JP2822807B2 - 波長変換素子 - Google Patents
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- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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- G02F1/3548—Quasi phase matching [QPM], e.g. using a periodic domain inverted structure
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレントな短波長
小型光源の実現を可能にする、半導体レーザ用波長変換
素子に関する。
小型光源の実現を可能にする、半導体レーザ用波長変換
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】波長変換素子とくに第2次高調波発生
(SHG)素子は、エキシマレーザなどでは得にくいコ
ヒーレントな短波長光を得るデバイスとして産業上極め
て重要である。
(SHG)素子は、エキシマレーザなどでは得にくいコ
ヒーレントな短波長光を得るデバイスとして産業上極め
て重要である。
【0003】半導体レーザは小型で高出力のコヒーレン
ト光を発振する光源として各種の光通信機器や光情報機
器に使用されている。現在この半導体レーザから得られ
る光の波長は0.63μm〜1.55μmの赤色から近
赤外領域の波長である。この半導体レーザをディスプレ
イ等、さらに広く機器に応用するために、緑色、青色
等、より短波長の光が求められているが、現在の技術で
はこの種の半導体レーザをにわかに実現するのは難し
い。半導体レーザの出力程度でも効率よく波長変換でき
る波長変換素子が実現できるとその効果は甚大である。
ト光を発振する光源として各種の光通信機器や光情報機
器に使用されている。現在この半導体レーザから得られ
る光の波長は0.63μm〜1.55μmの赤色から近
赤外領域の波長である。この半導体レーザをディスプレ
イ等、さらに広く機器に応用するために、緑色、青色
等、より短波長の光が求められているが、現在の技術で
はこの種の半導体レーザをにわかに実現するのは難し
い。半導体レーザの出力程度でも効率よく波長変換でき
る波長変換素子が実現できるとその効果は甚大である。
【0004】近年、半導体レーザの製作技術が発達し
て、従来にも増して高出力の特性が得られるようになっ
てきた。このため、光導波路型のSHG素子を構成すれ
ば、光の回折によるエネルギ密度の減少を回避でき、半
導体レーザ程度の光強度でも、比較的高い変換効率で波
長変換素子を実現できる可能性が起こって来た。
て、従来にも増して高出力の特性が得られるようになっ
てきた。このため、光導波路型のSHG素子を構成すれ
ば、光の回折によるエネルギ密度の減少を回避でき、半
導体レーザ程度の光強度でも、比較的高い変換効率で波
長変換素子を実現できる可能性が起こって来た。
【0005】その様な例として、タンタル酸リチウム結
晶のC板に自発分極の反転周期構造を形成し、この周期
格子ベクトル方向に平行して光導波路を形造り、この光
導波路に近赤外光を透過し、同じ導波路を導波される2
次高調波を得る方式のSHG素子の構造の提案並びに基
本的な特性を実験的に実証した例がある(「半導体レー
ザを用いた分極反転型LiTaO3 SHG素子によるブ
ルー光発生」;山本和久、水内公典、谷内哲夫、第52
回応用物理学会学術講演予稿集所収11p−ZN−9、
平成3年9月11日)。この方式のSHG素子は、基本
波からSHG波へと同じ偏光成分間への変換に関与し、
通常最も高い値の非線形光学定数であるd33を利用でき
るような位相整合条件を、自発分極の反転周期を介する
ことに拠って実現しており、高い変換効率を可能にして
いる。しかしながら、入射させる光の波長の許容幅がき
わめで狭く、個体差の発振波長のばらつきの大きい半導
体レーザの選別を必要とし、素子そのものや、半導体レ
ーザ各々に精密な温度調節を行なう必要があるという欠
点を持つ。温度の変化による屈折率の変動や、入射波長
の変動にたいしても絶えず位相整合条件が保たれ、波長
トレランスの大きい、安定した波長変換が行なわれるデ
バイスの新しい構成の発明が必要である。
晶のC板に自発分極の反転周期構造を形成し、この周期
格子ベクトル方向に平行して光導波路を形造り、この光
導波路に近赤外光を透過し、同じ導波路を導波される2
次高調波を得る方式のSHG素子の構造の提案並びに基
本的な特性を実験的に実証した例がある(「半導体レー
ザを用いた分極反転型LiTaO3 SHG素子によるブ
ルー光発生」;山本和久、水内公典、谷内哲夫、第52
回応用物理学会学術講演予稿集所収11p−ZN−9、
平成3年9月11日)。この方式のSHG素子は、基本
波からSHG波へと同じ偏光成分間への変換に関与し、
通常最も高い値の非線形光学定数であるd33を利用でき
るような位相整合条件を、自発分極の反転周期を介する
ことに拠って実現しており、高い変換効率を可能にして
いる。しかしながら、入射させる光の波長の許容幅がき
わめで狭く、個体差の発振波長のばらつきの大きい半導
体レーザの選別を必要とし、素子そのものや、半導体レ
ーザ各々に精密な温度調節を行なう必要があるという欠
点を持つ。温度の変化による屈折率の変動や、入射波長
の変動にたいしても絶えず位相整合条件が保たれ、波長
トレランスの大きい、安定した波長変換が行なわれるデ
バイスの新しい構成の発明が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例における
課題である入射波長変動許容幅の狭さは、位相整合の条
件が一点波長でのみ満たされる構成になっていることに
起因する。すなわち、強誘電体を含む多くの誘電体では
屈折率の波長分散があり、短波長特に青色付近で屈折率
が急激に上昇する。入射波長の或特定の波長で素子を設
計しても、入射波長が僅かでも変動すると、それに対応
する1/2波長の屈折率の変化は大きく、位相整合の仲
立ちをする分極反転の格子周期が単一であるため、整合
の条件からすぐにはずれ、変換効率が極端に低下する。
温度変動による屈折率変化にたいしても同様である。
課題である入射波長変動許容幅の狭さは、位相整合の条
件が一点波長でのみ満たされる構成になっていることに
起因する。すなわち、強誘電体を含む多くの誘電体では
屈折率の波長分散があり、短波長特に青色付近で屈折率
が急激に上昇する。入射波長の或特定の波長で素子を設
計しても、入射波長が僅かでも変動すると、それに対応
する1/2波長の屈折率の変化は大きく、位相整合の仲
立ちをする分極反転の格子周期が単一であるため、整合
の条件からすぐにはずれ、変換効率が極端に低下する。
温度変動による屈折率変化にたいしても同様である。
【0007】この難点を解除する方法として、位相整合
化の仲立ちの働きをする自発分極反転の格子ピッチを分
散分布させる提案がある(学術論文「Theretic
alAnalysis of Waveguide S
econd−Harmonic Generation
Phase Matched with Unifo
rm and Chirped Gratings(均
一周期及びチャープ周期格子によって位相整合する導波
路第2次高調波発生の理論的解析)」;栖原敏明、西原
浩共著、IEEE Jounal of Quantu
m Electronics,Vol.26,No.
7,pp1265−1276(1990)所収)。
化の仲立ちの働きをする自発分極反転の格子ピッチを分
散分布させる提案がある(学術論文「Theretic
alAnalysis of Waveguide S
econd−Harmonic Generation
Phase Matched with Unifo
rm and Chirped Gratings(均
一周期及びチャープ周期格子によって位相整合する導波
路第2次高調波発生の理論的解析)」;栖原敏明、西原
浩共著、IEEE Jounal of Quantu
m Electronics,Vol.26,No.
7,pp1265−1276(1990)所収)。
【0008】分極反転の格子ピッチを分散分布させる方
法は、概念的には有効な方法である。しかしながら、単
にこれだけでは、実質的には実現が困難で、有効性にも
難点がある。
法は、概念的には有効な方法である。しかしながら、単
にこれだけでは、実質的には実現が困難で、有効性にも
難点がある。
【0009】その第一は、前にも述べた通り、屈折率の
波長分散は、青色波長近辺では屈折率が大きく増大す
る。このため、近赤外波長の屈折率との間で位相整合を
取るためには、分極反転の格子の周期はニオブ酸リチウ
ム結晶では3μm、タンタン酸リチウム結晶でも3.6
μmであり、このため、反転分域の幅はその半分の1.
5μmや1.8μmとそれぞれ極めて細くなる。自発分
極の反転分域を形成する方法は数多く見い出されている
が、いずれも1μmを切る精度は無い。従って、格子周
期を3μm周辺で除々に変化し、分散させて設けること
は困難である。周知の如く、反転させた領域の幅と、反
転させない領域の比が1:1に近くないと変換効率が低
下する。
波長分散は、青色波長近辺では屈折率が大きく増大す
る。このため、近赤外波長の屈折率との間で位相整合を
取るためには、分極反転の格子の周期はニオブ酸リチウ
ム結晶では3μm、タンタン酸リチウム結晶でも3.6
μmであり、このため、反転分域の幅はその半分の1.
5μmや1.8μmとそれぞれ極めて細くなる。自発分
極の反転分域を形成する方法は数多く見い出されている
が、いずれも1μmを切る精度は無い。従って、格子周
期を3μm周辺で除々に変化し、分散させて設けること
は困難である。周知の如く、反転させた領域の幅と、反
転させない領域の比が1:1に近くないと変換効率が低
下する。
【0010】また、屈折率の波長分散は、近赤外領域で
は小さく青色波長近辺で大きいということは、素子に波
長許容幅を広く持たせるためには、分極反転の格子周期
の分散幅を大きくとらなければならず、素子サイズの増
大を招き、作製を難しくし、変換された青色光は散乱や
吸収を多く受け、素子特性が低下する。この難点を回避
するためには、何らかの別な手段を導入して、分極反転
の格子周期を1桁以上大きくし、同波光の等価屈折率の
波長による分散の大きさを、近赤外光領域と青色光領域
とで同程度にすることが必要である。
は小さく青色波長近辺で大きいということは、素子に波
長許容幅を広く持たせるためには、分極反転の格子周期
の分散幅を大きくとらなければならず、素子サイズの増
大を招き、作製を難しくし、変換された青色光は散乱や
吸収を多く受け、素子特性が低下する。この難点を回避
するためには、何らかの別な手段を導入して、分極反転
の格子周期を1桁以上大きくし、同波光の等価屈折率の
波長による分散の大きさを、近赤外光領域と青色光領域
とで同程度にすることが必要である。
【0011】また、問題点の第二は、単に分極反転の格
子ピッチを分散分布させるだけでは、まだ波長が変動す
ると変換効率が激しく変動する。何故ならば、素子上に
実際に分散して設けられる格子周期の範囲(空間周波数
範囲)は一定範囲に限られるため、回折効果が生じる。
すなわち、基本波と二次高調波との位相定数不整合量
(即ち格子による整合の中心の波長からの波長のずれ)
を横軸に、縦軸に変換効率をとって表わすと、光学で云
うフレネルリップが生じることは、前述の学術論文、
「Tneoretical Analysis Of
WaveguideSecond−Harmonic
Generation Phase Matched
with Uniform and Chirped
Gratings (均一周期及びチャープ周期格子に
よって位相整合する導波路第2次高調波発生の論理的解
析)」の図10にも示されている。このため、基本波を
発生する半導体レーザの発振波長の温度変動や駆動電流
変動によって、二次高調波の出力が大きく変わり、実用
に耐えられない。
子ピッチを分散分布させるだけでは、まだ波長が変動す
ると変換効率が激しく変動する。何故ならば、素子上に
実際に分散して設けられる格子周期の範囲(空間周波数
範囲)は一定範囲に限られるため、回折効果が生じる。
すなわち、基本波と二次高調波との位相定数不整合量
(即ち格子による整合の中心の波長からの波長のずれ)
を横軸に、縦軸に変換効率をとって表わすと、光学で云
うフレネルリップが生じることは、前述の学術論文、
「Tneoretical Analysis Of
WaveguideSecond−Harmonic
Generation Phase Matched
with Uniform and Chirped
Gratings (均一周期及びチャープ周期格子に
よって位相整合する導波路第2次高調波発生の論理的解
析)」の図10にも示されている。このため、基本波を
発生する半導体レーザの発振波長の温度変動や駆動電流
変動によって、二次高調波の出力が大きく変わり、実用
に耐えられない。
【0012】本発明の目的は、上述の従来提案されてい
るの導波型SHG素子の持つ難点を取り除き、温度変動
並びに波長変動に対して位相整合条件に冗長性があっ
て、安定度の高い構成の波長変換素子を提供することに
ある。
るの導波型SHG素子の持つ難点を取り除き、温度変動
並びに波長変動に対して位相整合条件に冗長性があっ
て、安定度の高い構成の波長変換素子を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】2次の非線形光学効果を
有する強誘電体結晶の表面に、その周期が前記結晶の表
面に沿って徐々に変化する自発分極の反転した周期構造
を設け、光進行方向に沿って光入射近傍並びに光出射近
傍では互いに空間的に離れ、中間部分では互いに平行し
て近傍し、また前記周期構造の周期方向にも平行した、
基本波用及び二次高調波用の2本のチャンネル導波路を
形成し、且つ、基本波用のチャンネル導波路には、基本
波の波長に於いて透明であって、またその屈折率が、前
記強誘電体結晶の二次高長波の波長に於ける屈折率より
大きい値を有する誘電体の薄層を設けることによって、
高効率で安定な波長変換素子が得られる。
有する強誘電体結晶の表面に、その周期が前記結晶の表
面に沿って徐々に変化する自発分極の反転した周期構造
を設け、光進行方向に沿って光入射近傍並びに光出射近
傍では互いに空間的に離れ、中間部分では互いに平行し
て近傍し、また前記周期構造の周期方向にも平行した、
基本波用及び二次高調波用の2本のチャンネル導波路を
形成し、且つ、基本波用のチャンネル導波路には、基本
波の波長に於いて透明であって、またその屈折率が、前
記強誘電体結晶の二次高長波の波長に於ける屈折率より
大きい値を有する誘電体の薄層を設けることによって、
高効率で安定な波長変換素子が得られる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき図面を用いて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例である導波路構成
の波長変換素子の構造を示す図である。1は2次非線形
光学材料であるタンタン酸リチウム(LiTaO3 )結
晶基板であり、基板方位はZ板(すなわち、基板に立て
た法線はZ軸)である。
の波長変換素子の構造を示す図である。1は2次非線形
光学材料であるタンタン酸リチウム(LiTaO3 )結
晶基板であり、基板方位はZ板(すなわち、基板に立て
た法線はZ軸)である。
【0016】この基板表面は、基本波導波路4と2次高
調波用導波路3とが形成されている。基本波導波路4は
基板よりも屈折率の大きい誘電体膜をストライプ状に設
けることによって、また2次高調波用導波路3はプロト
ンイオン交換法を用いて基板1のY軸方向に沿って形成
されている。基本波5は前記の基本波導波路4にTM波
(電界の振動方向が基板のZ軸方向)として注入され
る。基本波5は導波路4に導かれて行くうちに、タンタ
ン酸リチウム結晶の持つ最も大きい2次非線形光学定数
d33を介して、基本波と同じ偏光(TM波)の2次高調
波6を発生し、2次高調波用導波路3に空間的に結合
し、これに導びかれて基板を出射する。基本波から2次
高調波へ効率よく変換されるためには、上で述べたよう
に、位相整合条件、即ち材料の屈折率分散によって本質
的に存在する(2次高調波が青の短波長では特に差が大
きい)屈折率の違いを補償する方法がデバイスの構造に
設けられていることが必要であり、さらに、レーザ光で
ある基本波5の波長が温度等で揺らいでも安定に変換さ
れることが必要である。このために、本発明では以下に
説明する構造上の工夫を有している。
調波用導波路3とが形成されている。基本波導波路4は
基板よりも屈折率の大きい誘電体膜をストライプ状に設
けることによって、また2次高調波用導波路3はプロト
ンイオン交換法を用いて基板1のY軸方向に沿って形成
されている。基本波5は前記の基本波導波路4にTM波
(電界の振動方向が基板のZ軸方向)として注入され
る。基本波5は導波路4に導かれて行くうちに、タンタ
ン酸リチウム結晶の持つ最も大きい2次非線形光学定数
d33を介して、基本波と同じ偏光(TM波)の2次高調
波6を発生し、2次高調波用導波路3に空間的に結合
し、これに導びかれて基板を出射する。基本波から2次
高調波へ効率よく変換されるためには、上で述べたよう
に、位相整合条件、即ち材料の屈折率分散によって本質
的に存在する(2次高調波が青の短波長では特に差が大
きい)屈折率の違いを補償する方法がデバイスの構造に
設けられていることが必要であり、さらに、レーザ光で
ある基本波5の波長が温度等で揺らいでも安定に変換さ
れることが必要である。このために、本発明では以下に
説明する構造上の工夫を有している。
【0017】図1において、タンタン酸リチウム結晶1
の表面にチャンネル導波路3と4を設ける前に、位相整
合を取るために、自発分極の反転分域2がY軸方向に周
期配列して回折格子状に形成してある。そして、この格
子ピッチは図2に示すように、光の進行方向に徐々に変
化するように形成してある。更に、基本波導波路4は、
基板1の上に誘電体の膜がスパッタ法や蒸着法等の成膜
方法によって薄くストライプ状に付けて構成する装荷型
の導波路である。この膜は光学特性上、次の条件を有す
る。すなわち、基本波の波長の光に対しては透明であ
り、その波長における固有の屈折率の大きさは、LiT
aO3 の2次高調波の波長における異常光屈折率ne よ
りも大きい。この様な材料としては、例えば、燐化ガリ
ウム(GaP)等が上げられる。その厚さは、基本波導
波路4の基本波波長での等価屈折率が、プロトン交換で
形成した2次高調波用導波路3の2次高調波波長に於け
る等価屈折率(これはほぼ基板であるニオブ酸リチウム
結晶の2次高調波の波長でのne )と同程度の大きさに
なるように、数10nm程度と薄く設けてある。
の表面にチャンネル導波路3と4を設ける前に、位相整
合を取るために、自発分極の反転分域2がY軸方向に周
期配列して回折格子状に形成してある。そして、この格
子ピッチは図2に示すように、光の進行方向に徐々に変
化するように形成してある。更に、基本波導波路4は、
基板1の上に誘電体の膜がスパッタ法や蒸着法等の成膜
方法によって薄くストライプ状に付けて構成する装荷型
の導波路である。この膜は光学特性上、次の条件を有す
る。すなわち、基本波の波長の光に対しては透明であ
り、その波長における固有の屈折率の大きさは、LiT
aO3 の2次高調波の波長における異常光屈折率ne よ
りも大きい。この様な材料としては、例えば、燐化ガリ
ウム(GaP)等が上げられる。その厚さは、基本波導
波路4の基本波波長での等価屈折率が、プロトン交換で
形成した2次高調波用導波路3の2次高調波波長に於け
る等価屈折率(これはほぼ基板であるニオブ酸リチウム
結晶の2次高調波の波長でのne )と同程度の大きさに
なるように、数10nm程度と薄く設けてある。
【0018】上記のような構造にすることによって、装
荷された導波路の等価屈折率は、図3に示すような値を
とる。すなわち、2次高調波用導波路3の等価屈折率の
波長による変化は、基板の屈折率分散とほぼ同じで曲線
11のようである。基本波導波路4では、屈折率の高い
GaPの装荷効果を受けて等価屈折率は高くなり、曲線
12のようになる。装荷膜が無い場合、基板の屈折率の
分散に従って、0.83μmの基本波の屈折率は2.1
6程度で、2次高調波0.415μm光に対しては、
2.27とそれらの差は0.11もある。これに対し
て、GaPの膜を付けたとき(図3の曲線12)、基本
波の屈折率は2.26程度となって、2次高調波のそれ
との差は、0.01以下となる。このため、装荷膜が無
いとき、反転分域のピッチは3μmと極めて細かさを必
要とし、ピッチを空間的に徐々に変化させて設けること
は容易である。これに拠って、波長許容範囲が広くな
る。
荷された導波路の等価屈折率は、図3に示すような値を
とる。すなわち、2次高調波用導波路3の等価屈折率の
波長による変化は、基板の屈折率分散とほぼ同じで曲線
11のようである。基本波導波路4では、屈折率の高い
GaPの装荷効果を受けて等価屈折率は高くなり、曲線
12のようになる。装荷膜が無い場合、基板の屈折率の
分散に従って、0.83μmの基本波の屈折率は2.1
6程度で、2次高調波0.415μm光に対しては、
2.27とそれらの差は0.11もある。これに対し
て、GaPの膜を付けたとき(図3の曲線12)、基本
波の屈折率は2.26程度となって、2次高調波のそれ
との差は、0.01以下となる。このため、装荷膜が無
いとき、反転分域のピッチは3μmと極めて細かさを必
要とし、ピッチを空間的に徐々に変化させて設けること
は容易である。これに拠って、波長許容範囲が広くな
る。
【0019】また図3に示すように、装荷膜が無い場合
(曲線11)、基本波波長付近での屈折率の波長変化
と、2次高調波波長付近でのそれとは大幅に異なるのに
対して、装荷膜を付けた場合の基本波波長付近の曲線1
2の傾きは、2次高調波のそれに近くなる。このこと
は、基本波波長がずれた場合にも、自発分極の格子ピッ
チの整合に寄与する周期の値の変化は大きくないことを
意味し、分散の幅は、広く設けておく必要が無いことを
意味する。
(曲線11)、基本波波長付近での屈折率の波長変化
と、2次高調波波長付近でのそれとは大幅に異なるのに
対して、装荷膜を付けた場合の基本波波長付近の曲線1
2の傾きは、2次高調波のそれに近くなる。このこと
は、基本波波長がずれた場合にも、自発分極の格子ピッ
チの整合に寄与する周期の値の変化は大きくないことを
意味し、分散の幅は、広く設けておく必要が無いことを
意味する。
【0020】さらに、基本波導波路4と2次高調波用導
波路3とは、図1に示すように、光の入口から出口まで
完全に平行ではなく、入射端付近と出射端付近では互い
に離れるように形成してある。基本波導波路4から2次
高調波導波路3への波長変換の効率は材料定数である、
非線形光学定数d33の大きさだけでなく、2つの導波路
の空間的な結合度、即ち導波路間隔が関係する。もし、
2つの導波路が終始平行であると、前述の論文が説くよ
うに、波長変化に対する変換効率の大きな変動を来す。
すなわち、ピッチをチャープ化して設ける反転分域2の
そのチャープ範囲は有限にならざる得ないため(図4
(a))、波長変化によって導波路3に現われる変換光
の強度は図4(b)に示すように、激しいリップル特性
を持ち、基本波の発振源が半導体レーザでは実用が困難
である。図1のように入射端付近と出射端付近では互い
に離れるように形成してあるために、反転分域2の周期
の粗い領域と細かい領域では、等価的に非線形効果が低
下していることになり(図5(a))、リップル特性が
抑圧される(図5(b))。このため、半導体レーザの
発振光の変動に対しても、安定した波長変換が可能とな
る。導波路が空間的に離れている効果は、副次的に2次
高調波出射端での基本波と2図との空間的分離が容易と
なり、分離のための波長フィルタを不要とする。
波路3とは、図1に示すように、光の入口から出口まで
完全に平行ではなく、入射端付近と出射端付近では互い
に離れるように形成してある。基本波導波路4から2次
高調波導波路3への波長変換の効率は材料定数である、
非線形光学定数d33の大きさだけでなく、2つの導波路
の空間的な結合度、即ち導波路間隔が関係する。もし、
2つの導波路が終始平行であると、前述の論文が説くよ
うに、波長変化に対する変換効率の大きな変動を来す。
すなわち、ピッチをチャープ化して設ける反転分域2の
そのチャープ範囲は有限にならざる得ないため(図4
(a))、波長変化によって導波路3に現われる変換光
の強度は図4(b)に示すように、激しいリップル特性
を持ち、基本波の発振源が半導体レーザでは実用が困難
である。図1のように入射端付近と出射端付近では互い
に離れるように形成してあるために、反転分域2の周期
の粗い領域と細かい領域では、等価的に非線形効果が低
下していることになり(図5(a))、リップル特性が
抑圧される(図5(b))。このため、半導体レーザの
発振光の変動に対しても、安定した波長変換が可能とな
る。導波路が空間的に離れている効果は、副次的に2次
高調波出射端での基本波と2図との空間的分離が容易と
なり、分離のための波長フィルタを不要とする。
【0021】上記の実施例では、基本波導波路4は基板
上に、単に高屈折率膜を設けただけの装荷型導波路の場
合(図6(a))を述べたが、他に形成方法は、2次高
調波導波路3と同じように設け、その表面に高屈折率膜
を設ける(図6(b)及び(c))の方法でもよい。
上に、単に高屈折率膜を設けただけの装荷型導波路の場
合(図6(a))を述べたが、他に形成方法は、2次高
調波導波路3と同じように設け、その表面に高屈折率膜
を設ける(図6(b)及び(c))の方法でもよい。
【0022】上記の実施例では、結晶基板としてZ板を
用い、導波モードとしてTM波を利用する場合を述べた
が、勿論、Y(またはX)板、TE波を利用する事もで
きる。また、d33を利用することを述べたが、d13を利
用してもよい。
用い、導波モードとしてTM波を利用する場合を述べた
が、勿論、Y(またはX)板、TE波を利用する事もで
きる。また、d33を利用することを述べたが、d13を利
用してもよい。
【0023】本発明の構造は、周囲温度の変化による屈
折率の変化、入射波の波長の変動やばらつき、装荷膜の
厚さや屈折率の設定誤差が多少あっても、変換効率の変
動は小さいという特徴を持つ。すなわち、製作精度、温
度、波長にたいする許容度や余裕度が広い。
折率の変化、入射波の波長の変動やばらつき、装荷膜の
厚さや屈折率の設定誤差が多少あっても、変換効率の変
動は小さいという特徴を持つ。すなわち、製作精度、温
度、波長にたいする許容度や余裕度が広い。
【0024】また、非線形結晶として、タンタン酸リチ
ウム結晶の場合を述べたが、ニオブ酸リチウム結晶やチ
タン酸燐酸カリウム等非線形光学効果の大きく、自発分
極の反転が可能な他の無機物結晶を用いることもでき
る。また無機物結晶に留まらず、高分子材料を用いても
同様の効果が得られる。
ウム結晶の場合を述べたが、ニオブ酸リチウム結晶やチ
タン酸燐酸カリウム等非線形光学効果の大きく、自発分
極の反転が可能な他の無機物結晶を用いることもでき
る。また無機物結晶に留まらず、高分子材料を用いても
同様の効果が得られる。
【0025】
【発明の効果】以上説明のように、本発明によれば高効
率でしかも安定な導波路型の波長変換素子が得られる。
率でしかも安定な導波路型の波長変換素子が得られる。
【図1】本発明の一実施例の導波路型波長変換素子の構
造を説明する斜視図。
造を説明する斜視図。
【図2】基板結晶上に形成する反転分域格子の周期ピッ
チを示す図。
チを示す図。
【図3】用いる非線形光学結晶の屈折率の波長分散特性
を表わす図。
を表わす図。
【図4】従来の波長変換効率及び変換光強度を示す図。
【図5】本発明の波長変換効率及び変換光強度を示す
図。
図。
【図6】他の実施例の導波路構造を示す断面図。
1 LiTaO3 結晶基板 2 反転分域 3 2次高調波用導波路 4 基本波導波路 5 基本波 6 2次高調波
Claims (1)
- 【請求項1】 2次の非線形光学効果を有する強誘電体
結晶の表面に、その周期が前記結晶の表面に沿って徐々
に変化する自発分極の反転した周期構造を設け、光進行
方向に沿って光入射近傍並びに光出射近傍では互いに空
間的に離れ、中間部分では互いに平行して近接し、また
前記周期構造の周期方向にも平行した、基本波用及び二
次高調波用の異なる2本のチャンネル導波路を形成し、
且つ、基本波用のチャンネル導波路には、基本波の波長
に於いて透明であって、またその屈折率が、前記強誘電
体結晶の二次高調波の波長に於ける屈折率より大きい値
を有する誘電体の薄層を設けたことを特徴とする波長変
換素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4237917A JP2822807B2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 波長変換素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4237917A JP2822807B2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 波長変換素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0682860A JPH0682860A (ja) | 1994-03-25 |
JP2822807B2 true JP2822807B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=17022363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4237917A Expired - Fee Related JP2822807B2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 波長変換素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2822807B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-07 JP JP4237917A patent/JP2822807B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0682860A (ja) | 1994-03-25 |
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