以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るドレイン処理装置を備えた給湯装置の一実施形態を示している。本実施形態の給湯装置A1は、燃焼器1、熱交換器HT、底部ケーシング3、消音器19、ドレイン処理装置B1、およびこれら全体を覆う外装ケース90を具備している。
燃焼器1は、灯油などのオイルを燃料とし、かつこの燃料を噴霧ノズル10から下向きに噴射させて、点火プラグ12によって着火させて燃焼させる逆燃方式のものであり、熱交換器HTの缶体20上に載設された缶体11内の上部に噴霧ノズル10が設けられた構成を有している。この噴霧ノズル10には、オイルタンク(図示略)から燃料供給部15を介して燃料オイルが供給される。燃料供給部15は、電磁ポンプ、電磁弁15a、およびオイル供給用配管15bなどを有している。缶体11上には、缶体11内に燃焼用空気を下向きに送り込む送風ファン13が設けられており、前記燃焼用空気は、噴霧ノズル10の周囲およびその下方領域にわたって設けられた燃焼筒14内に進入するようになっている。燃焼筒14は、その周壁に複数の通気孔を有しており、この燃焼筒14内において前記燃焼用空気を旋回流として、噴霧されたオイルと燃焼用空気との混合を促進する役割を果たす。
底部ケーシング3は、缶体20および消音器19のそれぞれを支持するようにそれらの下方に配され、かつそれらに接続されている。缶体20内、底部ケーシング3内、および消音器19内は、一連に繋がった燃焼ガス流路であり、燃焼器1で発生された燃焼ガスは、缶体20内を下向きに進行して底部ケーシング3内に流入した後に、上向きに方向転換して消音器19に流入し、この消音器19の上部に設けられた排気口19aから排ガスとして外部に排出される。このように底部ケーシング3を用いることによって燃焼ガス流路を略U字状に屈曲または湾曲させた構成においては、燃焼器1や缶体20の一側方に消音器19を起立させた姿勢でスペース効率良く設けることができ、全体の小型化を図るのに好適となる。
熱交換器HTは、通水用の管体22a,22bおよびU字管23内に供給される水と燃焼ガスとの熱交換を行なうためのものであり、燃焼ガスの顕熱を回収するための1次熱交換部2Aと、潜熱を回収するための2次熱交換部2Bとを有している。1次熱交換部2Aは、管体22aが缶体20の周囲に巻回されている部分と、複数のフィン24を備えた管体22bが缶体20を略水平方向に貫通するように設けられた部分とを有している。
2次熱交換部2Bは、底部ケーシング3内に複数のU字管23が設けられ、かつ底部ケーシング3の外部にはそれらU字管23に通水を行なわせるためのヘッダ部25が設けられた構成を有している。各U字管23の一対の開口部23a,23bを有する基端部は、底部ケーシング3の一側壁30aを貫通し、かつヘッダ部25に接続されて支持されている。これに対し、各U字管23の先端部23cは不支持状態の自由端とされており、各U字管23は、いわゆる片もち支持となっている。この支持構造は、温度変化に起因する膨張および収縮時の応力を減少させるのに好適である。
複数のU字管23は、一対の開口部23a,23bが上下方向に並ぶ姿勢とされ、かつ図3に示すように、これら複数のU字管23の長手方向と交差する方向に適当な間隔で並べられている。それら複数のU字管23は、互いに隣り合うものどうしの高さが相違するように段違い状に並べられている。このような配列にすると、燃焼ガスが複数のU字管23に触れる度合いが大きくなり、熱交換の効率が高められる効果が期待できる。ただし、これに限定されず、複数のU字管23の高さを同一に揃えた配列としてもかまわない。また、複数のU字管23には、熱交換の効率を高めるための手段として、複数枚のプレート状のフィン26が設けられている。
図1によく表われているように、各U字管23は、底部ケーシング3の一側壁30aから缶体20の底部開口部の直下領域を越えて消音器19の直下領域まで延びた長寸法とされている。各U字管23の長手方向中間部のフィン26aの上部と底部ケーシング3の上壁部30cとの隙間部分には、この隙間部分を閉塞して、燃焼ガスが通過することを阻止する遮断板31が設けられている。また、底部ケーシング3内のうち、他側壁30b寄りの部分には、この他側壁30bと各U字管23の先端部23cとの隙間33に対してその下方から燃焼ガスが進行することを阻止する遮断板32が設けられている。これら2つの遮断板31,32は、底部ケーシング3内において燃焼ガスを複数のU字管23やフィン26に作用させて熱交換の効率を高めるのに役立つ。
ヘッダ部25は、複数のU字管23の開口部23a,23bのそれぞれに連通した一対のチャンバ25a,25bを有している。チャンバ25aには、入水口21aを有する管体が連結され、チャンバ25bには、管体22aの上流端22a'が連結されている。本実施形態の熱交換器HTにおいては、入水口21aに入水された水は、ヘッダ部25のチャンバ25aに流入した後に、複数のU字管23を通過しながら加熱されてチャンバ25bに流出する。次いで、この水は、管体22a,22bを順次流れながら加熱され、その後出湯口21bから流出して所定の給湯先に供給される。各U字管23に対して未加熱状態の低温の水を供給すれば、燃焼ガス中の水蒸気の潜熱回収の効率が高められる。ただし、本発明は、1次熱交換部2Aおよび2次熱交換部2Bに対する通水の仕方はこれに限定されるものではない。
2次熱交換部2Bを構成する複数のU字管23およびフィン26には、潜熱回収に起因するドレインが付着する。したがって、好ましくは、これらの部分は耐食性に優れたステンレスなどの材質とされている。また、底部ケーシング3の底板部34など、前記ドレインと接触する虞れのある金属部分も、好ましくは前記と同様な材質とされている。ただし、底部ケーシング3の全体あるいは底板部34などの一部分については、たとえば合成樹脂製とし、その製造コストを廉価にすることが可能である。熱交換器HTは、潜熱回収機能を備えており、燃焼ガスが底部ケーシング3の底部に進行するまでの間に燃焼ガスの温度を十分に低下させることができるからである。1次熱交換部2Aについては、ドレインに関する問題が少なく、管体22bやフィン24は熱伝導や加工性などに優れたたとえば銅または銅合金製である。各U字管23は、先端部23cよりも基端部の方が低い高さとなるように傾斜している。このような構成によれば、給湯装置A1を長期間不使用にするなどの理由から各U字管23内の水抜きを行なう場合に、前記傾斜を利用して、各U字管23内の水を前記基端部側に流れさせ、前記作業をスムーズに行なうことができる。
ドレイン処理装置B1は、分離処理槽4A、中和処理槽4B、およびオイルセンサ5が装着されたドレイン流通管50を備えている。分離処理槽4Aおよび中和処理槽4Bは、たとえばブロー成形された合成樹脂製の容器40を利用して一体的に形成されたカートリッジタイプに形成されている。容器40の一端寄り領域(同図の左端寄り領域)が中和処理槽4Bであり、炭酸カルシウムなどの粒状の中和剤48を収容している。容器40の他端寄り領域は、分離処理槽4Aである。容器40の少なくとも一部分は、底部ケーシング3の下方に形成された空間スペース91に配されていることにより、ドレイン処理装置B1の全体は、外装ケース90内の底部にスペース効率良く収容されている。
底部ケーシング3の底板部34には、2次熱交換部2Bから滴下してきたドレインを排出するための排出口34aが設けられており、この排出口34aから分離処理槽4Aに適当なパイプ部34bを介してドレインが流入するように構成されている。底板部34は、2次熱交換部2Bから滴下してきたドレインを排出口34aに集めることができるように、排出口34aに接近するほど高さが低くなる傾斜面とされている。図面には表われていないが、底板部34は、図1の紙面と直交する方向においてもドレインを排出口34aに集めるように傾斜している。
分離処理槽4Aは、次に述べるように、ドレインに混入されているオイルを2段階で捕捉する機能を有している。また、オイルとは別の夾雑物を捕捉する機能をも有している。1段階目のオイル捕捉は、分離処理槽4Aの後述する第1のチャンバ43a内で行なわれる一方、2段階目のオイル捕捉は、オイル吸着フィルタ42によって行なわれるようになっている。
図2によく表われているように、分離処理槽4Aは、底部、複数の側壁部、および上壁部を有する略ボックス状であり、前記上壁部には、下向きに延びた断面略V字状の仕切壁41Aが形成されている。この仕切壁41Aによって、分離処理槽4A内は、底部どうしが連通部46Aを介して互いに連通した第1および第2のチャンバ43a,43bに仕切られている。第1のチャンバ43aの上部には、ドレインの流入口45aが設けられている。第2のチャンバ43bのうち、中和処理槽4Bと連接する側壁には、第2のチャンバ43bから中和処理槽4Bにドレインを流出させるための流通口45bが設けられている。この流通口45bは、分離処理槽4Aの底部から適当な高さHaに設けられており、このことにより分離処理槽4A内においては、流入口45aから流入したドレインがHa以下の液面高さで貯留され、それを超えるとドレインは流通口45bから中和処理槽4Bに流入する。
第1のチャンバ43a内に、燃料オイルやその他の夾雑物が混入したドレインが流入すると、比重の軽いオイルや夾雑物がドレイン上に浮き、図2に示すようにそれらの層Flが形成される。また、比重の重い夾雑物は、沈殿物mとなる。一方、第1および第2のチャンバ43a,43bどうしの上部寄り領域は、仕切壁41Aによって仕切られている。したがって、ドレイン上に浮いているオイルや夾雑物は、そのまま第1のチャンバ43aから第2のチャンバ43bに向けて流入することはなく、第1のチャンバ43a内に捕捉されたままとなる。第1のチャンバ43aの底部の沈殿物mは、連通部46Aを通過して第2のチャンバ43bに流入する虞れがあるものの、流通口45bは底部から一定の高さHaを隔てて設けられているために、この沈殿物mが中和処理槽4Bに流入することもない。このような原理により、燃料オイルや夾雑物はこの分離処理槽4A内において捕捉される。
オイル吸着フィルタ42は、第2のチャンバ43b内に設けられている。既述したとおり、ドレインに混入したオイルは、第1のチャンバ43a内に捕捉されるものの、第1のチャンバ43a内へのドレインの流入の仕方によっては、オイルが第2のチャンバ43bに流れ込む場合があり、このオイル吸着フィルタ42はそのようなオイルを捕捉するのに役立つ。また、分離処理槽4A内にある程度の量のドレインが貯留されている定常状態では、既述したようにオイルをドレイン上に浮かせて分離させることが可能であるものの、この分離処理槽4A内が空とされている使用初期時において、ドレインが第1のチャンバ43aに流入した場合には、オイルもドレインと一緒に第2のチャンバ43bに流入する虞れがある。オイル吸着フィルタ42は、そのような使用初期時において第2のチャンバ43bに流入してきたオイルを捕捉する役割をも発揮する。
オイル吸着フィルタ42の具体例を挙げると、繊維状活性炭や、やしがら活性炭などの各種の活性炭、カポック繊維などの植物性繊維、ポリプロピレンなどの高分子ポリマの化学繊維、あるいは炭化水素の粒状体など、基本的には、オイルの吸着性に優れ、かつ水の吸着性が劣るものであれば、種々の材質のものを用いることができる。オイル吸収時に膨潤するタイプのものを用いることもできる。オイル吸着フィルタ42は、繊維状、シート状、綿状、あるいは粒状であるなど、その具体的な形態を問うものではない。前記素材が繊維状や粒状などである場合には、好ましくは、これらの素材を通水性を有する容器(袋も含む)に収容させておき、この容器を第2のチャンバ43b内に装着した構成とされている。第2のチャンバ43bの上壁部には、蓋付きの開口部43b'が設けられており、この開口部43b'がオイル吸着フィルタ42の出し入れ口となっている。
分離処理槽4Aの第1のチャンバ43aには、ドレインの液面レベルセンサ97や排出口47aも設けられている。液面レベルセンサ97は、第1のチャンバ43aよりも下流側に詰まりなどを生じることに起因して分離処理槽4A内のドレインの液面レベルが前記の高さHaを一定以上超えた異常高さとなったときにこれを検出するものであり、その検出信号は、この給湯装置A1の運転を制御する制御部(図示略)に送信されるようになっている。この液面レベルセンサ97は、たとえば第1のチャンバ43a内において高さHaよりも上方に配された一対の電極97aを有しており、ドレインの液面が上昇してドレイン中に一対の電極97aが浸漬すると、それら電極97a間が通電し、所定の信号が出力される構造を有している。排出口47aは、分離処理槽4Aの底部に設けられており、ネジ部材などの栓体47bによって常時は閉塞されている。栓体47bを外してこの排出口47aを開くと、分離処理槽4A内のドレインを外部に抜き取ることが可能である。これは、たとえばこの給湯装置A1を長期間不使用とする場合に好適であり、とくに冬季において分離処理槽4A内に貯留されているドレインが凍結するといったことを防止するのに好適となる。また、後述するように、第1のチャンバ43aは、燃料オイルや夾雑物を捕捉する役割を果たすが、排出口47aは、それらを外部に排出させて第1のチャンバ43a内を清浄にするのにも好適となる。
中和処理槽4Bは、中和剤48を内部に収容した略ボックス状であるが、この中和処理槽4Bもオイル捕捉機能を有するように構成されている。より具体的には、この中和処理槽4Bは、底部、複数の側壁部、および上壁部を有しており、上壁部には、中和剤48を内部に投入するための蓋付きの開口部43c',43d'が設けられている。また、前記上壁部には、下向きに延びた仕切壁41Bが形成されており、この仕切壁41Bによって、中和処理槽4Bの内部は、底部どうしが連通部46Bを介して互いに連通した第1および第2のチャンバ43c,43dに仕切られている。第1のチャンバ43c内には、分離処理槽4Aを通過してきたドレインが流通口45bから流入する。これに対し、第2のチャンバ43dは、ドレイン流れ方向の下流寄りの側壁に流出口45cを備えているが、この流出口45cは、前記した高さHaよりもやや低い高さとされ、この中和処理槽4Bにおいてはドレインをそれ以下の液面高さで収容可能である。前記ドレインは、その液面レベルがそれ以上になると、流出口45cからドレイン流通管50に流入する。
第1のチャンバ43cは、分離処理槽4Aにおける第1のチャンバ43aと同様な原理によりオイル捕捉を行なうようになっている。すなわち、第1のチャンバ43cにドレインが流入すると、このドレインに混入しているオイルはドレイン上に浮き、第2のチャンバ43dに流入することが仕切壁41Bによって抑制される。その結果、第1のチャンバ43c内には、前記オイルが捕捉されたままとなる。オイル以外の夾雑物についても、第1のチャンバ43aについて述べたのと同様な原理で分離し、かつこの中和処理槽4B内に捕捉させておくことが可能である。
オイルセンサ5は、中和処理槽4Bの流出口45cからドレイン流通管50に流入したドレイン内にオイルが残存しているか否かを判断するためのものである。また、このオイルセンサ5は、後述するように、燃焼器1の燃料供給部15から燃料オイルが漏出した場合にこれを検出する機能をも有している。このオイルセンサ5は、図4に示すように、ケーシング51内にオイル膨潤物質52が収容された構成を有している。ケーシング51は、疎水性、親油性および透油性を有するたとえば多孔質の焼結樹脂製である。オイル膨潤物質52は、たとえばシリコン樹脂パウダからなる。このオイルセンサ5においては、ドレイン流通管50内を流れるドレインにオイルが混入していると、このオイルがケーシング51を透過してオイル膨潤物質52がこれを吸収する結果、このオイル膨潤物質52の体積が増加し、ケーシング51内に別途設けられている可動部材53を上昇させる。すると、その上方に設けられていた検出スイッチ54が可動部材53との接触によってオンとなり、オイル検出の旨の信号が前記制御部に入力されるようになっている。
また、オイルセンサ5は、ケーシング51の上部のフランジ部51aがベース部材55に接合され、かつこのベース部材55がボルト92によってドレイン流通管50の上壁部50aに固定されているが、この上壁部50aとベース部材55との間には、オイルの通過を可能とする隙間56が形成されている。この構造により、このオイルセンサ5は、燃焼器1の燃料供給部15において燃料オイル漏れが万一発生し、この燃料オイルが上壁部50a上に落下してきた場合には、この燃料オイルが隙間56を通過してケーシング51の内部に進入することにより、この燃料オイルをも検出できるようになっている。図1によく表われているように、ドレイン流通管50は、底部ケーシング3の下方からその一側方にはみ出しており、その上方の燃料供給部15において燃料オイル漏れが発生した場合には、この燃料オイルを適切に受けることができるように設けられている。好ましくは、このドレイン流通管50は、平面視において広い面積をもつように、図1の紙面と直交する方向に比較的大きな幅を有しており、また上壁部50aに燃料オイルが落下してきた場合には、この燃料オイルを隙間56に適切に導くことができるように、上壁部50aの全体または一部分は凹状とされている。さらに好ましくは、前記凹状部分は、オイルセンサ5寄りになるほどその高さが低くなるように、その上向き面が傾斜した構成とされている。
次に、上記したドレイン処理装置B1および給湯装置A1の作用について説明する。
まず、燃焼器1を駆動させて燃料オイルを燃焼させると、この燃焼ガスは送風ファン13からの送風作用により下方に向けて進行し、1次熱交換部2Aによりその顕熱が回収され、また底部ケーシング3内に進行した際には、2次熱交換部2Bにより潜熱が回収される。2次熱交換部2Bを底部ケーシング3内に設けた構成によれば、底部ケーシング3の外部に2次熱交換部2Bを積層して設ける構成と比較すると、給湯装置A1全体の小型化および部品点数の減少を図ることができる。また、2次熱交換部2Bにおいては、多くのドレインが発生するが、このドレインは底部ケーシング3の底板部34上に滴下し、排出口34aからドレイン処理装置B1に対して迅速に、かつ円滑に送り込まれる。このため、燃焼ガス流路の内壁の広い領域にわたってドレインが付着し、残留したままになるといったことが適切に回避される。燃焼器1の運転やその停止に伴い、燃料への着火不良などを生じると、未燃焼の燃料オイルがドレインに混入することとなる。噴霧ノズル10は、下向きに燃料オイルを噴射しており、未燃焼の燃料オイルは底部ケーシング3に溜まり易い構造とされているために、この給湯装置A1では、未燃焼の燃料オイルをドレインを利用して底部ケーシング3の下方に円滑に排出させるようになっており、燃焼ガス流路内に未燃焼の燃料オイルが多く溜まらないようにするのにも好適となる。
次いで、ドレイン処理装置B1に送り込まれたドレインは、分離処理槽4A、中和処理槽4Bおよびドレイン流通管50を経由して外部に排出される。この場合、既述したとおり、まず分離処理槽4Aによれば、第1のチャンバ43a内において比重の軽い燃料オイルやその他の夾雑物がドレイン上に浮き、これらが第2のチャンバ43b内に流れ込むことが仕切壁41Aの存在により抑制され、第1のチャンバ43a内に捕捉される。比重の重い夾雑物については、第1および第2のチャンバ43a,43bの底部に沈殿させておくことにより、やはりこれらが中和処理槽4Bに流れ込まないようにすることができる。また、仮に第2のチャンバ43b内に燃料オイルが流れ込んだ場合であっても、この燃料オイルはオイル吸着フィルタ42に吸着され、適切に捕捉される。オイル吸着フィルタ42は、固形の夾雑物が通過することを阻害し、捕捉する機能をも発揮する。したがって、中和処理槽4B内に燃料オイルやその他の夾雑物が流入することがより確実に防止される。
さらに、中和処理槽4Bにおいても、既に述べたとおり、第1のチャンバ43cにおいて燃料オイルをドレイン上に浮かし、この燃料オイルが下流側に流れることを仕切壁41Bによって抑制することができる。したがって、燃料オイルが中和処理槽4Bよりも下流側に流れることが徹底して防止される。その結果、中和剤48によって中和され、かつオイルや夾雑物を含まないドレインを外部に排出して廃棄することが可能となり、環境保護の観点から好ましいものとなる。また、中和処理槽4Bにおいて、ドレインが第1のチャンバ43cから連通部46Bを通過して第2のチャンバ43dに流れる場合、前記ドレインは仕切壁41Bの下方を潜るような経路を辿る。したがって、中和処理槽4B内におけるドレインの流路長を長くとってドレインを多くの中和剤48に触れさせ、その中和処理を効率良く行なわせる効果も得られることとなる。
給湯装置A1の通常の稼働状態では、たとえば燃料オイルへの着火不良などに起因して未燃焼の燃料オイルが発生しても、その量は僅かである。したがって、たとえば10年あるいはそれ以上の長期間にわたって給湯装置A1を使用する場合であっても、たとえばオイル吸着フィルタ42を一度も交換する必要のないいわゆるメンテナンスフリーとし、その下流には燃料オイルが流れないようにすることが可能である。ところが、実際の使用に際しては、予測困難な要因により燃焼器1が故障するなどして、多くの燃料オイルが底部ケーシング3内に流出する事態の発生を想定し得る。このような事態が生じた場合には、もはやオイル吸着フィルタ42やその他の上記したオイル捕捉手段によっては燃料オイルの全量を捕捉することが困難となる場合がある。これに対し、この給湯装置A1においては、そのような異常事態が生じると、オイルセンサ5によってドレイン流通管50内を流れる燃料オイルが検出され、その旨の報知がなされるために、ユーザはこのことによって直ちに前記の異常を察知し、適切な処置を採ることができることとなる。前記燃料オイルの検出に基づき、燃焼器1を緊急停止させるといった制御を行なわせることもできる。なお、前記とは異なり、たとえばオイル吸着フィルタ42や分離処理槽4Aを比較的小サイズに形成し、適当な期間ごとにオイル吸着フィルタ42を交換する仕様とした場合には、前記したオイルセンサ5によるオイル検出によって、オイル吸着フィルタ42の交換時期を察知させるといった使い方も可能となる。オイルセンサ5は、既述したとおり、燃焼器1の燃料供給経路において燃料オイル漏れなどが生じた場合には、この燃料オイルをドレイン流通管50の上壁部50aによって受け、かつこれを検出できるように設けられている。したがって、この給湯装置A1においては、前記したような燃料オイルの漏れを検出する専用のセンサを別途設ける必要がなく、製造コストを低減するのにより好適である。
図5〜図12は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
図5(a)に示すドレイン処理装置においては、分離処理槽4Aの仕切壁41Aの直下の底部に、上向きの仕切壁41aが設けられており、それら一対の仕切壁41A,41a間に形成された連通部46Aを介して第1および第2のチャンバ43a,43bが連通している。連通部46Aは、第1および第2のチャンバ43a,43bの底部よりもやや高い部分どうしを連通させており、仕切壁41aは、第1のチャンバ43aの底部の沈殿物mが第2のチャンバ43bに流入することを抑制する役割を果たす。本実施形態から理解されるように、連通部46Aは、第1および第2のチャンバ43a,43bの底部どうしを連通させる構成に代えて、または加えて、第1および第2のチャンバ43a,43bの高さ方向中間部どうしを連通させる構成とされていてもかまわない。もちろん、中和処理槽4Bに設けられる連通部46Bについても同様である。なお、仕切壁41aを設けた場合には、排出口47aを開いた場合にこの仕切壁41aが邪魔となって第2のチャンバ43b内のドレインの全量を排出口47aから抜くことができない。したがって、このような場合には、第2のチャンバ43bの底部にも、排出口47aと同様なドレイン抜き用の排出口を設けることが好ましい。
図5(b)に示すドレイン処理装置においては、分離処理槽4Aの仕切壁41Aが、底面部410と、この底面部410の両側端縁から立ち上がった一対の起立面部411とを有する断面略U字状または略コ字状とされている。このことにより、第1および第2のチャンバ43a,43bは底面部410の幅Lと同一の比較的大きな寸法で離間しており、連通部46Aは幅Lと同一長さのトンネル状となっている。このような構成であっても、先に述べた実施形態と同様な原理により、第1のチャンバ43a内においてドレインよりも比重の軽い燃料オイルや他の夾雑物を捕捉することが可能である。これまで述べた実施形態においては、たとえばブロー成形された容器40の一部分をそのまま仕切壁41Aとして突出させているために、仕切壁41Aが断面略V字状あるいは略U字状に折り返された形状となっているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、分離処理槽4Aを構成する容器とは別部材を利用して仕切壁41Aを形成してもかまわず、折り返しのない単なる平板状などに形成することもできることは勿論である。また、第1および第2のチャンバ43a,43bが別部材により形成され、かつこれらがたとえば筒状部材によって接続されていることにより、前記筒状部材の内部が連通部46Aとされた構成とすることもできる。中和処理槽4Bの仕切壁41Bや第1および第2のチャンバ43c,43dについても、前記と同様である。
図6(a)に示すドレイン処理装置においては、分離処理槽4Aが中和処理槽4Bの後段(ドレイン流れ方向の下流側)に配されている。ドレインは、流入口45dから中和処理槽4Bに流入して中和処理された後に、流通口45eを通過して分離処理槽4A内に流入し、その後排出口45fを通過してドレイン流通管50に流入するようになっている。液面レベルセンサ97は、ドレイン処理装置の最上流位置に設けることが好ましく、本実施形態においては中和処理槽4Bの第1のチャンバ43cに設けられている。中和処理槽4Bは、第1のチャンバ43cにおいてオイルを捕捉する機能を有しているものの、これだけでは捕捉されない燃料オイルはその後分離処理槽4Aにおいて適切に捕捉されることとなる。本実施形態においては、燃料オイルが中和剤48に付着する虞れがあるものの、中和剤48の中和処理機能は燃料オイルの付着によって大きく劣化することはなく、ドレインの中和処理を適切に行なうことが可能である。ただし、中和処理槽4B内に燃料オイルや夾雑物が累積して目詰まりが発生することを防止する観点からすれば、分離処理槽4Aを中和処理槽4Bの前段に設けることが好ましい。
図6(b)に示すドレイン処理装置においては、分離処理槽4Aにオイル吸着フィルタ42が設けられておらず、中和処理槽4Bの後段に連設されたチャンバ43eにオイル吸着フィルタ42が設けられている。このような構成によっても、先に述べた実施形態と同様にドレインの中和処理と燃料オイルやその他の夾雑物の排除とが適切に行なわれる。本実施形態に示す分離処理槽4Aから理解されるように、本発明でいう分離処理槽は、ドレインとの比重差を利用して燃料オイルを分離させて捕捉し得る機能を有していればよく、オイル吸着フィルタ42が設けられていない構成としてもかまわない。図6(b)に示すドレイン処理装置の構成のうち、分離処理槽4Aとオイル吸着フィルタ42とは、いずれも本発明でいうオイル捕捉手段の一例に相当している。したがって、本発明においては、同図に示す構成のうち、オイル吸着フィルタ42を具備することなく、分離処理槽4Aと中和処理槽4Bとを組み合わせただけの構成、または分離処理槽4Aを具備することなく、中和処理槽4Bとオイル吸着フィルタ42とを組み合わせただけの構成とすることもできる。
図7に示すドレイン処理装置においては、中和処理槽4B内のうち、仕切壁41Bよりも下流側に、この中和処理槽4Bの底部から上向きに起立した起立壁41bが設けられている。このような構成によれば、仕切壁41Bの下方の連通部46Bを通過して第2のチャンバ43dの上流側領域に流入したドレインは、起立壁41bを越えることによって第2のチャンバ43dの下流側領域に流入する。したがって、ドレインの実質的な流路長を長くとり、中和剤48による中和処理を効率良く行なわせることができる。起立壁41bを複数設ければ、ドレインの流路長をさらに長くすることができる。
図8に示すドレイン処理装置においては、略ボックス状に形成されたドレイン流通槽50Aが、容器40の一部分を利用して形成されている。より具体的には、ドレイン流通槽50Aは、中和処理槽4Bや分離処理槽4Aと一体的にブロー成形などの手法によって樹脂成形されている。このドレイン流通槽50A内には、オイルセンサ5が装着されている。本実施形態によれば、ドレイン流通管50を別途製作して容器40に接続させていた先の実施形態の構成と比較すると、ドレイン処理装置全体の製造作業が容易化される。先の実施形態においては、燃焼器1の燃料供給部15に燃料オイル漏れが生じた場合にオイルセンサ5がこれを検出するように構成されていたが、本実施形態においては、そのような機能を有しておらず、オイルセンサ5は中和処理槽4Bから流出してきたドレイン内に混入しているオイルを検出する機能を有するのみである。オイルセンサとしては、従来から種々の構造のものが開発され、また市販されている実情もあり、それらのいずれを採用してもよいことは勿論である。
図9(a)に示すドレイン処理装置は、カートリッジタイプの容器40Aを備えており、この容器40A内の一端寄りの領域にはオイル吸着フィルタ42が収容され、それ以外の残余の領域には中和剤48が充填されている。この容器40Aは、底部ケーシング3の下部または下方の空間スペース91内に取り外し可能に収容されている。容器40Aの先端部に設けられた接続口400は、底部ケーシング3の排出口34aを形成する管体部340に対して嵌脱自在であり、同図(b)に示すように、容器40Aを管体部340から離隔させた状態において容器40Aを管体部340に向けて前進させることによって接続口400を管体部340に対して容易に嵌合接続できるようになっている。容器40Aの基端部には、底部ケーシング3に設けられたフランジ部30dに連結させるためのフランジ部401が連設されており、これらをボルト止めすることによって、容器40Aの固定が図られている。
本実施形態においては、ドレイン処理装置全体の構造を簡素とし、廉価にすることができる。したがって、たとえばオイル吸着フィルタ42や中和処理槽4Bの中和剤48を交換する必要が生じて、それらを容器40Aごと新しいものと交換する場合のユーザの費用負担を少なくすることができる。容器40Aを底部ケーシング3の排出口34aに接続する作業およびその解除作業が容易であるため、前記交換作業も簡単である。本実施形態から理解されるように、本発明に係るドレイン処理装置は、1つの容器に中和剤とオイル吸着フィルタとを収容させただけの非常に簡素な構成とすることもできる。
図10に示す給湯装置A2においては、底部ケーシング3内に2次熱交換部2Bが設けられておらず、2次熱交換部2Bは、1次熱交換部2Aの缶体20と底部ケーシング3との間に挟まれた缶体20Bと、この缶体20B内を横切るように設けられた管体22cとを備えた構成とされている。管体22cは、複数のフィン24bを備えており、これらは耐食性に優れたたとえばステンレス製である。この熱交換器HTにおける通水の仕方は、先の実施形態のものと同様であり、入水口21aに入水された水は、2次熱交換部2Bの管体22cを通過した後に、1次熱交換部2Aの管体22a,22bを通過して出湯口21bから排出されるようになっている。本実施形態で示すような構成の2次熱交換部2Bによっても燃焼ガスの潜熱回収が可能であり、本発明においてはこのような構成を採用することもできる。
また、図10に示す構成においては、ドレイン処理装置B2のオイル吸着フィルタ42や中和剤48を収容する収容部49が、底部ケーシング3と一体に形成されている。より具体的には、底部ケーシング3は、排出口34aを有する底板部34よりも下方に延設された複数の側壁部39と、これら側壁部39の底部開口を塞ぐ追加の底板部38とを備えており、これらによって底板部34の下方に収容部49が形成されている。この収容部49のうち、排出口34aの下方およびその周辺部分には、オイル吸着フィルタ42が配されており、またその隣の領域は中和剤48が収容された中和処理槽4Bとなっている。オイル吸着フィルタ42と中和処理槽4Bとの間は、仕切壁49aによって仕切られており、オイル吸着フィルタ42の配置領域に流入したドレインは、仕切壁49aを越えることによって中和処理槽4Bに流入し、その後流出口45gから外部に流出するようになっている。
本実施形態においては、底部ケーシング3を利用してドレイン処理装置B2を構成しているために、先に述べた実施形態とは異なり、ドレイン処理装置専用の容器を別途用いる必要が無くなる。本実施形態から理解されるように、本発明はドレイン処理装置を給湯装置内に一体的に造り込んだ構成としてもかまわない。
図11に示す構成においては、ドレイン処理装置B2の収容部49内に複数の仕切壁49b,49cが設けられている。仕切壁49bは、収容部49の幅方向(同図(a)の紙面と直交する方向)に延びているものの、この収容部49の全幅よりも短い寸法とされ、同図(b)に示すように、オイル吸着フィルタ42の配置領域と中和処理槽4Bとの間に連通路490aを形成している。複数の仕切壁49cも、それと同様であり、中和処理槽4B内に複数の連通路490bを形成している。ただし、これら複数の連通路490bは、ドレインが蛇行して流れるように、平面視において互い違い状の配置となっている。底部ケーシング3の排出口34aは、収容部49の幅方向において連通路490aの形成箇所とは反対側に設けられている。
本実施形態によれば、オイル吸着フィルタ42内および中和処理槽4B内におけるドレインの流路長を長くとることができる。したがって、収容部49の全体のサイズをさほど大きくすることなく、燃料オイルの捕捉やドレインの中和処理を十分に行なわせることが可能となる。
図12に示す構成においては、2つの中和処理槽4Bの間にオイル吸着フィルタ42が配されている。本実施形態によれば、排出口34aから一方の中和処理槽4B内に流入したドレインは、オイル吸着フィルタ42を通過した後に他方の中和処理槽4B内に流入する。本発明においては、本実施形態のように中和処理槽4Bを複数に分断させたかたちで設けてもよいし、またオイル吸着フィルタ42をそれらの間に介在させるように設けてもよい。ドレイン処理装置は、給湯装置において発生するドレインを一般の排水経路に流出させるまでの経路中において、ドレインに混入している燃料オイルを捕捉して除去できればよく、オイル吸着フィルタなどのオイル捕捉手段は、中和処理槽の上流側、下流側、あるいはその中間部分のいずれに設けられていてもかまわない。もちろん、オイル吸着フィルタを収容する部材と中和剤を収容する部材とが別体で形成され、これらが配管などを介して接続された構成とされていてもかまわない。したがって、底部ケーシング3の下部に設けられた収容部49には、オイル吸着フィルタ42のみが収容され、かつ中和処理槽4Bがその外部に外付けされて接続された構成、あるいはこれとは反対に、収容部49には中和剤48のみが収容され、かつオイル吸着フィルタ42がその外部に外付けされて接続された構成とすることもできる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係るドレイン処理装置を備えた給湯装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
たとえば、中和処理槽については、固形の中和剤を収容した構成とすることが最も簡易であるが、これに代えて、たとえば液体状の中和剤をドレインに混入させて中和処理を行なうといった構成にすることも可能である。オイル捕捉手段としては、前述した実施形態から理解されるように、オイル吸着フィルタとドレインとの比重差を利用して分離捕捉させる手段とを組み合わせて、あるいはそれらの一方を単独で用いることが可能であるが、本発明はこれに限定されず、オイルをドレインから分離させて捕捉し得る手段であれば、種々の手段を適用することが可能である。
燃焼器は、燃料オイルを噴霧して燃焼させるものに代えて、たとえば燃料オイルを気化させてから燃焼させる構造とすることもできる。また、本発明に係る給湯装置は、いわゆる瞬間式の給湯器として構成できることは勿論のこと、それ以外の床暖房や融雪用途など、種々の用途に湯を供給するための装置として構成することができる。なお、本発明でいう燃料オイルとは、灯油や軽油などの石油あるいは石油の分留成分としてのオイル、および石油以外から生成される燃焼用の油を含む広い概念である。