JP2007154167A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は従来のポリフェニレンスルフィド樹脂の優れた耐熱性、寸法安定性、および難燃性などを維持し、強度、低ガス性に優れ、特に優れた金属膜を蒸着するための表面平滑性と剛性を両立したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および光反射用成形体を提供する。
【解決手段】
(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)合成マイカ1〜99重量部、(C)炭酸カルシウム0.1〜200重量部、(D)粒状無機充填材0.1〜200重量部を(B),(C),(D)重量比率が((B)/((C)+(D)))≦1.0となるように配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた表面平滑性と剛性を有する成形品が得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは、金属膜を形成するための表面平滑性が優れ、かつ、機械的特性、耐熱性、低ガス性が優れるなどの特性バランスに優れるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および光反射用成形体に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPS樹脂と略す。)は優れた耐熱性、剛性、寸法安定性、および難燃性などエンジニアリングプラスチックとしては好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などに広く使用されている。
しかしながら、表面平滑性に優れ、強度を必要とする成形品に使用する場合、無機充填材を配合するが、粒径の大きい無機充填材を配合すると表面平滑性が悪くなる。そこで、表面平滑性を向上させるために、無機充填材の粒径を小さくする必要があった。しかし、無機充填材の粒径を小さくすると強度が低下するなどの問題があったために、成形品の表面平滑性と剛性の両立はこれまで困難であった。
また、アルミニウム等の金属を成形品の表面に被覆して鏡面を形成する際、樹脂の成形後、何の表面処理もせずに該金属を蒸着等の方法により被覆すると、ガスの表面固着、あるいは表面に存在する充填材に起因する微細な凹凸等により充分な表面平滑性が得られない問題があり、これらを満足できるPPS樹脂組成物は未だ得られていないのが現状である。
この高い表面平滑性の向上を目的にこれまでにいくつかの充填材の検討が成されている。例えば、特許文献1ではPPS樹脂に繊維状充填材および硫酸バリウムを配合する組成物が開示されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば衝撃強度が高いが剛性が低く、繊維状充填材の配合量が多すぎ充分な表面平滑性が得られないことが判った。また、単に硫酸バリウムと繊維状充填材を併用するのみでは金属膜を形成した後に熱処理すると曇りが発生し充分な表面外観が得られないことがわかった。特許文献2では、PPS樹脂に合成マイカを配合するPPS樹脂組成物が記載されているが、この組成物は金属やシリコーンチップとの密着性は良いが、表面平滑性に劣ることが判った。特許文献3では、PPS樹脂にマイカと他の無機充填材を配合する組成物が開示されているが、充分な表面平滑性や外観が得られず、さらに低ガス性などの成形性にも劣り、金属膜を形成しても充分な外観が得られないことが判った。
特開2005−171242号公報(第1−4頁) 特開平2−292362号公報(第1−2頁) 特開平8−41340号公報(第1−4頁)
本発明は上述した従来のポリフェニレンスルフィド樹脂の優れた耐熱性、寸法安定性、および難燃性などを維持し、強度、低ガス性に優れ、特に優れた剛性、金属膜を形成するための表面平滑性を両立させたPPS樹脂組成物および光反射用成形体の提供を課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定組成の特定大きさの合成マイカ、炭酸カルシウム、および粒状無機充填材を配合したPPS樹脂組成物とすることにより上記問題点が解決されることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、
(1)(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)合成マイカ1〜99重量部、(C)炭酸カルシウム0.1〜200重量部、(D)粒状無機充填材0.1〜200重量部を(B),(C),(D)の重量比率が((B)/((C)+(D)))≦1.0となるように配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(2)(B)合成マイカがフッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、およびナトリウムヘクトライトから選択される1種類以上である(1)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(3)(B)合成マイカの平均粒径が0.1〜40μmである(1)または(2)に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(4)(C)炭酸カルシウムの平均粒径が0.1〜10μmである(1)〜(3)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(5)(D)粒状無機充填材が硫酸バリウム、タルク、カオリンから選択される1種類以上である(1)〜(4)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(6)硫酸バリウムの平均粒径が3μm以下である(5)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(7)タルクの平均粒径が10μm以下である(5)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(8)カオリンの平均粒径が10μm以下である(5)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(9)さらに(E)滑剤を(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部配合してなる(1)〜(8)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(10)320℃、2時間での加熱減量が0.3重量%以下である(1)〜(9)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(11)メルトフローレート(315℃、5分滞留、予備加重325g、測定荷重2160g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定する)が15g/10分〜150g/10分である(1)〜(10)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(12)(1)〜(11)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品、
(13)表面平均粗さRaが100nm以下である(12)記載の成形品、
(14)(12)または(13)記載の成形品の表面に金属膜を形成してなる光反射用成形体、
を提供するものである。
本発明は従来のポリフェニレンスルフィド樹脂の優れた耐熱性、寸法安定性、および難燃性などを維持し、強度、低ガス性に優れ、特に優れた剛性、金属膜を形成するための表面平滑性を両立させたPPS樹脂組成物および光反射用成形体の提供を課題とするものである。
次に、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明で用いるPPS樹脂とは、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
Figure 2007154167
耐熱性の点から、好ましくは上記構造式で示される繰り返し単位を含む重合体を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む重合体である。またPPSはその繰り返し単位の30モル%以下程度が、下記の構造を有する繰り返し単位等で構成されていてもよい。
Figure 2007154167
上記PPS樹脂は、特公昭45−3368号公報で代表される製造方法により得られる比較的分子量の小さな重合体を得る方法、或いは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などの公知の方法によって製造できる。
上記により得られたPPS樹脂は、そのまま使用してもよく、また空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下或は減圧下での熱処理、また、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄を施した上で使用することも可能である。さらに、2種類以上の異なる分子量分布のものを混合して使用することも可能である。
本発明で用いられるPPS樹脂のメルトフローレート(MFR)は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、315.5℃、5分滞留、荷重5000g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いた測定値として10000g/10分以下であることが好ましく、5000g/10分以下であることがより好ましく、2000g/10分以下であることがさらに好ましい。下限としては特に制限はないが、溶融粘度の点から10g/10分以上であるのがよく、50g/10分以上であることがより好ましい。
本発明で用いられるPPS樹脂の371℃、1時間の加熱減量は1.0重量%以下であると発生ガス量が抑制できる点で好ましく、なかでも0.8重量%以下であることが好ましく、0.7重量%以下であるのがさらに好ましい。下限については低い方が好ましいが、通常0.05重量%以上で十分な効果が得られる。加熱減量は、PPS樹脂1gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥した後、重量を測定し、371℃の空気中で1時間処理し、再度重量を測定する。371℃の処理による重量の減量を処理前の重量で除してパーセント表示したのが加熱減量である。
上記特性を有するPPS樹脂を得るための製造方法としては、上記特性が得られる限り特に制限はないが、ポリマーは実質的に直鎖状で不純物が少ない未架橋の重合体を用い、所望の特性となるまで有機溶媒、熱水、酸水溶液などにより洗浄を施す方法が挙げられる。
有機溶媒で洗浄する場合、用いる有機溶媒としてはPPSを分解する作用を有しないものであれば特に制限はない。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホラスアミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエ−テル、ジプロピルエ−テル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ−テル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、パ−クロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パ−クロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、フェノ−ル、クレゾ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどのアルコ−ル・フェノ−ル系溶媒、及びベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
洗浄温度についても特に制限はなく、通常、常温〜300℃程度が選択される。酸水溶液で洗浄する場合、用いる酸としてはPPSを分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸及びプロピル酸などが挙げられる。また、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネ−ト基などの官能基含有化合物による活性化などの種々の処理を施した上で使用することも可能である。
本発明で用いる(B)合成マイカは、下記一般式で示される。
1/3〜12〜3(Z10)F1.5〜2.0
〔式中、XはNa、K、Ca2+、Li,Ba2+、Rb2+およびSr2+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、Yは、Mg2+,Fe2+、Ni2+、Mn2+、Al3+,Fe3+およびLiからなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、ZはAl3+、Si4+、Ce4+、Fe3+およびB3+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表す。〕
本発明で使用する合成マイカの具体例としてフッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムヘクトライト、ナトリウムテトラシリシックマイカ、ナトリウウムテニオライトなどが挙げられ、これらは1種以上使用される。その中でも特にフッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムヘクトライトから選択される1種以上が好ましい。
上記(B)の平均粒径に特に制限はないが、好ましくは0.1〜40μm、より好ましくは0.2〜25μm、さらに好ましくは1〜25μmである。平均粒径が0.1μm〜40μmの範囲が表面平滑性と剛性のバランスが優れより好ましい。平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒度分布に基づき求められる平均粒径である。また、純度については特に制限がない。
上記(B)合成マイカの配合量は(A)PPS樹脂100重量部に対して1〜99重量部であり、5〜70重量部であることが好ましい。99重量部を超えると表面平滑性が低下するため好ましくない。また、(B)合成マイカの添加効果を十分に得るためには1重量部以上であることが好ましく、5重量部以上であることがより好ましい。
上記(B)の合成マイカは本発明の効果を損なわない範囲において表面処理をすることが可能であり、その処理剤としては、表面処理剤、収束剤が挙げられ、具体的には、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、ボラン処理、アンモニウム塩、各種アミノ酸、四級アンモニウム等があげられる。なかでも、アンモニウム塩処理が好ましい。
本発明で用いる(C)炭酸カルシウムは、 重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウムのどちらでもよいが、好ましくは重質炭酸カルシウムを用いるのがよい。平均粒径に特に制限はないが、好ましくは0.1〜10μmであり、0.5〜8μmがより好ましい。平均粒径が0.1μm〜10μmの範囲が表面平滑性と剛性のバランスが優れより好ましい。平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒度分布に基づき求められる平均粒径である。また、純度については特に制限がない。
(C)炭酸カルシウムの配合量は(A)PPS樹脂100重量部に対して0.1〜200重量部であり、10〜150重量部であることが好ましい。200重量部を超えると表面平滑性が低下するため好ましくない。また、(C)炭酸カルシウムの添加効果を十分に得るためには0.1重量部以上であることが好ましく、10重量部以上であることがより好ましい。
上記(C)の炭酸カルシウムは本発明の効果を損なわない範囲において表面処理をすることが可能であり、その処理剤としては、表面処理剤、収束剤が挙げられ、具体的には、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、ボラン処理等があげられる。
本発明で用いる(D)粒状無機充填材としては、(B)合成マイカ、(C)炭酸カルシウム以外の粒状無機充填材を用い、具体的には、フロゴパイト、マスコバイト、ゼオライト、セリサイト、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナシリケート、タルク、クレー、カオリンなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、チタン酸カリウムおよびシリカなどが挙げられ、これら充填材を2種以上併用することも可能である。なかでも本発明においては、硫酸バリウム、タルク、およびカオリンからなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
硫酸バリウムは、重晶石を粉砕したバライト粉や化学反応で製造した沈降性硫酸バリウムどちらでもよいが、好ましくは沈降性硫酸バリウムを用いるのがよい。タルクは、含水ケイ酸マグネシウムであり、純度に特に制限はない。カオリンとしては、焼成カオリン、非焼成カオリンなどがあるが焼成カオリンを用いるのが好ましい。
硫酸バリウムの平均粒径は3μm以下が好ましく、より好ましくは平均粒径は2.0μm以下であるのがよい。平均粒径が0.1μm〜40μmの範囲が表面平滑性と剛性のバランスが優れより特に好ましい。平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒径分布に基づき求められる平均粒径である。また、純度については特に制限がない。
タルクの平均粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは平均粒径7μm以下であるのがよい。平均粒径が1μm〜10μmの範囲が表面平滑性と剛性のバランスが優れより好ましい。平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒径分布に基づき求められる平均粒径である。また、純度については特に制限がない。
カオリンの平均粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは平均粒径は6μm以下であるのがよい。平均粒径が1μm〜10μmの範囲が表面平滑性と剛性のバランスが優れより好ましい。平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒径分布に基づき求められる平均粒径である。また、純度については特に制限がない。
上記(D)の形状は、立方形、紡錘形、柱状形、針状形、球形、不定形であってもよいが、好ましくは不定形または球形がよい。
上記(D)の粒状無機充填材の配合量は(A)PPS樹脂100重量部に対して0.1〜200重量部であり、0.1〜150重量部であることが好ましい。200重量部を超えると表面平滑性が低下するため好ましくない。また、(D)粒状無機充填剤の添加効果を十分に得るためには0.1重量部以上である必要があり、10重量部以上であることが好ましい。
上記(D)の粒状無機充填剤は本発明の効果を損なわない範囲で表面処理されていてもよく、表面処理を施すための処理剤としては、表面改質剤、収束剤が挙げられ、具体的には、脂肪酸、ワックス、非イオン系界面活性剤、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、リン系化合物、アルミナなどのアルミニウム塩、二酸化ケイ素などのケイ酸塩、二酸化チタンなどのチタニウム塩等があげられる。
さらに、(B)成分,(C)成分,(D)成分それぞれの配合量は、重量比率で((B)/((C)+(D)))≦1.0であり、((B)/((C)+(D)))<0.6であることが好ましい。((B)/((C)+(D)))>1.0では、表面平滑性が低下するために好ましくない。充填材(B),(C),(D)成分を特定の比率で配合することにより、表面平滑性と剛性が最適な特性を発揮できる。
本発明においては(A)PPS樹脂に各種フィラー成分を配合するが、これらフィラーは平均粒径が小さいほど一般に表面平滑性が良好になる。しかしながら、平均粒径の小さなフィラーを用いても必ずしも均一に分散せず、剛性が低下しフィラー浮きなどが発生しやすい傾向にある。本発明においては、PPS樹脂に配合する成分として、単に小さいだけでなく(A)PPS樹脂とのぬれ性が良好な成分を選択することにより、剛性、表面平滑性、寸法精度に優れた組成物が得られるものと考えられる。
本発明で用いる(B)合成マイカは天然マイカに比べて純度が高く、耐熱性が高いために揮発成分が少なく、表面平滑性、表面曇り性に優れているが、さらに(C)成分,(D)成分の併用により、より優れた表面平滑性および剛性を発揮することができる。また、(C)成分および(D)を併用することにより金属膜を表面に形成した場合に表面外観が優れ、特に金属膜を形成したものを熱処理した後の外観変化が小さいものが得られる。
本発明で用いる(E)滑剤は、ポリオレフィン、金属石鹸、脂肪酸エステル、脂肪族アミド系重縮合物のいずれでもよいが、なかでもポリオレフィンが好ましい。これらの滑剤を添加することで離型力が小さくなり、成形性が向上し、外観のすぐれた成形品が得られる。
本発で用いる(E)滑剤として、具体的には、ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、酸化ポリエチレン、分岐ポリエチレン、酸化分岐ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、なかでも高密度ポリエチレン、酸化分岐ポリエチレンが好ましい。金属石鹸としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウムなどが挙げられるが、なかでもステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウムが好ましい。脂肪酸アミド系重縮合物としては、エチレンジアミン・ステアリン酸重縮合物、エチレンジアミン・モンタン酸重縮合物、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物などが挙げられるが、なかでもエチレンジアミン・ステアリン酸重縮合物、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物が好ましい。脂肪酸エステルとしては、脂肪酸とアルコールとのエステル結合による化合物(ただし化合物中にリンを含むものは除く)である。脂肪酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸などが挙げられ、これらは飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。炭素数が10〜40の脂肪酸が好ましく、特にステアリン酸、モンタン酸が好ましい。アルコールとしては、ブタノール、オクタノールなどの一価アルコールとエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコールが挙げられ、多価アルコールが好ましく、特にエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、エチレングリコールジステアレート、グリセリントリステアレート、トリメチロールプロパントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ポリペンタエリスリトールステアレート、ジペンタエリスリトールアジピックステアレート、ジペンタエリスリトールアジピックステアレートオリゴマなどが挙げられ、特に好ましい例としてエチレングリコールジモンタネート、トリメチロールプロパントリモンタネート、ジペンタエリスリトールアジピックステアレートオリゴマなどが挙げられる。上記滑剤は2種以上併用することも可能である。
上記(E)の配合量は、(A)成分100重量部に対して通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜1重量部である。添加量をこれらの範囲にすることで成形性と射出成形時のガス発生量のバランスがよく成形品外観が良好になり好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明における効果を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマ、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、SAN樹脂、アクリル樹脂、SBS、SEBS、各種エラストマー等を、本発明の効果を損なわない範囲において配合することができる。さらにこれらは2種以上を併用して使用することもできる。
さらに、本発明の樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、カーボンブラックを配合することが可能である。カーボンブラックとしては、C(炭素)が主成分であれば導電性付与用、着色剤用など何れの種類でも用いることができるが、好ましくは着色剤として用いるチャンネル型、ファーネス型がよい。また、カーボンブラックは、コンパウンド添加(押出混練時に原料に配合することにより添加する方法)、マスターバッチ添加(射出成形などの成形前にカーボンブラックマスターをブレンドすることにより添加する方法)、ドライカラー(樹脂組成物ペレットの表面にカーボンブラックをまぶすことにより添加する方法)のいずれの添加方法で使用してもよい。
さらに、本発明の樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、イソシアネート系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、無機微粒子、有機リン化合物、金属酸化物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤、耐候剤および紫外線防止剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、熱安定剤、発泡剤、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック、鉄黒、メタリック顔料等)、染料(ニグロシン等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤などの通常の添加剤を添加することができる。
本発明で用いられる樹脂組成物の調製方法は特に制限はないが、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分及びその他必要に応じて添加される原料を溶融混練することにより得られる。具体的には原料の混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−、ミキシングロ−ルなど通常公知の溶融混合機に供給して280〜450℃の温度で混練する方法などを例として挙げることができる。また、原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練しさらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは二軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することももちろん可能である。
本発明のPPS樹脂組成物は、320℃、2時間、空気中で加熱したときの加熱減量が0.3重量%以下であることが好ましく、0.25重量%以下であることが特に好ましい。加熱減量は少ないほど好ましく、0.02重量%以上であれば成形品表面はガスによる曇りなく良好であるが0.3重量%を越えると成形品表面にガスによる曇りが発生し外観が劣る。このようなPPS樹脂組成物としては、加熱減量が少ないPPS樹脂をベースポリマーに(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、その他任意の成分等をコンパウンドすることにより得ることができる。
本発明で得られるPPS樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、成形が可能であれば特に制限はないが、強度の点から315℃、5分滞留、予備加重325g、測定荷重2160g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いた測定値として、150g/10分以下であることが好ましく、100g/10分以下であることがより好ましい。下限としては流動性の点から15g/10分以上であるのがよく、25g/10分以上であることがより好ましい。PPS樹脂組成物のMFRは、主として用いるPPS樹脂のMFR、(B)〜(E)成分などの量に左右され、MFRの低いPPS樹脂を用いることにより、もしくは(B)〜(E)成分などの量が多くなることにより、MFRが下がる傾向にあるので、これらを適宜調整することにより、上記範囲を有するPPS樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、射出圧縮成形、二色成形、DSI成形など各種公知の射出成形法、押出し成形、ブロー成形により成形することが可能であり、なかでも射出成形により成形することが表面平滑性が優れる点で好ましい。
本発明の樹脂組成物を金型表面粗さ0.03sの鏡面金型で成形して得られる成形品の表面粗さは、中心線平均粗さRaが100nm以下であることが好ましく、より好ましくは70nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。表面粗さは小さいほど好ましく表面平滑性に優れた成形品を得ることができるが、表面粗さの下限としては金型からの離型性を考慮して5nmであることが好ましい。表面粗さが100nmを超えると光反射体として充分な機能が得られないため好ましくない。ここでいう表面粗さは、表面粗さ測定機を用いてJISB0601に規定されている中心線平均粗さRaを任意の5カ所について測定し、平均したものである。
本発明の樹脂組成物は、強度、低ガス性、摺動性に優れ、特に表面平滑性と強度に優れていることから外観を要求される部品、特に外側に使用されるカバー部品、光反射用成形品に適している。例えば、フェンダーやドアなど自動車の外装部品、各種ギア、ピストン、ローラー、ガイドなどの摺動部品、二輪および四輪自動車のエンジンカバー、シリンダーヘッドカバーおよびその集積部品、電装品ケース、その他容器類などの成形品に好適であるだけでなく、その他の構造材料にも適している。具体的には、ノートパソコンのハウジング、プリンターのハウジングなどのOA機器部品、家庭電器機器のハウジング、カバー、ドアミラーステイ、ホイールキャップ、リレーブロック、インヒビタースイッチ、コンビネションスイッチレバー、等の自動車内外装部品の用途がある。なかでも光反射用成形体、特に金属膜を成形品表面に形成した光反射用成形体に極めて適している。光反射用成形体を使用する製品としては、サーチライト、スポットライト、プロジェクター反射鏡、OHP反射鏡、自動車ヘッドランプリフレクター、フォグランプリフレクター、二輪ヘッドランプリフレクターなどが挙げられる。金属膜は成形品表面に直接形成しても改質剤を塗布した上に形成してもよいが、成形品表面に金属膜を直接形成して使用することが好ましい。金属膜の形成は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの方法により行うことが可能であるが、スパッタリングまたは真空蒸着が好ましい。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例および比較例の中で述べられるMFR、加熱減量、中心線平均粗さ、曲げ弾性率、表面外観、離型力は各々次の方法に従って測定した。
[組成物のMFRの測定]
ペレットをメルトインデクサーを用いて315℃、5分滞留、予備荷重325g、測定荷重2160g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下で測定した値。
[加熱減量の測定]
樹脂組成物のペレット10gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥する。ペレット重量を測定し、320℃の雰囲気で2時間処理後、再度ペレット重量を測定する。320℃の処理による重量の減量を処理前のペレットの重量で除して加熱減量を計算した。この加熱減量が少ない樹脂組成物ほど、低ガスと言え、表面曇りが少なくなる。
[表面粗さ(中心線平均粗さRa)の測定]
鏡面金型(金型鏡面粗度0.03s)を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度150℃の条件で、鏡面角板(70mm×100mm×2.5mm厚み、フィルムゲート)を成形した。鏡面角板の鏡面部分の任意の5部分をミツトヨ(株)製の表面粗さ測定器にて、JISB0601に規定されている中心線平均粗さRaを測定し、平均したものである。単純な鏡面角板の表面粗さとしては35nm以下であるとアルミニウム等の金属を表面に被覆させて鏡面を形成する際、樹脂を成形後何も表面を処理せずに該金属を蒸着等により被覆させても、鏡面として実用できるレベル、30nm以下であると好ましいレベルといえる。上記数値が低いほど表面平滑性が優れていることになる。
[曲げ弾性率の測定]
シリンダー温度320℃、金型温度150℃にて、ISO多目的引張試験片(4mm厚み)を成形し、23℃の温度条件下でISO 178に準じて測定したものである。8.0GPa以上あれば実用上問題のない製品強度レベルといえるが、この値が高いほど剛性が優れ、好ましい。
[表面外観]
表面粗さ測定に用いた鏡面角板の外観を目視にて観察し、外観を判定した。判定は、◎:曇り、フィラー浮きなく良好、○:実用レベルであるが目立たない曇り、フィラー浮きあり、×:曇り、フィラー浮きあり実用レベルでない。
[金属蒸着外観]
表面外観を判定した鏡面角板にアルミニウムを直接真空蒸着した試験片の外観を観察した。判定は、◎:曇り、凹凸目立たなく良好、○:実用レベルの曇り、凹凸あり、×:曇り、凹凸大きく実用レベルでない。外観が良好なものほど製品特性の光反射性に優れている。
[離型力の測定]
シリンダー温度320℃、金型温度130℃にて、箱型試験片を成形し、成形品を金型から突き出す際の突き出し力を離型力として測定した。(使用成形機:住友重機製SE30D(30トン))連続成形して安定したところで連続10ショットを測定し、平均値を離型力とした。離型力は10kg以下であれば実用上問題のないレベルといえるが、この値が小さいほど成形性が優れ好ましい。
図1(a)は離型力を測定した箱型試験片正面形状であり、図1(b)はその側面図である。成形品の寸法は35mm×35mm×15mm(深さ)の箱型で厚み2mmである。ゲートはサブマリンゲートであり、エジェクターピン4本で突き出す力を測定する。
[参考例]
(PPS−1の製造)
攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.205kg(2.5モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す。)5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.719kg(25.3モル)ならびにNMP3.7kgを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄し、次に100℃に加熱されNMP10kg中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾過のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥して、MFR600(g/10min)のPPS樹脂を得た。なお、MFRは、315.5℃、5分滞留、荷重5000g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定した。またPPS樹脂の加熱減量は、0.5重量%であった。なお、加熱減量は、PPS樹脂を1gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥した後、重量を測定し、371℃の空気中で1時間処理し、再度重量を測定した。371℃の処理による重量の減量を処理前の重量で除してパーセント表示して加熱減量とした。
(PPS−2の製造)
攪拌機付きオートクレーブに47%水流化ナトリウム水溶液2.98kg(25モル)、48%水酸化ナトリウム2.17kg(26モル)、酢酸ナトリウム656g(8モル)ならびにNMP5kgを仕込み、徐々に205℃まで昇温し、水2.7kgを含む抽出水2.8リットルを除去した。残留混合物に1,4−ジクロロベンゼン3.75kg(25.5モル)ならびにNMP2.5kgを加えて、270℃で1時間加熱した。反応生成物を温水で2回洗浄し、120℃で24時間減圧乾燥、後に230℃で16時間加熱処理してMFR120(g/10min)のPPS−2を得た。なお、MFRは、315.5℃、5分滞留、荷重5000g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定した。またPPS樹脂の加熱減量は、0.5重量%であった。なお、加熱減量は、PPS樹脂を1gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥した後、重量を測定し、371℃の空気中で1時間処理し、再度重量を測定した。371℃の処理による重量の減量を処理前の重量で除してパーセント表示して加熱減量とした。
(PPS−3の製造)
攪拌機付きオートクレーブに水硫化ナトリウム水溶液4.67kg(25モル)、50%水酸化ナトリウム2.00kg(25モル)ならびにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す。)8kgを仕込み、攪拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水3.8kgを含む留出水4.1リットルを除去した。残留混合物に1,4−ジクロロベンゼン3.75kg(25.5モル)ならびにNMP2kgを加えて、230℃で1時間、更に260℃で30分加熱した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄し、80℃で24時間減圧乾燥してMFR3000(g/10min)のPPS樹脂を得た。なお、MFRは、315.5℃、5分滞留、荷重5000g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定した。またPPS樹脂の加熱減量は、0.7重量%であった。なお、加熱減量は、PPS樹脂を1gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥した後、重量を測定し、371℃の空気中で1時間処理し、再度重量を測定した。371℃の処理による重量の減量を処理前の重量で除してパーセント表示して加熱減量とした。
(PPS−4の製造)
攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.787kg(9.6モル)およびNMP5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.712kg(25.25モル)ならびにNMP2.4kgを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。次に100℃に加熱されNMP10kg中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに80℃の熱水で30分の洗浄を3回繰り返した。これを濾過し、酢酸カルシウムを10.4g入れた水溶液25リットル中に投入し、密閉されたオートクレープ中で192℃で約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾過のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥して、MFR100(g/10min)のPPS樹脂を得た。なお、MFRは、315.5℃、5分滞留、荷重5000g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定した。またPPS樹脂の加熱減量は、0.35重量%であった。なお、加熱減量は、PPS樹脂を1gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥した後、重量を測定し、371℃の空気中で1時間処理し、再度重量を測定した。371℃の処理による重量の減量を処理前の重量で除してパーセント表示して加熱減量とした。
[実施例および比較例で用いた配合材]
(マイカ)
合成マイカA:“PDM−5B”フッ素金雲母、平均粒径6μm、アスペクト比25(トピー工業社製)
合成マイカB:“4CD-Ts”ナトリウムヘクトライト(アンモニウム塩有機化処理)平均粒径25μm、(トピー工業社製)
合成マイカC:“SMD−500”、フッ素金雲母、平均粒径18μm、アスペクト比2(レプコ社製)
天然マイカD:“S400”平均粒径24μm、金マイカ(レプコ社製)
なお、上記において、マイカの平均粒径はレーザー回折式の粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒径分布に基づき求めた平均粒径である。
(炭酸カルシウム)
重質炭酸カルシウム:“KS1300”平均粒径3.8μm(同和カルファイン製)
なお、上記において、炭酸カルシウムの平均粒径はレーザー回折式の粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒径分布に基づき求めた平均粒径である。
(粒状無機充填材)
硫酸バリウム:“B−55”平均粒径0.7μm、沈降性硫酸バリウム、未表面処理品(堺化学製)
カオリンA:“SATINTON W”平均粒径3.1μm、焼成カオリン、未表面処理(ENGELHARD社製)
タルク:“ミクロンホワイト5000A”平均粒径6.7μm(林化成製)
ガラスビーズ:“EGB731”平均粒径20μm(ポッターズ・バロティーニ社製)
なお、上記において、平均粒径はレーザー回折式の粒度分布測定機を用いて常法に従って測定した粒径分布に基づき求めた平均粒径である。
(滑剤)
滑剤−1:モンタン酸のエステルワックス“Licowax−E”(クラリアント・ジャパン社製)
滑剤−2:ポリエチレンワックス“リコワックスPE190”(クラリアント・ジャパン社製)
滑剤−3:エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物“WH255”(共栄社化学製)
実施例1〜11
前述のようにして用意した(A)PPS樹脂、(B)合成マイカ、(C)炭酸カルシウム、(D)粒状無機充填材を表1に示す割合でドライブレンドした後、350℃の押出条件に設定したスクリュ−式二軸押出機により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを乾燥後、射出成形機を用いて、シリンダ−温度320℃、金型温度150℃の条件で射出成形することにより、所定の特性評価用試験片を得た。得られた試験片およびペレットについて、前述した方法でMFR、加熱減量、中心線表面粗さ、曲げ弾性率、外観、金属蒸着外観を測定した。その結果を表1に示す。
ここで得られた樹脂組成物および成形体は、表面平滑性、剛性を有しており実用性の高いものであった。表面平滑性は、アルミニウムを表面に被覆させて鏡面を形成する際、樹脂を成形後何も表面を処理せずに該金属を真空蒸着により被覆させても、鏡面として実用できるレベルのものであった。
比較例1
充填材としてマイカを用いないで炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムのみを用いて、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。充填材として炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムのみを配合した場合、曲げ弾性率が低くかつ外観が悪く実用レベルではなかった。
比較例2
充填材として合成マイカでない天然マイカDと炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムを用いて、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。充填材として天然マイカDと炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムを用いた場合、表面粗さおよび外観が悪く実用レベルではなかった。
比較例3
充填材としてマイカと炭酸カルシウム、硫酸バリウムおよびカオリンを用いて、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。充填材として(D)成分を200重量部以上配合した場合、MFRが小さく流動性および表面粗さが悪く実用レベルではなかった。
比較例4
充填材として炭酸カルシウムを用いないで、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。充填材として炭酸カルシウムを用いない場合、曲げ弾性率が低く、外観が悪く実用レベルではなかった。
比較例5
充填材として粒状無機充填材を用いないで、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。粒状無機充填材を用いない場合、曲げ弾性率が低く、外観が悪く実用レベルではなかった。
比較例6
充填材としてマイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムを用いて、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表1に示す。充填材の比率(B)/((C)+(D))が1.1の場合、表面粗さおよび外観が悪く実用レベルではなかった。
比較例7
充填材としてマイカのみを用いて、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。マイカのみを配合した場合、外観が悪く実用レベルではなかった。
比較例8
充填材として粒状無機充填材にガラスビーズを用いて、実施例と同様にして、表2に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表2に示す。ガラスビーズを用いた場合、表面粗さ、外観が悪く、製品として実用レベルではなかった。
実施例12〜14
実施例1〜11と同様に表3に示す割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表3示す。実施例12〜14が滑剤を添加した場合で、実施例7が滑剤を添加しない場合であるが、滑剤を添加することで、離型力が小さくなり成形性が向上している。滑剤の中でも実施例13で使用した滑剤−2のポリエチレンワックスの加熱減量が小さく、外観も良好であり特に優れていた。
Figure 2007154167
Figure 2007154167
Figure 2007154167
図1(a)は離型力測定用箱型試験片の正面図であり、図1(b)はその側面図である。
符号の説明
1.離型力測定用箱型試験片
2.スプルー
3.ゲート
4.金型のエジェクタピン(突き出しピン)

Claims (14)

  1. (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)合成マイカ1〜99重量部、(C)炭酸カルシウム0.1〜200重量部、(D)粒状無機充填材0.1〜200重量部を(B),(C),(D)の重量比率が((B)/((C)+(D)))≦1.0となるように配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. (B)合成マイカがフッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、およびナトリウムヘクトライトから選択される1種類以上である請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  3. (B)合成マイカの平均粒径が0.1〜40μmである請求項1または2に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  4. (C)炭酸カルシウムの平均粒径が0.1〜10μmである請求項1〜3のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  5. (D)粒状無機充填材が硫酸バリウム、タルク、カオリンから選択される1種類以上である請求項1〜4のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 硫酸バリウムの平均粒径が3μm以下である請求項5記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  7. タルクの平均粒径が10μm以下である請求項5記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  8. カオリンの平均粒径が10μm以下である請求項5記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  9. さらに(E)滑剤を(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部配合してなる請求項1〜8のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  10. 320℃、2時間での加熱減量が0.3重量%以下である請求項1〜9のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  11. メルトフローレート(315℃、5分滞留、予備加重325g、測定荷重2160g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定する)が15g/10分〜150g/10分である請求項1〜10のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
  13. 表面平均粗さRaが100nm以下である請求項12記載の成形品。
  14. 請求項12または13記載の成形品の表面に金属膜を形成してなる光反射用成形体。
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