成される非反転領域の形成
を防止し、均一な分極反転構造を形成できるため、その
実用効果は大きい。
【0099】また、周期状分極反転構造を形成する際、
分極反転部の拡大により隣接する分極反転部同士が接触
し周期状分極反転構造の形成を困難にするのを防止する
ため、分極反転部の最小拡大分を考慮して電極を形成す
ることで、周期状の分極反転構造の形成が可能となり、
その実用効果は大きい。
【0100】また、周期状分極反転構造を形成する際、
電極に与える電荷量を分極反転部の最小拡大部を含めた
値以上印加することで、分極反転の際形成される非反転
領域の形成を防止し、均一な分極反転構造を形成できる
ため、その実用効果は大きい。
【0101】また、分極反転形成後、基板にプラズマを
照射することで、耐光損傷性に優れた光波長変換素子が
形成できるため、その実用効果は大きい。
【0102】また、光波長変換素子を作製するプロセス
において、分極反転形成後に基板を特定の温度でアニー
ル処理することで、光の伝搬損失および光損傷を大幅に
低減できるため、その実用効果は大きい。
【0103】また、光波長変換素子を作製するプロセス
において、電界印加直後に2秒間以上直流電圧を印加す
ることで、分極反転の周期構造の均一化が大幅に増大す
るため、その実用効果は大きい。
【0104】また、分極反転部の拡大が基板厚みに依存
する関係を見いだしたことより、基板厚みに制限された
分極反転周期を有する光波長変換素子構造をとること
で、変換効率の高い素子が構成できるため、その実用効
果は大きい。
【0105】また、光波長変換素子の表面に金属膜を装
着することで、焦電効果による屈折率変化を低減でき
る。さらに、結晶の熱伝導率を増大させることができる
ため、温度制御の高速化、安定化が可能となり、光波長
変換素子の出力安定化が可能となるため、その実用効果
は大きい。
【0106】また、分極反転構造を分割し、各分割部分
で互いに分極反転周期の位相を変えることで、光損傷の
原因となる光励起による電荷の相殺効果を高めることが
できた。これによって、光損傷の少ない出力の安定な光
波長変換素子が実現できるため、その実用効果は大き
い。
【0107】また、分極反転構造を分割し、各分割部分
での分極反転周期を互いに変えることにより、光波長変
換素子の波長許容度を向上させることができた。本発明
の構成は、分割された部分の相関関係が素子の長さ方向
に渡り均一なめ、光損傷等の長さ方向に分布をもった、
屈折率変化に対しても、安定な位相整合特性を達成する
ため、光損傷に対し安定な出力の光波長変換素子が実現
でき、その実用効果は大きい。
【0108】また、分極反転構造を有する非線形光学結
晶を積層することにより、厚い基板のバルク型光波長変
換素子が作製できる。電界印加により形成可能な周期状
分極反転は、短周期の分極反転構造を実現する場合、そ
の基板厚みが制限される。そこで、薄い基板に形成した
分極反転構造を積層することで厚いバルク型素子を実現
できる。作製された素子は、素子長増大による変換効率
の向上ならびに、素子アライメント尤度が増大する。さ
らに、光損傷および、焦電効果の低減も可能となるた
め、その実用効果は大きい。
【0109】また、同一の基板に周期の異なる2つの分
極反転構造を形成することで、高次の高調波発生が可能
となる。単一結晶で、第3高調波、または第4高調波の
発生が可能となり、加えて素子のアライメントも簡単に
なるため、その実用効果は、大きい。
【0110】また、レーザ光源を光波長変換素子により
波長変換することで、短波長光源が実現できる。安定な
特性の光波長変換素子を用いることにより、出力の安定
な光源が作製できるため、その実用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)分極反転の製造方法を示す作製
工程斜視図
【図2】(a)非反転領域が形成された分極反転の表面
図 (b)均一な分極反転の表面図
【図3】分極反転部の拡大(Wmin)距離と基板厚みの
関係を示す特性要因図
【図4】電極と分極反転部の位置関係を表す表面図
【図5】(a)〜(d)本発明の光波長変換素子の作製
工程斜視図
【図6】本発明の光波長変換素子の構成斜視図
【図7】(a)本発明の光波長変換素子の構成斜視図 (b)各領域における分極反転構造の位相関係を表す特
性要因図
【図8】(a)本発明の光波長変換素子の構成斜視図 (b)各領域における位相整合特性を表す特性要因図
【図9】本発明の光波長変換素子の構成斜視図
【図10】(a)高次高調波発生用の光波長変換素子の
構成斜視図 (b)位相整合調整機構付きの光波長変換素子の構成斜
視図
【図11】本発明の短波長光源の構成斜視図
【図12】本発明の短波長光源の構成斜視図
【図13】従来の分極反転の製造方法を示す作製斜視図
【図14】従来の光波長変換素子の構成斜視図
【符号の説明】
1 C板のLiTaO3基板 4 分極反転層 5 Al膜 6 基本光 7 SHG 8 第1のLiTaO3基板 9 第2のLiTaO3基板 11 SiO2 12 レーザ 13 集光光学系 14 光波長変換素子 15 微動台 16 高調波 17 櫛形電極 18 平面電極 19 絶縁膜 20 電極 21 分極反転部 22 非反転部分 23 LiNbO3基板 24 櫛形電極 25 平面電極

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一分極の強誘電体結晶の表面と裏面に電
    極を形成する工程と、 前記電極間に前記分極に対向する電圧を印加して分極を
    反転を形成する工程とを有し、 前記電極形状が、目的とする分極反転形状に比べ、その
    外周において前記表面電極の周辺部で広がる分極反転部
    の最小値ΔWmin以上小さいことを特徴とする分極反転
    の製造方法。
  2. 【請求項2】自発分極Psを有する単一分極の強誘電体
    結晶の表面に面積A、外周Lの電極を形成する工程と、 前記結晶の裏面に電極を形成する工程と、 前記表面と裏面の電極間に前記分極に対向する電圧を印
    加し分極を反転する工程とを有し、 前記表面電極の周辺部で広がる分極反転部の最小値ΔW
    minに対し、 前記電極間に流れる電荷量Qが、 Q>2Ps(A+L・ΔWmin) の関係を満足することを特徴とする分極反転の製造方
    法。
  3. 【請求項3】単一分極の強誘電体結晶の表面に周期Λの
    櫛形電極を形成する工程と、 前記結晶の裏面に平面電極を形成する工程と、 前記電極間に前記分極に対向する電圧を印加して分極を
    反転する工程とを有し、 前記櫛形電極の周辺部で広がる分極反転部の最小値ΔW
    minに対し、 前記櫛形電極の電極指の幅Wが、 W+2・ΔWmin<Λ/2 であることを特徴とする分極反転の製造方法。
  4. 【請求項4】単一分極の強誘電体結晶の表面に周期Λ、
    幅W、長さLdの電極指からなる櫛形電極を長さLsに渡
    り形成する工程と、 前記結晶の裏面に平面電極を形成する工程と、 前記電極間に前記分極に対向する電圧を印加して分極を
    反転する工程とを有し、 前記櫛形電極の周辺部で広がる分極反転部の最小値ΔW
    minに対し、 前記電極間に印加する電荷量Qが、 Q>2Ps・(W+2ΔWmin)Ld・Ls/Λ であることを特徴とする分極反転の製造方法。
  5. 【請求項5】前記分極反転周期Λが2μm以下である請
    求項3または4に記載の分極反転の製造方法。
  6. 【請求項6】前記単一分極を有する強誘電体がc板のLi
    TaO3結晶である請求項1〜5のいずれか一項に記載の分
    極反転の製造方法。
  7. 【請求項7】前記単一分極を有する強誘電体がc板のLi
    TaO3結晶であり、 前記分極反転部の広がる最小値ΔWminの大きさが前記
    結晶の厚みTに対し、 △Wmin=0.002×T−0.2 μm の関係を満足する請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    分極反転の製造方法。
  8. 【請求項8】前記電極を形成する工程の後、 前記結晶の表面に形成した電極の表面を絶縁膜で被う工
    程を有する請求項1、2、3、4、5、7のいずれか一
    項に記載の分極反転の製造方法。
  9. 【請求項9】c板のLiNbxTa1-xO3(0≦x≦1)結晶に
    周期状の分極反転層を形成する行程と、 前記結晶表面にプラズマを照射する行程とを、 有することを特徴とする分極反転の製造方法。
  10. 【請求項10】前記プラズマを照射する行程を100〜
    300℃以下の温度中で行う請求項9記載の分極反転の
    形成方法。
  11. 【請求項11】c板のLiNbxTa1-xO3(0≦x≦1)結晶
    の表面に櫛形電極を形成する工程と、 前記結晶の裏面に平面電極を形成する工程と、 前記電極間に電圧を印加して周期状の分極反転層を形成
    する工程と、 前記結晶を熱処理する工程を有する分極反転の製造方
    法。
  12. 【請求項12】c板のLiNbxTa1-xO3(0≦x≦1)結晶
    の表面に櫛形電極を形成する工程と、 前記結晶の裏面に平面電極を形成する工程と、 前記電極間に電圧を印加して周期状の分極反転層を形成
    する工程とを有し、 前記電極間に印加する電圧として、前記結晶の分極反転
    が生じる電界以上の電圧を印加した後、前記結晶の分極
    が生じない程度の電界を2秒間以上印加する分極反転の
    製造方法。
  13. 【請求項13】前記熱処理工程の温度が150〜300
    ℃である請求項11記載の分極反転の製造方法。
  14. 【請求項14】前記分極反転が生じない程度の電界が1
    0〜20kV/mmである請求項12記載の分極反転の
    製造方法。
  15. 【請求項15】c板のLiTaO3基板と、 前記基板に形成した周期状の分極反転層を有し、 分極反転層の周期Λと、前記基板の厚みTが、 T<Λ/0.01 の関係を満足する光波長変換素子。
  16. 【請求項16】前記分極反転周期が2μm以下である請
    求項15記載の光波長変換素子。
  17. 【請求項17】非線形光学効果を有する結晶と、 前記結晶に形成された周期状の分極反転層と、 前記結晶の端面に形成された入射面と、 前記結晶の他の端面に形成された出射面と、 前記結晶の表面または裏面の少なくとも一部に形成した
    金属膜を有する光波長変換素子。
  18. 【請求項18】非線形光学効果を有する結晶と、 前記結晶に形成された周期状の分極反転層と、 前記結晶の端面に形成された入射面と、 前記結晶の他の端面に形成された出射面とを有し、 前記周期状分極反転層が、前記入射面より入射された基
    本波の伝搬方向と平行な方向に2つ以上の領域に分割さ
    れており、 かつ前記領域における前記分極反転の位相が互いに異な
    っている光波長変換素子。
  19. 【請求項19】非線形光学効果を有する結晶と、 前記結晶に形成された周期状の分極反転層と、 前記結晶の端面に形成された入射面と、 前記結晶の他の端面に形成された出射面とを有し、 前記周期状分極反転層が、前記入射面より入射された基
    本波の伝搬方向と平行な方向に2つ以上の領域に分割さ
    れており、 かつ前記領域における前記分極反転の周期が互いに異な
    っている光波長変換素子。
  20. 【請求項20】非線形光学効果を有する結晶を2つ以上
    備え、 各々の結晶が内部に形成された周期状の分極反転層と、 端面に形成された入射面と、 他の端面に形成された出射面とを有し、 かつ前記結晶が互いに光学的に接触している光波長変換
    素子。
  21. 【請求項21】前記強誘電体結晶が接着剤を介して接着
    されており、 前記接着剤の屈折率が前記強誘電体の屈折率とほぼ等し
    い請求項20記載の光波長変換素子。
  22. 【請求項22】前記入射面から入射された基本波の進行
    方向に対する各々の結晶の分極反転層の周期Λ1、Λ2、
    ・・と、前記分極反転層の周期の平均値Λavとの差ΔΛ
    n(n=1、2、3・・)が、Λav/L>ΔΛn(n=
    1、2、3・・、Lは相互作用長)の関係を満足してい
    る請求項20または21に記載の光波長変換素子。
  23. 【請求項23】非線形光学効果を有する結晶と、 前記結晶に形成された周期状の分極反転層と、 前記結晶の端面に形成された入射面と、 前記結晶の他の端面に形成された出射面とを有し、 前記周期状分極反転層が、前記入射面より入射された基
    本波の伝搬方向に2つ以上の領域に分割されており、 かつ前記領域における前記分極反転の周期が互いに異な
    っている光波長変換素子。
  24. 【請求項24】前記分極反転層が2つの領域に分割され
    ており、 第1の領域における分極反転層の周期Λ1が、 Λ1=λ/2(N2−N1) であり、 第2の領域における分極反転層の周期Λ2が、 Λ2=λ/(3N3−N1−2N2) である請求項7記載の光波長変換素子。ただし、λは基
    本波の波長、N1は波長λの光に対する前記結晶の屈折
    率、N2は波長λ/2の光に対する前記結晶の屈折率、
    N3は波長λ/3の光に対する前記結晶の屈折率であ
    る。
  25. 【請求項25】前記分極反転層が2つの領域に分割され
    ており、 第1の領域における分極反転層の周期Λ1が、 Λ1=λ/2(N2−N1) であり、 第2の領域における分極反転層の周期Λ2が、 Λ2=λ/4(N4−N2) である請求項7記載の光波長変換素子。ただし、λは基
    本波の波長、N1は波長λの光に対する前記結晶の屈折
    率、N2は波長λ/2の光に対する前記結晶の屈折率、
    N4は波長λ/4の光に対する前記結晶の屈折率であ
    る。
  26. 【請求項26】請求項17,18,19、20、23の
    いずれか一項に記載の光波長変換素子と、 集光光学系と、 レーザとを備え、 前記レーザから出射した光が、前記光学系により前記光
    波長変換素子内に集光されて前記光波長変換素子により
    波長変換されている短波長光発生装置。
  27. 【請求項27】請求項16記載の光波長変換素子と、 集光光学系と、 波長600〜700nm帯の半導体レーザとを備え、 前記レーザから出射した光が、前記光学系により前記光
    波長変換素子内に集光されて前記光波長変換素子により
    波長変換されている短波長光発生装置。
  28. 【請求項28】前記レーザがパルス駆動されている請求
    項26または27に記載の短波長光発生装置。
  29. 【請求項29】微動台を備え、 前記光波長変換素子が前記微動台に固定されており、 前記集光光学系により前記レーザから出た光が光波長変
    換素子内部に集光されており、 かつ前記レーザ光に対する前記結晶の位置が前記微動台
    により変動している請求項27または28に記載の短波
    長光発生装置。
  30. 【請求項30】回転微動台を備え、 前記光波長変換素子が前記回転微動台に固定されてお
    り、 前記集光光学系により前記レーザから出た光が光波長変
    換素子内部に集光されており、 かつ前記回転台により前記レーザ光に対する前記結晶の
    位相整合条件を制御している請求項27または28に記
    載の短波長光発生装置。
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