JPH09157523A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物Info
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- JPH09157523A JPH09157523A JP31785795A JP31785795A JPH09157523A JP H09157523 A JPH09157523 A JP H09157523A JP 31785795 A JP31785795 A JP 31785795A JP 31785795 A JP31785795 A JP 31785795A JP H09157523 A JPH09157523 A JP H09157523A
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Abstract
などの金属部を腐蝕、汚染することがなく、又、金属材
を組み合わせた成形部品における金属の対腐蝕性が改善
され、しかも成形品の機械物性に優れたポリアリーレン
サルファイド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 1
00重量部に対して、(B) 亜鉛、マグネシウム、バリウム
から選ばれた金属の炭酸塩、水酸化物、酸化物又はそれ
らの混合物又は複塩 0.1〜10重量部、(C) 次亜燐酸又は
その塩0.05〜2重量部及び(D) 無機充填剤5〜400 重量
部を配合し溶融混練する。
Description
ーレンサルファイド樹脂組成物に関する。更に詳しく
は、成形加工性に優れ、特に成形時における金型などの
金属部を腐蝕、汚染することがなく、又、金属材を組み
合わせた成形部品における金属の対腐蝕性が改善され、
しかも成形品の機械物性に優れたポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂組成物に関する。
機器部品材料、化学機器部品材料等の各種機械部品に
は、高い機械物性を有し、且つ耐熱性、耐薬品性、難燃
性の熱可塑性樹脂が要求されてきている。ポリフェニレ
ンサルファイド(PPS)に代表されるポリアリーレン
サルファイド(PAS)樹脂もこの要求に応える樹脂の
一つであり、ガラス繊維等の充填剤を配合し、物性を改
良してその需要を伸ばしている。しかしながら、この樹
脂は分子構造中にイオウ原子を有し、又、製造原料がイ
オウや塩素及びナトリウムの如きアルカリ金属を含有し
ていて、樹脂合成時にイオウや塩素、アルカリ金属等を
多量に含有する副生成物が生成されるという欠点を持っ
ていて、成形時に金型等の金属材を腐蝕汚染する難点を
有し、又、成形部品材料として使用した時、部品中にイ
ンサートされる金属や、メッキあるいは蒸着した金属を
腐蝕、汚染して支障をきたすなどの問題点が有る。この
問題点を解決するための技術として、重合したPAS樹
脂を酸や熱水、有機溶剤等で脱イオン処理し、洗浄して
これらの不純物を500ppm以下、更には200ppm以下に低減
することが提案され、かなり有効ではあるが、PAS樹
脂及びその組成物は成形加工温度が少なくとも 280℃以
上で極めて高いため、これらの不純物を除去精製しても
尚成形加工時に腐蝕性のガスを発生し、金属に対する耐
蝕性が充分でない。また、従来PAS樹脂に腐蝕性を改
善するため腐蝕性物質の捕捉剤を添加することにより、
その改善を図る各種方法が提案され、例えば、特開平2
−105857号公報には、PAS樹脂の金属に対する腐蝕防
止剤として、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、及び両者の複塩等
から選ばれた何れか一種、又はそれらの混合物をPAS
樹脂に配合することにより、PAS樹脂成形時の金型
や、成形品に組み込まれる金属材料に対する腐蝕、汚染
の防止に極めて有効であることが開示されている。しか
し、本発明者らが更に検討した結果、かかる防蝕剤の配
合は金属の腐蝕防止には有効であるが、反面、機械的物
性を低下させる傾向が認められ、特にガラス繊維その他
の無機強化剤や充填剤を配合する場合には上記防蝕剤が
PAS樹脂と強化剤や充填剤との接着性を阻害するため
か、機械的強度、靭性等の機械的物性が低下することが
認められ、この傾向は防蝕剤の配合量が増加すると特に
著しく、この点に対する改善が重要な問題となった。
鑑み、PAS樹脂組成物の成形時の金型やその使用時の
金属に対する腐蝕、汚染性を改善し、しかも比較的多量
の耐蝕剤を用いても引張強伸度、衝撃強度、靭性等の機
械的物性に対する悪影響がなく、優れた金属耐蝕性と機
械的物性を兼備したPAS樹脂組成物を提供することを
目的とする。
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、PAS樹脂に対し、
亜鉛、マグネシウム、バリウム等の炭酸塩、水酸化物、
酸化物からなる前記防蝕剤と共に、次亜燐酸又はその塩
を併用して配合することにより、その耐蝕性が著しく改
善すると共に、かかる防蝕剤による機械的物性に対する
悪影響が解消し、優れた機械的物性を維持し、両特性を
共に兼備することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち本発明は (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100重量部に対し
て (B) 亜鉛、マグネシウム、バリウムから選ばれた金属の
炭酸塩、水酸化物、酸化物又はそれらの混合物又は複塩
0.1〜10重量部 (C) 次亜燐酸又はその塩0.05〜2重量部 (D) 無機充填剤5〜400 重量部を基本的な構成成分とし
て配合し溶融混練してなるポリアリーレンサルファイド
樹脂組成物である。
細説明する。先ず本発明に用いる(A) 成分としてのPA
S樹脂は、主として繰り返し単位(-Ar-S-)(ただしArは
アリーレン基)で構成されたものである。アリーレン基
としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン
基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p'−ジフ
ェニレンスルフォン基、p,p'−ビフェニレン基、p,p'−
ジフェニレンエーテル基、p,p'−ジフェニレンカルボニ
ル基、ナフタレン基などが使用できる。この場合、前記
のアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド
基のなかで、同一の繰り返し単位から成るホモポリマー
を用いることができるし、組成物の加工性という点か
ら、異種繰り返し単位を含んだコポリマーでもよい。ホ
モポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレ
ン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰り返
し単位とするポリpフェニレンサルファイド(PPS)
が最も代表的なものであり、中でも実質上線状のポリフ
ェニレンサルファイドが特に好ましく用いられる。コポ
リマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレ
ンサルファイド基、を主体とし、相異なる2種以上の組
合せが使用できるが、なかでもp−フェニレンサルファ
イド基を主とし、他の繰り返し単位を含む組合せが特に
好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンサルフ
ァイド基を60モル%以上、より好ましくは70モル%以上
含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の
点から適当である。この場合、成分の繰り返し単位がラ
ンダム状のものより、ブロック状に含まれているもの
が、加工性に優れ、且つ耐熱性、機械的物性にも優れて
おり、好ましく使用できる。好ましい共重合成分として
は例えばm−フェニレン基が挙げられるが、これに限定
されるものではない。本発明に用いるポリアリーレンサ
ルファイド樹脂は2官能性モノマーから重縮合によって
得られる実質的に線状構造の高分子量のポリマーが好ま
しいが、比較的低分子量の線状ポリマーを酸化架橋又は
熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良し
たポリマーにも適用できる。また、モノマーの一部とし
て3個以上の官能基を有するモノマーを少量併用して重
合した任意の分岐又は架橋構造を有するPAS樹脂も使
用する事ができる。また、本発明に用いられるポリアリ
ーレンサルファイド樹脂は各種の置換基等の導入された
変性ポリアリーレンサルファイド樹脂であってもよい。
更に本発明において使用するPAS成分(A) は、目的に
応じ所望の特性を得るため前記各種のPAS樹脂のう
ち、2種以上を混合併用する事が望ましい場合があり、
例えば流動性等の見地から2種の粘度の異なるPAS樹
脂の併用、或いは成形性(例えばバリの防止、成形サイ
クル)等の見地から実質的に線状のPAS樹脂と、少量
の適度に分岐または架橋構造を有する、溶融粘度 200〜
2000Pa・s(310 ℃、剪断速度 1200sec-1)のPAS樹
脂との併用等も特に好ましい組合せの例として挙げられ
る。尚、本発明において使用するPAS樹脂(A) は、重
合後、適当な方法で脱イオン処理を行い、塩素やナトリ
ウム等のアルカリ金属の含量を一定限度以下(夫々500p
pm以下、好ましくは200ppm以下)に低減除去して使用す
るのが本発明の目的とする金属腐蝕性を改善する上で望
ましいことは当然であるが、必ずしもかかる精製処理を
行なわなくても本発明の効果は発揮される。
る目的で加えられるもので、亜鉛、マグネシム、バリウ
ムから選ばれた金属の炭酸塩、水酸化物、酸化物又はそ
れらの混合物又は複塩であり、例えば炭酸亜鉛、水酸化
亜鉛、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化バリウ
ム、酸化バリウム、またはこれら2種以上から成る複
塩、混合物等が例示され、特に好ましくは炭酸亜鉛、水
酸化亜鉛、及びこれらの複塩(例えば塩基性炭酸亜鉛 m
ZnCO3・nZn(OH)2)である。上記(B) 成分の配合量の下
限は、耐蝕性の見地からPAS樹脂(A)100重量部に対し
少なくとも 0.1重量部、好ましくは 0.2重量部以上、特
に好ましくは 0.3重量部以上である。また、その上限は
機械的物性や分散性の見地からPAS(A)100重量部に対
して10重量部以下、好ましくは7重量部以下、特に好ま
しくは5重量部以下である。
その塩を配合することを特徴とし、例えば次亜燐酸、或
いは次亜燐酸カルシウム、次亜燐酸亜鉛、次亜燐酸マグ
ネシウム、次亜燐酸カリウム、次亜燐酸ナトリウム等の
亜鉛、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩類から選
ばれた少なくとも1種又は2種以上が挙げられ、好まし
くは次亜燐酸カルシウム、次亜燐酸マグネシウム、次亜
燐酸亜鉛である。上記(C) 成分の配合量の下限は物性改
善の効果から見るとPAS樹脂(A)100重量部に対し少な
くとも0.05重量部以上、好ましくは 0.1重量部以上であ
る。また、その上限は機械的物性や分散性等の見地から
PAS樹脂(A) 100 重量部に対して2重量部以下、好ま
しくは1重量部以下である。過少であると目的とする機
械的物性に対する改善効果が得られず、又過大であって
も不利となる。上記(C) 成分を(B) 成分と共存させるこ
とにより、意外にも(B) 成分の有する防蝕性機能を何ら
阻害することなく、両者の相互作用により、(B) 成分に
よる機械的物性に対する悪影響が改善されることが確認
された。特に(C) 成分は、そのまま添加しても有効であ
るが、後述の無機充填剤(D) にその一部又は全部を予め
付着させて、これを他の成分に配合すると、更に一層の
効果が得られる。(C) 成分を付着させる方法に関しては
特に制限は無く、例えば上記化合物を含む溶液を充填剤
にスプレーし、或いはガラス繊維などの場合ではロール
コーターを用いて繊維に上記溶液を塗布することも出来
る。また、一般的にガラス繊維等の表面処理剤として使
用される、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂の収束剤あるい
はアミノシラン、エポキシシラン等のカップリング剤と
共に処理することも勿論可能である。
は、目的に応じて繊維状、粉粒状又は板状の充填剤又は
これらの混合物が用いられる。繊維状充填剤としては、
ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊
維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素
繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更
にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金
属の繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特
に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維又はカーボン繊維
である。一方、粉粒状充填剤としては、カーボンブラッ
ク、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス
粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、タ
ルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸
塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属の酸化
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸
塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉
末等が挙げられる。又、板状充填剤としては、マイカ、
ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。これら
の無機充填剤は1種又は2種以上併用することができ
る。繊維状充填剤、特にガラス繊維又は炭素繊維と、粉
粒状又は板状充填剤の併用は特に機械的強度と寸法精
度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組合せであ
る。また、これらの充填剤の使用にあたっては必要なら
ば前記の如く(C) 成分を予めその表面に付着させて使用
するか、更に収束剤または表面処理剤を使用することが
好ましい。表面処理剤等の例を示せば、エポキシ系化合
物、イソシアネート系化合物、後記アルコキシシランも
含むシラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化
合物である。(D) 成分としての無機充填剤の配合量の下
限は、剛性、機械的物性等の点でPAS樹脂(A)100重量
部に対し、少なくとも5重量部、好ましくは10重量部以
上、特に好ましくは15重量部以上であり、又その上限は
組成物の調製、成形加工性の点で 400重量部以下、好ま
しくは 300重量部以下、特に好ましくは 250重量部以下
である。
が、更にアルコキシシラン化合物(E)を配合することが
好ましい。アルコキシシランとしてはアミノアルコキシ
シラン、エポキシアルコキシシラン、メルカプトアルコ
キシシラン、ビニルアルコキシシラン等があげられ、中
でもアミノアルコキシシランが好ましい。かかるアルコ
キシシランの配合量はPAS樹脂 100重量部に対し3重
量部以下、好ましくは0.1 〜2重量部である。かかるシ
ラン化合物は前記の如く、無機充填剤(D) に予め付着さ
せて配合してもよく、又別に加えてもよく、両者を併用
してもよい。
防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着
色剤、離型剤、難燃剤、その他公知の添加剤を添加する
ことができる。又、本発明の組成物は、その諸性質を改
善、補足する目的で、補助的に他の熱可塑性樹脂や有機
質充填剤を併用含有させることも出来る。かかる目的で
配合される熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン,
ポリプロピレン或いはこれらの変性重合体等のポリオレ
フィンを主体とするオレフィン系重合体又は共重合体、
ナイロン6,ナイロン66,その他のポリアミド系重合体
又は共重合体、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチ
レンテレフタレート等を主体とするポリエステル重合体
又は共重合体、液晶性ポリエステル重合体、ポリスチレ
ン,ポリスチレンアクリロニトリル,ABS等のスチレ
ン系重合体、ポリアルキルアクリレートの如きアクリル
系重合体、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリエーテルサル
ホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、フッ
素樹脂などを挙げることができる。またこれらの熱可塑
性樹脂は2種以上混合して使用することもできる。又、
有機質充填剤としては、フッ素樹脂、芳香族ポリアミド
の如き高融点の繊維状又は粉粒状の重合体が例示され
る。
樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製す
ることができる。即ち、前記の(A),(B),(C),(D) 、要す
れば更に(E) 成分を混合し、1軸又は2軸の押出機を使
用して溶融混練し、押出して成形用ペレットとすればよ
く、又、前記の如く(D) 成分に予め(C) 成分を付着させ
て配合するか、或いは樹脂成分の一部を他の成分と予め
混合してマスターバッチとし、残りの成分と配合し溶融
混練してもよく、直接成形に供してもよい。
出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等に好適であ
る。
優れ、特に鉄、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、コバル
ト、アルミニウム、銀等、或いはこれらを主体とする合
金等、各種金属類の腐蝕、汚染性が著しく改善され、成
形時の金型等、成形加工設備の接触部材を腐蝕汚染する
ことがなく、又、成形品に接触して用いられる金属部材
を腐蝕汚染することがないため、加工設備や成形部品の
寿命を延長し、又、長期にわたり精確な寸法の成形品を
得ることが出来る。又、本発明によれば、従来の腐蝕防
止剤の配合にみられる如き機械的物性に対する悪影響が
著しく改善され、優れた金属耐蝕性と機械的物性を兼備
したPAS樹脂組成物を提供することができる。
本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例及
び比較例に使用した(B),(C),(D) 及び(E) 成分は以下の
通りである。 (B) 成分(防蝕剤) B-1:塩基性炭酸亜鉛(2ZnCO3・3Zn(OH)2) B-2:炭酸亜鉛(ZnCO3) B-3:水酸化亜鉛(Zn(OH)2) B-4:炭酸マグネシウム(MgCO3) B-5:酸化マグネシウム(MgO) (C) 成分 C-1:次亜燐酸カルシウム C-2:次亜燐酸亜鉛 C-3:次亜燐酸 (D) 成分 D-1:ガラス繊維 D-2:炭酸カルシウム (E) アルコキシシラン E-1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 実施例1〜13、比較例1〜8 (A) 成分として、実質的に線状のポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂(粘度50Pa・s (310 ℃、 1200sec-1))10
0 重量部に対し、表1に示す如く(B) 成分、(C) 成分及
び(D) 成分を加え、場合により更に(E) 成分を加えて良
く混合した後に、この混合物をシリンダー 310℃の押出
機で溶融混練し、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成
物のペレットを作成した。このペレットについて金属に
対する腐蝕性及び引張強伸度、アイゾット衝撃強度を測
定した(表1)。また比較のために、(B) 成分及び又は
(C) 成分を含まない場合についても同様に溶融混練押出
を行って、組成物ペレットを調製し、同様に評価した
(表2)。評価結果を夫々表1(実施例)及び表2(比
較例)に示す。尚、評価方法は以下の通りである。 〔耐蝕性〕内径30mm、高さ150mm の試験管の底部に上記
ペレットを22g入れ、ステンレス鋼(SUS-304) の板を2
mm×12mmの大きさに切断してペレット最上部から約60mm
の高さに金属板が位置するように吊るした。試験管上部
に栓をし、 310℃で5hr保持した後、金属板を取り出し
て目視及び顕微鏡により観察して腐蝕状態を調べ、その
腐蝕状態の程度により以下の如く相対的な等級付けを行
った。 A B C D E ←─────────────────────→ 腐蝕性小 腐蝕性顕著 〔引張強伸度〕射出成形機でシリンダー温度320 ℃、金
型温度150 ℃でASTM D-638に準拠し、引張強度と引張伸
度を測定した。 〔衝撃強度〕ASTM D-256に準じ、アイゾット衝撃強度を
測定した。
-1) に対し、溶剤に溶かした次亜燐酸カルシウム(C-1)
の溶液を用いて表3に示した割合となる様に塗布し、充
分乾燥して、予め付着させた状態で使用した以外は実施
例2,3、比較例2と同様の条件で組成物を調製し、評
価した。結果を表3に示す。
た。結果を表4に示す。
Claims (9)
- 【請求項1】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100
重量部に対して (B) 亜鉛、マグネシウム、バリウムから選ばれた金属の
炭酸塩、水酸化物、酸化物又はそれらの混合物又は複塩
0.1〜10重量部 (C) 次亜燐酸又はその塩0.05〜2重量部 (D) 無機充填剤5〜400 重量部を配合し溶融混練してな
るポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項2】(C) 成分の一部又は全部を、予め(D) 成分
に付着させて、他の成分と配合し、溶融混練してなる請
求項1記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項3】更に(E) アルコキシシラン化合物を(A) 成
分 100重量部に対して 0.1〜3重量部配合した請求項1
又は2記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項4】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂が、
p−フェニレンサルファイド基を70モル%以上有する実
質的に直鎖状のポリフェニレンサルファイド樹脂を主体
とするものである請求項1〜3の何れか1項記載のポリ
アリーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項5】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂が、
重合後、脱イオン処理してなる、塩素含有量及びアルカ
リ金属含有量が夫々500ppm以下のポリアリーレンサルフ
ァイドである請求項1〜4の何れか1項記載のポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項6】(B) 成分が、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛及び両
者の複塩(塩基性炭酸亜鉛)から選ばれた一種又はそれ
らの混合物である請求項1〜5の何れか1項記載のポリ
アリーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項7】(C) 成分の次亜燐酸塩が、亜鉛、アルカリ
金属又はアルカリ土類金属の塩である請求項1〜6の何
れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成
物。 - 【請求項8】(D) 成分の無機充填剤が、繊維状、粉粒状
及び板状充填剤の少なくとも1種又は2種以上の混合物
である請求項1〜7の何れか1項記載のポリアリーレン
サルファイド樹脂組成物。 - 【請求項9】(D) 成分の無機充填剤が、ガラス充填剤で
ある請求項1〜8の何れか1項記載のポリアリーレンサ
ルファイド樹脂組成物。
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JP07317857A JP3113191B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
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Cited By (5)
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US6534124B2 (en) | 1999-02-22 | 2003-03-18 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Method of producing the plated molded articles by non-electrode plating, and the resin compositions for that use |
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-
1995
- 1995-12-06 JP JP07317857A patent/JP3113191B2/ja not_active Expired - Fee Related
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