JP4605783B2 - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば内燃期間の排気ガスなど、被測定ガス中の酸素等のガスを検出するためのガスセンサ及びガスセンサの製造方法に関する。
従来から、被測定ガス中の特定のガスを検出するガスセンサ、例えば、内燃機関の排気ガス中の酸素等を検出するためのガスセンサとして、先端部が閉じた有底筒状で内外面に検地電極を有するガス検出素子を備えたものが知られている。このようなガスセンサでは、基準ガスとして例えば大気をガス検出素子の内側に導入し、外側に被測定ガスを接触させ、検出素子内外のガス濃度差に応じて生じる起電力を測定することによって、ガス濃度を検出する。
また、上記のガスセンサでは、ガス検出素子を所定位置に支持するため、ガス検出素子の周囲を囲むように、金属製ハウジング(主体金具)を設けたものが知られている。そして、ガス検出素子と金属製ハウジングとの間の気密性を保持するため、これらの間に粉末層を配置したものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−281209号公報
しかしながら、上述した従来のガスセンサでは、次のような課題があることが判明した。すなわち、水分のある(湿度の高い)環境に晒されると粉末層が吸湿し、これによって、金属製ハウジングと、ガスセンサ素子の外側電極との間の電気抵抗が低下してしまう。このため、これらの間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたす可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明は、水分のある環境において粉末層が吸湿した場合でも、必要な絶縁性を確保することのできるガスセンサ及びガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
(請求項1)
本発明のガスセンサは、軸線方向に延び、先端側外表面に設けられた検知電極と、該検知電極に接続され後端側に向かって延在するリード部とを備えたガスセンサ素子と、前記ガスセンサ素子を取り囲み、該ガスセンサ素子の先端側が先端から突出する筒状の主体金具と、前記ガスセンサ素子と前記主体金具との隙間に充填され、少なくとも前記リード部を覆う粉末層と、を備えるガスセンサにおいて、前記粉末層と前記リード部との間に絶縁層が設けられており、前記ガスセンサ素子は、径方向外側に突出し、前記粉末層よりも先端側に設けられたパッキンに当接する鍔部を有し、前記絶縁層は、少なくとも前記パッキンと前記鍔部との間まで延在しており、前記ガスセンサ素子は、前記検出電極の少なくとも一部を覆うと共に、前記絶縁層の少なくとも先端部と重なる多孔質の保護層を有し、前記保護層は、前記絶縁層の先端部を覆うことを特徴とする。
本発明のガスセンサにおいては、粉末層とリード部との問に絶縁層を設けることによって、リード部と粉末層が直接接触しない構造となっている。これによって、水分のある環境において粉末層が吸湿した場合でも、必要な絶縁性を確保することができる。よって、主体金具とリード部との間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたすことを防止できる。
また、通常、ガスセンサ素子には径方向外側に突出する鍔部が形成されており、この鍔部はパッキンを介在させてガスセンサ素子を主体金具やインシュレータに固定する役目を果たしている。このパッキンよりも後端側において、ガスセンサ素子と主体金具やインシュレータとの間の間隙に、粉末層の一部が入り込む可能性がある。すると、上述したように、粉末層が吸湿することで、主体金具とガスセンサ素子の検知電極やリード部との間の電気抵抗が低下してしまう。このため、これらの間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたす可能性がある。
そこで、本発明のガスセンサは、絶縁層が少なくともパッキンと鍔部との間まで延在している。絶縁層が少なくともパッキンと鍔部との間まで延在していることで、上記間隙に入り込んだ粉末層が吸湿したとしても、主体金具と検知電極やリード部との間の短絡を防止することができる。
一方、上記パッキンよりも先端側にもガスセンサ素子と主体金具との間に隙間が形成される。ガスセンサが排気管等に取り付けられて使用されたときに、このガスセンサ素子と主体金具との隙間は、被測定ガスに晒されることとなり、被測定ガス中のカーボン等がその隙間に入り込み、ガス検出素子及び主体金具の表面に付着することとなる。すると、ガス検出素子に設けられた検知電極やリード部上にも力一ボンが付着する。すると、主体金具とガスセンサ素子の検知電極やリード部との間の電気抵抗が低下してしまい、これらの間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたす可能性がある。
そこで、本発明のガスセンサは、前記ガスセンサ素子が、前記検知電極の少なくとも一部を覆うと共に、前記絶縁層の少なくとも先端部と重なる多孔質の保護層を有する。ガスセンサの検知電極の外周面には、被測定ガス中のPb等の被毒物質等によるガスセンサの検出精度の低下を抑制する保護層が設けられている。そこで、この保護層と絶縁層の先端側とを重ねる(つまり、ガスセンサ素子のパッキンよりも先端側を保護層と絶縁層で覆う)ことで、パッキンよりも先端側で、且つ主体金具とガスセンサ素子との隙間にカーボン等が入り込み、主体金具やガスセンサ素子にカーボン等が付着しても、保護層または絶縁層によって主体金具と検知電極やリード部との間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたすことを効果的に防止できる。
さらに、本発明のガスセンサは、保護層が絶縁層の先端部を覆っている。絶縁層が保護層を覆うようにすると、多孔質の保護層の気孔に絶縁層がうまく入り込まず、絶縁できない可能性がある。それに対して、本発明のように保護層が絶縁層の先端部を覆うことで、絶縁を保つことができる。
なお、リード部は、粉末層よりも後端側のガスセンサ素子の外周面まで延びてもよい。また、リード部は、ガス検出素子の全周面にあってもよいし、ガスセンサ素子の周方向の一部で、検出電極から後端側に向かって棒状に延びるように形成されていてもよい。
(請求項2)
また、本発明のガスセンサは、前記絶縁層が、ガラスを主成分とすることが好ましい。ガラスが主成分の絶縁層を設けることで、充分な絶縁性を確保しつつ耐熱性も確保することができる。
(請求項3)
また、本発明のガスセンサは、前記絶縁層が、複数の層からなることが好ましい。これにより、ガラスを主成分とする絶縁層は孔のない絶縁層を形成することができ、孔によって絶縁性が低下することをさらに防止することができる。
(請求項4)
そして、本発明のガスセンサは、前記複数の層のうち、前記リード部に隣接する第1絶縁層が結晶化ガラスで形成されていることが好ましい。リード部に隣接する第1絶縁層が結晶化ガラスで形成されることで、例えば、第1絶縁層に隣接する第2絶縁層を形成する際に、第1絶縁層が軟化されにくく、第1絶縁層の厚みを保ちつつ、第2絶縁層を形成することができる。よって、膜厚が厚い絶縁層を設けることができ、さらに絶縁性の低下を防止することができる。
(請求項
さらに、絶縁層は、前記主体金具の先端よりも先端側まで延在していることが好ましい。これにより、主体金具やガスセンサ素子にカーボン等が付着しても、絶縁層によって主体金具と検知電極やリード部との間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたすことを効果的に防止できる。
(請求項
本発明のガスセンサの製造方法は、ガラスペーストを塗布する塗布工程と、前記ガラスペーストを乾燥する乾燥工程と、前記ガラスペーストを熱処理する熱処理工程とによって、前記絶縁層を形成することを特徴とする。また、本発明のガスセンサの製造方法の一態様は、前記塗布工程と前記乾燥工程と前記熱処理工程とからなる一連の工程を、少なくとも2回繰り返して行い、前記絶縁層を形成することを特徴とする。このような工程で絶縁層を形成することにより、充分な厚みを有し、絶縁性と耐熱性を備える絶縁層を形成することができる。
本発明によれば、水分のある環境において粉末層が吸湿した場合でも、必要な絶縁性を確保することのできるガスセンサ及びガスセンサの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のガスセンサを酸素センサに適用した実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のガスセンサの一実施形態に係る酸素センサの概略構成を示すものである。
同図に示すように、酸素センサ1は、ガス検出素子としての検出素子2と、ヒータ3、主体金具5等とを備えている。このうち、ヒータ3は、棒状のセラミックヒータからなり、検出素子2の内部に挿入されている。
主体金具5は、その外周面に酸素センサ1を排気管等の取付部に取付けるためのねじ部51と、排気管の取付部への取付時に取付金具をあてがう突出部53を有している。なお、突出部53の先端面には、ガスケット7が設けられている。
他方、主体金具5は、その内周面に、先端側に向かって縮径する金具側段部54を有している。さらに、主体金具5と検出素子2との間には、絶縁性セラミックから形成されたインシュレータ8、9が設けられており、これらのインシュレータ8、9の間に、圧縮された状態で滑石(タルク)等の粉末層10が配置されている。この粉末層10によって、検出素子2と主体金具5との間が封止され、気密性が確保されるようになっている。また、インシュレータ9の先端と金具側段部54との間にはパッキン55が設けられ、インシュレータ8の後端には、環状リング57が設けられている。
また、主体金具5の先端側には、検出素子2の検知部21を覆うプロテクタ11が取り付けられている。このプロテクタ11には、被測定ガスを導入するための複数のガス透過口12が設けられている。
そして、主体金具5の後端側には、SUS304L製の内筒部材23が取付けられている。内筒部材23は基準ガスをガス検出検出素子内部に取り込むガス導入孔25を有している
また、内筒部材23の外側には、ガス導入孔25に対応する位置に複数の補助ガス導入孔27が設けられた外筒部材26が設けられている。そしてこのガス導入孔25と補助ガス導入孔27との間には、ガス導入孔25を覆うフィルタ13が形成されている。このフィルタ13は、外筒部材26の補助ガス導入孔27の先端側及び後端側を加締めることで固定されている。他方、内筒部材23の内側には、セラミックセパレータ15が形成されている。このセラミックセパレータ15は、外側電極30と接続する外側電極接続金具19、内側電極60と接続する内側電極接続金具18及びヒータ3と接続するヒータ接続端子28を、それぞれに対応するリード線16、17、29と接続するようにして内装する。また、リード線16、17、29は、外筒部材26の後端側に固定されたゴム製のグロメット14を貫通して外部と接続する。
上記酸素センサ1は、ねじ部51より先端側(図1において下側)が排気管内等に位置し、それより後端側(図1において上側)が外部の大気中に位置した状態で使用される。検出素子2は、その内側に配置されたヒータ3で加熱され活性化される。そして、基準ガスとしての大気は、補助ガス導入孔27、フィルタ13、ガス導入孔25の順に通過して、検出素子2の内側に導入される。一方、検出素子2の外側にはプロテクタ11のガス透過口12を介して排気ガスが導入される。
これによって、検出素子2には、その内外面の酸素濃度差に応じて酸素濃淡電池起電力が生じる。そして、この酸素濃淡電池起電力を、排気ガス中の酸素濃度の検出信号として、内側電極60と内側電極接続金具18とリード線17、及び外側電極30と外側電極接続金具19とリード線16を介して取り出すことにより、排気ガス中の酸素濃度を検出する。
次に、検出素子2について、図2〜4を参照しつつ説明する。
検出素子2は、図2に示すように、ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質部材からなる先端が閉じた有底筒状の素子本体(基体)20を具備している。そして、素子本体20の後端側(図中上側)には、径方向外側に突出する鍔部22が形成されている。この鍔部22は、図1に示すように、パッキン58を介してインシュレータ9に固定されている。なお、図2においては、検出素子2の断面の積層構成を説明するため、図1の場合と縦横の比率を変えて模式的にその構成を示してある。
また、素子本体20の内側には、例えばPtあるいはPt合金により多孔質に形成された内側電極60が設けられている。他方、素子本体20の外側には、例えばPtあるいはPt合金により多孔質に形成された外側電極30が形成されている。検知電極31の外側には、スピネル等のセラミック溶射層からなる保護層50が形成されている。
この外側電極30は、図3に示すように、検知部21の略断面を覆うように形成された検知電極31と、この検知電極31と電気的に接続され、後端側に電極を引き出すためのリード部32と、リング部33とから構成されている。そして、図2及び図4に示すように、検知電極31の後端側部分から、リード部32のリング端子部33手前側までの領域にかけて、その外側を覆うように、全周に渡って絶縁層40が設けられている。
次に、本発明の主要部である絶縁層40について説明する。絶縁層40は、粉末層10とリード部32との間に設けられている。これにより、外側電極30(主にリード部32)と粉末層10とが直接接触することのない構造とされている。これによって、粉末層10が吸湿した場合でも、この粉末層10と接触するリード部32が、絶縁層40で覆われ、リード部32と粉末層10とが直接接触することのない構造とされているので、外側電極30と主体金具5との間の必要な絶縁性を確保することができる。よって、主体金具とリード部との間で短絡が防止され、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたすことを防止できる。
この絶縁層40は、充分な絶縁性と耐熱性を有する必要がある。このため、絶縁層40の材質は、ガラスを主成分とするものが好ましい。このガラスとしては、マイグレーションによる絶縁性低下を引き起こすアルカリ金属元素の含有量がより少ないものが好ましい。
さらに、図2に示すように、絶縁層40は複数の層から形成されている。具体的には、第1ガラス層411と第2ガラス層412から形成されており、第1ガラス層411と第2ガラス層は同成分である。このように、絶縁層40を第1ガラス層411、第2ガラス層412の複数の層で形成することで、ガラスを主成分とする絶縁層40は孔のない絶縁層40とすることができ、孔によって絶縁性が低下することを防止することができる。また、形成後に結晶化され軟化温度が上昇しているため、第2ガラス層412を形成する際には、軟化しにくくなっている。このため、第1ガラス層411と同材料で第2ガラス層412を形成することができ、膜厚が厚い絶縁層40を設けることができ、さらに絶縁性の低下を防止することができる。
さらに、この絶縁層40は、パッキン58と鍔部22との間まで延在している。これにより、パッキン58よりも後端側に形成される間隙まで粉末層10の一部が入り込んでいても、吸湿による主体金具5と検地電極31やリード部32との間の短絡を防止できる。
そして、この絶縁層40は、主体金具の5の先端よりも先端側まで延在している。ガスセンサ1が排気管等に取り付けられて使用されたときに、パッキン58よりも先端側に形成される検出素子2と主体金具5との隙間に、被測定ガス中のカーボン等がその隙間に入り込み、ガス検出素子及び主体金具の表面に付着しても、絶縁層40が、付着したカーボンに起因する主体金具5と検知電極31やリード部32との間での短絡を効果的に防止する。
さらに、この絶縁層40は、図4に示すように、検知電極31の後端まで被覆されている。この結果、リード部間の短絡が確実に防止できる。
さらに、図2に示すように、絶縁層40の先端側が保護層50に覆われている。これにより、ガスセンサ素子2のパッキン58よりも先端側は、保護層50及び絶縁層40のいずれか一方で被覆されている。よって、パッキン58よりも先端側で、且つ主体金具5とガスセンサ素子2との隙間にカーボン等が入り込み、主体金具5やガスセンサ素子2にカーボン等が付着しても、保護層50または絶縁層40によって主体金具2と検知電極31やリード部32との間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたすことを効果的に防止できる。
特に、保護層50が絶縁層40の先端部を覆うので、多孔質の保護層50と絶縁層40とで絶縁性を確保することができる。
次に、検出素子2の製造方法について、図5を参照して説明する。同図に示すように、まずジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質部材等からなる基体(素子本体20)を焼成する(101)。
次に、基体の外側部分に、無電解メッキにより白金電極(外側電極30)を形成し(102)、加熱して白金電極を緻密化処理する(103)。加熱は、例えば大気雰囲気で温度1230℃で行う。
次に、基体外側の絶縁層40を形成する部分に、1度目のガラスペースト塗布を行う(104)。ガラスペースト塗布には、例えば、素子本体のガラスペースト塗布部以外をテフロン(登録商標)テープ等でマスキングし、ガラスペースト中に浸漬するディップ法を使用することができる。この場合、ガラスペーストは、例えば、粉末ガラスが10〜15g、純水が10ml、バインダが0.1〜1.0gの割合とする。また、ガラスペーストを回転するローラー上に流し込みながら、素子本体をローラーと反対方向に回転させながらローラーに当接させてガラスペーストを塗布するローラー法や、素子本体をマスク治具に装着し、素子本体を回転させながらガラスペーストをスプレー塗布するスプレー法等も使用することができる。
次に、ヒートガン等を用いてガラスペーストを乾燥した後(105)、マッフル炉等を用いて熱処理を行って結晶化させ、第1ガラス層411を形成する(106)。熱処理の条件は、例えば、大気雰囲気で温度1170℃、時間20分である。
次に、上記したガラス層の上に、1度目と同様にして、2度目のガラスペースト塗布を行い(107)、ガラスペーストを乾燥した後(108)、熱処理(例えば、大気雰囲気下で、温度1170℃)を行い、第2ガラス層412を形成する(109)。第1ガラス層411は結晶化されているので、1170℃で熱処理を行っても軟化しにくい。このように、ガラスペーストを2度塗りして絶縁層40を形成することにより、孔のない絶縁層40を形成することができ、孔によって絶縁耐性が低下することを防止することができる。このような工程によって形成されるガラス層の厚さは、40〜300μm程度である。厚さが40μm未満になると、センサ使用時に充分な絶縁性を得られなくなる可能性が高まる。
次に、検知電極31の外側に、プラズマ溶射等により保護層50を形成する(110)。この保護層50は、スピネル等のセラミックス多孔質層からなり、厚さは100〜180μm程度である。
次に、無電解メッキにより白金電極(内側電極60)を形成し(111)、加熱して白金電極を緻密化処理する(103)。緻密化処理の条件は、例えば、水素等の還元雰囲気で温度700℃である。
そして、内部電極60を形成した検出素子2は公知の方法で主体金具5にパッキン58及びインシュレータ9を介して保持され、粉末層10、インシュレータ8、環状リング57の順で内装し、内筒部材23の先端部を主体金具5の後端部で加締めるその後、外筒部材26、フィルタ13、グロメット14等を装着し、酸素センサ1が完成する。
次に、上記の製造工程によって形成した絶縁層40について水中絶縁試験を行った。すなわち、素子本体20に、外側電極30と絶縁層40とを形成した状態の素子本体20を、図6に示すように、市水70中に浸漬し、絶縁抵抗計71で絶縁抵抗を測定して水中絶縁試験を行った。なお、素子本体20の後端側(図中下側)の絶縁層40のない部分については、シリコン製絶縁テープ72を巻いて絶縁した。水中絶縁試験は、直流500Vを印加し、10秒間充電後の絶縁抵抗を測定することによって行った。この結果、上記の製造工程によって形成した絶縁層40については、絶縁抵抗が5000MΩ程度であった。
実際の使用に際しては、絶縁層40の絶縁抵抗は、15MΩ程度あれば充分であり、最低5MΩ程度あれば、流れる電流を1μA以下に抑制できるので、ノイズの発生を抑制することができる。したがって、上記の測定方法で形成された絶縁層40の絶縁抵抗は、5MΩ以上とすることが好ましく、15MΩ以上とすることが更に好ましい。
実際に、第1の実施例として、SiOを45質量%、Alを16質量%、BaOを15質量%、ZnOを10質量%、CaOを9質量%、NaOを0.5質量%含む結晶化ガラスによって、厚さ70μmの絶縁層40を形成した酸素センサ1を作成した。そして、この酸素センサ1を温度60℃、湿度95%の環境下で60時間加湿し、この後、絶縁抵抗を測定したところ、加湿直後においても、約100MΩ以上の絶縁抵抗を得ることができた。一方、比較例として、絶縁層40を具備しない酸素センサ1によって同様な測定を行ったところ、絶縁抵抗は約0.01MΩ以下であった。
また、同様に、第2の実施例として、SiOを29質量%、BaOを54質量%、CaOを4質量%、Bを3質量%、NaOを0.5質量%含む非晶ガラスによって、厚さ70μmの絶縁層40を形成した酸素センサ1を作成した。そして、この酸素センサ1を温度60℃、湿度95%の環境下で60時間加湿し、この後、絶縁抵抗を測定したところ、加湿直後においても、約200MΩ以上の絶縁抵抗を得ることができた。一方、比較例として、絶縁層40を具備しない酸素センサ1によって同様な測定を行ったところ、絶縁抵抗は約0.01MΩ以下であった。
また、同様に、第3の実施例として、SiOを32質量%、Alを16質量%、CaOを19質量%、ZnOを25質量%、TiOを10質量%、NaOを0.1質量%、KOを0.04質量%含む結晶化ガラスによって、厚さ70μmの絶縁層40を形成した酸素センサ1を作成した。そして、この酸素センサ1を温度60℃、湿度95%の環境下で60時間加湿し、この後、絶縁抵抗を測定したところ、加湿直後においても、約100MΩ以上の絶縁抵抗を得ることができた。一方、比較例として、絶縁層40を具備しない酸素センサ1によって同様な測定を行ったところ、絶縁抵抗は約0.01MΩ以下であった。
以上のとおり、上記の各実施例では、粉末層10が吸湿した場合でも、従来の酸素センサ1に比べて1000倍以上の絶縁抵抗を確保することができ、ノイズの発生を抑制するのに充分な絶縁性を確保することができた。
なお、絶縁層40は、上述した材質のものに限らず、絶縁抵抗が好ましくは5MΩ以上、更に好ましくは15MΩ以上とすることができるものであれば、どのような材質のものから形成しても良い。また、上記した酸素センサ1に限らず、他の種類のガスを検知するガスセンサにも同様にして適用することができる。
また、上記第1ガラス層411及び第2ガラス層412の形成方法としては、本実施例の方法を用い、1度目のガラスペースト塗布と2度目のガラスペースト塗布のガラス成分を変更することで可能である。第1ガラス層が結晶化されていない場合には、第1ガラス層用のガラスペーストよりも軟化点の低いガラスペーストを用いて、第2ガラス層を形成するのが好ましい。さらに、第1ガラス層用のガラスペーストよりも軟化点の高いガラスペーストを用いて、2度目の熱処理温度を、第1ガラス層の膜厚を維持できる範囲で、1度目の熱処理温度よりも高くすして第2ガラス層を形成することもできる。この場合、上記第1ガラス層第2ガラス層との密着性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る酸素センサの構成を示す図。 図1の酸素センサの検出素子の断面構成を示す図。 図1の酸素センサの検出素子の構成を説明するための図。 図1の酸素センサの検出素子の構成を説明するための図。 検出素子の製造工程を示すフローチャート。 絶縁層の水中絶縁試験の実施方法を説明するための図。
符号の説明
1…酸素センサ、2…検出素子、3…ヒータ、5…主体金具、7…ガスケット、8、9…インシュレータ、10…粉末層、11…プロテクタ、12…ガス透過口、13…フィルタ、14…グロメット、15…セラミックセパレータ、16、17、29…リード線、18…内側電極接続金具、19…外側電極接続金具、20…素子本体、21…検知部、22…鍔部、23…内筒部材、24…段部、25…ガス導入孔、26…外筒部材、27…補助ガス導入孔、28…ヒータ接統端子、30…外側電極、31…検知電極、32…リード部、33…リング部、40…絶縁層、50…保護層、51…ねじ部、52…六角部、53…突出部、54…金具側段部、55、58…パッキン、56…加締め部、57…環状リング、60…内側電極

Claims (7)

  1. 軸線方向に延び、先端側外表面に設けられた検知電極と、該検知電極に接続され後端側に向かって延在するリード部とを備えたガスセンサ素子と、
    前記ガスセンサ素子を取り囲み、該ガスセンサ素子の先端側が先端から突出する筒状の主体金具と、
    前記ガスセンサ素子と前記主体金具との隙間に充填され、少なくとも前記リード部を覆う粉末層と、を備えるガスセンサにおいて、
    前記粉末層と前記リード部との間に絶縁層が設けられており、
    前記ガスセンサ素子は、径方向外側に突出し、前記粉末層よりも先端側に設けられたパッキンに当接する鍔部を有し、
    前記絶縁層は、少なくとも前記パッキンと前記鍔部との間まで延在しており、
    前記ガスセンサ素子は、前記検出電極の少なくとも一部を覆うと共に、前記絶縁層の少なくとも先端部と重なる多孔質の保護層を有し、
    前記保護層は、前記絶縁層の先端部を覆うことを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1記載のガスセンサにおいて、
    前記絶縁層が、ガラスを主成分とすることを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項2記載のガスセンサにおいて、
    前記絶縁層が、複数の層からなることを特徴とするガスセンサ。
  4. 請求項3記載のガスセンサにおいて、
    前記複数の層のうち、前記リード部に隣接する第1絶縁層は、結晶化ガラスで形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記絶縁層は、前記主体金具の先端よりも先端側まで延在していることを特徴とするガスセンサ。
  6. 請求項1記載のガスセンサを製造するガスセンサの製造方法であって、
    ガラスペーストを塗布する塗布工程と、
    前記ガラスペーストを乾燥する乾燥工程と、
    前記ガラスペーストを熱処理する熱処理工程と、
    によって、前記絶縁層を形成することを特徴とするガスセンサの製造方法。
  7. 請求項記載のガスセンサの製造方法において、
    前記塗布工程と前記乾燥工程と前記熱処理工程とからなる一連の工程を、少なくとも2回繰り返して行い、前記絶縁層を形成することを特徴とするガスセンサの製造方法。
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