JP4384994B2 - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば内燃機関の排気ガスなど、被測定ガス中の酸素等のガスを検出するためのガスセンサ及びガスセンサの製造方法に関する。
従来から、被測定ガス中の特定のガスを検出するガスセンサ、例えば、内燃機関の排気ガス中の酸素等を検出するためのガスセンサとして、先端部が閉じた有底筒状で内外面に電極層を有するガス検出素子を備えたものが知られている。このようなガスセンサでは、基準ガスとして例えば大気をガス検出素子の内側に導入し、外側に被測定ガスを接触させ、検出素子内外のガス濃度差に応じて生じる起電力を測定することによって、ガス濃度を検出する。
また、上記のガスセンサでは、ガス検出素子を所定位置に支持するため、ガス検出素子の後端側の周囲を囲むように、金属製ハウジング(主体金具)を設けたものが知られている。そして、ガス検出素子と金属製ハウジングとの間の気密性を保持するため、これらの間に粉末層を配置したものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−281209号公報
しかしながら、上述した従来のガスセンサでは、次のような課題があることが判明した。すなわち、水分のある(湿度の高い)環境に晒されると粉末層が吸湿し、これによって、金属製ハウジングと、ガスセンサ素子の外側電極との間の電気抵抗が低下してしまう。このため、これらの間で電流が流れ、出力にノイズが発生し、正確なガス濃度検知に支障をきたす可能性がある。また、このような電流の発生を防止するため、外側電極をガラスによって覆う構成とすると、金属からなる電極とガラスとの接着性が不十分となり、ガラスが剥れ易く、生産性の低下や耐久性の低下を招くという問題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明は、水分のある環境において粉末層が吸湿した場合でも、必要な絶縁性を確保することができるとともに、生産性の低下や耐久性の低下を招くことのないガスセンサ及びガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
(請求項1)
本発明のガスセンサは、軸線方向に延び、検出部が被測定ガスに晒されるガス検出素子と、前記ガス検出素子の径方向外側を取り囲み、該ガス検出素子の前記検出部を自身の先端から突出する筒状の主体金具と、前記ガス検出素子と前記主体金具との隙間に充填され、これらの間を封止する粉末層と、を備えるガスセンサにおいて、前記ガス検出素子は、前記検出部から少くとも前記粉末層に対応する該ガス検出素子の外周面まで延びる電極を有しており、前記粉末層と前記粉末層に対応する該ガス検出素子の外周面に形成された前記電極との間にガラスを主成分とする絶縁層が設けられ、前記絶縁層と前記電極との間にセラミックからなる中間層が設けられており、前記ガス検出素子は、少なくとも前記検出部を覆う保護層を有し、当該保護層と前記中間層が一体に構成されていることを特徴とする。
本発明のガスセンサにおいては、粉末層と電極との間に絶縁層を設けることによって、電極と粉末層が直接接触しない構造となっている。これによって、水分のある環境において粉末層が吸湿した場合でも、必要な絶縁性を確保することができる。特に、絶縁層はガラスを主成分とするので、充分な絶縁性を確保しつつ、耐熱性も確保することができる。また、ガラスを主成分とする絶縁層と電極との間にセラミックからなる中間層が設けられている。このようなセラミックの中間層は表面に凹凸が形成されるので、ガラスを主成分とする絶縁層が中間層の表面の凹部に入り込み絶縁層と中間層とが密着し、絶縁層に剥れが生じることを防止することができる。また、本発明のガスセンサにおいて、前記ガスセンサ素子は、少なくとも前記検出部を覆う保護層を有し、当該保護層と前記中間層が一体に構成されている。ガスセンサの検出部の外周面は、被測定ガス中のPb等の被毒物質等によるガスセンサの検出精度の低下を抑制する保護層が設けられている。この保護層と中間層とを一体に構成することによって、工程数の増加を招くことなく中間層を形成することができる。また、かかる構造とすることによって、粉末層よりも軸線方向先端側に形成された電極を中間層(保護層)によって覆うことになり、主体金具とガス検出素子との隙間に入り込むカーボン等が付着することによる絶縁性の低下も防止できる。なお、保護層についても,セラミックの溶射により形成することができ、保護層及び中間層を溶射により一体に構成することで、形成されるいずれの層もガス検出素子に充分に結合することができ、剥れにくい保護層及び中間層とすることができる。
なお、粉末層がガス検出素子の略中央に位置するとき、電極は、粉末層に対応するガス検出素子の外周面を越えて、検出部とは反対側の後端側まで延びてもよい。また、電極は、ガス検出素子の全面にあってもよいし、ガス検出素子の周方向の一部で、検出部から粉末層に対応するガス検出素子に外周面に延びるように形成されていてもよい。
(請求項2)
本発明のガスセンサの一態様は、前記中間層が、多孔質層であることを特徴とする。このように、中間層を多孔質層とすることにより、絶縁層のガラスを主成分とする材料を中間層の空孔部分まで浸透させることができ、強固に絶縁層と中間層を結合することができ、絶縁層が剥れることを確実に防止することができる。
(請求項3)
本発明のガスセンサの一態様は、前記中間層が、セラミックを溶射したセラミック溶射層であることを特徴とする。このようにセラミック溶射層により中間層を形成すれば、形成された中間層(溶射層)はガス検出素子に充分に結合することができ、ガス検出素子から剥れにくい中間層を容易に形成することができる。
(請求項4,5
本発明のガスセンサの製造方法は、セラミックを溶射する溶射工程によって前記中間層及び前記保護層を形成し、この後、ガラスペーストを塗布する塗布工程と、前記ガラスペーストを乾燥する乾燥工程と、前記ガラスペーストを熱処理する熱処理工程と、によって、前記絶縁層を形成することを特徴とする。また、本発明のガスセンサの製造方法の一態様は、前記塗布工程と前記乾燥工程と前記熱処理工程とからなる一連の工程を、少なくとも2回繰り返して行い、前記絶縁層を形成することを特徴とする。このような工程で、中間層及び絶縁層を形成することにより、充分な絶縁性と耐熱性を備え、かつ剥れにくい中間層及び絶縁層を形成することができる。なお、繰り返しの回数が多いほど絶縁層の絶縁性が向上するが、コスト等を検討すると4回以下が好ましい。
本発明によれば、水分のある環境において粉末層が吸湿した場合でも、必要な絶縁性を確保することができるとともに、生産性の低下や耐久性の低下を招くことのないガスセンサ及びガスセンサの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のガスセンサを酸素センサに適用した実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のガスセンサの一実施形態に係る酸素センサの概略構成を示すものである。
同図に示すように、酸素センサ1は、ガス検出素子としての酸素検出素子2と、ヒータ3とを備えている。酸素検出素子2は、先端が閉じた有底筒状に形成されている。また、ヒータ3は、棒状のセラミックヒータ等からなり、酸素検出素子2の内部に挿入されている。
図2に示すように、酸素検出素子2は、ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質部材からなる素子本体(基体)20を具備している。そして、その先端部(図中下側)が検知部21とされ、検知部21の後端側(図中上側)には、径方向外側に突出する鍔部22が形成されている。なお、図2においては、酸素検出素子2の断面の積層構成を説明するため、図1の場合と縦横の比率を変えて模式的にその構成を示してある。
また、素子本体20の外側には、例えばPtあるいはPt合金により多孔質に形成された外側電極30が形成されている。この外側電極30は、図3に示すように、検知部21の略全面を覆うように形成された検知部電極31と、この検知部電極31と電気的に接続され、後端側に電極を引き出すための縦リード部電極32と、リングリード部電極33とから構成されている。
そして、図2及び図4に示すように、検知部電極31の後端側部分から、縦リード部電極32のリングリード部電極33手前側までの領域にかけて、その外側を覆うように、全周に渡って絶縁層40が設けられている。この絶縁層40は後述する粉末層10を接触する酸素検出素子2の外側部分に設けられており、外側電極30(主に縦リード部電極32)と粉末層10が直接接することのない構造とされている。これによって、粉末層10が吸湿した場合でも、外側電極30と主体金具5との間の必要な絶縁性を確保することができる。
この絶縁層40は、充分な絶縁性と耐熱性を有する必要がある。このため、絶縁層40の材質は、ガラスを主成分とするものが好ましい。このガラスとしては、シリカを主成分とし、マイグレーションによる絶縁性低下を引き起こすアルカリ金属元素の含有量がより少ないものが好ましい。
また、図2に示すように、検知部電極31の外側には、セラミックからなる保護層50が形成されている。この保護層50と一体に、鍔部22及びその後端側に延在し、絶縁層40の下層側に位置するようにセラミックからなる中間層41が形成されている。この中間層41は、絶縁層40と外側電極30(主に縦リード部電極32)との間に介在している。中間層41は表面に凹凸が形成されるので、ガラスを主成分とする絶縁層40が中間層41の表面の凹部に入り込み絶縁層40と中間層41とが密着する。よって、PtあるいはPt合金等の金属からなる外側電極30上に直接絶縁層40が形成された場合に生じる絶縁層40の剥れ等を防止する役割を果たす。
また、この中間層41を多孔質層にしている。このように多孔質層とすることにより、絶縁層40のガラスを主成分とする材料を中間層41の空孔部分まで浸透させることができ、強固に絶縁層40と中間層41を結合させることができ、絶縁層40が剥れることを確実に防止することができる。
これらの保護層50及び中間層41は、その製造工程において、同時に形成することができ、例えば、スピネル等のセラミック溶射層から形成されている。このようにセラミックの溶射を用いて中間層41を形成すれば、形成された中間層41は酸素検出素子2に充分に結合することができ、酸素検出素子2から剥れにくい中間層41を容易に形成することができる。
さらに、素子本体20の内側には、例えばPtあるいはPt合金により多孔質に形成された内側電極60が設けられている。
図1に示すように、上記酸素検出素子2の鍔部22付近の周囲を取り囲むSUS430製の主体金具5が設けられている。この主体金具5には、酸素センサ1を排気管等の取付部に取付けるためのねじ部51と、排気管の取付部への取付時に取付金具をあてがう六角部52とを有している。なお、六角部52の先端面には、ガスケット7が設けられている。そして、主体金具5の内周面には、先端部に向かって縮径する金具側段部54が設けられており、この金具側段部54にパッキン55を介して後述するインシュレータ9を支持している。
主体金具5と酸素検出素子2との間には、絶縁性セラミックから形成されたインシュレータ8、9が設けられており、これらのインシュレータ8、9の間に、圧縮された状態で滑石(タルク)等の粉末層10が配置されている。この粉末層10によって、酸素検出素子2と主体金具5との間が封止され、気密性が確保されるようになっている。また、インシュレータ8の後端側には、環状リング57が設けられている。
また、主体金具5の先端側には、酸素検出素子2の先端側(検知部21)を覆うように、プロテクタ11が取付けられている。このプロテクタ11には、被測定ガスを導入して酸素検出素子2の先端側(検知部21)と接触させるための複数のガス透過口12が設けられている。
そして、主体金具5の後端側には、主体金具5の後端部に設けられた加締め部56によって固定されるSUS304L製の内筒部材23が取付けられている。内筒部材23は略中間位置にて後端側に向かって径小となる段部24を有し、段部24よりも後端側に基準ガスをガス検出素子内部に取り込むガス導入孔25が周方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、内筒部材23の段部24よりも先端側にてSUS304L製の外筒部材26と加締められ、固定されている。この外筒部材26にもガス導入孔25に対応する位置に複数の補助ガス導入孔27が設けられている。そしてこのガス導入孔25と補助ガス導入孔27との間には、ガス導入孔25を覆うフィルタ13が形成されている。このフィルタ13は、外筒部材26の補助ガス導入孔27の先端側及び後端側を加締めることで固定されている。
また、内筒部材23の内側には、セラミックセパレータ15が形成されている。このセラミックセパレータ15は、外側電極30と接続する外側電極接続金具19、内側電極60と接続する内側電極接続金具18及びヒータ3と接続するヒータ接続端子28を、それぞれに対応するリード線16,17,29と接続するようにして内装する。また、リード線16,17,29は、外筒部材26の後端側に固定されたゴム製のグロメット14を貫通して外部と接続する。
上記酸素センサ1は、ねじ部51より先端側(図1において下側)が排気管内等に位置し、それより後端側(図1において上側)が外部の大気中に位置した状態で使用される。酸素検出素子2は、その内側に配置されたヒータ3で加熱され活性化される。そして、基準ガスとしての大気は、補助ガス導入孔27、フィルタ13、ガス導入孔25の順に通過して、酸素検出素子2の内側に導入される。一方、酸素検出素子2の外側にはプロテクタ11のガス透過口12を介して排気ガスが導入される。
これによって、酸素検出素子2には、その内外面の酸素濃度差に応じて酸素濃淡電池起電力が生じる。そして、この酸素濃淡電池起電力を、排気ガス中の酸素濃度の検出信号として、内側電極60と内側電極接続金具18とリード線17、及び外側電極30と外側電極接続金具19とリード線16を介して取り出すことにより、排気ガス中の酸素濃度を検出する。
酸素センサ1によって上記のような排気ガス中の酸素濃度等を検出する場合、酸素センサ1が水分を含む環境に晒され、粉末層10が吸湿する場合がある。このように粉末層10が吸湿した場合でも、本実施形態によれば、この粉末層10と接触する酸素検出素子2の外側部分が、絶縁層40で覆われ、外側電極30(主に縦リード部電極32)と粉末層10とが直接接触することのない構造とされているので、外側電極30と主体金具5との間の必要な絶縁性を確保することができる。
なお、このように、絶縁層40は、外側電極30と主体金具5との間の絶縁性を確保するためのものである。したがって、少なくとも外側電極30と粉末層10とが接触する可能性のある部位にのみ設けられていれば良く、必ずしも、図4に図示したように、酸素検出素子2の全周に渡って設ける必要はない。例えば、外側電極30の縦リード部電極32に沿ってその外側を覆うように設けても良い。この場合、中間層41も、絶縁層40の下側部分にのみ設けるようにしても良い。
また、図4に示した例では、鍔部22から検知部21の後端部に至る領域に渡って絶縁層40を設けてある。すなわち、粉末層10が接触する可能性のない部分にまで絶縁層40を設けてある。これは、排気ガス中に含まれるカーボンが主体金具5と酸素検出素子2との隙間65(図1参照)に付着して絶縁不良を起こす可能性があり、これを防止するためである。
次に、酸素検出素子2の製造方法について、図5を参照して説明する。同図に示すように、まずジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質部材等からなる基体(素子本体20)を焼成する(101)。
次に、基体の外側部分に、無電解メッキにより白金電極(外側電極30)を形成し(102)、加熱して白金電極を緻密化処理する(103)。加熱は、例えば大気中雰囲気で温度1230℃で行う。
次に、検知部21の外側に、プラズマ溶射等により保護層50を形成するとともに、保護層50の後端側に保護層50と連続して中間層41を形成する(104)。これらの保護層50及び中間層41は、例えば、スピネル、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスから形成し、多孔質層とすることが好ましい。また、絶縁層40の接着性を高めるために、中間層41の表面を粗くする各種の処理を行っても良い。厚さは、例えば100〜180μm程度である。
次に、基体外側の絶縁層40を形成する部分に、1度目のガラスペースト塗布を行う(105)。ガラスペースト塗布には、例えば、素子本体20のガラスペースト塗布部以外をテフロン(登録商標)テープ等でマスキングし、ガラスペースト中に浸漬するディップ法を使用することができる。この場合、ガラスペーストは、例えば、粉末ガラスが10〜15g、純水が10ml、バインダが0.1〜1.0gの割合とする。また、ガラスペーストを回転するローラー上に流し込みながら、素子本体20をローラーと反対方向に回転させながらローラーに当接させてガラスペーストを塗布するローラー法や、素子本体20をマスク治具に装着し、素子本体を回転させながらガラスペーストをスプレー塗布するスプレー法等も使用することができる。
次に、ヒートガン等を用いてガラスペーストを乾燥した後(106)、マッフル炉等を用いて熱処理を行う(107)。熱処理の条件は、例えば、大気中雰囲気で温度1170℃、時間20分である。
次に、上記したガラス層の上に、1度目と同様にして、2度目のガラスペースト塗布を行い(108)、ガラスペーストを乾燥した後(109)、熱処理(例えば、大気中雰囲気下で、温度1170℃)を行う(110)。このように、ガラスペーストを2度塗りして絶縁層40を形成することにより、孔のないガラス層を形成することができ、孔によって絶縁耐性が低下することを防止することができる。このような工程によって形成されるガラス層の厚さは、40〜300μm程度である。厚さが40μm未満になると、センサ使用時に充分な絶縁性を得られなくなる可能性が高まる。
次に、無電解メッキにより白金電極(内側電極60)を形成し(111)、加熱して白金電極を緻密化処理する(112)。緻密化処理の条件は、例えば、水素等の還元雰囲気で温度700℃である。
そして、内部電極60を形成した酸素検出素子2は公知の方法で主体金具5にパッキン55及びインシュレータ9を介して保持され、粉末層10、インシュレータ8、環状リング57の順で内装し、内筒部材23の先端部を主体金具5の後端部に内装しながら加締め部56を形成する。その後、外筒部材26、フィルタ13、グロメット14等を装着し、酸素センサ1が完成する。
実際に、実施例として、中間層41を厚さが略120μmのスピネル溶射膜によって形成し、その上に、SiO2 を45質量%、Al2 3 を16質量%、BaOを15質量%、ZnOを10質量%、CaOを9質量%、Na2 Oを0.5質量%含む結晶化ガラスによって、厚さ40μmの絶縁層40を形成した酸素センサ素子2を10本作成した。この実施例の外観を観察したところ、10本とも絶縁層40に剥離がなく、良好な状態の酸素センサ素子2を得ることができた。
一方、比較例として、上記の中間層41がない点のみが相違し、その他は上記実施例と同じ条件で酸素センサ素子2を10本作成した。この比較例の外観を観察したところ、10本のうち、3本に絶縁層40の剥離が生じていた。
以上の結果から、中間層41を設け、その上に絶縁層40を形成することにより、絶縁層40に剥離が生じることを、確実に防止できることが分かった。
次に、上記の製造工程によって形成した絶縁層40について水中絶縁試験を行った。すなわち、素子本体20に、外側電極30、保護層50及び中間層41、絶縁層40を形成した状態の素子本体20を、図6に示すように、市水70中に浸漬し、絶縁抵抗計71で絶縁抵抗を測定して水中絶縁試験を行った。なお、素子本体20の後端側(図中下側)の絶縁層40のない部分については、シリコン製絶縁テープ72を巻いて絶縁した。水中絶縁試験は、直流500Vを印加し、10秒間充電後の絶縁抵抗を測定することによって行った。この結果、上記の製造工程によって形成した絶縁層40については、絶縁抵抗が5000MΩ程度あった。
一方、絶縁層40を、ガラスペーストを1度塗りして形成した場合、ガラス層に孔が形成される可能性が高くなり、外側電極層30の上にこの孔が形成されると、充分な絶縁抵抗を得ることができなかった。
実際の使用に際しては、絶縁層40の絶縁抵抗は、15MΩ程度あれば充分であり、最低5MΩ程度あれば、流れる電流を1μA以下に抑制できるので、ノイズの発生を抑制することができる。したがって、上記の測定方法で形成された絶縁層40の絶縁抵抗は、5MΩ以上とすることが好ましく、15MΩ以上とすることが更に好ましい。
実際に、前記した実施例の酸素センサを、温度60℃、湿度95%の環境下で60時間加湿し、この後、絶縁抵抗を測定したところ、加湿直後においても、約100MΩ以上の絶縁抵抗を得ることができた。一方、比較例として、絶縁層40を具備しない酸素センサによって同様な測定を行ったところ、絶縁抵抗は0.01MΩ以下であった。
以上のとおり、上記の実施例では、粉末層が吸湿した場合でも、従来の酸素センサに較べて1000倍以上の絶縁抵抗を確保することができ、ノイズの発生を抑制するのに充分な絶縁性を確保することができた。
なお、絶縁層40は、上述した材質のものに限らず、絶縁抵抗が好ましくは5MΩ以上、更に好ましくは15MΩ以上とすることができるものであれば、どのような材質のものから形成しても良い。また、上記した酸素センサに限らず、他の種類のガスを検知するガスセンサにも同様にして適用することができる。
本発明の実施形態に係る酸素センサの構成を示す図。 図1の酸素センサの酸素検出素子の断面構成を示す図。 図1の酸素センサの酸素検出素子の構成を説明するための図。 図1の酸素センサの酸素検出素子の構成を説明するための図。 酸素検出素子の製造工程を示すフローチャート。 絶縁層の水中絶縁試験の実施方法を説明するための図。
符号の説明
1…酸素センサ、2…酸素検出素子、3…ヒータ、5…主体金具、7…ガスケット、8,9…インシュレータ、10…粉末層、11…プロテクタ、12…ガス透過口、13…フィルタ、14…グロメット、15…セラミックセパレータ、16,17,29…リード線、18…内側電極接続金具、19…外側電極接続金具、20…素子本体、21…検知部、22…鍔部、23…内筒部材、24…段部、25…ガス導入孔、26…外筒部材、27…補助ガス導入孔、28…ヒータ接続端子、30…外側電極、31…検知部電極、32…縦リード部電極、33…リングリード部電極、40…絶縁層、41…中間層、50…保護層、51…ねじ部、52…六角部、54…金具側段部、55…パッキン、56…加締め部、57…環状リング、60…内側電極。

Claims (5)

  1. 軸線方向に延び、検出部が被測定ガスに晒されるガス検出素子と、
    前記ガス検出素子の径方向外側を取り囲み、該ガス検出素子の前記検出部を自身の先端から突出する筒状の主体金具と、
    前記ガス検出素子と前記主体金具との隙間に充填され、これらの間を封止する粉末層と、を備えるガスセンサにおいて、
    前記ガス検出素子は、前記検出部から少くとも前記粉末層に対応する該ガス検出素子の外周面まで延びる電極を有しており、
    前記粉末層と前記粉末層に対応する該ガス検出素子の外周面に形成された前記電極との間にガラスを主成分とする絶縁層が設けられ、
    前記絶縁層と前記電極との間にセラミックからなる中間層が設けられており、
    前記ガス検出素子は、少なくとも前記検出部を覆う保護層を有し、当該保護層と前記中間層が一体に構成されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記中間層が、多孔質層であることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記中間層が、セラミックを溶射したセラミック溶射層であることを特徴とする請求項1又は2記載のガスセンサ。
  4. 請求項1記載のガスセンサを製造するガスセンサの製造方法であって、
    セラミックを溶射する溶射工程によって前記中間層及び前記保護層を形成し、
    この後、
    ガラスペーストを塗布する塗布工程と、
    前記ガラスペーストを乾燥する乾燥工程と、
    前記ガラスペーストを熱処理する熱処理工程と、
    によって、前記絶縁層を形成することを特徴とするガスセンサの製造方法。
  5. 前記塗布工程と前記乾燥工程と前記熱処理工程とからなる一連の工程を、少なくとも2回繰り返して行い、前記絶縁層を形成することを特徴とする請求項記載のガスセンサの製造方法。
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