本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、オイルセンサを複数用いることなく、複数のオイル検知領域に存在するオイルを適切に検出することができ、全体の製造コストを低減可能なオイル検出装置、およびこれを備えた給湯装置を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供されるオイル検出装置は、オイル透過用のケーシングを有し、かつこのケーシング内にオイルが進入したときにこれを検出するように構成されたオイルセンサを備えている、オイル検出装置であって、前記オイルセンサによるオイル検知エリアとして、仕切り手段によって互いに仕切られた2つのオイル検知エリアが設定されており、前記オイルセンサのケーシングの少なくとも一部は、前記2つのオイル検知エリアの一方に存在するオイルをこのケーシング内に進入させることが可能に前記一方に配されており、前記2つのオイル検知エリアの他方に存在するオイルを前記ケーシング内に進入させるようにガイドするオイルガイド手段を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、前記2つのオイル検知エリアの一方にオイルが存在する場合、このオイルはそのままオイルセンサのケーシングを透過して検出される。また、2つの検知エリアの他方にオイルが存在する場合には、このオイルはオイルガイド手段にガイドされることによりオイルセンサのケーシング内に進入し、やはり検出される。このように、本発明によれば、1つのオイルセンサによって2つのオイル検知エリアのそれぞれに存在するオイルを検出することが可能となり、従来技術と比較すると、オイルセンサの使用個数を少なくし、全体構造の簡素化ならびにコストの低減化を図ることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、オイルまたはオイルが混入された液体を流通させるための流路を内部に形成し、かつこの流路の上方に位置する上壁部を有する流路形成部材を備えており、前記上壁部が、前記仕切り手段であり、前記上壁部上の領域と前記流路内とが、前記2つのオイル検知エリアとされている。このような構成によれば、流路形成部材によって形成された流路内にオイルが存在するか否かの判断と、前記流路形成部材の上壁部上にオイルが存在するか否かの判断が可能となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記上壁部には、前記ケーシングの少なくとも先端部を前記流路内に配置させるように前記ケーシングが挿通する開口部が設けられており、前記オイルセンサは、前記上壁部の開口部周縁に取り付けられて前記ケーシングの基端部の上面を覆う支持部材を備えており、前記支持部材と前記上壁部との間には、前記上壁部上に進行してきたオイルを前記ケーシングまたはケーシング内に向けて導くための隙間が形成されており、この隙間が前記オイルガイド手段である。このような構成によれば、前記支持部材を利用してオイルセンサを前記上壁部に適切に取り付けることができる。そして、前記流路内に存在するオイルについては、ケーシング内にそのまま進入させることができる一方、前記上壁部上に存在するオイルについては、前記支持部材と前記上壁部との隙間からケーシング内に進入させ、これを適切に検出することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記上壁部には、前記ケーシングの少なくとも先端部を前記流路内に配置させるように前記ケーシングが挿通する開口部が設けられており、前記オイルセンサは、前記上壁部の開口部周縁に取り付けられて前記ケーシングの基端部の上面を覆う支持部材を備えており、前記支持部材には、この支持部材上に進行してきたオイルを前記ケーシングまたはケーシング内に向けて導くための貫通孔が形成されており、この貫通孔が前記オイルガイド手段である。このような構成によれば、前述した構成と同様に、前記オイルセンサを前記上壁部に適切に支持させることができる。また、前記流路内に存在するオイルについては、ケーシング内にそのまま進入させることができる一方、前記上壁部上のうち、オイルセンサの支持部材上に進行してきたオイルについては、この支持部材に設けられた貫通孔からケーシング内に進入させ、これを適切に検出することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記オイルセンサのケーシングおよびこのケーシング内にオイルが進入したときにこれを検出する検出部の全体が、前記流路内に設けられており、前記オイルガイド手段は、前記上壁部上に進行してきたオイルを前記流路内に導くように設けられている。このような構成によれば、オイルセンサのケーシングと検出部との全体を流路内に設けているにも拘わらず、流路形成部材の上壁部上のオイル検出を適切に行なうことが可能となる。また、上壁部上にオイルセンサが突出しない構造にすることができ、そのような構造が要望される場合に好適である。さらに、オイルセンサが流路形成部材によって覆われた構造となるため、流路形成部材の外部雰囲気が劣悪な場合には、オイルセンサをそのような劣悪な外部雰囲気から保護することも可能となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記オイルセンサのケーシングおよびこのケーシング内にオイルが進入したときにこれを検出する検出部が、前記上壁部上に設けられており、前記オイルガイド手段は、前記ケーシングから前記流路内に延び、かつ前記流路内に存在するオイルを前記ケーシングまたはケーシング内に向けて上昇させることが可能に構成されている。このような構成によれば、オイルセンサのケーシングと検出部とを流路形成部材の上壁部上に設けているにも拘わらず、流路内のオイル検出を適切に行なうことが可能となる。オイルセンサを流路形成部材の外部に設けるために、その取り付けや配線接続などが容易となる利点が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記流路は、オイルが混入された液体が供給されたときに、前記ケーシングおよび前記オイルガイド手段のうち、前記流路内に存在する少なくとも一方の一部が、前記液体中に浸漬する高さに前記液体を貯留させることが可能な構成とされており、前記流路内には、前記液体上に浮いたオイルを前記ケーシングまたは前記オイルガイド手段の周囲に滞留させるように前記オイルの流れを抑制する壁部が設けられている。このような構成によれば、流路中において、液体に混入しているオイルをその液体上に浮かせ、かつこの浮かせたオイルの流れを前記壁部によって阻止することにより、前記ケーシングまたはオイルガイド手段の周囲にオイルを滞留させることができる。このようにすると、多くのオイルをケーシングまたはオイルガイド手段に接触させることが可能となり、液体に混入されているオイルの検出精度を高めることが可能となる。
本発明の第2の側面により提供されるオイル検出装置は、オイル透過用のケーシングを有し、かつこのケーシング内にオイルが進入したときにこれを検出するように構成されたオイルセンサを備えている、オイル検出装置であって、前記オイルセンサによるオイル検知エリアとして、仕切り手段によって互いに仕切られた2つのオイル検知エリアが設定されており、前記オイルセンサのケーシングは、前記仕切手段を貫通して前記2つのオイル検知エリアに跨がって設けられていることにより、前記2つのオイル検知エリアのそれぞれから前記ケーシングまたはケーシング内にオイルが進行可能な構成とされていることを特徴としている。
このような構成によれば、オイルセンサのケーシングが2つのオイル検知エリアに跨がって設けられており、それら2つのオイル検知エリアのいずれにオイルが存在する場合であっても、そのオイルをオイルセンサのケーシングまたはケーシング内に直接導くことができ、2つのオイル検知エリアにオイルが存在するか否かを1つのオイルセンサで判断することが可能となる。また、前記構成によれば、本発明の第1の側面によって提供されるオイル検出装置とは異なり、オイルセンサとは別に、オイルガイド手段を設ける必要を無くし、全体の部品点数をより少なくし、製造コストを一層低減することが可能である。
本発明の第3の側面によって提供される給湯装置は、オイル燃焼器と、このオイル燃焼器によって発生された燃焼ガスとの熱交換を行なう通水用の管体を有する熱交換器と、前記熱交換によって発生するドレインを排出するためのドレイン用流路を形成する流路形成部材と、を備えている、給湯装置であって、前記オイル燃焼器において燃料オイル漏れが発生したときにその燃料オイルを前記流路形成部材の上部壁上に導くことが可能とされ、前記上部壁上と前記ドレイン用流路との2つのエリアがオイル検知エリアとされ、これら2つのオイル検知エリア用のオイル検出装置として、本発明の第1の側面または第2の側面によって提供されるオイル検出装置が用いられていることを特徴としている。
このような構成によれば、オイル燃焼器において燃料オイル漏れが生じると、この燃料オイルは流路形成部材の上部壁上に導かれて、これがオイル検出装置のオイルセンサによって検出される。一方、オイル燃焼器において、着火不良などの燃焼不良が生じた場合には、未燃の燃料オイルがドレインに混入し、これがドレイン用流路に流出していく場合があるが、そのようにしてドレイン用流路に流出する燃料オイルについても前記オイル検出装置のオイルセンサによって検出することができる。このように、本発明によれば、1つのオイルセンサを備えたオイル検出装置を用いるだけで、燃料オイル漏れの有無と、ドレインに未燃の燃料オイルが混入しているか否とを適切に判断することができる。なお、未燃の燃料オイルがドレインに混入したまま外部に排出されることは環境保護の観点から好ましいものではなく、前記未燃の燃料オイルの検出はそのような不具合を察知するのに好適となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記オイル燃焼器によって発生された燃焼ガスを、前記オイル燃焼器の下方に向けて進行させてから略U字状に屈曲または湾曲した底部を介して上向きに進行させて排気口まで流通させる燃焼ガス流路を備えており、この燃焼ガス流路の底部には、前記熱交換器から落下するドレインを受ける底板部が設けられて、この底板部によって受けられたドレインが前記流路形成部材に導かれるように構成され、前記流路形成部材の上部壁は、前記オイル燃焼器の燃料供給部の下方に配されており、この燃料供給部において燃料オイルが漏れたときには、この燃料オイルが下方に流れ落ちることによって前記上部壁上に到達するようにされている。このような構成によれば、前記オイル燃焼器の燃焼方式が、いわゆる逆燃方式とされており、オイル燃焼器よりも下方の燃焼ガス流路の底部において、熱交換器から落下するドレインが受けられて流路形成部材に導かれるようになっているために、この流路形成部材を前記オイル燃焼器の下方に簡単に配置させることができる。その一方、前記オイル燃焼器の燃料供給部において燃料オイル漏れが発生したときには、この燃料オイルが下方に流れ落ちることによって前記流路形成部材上に到達するようになっているために、前記燃料オイルを流路形成部材上に導くための専用の機器類をわざわざ設けるような必要はない。流路形成部材上に燃料オイルを導くための構造が合理的であり、また燃料オイルを流形成部材上に導く確実性にも優れる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記上壁部の全体または一部分は、この上壁部上に進行してきた燃料オイルを貯留可能な凹状であり、この凹状部分に到達した燃料オイルが前記オイルセンサによって検出される構成とされている。このような構成によれば、前記上壁部上に流れてきた燃料オイルを前記凹状部分に貯留させ、これをオイルセンサによって検出することができるために、オイル検出の正確性が高められる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ドレイン用流路のうち、前記オイルセンサによってオイル検出がなされる部分よりもドレイン流れ方向上流には、前記ドレインに混入しているオイルを捕捉するオイル捕捉手段が設けられている。このような構成によれば、ドレインに未燃の燃料オイルが混入している場合には、これをオイル捕捉手段によって捕捉し、燃料オイルがそのまま排水されないようにし、環境保護を図ることができる。前記オイル捕捉手段によって燃料オイルが適切に捕捉されない状態が発生すると、その燃料オイルはオイルセンサによって検出されることとなる。このことにより、オイル捕捉手段の不具合、あるいは適正なオイル捕捉手段では対処できないほど多くの燃料オイルがドレインに混入しているといった異常事態を察知することが可能となる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るオイル検出装置およびこれを備えた給湯装置の一実施形態を示している。本実施形態の給湯装置Aは、オイル燃焼器1、熱交換器HT、底部ケーシング3、消音器19、ドレイン処理装置B、オイル検出装置C、およびこれら全体を覆う外装ケース90を具備している。
オイル燃焼器1は、灯油などのオイルを燃料とし、かつこの燃料を噴霧ノズル10から下向きに噴射させて、点火プラグ12によって着火させて燃焼させる逆燃方式のものであり、熱交換器HTの缶体20上に載設された缶体11内の上部に噴霧ノズル10が設けられた構成を有している。この噴霧ノズル10には、オイルタンク(図示略)から燃料供給部15を介して燃料オイルが供給される。燃料供給部15は、電磁ポンプ、電磁弁15a、およびオイル供給用配管15bなどを有している。缶体11上には、缶体11内に燃焼用空気を下向きに送り込む送風ファン13が設けられており、前記燃焼用空気は、噴霧ノズル10の周囲およびその下方領域にわたって設けられた燃焼筒14内に進入する。燃焼筒14は、その周壁に複数の通気孔を有しており、この燃焼筒14内において前記燃焼用空気を旋回流とし、噴霧された燃料オイルと燃焼用空気との混合を促進する役割を果たす。
底部ケーシング3は、缶体20および消音器19のそれぞれを支持するようにそれらの下方に配され、かつそれらに接続されている。缶体20内、底部ケーシング3内、および消音器19内は、一連に繋がった燃焼ガス流路であり、オイル燃焼器1で発生された燃焼ガスは、缶体20内を下向きに進行して底部ケーシング3内に流入した後に、上向きに方向転換して消音器19に流入し、この消音器19の上部に設けられた排気口19aから排ガスとして外部に排出される。このように底部ケーシング3を用いることによって燃焼ガス流路を略U字状に屈曲または湾曲させた構成においては、オイル燃焼器1や熱交換器HTの缶体20の一側方に消音器19を起立させた姿勢でスペース効率良く設けることができる。
熱交換器HTは、通水用の管体22a,22bおよびU字管23内に供給される水と燃焼ガスとの熱交換を行なうためのものであり、燃焼ガスの顕熱を回収するための1次熱交換部2Aと、潜熱を回収するための2次熱交換部2Bとを有している。1次熱交換部2Aは、管体22aが缶体20の周囲に巻回されている部分と、複数のフィン24を備えた管体22bが缶体20を略水平方向に貫通するように設けられた部分とを有している。
2次熱交換部2Bは、底部ケーシング3内に複数のU字管23が設けられ、かつ底部ケーシング3の外部にはそれらU字管23に通水を行なわせるためのヘッダ部25が設けられた構成を有している。各U字管23の一対の開口部23a,23bを有する基端部は、底部ケーシング3の一側壁30aを貫通し、かつヘッダ部25に接続されて支持されている。これに対し、各U字管23の先端部23cは不支持状態の自由端とされており、各U字管23は、いわゆる片もち支持となっている。この支持構造は、温度変化に起因する膨張および収縮時の応力を減少させるのに好適である。
複数のU字管23は、一対の開口部23a,23bが上下方向に並ぶ姿勢とされ、かつ図3に示すように、これら複数のU字管23の長手方向と交差する方向に適当な間隔で並べられている。互いに隣り合うU字管23どうしの高さが相違するように、それら複数のU字管23は段違い状に並べられている。このような配列にすると、燃焼ガスが複数のU字管23に触れる度合いが大きくなり、熱交換の効率が高められる効果が期待できる。ただし、これに限定されず、複数のU字管23の高さを同一に揃えた配列としてもかまわない。また、複数のU字管23には、熱交換の効率を高めるための手段として、複数枚のプレート状のフィン26が設けられている。
図1によく表われているように、各U字管23は、底部ケーシング3の一側壁30aから缶体20の底部開口部の直下領域を越えて消音器19の直下領域まで延びた長寸法とされている。各U字管23の長手方向中間部のフィン26aの上部と底部ケーシング3の上壁部30cとの隙間部分には、この隙間部分を閉塞して、燃焼ガスが通過することを阻止する遮断板31が設けられている。また、底部ケーシング3内のうち、他側壁30b寄りの部分には、この他側壁30bと各U字管23の先端部23cとの隙間33に対してその下方から燃焼ガスが進行することを阻止する遮断板32が設けられている。これら2つの遮断板31,32の存在により、底部ケーシング3内において燃焼ガスが複数のU字管23やフィン26を避けて流通することの防止が図られ、熱交換の効率を高めるのに役立つ。
ヘッダ部25は、複数のU字管23の開口部23a,23bのそれぞれに連通した一対のチャンバ25a,25bを有している。チャンバ25aには、入水口21aを有する管体が連結され、チャンバ25bには、管体22aの上流端22a'が連結されている。この熱交換器HTにおいては、入水口21aに入水された水は、ヘッダ部25のチャンバ25aに流入した後に、複数のU字管23を通過しながら加熱されてチャンバ25bに流出する。次いで、この水は、管体22a,22bを順次流れながら加熱され、その後出湯口21bから流出して所定の給湯先に供給される。各U字管23に対して未加熱状態の低温の水を供給すれば、燃焼ガス中の水蒸気の潜熱回収の効率が高められる。ただし、本発明は、1次熱交換部2Aおよび2次熱交換部2Bに対する通水の仕方はこれに限定されるものではない。
2次熱交換部2Bを構成する複数のU字管23およびフィン26には、潜熱回収に起因して燃焼ガス中の水蒸気が凝縮し、ドレイン(凝縮水)が付着する。したがって、好ましくは、これらの部分は耐食性に優れたステンレスなどの材質とされている。また、底部ケーシング3の底板部34など、前記ドレインと接触する虞れのある金属部分も、好ましくは前記と同様な材質とされている。ただし、底部ケーシング3の全体あるいは底板部34などの一部分については、たとえば合成樹脂製とし、その製造コストを廉価にすることが可能である。熱交換器HTは、潜熱回収機能を備えており、燃焼ガスが底部ケーシング3の底部に進行するまでの間に燃焼ガスの温度を十分に低下させることができるからである。1次熱交換部2Aについては、ドレインの発生は殆どなく、管体22bやフィン24は熱伝導や加工性などに優れたたとえば銅または銅合金製である。各U字管23は、先端部23cよりも基端部の方が低い高さとなるように傾斜している。このような構成によれば、給湯装置Aを長期間不使用にするなどの理由から各U字管23内の水抜きを行なう場合に、前記傾斜を利用して、各U字管23内の水を前記基端部側に流れさせ、前記水抜き作業をスムーズに行なうことができる。
底部ケーシング3の底板部34は、2次熱交換部2Bから滴下してくるドレインを受ける役割をも有する。この底板部34は、受けたドレインをドレイン処理装置Bに送り込むための排出口34aを有しており、受けたドレインが排出口34aに効率良く集められるように排出口34aに接近するほど高さが低くなるように傾斜している。図面には表われていないが、底板部34は、図1の紙面と直交する方向においてもドレインを排出口34aに集め得るように傾斜している。
ドレイン処理装置Bは、底部ケーシング3の排出口34aからドレインを受けるように、配管部材34bを介して排出口34aと接続されている。このドレイン処理装置Bは、ドレインの中和処理と、ドレインに混入した燃料オイルやその他の夾雑物などの捕捉処理とを行なうように構成されている。オイル燃焼器1において、着火不良などを生じると、噴霧ノズル10から噴霧された未燃焼の燃料オイルが底部ケーシング3内に進行し、これがドレインに混入する場合がある。このドレイン処理装置Bは、そのようにしてドレインに混入した燃料オイルを捕捉する機能をも有している。
ドレイン処理装置Bは、たとえばブロー成形された合成樹脂製の容器40を具備しており、その一部分が分離処理槽4Aとして形成され、また他の一部分が炭酸カルシウムなどの粒状の中和剤48が収容された中和処理槽4Bとされている。このドレイン処理装置Bは、底部ケーシング3の下方に形成された空間スペース91に配されていることにより、外装ケース90内の底部にスペース効率良く収容されている。図2によく表われているように、分離処理槽4Aは、略ボックス状であり、その上壁部には下向きに延びた仕切壁41Aが形成されていることにより、この分離処理槽4Aの内部は、底部どうしが連通部46Aを介して互いに連通した第1および第2のチャンバ43a,43bに仕切られている。第2のチャンバ43bには、オイル吸着フィルタ42が設けられている。このオイル吸着フィルタ42は、たとえば繊維状活性炭や、やしがら活性炭などの各種の活性炭、カポック繊維などの植物性繊維、ポリプロピレンなどの高分子ポリマの化学繊維、あるいは炭化水素の粒状体など、基本的には、オイルの吸着性に優れ、かつ水の吸着性が劣るものであれば、種々の材質のものを用いることができる。第2のチャンバ43bの上壁部には、蓋付きの開口部43b'が設けられており、この開口部43b'がオイル吸着フィルタ42の出し入れ口となっている。
分離処理槽4Aにおいては、第1のチャンバ43aの内部にその上部の流入口45aからドレインが流入すると、適当な液面高さHaにドレインが貯留され、ドレインよりも比重の小さい燃料オイルやその他の夾雑物はドレインの液面上に浮き、それらの層F1が形成される。ただし、その液面近傍には仕切壁41Aが存在するために、これら燃料オイルなどは第2のチャンバ43bに流入することが抑制され、この第1のチャンバ43a内に捕捉される。仮に、燃料オイルが連通部46Aを通過して第2のチャンバ43bに流入しても、この燃料オイルはオイル吸着フィルタ42によって吸着され、捕捉される。したがって、燃料オイルが流通口45bを通過して中和処理槽4Bに流入することが適切に防止される。ドレインよりも比重の大きい夾雑物は、沈殿物mとなる。この沈殿物mは、第2のチャンバ43bに流入する虞れがあるものの、第2のチャンバ43bの流通口45bは、底部から一定の高さHaにあるために、この沈殿物mが中和処理槽4Bに流入することは適切に阻止され、またオイル吸着フィルタ42によっても阻止される。
分離処理槽4Aの第1のチャンバ43aには、ドレインの液面レベルセンサ97や排出口47aも設けられている。液面レベルセンサ97は、第1のチャンバ43aよりも下流側に詰まりなどを生じることに起因して分離処理槽4A内のドレインの液面レベルが前記の高さHaを一定以上超えた異常高さとなったときにこれを検出するものであり、その検出信号は、この給湯装置Aの運転を制御する制御部(図示略)に送信されるようになっている。排出口47aは、たとえばこの給湯装置Aを長期間不使用とする場合に、ドレインを外部に抜き、分離処理槽4A内のドレインが冬季に凍結するといったことを回避するためのものであり、常時は、ネジ部材などの栓体47bによって閉塞されている。
中和処理槽4Bは、中和剤48を内部に投入するための蓋付きの開口部43c',43d'を上壁部に備えた略ボックス状である。ただし、その上壁部には、下向きに延びた仕切壁41Bが設けられていることにより、この中和処理槽4Bの内部は、底部どうしが連通部46Bを介して連通した第1および第2のチャンバ43c,43dに区分されている。この中和処理槽4Bは、万一分離処理槽4Aにおいて燃料オイルが確実に捕捉されず、この中和処理槽4B内に燃料オイルが流入してきた場合に、分離処理槽4Aについて述べたのと同様な原理によって、第1のチャンバ43c内に燃料オイルを捕捉するようになっている。すなわち、第1のチャンバ43cにおいては、ドレイン上に燃料オイルが浮き、これが仕切壁41Bの存在によって第2のチャンバ43dに流れることが抑制され、捕捉される。また、この中和処理槽4Bにおいて、ドレインが第1のチャンバ43cから連通部46Bを通過して第2のチャンバ43dに流れる場合、前記ドレインは仕切壁41Bの下方を潜るような経路を辿る。したがって、中和処理槽4B内におけるドレインの流路長を長くとってドレインを多くの中和剤48に触れさせ、その中和処理を効率良く行なわせる効果も得られる。
オイル検出装置Cは、中和処理槽4Bの後段に接続されたドレイン流通管6と、このドレイン流通管6に装着されたオイルセンサ5とを具備している。ドレイン流通管6は、本発明でいうドレイン用流路を形成する流路形成部材の一例に相当するものであり、内部には流路60が形成され、その両端はドレインの流入口60aおよび流出口60bとなっている。
このオイル検出装置Cにおいては、流路60と、ドレイン流通管6の上壁部61上の領域とが、2つのオイル検知エリアa1,a2となっている。既述したとおり、ドレイン処理装置Bはドレインに混入している燃料オイルの捕捉機能を有しているために、通常であれば、流路60に燃料オイルは流入しないものの、たとえばドレインに含まれる燃料オイルの量が多く、その量がドレイン処理装置Bによるオイル捕捉可能容量を超える場合には、流路60に燃料オイルが流入する。このような場合に、燃料オイルをそのまま外部に排出することは環境保護の観点から好ましいものではなく、このオイル検出装置Cにおいてはそのような燃料オイルの検出を行なうようになっている。一方、ドレイン流通管6の上壁部61は、図1によく表われているように、オイル燃焼器1の燃料供給部15の下方に位置しており、この燃料供給部15において万一燃料オイル漏れが生じたときには、この燃料オイルが缶体11,20などの側面を伝って流れ落ちてくることにより、あるいは燃料供給部15から直接滴下してくることにより、この上壁部61に到達するようになっている。図4によく表われているように、上壁部61の上面には、そのようにしてこの上壁部61上に到達した燃料オイルを溜めることが可能に、その周縁に起立壁部61aを有する凹状部61bが形成されている。図面には示されていないが、上壁部61は、図4の紙面と直交する方向に比較的大きな幅を有しており、燃料供給部15から流れ落ちてくる燃料オイルの多くが凹状部61bに流入するようになっている。
オイルセンサ5は、ケーシング51内にオイル膨潤物質52aと可動部材52bとが収容され、かつケーシング51に接合された支持部材55に検出スイッチ52cがカバーケース57を介して取り付けられた構成を有している。ケーシング51は、先端部(下端部)に底壁部を有する筒状であり、その基端部(上端部)にはフランジ51aが形成されている。このケーシング51は、たとえば多孔質の焼結樹脂製であり、疎水性、親油性および透油性を有している。このケーシング51の外面にオイルが付着すると、このオイルはこのケーシング51を透過し、内部に進行可能である。オイル膨潤物質52a、可動部材52b、および検出スイッチ52cは、ケーシング51内にオイルが進入したときにこれを検出する検出部52を構成している。オイル膨潤物質52aは、たとえばシリコン樹脂パウダからなり、オイルがケーシング51内に進入すると、このオイルを吸収して体積が増加する特性を有している。可動部材52bは、オイル膨潤物質52aの体積が増加すると、これに伴って上昇し、検出スイッチ52cのスイッチング接点を押圧する。これにより、オイルが検出された旨の信号が出力され、前記制御部に入力される。
上壁部61には、開口部61cが形成されており、ケーシング51はこの開口部61cに挿通している。そして、このケーシング51のフランジ51aは、開口部61cの周縁部61dの上面に当接して係合している。この構造により、開口部61cはフランジ51aによって閉塞され、またケーシング51の高さが設定されている。ドレイン流通管6の底面部62のうち、流出口60bの近傍の一部分62aは、他の部分よりも適当寸法Hbだけ高くなっており、この部分62aよりも上流側にはドレインを適当な液面高さで貯留できるようになっている。これにより、ケーシング51はドレイン中に浸漬し、ケーシング51に対するドレインの接触量を多くすることが可能となる。また、底面部62のうち、オイルセンサ5の直下部分には、凹状部62bが形成されているとともに、この凹状部62bにケーシング51の先端部が進入している。このことにより、ケーシング51がドレイン中に浸漬する量をさらに大きくし、ケーシング51内に燃料オイルが進入する量を多くすることができる。
支持部材55は、非透水性および非透油性の合成樹脂またはステンレスなどからなる略円板状であり、ケーシング51の基端部の開口部を塞ぐようにこの基端部を覆っている。この支持部材55は、複数本のボルト92によって上壁部61に取り付けられている。ただし、この支持部材55と上壁部61の上面との間には、隙間56が形成されている。この隙間56は、上壁部61上の燃料オイルをケーシング51のフランジ51aに向けて進行させるための部分であり、本発明でいうオイルガイド手段の一例に相当する。フランジ51aの外面に燃料オイルが到達すると、この燃料オイルはフランジ51a内に進入し、その後ケーシング51を構成する焼結樹脂の微小な空洞部内を毛細管現象により種々の方向に進行する結果、最終的にはケーシング51内に進入してオイル膨潤物質52aに吸収される。開口部61cの周縁部61dには、段差が設けられており、この周縁部61dのうち、フランジ51aが当接している部分は、その外周囲部分よりも低い高さとなっている。このことにより、隙間56の開口幅(高さ方向の幅)は、フランジ51aの厚みよりも小さくされており、燃料オイルは流入し易いものの、固形の塵などは進入し難い寸法となっている。また、周縁部61dに前記した段差が設けられているために、隙間56を燃料オイルがフランジ51aに向けて進行してきたときにはこの段差部分にも燃料オイルが進行するようにして、多くの燃料オイルがフランジ51aを透過できるようにすることも可能となる。隙間56は、支持部材55の全周囲にわたって形成されており、上壁部61上に燃料オイルが存在する場合には、この燃料オイルをケーシング51に対していずれの方向からも適切に導くことができるようになっている。
次に、上記したオイル検出装置Cおよび給湯装置Aの作用について説明する。
まず、オイル燃焼器1を駆動させて燃料オイルを燃焼させると、この燃焼ガスは送風ファン13からの送風作用により下方に向けて進行し、1次熱交換部2Aによりその顕熱が回収され、また底部ケーシング3内に進行した際には、2次熱交換部2Bにより潜熱が回収される。2次熱交換部2Bを底部ケーシング3内に設けた構成によれば、底部ケーシング3の外部に2次熱交換部2Bを積層して設ける構成と比較すると、給湯装置A全体の小型化および部品点数の減少を図ることができる。また、2次熱交換部2Bにおいては、多くのドレインが発生するが、このドレインは底部ケーシング3の底板部34上に滴下し、排出口34aからドレイン処理装置Bに対して迅速に、かつ円滑に送り込まれる。このため、燃焼ガス流路の内壁の広い領域にわたってドレインが付着し、残留したままになるといったことが適切に回避される。オイル燃焼器1の運転やその停止に伴い、燃料への着火不良などを生じると、未燃焼の燃料オイルがドレインに混入する。噴霧ノズル10は、下向きに燃料オイルを噴射しており、未燃焼の燃料オイルは底部ケーシング3に溜まり易く、ドレインに混入し易くなっている。したがって、燃焼ガス流路内に未燃焼の燃料オイルが多く溜まらないようにするのにも好適となる。
次いで、ドレイン処理装置Bに送り込まれたドレインは、分離処理槽4A、中和処理槽4B、およびオイル検出装置Cのドレイン流通管6内に経由して外部に排出される。この場合、既述したとおり、まず分離処理槽4Aの第1のチャンバ43aに燃料オイルが捕捉され、これによって捕捉されなかった他の燃料オイルは、第2のチャンバ43bのオイル吸着フィルタ42によって捕捉される。さらには、中和処理槽4Bの第1のチャンバ43cにも捕捉される。燃料オイルとは別の夾雑物も、分離処理槽4Aに捕捉される。また、中和処理槽4Bにおいては、ドレインの中和処理がなされる。したがって、燃料オイルや夾雑物を含まず、かつ適切に中和処理がなされたドレインを外部に排出することが可能となり、環境保護の観点から好ましいものとなる。
給湯装置Aの通常の稼働状態では、たとえば燃料オイルへの着火不良などに起因して未燃焼の燃料オイルが発生しても、その量は僅かである。したがって、たとえば10年あるいはそれ以上の長期間にわたって給湯装置Aを使用する場合であっても、たとえばオイル吸着フィルタ42を一度も交換する必要のないいわゆるメンテナンスフリーとし、その下流には燃料オイルが流れないようにすることが可能である。ところが、実際の使用に際しては、予測困難な要因によりオイル燃焼器1が故障するなどして、多くの燃料オイルが底部ケーシング3内に流出する異常事態の発生を想定し得る。このような異常事態が生じた場合には、もはやオイル吸着フィルタ42やその他の上記したオイル捕捉手段によっては燃料オイルの全量を捕捉することが困難となる場合がある。これに対し、この給湯装置Aにおいては、そのような事態が生じると、オイル検出装置Cのオイルセンサ5によってドレイン流通管6内を流れる燃料オイルが検出され、その旨の報知がなされるために、ユーザはこのことによって直ちに前記の異常を察知し、適切な処置を採ることができることとなる。また、前記燃料オイルの検出に基づき、前記オイル燃焼器1を緊急停止させるといった制御を行なわせるようにすることもできる。なお、前記とは異なり、たとえばオイル吸着フィルタ42や分離処理槽4Aを比較的小サイズに形成し、適当な期間ごとにオイル吸着フィルタ42を交換する仕様とした場合には、前記したオイル検出によって、オイル吸着フィルタ42の交換時期を察知させるといった使い方も可能となる。
一方、オイル燃焼器1の燃料供給部15において燃料オイル漏れが生じた場合には、この燃料オイルがドレイン流通管6の上壁部50aによって受けられ、この上壁部61とオイルセンサ5の支持部材55との隙間56を通過してオイルセンサ5のケーシング51内に進入し、これが検出されるようになっている。したがって、給湯装置Aの緊急停止など適切な対応措置を採ることができることは勿論のこと、燃料供給部15における燃料オイル漏れを検出するための専用のオイルセンサを別途設ける必要はなく、製造コストを低減するのに好適となる。
図5〜図12は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
図5に示す構成においては、ドレイン流通管6の上壁部61が、オイルセンサ5に接近するほど高さが低くなるいわゆるすり鉢状に傾斜した凹状とされている。このような構成によれば、上壁部61上に流入してきた燃料オイルをオイルセンサ5の装着箇所に積極的に集めることが可能となり、燃料オイルの検出精度、あるいは検出速度を高めるのにより好適となる。
図6に示す構成においては、オイルセンサ5の支持部材55の下面部に、段差または凹部を形成することによって、この支持部材55と上壁部61との間に燃料オイルガイド用の隙間56が設けられている。このような構成によっても、前記した実施形態のオイル検出装置Cと同様な効果が得られる。
図7に示す構成においては、オイルセンサ5の支持部材55に1または複数の貫通孔56Aが設けられている。このような構成によれば、支持部材55上に燃料オイルが流れてきたときに、この燃料オイルが貫通孔56Aを通過してケーシング51に向かう。本実施形態から理解されるように、本発明では、上壁部61の上面に直接存在する燃料オイルではなく、オイルセンサ5上に流れてきた燃料オイルを検出させる構成としてもかまわない。もちろん、図7に示したように支持部材55に貫通孔55を設ける構成と、図6や図4に示したように支持部材55と上壁部61との間に隙間56を設ける構成とを組み合わせてもかまわない。
図8に示す構成においては、ドレイン流通管6の上壁部61の下面から下向きに突出した円筒状などの筒状の壁部69が設けられており、この壁部69は、オイルセンサ5のケーシング51を囲んでいる。また、流路60内のうち、オイルセンサ5よりも下流には、壁部69の下端よりも高さが高い起立壁68が設けられている。この起立壁68によってドレインが塞き止められることにより、このドレインは壁部69の下端寄り部分を浸漬させる液面高さで貯留される。
本実施形態によれば、壁部69によって囲まれた領域において、ドレイン上に燃料オイルが浮き、燃料オイルの層F1が形成されると、この層F1は壁部69の存在により、下流側に流れることが抑制される。その結果、この層F1の燃料オイルは、オイルセンサ5のケーシング51に接触する機会が多くなる。したがって、燃料オイルがケーシング51内に進入し易くなり、燃料オイルの検出精度が高まる。なお、ドレインを貯留させる手段として、流路60の底部に起立壁68を形成したが、これに代えて、たとえば図4に示した部分62aを高くすることにより、起立壁68を設けたのと同様な作用を得ることが可能である。
図9に示す構成においては、壁部69が筒状に形成されておらず、ドレイン流れ方向の上流側に開口部69aが形成された平面断面視略U字状となっている。このような構成によれば、ドレインに混入して流れる燃料オイルを開口部69aから壁部69によって囲まれた領域に対して積極的に流入させることができる。むろん、前記領域に流入した燃料オイルがそのまま下流に流れることは、壁部69によって抑制される。したがって、本実施形態においても、壁部69によって捕捉させた燃料オイルをケーシング51に接触させ易くし、燃料オイルの検出精度を高める効果が得られる。
図10(a)に示す構成においては、オイルセンサ5の全体がドレイン流通管6内に設けられている。検出部52の信号出力などを行なうための電気配線は、たとえばドレイン流通管6の適当な箇所に設けられた孔部を挿通して外部に引き出されている。一方、ドレイン流通管6の上壁部61には、この上壁部61上に存在するオイルを、流路60内のうち、オイルセンサ5よりも上流の位置に導くためのオイルガイド部材67が取り付けられている。このオイルガイド部材67は、たとえばバー状またはプレート状であり、オイルセンサ5のケーシング51と同様に疎水性、親油性および透油性を有している。このオイルガイド部材67は、上壁部61を貫通しており、その上端は上壁部61の上方に露出している。
本実施形態においては、オイルセンサ5が流路60内に設けられているために、流路60内に存在する燃料オイルを検出できることは勿論のこと、上壁部61上に存在する燃料オイルについては、オイルガイド部材67を伝わせて流路60内に導くことができる。このようにして流路60内に導かれた燃料オイルは、その後下流に流れる過程においてオイルセンサ5のケーシング51に接触することとなり、これが検出されることとなる。このように、本発明においては、オイルセンサ5の全体を流路60内に設けて、上壁部61上のオイルをガイド手段によって流路60内に導入させる構成とすることもできる。このような構成は、ドレイン流通管6および流路60が比較的大きなサイズとされ、流路60内にオイルセンサ5を取り付け易くされている場合に好適である。また、このような構成によれば、オイルセンサ5の全体がドレイン流通管6内に配されているために、外部環境からオイルセンサ5を保護することも可能となる。
図10(b)に示す構成においては、オイルガイド部材67の下端部67aが、オイルセンサ5のケーシング51の外面に接触している。このような構成によれば、オイルガイド部材67を伝って下降する燃料オイルをケーシング51に直接進行させることができ、燃料オイルの検出がより確実となる。
図10(c)に示す構成においては、オイルガイド部材67Aが、貫通孔を有するパイプであり、上壁部61に存在する燃料オイルは、このオイルガイド部材67Aの貫通孔内を通過して流路60内に導かれるようになっている。このような構成によっても、上壁部61上に燃料オイルが存在するときには、これをオイルセンサ5によって検出することが可能である。なお、本実施形態の構成では、上壁部61に燃料オイル以外の液体やその他の物質が存在する場合に、これらも流路60内に導かれる虞れがあるため、そのよう虞れの少ない条件下においてこの構成を用いることが好ましい。本実施形態から理解されるように、本発明でいうオイルガイド手段は、疎水性、親油性および透油性を有する部材を用いて構成することが好ましいものの、必ずしもそのような部材を用いなくてもよい。また、本発明においては、上壁部61にオイルガイド部材67,67Aを設ける構成に代えて、上壁部61に貫通孔を設け、上壁部61上の燃料オイルがこの貫通孔を通過して流路内に滴下するようにしただけの構成とすることもできる。このような構成も、本発明の技術的範囲に包摂される。
図11に示す構成においては、オイルセンサ5の全体がドレイン流通管6の上壁部61上に載設されており、この上壁部61上の燃料オイルを直接検出できるようになっている。上壁部61は、ケーシング51の周囲に燃料オイルを集めることができるように傾斜した凹状に形成されている。一方、ケーシング51の底部には、上壁部61を貫通して流路60内に延びたオイルガイド部材67Bが接続されている。このオイルガイド部材67Bは、たとえばケーシング51と同一材質であり、疎水性、親油性および透油性を有している。好ましくは、このオイルガイド部材67Bの下端先端部は、流路60の底面部62に設けられた凹部62b内に進入し、この凹部62bに貯留されたドレインに漬かるように設けられている。
本実施形態によれば、流路60内に存在する燃料オイルがオイルガイド部材67Bに接触すると、この燃料オイルは毛細管現象によってこのオイルガイド部材67Bを上方に向けて進行し、ケーシング51に到達する。したがって、オイルセンサ5を上壁部61上に設けているにも拘わらず、流路60内の燃料オイルを検出することが可能である。本実施形態の構成は、流路60が小さく、流路60内にオイルセンサ5の全体あるいはオイルセンサ5のケーシング51を十分に進入させることが困難な場合に好適である。また、オイルセンサ5を上壁部61に取り付ける構造によれば、その取り付け作業や電気配線の取り廻しも容易となる。
図12に示す構成においては、上壁部61に設けられた開口部61cに、オイルセンサ5のケーシング51が挿通していることにより、このケーシング51は流路60内と上壁部61の上方領域との2つのオイル検知エリアa1,a2のそれぞれに跨がっている。
本実施形態においては、流路60内の燃料オイルはケーシング51の下端先端部からケーシング51内に進行し、また上壁部61上の燃料オイルはケーシング51の高さ方向中間部分からケーシング51内に進行し、いずれの場合にも燃料オイルの検出が可能である。本実施形態によれば、前述した実施形態とは異なり、オイルガイド部材を別途用いる必要がない。したがって、全体の部品点数を削減し、製造コストをより低減することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係るオイル検出装置および給湯装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
オイルセンサのケーシングは、焼結樹脂からなる多孔質のケーシングでなくてもよく、たとえばオイルを透過させるための孔を形成したものでもよい。ケーシングの具体的な材質、形状、サイズは限定されない。また、オイルセンサは、ケーシング内にオイルが進入した場合にこれを検知できるように構成されていればよく、たとえばオイル膨潤物質がオイルを吸収して膨潤した場合の体積の変化を、光学的検出手段によって検出させる構成とすることもできる。
オイルガイド手段を利用してオイルをオイルセンサに導く場合、オイルをオイルセンサのケーシングの外面部分に導くことに代えて、オイルをケーシング内に直接導くようにしてもかまわない。
前述した実施形態においては、オイル検出装置を、給湯装置の燃料オイル漏れ検出用途とドレインに混入した燃料オイルの検出用途とに用いているが、本発明に係るオイル検出装置の使用用途はこれに限定されない。たとえば、2つのオイル燃焼器を備えた装置において、それら2つのオイル燃焼器の一方の燃料供給部において燃料オイル漏れが生じる領域と、他方の燃料供給部において燃料オイル漏れが生じる領域とが仕切部材を介して互いに仕切られている場合に、それら2つの領域に存在する燃料オイルの検出に本発明に係るオイル検出装置を用いることもできる。
本発明に係る給湯装置としては、いわゆる逆燃方式とは異なり、燃料オイルを上向き、あるいは横向きに燃焼させるタイプのものとして構成することも可能である。オイル燃焼器は、燃料オイルを噴霧して燃焼させるものに代えて、たとえば燃料を気化させてから燃焼させる構造とすることもできる。熱交換器は、底部ケーシング内に2次熱交換部を設けた構造にしなくてもよい。また、本発明に係る給湯装置は、いわゆる瞬間式の給湯器として構成できることは勿論のこと、それ以外の床暖房や融雪用途など、種々の用途に湯を供給するための装置として構成することができる。なお、本発明でいう燃料オイルとは、灯油や軽油などの石油あるいは石油の分留成分としてのオイル、および石油以外から生成される燃焼用の油を含む広い概念である。