JP4603694B2 - 光反射用成形体用の樹脂組成物及び光反射用成形体 - Google Patents

光反射用成形体用の樹脂組成物及び光反射用成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光反射用成形体用の樹脂組成物及び光反射用成形体に関し、更に詳しくは、ポリアリレンスルフィド樹脂にウィスカー状炭酸カルシウムを配合することによって、耐熱性、強度、耐衝撃性、剛性、寸法安定性、成形加工性に優れ、特に、自動車のヘッドライト等に用いるランプリフレクター等の光反射用成形体とした場合に良好な金属膜の接着性及び表面平滑性を付与することのできる光反射用成形体用の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車工業分野における金属部品のプラスチック化は益々その速度を速めている。代替すべきプラスチック材料に関する要求は、単なる軽量化やデザインの自由度の増加にとどまらず、部品の複合化による部品点数の削減によってもたらされる生産コストの低減及びプラスチック部品自体の生産性向上へと高度化している。その中でも自動車用ランプリフレクターは比較的大型の部品であることから、軽量化や生産性向上による低コスト化が強く求められている。
【0003】
従来、ランプリフレクターのプラスチック化は、主としてフェノール樹脂や不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂をベースとする樹脂組成物によってなされてきた。
しかしながら、熱硬化性樹脂からなるランプリフレクターは、軽量化及び材料コスト低減という目的は一応達成できるものの、成形サイクルが長い、金型汚れが多発しクリーニングが頻繁に必要となる等の問題を含んでいる。また、成形物にバリが発生し易いため、これを除去する工程が必要となるなど、生産性の点でも問題があり、更にまた、近年、環境に対する問題からもリサイクルが可能な成形物が望まれているが、この要望に応えることは困難である。
【0004】
そこで、ランプリフレクターの熱可塑性樹脂材料への転換が検討されている。例えば、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)に、繊維状充填剤と非繊維状充填剤、または更に中空充填剤を配合することにより、耐熱性、軽量化、表面平滑性を付与することが試みられている。
【0005】
具体的には、特開平4−334801号公報では、PPSに特定径の繊維状無機質充填材、非繊維状無機質充填材及び中空状無機質充填材を配合した組成物を射出成形してなるランプリフレクターが提案されている。また日本国特開平4−227962号公報では、PPSと、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のウィスカーと、鉱物質充填剤とからなる成形用混和物を用いて成形した反射体が提案されている。
【0006】
更にまた、日本国特開平7−188555号公報では、PPSとウィスカー状ホウ酸アルミニウム強化材と非繊維状無機充填材とからなる樹脂組成物を成形してなるランプリフレクターが、日本国特開平8−41341号公報では、特定溶融粘度のPPSとチタン酸カリウムウィスカーと特定粒径の炭酸カルシウムとからなる樹脂組成物を成形してなる光反射用成形品が、日本国特開平10−237302号公報では、PPSと特定粒径の炭酸カルシウムと特定繊維径のウォラストナイトを配合してなるランプリフレクター用樹脂組成物が提案されている。
【0007】
以上のように、従来提案されている技術は、比較的安価な耐熱性を有する樹脂に繊維状充填剤を配合して、耐熱性、寸法安定性、強度を発揮させ、粒状充填剤で不足する耐熱性、強度、寸法安定性は繊維状充填剤で補強し、表面平滑性は、樹脂の本来の持っている平滑性を損なわないように、また、軽量化に関しては、中空状充填材を用いることが基本となっている。
また、ランプリフレクターに要求される物性は、耐熱性、寸法安定性、表面平滑性、軽量及び高強度の他に、比較的安価であることが不可欠である。また、ランプリフレクターは、後工程でアルミニウム等の金属蒸着が施されるが、この金属蒸着膜との接着性や表面平滑性(光沢)が要求される。価格の面では、日本国特開平10−237302号公報では、比較的安価な繊維状物質であるウォラストナイトを配合することが提案されている。
【0008】
しかしながら、上記何れの方法においても、物性は満足するとしても、非常に高価なウィスカーを使用するため、製品コストの上昇が避けられず実用に適しない。また、比較的安価な繊維状ウォラストナイトを用いた場合には、必ずしも満足し得る物性が得られているとは云い難い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形加工性に優れ、耐熱性、強度、剛性、寸法安定性、金属蒸着膜との接着性及び表面平滑性に優れ、特に自動車用ランプリフレクター等の光反射用成形体に好適な樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなる光反射用成形体を安価に提供するものである。
【0010】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアリレンスルフィドに特定の粒子径のウィスカー状炭酸カルシウムを配合してなる樹脂組成物が所期の目的を十分に満足するものであることを見いだし、本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1は、ポリアリレンスルフィドに、粒子径が1.5μm以下の粒状炭酸カルシウム及び長径5〜40μm、短径0.5〜2.0μmであり且つアスペクト比(長径/短径)が5〜50であるウィスカー状炭酸カルシウムを配合してなり、前記ウィスカー状炭酸カルシウムの配合量が7〜50重量%であることを特徴とする光反射用成形体用の樹脂組成物を内容とする。
【0012】
好ましい態様としては、ウィスカー状炭酸カルシウムのBET比表面積が1〜15m2/gである。
【0013】
好ましい態様としては、ウィスカー状炭酸カルシウムがシリコーン系表面処理剤、チタネート系表面処理剤、カルボン酸系表面処理剤、スルホン酸系表面処理剤から選ばれる少なくとも1種で表面処理されたものである。
【0014】
好ましい態様としては、粒状炭酸カルシウムが微粉重質炭酸カルシウムであり、配合量が10〜80重量%である。
【0015】
好ましい態様としては、更に、ウォラストナイトを配合してなり、配合量が5〜30重量%である。
【0016】
本発明の第2は、樹脂組成物を成形してなる光反射用成形体を内容とする。
【0017】
好ましい態様としては、光反射用成形体がランプリフレクターである。
【0018】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、成形加工性が良好で、耐熱性、強度、耐衝撃性、剛性、寸法安定性に優れるとともに、金属膜の接着性及び表面平滑性に優れた光反射用成形体を安価に提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるウィスカー状炭酸カルシウムの粒子径については、長径が5〜40μm、短径が0.5〜2.0μmであり、且つアスペクト比(長径/短径)が5〜50である。好ましくは長径が10〜30μm、短径が0.5〜1.6μmである。長径が5μm未満、又は短径が0.5μm未満では樹脂圧が上昇し作業性が悪くなるばかりでなく、表面の平滑性が損なわれる。また、長径が40μmを超え、又は短径が2.0μmを超える場合は、表面の平滑性が損なわれる。
ウィスカー状炭酸カルシムのアスペクト比(長径/短径)が5未満では耐熱性が不足し、また、50を超える場合は反りが発生する。
ウィスカー状炭酸カルシウムの粒子径は、電子顕微鏡で測定される。
このようなウィスカー状炭酸カルシウムは、例えば、日本国特開平3−88714号公報、日本国特開平4−321515号公報等に記載された方法で容易に製造可能である。
【0020】
本発明に用いられるウィスカー状炭酸カルシウムのBET比表面積は、1〜15m2/gが好ましく、より好ましくは3〜12m2/g、さらに好ましくは4〜10m2/gである。BET比表面積が15m2/gより大きい場合は、樹脂圧の上昇のため作業性が悪くなるとともに表面平滑性が悪くなりやすい。また、BET比表面積が1m2/gより小さい場合は、表面平滑性が得られにくい。BET比表面積は窒素吸着法で測定される。
【0021】
ウィスカー状炭酸カルシウムを配合するに当たり、作業性を考慮すると、ウィスカー状炭酸カルシウムの粉末かさが低いことが好ましく、粉末のかさを低下させる方法は、造粒または表面処理することで可能である。粉末かさは、20.0ml/g以下、より好ましくは15.0ml/g以下、さらに好ましくは10.0ml/g以下である。粉末かさは、JIS K 5101顔料試験法の見掛け比容(静置法)で測定される。
【0022】
本発明で用いられるウィスカー状炭酸カルシウムは、シリコーン系表面処理剤、チタネート系表面処理剤、カルボン酸系表面処理剤、スルホン酸系表面処理剤等で表面処理することが好ましい。これらの表面処理剤は、単独または2種以上併用することが可能である。より好ましくは、シリコーン系表面処理剤又はチタネート系表面処理剤で表面処理することが好ましい。
【0023】
シリコーン系の表面処理剤とは、反応性のシリル基を分子内に持つ化合物とシリコンオイル、シリコンエマルジョン等のシリケートまたはポリシリケート類である。
例えば、シランカップリング剤は2個以上の異なった反応基を持つ有機珪素単量体であり、具体的には、ビニルシラン、アクリル(メタクリル)シラン、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプト、クロルプロピル系のシランカップリング剤である。
また、1種類の反応基を持つ単量体及び部分縮合体(テトラアルキシシリケート)は、メチルシリケート、エチルシリケート、プロピルシリケート、イソプロピルシリケート、ブチルシリケート、イソブチルシリケートの単量体及び部分縮合体である。
【0024】
チタネート系の表面処理剤は、下記に示す構造式で表される。
(XO)n Ti(OR)4-n
XO:R’COO、(R”O)2P(O)O等
RO:低級アルコキシ基
n:1〜3
【0025】
カルボン酸系の表面処理剤の内の一つは、α、β不飽和カルボン酸単量体の重合物、そのアルカリ塩、アンモニウム塩及びアミンによる部分中和もしくは完全中和物からなるタイプであり、α、β不飽和カルボン酸とα、β不飽和カルボン酸ヒドロキシエステルと共重合して得られる、水酸基とカルボキシル基を含有することが好ましい。また、他の一つは、脂肪酸系の処理剤であり、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の高級脂肪酸またはアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エステル、亜鉛、鉄等の金属塩等を用いることができる。
【0026】
スルホン酸系の表面処理剤は、アルキルエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、アルキル硫酸エステル、アルキルアリール硫酸、アルキルアミド硫酸エステル、アルキルスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、αーオレフィンスルホン酸、N−アシルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等である。
【0027】
表面処理剤の処理量は通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3.0重量%、より好ましくは、0.5〜2.0重量%である。表面処理量が0.1重量%より少ない場合は、表面処理効果が十分に発現されず、また5重量%より多い場合は、ランプを曇らせる場合があり好ましくない。
【0028】
本発明に用いられるウィスカー状炭酸カルシウムの表面処理剤での表面処理方法は湿式、乾式のいずれで表面処理することも可能である。湿式で表面処理する場合は、ウィスカー状炭酸カルシウムの水または溶剤スラリーに表面処理剤を添加すればよく、乾式で表面処理する場合はヘンシェルミキサー、リボンミキサー等の粉体の撹拌装置を使用することができる。
【0029】
本発明に用いられるポリアリレンスルフィド樹脂(PAS)とは、代表的な構造式−(Ph−S−)−(但し、Phはフェニル基)で示される繰り返し単位を70%以上有するPPSである。ポリアリレンスルフィドは一般にその製造方法により実質的に線状分岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、分岐や架橋を有する構造のものが知られているが、本発明においては、その何れのタイプのものについても有効であり、また両者の共重合体または混合物であってもよい。
【0030】
ポリアリレンスルフィド樹脂の量は15〜85重量%が好ましく、より好ましくは25〜65重量%、更に好ましくは35〜55重量%である。15重量%未満では衝撃強度が低下し、一方、85重量%を越えると強度が不足するとともに耐熱性が不充分となる。
【0031】
ウィスカー状炭酸カルシウムの配合量は〜50重量%であり、好ましくは〜30重量%、さらに好ましくは7〜20重量%である。重量%より少ない場合は耐熱性、強度が不充分であるとともに金属膜の接着力が低くなり、また50重量%より多い場合は樹脂圧の上昇のため作業性が悪くなるとともに表面平滑性が悪くなる。
【0032】
本発明に用いられる粒状炭酸カルシウムは、化学的に反応して得られるコロイド炭酸カルシウムと機械的に粉砕分級して得られる重質炭酸カルシウムがあり、いずれも使用可能であるが、コストパフォーマンスを考えると、後者を微粉砕した微粉重質炭酸カルシウムが好ましい。微粉重質炭酸カルシウムは乾式と湿式の製造方法があるが、いずれの製造方法によるものでも使用できる。
粒状炭酸カルシウムの配合量は、10〜80重量%、好ましくは30〜60重量%、さらに好ましくは40〜55重量%である。10重量%未満では耐熱性を満足することができず、また80重量%を越えると樹脂圧の上昇で作業性が悪くなる場合がある。
【0033】
コロイド炭酸カルシウムの粒子径は電子顕微鏡写真による粒子径が一般的であるが、微粉重質炭酸カルシウムの粒子径は不定形であるため、比表面積(空気透過式)から換算した粒子径を用いるのが一般的であり、(6×104 )/(2.7×比表面積)で計算される。例えば、ランプリフレクターとして有効な粒子径は1.5μm以下で、好ましくは1μm以下である。平均粒子径が1.5μmより大きい場合は表面平滑性が悪くなることがある。また、レーザー式粒度分布計(マイクロトラックFRA)で測定した値で10μm以上の粗大な粒子が5%以下が好ましく、より好ましくは0%である。さらに好ましくは、5μm以上の粗大粒子が0%である。10μm以上の粗粒子が5%より多い場合は、表面平滑性が悪くなることがある。
【0034】
ウィスカー状炭酸カルシウム以外の耐熱性、寸法安定性の補強剤としては、ガラス繊維、チタン酸カリウィスカー、ホウ酸アルミウィスカー、酸化チタンウィスカー、ロックウール、石膏ウィスカー、ウォラストナイト、アパタイトウィスカー等と併用が可能であるが、特にコストパフォーマンスを含め、石膏ウィスカーとウォラストナイトが好ましく、特にウォラストナイトが好ましい。これらのCaを主成分とするウィスカー状フィラーを使用することで、ランプリフレクター等成形物の金属蒸着性及びメッキ性が改善される。
【0035】
石膏ウィスカーとしては、長径が50〜60μm、短径が2μm程度の市販されている石膏ウィスカーが使用可能であり、ウォラストナイトは、長径が20〜50μm、短径が0.1〜5μmのものが使用可能である。これらの配合量は5〜30重量%が好ましい。5重量%未満では添加効果が十分でなく、また30重量%を越えると表面平滑性が悪くなる場合がある。
【0036】
本発明に配合されるその他の添加剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤などの通常の添加剤及び少量の多種ポリマーを添加することができる。また板状形状を有するセリサイト、カオリン、マイカ、タルク、ベントナイトを添加することも可能である。また、軽量化のために、中空状フィラーを用いることも何ら問題ない。
【0037】
本発明で用いれる樹脂組成物の調製方法は特に制限はなく、例えば、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの溶融混合機に供給して混練することが可能である。原料の混合順序にも特に制限はなく、ポリアリレンスルフィド樹脂と、粒状充填剤とウィスカー状炭酸カルシウム、必要に応じその他の充填剤をドライブレンドした後、上述の方法で溶融混練りする方法、ポリアリレンスルフィド樹脂と粒状充填剤をドライブレンドした後にウィスカー状炭酸カルシウムをサイドフィードする方法等のいずれでもよいが、ウィスカー状炭酸カルシウムを含めた充填剤は、細かく分散することが好ましい。
【0038】
充填剤の混練りの程度は比較的強いシェアーで混練りすることによって、好ましい平滑性が得られる。ウィスカー状炭酸カルシウムのアスペクト比が10以下、より好ましくは8以下程度になるような条件で混練りすることが好ましいが、アスペクト比が3未満までなるような強いシェアーで混練りした場合は、耐熱性、強度が不足する傾向がある。従って、ウィスカー状炭酸カルシウムのアスペクト比が10〜3になるようなシェアーで混練りするのが望ましい。また、樹脂中のフィラーの分析は、500℃で2時間焼成し、樹脂分を除去することによって確認が可能である。
【0039】
このようにして得られた樹脂組成物は、射出成形等によりランプリフレクター等の光反射用成形体とされる。例えば、樹脂組成物は十分な容量と型締力を有する射出成形機を用いて射出成形され、得られた成形体の表面を真空蒸着またはメッキ(化学メッキ、電気メッキ)等の方法を用いて、アルミニウム、亜鉛などの金属コーティングが施され、ランプリフレクター等の光反射用成形体が得られる。金属コーティングの際には予め成形体表面をプライマー処理することも可能である。
【0040】
【実施例】
以下実施例と比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
尚、以下の記載において、「部」、「%」は「重量部」、「重量%」を表す。
【0041】
(A)ウィスカー状炭酸カルシウム
(1)ウィスカー状炭酸カルシウム(表面処理なし)a〜eの準備
表1に示す如く、粒子径の異なったウィスカー状炭酸カルシウムa〜eを用意した。
【0042】
【表1】
Figure 0004603694
【0043】
(2)表面処理ウィスカー状炭酸カルシウムf
表1に示すウィスカー状炭酸カルシウムa(丸尾カルシウム株式会社製商品名ウィスカルA)2.5kgをスーパーミキサー(株式会社カワタ製)に投入混合撹拌しながら、ウィスカー状炭酸カルシウムaに対して1%のシランカップリング剤(KBM-1003 ビニルトリメトキシシラン 信越化学工業製)を20重量%水スラリーとしてウィスカー状炭酸カルシウムに噴霧処理した後、100℃で1時間加熱処理し、カップリング剤表面処理ウィスカー状炭酸カルシウムf(粉末かさ:5ml/g)を得た。
【0044】
(B)微粉重質炭酸カルシウムg〜iの準備
表2に示すように、粒子径の異なる3種の微粉重質炭酸カルシウムg〜iを用意した。
【0045】
【表2】
Figure 0004603694
【0046】
(C)ウォラストナイトjの準備
Partek社製商品名:ウィクロール10(長径/短径=8 短径4.3μm)を用意した。
【0047】
実施例1〜2、比較例1〜4
PPS樹脂(溶融粘度:1900ポイズ、東ソー・サスティール株式会社製)40重量%、微粉重質炭酸カルシウムh45重量%に、粒子径の異なるウィスカー状炭酸カルシウムa〜e及び表面処理ウィスカー状炭酸カルシウムfを15重量%ブレンドした後、2軸押出機を用いて320℃で溶融混練し、ペレット化した。ついで射出成形機によって平板状の成形品を得、下記の方法で引張強度、曲げ強度及び衝撃強度を測定した。また、平板状の成形品に真空蒸着法にてアルミニウム蒸着を施し、下記の方法で金属膜の接着力及び光沢度を測定した。
結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0004603694
引張強度:ASTM D638
曲げ強度:ASTM D790
衝撃強度:ASTM D256
【0049】
金属膜の接着力:
アルミニウム蒸着した平板状成形品において、10mm四方のアルミニウム蒸着膜にカッターナイフを用いて1mm間隔で傷を付け、アルミニウム蒸着膜を計100個の碁盤目状区画に区分した。この表面にセロハンテープを張り付け、剥がした時に平板状成形品に残ったアルミニウム蒸着膜の区画数を数え、下記の基準により4段階評価した。
◎:残ったアルミニウム蒸着膜の区画数が90個以上
○:残ったアルミニウム蒸着膜の区画数が70個以上90個未満
△:残ったアルミニウム蒸着膜の区画数が50個以上70個未満
×:残ったアルミニウム蒸着膜の区画数が50個未満
【0050】
金属膜の光沢度(表面平滑性):
アルミニウム蒸着膜の光沢度をJIS K7105(1981)によって測定し、下記の基準により4段階で評価した。
◎:光沢度120以上
○:光沢度111以上120未満
△:光沢度100以上110未満
×:光沢度100未満
【0051】
実施例3、4、比較例5、6
ウィスカー状炭酸カルシウム及び微粉重質炭酸カルシウムhの配合量を表4に示す如く変更した他は、実施例1〜2、比較例1〜4と同様に操作した。結果を表4に示す。尚、比較のために実施例1も併せて示した。
【0052】
表4
Figure 0004603694
【0053】
実施例、比較例
微粉重質炭酸カルシウムの種類を表5に示す如く変更した他は、実施例1〜2、比較例1〜4と同様に操作した。結果を表5に示す。尚、比較のために実施例1も併せて示した。
【0054】
表5
Figure 0004603694
【0055】
実施例6、7、比較例8、9
ウォラストナイトを表6に示す如く添加した他は、実施例1〜2、比較例1〜4と同様に操作した。結果を表6に示す。
【0056】
表6
Figure 0004603694
【0057】
以上の表1〜表6の結果から、本発明はウィスカーとして炭酸カルシウムを用いたことにより、安価で、樹脂との相溶性が良く、更に粒状充填剤として炭酸カルシウムを用いると、充填剤同士の相溶性が良く、機械的強度のみならず、金属膜との接着性、表面平滑性(金属膜の光沢度)が改善されたものと考えられる。

Claims (8)

  1. ポリアリレンスルフィド樹脂に、粒子径が1.5μm以下の粒状炭酸カルシウム及び長径5〜40μm、短径0.5〜2.0μmであり且つアスペクト比(長径/短径)が5〜50であるウィスカー状炭酸カルシウムを配合してなり、前記ウィスカー状炭酸カルシウムの配合量が7〜50重量%であることを特徴とする光反射用成形体用の樹脂組成物。
  2. 粒状炭酸カルシウムのレーザー式粒度分布計で測定した10μm以上の粗大粒子が5%以下である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ウィスカー状炭酸カルシウムのBET比表面積が1〜15m2/gである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. ウィスカー状炭酸カルシウムがシリコーン系表面処理剤、チタネート系表面処理剤、カルボン酸系表面処理剤、スルホン酸系表面処理剤から選ばれる少なくとも1種で表面処理されたものである請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 粒状炭酸カルシウムが微粉重質炭酸カルシウムであり、配合量が10〜80重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 更に、ウォラストナイトを配合してなり、配合量が5〜30重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる光反射用成形体。
  8. 光反射用成形体がランプリフレクターである請求項記載の光反射用成形体。
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